JP2902532B2 - 振動体の検査方法及びその装置 - Google Patents

振動体の検査方法及びその装置

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紳二 岡本
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山中  浩
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流駆動される電磁石
を有する機器など複数方向の振動を発生する振動体の良
否を判別する振動体の検査方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】複数方向に微小に振動する振動体の良否
判別検査は、ほとんど繊細な人の感覚に頼る官能検査作
業によって行われている。例えば、交流駆動される電磁
石を有する機器である電磁接触器などでは、熟練作業者
の経験に基づいて良否の判定を行っている。具体的に
は、検査対象物を励磁加振し、そのときの音や振動を熟
練作業者が耳や手の感覚により検出し、良否の判定を行
っている。
【0003】しかしながら、上述のような検査を行える
ようになるには熟練を要し、修得期間が必要であり、人
手不足の今日では、このような熟練作業者を養成するこ
とは極めて難しい。また、複数の検査作業者間で判定基
準が異なるという問題がある上に、同一の検査作業者で
あっても、体調や集中度などにより判定結果にばらつき
が出る。しかも、検査規格を定量化しにくく明確にでき
ないという問題もある。
【0004】さらに、工程の自動化が進む中で、人手作
業が介在することがライン全体の自動化や昼夜連続稼働
を進める上での阻害要因となるという問題もあった。そ
こで、最近ではこの種の検査を一部自動化する取り組み
がなされている。その一例としては、一方向の振動の周
波数スペクトルに基づいて良否の検査を行う方法が提案
されている。例えば、特開平3−18726号公報で
は、音の放射パワーを演算し、規格値と比較判定する電
磁開閉器のうなり音判定装置が提案されている。また、
特開昭61−38426号公報では、着目した周波数か
ら測定パターンを形成し、測定パターンを特定の異常項
目のマスクパターンでマスクした後に異常パターンと比
較判定する機械設備異常診断装置が提案されている。
【0005】また、一方向の振動波形の特徴抽出で良否
の検査を行う方法も提案されている。例えば、特開平2
−223121号公報では、振動波形から求めた波高
値、波高率を各々所定値と比較判定した結果から良否を
判定する電磁開閉器のうなり音判定装置が提案されてい
る。また、特開平3−18725号公報では、振動波形
を包絡線検波した波形の加算平均波形から求めた波高
値、波高率を各々の所定値と比較判定した結果から良否
を判定する電磁開閉器のうなり音判定装置が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した振動体の検査
方法は図13に示すようにまとめることができる。つま
り、振動体の振動を検出し(a)、周波数の分析、また
は波高値及び波高率の演算などを行い(b)、その分析
あるいは演算結果のレベルを判定し(c)、そのレベル
判定結果から良否の判定を行う(d)というものであ
る。
【0007】ところが、現実の振動体は、これを構成す
る部品の形状,特性のばらつきや3次元的組み合わせの
微小なずれにより振動モードが変化し、不良現象は多次
元のいずれかに現れることが多い。このため、特定方向
では良品と同等レベルの振動しか発生せず、一方向の振
動検出では不良現象を検出できない可能性がある。ま
た、通常不良現象は複合不良、多軸間干渉や非線形性を
伴い複数次元に現れることが多い。このため、不良レベ
ルの高い不良については単次元でも良否判定が可能な場
合が多いが、微妙な不良については単次元だけの判定で
は正確に判定することは難しい場合が多い。すなわち、
上述の従来の検査方法では、単次元のみで判定を行うた
め、誤判定するものが発生し、認識率が低下する可能性
がある。
【0008】さらに、不良品であっても、条件によって
は常に不良状態にあるとは限らず、開閉機器などの励磁
オン,オフで内部部品の接触面が微小にずれ、このこと
が振動特性に大きく影響することがある。このような振
動体においては、一度だけで判定すると不良状態を検出
できず、誤判定する可能性がある。そこで、上述した従
来の振動体の検査方法においては複数回の振動検出を行
うようにしてある。なお、従来の振動体の検査方法では
同一条件で複数回の振動検出を行っている。このように
同一条件で複数回の振動検出を行うと、状態のばらつき
は考慮される。しかし、判定がばらつくと、総合判定が
難しくなる。従って、微妙な不良においては、さらに良
否のS/Nを上げた信号の検出、つまりは良否が明確に
なるように振動検査条件を変えた検出を可能とすること
が望まれる。しかも、検出回数が多くなると、検査時間
が長くなり、生産性が低下するという問題がある。
【0009】本発明は上述の点に鑑みて為されたもので
あり、その第1の目的とするところは、振動体の良否判
定を自動的に行え、良否判定が微妙な不良品の不良認識
精度及び良否判定の信頼性を向上させることができる振
動体の検査方法及びその装置を提供することにあり、第
2の目的とするところは、良否のS/Nを上げて不良認
識精度を向上させることができ、効率良く検査を行うこ
とができる振動体の検査方法及びその装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記第1の目的を達成するために、振動体の複数方向の振
動を検出した後、各方向の振動波形を夫々表す複数種類
ずつの値を特徴要素として抽出し、次に各特徴要素の値
重みづけして加算する組み合わせ演算を行い、組み合
わせ演算の演算結果と良否判定用の基準値とを比較する
ことにより振動体の良否を判定するようにしてある。
【0011】請求項2の発明では、上記第1及び第2の
目的を達成するために、振動体の複数方向の振動を検出
した後、各方向の振動波形を夫々表す複数種類ずつの値
特徴要素として抽出し、次に各特徴要素の値毎に不良
を検出する第1の基準値と比較し、第1の基準値により
不良が検出されないときに、上記特徴要素から選択した
特徴要素の値に重みづけして加算する組み合わせ演算を
行い、組み合わせ演算の演算結果と良否判定用の第2の
基準値とを比較することにより振動体の良否を判定する
ようにしてある。
【0012】請求項3の発明では、構成を簡素化するた
めに、上記複数方向の振動を検出し、この検出出力から
特徴要素を抽出する方法として、振動の検出方向を複数
方向に切り換え、夫々の振動検出方向毎に順次振動を検
出すると共に、検出出力から所定の特徴要素を抽出し、
その所定の特徴要素の値を記憶し、その記憶した値を読
み出してその後の良否判定処理を行うようにしてある。
【0013】請求項4の発明では、交流電圧により交流
駆動される電磁石によって振動する振動体の複数方向の
振動を夫々検出した後、印加交流電圧の基本周波数の整
数倍に相当する複数周波数の周波数成分を、振動波形を
表す特徴要素として各方向の振動成分から夫々抽出し、
次に上記特徴要素の組み合わせ演算を行い、組み合わせ
演算の結果と良否判定用の基準値とを比較することによ
り振動体の良否を判定するようにしてある。 請求項5の
発明では、交流電圧により交流駆動される電磁石によっ
て振動する振動体の複数方向の振動を夫々検出した後、
印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当する複数の周
波数成分を、振動波形を表す特徴要素として各方向の振
動成分から夫々抽出し、次に各特徴要素の値毎に不良を
検出する第1の基準値と比較し、第1の基準値により不
良が検出されないときに、上記特徴要素から選択した特
徴要素の組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の演算
結果と良否判定用の第2の基準値とを比較することによ
り振動体の良否を判定するようにしてある。
【0014】また、請求項4、請求項5の発明における
上記印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当する周波
数を、請求項6に示すように、励磁電流を2乗した信号
の主要成分に相当する周波数としてもよい。なお、請求
