JP2902343B2 - 言語解析システムおよび方法 - Google Patents

言語解析システムおよび方法

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JP2902343B2
JP2902343B2 JP8036793A JP3679396A JP2902343B2 JP 2902343 B2 JP2902343 B2 JP 2902343B2 JP 8036793 A JP8036793 A JP 8036793A JP 3679396 A JP3679396 A JP 3679396A JP 2902343 B2 JP2902343 B2 JP 2902343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機械翻訳等に用
いることのできる言語解析システムおよび方法に関する
ものである。より詳細には、文章を構成する各トークン
の、文章中における役割を決定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】従来より、自然言語をコンピ
ュータにより翻訳する機械翻訳が研究され、一部実用化
されてきた。機械翻訳を行う際には、翻訳しようとする
元の言語の解析を行った後、他の言語に翻訳することが
行われている。したがって、言語解析は機械翻訳を行う
ための重要なステップであり、言語解析の正確さが翻訳
の正確さを決定する大きな要因となっている。また、言
語解析は機械翻訳だけでなく、その他の言語処理一般に
用いることができる。
【0003】言語解析において、まず、言語をトークン
に分割し、各トークンの品詞や属性を決定する必要があ
る。このような品詞の決定、属性の解析について、出願
人はすでに、新たな解析手法を提案した(特願平7−2
79465号、特願平7−307832号)。この解析
手法によれば、各トークンの品詞を正確に決定でき、そ
の属性を解析することができる。
【0004】ところで、言語解析においては、各トーク
ンが固有に有する品詞や属性を解析するだけでなく、文
章の構造に起因して各トークンに与えられた役割を解析
することも重要である。従来より、トークンとトークン
の関係を解析するシステム等が提案されているが、体系
的にトークンの役割を詳細に解析するシステムはなかっ
た。
【0005】この発明は、上記のような問題点に鑑み
て、文章中における各トークンの役割を詳細に解析する
技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の言語解析シス
テムは、トークンに分割された言語を受けて、品詞が
「名前」であるトークンと品詞が「不変化詞”は”」で
あるトークンが連続する場合、および品詞が「名前」で
あるトークンと品詞が「不変化詞”が”」であるトーク
ンが連続する場合を第1のトークンとして抽出する第1
トークン抽出手段、前記言語を受けて、次に述語を伴わ
ない述語を第2のトークンとして抽出する第2トークン
抽出手段、前記第1のトークン、前記第2のトークンの
出現順序、出現回数に基づいて第1、第2のトークンの
役割を決定する主役割決定手段、を備えたことを特徴と
している。
【0007】請求項2の言語解析システムは、第1トー
クン抽出手段が、次に述語を伴わない動詞と「不変化
詞”は”」が連続する場合、および次に述語を伴わない
動詞と質問する不変化詞”か”と「不変化詞”は”」が
連続する場合も、第1のトークンとして抽出するもので
あることを特徴としている。
【0008】請求項3の言語解析システムは、以下のa)
〜d)の場合を第3のトークンとして抽出する第3トーク
ン抽出手段を備え、前記主関係決定手段は、前記第1の
トークン、前記第2のトークン、前記第3のトークンの
出現順序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトー
クンの役割を決定するものであることを特徴としてい
る。
【0009】a)次に述語を伴わない述語のトークンと品
詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、さらに
「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合。
【0010】請求項4の言語解析システムは、言語の最
後のトークンから最初のトークンへ向かって、未決定ト
ークンを検索する未決定トークン検索手段、未決定トー
クン検索手段によって検索された未決定トークンの直後
の決定済トークンの役割と当該未決定トークンの品詞と
に基づいて、当該未決定トークンの役割を決定する副役
割決定手段、を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項5の言語解析システムは、副役割決
定手段が、前記決定済トークンの役割ごとに、前記未決
定トークンの品詞に応じた役割を予測テーブルとして保
持しており、当該予測テーブルに基づいて前記未決定ト
ークンの役割決定を行うものであることを特徴としてい
る。
【0012】請求項6の言語解析システムは、予測テー
ブルに当該未決定トークンの品詞が存在しない場合に
は、前記決定済トークンの直後の決定済みトークンに関
する予測テーブルに基づいて、当該未決定トークンの役
割決定を行うものであることを特徴としている。
【0013】請求項7の言語解析システムは、与えられ
る言語が、下記の手段によって予め一部のトークンにつ
いて役割が決定されているものであることを特徴として
いる。
【0014】トークンに分割された言語を受けて、品詞
が「名前」であるトークンと品詞が「不変化詞”は”」
であるトークンが連続する場合、および品詞が「名前」
であるトークンと品詞が「不変化詞”が”」であるトー
クンが連続する場合を第1のトークンとして抽出する第
1トークン抽出手段、前記言語を受けて、次に述語を伴
わない述語を第2のトークンとして抽出する第2トーク
ン抽出手段、前記第1のトークン、前記第2のトークン
の出現順序、出現回数に基づいて第1、第2のトークン
の役割を決定する主役割決定手段。
【0015】請求項8の言語解析システムは、以下のa)
〜d)の場合を第3のトークンとして抽出する第3トーク
ン抽出手段を備え、前記主関係決定手段は、前記第1の
トークン、前記第2のトークン、前記第3のトークンの
出現順序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトー
クンの役割を決定するものであることを特徴としてい
る。
【0016】a)次に述語を伴わない述語のトークンと品
詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、さらに
「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合。
【0017】請求項9の言語解析システムは、トークン
に分割された言語を受けて、品詞が「名前」であるトー
クンと品詞が「不変化詞”は”」であるトークンが連続
する場合、および品詞が「名前」であるトークンと品詞
が「不変化詞”が”」であるトークンが連続する場合を
第1のトークンとして抽出し、前記言語を受けて、次に
述語を伴わない述語を第2のトークンとして抽出し、前
記第1のトークンと前記第2のトークンの出現順序、出
現回数に基づいて第1、第2のトークンの役割を決定す
ることを特徴としている。
【0018】請求項10の言語解析方法は、言語を受け
て、以下のa)〜d)の場合を第3のトークンとして抽出す
るとともに、前記第1のトークン、前記第2のトーク
ン、前記第3のトークンの出現順序、出現回数に基づい
て第1、第2、第3のトークンの役割を決定するもので
あることを特徴としている。
【0019】a)次に述語を伴わない述語のトークンと品
詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、さらに
「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合。
【0020】請求項11の言語解析方法は、トークンに
分割された言語を受けて、トークンの役割を決定する言
語解析システムであって、既に役割が決定されている決
定済トークンの役割および役割が決定されていない未決
定トークンの品詞に基づいて、当該未決定トークンの役
割を決定することを特徴としている。
【0021】請求項12の言語解析方法は、トークンに
分割された言語を受けて、品詞が「名前」であるトーク
ンと品詞が「不変化詞”は”」であるトークンが連続す
る場合、および品詞が「名前」であるトークンと品詞が
「不変化詞”が”」であるトークンが連続する場合を第
1のトークンとして抽出し、前記言語を受けて、次に述
語を伴わない述語を第2のトークンとして抽出し、前記
言語を受けて、以下のa)〜d)の場合を第3のトークンと
して抽出するとともに、前記第1のトークン、前記第2
のトークン、前記第3のトークンの出現順序、出現回数
に基づいて第1、第2、第3のトークンの役割を決定す
るとともに、上記処理において役割が決定されていない
未決定トークンの役割を決定する際に、既に役割が決定
されている決定済トークンの役割および未決定トークン
の品詞に基づいて、当該未決定トークンの役割を決定す
ることを特徴としている。
【0022】a)次に述語を伴わない述語のトークンと品
詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、さらに
「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合。
【0023】以下、この発明を説明するために用いた用
語の概念を説明する。
【0024】「言語」:文書やテキスト等の書き言葉、
話し言葉等の自然言語をいう概念である。文字コード形
式、イメージ形式、音声形式等、何れの形式で与えられ
てもよい。
【0025】「コンピュータにより実行可能なプログラ
ム」:当該プログラムが直接実行可能な場合だけでな
く、一旦変換した後(圧縮の解凍など)に実行可能とな
る場合や、他のモジュールと組み合わせて実行可能とな
る場合等も含む概念である。
【0026】
【発明の効果】請求項1、請求項2の言語解析システム
および請求項8の言語解析方法は、トークンに分割され
た言語を受けて、品詞が「名前」であるトークンと品詞
が「不変化詞”は”」であるトークンが連続する場合、
および品詞が「名前」であるトークンと品詞が「不変化
詞”が”」であるトークンが連続する場合を第1のトー
クンとして抽出し、前記言語を受けて、次に述語を伴わ