項7に示すように、振動体の振動を検出する方向は、上
記交流の電磁石の吸着面の法線方向と、その法線方向と
直交する直線を回転中心とする回転方向から選択した方
向とすればよい。
【0015】また、請求項8に示すように、振動体の振
動を検出する方向を、振動体を取り付ける取付板の取付
面の法線方法と、その法線方向と直交する直線を回転中
心とする回転方向から選択した方向としてもよい。振動
測定を簡易とするために、請求項7及び請求項8の回転
方向から選択する方向を、請求項9に示すように法線と
直交する方向に置き換えてもよい。
【0016】また、回転方向の振動を検出する方法の代
替方法として、請求項10に示すように、回転方向から
選択した方向の検出出力を、測定面の複数箇所の振動を
検出し、これら複数の振動の検出出力を演算して求めて
もよい。上記請求項2又は請求項5のいずれかに記載の
振動体の検査方法において、完全良品の判定のたいめ
に、請求項11に示すように、上記第1の基準値を、
ての特徴要素の下限値として設定すればよい。
【0017】また、完全不良品の判定のために、請求項
12に示すように、上記第1の基準値を、いずれかの特
徴要素の下限値として設定してもよい。さらに、完全良
品及び完全不良品とも判定できない不確定品の判定のた
めに、請求項13に示すように、第1の基準値を、いず
れかの特徴要素の下限値を規定する第1の値と、全ての
特徴要素の上限値を規定する第2の値として設定しても
よい。
【0018】請求項2又は請求項5記載の振動体の検査
方法において、請求項14に示すように、上記組み合わ
せ演算を上記特徴要素と第1の基準値との比較結果によ
り決定してもよい。請求項1乃至請求項5のいずれかに
記載の振動体の検査方法における特徴要素の値の組み合
わせ演算を、請求項15に示すように、特徴要素の中か
ら選択した特徴要素の値からなる多次元データを複数の
評価式で演算するようにしてもよい。
【0019】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
振動体の検査方法における上記特徴要素の値の組み合わ
せ演算及び比較を、請求項16に示すように、良否が既
知である振動体の特徴要素の値を入力データとし、その
振動体の良否を教師信号として学習させたニューラルネ
ットワークにより行うようにしてもよい。請求項17に
示すように、振動体の良否の判定は、振動動作のオン,
オフを行い、複数回判定した結果を総合して良否判定す
ることが好ましい。
【0020】また、請求項18に示すように、振動体の
良否の判定を、電源の高調波歪み度を変化させ、複数回
判定した結果を総合して良否を判定してもよい。さら
に、請求項19に示すように、振動体の良否の判定を、
電源電圧を変化させ、複数回判定した結果を総合して良
否を判定してもよい。なお、請求項20に示すように、
振動体の良否の判定を、前回の判定結果から次回の振動
検査条件を決定する操作を繰り返して良否を判定するよ
うにしてもよい。
【0021】請求項21に示すように、交流の電磁石に
より振動する機器において、高調波成分を多く付加した
交流電圧を印加し、このときの振動を検出し、この検出
出力から印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当する
所定の周波数成分を抽出し、振動体の良否を判定しても
よい。請求項22に示すように、振動体の振動は、電圧
の値を低く設定した交流電圧を印加したときの振動とし
てもよい。
【0022】請求項23に示すように、比較に用いられ
る所定の値は、励磁電流を検出し、その励磁電流から抽
出した高調波成分の値より補正した所定の値としてもよ
い。請求項24に示すように、振動に伴い発生する現象
の信号の検出及び検査条件信号の検出の両方あるいはい
ずれか一方を行い、これらの波形特徴を抽出し、上記組
み合わせ演算において、この波形特徴の値を上記振動波
形特徴の値と組み合わせて演算してもよい。
【0023】請求項25の発明では、上記第1及び第2
の目的を達成するために、振動体の複数方向の振動を検
出する検出部と、検出した振動波形の特徴を抽出する波
形特徴抽出部と、波形特徴抽出部の出力から所定の波形
特徴を選択する波形特徴選択部と、選択した波形特徴の
値を組み合わせ演算する組み合わせ演算部と、その組み
合わせ演算部の出力と所定の値とを比較し振動体の良否
を判定する比較判定部と、上記各部を制御する検査シー
ケンス制御部とで構成してある。
【0024】振動体の振動を検出する検出部は、具体的
には、請求項26に示すように、光学式非接触振動セン
サと、その振動体の複数方向の振動を得るためにミラー
系を制御して光路を切り換えるミラー系制御光路切換部
とで構成することができる。また、振動体の振動を検出
する検出部は、請求項27に示すように、光学式非接触
振動センサと、その振動体の複数点の振動を得るために
ミラー系を制御して光路を切り換えるミラー系制御光路
切換部と、この光路切換に対応した振動センサ出力を順
次記憶するメモリ部と、その記憶した複数点の振動検出
波形から複数方向の振動波形を波形演算する振動波形演
算部とで構成してもよい。
【0025】さらに、請求項28に示すように、組み合
わせ演算部及び比較判定部を、良否が既知である振動体
の振動波形特徴の値を入力データとし、その振動体の良
否を教師信号として学習させたニューラルネットワーク
で構成してもよい。また、請求項29に示すように、波
形特徴を振動波形の周波数成分とし、波形特徴抽出部が
振動波形の周波数を分析する周波数分析回路で構成して
もよい。
【0026】請求項1の発明は、上述のように振動体の
複数方向の振動を検出した後、各方向の振動波形を夫々
表す複数種類ずつの値を特徴要素として抽出し、次に各
特徴要素の値に重みづけして加算する組み合わせ演算を
行い、組み合わせ演算の演算結果と良否判定用の基準値
とを比較することにより振動体の良否を判定することに
より、振動体の良否判定を自動的に行う。また、振動体
の複数方向の振動を検出することにより、多方向に現れ
る不良現象を取りこぼすことなく検出可能とすると共
に、複雑な振動モードでも信頼性高く検出可能とする。
さらに、抽出された複数の特徴要素の値から組み合わせ
演算を行い、その演算結果と良否判定用の基準値とを比
較し、振動体の良否を判定するから、わずかな不良でも
検出することが可能になり、検査精度が向上する。特に
各方向の振動から複数種類ずつの値を抽出することによ
って各方向の振動波形を検出しているから、各方向につ
いて一つの要素を特徴要素として抽出する場合に比較す
ると振動体の振動状態をより正確に検出することが可能
になり、しかも、組み合わせ演算の演算結果と基準値と
を比較するから、比較判定が容易になる。ここに、組み
合わせ演算では重み付けして加算しているから、重み係
数を適宜に設定すれば、特徴要素として検出した値が組
み合わせ演算によって違いに相殺することもなく、振動
体の良否を正確に判定することができる。
【0027】請求項2の発明では、上述のように特徴
要素の値毎に不良を検出する第1の基準値と比較し、第
1の基準値により不良が検出されないときに、上記特徴
要素から選択した特徴要素の値に重みづけして加算する
組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の演算結果と
否判定用の第2の基準値とを比較することにより、第1
基準値との比較では簡易な判定を行うことを可能と
し、検査時間の短縮が図れる。また、第1の基準値との
比較により不良が検出されないときに組み合わせ演算を
行うと共に組み合わせ演算の演算結果と良否判定用の第
2の基準値とを比較して振動体の良否を判定することに
より、不良認識精度及び良否判定の信頼性を向上させる
ことを可能とする。つまり、第1の基準値によって振動
体の良否を予備的に判定することができるから、明らか
に不良が検出されるときには組み合わせ演算を行う前に
不良と判定することができる。しかも、請求項1の発明
と同様に、複数の振動方向について夫々複数種類ずつの
値を抽出し、かつ組み合わせ演算の演算結果を用いて振
動体の良否を判定するから、請求項1の発明と同様の作
用を奏する。
【0028】請求項3の発明では、振動の検出方向を複
数方向に切り換え、夫々の振動検出方向毎に順次振動を
検出すると共に、検出出力から所定の特徴要素を抽出
し、その所定の特徴要素の値を記憶し、その記憶した値
を読み出してその後の良否判定処理を行うことにより、
振動を検出する振動検出手段及び特徴要素を抽出する特