ない述語を第2のトークンとして抽出し、前記第1のト
ークンと前記第2のトークンの出現順序、出現回数に基
づいて第1、第2のトークンの役割を決定することを特
徴としている。したがって、文章の構造に基づいて、第
1、第2のトークンの役割を決定することができ、正確
な解析を行うことができる。
【0027】請求項3の言語解析システムは、第3トー
クン抽出手段を備えるとともに、主関係決定手段が、第
1のトークン、第2のトークン、第3のトークンの出現
順序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトークン
の役割を決定するものであることを特徴としている。し
たがって、より複雑な構造を持つ文章についても、正確
な解析を行うことができる。
【0028】請求項4の言語解析システムは、言語の最
後のトークンから最初のトークンへ向かって、未決定ト
ークンを検索する未決定トークン検索手段と、未決定ト
ークン検索手段によって検索された未決定トークンの直
後の決定済トークンの役割と当該未決定トークンの品詞
とに基づいて、当該未決定トークンの役割を決定する副
役割決定手段とを備えている。したがって、役割の決定
されていないトークンについて、正確にその文章上の役
割を決定することができる。
【0029】請求項5、請求項6の言語解析システム
は、副役割決定手段が、前記決定済トークンの役割ごと
に、前記未決定トークンの品詞に応じた役割を予測テー
ブルとして保持しており、当該予測テーブルに基づいて
前記未決定トークンの役割決定を行うものであることを
特徴としている。したがって、処理を迅速化することが
できる。
【0030】請求項11の言語解析方法は、トークンに
分割された言語を受けて、トークンの役割を決定する言
語解析システムであって、既に役割が決定されている決
定済トークンの役割および役割が決定されていない未決
定トークンの品詞に基づいて、当該未決定トークンの役
割を決定することを特徴としている。したがって、役割
の決定されていないトークンについて、正確にその文章
上の役割を決定することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
−目次− 言語解析システムの全体構成 ハードウエア構成 品詞の分類 品詞の決定および属性の解析 役割の解析。
【0032】−言語解析システムの全体構成− この発明による言語解析システムの一実施形態を、図1
に全体構成として示す。品詞・属性解析手段30は、与
えられた文書データをトークンに分解し、各トークンの
品詞を決定して属性を解析する。
【0033】図2に、品詞・属性解析手段30の詳細を
示す。分割・品詞取得手段5は、多くのトークンを予め
記憶している辞書手段8を参照して、入力された文章デ
ータをトークンに分割するとともに品詞を取得する。こ
の実施形態では、動詞の接尾語および述語形容詞の接尾
語以外の品詞については、品詞辞書8aを用いて分割お
よび品詞取得を行い、動詞の接尾語および述語形容詞の
接尾語については、テーブル8b、8dを用いて分割お
よび品詞取得を行っている。属性解析手段9は、分割・
品詞取得手段5の行う分割・品詞取得処理に連動して、
動詞の接尾語および述語形容詞の接尾語に基づいて、動
詞および述語形容詞の文法的属性を決定する。この際、
属性解析手段9は、テーブル8b、8dを用いて属性の
決定を行っている。品詞選択手段6は、ルールテーブル
7を参照して、各トークンについて取得した品詞が複数
存在する場合には、前または後(または双方)のトーク
ンの品詞に基づいて、当該トークンの品詞を1つに決定
する。なお、品詞を1つに決定できない場合には、絞り
込みにとどめてもよい。なお、図2の実施例では、分割
・品詞取得手段5が辞書手段8を参照して分割を行うよ
うにしている。しかし、辞書手段8を参照せず、トーク
ンへの分割を行うようにしてもよい。
【0034】図1に戻って、第1トークン抽出手段52
は、品詞・属性解析手段30の出力を受けて、品詞が
「名前」であるトークンと品詞が「不変化詞”は”」で
あるトークンが連続する場合、および品詞が「名前」で
あるトークンと品詞が「不変化詞”が”」であるトーク
ンが連続する場合を第1のトークンとして抽出する。第
2トークン抽出手段54は、同様に、次に述語を伴わな
い述語を第2のトークンとして抽出する。さらに、第3
トークン抽出手段56は、次に述語を伴わない述語と品
詞が「名前」であるトークンが連続し、さらに「不変化
詞”は”」または「不変化詞”が”」が連続する場合を
第3のトークンとして抽出する。
【0035】主役割決定手段58は、第1、第2、第3
のトークンの文章中における出現順序、出現回数に基づ
いて、これらトークンの役割を決定する。未決定トーク
ン検索手段60は、役割の与えられていない未決定トー
クンを当該文章中から検索する。
【0036】副役割決定手段62は、未決定トークンの
直後の決定済トークンの役割と、当該未決定トークンの
品詞とに基づいて、当該未決定トークンの役割を決定す
る。この決定には、予測テーブル64を用いる。以上の
ようにして、全てのトークンについて役割が決定され、
品詞や属性とともに解析データとして出力される。
【0037】−ハードウエア構成− 図3に、図1の言語解析装置をCPUを用いて実現した
場合のハードウエア構成を示す。バスライン10には、
CPU12、ハードディスク14、CRT16、メモリ
18、フロッピイディスクドライブ(FDD)20、キ
ーボード22が接続されている。ハードディスク14に
は、トークンの役割を決定するための予測テーブル64
が格納されている。さらに、トークンと品詞を対応づけ
た品詞辞書8a、動詞の接尾語のためのテーブル8b
(複合動詞のためのテーブル8cを結合しており、慣用
語のテーブルを一体化している)、述語形容詞の接尾語
のためのテーブル8dが格納されている。つまり、この
実施例では、品詞辞書8a、動詞の接尾語のためのテー
ブル8b、述語形容詞の接尾語のためのテーブル8dに
よって辞書手段が構成されている。また、品詞を確定す
るためのルールテーブル7も記憶されている。さらに、
ハードディスク14には、言語解析を行うためのプログ
ラム66が記憶されている。このプログラムは、FDD
20を介して、フロッピイディスク24から取り込まれ
たものである。もちろん、CD−ROM等のその他の記
憶装置から取り込んだものであってもよい。また、通信
回線を介してダウンロードしたものであってもよい。
【0038】解析対象であるテキスト文章は、フロッピ
イディスク26に格納されて、FDD20を介して読み
込まれる。もちろん、これもCD−ROM等の媒体に格
納されているものを読み込むようにしてもよいし、通信
によってテキスト文章を受け取るようにしてもよい。ま
た、キーボード22から入力されたテキスト文章を解析
対象としてもよい。
【0039】取り込まれたテキスト文章は、ハードディ
スク14に記憶されたプログラムに従って、解析され
る。解析結果は、ハードディスク14に解析ファイル6
8として記憶され、必要に応じてCRT16、フロッピ
イディスクやプリンタ(図示せず)に出力される。場合
によっては、通信回線を介して転送してもよい。
【0040】−品詞の分類− この実施例による品詞辞書は、図4のように分類して各
トークンについての品詞を記憶している。図4の分類
は、さらに、細かく分類されている。例えば、名前グル
ープAは、さらに、一般名詞、一般名詞ではない名詞、
リストAの名詞、代名詞・・・・等に細分類されてい
る。表1に、図4の分類の細分類を示す。
【0041】品詞辞書には、個々のトークンにつき、こ
の細分化された品詞が記憶されている。なお、ハードデ
ィスク14には、図4の分類階層および後述の表1の分
類階層を記憶している。したがって、細分化された品詞
が分かれば、その上位の分類も容易に取得できる。たと
えば、「一般名詞」が、「名前グループA」に属すると
いうことを容易に取得できる。なお、細分化した品詞と
ともに上位の分類も併せて記憶するようにしてもよい。
【0042】図4(および表1)においては、動詞を、
動詞の語根と動詞の接尾語とに分けて、それぞれ1つの
品詞としている。また、同様に、述語形容詞を述語形容
詞の語根と述語形容詞の接尾語とに分けて、それぞれ1
つの品詞としている。これにより、辞書のトークンが固
定されたことによって明確になり、他言語への翻訳が簡
単、明確となり、より正しい翻訳を得られるようにな
る。さらに、動詞の語根および述語形容詞の語根のグル
ープと、それ以外のグループとに大別して品詞を付与し
ている。これにより、上記の接尾語を伴うもの(動詞の
語根と述語形容詞の語根)と接尾語を伴わないものとの
処理を分けることができる。
【0043】また、この実施例においては、動詞の接尾
語および述語形容詞の接尾語については、品詞辞書に記
憶していない。これは、これらの接尾語に関しては、後
述のように、テーブルによって確定した方が、辞書容量
の点からも、解析上からも好ましいからである。なお、
動詞の接尾語および述語の接尾語以外にも接尾語が存在
する(数字の接尾語等)。以下では、特に断らない限
り、接尾語という場合には、動詞の接尾語および述語形
容詞の接尾語を指すものとする。
【0044】品詞辞書においては、検索の効率を考慮す
れば、文字コード順にトークンを記憶しておくことが好
ましい。また、トークンの使用頻度に応じた順序で記憶
するようにしてもよい。
【0045】表1(コンピュータ品詞) 1. 名前グループA 1.1 一般名詞:木、車・・・ 1.2 一般名詞ではない名詞:十分、必要・・・ 1.3 リストAの名詞:現在、今・・・ 1.4 代名詞:これ、どれ・・・ 1.5 性質を表す名詞:みんな、たくさん・・・ 1.6 特定の語:程度、くらい・・・ 1.7 ”など”:など・・・ 1.8 基本の数字:一、二・・・ 1.9 テキストのシンボルでないもの:3、H2SO4・・・ 2.名前グループB 2.1 名詞化した語:こと、もの・・・ 3.名前グループC 3.1 数を数える語:枚、冊・・・ 4.名前ではないもの 4.1 述語形容詞でないもの:大きな、あの・・・ 5.後置詞 5.1 真の後置詞:内、中・・・ 5.2 動詞の後置詞:による、における・・・ 5.3 中間の後置詞:によって・・・ 6.副詞 6.1 形容詞的な副詞:比較的に・・・ 6.2 単純化された副詞:比較的・・・ 6.3 程度を示す副詞:少し、ほとんど・・・ 6.4 リスト1からの副詞:さらに、むしろ・・・ 6.5 リストCからの副詞:約、ほぼ・・・ 6.6 マナーの副詞:下手に、上手に・・・ 7.接続詞 7.1 同等の接続詞:と、かつ・・・ 7.2 従属節の接続詞:とき、には・・・ 7.3 接続詞”から”:から 7.4 接続詞”からではなく”:からではなく 7.5 接続詞”もし”と”たとえ”:もし、たとえ 7.6 同格を紹介する接続詞:例えば、すなわち・・・ 8.不変化詞 8.1 主格の不変化詞 8.1.1 不変化詞”は”:は 8.1.2 不変化詞”が”:が ・ ・ 8.2 間接目的語として使われる不変化詞 8.1.1 不変化詞”に”:に 8.1.2 不変化詞”へ”:へ ・ ・ 8.3 直接目的語として使われる不変化詞:を 8.4 強調したり、制限したり、質問する不変化詞 8.4.1 土台となる不変化詞:は ・ ・ 8.5 強調する不変化詞:は、なら、ならば、でも・・