徴要素抽出手段を単一で構成することを可能とし、この
振動体の検査方法を用いる装置の構成を簡素化し、コス
ト削減を図る。
【0029】請求項4、請求項5の発明では、交流駆動
される電磁石により振動する振動体から複数方向の振動
を検出し、印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当す
る複数周波数の周波数成分を、振動波形を表す特徴要素
として各方向の振動成分から夫々抽出することにより、
電磁石振動に対応する振動波形情報を数値で扱うことを
可能とする。また、周波数毎に複数方向の振動モードを
分解し、多くの判定データを得ることも可能とする
【0030】請求項6のように、上記印加交流電圧の基
本周波数の整数倍に相当する周波数を、励磁電流を2乗
した信号の主要成分に相当する周波数とすることによ
り、電磁力に対応する周波数成分を選択して、取り扱う
データ数を削減し、データの取り扱いを容易とする。請
求項7に示すように、振動体の振動を検出する方向を、
上記交流の電磁石の吸着面の法線方法と、その法線方向
と直交する直線を回転中心とする回転方向から選択した
方向とすれば、電磁石の電磁力による吸着方向の振動及
び吸着面の平面度不良などによる捩れ振動を検出するこ
とが可能となる。
【0031】請求項8に示すように、振動体の振動を検
出する方向を、振動体を取り付ける取付板の取付面の法
線方法と、その法線方向と直交する直線を回転中心とす
る回転方向から選択した方向とすれば、振動体を取付板
に取り付ける場合において、取付板の取付面に対する法
線方向の振動及び取付面の捩れ振動を検出することが可
能となる。
【0032】請求項7及び請求項8の回転方向から選択
する方向を、請求項9に示すように法線と直交する方向
に置き換えると、振動測定を簡易に行うことが可能とな
る。請求項14に示すように、上記第2の比較を特徴要
素を選択組み合わせして行い、第2の比較のための選択
組み合わせを第1の比較結果により決定すれば、不要な
選択組み合わせを排除した探査的再検査を行え、検査処
理を削減して、検査の効率化及び検査時間の短縮を図る
ことが可能となる。
【0033】請求項15に示すように、特徴要素の中か
ら選択した特徴要素の値からなる多次元データを複数の
評価式で演算することにより、単一の評価式では得られ
ない多面的な評価結果を得ることが可能となり、検査精
度の向上が図れ、さらには不良原因の推定あるいは診断
にまで発展させることを期待できる。請求項16に示す
ように、特徴要素の値の組み合わせ演算及び比較を、良
否が既知である振動体の特徴要素の値を入力データと
し、その振動体の良否を教師信号として学習させたニュ
ーラルネットワークにより行うことにより、ニューラル
ネットワークが学習により比較基準を得るため、従来の
統計などにより比較値を決定する作業から解放され、検
査システム開発の効率化を図ることが可能となる。ま
た、ニューラルネットワークは非線形な判別も確実に行
え、統計などにより決定した比較値を用いた検査では判
別できない微妙なレベルの判定も期待できる。
【0034】請求項17乃至請求項23のようにすれ
ば、検査条件を変えてアクティブな検査が行え、良否の
S/Nを上げ不良認識精度を向上させ、効率よく検査を
行うことが可能となる。請求項24に示すように、振動
に伴い発生する現象の信号の検出及び検査条件信号の検
出の両方あるいはいずれか一方を行い、これら波形特徴
を抽出し、上記組み合わせ演算において、この波形特徴
の値を上記振動波形特徴の値と組み合わせて演算するこ
とにより、同時に発生する種々の現象や検査条件の変動
も加味した良否判定を行え、誤判定を減少させることが
可能となる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の一実施例の振動体の検査装
置の構成を示す(請求項1に対応する)。本実施例の振
動体の検査装置は、振動を検出する複数のセンサ部11
1 ,112 ,…と、センサ部111 ,112 ,…で検出
した振動波形から特徴要素を抽出する特徴抽出部1
1 ,122 ,…と、抽出された特徴要素の値からなる
組み合わせ演算を行い、所定の値と演算結果を比較する
組み合わせ演算・比較部13と、比較結果から振動体の
良否を判定する良否判定部14とで構成してある。
【0036】上記検査装置では、振動体の複数方向の振
動を複数のセンサ部111,112,…で同時に検出し、
各々のセンサ部111,112,…で検出した振動波形か
ら特徴要素抽出部121,122,…が特徴要素を抽出す
る。特徴要素としては後述するように各振動方向につい
て夫々複数種類ずつの値が抽出する。そして、抽出した
特徴要素を組み合わせ演算・比較部13において組み合
わせ、演算比較する。組み合わせ演算は、後述するよう
に、各特徴要素に重み係数を乗じて加算する演算であ
り、その演算結果は良否判定用の基準値と比較される。
その演算比較結果により良否判定部14が振動体の良否
の判定を行う。ここで、検出される振動は、振動変位、
振動速度、振動加速度のいずれでもよい。
【0037】本実施例によれば、振動体の良否判定を自
動的に行える。また、振動体の複数方向の振動を検出す
ることにより、多方向に現れる不良現象を取りこぼすこ
となく検出できると共に、複雑な振動モードでも信頼性
高く検出できる。さらに、抽出された複数の特徴要素の
値から組み合わせ演算を行い、その演算結果と所定の値
とを比較し、振動体の良否を多次元で判定することによ
、微妙な不良品を検出でき、検査精度が向上する。
【0038】(実施例2)図2は他の実施例の構成を示
すもの(請求項2に対応するもの)で、上記組み合わせ
演算・比較部13の代わりに、特徴要素抽出部121
122 …で抽出した特徴要素毎に所定の値と比較する第
1の比較部151 と、特徴要素から選択した複数の特徴
要素の値からなる多次元データの組み合わせ演算を行
い、この演算結果と所定の値とを比較する第2の比較部
152 とを設けてある。
【0039】本実施例の振動体の検査装置においても、
振動体の複数方向の振動を複数のセンサ部111 ,11
2 ,…で同時に検出し、各々のセンサ部111 ,1
2 ,…で検出した振動波形から特徴要素抽出部1
1 ,122 ,…が特徴要素を抽出する。これにより、
多方向に現れる不良現象を取りこぼすことなく検出可能
とすると共に、複雑な振動モードでも信頼性高く検出可
能とする。
【0040】そして、本実施例の場合には、特徴要素抽
出部121,122,…で抽出した特徴要素毎に第1の比
較部151で夫々不良を検出する第1の基準値と比較
(第1の比較)を行う。この第1の比較部151の比較
結果は良否判定部14に出力する。次に、第1の比較部
151のみでは明確に良否判定できなかったもののみに
ついて、第2の比較部152で第2の比較を行う。具体
的には、選択した複数の特徴要素の値からなる実施例1
と同様の組み合わせ演算を行い、この演算結果と良否判
定用の第2の基準値とを比較する。この第2の比較部1
2の比較結果は良否判定部14に出力する。ここで、
第2の比較部152で行う組み合わせ演算は複数用意し
ておき、第1の比較部151による比較結果から適した
組み合わせ演算を選択するようにすることもできる。
【0041】良否判定部14では、第1の比較部151
の比較結果、あるいは第1及び第2の比較部151 ,1
2 の比較結果の両方から良否の判定を行う。本実施例
の場合には、第1の比較部151 で行う第1の比較で簡
易判定を行い、検査時間の短縮を図ることができる。ま
た、第1の比較結果で必要なもののみ第2の比較部15
2 で特徴要素から選択した特徴要素の値からなる多次元
データの組み合わせ演算を行い、この演算結果と所定の
値とを比較する第2の比較を行うことにより、実施例1
の場合と同様に、不良認識精度及び良否判定の信頼性を
高くできる。
【0042】(実施例3)図3にさらに他の実施例の構
成を示す(請求項3に対応するものである)。本実施例
では、センサ部11と特徴要素抽出部12とを夫々1つ
にしたもので、複数方向の振動を検出するために、振動
検出経路を切り換える振動検出方向切換部16と、この
振動検出方向切換部16で設定された振動検出方向毎
に、センサ部11で検出された振動波形から特徴要素抽
出部12で抽出した所定の特徴要素を記憶するメモリ部
17とを設けてある。
【0043】本実施例では、振動検出方向切換部16に
おいて振動検出方向を設定し、その設定終了後に振動体