・ 9.限定詞:のような、のごとき、と同様な・・・ 10.接辞 10.1 数字の接辞:第、目・・・ 10.2 動詞や述語形容詞の接尾語: 10.3 述語形容詞ではない接尾語:的、的な・・・ 10.4 名詞の準接辞:不、可・・・ 11.分割詞 11.1 句点:。
【0046】11.2 コンマ:、 11.3 コロン:: 11.4 特別の分割詞 12.一般動詞の語根 12.1 一般動詞の語根:読、書・・・ 12.2 一般動詞でない動詞の語根 13.連結詞の語根:であ・・・ 14.助動詞の語根:にな・・・ 15.述語形容詞の語根:おもしろ、よ・・・ −品詞の決定、属性の解析− 図5に、ハードディスク14に記憶された言語解析のプ
ログラムをフローチャートで示す。このフローチャート
は、トークンの役割を決定する前に行う品詞の決定、属
性の解析を中心に記述したものである。トークンの役割
決定の詳細については後述することとし、まず、品詞の
決定、属性の解析について述べる。
【0047】まず、フロッピイディスク26に記憶され
たテキスト文章を読み込む(ステップS1)。次に、C
PU12は、読み込んだテキスト文章の1つの文を対象
として、トークンに分割するとともに品詞を取得する
(ステップS2)。この際、CPU12は、ハードディ
スク14に記憶された品詞辞書に基づいて文をトークン
に分解して、品詞を取得する。
【0048】たとえば、「僕は学校へ行きます。」とい
う文を例として、トークンへの分割処理、品詞の取得処
理および文法的属性の決定処理について説明する。ま
ず、CPU12は、最初の文字「僕」について、品詞辞
書の検索を行う。図6に品詞辞書の一部を示す。図から
も明らかなように、「僕」は、一般名詞という品詞であ
ることが分かる。
【0049】さらに、CPU12は、「僕は」という文
字につき同じようにして品詞辞書の検索を行う。品詞辞
書には「僕は」が記憶されておらず、かつ「は」が漢字
でないことから、CPU12は「僕」が1つのトークン
であると判断する。とともに、トークン「僕」の品詞を
名前グループAの一般名詞として解析ファイルに記憶す
る(図7参照)。
【0050】次に、取得した品詞が、動詞、述語形容詞
の何れかであるか否かを判断する(ステップS3)。こ
こでは、一般名詞であるから、ステップS5に進む。ス
テップS5においては、当該文の全てのトークンについ
て品詞を取得したか否かを判断する。ここでは、まだ、
未取得のトークンがあるので、ステップS6に進み、次
のトークンについて処理を行う。
【0051】次に、「は」について品詞辞書の検索を行
う。品詞辞書には、「は」の品詞は記憶されておらず、
ルールテーブルの番号が記憶されている。これにより、
「は」は、2以上の品詞を有することが分かる。さら
に、「は学」という文字につき同じようにして品詞辞書
の検索を行う。品詞辞書には「は学」が記憶されていな
いことから、CPU12は「は」が1つのトークンであ
ると判断する。とともに、トークン「は」の品詞が2以
上存在して不確定であることから、品詞辞書に記憶され
ているルールテーブルの番号B(45)を記憶する(図7参
照)。なお、上記実施例では、2以上の品詞が存在する
場合に、ルールテーブルの番号のみを品詞辞書に記憶す
るようにしているが、これら品詞も併せて記憶するよう
にしてもよい。
【0052】以下同じようにして、「学校」「へ」をそ
れぞれトークンとして認識し、図7に示すようにそれぞ
れの品詞を記憶する。次に、「行」をトークンとして認
識し、その品詞として一般動詞の語根を記憶する。ここ
では、取得した品詞が一般動詞の語根であるから、ステ
ップS3により、ステップS4に分岐する。ステップS
4においては、接尾語のトークンを確定するとともに、
その属性の解析を併せて行う。以下に述べるように、テ
ーブルを使用することにより、トークンの確定と属性の
解析とを同時に行うことを可能としている。このような
利点を追求しないのであれば、品詞辞書の中に、接尾語
を記憶しておいて処理することも可能である。
【0053】この実施例では、次の表2、表3に示すよ
うな動詞の基本的属性および述語形容詞の基本的属性に
ついての解析を行うことを基本としている。
【0054】表2 動詞の接尾語の基本的属性 1.使役 :結果として影響を与えたり作ったりするこ
と (例)”子供に本を読ませる” 2.受け身:受け身の形態 (例)”説明させられる” 3.過去 :一般的な過去形、または間接的な過去形 (例)”本を読み、ラジオを聞いた”の”読み”(間接
的な過去) (例)”本を読み、ラジオを聞いた”の”聞いた”(一
般的な過去) 4.結果 :未来が完全に過去 (例)”入れておきました” 5.方向 :今につながっている方向性や未来につなが
っている方向性 (例)”製造してきました”(今につながる方向性) (例)”車はますます発展していく”(未来につながる
方向性) 6.断続 :性質の違う動きを示す (例)”機械が右の方へ回ったり、左の方へ回ったりし
た” 7.継続 :継続した動きを示す (例)”本を読んでいます” 8.完全 :完全を示す (例)”本を読んでいました” 9.否定:肯定または否定 (例)”来る”(肯定) (例)”来ない”(否定) 10.次に述語を伴うもの:これより後、句点までの間
に、述語を伴うもの。
【0055】(例)”本を読み、ラジオを聞いた”
(「読み」は「聞いた」を伴う) 11.他の意味の存在:一つの意味だけではなく、他の
意味があること (例)”読ませ始める” 12.様相 :何らかの状態を示していること (例)製造することができる 13.敬語:敬語かそうでないか (例):”来る”(中立) (例):”来ます”(敬語) 表3 述語形容詞の接尾語の基本的属性 1.過去: (例)”美しかった” 2.次に述語を伴うもの: (例)”花が美しく咲きます”(「美しく」は「咲きま
す」を伴う) 3.助動詞の存在:当該接尾語中に助動詞を含む (例)”美しくなる” 4.否定: (例)”美しくもない” 5.敬語: (例)”美しいでしょう” 以下、図16および図17のフローチャートを参照しつ
つ、一般動詞の接尾語のためのテーブルを用いて接尾語
の解析を行う処理を説明する。この実施例では、図18
に示す”一般動詞の語根の次に来る接尾語のためのテー
ブル”(以下テーブルDと呼ぶ)、およびこのテーブル
によって指示されるテーブル等によって、動詞の接尾語
のためのテーブルが構成されている。
【0056】前述のように「行」の品詞が一般動詞の語
根であると判明すると、CPU12は、図6の品詞辞書
の「行」の欄から、テーブルDのカラム記号「k」を取
得する。CPU12は、このカラム記号「k」にしたが
って、テーブルDから、接尾語を検索する(ステップS
20)。
【0057】テーブルDを、図18に示す。このテーブ
ルは、r、t、m、b、n、k、k’、g、s、wのカ
ラムを有している。今、指定されたカラム記号は「k」
であるから、「k」のカラムが参照される。ここで、C
PU12は、次の文字「き」を読み込み、カラム「k」
において該当する文字を検索する。ここでは、2行目に
「き」が存在するので、当該行の情報を用いて解析を行
う。つまり、「き」が「同時」という属性を持っている
ことを得て、これを属性バッファに記憶する(ステップ
S23)。次に、ステップS25、S28、S29に掲
げられた指示が、当該接尾語に関してテーブル中にある
か否かを判断する。ここでは、これらの指示がないの
で、ステップS30を実行する。
【0058】ステップS30においては、「き」より後
の文字「ま」「す」が、テーブルDで指示された、次の
テーブルC(2)、S(v)に存在するか否かを検索する(図
19、図21参照)。ここでは、テーブルC(2)に「ま
す」が存在する。つまり、「き」の後に、接尾語が続く
ので、ステップS31に進む。なお、「ます」について
の検索結果は、後のステップS20以下の処理において
用いるために記憶しておく。
【0059】ステップS31においては、現在参照中の
テーブル(ステップS23〜S29等で参照したテーブ
ル)がDであるか否かが判断される。ここでは、テーブ
ルDを参照していたので、ステップS35において、属
性バッファの内容を全て消去する。これは、テーブルD
に掲げられた属性「同時」「過程が明確」「過去でな
い」「命令」は、それ以降に接尾語が続かない場合にの
み適用されるものだからである。その後、接尾語を
「き」だけで確定する(図7Aに示す解析ファイル参
照)。なお、この場合、「き」に対する属性はないので
解析ファイルにはその属性を記憶しない(ステップS3
6)。
【0060】上記のようにして、ステップS36の処理
を終えると、再びステップS20以下を実行する。ステ
ップS20においては、テーブルDの「き」において指
示された次のテーブルC(2)、S(v)を用いて、「き」の
後の接尾語を検索する。検索は、テーブルC(2)、S(v)
の順に行う。
【0061】テーブルC(2)を、図19に示す。CPU
12は、次の文字「ま」を取得し、このテーブルに
「ま」が存在するか否かを判断する。さらに、次の文字
を含めて「ます」がテーブルに存在するか否かを判断す
る。このようにして、CPU12は、最も長い文字列と
して合致するものをテーブルC(2)から探し出す。ここ
では、No.22の「ます」が選択される。仮に、テーブル
C(2)から探し出せなかった場合には、テーブルS(v)に
ついて同じように検索する。なお、ステップS30にお
いて、すでに検索済みの場合には、記憶しておいた検索
結果を利用すればよい。
【0062】なお、ステップS20、S21の検索にお
いては、「き」より後の文字について、1文字(つまり
「ま」)、2文字(つまり「ます」)・・・という順で
文字数を増やしてテーブルに該当する接尾語があるか否
かの検索を行う。2以上の文字が検索された場合には、
最も長い接尾語を選択する。
【0063】また、上記の処理において、最も長い接尾
語として、同じ接尾語が2以上選択される場合もある
(図19のNO.15、NO.16の「たくな」参照)。この場合