の振動をセンサ部11で検出し、検出した振動波形から
特徴要素抽出部12が所定の特徴要素を抽出する。そし
て、その抽出した特徴要素の値をメモリ部17に記憶さ
せる。以上の一連の処理を複数方向の全てについて行っ
た後、メモリ部17に記憶した値を組み合わせ演算・比
較部13が読み出し、実施例1で説明したと同様の組み
合わせ演算及び比較処理を行い、その結果から良否判定
部14で良否の判定を行う。
【0044】なお、本実施例では実施例1におけるセン
サ部11と特徴要素抽出部12とを夫々1つにするため
に、振動検出方向切換部16とメモリ部17とを設けた
ものであるが、実施例2においても適用できることは言
うまでもない。本実施例によれば、振動の検出方向を複
数方向に切り換え、夫々の振動検出方向毎に順次振動を
検出すると共に、検出出力から所定の特徴要素を抽出
し、その所定の特徴要素の値を記憶し、その記憶した値
を読み出してその後の良否判定処理を行うことにより、
センサ部11及び特徴要素抽出部12を単一で構成する
ことができ、振動体の検査装置の構成を簡素化し、コス
トを削減することができる。
【0045】ところで、以上の各実施例における特徴要
素としては種々考えられる。その1つとしては各方向の
振動波形からそれぞれ複数の周波数について抽出される
周波数成分がある(請求項4)。そして、周波数成分の
値としては、パワースペクトラム値やリニアスペクトラ
ム値、あるいは1/nオクターブ分析値などを用いるこ
とができる。また、各成分毎の位相情報を付加してもよ
い。このように、特徴要素を複数の周波数について抽出
される周波数成分とすれば、振動波形情報を複数個の
値で扱うことができ、しかも周波数毎に複数方向の振動
モードを分解し、判定のための多くの判定データを得る
ことができる。
【0046】いま、振動体を交流駆動される電磁石によ
り振動する機器であるとし、高調波を含む交流電圧を印
加した場合、励磁電流I及び磁束密度Bは以下のように
表される。
【0047】
【数1】
【0048】従って、交流駆動される電磁石の電磁力F
は、
【0049】
【数2】
【0050】となる。ここで、Sは磁路断面積、Bは磁
束密度、ω0 は励磁電流の基本角周波数、μ0 は空気の
透磁率、Iは励磁電流、Nは励磁コイルの巻線の回数、
lは磁路長、tは時間、i=1,2,…、j=1,2,
…、n=1,2,…である。上記交流駆動型の電磁石に
より振動する機器では、印加交流電圧の基本周波数の整
数倍の周波数の電磁力が発生し、それが加振源となる。
例えば、通常の商用電源では奇数倍の高調波が含まれ、
その低い周波数成分n=1,3,5までが振動に影響し
やすい。このとき、i+j=2,4,6,8,10、i
−j=2,4となり、電磁力としては主に2倍,4倍,
6倍の高調波成分が現れる。
【0051】このように振動体が、交流駆動される電磁
石により振動する機器であり、上記周波数が、印加交流
電圧の基本周波数の整数倍に相当する周波数であること
により、電磁石振動に対応する主要な振動成分を捕らえ
ることができる(請求項5)。また、取り扱うデータ数
を少なくしてデータの取扱いを容易とするために、前述
の式から分かるように、電磁力Fの各周波数成分の比率
と励磁電流の2乗(I 2 )の各周波数成分の比率は同じ
になるため、電磁力の主要成分を発生させる励磁電流を
2乗した信号の主要成分に相当する周波数を特徴要素と
してもよい(請求項6)。すなわち、通常は基本周波数
をf0 (=ω0 /2π)とすれば、2f 0 ,4f0 ,6
0 が特徴要素となる。
【0052】以下に、励磁中の振動を検出する方向につ
いて、図4に示す交流駆動される電磁石により開閉動作
して振動する機器を用いて説明する。図4には交流駆動
される電磁石の鉄心20を示す。鉄心20は、上下にお
いて2分され、一方を固定鉄心201 とし、他方を可動
鉄心202 としてある。夫々の鉄心201 ,202 は略
E字状に形成され、互いに対向配置してあり、両側片の
端面を吸着面とし、中央片の端面間にギャップを設けて
吸引面とし、残留磁気を防止する構造としてある。そし
て、中央片に図示しないコイルが巻装され、図中に実線
ニで示す励磁電流が流される。また、両側片にはくま取
りコイルが付設され、図中破線ホで示す誘起電流が流れ
る。ここで、くま取りコイルを巻装するために形成され
た溝20dにより、吸着面は20a,20b,20
a’,20b’に分割されている。なお以下、吸引面は
20cと呼ぶ。
【0053】交流駆動型の電磁石による振動は、固定鉄
心201 ,可動鉄心202 の吸着面20a,20b,2
0a’,20b’の状態により大きく影響を受け、吸着
面の状態が悪いと、振動不良現象が発生する。一般に、
交流駆動型の電磁石は、電磁吸引力の脈動を抑えるた
め、くま取りコイルを付加して位相をずらせた電磁吸引
力を各部に発生させ、これらの電磁吸引力を合成するこ
とで、脈動を減少させている。つまりは、各吸着面20
a,20b,20a’,20b’の電磁吸引力は位相が
ずれている。また、吸着面20a,20b,20a’,
20b’の電磁吸引力は磁気飽和や漏れ磁束などから歪
んだ波形で高調波成分を含んでいる。
【0054】吸着面20a,20b,20a’,20
b’が完全に接触している場合、すなわち完全良品は、
吸引面20cの主磁束の電磁吸引力によるたわみ振動の
みとなる。しかし、吸着面20a,20b,20a’,
20b’に部分的にギャップが発生している場合、すな
わち吸着面の平面度の欠陥や異物の挟み込みによる欠陥
などが生じている場合には、たわみに加え捩れやシーソ
ー現象などが生じ、また各電磁吸引力の位相差や高周波
成分の影響で歪みのある3次元的な振動が生じる。
【0055】この場合に、振動を検出する複数方向とし
て、吸着面に対する法線イ、法線イと直交し鉄心20の
長手方向に沿う直線ロを回転軸として回転する回転方向
ト、法線イと直交し鉄心20の幅方向に沿う直線ハを回
転軸として回転する回転方向チを選択すればよい(請求
項7)。このようにすれば、空間的振動を主要振動方向
に分解して検出でき、電磁石の電磁力による吸着方向の
振動及び吸着面の平面度不良などによる捩れ振動を検出
することができる。
【0056】次に、図5に示すように振動体Aを取付板
Bに取り付けた場合における振動を検出する方向につい
て説明する。このように振動体Aを取付板Bに取り付け
た場合、振動体Aの振動は取付板Bで制振される。しか
し、一般的に、取付板Bの剛性、強度はそれほど強くな
いため、取付板Bは振動体Aの振動によって取付板Bに
対する法線イ方向と、この法線イから捩れる方向に振動
する。
【0057】そこで、振動を検出する方向を、法線イ、
この法線イと直交すると共に互いにも直交する直線ロ,
ハを夫々回転軸として回転する方向ト,チを選択する
(請求項8)。この場合にも、空間的振動を主要振動方
向に分解して検出でき、取付板Bに対する法線イ方向の
振動と、この法線イから捩れる方向の振動とを検出でき
る。
【0058】ところで、捩れ振動を検出するための回転
方向(図4及び図5における直線ロ,ハを回転軸として
回転する方向)ト,チの振動測定はやや難しくなる。そ
こで、簡易的に上記夫々の回転方向の代わりに、直線
ハ,ロの方向を選択してもよい(請求項9)。また、回
転方向ト,チの振動を検出する方法としては、測定面の
複数箇所の振動波形から演算により求める代替方法も考
えられる(請求項10)。この場合に、複数箇所の振動
を複数のセンサ部111 ,112 ,…で、同タイミング
で振動を検出してもよい。また、単一のセンサ部11を
順次切り換え、励磁電流トリガなどで振動の位相タイミ
ングを合わせ、これらの振動波形を検出してもよい。
【0059】この方法を用いる場合、例えば図5におい
て、振動の測定点をP1 〜P4 の4点とする。この場合
の、回転方向トの振動波形Vz (t)は、測定点P1
3中間点の振動波形と、測定点P2 ,P4 中間点
の振動波形との差と考えられる。ここで、中間点の振動
波形については、測定点P1 の振動波形V1 (t)と、
測定点P3 の振動波形V3 (t)の平均値、及び測定点
2 の振動波形V2 (t)と、測定点P4 の振動波形V
4 (t)の平均値とする。
【0060】なお、回転方向チの振動波形Vy (t)に
ついても同様して求められる。また、測定点P1 〜P4
の中間点の法線方向の振動波形Vx (t)は、測定点P
1 〜P4 の振動波形の平均値とする。この場合の上記回
転方向トの振動波形Vz (t),回転方向チの振動波形
y(t),測定点P1 〜P4 の中間点の法線方向の振