に、何れの「たくな」を選択するのかは、それぞれの
「たくな」の次テーブル(CとD)の何れに、次の接尾
語が存在するか否かによって決定する。
【0064】ところで、テーブルDにおいて指示された
テーブルの何れにおいても接尾語を発見できなかった場
合には、与えられたテキスト文が誤っている可能性があ
るので、この旨をCRT16に表示する(ステップS2
1、S22)。誤りを訂正する入力があれば、ステップ
S21に戻る。
【0065】ここでは上記のように、テーブルC(2)か
ら「ます」が選択される(図19参照)。テーブルC
(2)は、各接尾語に対して、「次テーブル」「新しい文
節のはじまり」「定形/非定形」「様相」「次に述語を
伴うもの」「属性」の欄を有している。
【0066】「次テーブル」の欄は、接尾語が続く場合
に参照すべきテーブルを示している。
【0067】「新しい文節のはじまり」の欄は、当該接
尾語によって、トークンが属性を持った1かたまりとし
て完結するか否かを表している。「はじまる」であれ
ば、当該接尾語によってトークンが完結することを表し
ている。この欄が、空白の場合には、当該接尾語によっ
てトークンが完結しないことを表している。
【0068】「定形/非定形」の欄は、この接尾語に接
尾語が続くか否かを表している。「定形」であれば、必
ず接尾語が続かないことを表し、「非定形」であれば、
必ず接尾語が続くことを表している。空白であれば、何
れの可能性もあることを示している。この「定形」は、
文型の分析において重要な役割を果たす。
【0069】「様相」は、前述の基本的な属性の1つで
ある。この欄に何らかの記述があれば、様相があること
を示しており、空白であれば、様相がないことを示して
いる。
【0070】「次に述語を伴うもの」は、前述の基本的
な属性の1つである。この欄に「過程が明確」「過程が
明確であろう」等の「明確」を含む表示があれば、当該
述語が「次に述語を伴うもの」でないこと、つまり、後
に述語を伴わないことを示している。それ以外の場合に
は、「次に述語を伴うもの」となりうること、つまり、
後に述語を伴う可能性があることを示している。なお、
この欄においては、次に述語を伴うか否かだけでなく、
「同時」「もし・・・だけれども」等の属性も示してい
る。
【0071】「属性」の欄は、当該接尾語を有する述語
の持つ基本的な属性を示している。この実施例では、こ
の欄に11種類の文法的属性を記述するようにしてい
る。この11種類の属性は、上記の「次に述語を伴うも
の」「様相」とともに、動詞の13種類の基本的属性を
形成する(表2参照)。
【0072】今ここでは、テーブルC(2)の「ます」が
検索されている。したがって、「次に述語を伴うもの」
の欄で「過程が明確」を得て、「属性」の欄で「過去で
はない」「敬語」を得る。CPU12は、これらの属性
を、図25Aに示すように、属性バッファに記憶する
(ステップS23)。属性バッファには、動詞の基本的
属性を保持するための13の領域と、これら以外の属性
や、これらを補足する属性を記憶するための領域が設け
られている。テーブルには、「過去ではない」と記述さ
れているので、「過去」の領域を「−」にする。また、
「過程が明確」と記述されているので、「次に述語を伴
うもの」の領域を「−」にする。とともに、「過程が明
確」という属性を、記憶する。また、「敬語」と記述さ
れているので、「敬語」を「+」にする。
【0073】このように、属性バッファには、テーブル
に明示された属性のみを記憶し、他の属性は空白のまま
にしておく。ただし、テーブD以外のテーブルにおいて
は、「次に述語を伴うもの」については、「過程が明
確」「過程が明確であろう」等の「明確」を有する属性
が記載されていれば「−」を記憶し、「明確」を有する
属性が記載されていなければ「+」を記憶する。テーブ
ルDにおいては、「明確」を有する属性が記載されてい
る場合のみ「−」を記憶し、「明確」を有する属性が記
憶されていない場合には、属性は空白としておく。
【0074】上記のように属性バッファへの記憶が終了
すると、次に、「ます」によって、1つのトークンが完
結するか否かを判断する。つまり、「ます」の「新しい
文節のはじまり」の欄が「はじまる」となっているか否
かを判断する(ステップS25)。仮に、「はじまる」
であれば1つのトークンが完結したことになる。したが
って、この時点において接尾語を確定し、属性バッファ
の内容を当該接尾語に対する文法的属性として、解析フ
ァイルに記憶する(ステップS26)。ここでの記憶処
理の詳細についても、後で述べる。次に、ステップS2
7において、属性記憶フラグを「1」にする。その後、
ステップS28に進む。
【0075】なお、ここでは「ます」の「新しい文節の
はじまり」の欄は空白であるから、ステップS25か
ら、ステップS26、S27を経ることなく、ステップ
S28に進む。
【0076】ステップS28、S29においては、「ま
す」の「定形/非定形」の欄が「非定形」となっている
か否かを判断する。「非定形」であれば、この後に必ず
接尾語が続くので、ステップS31、S32を経て、次
の接尾語の処理に進む。「定形」であれば、この後には
接尾語が続かないので、ステップS38以下の終了処理
を行う。「ます」の「定形/非定形」の欄は空白である
から、ステップS28、S29を経て、ステップS30
へ進む。
【0077】ステップS30においては、指示された次
のテーブルを参照して、次のトークンが当該テーブルに
存在するか否かを判断する。つまり、次に、接尾語が続
くか否かを判断する。ここでは、次のトークンが「。」
であり、指示されたテーブルCには存在しないので、次
に接尾語が続かないものとして、ステップS38へ進
む。なお、この段階において、次テーブルの指示がない
場合(たとえば「ません」の場合)にも、次に接尾語が
続かないと判断する。なお、接尾語が続くか否かの判断
は、次のトークンが品詞辞書に存在するか否かによって
判断しても良い。すなわち、品詞辞書に存在すれば、次
のトークンが接尾語でないと判断できる。
【0078】ステップS38においては、属性記憶フラ
グが「1」であるか否かを判断する。ここでは、属性記
憶フラグは「0」であるから、ステップS39に進み、
属性バッファの内容を当該接尾語に対する文法的属性と
して、解析ファイルに記憶する。なお、この際、属性バ
ッファの空白の属性に関しては、デフォルトである
「−」を解析ファイルに記憶する。このように、一般的
によく用いられる属性を、デフォルトで「−」として設
定することにより、テーブルに記憶する属性の数をでき
るだけ減らすことができる。以上のように、図7の解析
ファイルの「ます」に関連づけて、図25Bに示すよう
に、文法的属性が記憶される。つまり、「ます」は、
「使役でない」「受け身でない」「過去でない」・・
「次に述語を伴わない」・・「様相がない」「敬語であ
る」「過程が明確である」という属性を有することが記
憶される。ステップS26における解析ファイルへの記
憶処理においても、上記と同様に、空白の属性に関して
デフォルト「−」が与えられる。
【0079】なお、ステップS26において、属性バッ
ファの内容を解析ファイルに記憶していた場合には、ス
テップS39は行う必要がないのでスキップする(ステ
ップS38)。
【0080】また、上記実施例では、テーブルDに掲げ
る接尾語に対して接尾語が続く場合には、テーブルDの
接尾語の属性は記憶しないようにしている。しかし、各
属性(「次に述語を伴うもの」を除く)に、デフォルト
「−」を与えて記憶するようにしてもよい。
【0081】上記のようにして、「ます」を1つのトー
クンとして確定し、その品詞を一般動詞の接尾語と確定
し、さらにその文法的属性を解析することができる。
【0082】なお、上記の例では、一般動詞の接尾語に
ついて説明したが、連結詞の接尾語や助動詞の接尾語に
ついても同じように接尾語のためのテーブルを用いて接
尾語の確定および属性解析を行う。ただし、連結詞の接
尾語や助動詞の接尾語については、一般動詞のようなテ
ーブルDはなく、直接、テーブルCを参照する。
【0083】また、述語形容詞の接尾語についても同じ
ように接尾語のためのテーブル8dを用いて、接尾語の
確定および属性解析を行う。そのフローチャートは、動
詞の接尾語の場合と同じように、図16、図17に示す
ものとなる。述語形容詞の接尾語のためのテーブル8d
の一部を図22に示す。述語形容詞の接尾語において
は、一般動詞の接尾語のようなテーブルDはなく、図2
2に示すようなテーブルFを持っている。なお、図22
のテーブルF(述語形容詞の接尾語のためのもの)がテ
ーブルC(動詞の接尾語のためのもの)やテーブルDを
参照する場合もある。また、逆に、図19のテーブルC
(2)(動詞の接尾語のためのもの)がテーブルDやテー
ブルF(述語形容詞の接尾語のためのもの)を参照する
場合もある。これは、動詞の接尾語と述語形容詞の接尾
語の何れにもなりうるものが存在するためである。
【0084】上記のように、この実施例では、接尾語を
分類して、テーブル化している。これにより、品詞辞書
に個々の動詞や述語形容詞に接尾語を振り当てて登録す
る場合に比べて、辞書容量を大幅に減らすことができ
る。加えて、接尾語の確定を行う際に迅速な処理を行う
ことができ、同時にその属性を解析することができる。
また、ありえない接尾語のつながりを見い出して、文章
の誤りを見つけることもできる。
【0085】なお、この実施形態における接尾語のテー
ブルでは、原則として、接尾語を50音順に並べて、5
0音順に検索するようにしている。しかし、使用頻度を
記憶しておいて、使用頻度順に検索するようにしてもよ
い。さらに、当該使用頻度を学習によって更新するよう
にしても良い。また、接尾語を使用頻度順に並べておい
ても良い。
【0086】さらに、検索速度を向上させるため、複数
のテーブルに重複して接尾語を記載するようにしても良
い。
【0087】また、上記実施例では、次テーブルがCの
場合、テーブルC(0)、C(1)、C(2)・・・の順に接尾
語の検索を行うようにしている。しかし、各テーブルご
とに予め使用頻度を記憶しておき、使用頻度順に検索す
るようにしてもよい。さらに、当該使用頻度を学習によ
って更新するようにしてもよい。
【0088】図16、図17の接尾語の解析処理を終了
すると、図5のステップS5に進む。ここでは、「。」
についての処理が残っているので、ステップS5、S6
を経て、ステップS2おいて、品詞を取得する。「。」
について品詞「句点」を取得すると、全てのトークンに
ついて品詞を取得したことになる。
【0089】次に、CPU12は、品詞の不明なトーク
ンについて品詞の決定を行う(ステップS7)。図8