動波形Vx (t)は、 Vz (t)={(V1 (t)+V3 (t))/2} −{(V2 (t)+V4 (t))/2} Vy (t)={(V1 (t)+V2 (t))/2} −{(V3 (t)+V4 (t))/2} Vx (t)=(V1 (t)+V2 (t)+V3 (t)+V4 (t))/4 となる。
【0061】以上の説明に基づいて実施例2の第1の比
較部151 による比較動作について説明する。この場
合、振動体が交流駆動される電磁石により振動する機器
であり、図2におけるセンサ部111 〜113 でX,
Y,Z方向の3方向の振動を検出するものとし、印加交
流電圧の基本周波数をf0 とし、特徴要素抽出部121
〜123 で、X,Y,Zの夫々方向の振動の周波数2f
0 ,4f0 ,6f0 の成分の値X1 〜X3 ,Y1
3 ,Z1 〜Z3 を抽出するものとする。この場合に、
第1の比較部151 では、下限基準値LL と上限基準値
H と抽出された各周波数成分X1 〜X3 ,Y1
3 ,Z1 〜Z3 のレベルを比較する。
【0062】ここで、各周波数成分X1 〜X3 ,Y1
3 ,Z1 〜Z3 のレベルが全て下限基準値LL 以下で
ある場合には、良否判定部14ではその検査機器は完全
良品と判定する(請求項11)。つまり、下限基準値L
L 以下の領域が完全良品の領域となっている。そして、
周波数成分X1 〜X3 ,Y1 〜Y3 ,Z1 〜Z3 のいず
れかのレベルが上限基準値LH を越える場合には、完全
不良品と良否判定部14が判定する(請求項12)。つ
まり、上限基準値LH を越える領域が完全不良領域とな
っている。
【0063】また、周波数成分X1 〜X3 ,Y1
3 ,Z1 〜Z3 のいずれかのレベルが下限基準値LL
を越え、且つ全ての周波数成分X1 〜X3 ,Y1
3 ,Z1 〜Z3 が上限基準値LH を越えない場合、完
全良品とも完全不良品とも判定できないため、不確定品
(グレー品)と良否判定部14が判定する(請求項1
3)。一般的に、良否は明確に判定できないことが多
い。そこで、上限基準値LH と下限基準値LL とを一致
させずに、良否の中間領域としてグレー領域を設けてあ
る。
【0064】次に、第2の比較部152 の比較動作も含
めた実施例2の検査手順の一例を図7のフローチャート
を用いて説明する。まず、検査の基準値や励磁条件など
の検査条件の設定を行う。その後に、複数方向の振動の
検出及び特徴要素の抽出を行い、上述した第1の比較部
151 における特徴要素毎に良否を判定する基準値(上
記上限基準値LH と下限基準値LL )との比較を行う。
【0065】ここで、上述したように全ての特徴要素の
値が完全良品基準値(下限基準値L L )以下である場合
は、良否判定処理に進む。また、いずれかの特徴要素の
値が完全不良品基準値(上限基準値LH )を越える場合
にも、良否判定処理に進む。そして、上述の場合以外の
もの、即ち全ての特徴要素の値が完全不良品基準値より
も小さく、いずれかの特徴要素の値が完全良品基準値を
越える場合、次の処理が行われる。つまり、特徴要素の
選択/組み合わせを行い、選択/組み合わせした特徴要
素の値からなる多次元データを複数の評価式で演算する
(請求項15)。すなわち、上述した第2の比較部15
2 の処理を行う。
【0066】なお、上記特徴要素の選択/組み合わせ
は、初期設定で決定してもよく、また比較途中の結果に
より不良の種類を予測し、不良種類に合わせて決定して
もよい。
【0067】
【数3】
【0068】となる。いま、第2の比較基準値をJ10
20,…,J70とすれば、J1 >J10、J2>J20
…、J7 >J70のいずれかを満たす場合には不良品と判
定する。ここで、図6の例では、第1の比較において、
データX2 ,Y2 ,Y3 が完全良品基準を越えており、
大きいものからY2 ,Y3 ,X2 となるため、効率的に
処理を行うために、不良の可能性が高い評価式J2 をま
ず演算して比較し、次にJ5 、J6 ,J1 と比較し、不
良と判定されるまで順次演算比較を行うようにしてもよ
い(請求項14)。
【0069】すなわち、上記検査方法では、比較結果ま
たは評価結果を総合して良否の判定を行う。なお、検査
の信頼性を向上させるために、良品と判定されたものの
うちで、その良否判定が微妙なものにはさらに検査条件
を変更して再度上記手順を繰り返すことにより良否判定
を行えばよい。この場合に、効率よく探査的な検査を行
うために、検査条件の変更内容は前回の判定結果から決
定してもよい(請求項20)。例えば、図6の例では振
動の4f0 ,6f0 の周波数が大きくなるように交流電
源の高調波歪みを加え、同時に比較基準値も変更し、再
検査するようにすればよい(請求項21)。また、検査
条件としては、振動動作のオン,オフ(請求項17)や
交流電源の高調波歪み度(請求項18)、電源電圧値
(請求項19)や検査対象物の力学的な条件(すなわ
ち、検査対象物への外部からの加振、検査対象物の固定
強度、検査対象物の姿勢、取付板の剛性、粘性、質量)
あるいは振動検査位置などがある。
【0070】上記振動動作のオン,オフでは、同一条件
での繰り返しばらつきを考慮した判定を行うことができ
る。また、振動検査位置の検査条件とは、さらに細かく
良否を判定しやすい振動体の別の部位を選択して良否を
再検査する探査的検査をいう。特に、影響が考えられる
電源状態変動に対するロバスト性、安定性まで確認検査
する。また、多次元演算の評価値の大きさから再検査条
件を決定する方法もある。電源の高調波歪み度や電源電
圧値の変更(特に、電圧を低く設定した場合が請求項2
2に対応する)は、良否状態が判別しにくい特徴要素の
値を増幅させてS/Nを上げ、良否判定をしやすくする
探査的強調検査として行う。高調波成分を多く付加した
交流電圧を印加する検査条件の下では、特に多次元デー
タの組み合わせ演算比較の有無にかかわらず、従来方法
でも強調探査としての効果が得られる。
【0071】上記組み合わせ演算比較を行う第2の比較
部152 の具体構成を図8に示す。この場合、第2の比
較部152 を複数のニューラルネットワーク181 〜1
kを用いて構成してある(請求項16)。ニューラル
ネットワーク181 〜18kでは、各々良否が既知であ
る振動体に対して不良の種類別に必要な特徴要素の値を
選択し、それを入力データとすると共に、その良または
不良の種類と大きさを教師信号として学習させたもの
で、このニューラルネットワーク181 〜18kとして
は多層構造のものを用いる。なお、ニューラルネットワ
ークはバックプロパゲーションにより学習するものを用
いる。但し、同等の機能を持つ他の方式のニューラルネ
ットワークを用いてもよい。
【0072】この比較部152 では、各々のニューラル
ネットワーク181 〜18k で既に学習した不良種類で
あるか否かを比較判別を行い、その結果を良否判定部1
4に対して出力する。 (実施例4)図9にさらに他の実施例を示す。本実施例
では、図1に示す振動体の検査装置の振動を検出するセ
ンサ部111 ,112 ,…に加えて、交流駆動される電
磁石の励磁電流を検出するセンサ部11’を新たに設
け、さらに検出された振動波形から特徴要素を抽出する
特徴要素抽出部121 ,122 ,…に加えて、センサ部
11’で検出した励磁電流から特徴要素を検出する特徴
要素抽出部12’を設けたものである(請求項23)。
【0073】ここで、センサ部11’で検出され、特徴
要素抽出部12’で抽出された励磁電流の特徴要素は、
組み合わせ演算・比較部13における所定の比較値を補
正するために用いる。なお、センサ部11’、特徴要素
抽出部12’を図3の振動体の検査装置に付加し、上述
と同様に所定の比較値を補正してもよい。
【0074】ところで、上記各実施例のセンサ部11で
は、振動波形だけを検出するものであったが、振動に伴
って発生する音や検査対象物の形状変動、圧力変動、物
性あるいは特性変動などの変動や、電源条件や検査対象
物の力学的な条件、振動検出位置などの各種検査条件信
号を検出するようにしてもよい。この場合には、検査条
件信号の波形特徴を抽出し、振動の波形特徴と組み合わ
せ演算を行うことで、同時に発生する種々の現象や検査
条件の変動も加味した良否判定が行える(請求項2
4)。
【0075】(実施例5)図10にさらに他の実施例を
示す(請求項25に対応する)。本実施例の振動体の検
査装置は、振動体の複数方向の振動を検出する検出部2
1 ,212 ,…と、検出した振動波形の特徴を抽出す