に、品詞決定の詳細なフローチャートを示す。まず、ス
テップS10において、「僕」に対して2以上の品詞が
取得されているか否かを判断する。ここでは、「僕」の
品詞はすでに一般名詞として確定されているので、その
まま一般名詞とする。
【0090】次に、ステップS13、S14を経て、次
のトークン「は」について同様の処理を行う。ここで、
「は」に対しては2以上の品詞が取得されているので
(つまりB(45)が記憶されているので)、ステップS1
1に進む。ステップS11においては、記憶されている
ルールテーブルB(45)を参照する。
【0091】ルールテーブルB(45)は、ハードディスク
14に記憶されている。その詳細を、図9に示す。この
ルールテーブルには、複数のルール(NO.1〜NO.3)が記
憶されている。まず、NO.1のルールが読み出される。N
O.1のルールは、左側(1つ前)のトークンが主格の不
変化詞、間接目的語として使われる場合の不変化詞、後
置詞、副詞のいずれかである場合、トークン「は」は、
土台となる不変化詞であることを示している。ここで、
CPU12は、ステップS2で記憶した左側のトークン
「僕」の品詞を読み出す(図7A参照)。「僕」の品詞
は一般名詞であって、上記品詞の何れでもないから、N
O.1のルールは成立しない。
【0092】同様にして、CPU12はNO.2、NO.3のル
ールを検討し、適合するルールを見い出す。ここでは、
NO.3のルールが成立し、「は」の品詞は、主格の不変化
詞”は”であると確定できる。
【0093】CPU12は、このようにして確定した品
詞をハードディスク14に記憶する(ステップS1
2)。つまり、図7Bに示すように、主格の不変化詞”
は”が記憶される。さらに、CPU12は、適用したル
ールNO.3のウエイトの項目より、「1」を取得してこれ
も併せて記憶する(図7B参照)。ここで、ウエイトと
は、品詞決定の確実性の程度を数値化したものである。
この実施例では、情報不足を「0」、正確を「1」、少
し正確を「2」、不正確を「3」としている。このよう
なウエイト付けをしておくことにより、解析後の種々の
処理(たとえば他言語への翻訳等)の際に、ウエイトに
基づいて処理結果に正確性を付与することができる。
【0094】以上と同様にして、全てのトークンについ
て処理を行う(ステップS13、S14)。ここで挙げ
た例では、2以上の品詞を持つのは、トークン「は」だ
けであるので、最終的な記憶内容は図7Bのようにな
る。
【0095】以上のようにして、「僕は学校へ行きま
す。」という文を、各トークンに分割して、品詞を付与
することができる。以後、このトークンへの分割と品詞
の付与および属性の解析を基本として、トークンの役割
の解析(文型分析等)等が行われていく(ステップS
9)。これら品詞の情報、属性の情報は、特に、他言語
への翻訳を行う場合に、その正確性を向上させるために
重要な情報となる。
【0096】たとえば、これらの情報をもとに、英語へ
の翻訳を行う場合に、動詞の語根「行」を「go」に対応
付けることができる。さらに、図25Bに示す接尾語
「ます」について解析した属性(「使役でない」「受け
身でない」・・・「敬語である」「過程が明確」)に基
づいて、訳語を決定することができる。つまり、この場
合には、「過去でない」「敬語である」「過程が明確」
という属性を持っているので、「go」という訳語を選択
することができる。
【0097】たとえば、「行った」に対しては、接尾語
の解析により「過去である」という属性が得られ、「we
nt」という訳語を得ることができる。また、「行ってい
ます」に対しては、解析により「継続している」という
属性が得られ「be going」という訳語を得ることができ
る。このように、述語を述語の語根と接尾語とに分割
し、接尾語によって述語の属性を解析することにより、
英語への翻訳を正確に行うことができる。
【0098】また、各述語についての属性解析を行って
いるので、この解析結果に基づき、英語以外の言語への
翻訳も同様に行うことができる。つまり、上記実施例に
おいて解析した結果は、各言語へ翻訳する際の共通的情
報となるものであり、いわゆるピボット方式による他国
語への翻訳を正確に行うことを可能とする。
【0099】もちろん、解析結果を翻訳システムに用い
るのはその一例であり、その他、言語教育システム等に
も用いることができる。
【0100】上記で例示したルールテーブルでは、左側
のトークンのみを参照して品詞を決定している。しか
し、他のルールテーブルでは、右側(1つ後ろ)のトー
クンも参照する場合もあるし、右側のトークンだけを参
照する場合もある。いずれにしても、当該トークンの品
詞を決定するために必要な程度、前後(1以上離れたト
ークンを含んでいてもよい)のトークンを参照すること
が好ましい。
【0101】次に、「麓に近いこの村は景色が美しかっ
た。」という文を例にして、上記の解析を説明する。ま
ず、図5のステップS2、S5、S6を繰り返し実行し
(動詞や述語形容詞についてはS3、S4)、図10A
に示すように、トークンに分解して品詞を取得する。な
お、この際に、述語形容詞の接尾語である「い」「かっ
た」は、上述の動詞の接尾語と同じように、テーブルを
用いて確定され、その属性が解析される。なお、図10
Aの解析ファイルにおいて、「い」「かった」に関し、
属性解析の結果がリンクされているが、図示は省略して
いる。
【0102】図16、図17のフローチャートを参照し
て、述語形容詞の解析処理を説明する。まず、述語形容
詞の語根「近」を取得した後、接尾語の分析を行う(図
5のステップS3、S4)。この実施例においては、述
語形容詞の接尾語のテーブルを、1つのテーブルF(そ
の一部が図22に示されている)にまとめている。した
がって、述語形容詞の接尾語を解析する際には、テーブ
ルFを検索する(ステップS20)。テーブルFから、
「い」が検索される。属性バッファには、図22のテー
ブルFを参照して、「過去」を「−」、「次に述語を伴
うもの」を「−」として記憶される。また、「過程が明
確」という属性も属性バッファに記憶される(ステップ
S23)。
【0103】「はじまる」「定形」「非定形」の指示が
ないので、ステップS25、S28、S29を経て、ス
テップS30に進む。ステップS30では、次のトーク
ンが指示された接尾語のテーブルC(C(1)、C(2)・・
・・・)にあるか否かを判断する。ここでは、次のトー
クン「こ」「この」「この村」・・・が、テーブルCに
ないので、ステップS38、S39に進む。
【0104】ステップS39においては、属性バッファ
の内容を解析ファイルに記憶する。なお、この際、属性
バッファに指示のない属性について、デフォルトの属性
「−」を記憶する点は動詞の接尾語の場合と同じであ
る。ただし、述語形容詞の接尾語に関しては、前記表3
にあったように、基本的属性は5つのみが設定されてい
る。このようにして記憶された「い」の属性を図26A
に示す。以上のようにして、接尾語「い」が確定され、
その属性が解析される。
【0105】上記と同様にして、「かった」が接尾語と
して確定され、その属性が図26Bのように解析ファイ
ルに記憶される。
【0106】ここで、述語形容詞の接尾語の属性につ
き、他の言葉「楽しくなります」を例として説明する。
「楽し」は、品詞辞書により、述語形容詞の語根である
と判断する。次に、図22のテーブルFを見て、接尾語
「くな」を検索する。「くな」は「新しい文節のはじま
り」の欄が「はじまる」となっている。したがって、接
尾語として確定し、図27Aに示すように属性を記憶す
る。
【0107】また、「くな」は「非定形」であるから
(図17、ステップS28)、次のトークンについて次
のテーブルDのr欄を検索する。これにより、テーブル
Dから「り」を見い出す。「り」に関し、属性バッファ
には、一旦「同時」が記憶される(ステップS23)。
しかし、ステップS35においてその内容が消去され、
解析ファイルには「り」に関して、属性は記憶されない
(ステップS36)。
【0108】さらに、次のテーブルC(2)、S(v)を検索
して、「ます」を見い出す(ステップS21参照、ただ
し、すでに、ステップS30において検索済みであるか
らその結果を利用する)。このようにして、図27Bに
示すように属性を記憶する。
【0109】なお、「くな」は述語形容詞の接尾語のテ
ーブルにあるので基本的属性を5つとして解析し、「ま
す」は動詞の接尾語のテーブルにあるので基本的属性を
13として解析する。
【0110】なお、上記の実施例では、「り」と「ま
す」をそれぞれ1つの接尾語として解析ファイルに記憶
し、属性があれば、それぞれの属性を記憶するようにし
た。しかし、1つの接尾語「ります」として解析ファイ
ルに記憶し、属性を記憶するようにしてもよい。この場
合には、「り」に関する属性バッファの内容と、「ま
す」に関する属性バッファの内容とを加え、これを、
「ります」に関する属性バッファとする。この例では、
「り」には属性がないので、「ます」の属性が、「りま
す」の属性となる。
【0111】なお、2以上の接尾語がそれぞれ属性を有
する場合には、何れか1つの接尾語の属性バッファに記
憶された属性を、全体の属性として属性バッファに記憶
する。ただし、「次に述語を伴うもの」の属性は、最後
の接尾語の属性を、全体の属性とする。
【0112】上記のようにして得た「ります」の属性バ
ッファの内容を、解析ファイルに記憶する。このさい、
空白の属性に対しては、デフォルト「−」を与えて記憶
する。
【0113】さらに、「くな」「り」「ます」を1つの
接尾語「くなります」として、解析ファイルに記憶し、
属性を記憶してもよい。この場合、「くな」は5つの基
本的属性を持ち、「ます」は13の基本的属性を持って
いるので、18の属性を持つものとして記憶する。
【0114】ここで、「麓に近いこの村は景色が美しか
った。」という例に戻って、説明を進める。以上のよう
に接尾語を含めて、全てのトークンに付き図10Aのよ
うに品詞を取得すると、次に、図5のステップS7にお
いて、品詞の不明なトークンについて品詞の確定を行
う。
【0115】まず、トークン「に」について、ルールテ
ーブルB(43)を参照する。ルールテーブルB(43)の詳細
を図11に示す。まず、ルール1についての検討が行わ
れる。ルール1は、左のトークンが「次に述語を伴わな
い動詞」となっている。ここでは、動詞の語根+動詞の
接尾語を「動詞」と呼んでいる。これは、「動詞の語
根」+「動詞の接尾語」という2つのトークン(このよ
うなかたまりをクワジワードと呼ぶ)を判断の基準に使
うということを示している。つまり、判断の基準に用い
られるトークンはこの場合のように複数となる場合もあ
る。また、ルール1に示すように、品詞以外の要素であ
る「述語を伴わない」という要素も加味して、ルールを
構成する場合もある。
【0116】いずれにしても、ここでは、左のトークン
が一般名詞であるので、ルール1は該当しない。その結
果、ルール1に該当しない場合の全ての場合に適用され
るルール2が適用される。すなわち、品詞は、間接目的
語として使われる不変化詞”に”であると決定される。
また、そのウエイトは、2として記憶される。
【0117】以下同様にして、「は」については、図9
のルールテーブルB(45)を参照して、主格の不変化詞”
は”であると決定される。また、「が」については、図
12のルールテーブルB(44)を参照して、主格の不変化
詞”が”であると決定される。
【0118】以上のようにして、「麓に近いこの村は景
色が美しかった。」という文が解析される。つまり、図
10Bに示すように、トークンへの分割と、各トークン
の品詞が、解析ファイルとしてハードディスク14に記
憶される。
【0119】なお、同じ品詞が連続する場合などは、前
後のトークンの品詞によって当該トークンの品詞を決定
することが不適切となる場合もある。たとえば、「車は
常に迅速、確実かつ安全に運転しよう。」という文につ
いて、品詞辞書から品詞を取得した結果は、図15Aの
ようになる。ここで、「は」については、上記と同様に
して、ルールテーブルB(45)を参照して品詞を決定す
る。
【0120】次に、「迅速」の品詞を確定するため、ル
ールテーブルB(6)を読み出す(図23参照)。しか
し、このルールテーブルに従って、右側のトークン「確
実」の品詞に基づいて品詞を確定してはならない(な
お、ここでの「、」はトークンとトークンを分割してい
るだけであり無視する)。もっとも、例示したケースの
場合には、「確実」の品詞が定まっていないため、確定
すらできない。しかし、たとえ確定できたとしても、
「確実」の品詞に基づいて確定すると誤った結果とな
る。
【0121】図24を参照しつつその説明をする。同じ
品詞のトークンα、βが連続した場合、これらは1つの
トークンとして、これら同じ品詞の連続トークンα、β
以外のトークンγと関係していると見られる。つまり、
図に示すように、それぞれのトークンα、βが、それぞ
れトークンγに関係していると見られるのである。した
がって、トークンαについて、図23のテーブルB(6)
を適用する際に、右のトークンは、γとしなければなら
ないのである。
【0122】このように、同じ品詞のトークン(同じル
ールテーブルを参照するトークンはそうであると推定す
る)が連続した場合(コンマや同等の接続詞が入ってい
る場合も連続とみなす)には、同じルールテーブルを参
照しない最も近いトークン(ただし、コンマや同等の接
続詞は無視する)の品詞を用いてルールテーブルにあて
はめる。上記の例でいうと、「迅速」についての品詞を
決定する場合には、「確実」や「安全」の品詞でなく、
「に」の品詞で決定するようにしている。
【0123】なお、「に」の品詞は確定しておらずテー
ブルB(43)によって決定されるようになっているが、テ
ーブルB(6)とB(43)においてとりうる品詞の組み合わ
せによって、品詞が確定可能である。
【0124】同様に、「確実」も、「に」の品詞によっ
てその品詞が決定される。このようにして、得られた品
詞を、図15Bに示す。なお、図15Bのように品詞を
定めた後、所定のルールを用いて(たとえば、連続する
一般名詞と不変化詞を1つのトークンとする等のルール
を用いて)「車は」を1つののトークンとしてまとめて
扱ってもよい。同様に、「運転」「しよ」を1つのトー
クンとしてまとめて動詞として扱っても良い。このよう
な処理は、これに続く解析の内容によって、適宜選択す
ることができる。
【0125】図13および図14に、品詞確定のための
テーブルの他の一部を示す。これらのテーブルB(1)、
B(2)は、いわゆる体言止めの文章について、句点の直
前の「名前」を述語として扱うための判断を行うテーブ
ルである。
【0126】以上述べたように、この実施例では、動詞
を、動詞の語根と動詞の接尾語とに分けて、それぞれ1
つの品詞としている。また、同様に、述語形容詞を述語
形容詞の語根と述語形容詞の接尾語とに分けて、それぞ
れ1つの品詞としている。これにより、接尾語は、品詞
辞書に登録せず、前記のようにテーブルによって特定す
るという処理を可能にしている。
【0127】なお、「行くかもしれない」等の慣用的な
言葉は、動詞の語根「行」と接尾語「く」と慣用語「か
もしれない」に分割し、慣用語「かもしれない」を接尾
語のように扱って動詞の接尾語ためのテーブル中に盛り
込んでおいてもよい。これは、慣用語が動詞の接尾語と
同じ機能を持っているからである。このようにして慣用
語を盛り込んだ接尾語のテーブルの例を、図20に示
す。このようにしておけば、動詞の語根やその接尾語に
続く慣用語の解析が容易となる。なお、このテーブルに
おいて、記号”、”はORの意味であり、記号”*”はAN
Dの意味である。ただし、”*”の右側の文字は使わな
い場合もある。たとえば、(A、B)*(C)と表記さ
れている場合、とりうる言葉は、AC,BC,A,Bの
4つであることを示している。
【0128】なお、上記のように慣用語を接尾語のよう
に扱うテーブルを、動詞の接尾語のテーブルと一体にし
てもよいが、これと分離して設けてもよい。
【0129】また、複合動詞について、動詞(”い”行
で終わる動詞)の語根の次の接尾語に続く動詞を接尾語
として扱う、複合動詞のテーブルを設けてもよい。この
実施例では、この複合動詞のテーブルを、一般動詞の語
根に続く接尾語のテーブルによって指示されるテーブル
S(V)として設けている(図21参照)。つまり、動詞
の接尾語のテーブル中に設けられている。しかし、これ
とは分離して、設けてもよい。
【0130】動詞(動詞の語根の次の接尾語が”い”行
で終わる動詞)に動詞が続くと、図21の複合動詞のテ
ーブルS(V)が呼び出される。これにより、処理の高速
化が図られる。
【0131】ところで、「する」や「来る」等の動詞
は、語根が変化してしまう。つまり、本発明の考え方を
適用すれば、語根がないということになってしまう。こ
のような動詞に対しては、例外的に、変化するそれぞれ
の語根を品詞辞書に登録するとともに、次に続くテーブ
ルの番号を記憶するようにしている(図6の「来」「来
る」「来い」「来よ」参照)。
【0132】なお、上記実施例では、述語形容詞の接尾
語のテーブル中に、助動詞を含む接尾語を記載している
(そして、属性として「助動詞の存在」を与えてい
る)。これにより、検索の迅速性を得ている。しかし、
このような助動詞をテーブルに記載せず、品詞辞書に記
憶するようにしてもよい。
【0133】また、上記各実施例では、文章データを受
けてとって、これをトークンに分割し、品詞の決定、属
性の解析を行うようにしているが、予めトークンに分割
された文を受け取って、品詞の決定、属性の解析を行う
ようにしてもよい。
【0134】−役割の解析(文型の分析)− 上記のようにして品詞の決定および属性の解析を終える
と、次に、各トークンの役割の決定を行う。そのフロー
チャートを、図28、図29に示す。
【0135】前述の品詞の決定において、「僕は学校へ
行きます。」という文に対しては、図7Bに示すような
結果が得られる。CPU12は、これを、図30Aに示
すようなツリー形式に記憶する。なお、「Tインターバ
ル」とは、句点や?や!等の文の最後に来るものをい
う。
【0136】まず、ステップS40において、各トーク
ンの品詞に基づいて、「名前」と「主格の不変化詞”
は”」が連続する場合、「次に述語を伴わない述語(質
問する不変化詞”か”をともなってもよい)」と「主格
の不変化詞”は”」が連続する場合を検索する。ここで
は、最初のトークン「僕」と2番目のトークン「は」
が、「名前」と「主格の不変化詞”は”」が連続する場
合に該当する。このように、該当するトークンを見いだ
すと、これらに対して、「主格は」というマークを付す
(図30B参照)。なお、ここで、次に述語を伴わない
述語とは、当該述語の最後の接尾語が「明確」という属
性(過程が明確、過程が明確であろう等)を有する述語
をいう。
【0137】同様に、「名前」と「主格の不変化詞”
が”」が連続する場合を検索する(ステップS41)。
見い出すと、これらに対して、「主格が」というマーク
を付す。
【0138】上記のように、この実施形態においては、
ステップS40、S41が第1トークン抽出手段に対応
している。
【0139】次に、以下に示すような場合を抽出する
(ステップS42)。
【0140】a)次に述語を伴わない述語のトークンと品
詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、さらに
「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
のトークンが存在する場合。
【0141】上記の何れかに該当する場合には、これら
を一つにして抽出する(ステップS42)。これらを見
出すと、それぞれ、「述語+主格は」「述語+主格が」
のマークを付与する。つまり、この実施形態において
は、ステップS42が第3トークン抽出手段に対応して
いる。なお、「次に述語を伴わない述語」「名前」「主
格の不変化詞”は”」が連続する場合や、「次に述語を
伴わない述語」「名前」「主格の不変化詞”が”」が連
続する場合であっても、これらより前に、「主格は」や
「主格が」が存在しない場合には、抽出を行わない。
【0142】以上を終えると、ステップS40、S41
において、「主格は」「主格が」のマークを付すことが
できたか否かを判断する(ステップS43)。これがな
い場合には、主語、トピックのない文章であり、文型分
析を行う必要はなく、直ちに、ステップS55の部分的
文章構成法的分析に行く(ステップS55)。
【0143】「主格は」「主格が」がある場合には、ス
テップS44において、Tインターバルがあるか否かを
判断する。Tインターバルがない場合は、通常の文では
なく表題であると考えられるので、表題のための処理ス
テップS48、S49、S50を実行する。Tインター
バルがある場合には、通常の文であると考えられるの
で、ステップS45以下を実行する。
【0144】まず、ステップS45において、Tインタ
ーバルに最も近い位置にある「次に述語を伴わない述
語」を検索する。なお、ここでは、ステップS40や、
S42においてすでに「次に述語を伴わない述語+は」
や「述語+主格は」「述語+主格が」として検索済みの
述語は、既に抽出されているので、検索対象とならな
い。「次に述語を伴わない述語」を見出すと、これに