る波形特徴抽出部221 ,222 ,…と、波形特徴抽出
部221 ,222 ,…の出力から所定の波形特徴を選択
する波形特徴選択部23と、選択した波形特徴の値を組
み合わせ演算する組み合わせ演算部24と、その組み合
わせ演算部24の出力と所定の値とを比較し振動体の良
否を判定する比較判定部25と、上記各部21〜25を
所定の検査手順に基づいて制御する検査シーケンス制御
部26とで構成してある。
【0076】本実施例の振動体の検査装置では、検出部
211 ,212 ,…で振動体の複数方向の振動を検出
し、これにより振動体の振動の多次元情報を捕らえる。
この検出出力から、波形特徴抽出部221 ,222 ,…
において波形特徴を抽出する。ここで、抽出した波形特
徴は、全て同等に扱う必要はない。そこで、波形特徴選
択部23では、例えば不良原因毎の特徴的な波形特徴を
選択するなどの選択を行う。そして、組み合わせ演算部
24で波形特徴の組み合わせ演算が行われ、この組み合
わせ演算結果と良否を判定するための所定の値との比較
判定を比較判定部25で行う。
【0077】なお、本実施例においても比較判定結果に
よっては、再び繰り返し再検査を行う総合検査や、さら
に検査条件を変更して検査する探査的検査も行える。こ
こで、検査条件とは、上述した電源条件や検査対象物の
力学的条件、あるいは振動検出位置などである。また、
本実施例においても、検出部211 ,212 ,…で、振
動に伴って発生する音や検査対象物の形状変動、圧力変
動、物性あるいは特性変動などの変動などの検出を加え
てもよい。また、各種検査条件信号の検出を加えてもよ
い。
【0078】図11は本実施例の検出部21と波形特徴
抽出部22とを1組とした場合の具体例を示すもので
(請求項26に対応する)、検出部21として光学式非
接触振動センサ21a(レーザドップラ方式の非接触振
動計)を用い、振動体Aの複数方向の振動を得るために
ミラー系を制御して光路を切り換えるミラー系制御光路
切換部27を備えている。
【0079】ここで、ミラー系制御光路切換部27は、
光学式非接触振動センサ21aの光を偏向する可動ミラ
ー29と、この可動ミラー29からの光を受けて振動体
Aに向けて偏向する複数の固定ミラー281 〜285
で構成してある。なお、固定ミラー281 ,282 は取
付板Bに形成された孔30を通して可動ミラー29ある
いは他の固定ミラー283 〜285 からの光を受ける構
造としてある。また、可動ミラー29の駆動制御は検査
シーケンス制御部26で行う。
【0080】さらに、波形特徴抽出部22は、周波数分
析回路、または波高値あるいは波高率を演算する演算回
路で構成してある。本装置では、光学式非接触振動セン
サ21aからの光を、可動ミラー29及び固定ミラー2
1 〜285 を順に経由して、振動体Aの振動測定点に
照射される。ここで、各ミラー281 〜285 ,29
は、各振動測定点で光学式非接触振動センサ21aから
の光ビームの焦点が合うように配置してある。例えば、
可動ミラー29、固定ミラー283 、固定ミラー2
1 ,振動体Aと、可動ミラー29、固定ミラー2
5 、固定ミラー282 ,振動体Aと、可動ミラー2
9、固定ミラー284 、振動体Aとの各光路長が同一に
なるように配置し、各振動測定点で光学式非接触振動セ
ンサ21aからの光ビームの焦点が合うようにしてあ
る。
【0081】なお、本実施例では、光学式非接触振動セ
ンサ21aとして、レーザ光線を用い、光ヘテロダイン
法とドップラ現象を利用したレーザドップラ振動計を用
いてあるが、その他にマイケルソン干渉計、あるいはス
ペックル干渉法や光てこの原理を利用したものなどを用
いてもよい。 (実施例7)図12は本発明のさらに別の実施例を示す
もので(請求項27に対応する)、図11の振動体の検
査装置において、ミラー系制御光路切換部27で行われ
る光路切換に対応した光学式非接触振動センサ21aの
出力を順次記憶するメモリ部31と、その記憶された複
数点の振動検出波形から複数方向の振動波形を波形演算
する振動波形演算部32とを新たに設けたものである。
【0082】本実施例の振動体の検査装置では、ミラー
系制御光路切換部27で光路を切り換え、光学式非接触
振動センサ21aで振動を検出し、検出した振動波形を
メモリ部31に記憶するという一連の処理を複数点につ
いて順次行う。これら複数点の振動は、励磁電流トリガ
などで振動の位相タイミングを合わせた検出を行う。全
ての測定点での振動の測定が終了すると、メモリ部31
に記憶した複数点の振動波形を読み出し、これらの振動
波形から振動波形演算部32で複数方向の振動波形が演
算される。このようにして演算された複数方向の振動波
形の処理は上述したと同様に処理され、良否判定が行わ
れる。
【0083】この振動体の検査装置においても、組み合
わせ演算部24及び比較判定部25を、不良種類別に特
徴となる特徴要素を入力データとし、その良または不良
の種類と大きさを教師信号として学習させたニューラル
ネットワークで構成することができる(請求項28)。
また、上記検査装置では、波形特徴として振動波形の周
波数成分を用い、波形特徴抽出部22を周波数を分析す
る周波数分析回路で構成してもよい(請求項29)。ま
た、周波数成分の代わりに振動波形の波高値及び波高率
のいずれかまたは両方を演算する波高値/波高率演算回
路で構成してもよい。
【0084】請求項1の発明は上述のように、振動体の
複数方向の振動を検出した後、各方向の振動波形を夫々
表す複数種類ずつの値を特徴要素として抽出し、次に各
特徴要素の値に重みづけして加算する組み合わせ演算を
行い、組み合わせ演算の演算結果と良否判定用の基準値
とを比較することにより振動体の良否を判定しているの
で、振動体の良否判定を自動的に行うことができる。ま
た、振動体の複数方向の振動を検出しているので、多方
向に現れる不良現象を取りこぼすことなく検出可能とす
ると共に、複雑な振動モードでも信頼性高く検出するこ
とができる。さらに、抽出された複数の特徴要素の値か
ら組み合わせ演算を行い、その演算結果と良否判定用の
基準値とを比較し、振動体の良否を判定しているので、
わずかな不良でも検出することが可能になり、検査精度
が向上する。特に各方向の振動から複数種類ずつの値を
抽出することによって各方向の振動波形を検出している
から、各方向について一つの要素を特徴要素として抽出
する場合に比較すると振動体の振動状態をより正確に検
出することが可能になるという利点があり、しかも、組
み合わせ演算の演算結果と基準値とを比較するから、比
較判定が容易になる。ここに、組み合わせ演算では重み
付けして加算しているから、重み係数を適宜に設定すれ
ば、特徴要素として検出した値が組み合わせ演算によっ
て違いに相殺することもなく、振動体の良否を正確に判
定することができる。
【0085】請求項2の発明では上述のように、特徴
要素の値毎に不良を検出する第1の基準値と比較し、第
1の基準値により不良が検出されないときに、上記特徴
要素から選択した特徴要素の値に重みづけして加算する
組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の演算結果と
否判定用の第2の基準値とを比較するので、第1の基準
値との比較では簡易な判定を行うことを可能とし、検査
時間の短縮が図れる。また、第1の基準値との比較によ
り不良が検出されないときに組み合わせ演算を行うと共
に組み合わせ演算の演算結果と良否判定用の第2の基準
値とを比較して振動体の良否を判定しているので、不良
認識精度及び良否判定の信頼性を向上させることができ
る。つまり、第1の基準値によって振動体の良否を予備
的に判定することができるから、明らかに不良が検出さ
れるときには組み合わせ演算を行う前に不良と判定する
ことができるという利点がある。しかも、請求項1の発
明と同様に、複数の振動方向について夫々複数種類ずつ
の値を抽出し、かつ組み合わせ演算の演算結果を用いて
振動体の良否を判定するから、請求項1の発明と同様の
効果を奏する。
【0086】請求項3の発明では、振動の検出方向を複
数方向に切り換え、夫々の振動検出方向毎に順次振動を
検出すると共に、検出出力から所定の特徴要素を抽出
し、その所定の特徴要素の値を記憶し、その記憶した値
を読み出してその後の良否判定処理を行っているので、
振動を検出する振動検出手段及び特徴要素を抽出する特
徴要素抽出手段を単一で構成することができ、この振動
体の検査方法を用いる装置の構成を簡素化でき、コスト
の削減を図ることができる。