「述語」のマークを付す(図30B参照)。この述語
は、Tインターバルの直前の述語、すなわち文型の述語
であり、述語の中で最も大切な役割を果たす。文型のあ
る文章では、「主格は」「主格が」と伝達的関係を持
つ。
【0145】なお、Tインターバルの直前のトークンの
品詞が「名前」である場合には、これにも「述語」のマ
ークを付す(ステップS46)。これは、いわゆる体言
止めの場合の「名前」を述語として扱うためである。も
っとも、前述の品詞の確定の段階で、このような体言止
め全てを「述語」として判断できるようにしておけば、
このステップは不要である。この実施形態では、ステッ
プS45、S46が第2トークン抽出手段に対応してい
る。
【0146】以上のようにして、「主格は」「主格が」
「述語+主格は」「述語+主格が」「述語」のマークを
付けた後、これらのマークに基づいて文型を決定する
(ステップS47)。文型は、図32、図33に示すよ
うに、ハードディスク14に予め記憶されている。CP
U12は、これらの文型の中から、合致する文型を選択
する。ここでは、「主格は」「述語」に対応する、文型
1が選択される。
【0147】次に、この文型1が曖昧であるか否かを判
断する(ステップS51)。文型1は、(a)(b)2つの形
式を有するので、曖昧であると判断される。よって、ス
テップS52に進み、ディフォルトの文型(ここでは、
(a))を選択する。なお、文型7のように形式が1つで
あり曖昧でない文型の場合には、当該1つの形式を用い
る。
【0148】以上のようにして文型を選択すると、当該
文型に応じて、予め記憶されている各トークンの伝達的
役割を付与する(ステップS53)。文型1の(a)は、
文章構成法的役割として、「主格は」が主語としての役
割を有し、「述語」が述語としての役割を有することを
示している。また、伝達的役割は、「述語」から「主格
は」へ向かう矢印によって示され、「述語」と「主格
は」が伝達的関係にあることを示している。したがっ
て、ここでは、図31Aに示すように、「主格は」に対
して「主語」が与えられ、「述語」に対して「述語」が
与えられる。さらに、「述語」(行きます)が、「主
語」(僕は)と伝達的に関係していることが記憶される
(図31Aにおいては、「述語」から「主語」に向かう
矢印によって表している)。以上のようにして、トーク
ンの伝達的・文章構成法的役割を決定する。
【0149】次に、役割の決定されていないトークンが
存在するか否かを判断する(ステップS54)。全ての
トークンについての役割が決定されていれば、処理を終
了する。役割の決定されていないトークンが存在すれ
ば、続いて、部分的文章構成法的分析を行う(ステップ
S55)。
【0150】なお、上記においては、Tインターバルの
ある文についての処理を説明した。Tインターバルのな
い文は、ステップS48以下によって処理する。まず、
次に述語を伴わない述語の内、一番最後に位置する述語
を抽出し、これをTインターバルに最も近い述語として
扱う(ステップS48)。また、ステップS48におい
て、述語が見いだせない場合には、最後のトークンが
「名前」であるか否かを判断する(ステップS49)。
最後のトークンが「名前」でなければ、誤った文である
としてエラーを表示する。「名前」である場合には、
「述語」のマークを付す(ステップS50)。以上のよ
うにして、Tインターバルのない文について「述語」を
決定する。以後の処理は、Tインターバルがある場合と
同じである。
【0151】なお、上記実施形態においては、文型が曖
昧な場合には、デフォルトの文型を選択するようにした
が、2以上の文型を候補として出力するようにしてもよ
い。また、頻度に応じて、1つの文型を選択するように
してもよい。
【0152】この実施形態において、文型分析によって
付与する役割は、以下のとおりりである。
【0153】「主語」:文章における最も中心的な役割
を果たし、文章の全ての要素は、主語を説明するために
ある。主語は、述語との間に伝達的関係を持つ。また、
主語は述語の主体である。
【0154】「トピック」:文章における話題を提供す
るという役割である。また、トピックは、主語を説明す
る役割を持つ。
【0155】「述語」:文章中の品詞「述語」を持つト
ークンの内、最も大切な役割を持つ。述語は、主語、ト
ピックと伝達的関係を持つ。
【0156】「従属節の主語」:主語、トピックに従属
する文章の主語のことである。
【0157】「従属節のトピック」:主語、トピックに
従属する文章のトピックのことである。
【0158】「従属節の述語」:主語、トピックに従属
する文章の述語のことである。
【0159】図34に、いくつかの文型の解析例を示
す。
【0160】−役割の解析(部分的文章構成法的分析)
− 上記の文型分析によって役割を与えられていないトーク
ンが存在する場合には、以下の部分的文章構成法的分析
を行う(ステップS54、S55)。部分的文章構成法
的分析のフローチャートを、図35、図36に示す。
【0161】まず、ステップS61において、最後のト
ークンを得る。ここでは、最後のトークンとして、Tイ
ンターバルが得られる。次に、この最後のトークンにつ
いて、既に役割が付与されているか否かを判断する(ス
テップS62)。なお、Tインターバルは、全ての文章
において同じ役割を持つので、既に役割が付与されてい
るものとして扱う。ここでは、最後のトークンが役割を
有するので、ステップS63以下に進む。
【0162】ステップS63では、役割の与えられてい
ないトークンがあるか否かを判断する。ここでは、「学
校」「へ」についてその役割が与えられていない。した
がって、ステップS64に進む。ステップS64におい
ては、文の最後から先頭に向かって検索を行って、役割
の与えられていないトークンを得る。ここでは、「へ」
が得られる。さらに、そのトークン「へ」の直後のトー
クンを得る。ここでは、直後のトークンとして「行きま
す」が得られる。
【0163】次に、直後のトークン「行きます」につい
て、その品詞が、Tインターバル直前の「名前」である
か、またはテーブルB(1)B(2)を用いて決定されたか否
かを判断する(ステップS65)。つまり、いわゆる体
言止めの文章において、Tインターバルの直前のトーク
ンにつき、その品詞を「述語」として決定したものであ
るか否かを判断する。
【0164】そうでない場合、つまり体言止めでない場
合には、ステップS66に進む。ステップS66におい
ては、まず、上記の直後のトークン「行きます」に付与
された役割を得る。ここでは、「述語」が得られる。こ
の直後のトークンの役割「述語」と、役割の与えられて
いないトークン「へ」の品詞とに基づいて、当該未決定
トークン「へ」の役割を決定する。この実施形態では、
直後のトークンの役割に対応づけて、役割決定のための
テーブル(予測テーブル64)をハードディスク14に
予め記憶している。
【0165】ここでは、直後のトークンの役割が「述
語」であるから、図40に示すテーブルI(3)を用い
る。テーブルI(3)において、未決定トークン「へ」の
品詞「間接目的語として使われる不変化詞”へ”」が、
「形態学的特徴のつながり」の欄に存在するか否かを検
索する(ステップS67)。ここでは、マッチするもの
が見出されないので、次に、未決定トークン「学校」
「へ」の品詞「一般名詞」「間接目的語として使われる
不変化詞”へ”」の組み合わせによって検索を行う(ス
テップS67)。これにより、第24番目においてマッ
チすることが判明する。なお、一般名詞は名前グループ
Aに含まれる(表1参照)。このようにしてマッチした
行の「予測される文章構成法的役割」の欄に記述された
役割「一般的な間接目的語」を、未決定トークン「学
校」「へ」の役割として記憶する(図31参照)。ま
た、「行きます」と「学校へ」の伝達的関係を明らかに
するため、「行きます」から「学校へ」に向かって矢印
が付与される。
【0166】次に、全てのトークンについて役割が得ら
れたか否かを判断する(ステップS69)。全トークン
について役割が得られていなければ、再び、ステップS
64以下を実行し、役割を決定する。また、全トークン
について役割が得られていれば、処理を終了する。
【0167】以上のようにして、「僕は学校へ行きま
す。」という文が、図31Bに示すように解析される
(図25に示す属性の表示は省略した)。このような解
析により、各トークンの品詞、属性、伝達的・文章構成
法的役割を明瞭にすることができる。よって、他言語へ
の翻訳等を、正確に行うことができる。
【0168】なお、ステップS67において、未決定ト
ークンの数を増やして検索しても、最終的にマッチング
が得られない場合がある。この場合には、直後のトーク
ンのさらに直後のトークンの役割に基づいて、用いる予
測テーブルを決定し、未決定トークンの役割を決定する
(ステップS70)。
【0169】また、ステップS65において、直後のト
ークンについて、その品詞が、Tインターバル直前の
「名前」であるか、またはテーブルB(1)B(2)を用いて
決定されていた場合には、ステップS71以下の体言止
めに対する処理を行う。
【0170】ステップS71においては、未決定トーク
ンの直後のトークンの役割が、主語またはトピックであ
るものとして、主格の予測テーブルを選択する。これ
は、体言止めにおけるTインターバル直前のトークン
(品詞「名前」を持つ)の後ろには、「述語」が省略さ
れており、当該Tインターバル直前のトークンは主格と
しての役割を有していると考えられるからである。次
に、この予測テーブルI(2)に基づいて、未決定トーク
ンの役割を得る(ステップS72)。マッチングが得ら
れた場合、ステップS69に進んで、全てのトークンに
ついて役割が得られた否かを判断する。全トークンにつ
いて役割が得られていなければ、再び、ステップS64
以下を実行し、役割を決定する。また、全トークンにつ
いて役割が得られていれば、処理を終了する。
【0171】ステップS72において、マッチングが得
られなかった場合には、未決定トークンの直後のトーク
ンの役割が「述語」であるものとして、予測テーブルを
選択する。この予測テーブルI(3)に基づいて、未決定
トークンの役割を得る(ステップS75)。マッチング
が得られた場合、その役割を記憶するとともに、ステッ
プS69に進んで、全てのトークンについて役割が得ら
れた否かを判断する。全トークンについて役割が得られ
ていなければ、再び、ステップS64以下を実行し、役
割を決定する。また、全トークンについて役割が得られ
ていれば、処理を終了する。
【0172】なお、ステップS75においてマッチング
が得られなかった場合には、与えられた文章に誤りがあ