【0087】請求項4、請求項5の発明では、交流駆動
される電磁石により振動する振動体から複数方向の振動
を検出し、印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当す
る複数周波数の周波数成分を、振動波形を表す特徴要素
として各方向の振動成分から夫々抽出しているので、
磁石振動に対応する振動波形情報を数値で扱うことがで
き、また周波数毎に複数方向の振動モードを分解し、多
くの判定データを得ることもできる。すなわち、印加交
流電圧の基本周波数の整数倍に相当する周波数成分を特
徴要素とすることにより、電磁石の電磁力に対応した特
徴要素を得ることができ振動体の検査が容易になる。
【0088】請求項6のように、上記印加交流電圧の基
本周波数の整数倍に相当する周波数を、励磁電流を2乗
した信号の主要成分に相当する周波数とすることによ
り、電磁力に対応する周波数成分を選択して、取り扱う
データ数を削減し、データの取り扱いを容易とすること
ができる。請求項7に示すように、振動体の振動を検出
する方向を、上記交流の電磁石の吸着面の法線方法と、
その法線方向と直交する直線を回転中心とする回転方向
から選択した方向とすれば、電磁石の電磁力による吸着
方向の振動及び吸着面の平面度不良などによる捩れ振動
を検出することができる。
【0089】請求項8に示すように、振動体の振動を検
出する方向を、振動体を取り付ける取付板の取付面の法
線方法と、その法線方向と直交する直線を回転中心とす
る回転方向から選択した方向とすれば、振動体を取付板
に取り付ける場合において、取付板の取付面に対する法
線方向の振動及び取付面の捩れ振動を検出することがで
きる。
【0090】請求項7及び請求項8の回転方向から選択
する方向を、請求項9に示すように法線と直交する方向
に置き換えると、振動測定を簡易に行うことができる。
請求項14に示すように、上記第2の比較を特徴要素を
選択組み合わせして行い、第2の比較のための選択組み
合わせを第1の比較結果により決定すれば、不要な選択
組み合わせを排除した探査的再検査を行え、検査処理を
削減して、検査の効率化及び検査時間の短縮を図ること
ができる。
【0091】請求項15に示すように、特徴要素の中か
ら選択した特徴要素の値からなる多次元データを複数の
評価式で演算することにより、単一の評価式では得られ
ない多面的な評価結果を得ることができ、検査精度の向
上が図れ、さらには不良原因の推定あるいは診断にまで
発展させることを期待できる。請求項16及び請求項2
8に示すように、特徴要素の値の組み合わせ演算及び比
較を、良否が既知である振動体の特徴要素の値を入力デ
ータとし、その振動体の良否を教師信号として学習させ
たニューラルネットワークにより行うことにより、ニュ
ーラルネットワークが学習により比較基準を得るため、
従来の統計などにより比較値を決定する作業から解放さ
れ、検査システム開発の効率化を図ることができる。ま
た、ニューラルネットワークは非線形な判別も確実に行
え、統計などにより決定した比較値を用いた検査では判
別できない微妙なレベルの判定も期待できる。
【0092】請求項17乃至請求項23のようにすれ
ば、検査条件を変えてアクティブな検査が行え、良否の
S/Nを上げ不良認識精度を向上させ、効率よく検査を
行うことができる。請求項24に示すように、振動に伴
い発生する現象の信号の検出及び検査条件信号の検出の
両方あるいはいずれか一方を行い、これらの波形特徴を
抽出し、上記組み合わせ演算において、この波形特徴の
値を上記振動波形特徴の値と組み合わせて演算すること
により、同時に発生する種々の現象や検査条件の変動も
加味した良否判定を行え、誤判定を減少させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】さらに他の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】振動検出方向の設定方法の説明図である。
【図5】他の振動検出方向の設定方法の説明図である。
【図6】実施例2における良否の判定方法の具体的な説
明図である。
【図7】同上の検査処理方法を示すフローチャートであ
る。
【図8】第2の比較部の具体構成図である。
【図9】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図10】さらに他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図11】同上の具体構成を示すブロック図である。
【図12】さらに別の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図13】従来の振動体の検査方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
11,11’,111 ,112 ,… センサ部 12,12’,121 ,122 ,… 特徴要素抽出部 13 組み合わせ演算・比較部 14 良否判定部 151 第1の比較部 152 第2の比較部 16 振動検出方向切換部 17 メモリ部 181 〜18k ニューラルネットワーク 211 ,212 ,… 検出部 21a 光学式非接触振動センサ 22,221 ,222 ,… 波形特徴抽出部 23 波形特徴選択部 24 組み合わせ演算部 25 比較判定部 26 検査シーケンス制御部 27 ミラー系制御光路切換部 281 〜285 固定ミラー 29 可動ミラー 31 メモリ部 32 振動波形演算部 A 振動体 B 取付板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−38426(JP,A) 特開 平2−223121(JP,A) 特開 平3−18725(JP,A) 特開 平3−18726(JP,A) 特開 平1−260328(JP,A) 特開 平2−90024(JP,A) 特開 平3−77025(JP,A) 特開 平4−264222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01H 17/00

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体の複数方向の振動を検出した後、
    各方向の振動波形を夫々表す複数種類ずつの値を特徴要
    として抽出し、次に各特徴要素の値に重みづけして加
    算する組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の演算結
    果と良否判定用の基準値とを比較することにより振動体
    の良否を判定することを特徴とする振動体の検査方法。
  2. 【請求項2】 振動体の複数方向の振動を検出した後、
    各方向の振動波形を夫々表す複数種類ずつの値を特徴要
    として抽出し、次に各特徴要素の値毎に不良を検出す
    る第1の基準値と比較し、第1の基準値により不良が検
    出されないときに、上記特徴要素から選択した特徴要素
    の値に重みづけして加算する組み合わせ演算を行い、
    み合わせ演算の演算結果と良否判定用の第2の基準値と
    を比較することにより振動体の良否を判定することを特
    徴とする振動体の検査方法。
  3. 【請求項3】 上記複数方向の振動を検出し、この検出
    出力から特徴要素を抽出する方法として、振動の検出方
    向を複数方向に切り換え、夫々の振動検出方向毎に順次
    振動を検出すると共に、検出出力から所定の特徴要素を
    抽出し、その所定の特徴要素の値を記憶し、その記憶し
    た値を読み出してその後の良否判定処理を行って成るこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の振動体の
    検査方法。
  4. 【請求項4】 交流電圧により交流駆動される電磁石に
    よって振動する振動体の複数方向の振動を夫々検出した
    後、印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当する複数
    周波数の周波数成分を、振動波形を表す特徴要素として
    各方向の振動成分から夫々抽出し、次に上記特徴要素の
    組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の結果と良否判
    定用の基準値とを比較することにより振動体の良否を判
    定することを特徴とする振動体の検査方法。
  5. 【請求項5】 交流電圧により交流駆動される電磁石に
    よって振動する振動体の複数方向の振動を夫々検出した
    後、印加交流電圧の基本周波数の整数倍に相当する複数
    の周波数成分を、振動波形を表す特徴要素として各方向
    の振動成分から夫々抽出し、次に各特徴要素の値毎に不
    良を検出する第1の基準値と比較し、第1の基準値によ
    り不良が検出されないときに、上記特徴要素から選択し
    た特徴要素の組み合わせ演算を行い、組み合わせ演算の
    演算結果と良否判定用の第2の基準値とを比較すること
    により振動体の良否を判定することを特徴とする振動体
    の検査方法。
  6. 【請求項6】 上記印加交流電圧の基本周波数の整数倍
    に相当する周波数が、励磁電流を2乗した信号の主要成
    分に相当する周波数であることを特徴とする請求項4又
    請求項5記載の振動体の検査方法。
  7. 【請求項7】 振動体の振動を検出する方向を、上記交
    流の電磁石の吸着面の法線方向と、その法線方向と直交
    する直線を回転中心とする回転方向から選択した方向と
    したことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の検査
    方法。
  8. 【請求項8】 振動体の振動を検出する方向を、振動体
    を取り付ける取付板の取付面の法線方法と、その法線方
    向と直交する直線を回転中心とする回転方向から選択し
    た方向としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれかに記載の振動体の検査方法。
  9. 【請求項9】 回転方向から選択する方向を、法線と直
    交する方向に置き換えたことを特徴とする請求項7及び
    請求項8のいずれかに記載の振動体の検査方法。
  10. 【請求項10】 回転方向から選択した方向の検出出力
    を、測定面の複数箇所の振動を検出し、これら複数の振
    動の検出出力を演算して求めることを特徴とする請求項
    7及び請求項8のいずれかに記載の振動体の検査方法。
  11. 【請求項11】 上記第1の基準値は、全ての特徴要素
    の上限値として設定されていることを特徴とする請求項
    又は請求項5記載の振動体の検査方法。
  12. 【請求項12】 上記第1の基準値は、いずれかの特徴
    要素の下限値として設定されていることを特徴とする請
    求項2又は請求項5記載の振動体の検査方法。
  13. 【請求項13】 上記第1の基準値は、いずれかの特徴
    要素の下限値を規定する第1の値と、全ての特徴要素の
    上限値を規定する第2の値として設定されていることを
    特徴とする請求項2又は請求項5記載の振動体の検査方
    法。
  14. 【請求項14】 上記組み合わせ演算は上記特徴要素と
    第1の基準値との比較結果により決定することを特徴と
    する請求項2又は請求項5記載の振動体の検査方法。
  15. 【請求項15】 上記特徴要素の値の組み合わせ演算
    は、特徴要素の中から選択した特徴要素の値からなる多
    次元データを複数の評価式で演算することを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の振動体の検査
    方法。
  16. 【請求項16】 上記特徴要素の値の組み合わせ演算及
    び比較は、良否が既知である振動体の特徴要素の値を入
    力データとし、その振動体の良否を教師信号として学習
    させたニューラルネットワークにより行う演算及び比較
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
    かに記載の振動体の検査方法。
  17. 【請求項17】 振動体の良否の判定は、振動動作のオ
    ン,オフを行い、複数回判定した結果を総合して良否判
    定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
    かに記載の振動体の検査方法。
  18. 【請求項18】 振動体の良否の判定は、電源の高調波
    歪み度を変化させ、複数回判定した結果を総合して行う
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の振動体の
    検査方法。
  19. 【請求項19】 振動体の良否の判定は、電源電圧の大
    きさを変化させ、複数回判定した結果を総合して行う
    とを特徴とする請求項4又は請求項5記載の振動体の検
    査方法。
  20. 【請求項20】 振動体の良否の判定は、前回の判定結
    果から次回の振動検査条件を決定する操作を繰り返して
    行うことを特徴とする請求項4、請求項5、請求項1
    、請求項19のいずれかに記載の振動体の検査方法。
  21. 【請求項21】 交流の電磁石により振動する機器にお
    いて、高調波成分を多く付加した交流電圧を印加し、こ
    のときの振動を検出し、この検出出力から印加交流電圧
    の基本周波数の整数倍に相当する所定の周波数成分を抽
    出し、振動体の良否を判定することを特徴とする振動体
    の検査方法。
  22. 【請求項22】 振動体の振動は、電圧の値を低くした
    交流電圧を印加したときの振動であることを特徴とする
    請求項4又は請求項5記載の振動体の検査方法。
  23. 【請求項23】 第1の基準値または第2の基準値は、
    励磁電流を検出し、その励磁電流から抽出した高調波成
    分の値より補正した所定の値であることを特徴とする
    求項4又は請求項5記載の振動体の検査方法。
  24. 【請求項24】 振動に伴い発生する現象の信号の検出
    及び検査条件信号の検出の両方あるいはいずれか一方を
    行い、これらの波形特徴を抽出し、上記組み合わせ演算
    において、この波形特徴の値を上記振動波形特徴の値と
    組み合わせて演算することを特徴とする請求項1乃至請
    求項6のいずれかに記載の振動体の検査方法。
  25. 【請求項25】 振動体の複数方向の振動を検出する検
    出部と、検出した振動波形の特徴を抽出する波形特徴抽
    出部と、波形特徴抽出部の出力から所定の波形特徴を選
    択する波形特徴選択部と、選択した波形特徴の値を組み
    合わせ演算する組み合わせ演算部と、その組み合わせ演
    算部の出力と所定の値とを比較し振動体の良否を判定す
    る比較判定部と、上記各部を制御する検査シーケンス制
    御部とからなることを特徴とする振動体の検査装置。
  26. 【請求項26】 振動体の振動を検出する検出部は、光
    学式非接触振動センサと、その振動体の複数方向の振動
    を得るためにミラー系を制御して光路を切り換えるミラ
    ー系制御光路切換部とで構成して成ることを特徴とする
    請求項25記載の振動体の検査装置。
  27. 【請求項27】 振動体の振動を検出する検出部は、光
    学式非接触振動センサと、その振動体の複数点の振動を
    得るためにミラー系を制御して光路を切り換えるミラー
    系制御光路切換部と、この光路切換に対応した振動セン
    サ出力を順次記憶するメモリ部と、その記憶した複数点
    の振動検出波形から複数方向の振動波形を波形演算する
    振動波形演算部とで構成して成ることを特徴とする請求
    項25記載の振動体の検査装置。
  28. 【請求項28】 組み合わせ演算部及び比較判定部を、
    良否が既知である振動体の振動波形特徴の値を入力デー
    タとし、その振動体の良否を教師信号として学習させた
    ニューラルネットワークで構成して成ることを特徴とす
    る請求項25乃至請求項27のいずれかに記載の振動体
    の検査装置。
  29. 【請求項29】 波形特徴を振動波形の周波数成分と
    し、波形特徴抽出部が振動波形の周波数を分析する周波
    数分析回路で構成して成ることを特徴とする請求項25
    乃至請求項27のいずれかに記載の振動体の検査装置。
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