るとしてエラーを表示する。以上のようにして、体言止
めの文章についても解析を行うことができる。
【0173】また、ステップS62において、最後のト
ークンに役割が与えられていない場合(たとえば、Tイ
ンターバルがない表題の場合)には、図36のステップ
S77以下に進み、最後のトークンに役割を付与する。
図36の処理によって、最後のトークンに役割を付与し
た後、図35に戻り、上記のステップS63以下の処理
を行う。
【0174】図36のステップS77においては、最後
のトークンの品詞が「名前」であるか否かを判断する。
次に、当該最後のトークン以外に、役割が与えられてい
ないトークン(未決定トークン)があるか否かを、後ろ
から順に検索する(ステップS78)。未決定トークン
がない場合には、処理を終了する。未決定トークンがあ
る場合には、当該未決定トークンを得る(ステップS7
9)。次に、未決定トークンの直後のトークンの役割が
「主格」であるものとして、予測テーブルを選択する。
つまり、予測テーブルI(2)を参照して、未決定トーク
ンのマッチングを行う(ステップS80)。
【0175】マッチングが得られた場合、その役割を記
憶するとともに、図35に戻ってステップS63以下を
実行する。
【0176】マッチングが得られない場合、未決定トー
クンの直後のトークンの役割が「述語」であるものとし
て、予測テーブルを選択する(ステップS82)。この
予測テーブルI(3)に基づいて、未決定トークンの役割
を得る(ステップS83)。ここで、マッチングが得ら
れた場合、その役割を記憶するとともに、図35に戻っ
てステップS63以下を実行する。
【0177】なお、ステップS84においてマッチング
が得られなかった場合には、与えられた文章に誤りがあ
るとしてエラーを表示する。上記のようにして、Tイン
ターバルのない表題のうち、最後が「名前」で終わるも
のについての解析を行うことができる。
【0178】図36のステップS77において、最後の
トークンが「名前」でない場合には、ステップS85に
進み、最後のトークンの品詞が「後置詞」であるか否か
を判断する。「後置詞」(たとえば、・・・について)
であれば、当該「後置詞」の役割を「クワジの副詞修飾
語句」とする。さらに、次に用いるべき予測テーブル
を、クワジの副詞修飾語の予測テーブルI(13)、追加の
予測テーブルI(8)とする(ステップS86)。以下ステ
ップS63に戻って、通常の繰り返し処理を実行する。
【0179】なお、上記ステップS85において、最後
のトークンが「後置詞」でない場合には、ステップS8
8に進む。ステップS88にいおては、全ての予測テー
ブルの「形態学的特徴のつながり」の欄を用いて、当該
最後のトークンを未決定トークンとしてマッチングを行
う(ステップS88)。マッチングが得られない場合に
は、エラーを表示する。マッチングが得られれば、当該
マッチングによって役割を付与し、次テーブルの欄にし
たがって、次に用いる予測テーブルを決定する(ステッ
プS90)。その後、図35に戻ってステップS63以
下を実行する。以上のようにして、表題についても解析
を行うことができる。
【0180】なお、この実施形態において、部分的文章
構成法的分析において付与する役割を大きく分類する
と、下記のとおりである。
【0181】「連結詞や助動詞と結びつく関係」:連結
詞「である」や助動詞「になる」は、その前に名前や次
に述語を伴う述語形容詞を伴って、初めて意味をなす。
このような関係をいう。また、連結詞や助動詞は、単独
では意味をなさない。例えば、連結詞「である」は、
「先生である」「近くである」のように、名前や次に述
語を伴う述語形容詞を伴って役割を果たす。
【0182】「属性関係」:前のトークンが後のトーク
ンの属性となるような伝達関係をいう。例えば、「おも
しろい本」における、「おもしろい」と「本」との関係
が該当する。
【0183】「行為関係」:前のトークンが後ろのトー
クンの行為の内容を規定する関係である。例えば、「公
園へ行く」の「公園へ」は「行く」の行為の内容を示し
ている。
【0184】「修飾関係」:前のトークンが後のトーク
ンを修飾する(説明する)関係であって、従属節の前に
位置する接続詞と従属節の接続詞との間の関係をいう。
例えば、「もし雨が降るならば」における「もし」と
「ならば」との関係である。
【0185】「副詞修飾関係」:前のトークンが後のト
ークンを修飾する(説明する)関係であって、副詞と一
般動詞との間の関係をいう。例えば、「早く走る」にお
ける「早く」と「走る」との関係である。
【0186】「述語修飾関係」:前のトークンが後のト
ークンを修飾する(説明する)関係であって、従属節の
前に位置する接続詞と定型の属性を持った動詞との間の
関係をいう。例えば、「もし雨が降れば」における「も
し」と「降れば」との関係である。
【0187】「同等関係」:述語と述語が同一関係にあ
ることをいう。例えば、「私は、本を読み、ラジオを聞
く」における「読み」と「聞く」との関係である。
【0188】−役割の解析(他の例)− 次に、「麓に近いこの村は景色が美しかった。」という
文について、役割の解析を説明する。前述の品詞の決定
において、この文に対しては、図10Bに示すような結
果が得られる。CPU12は、これを、図41Aに示す
ようなツリー形式に記憶する。
【0189】まず、図28、図29の文型分析を行う。
「村」「は」を「名前は」として抽出し、「景色」
「が」を「名前が」として抽出し、「美しかった」を
「述語」として抽出する。つまり、「名前は」「名前
が」「述語」を抽出する。これに基づいて、図32、図
33のテーブルから文型4(a)を選択する(ステップS
47)。最初に、この文型4(a)にしたがって、文章構
成法的役割を決定する(ステップS53)。つまり、図
41Bに示すように、「村は」に「トピック」の役割
を、「景色が」に主語の役割を、「美しかった」に「述
語」の役割を与える。
【0190】ここで、役割の与えられていないトークン
「麓」「に」「近い」「この」が存在するので、図3
5、図36に示す部分的文章構成法的分析を行う。最後
のトークンから最初のトークンに向かって検索を行い、
役割の決定されていない未決定トークンを探し出す。ま
ず、「この」が見出される(ステップS64)。
【0191】探し出した未決定トークン「この」の直後
のトークン「村は」の役割を得る。ここでは、「トピッ
ク」が得られる。よって、「トピック」についての予測
テーブルI(2)を用いる(ステップS66)。この予測
テーブルI(2)中に、当該未決定トークン「この」の品
詞「述語形容詞でない形容詞」があるか否かを検索す
る。これにより、第2番がマッチングし、「この」の役
割が「属性2」であることが決定できる(ステップS6
8)。また、「村は」から「この」に向かって矢印が付
けられ、伝達的関係が記憶される。
【0192】次に、再び、未決定トークンを検索する。
ここでは、「近い」が見出される。この「近い」に対し
て用いるべき予測テーブルは、「この」においてマッチ
ングした第2番の「次テーブル」の欄に表示している。
したがって、ここでは、予測テーブルI(9)、I(0)を用
いて、検索を行う。その結果、「近い」の品詞「述語形
容詞」は、マッチングしない。さらに、その直前の
「に」の品詞と組み合わせてもマッチングしない。さら
にまた、「麓」の品詞と組み合わせてもマッチングしな
い。このような場合には、「この」の直後のトークンの
役割に基づいて、予測テーブルを決定する。つまり、
「村は」の役割「トピック」に関する予測テーブルI
(2)を用いる。これにより、第15番がマッチングし、
「近い」の役割を「属性を示す従属節の最後の述語(タ
イプ3)」であると決定できる。また、「村は」から
「近い」に向かって矢印が付けられ、伝達的関係が記憶
される。これにより、「近い」は「この」に係っている
のではなく、「村は」に係っていることが明確にされ
る。
【0193】次に、未決定トークン「に」について、近
いの次テーブルI(3)、I(10)を用いて、役割の決定を
行う。マッチングするものがないので、次に、「麓に」
について、予測テーブルI(3)、I(10)を用いて、役割
の決定を行う。これにより、テーブルI(3)の第24番
がマッチングする。よって、「麓に」の役割を、「一般
的な間接目的語」であると決定できる。また、「近い」
から「麓に」に向かって矢印が記憶される。以上のよう
にして、図42に示すような解析結果が記憶される。
【0194】上記実施態様における部分的文章構成法的
解析においては、後のトークンの役割に基づいて未決定
トークンの役割を決定しているが、前のトークンに基づ
いて決定してもよい。また、検索の方向も、後ろから前
ではなく、前から後としてもよい。
【0195】なお、上記各実施例においては、図1、図
2の各機能をCPUを用いて実現しているが、その一部
または全部をハードウエアロジックによって構成しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による言語解析システムの
全体構成を示す図である。
【図2】図1の品詞・属性解析手段30の全体構成を示
す図である。
【図3】図1、図2の言語解析システムをCPUを用い
て実現した場合のハードウエア構成を示す図である。
【図4】品詞の分類を示す図である。
【図5】トークンへの分割、品詞の取得および属性の分
析の処理プログラムのフローチャートである。
【図6】品詞辞書の例を示す図である。
【図7】解析ファイルの内容を示す図である。
【図8】品詞の選択処理のプログラムを示すフローチャ
ートである。
【図9】ルールテーブルB(45)を示す図である。
【図10】解析ファイルの内容を示す図である。
【図11】ルールテーブルB(43)を示す図である。
【図12】ルールテーブルB(44)を示す図である。
【図13】ルールテーブルB(1)を示す図である。
【図14】ルールテーブルB(2)を示す図である。
【図15】解析ファイルの内容を示す図である。
【図16】接尾語の解析処理を示すフローチャートであ
る。
【図17】接尾語の解析処理を示すフローチャートであ
る。
【図18】動詞の語根の次に来る接尾語のためのテーブ
ル(テーブルD)を示す図である。
【図19】動詞の接尾語のためのテーブルを示す図であ
る。
【図20】慣用語を動詞の接尾語として扱う部分を含
む、接尾語のためののテーブルを示す図である。
【図21】複合動詞のテーブルを示す図である。
【図22】述語形容詞の接尾語のためのテーブルを示す
図である。
【図23】ルールテーブルB(6)を示す図である。
【図24】同じ品詞が続いた場合の処理を説明するため
の図である。
【図25】図25Aは属性バッファの保持内容例を示す
図であり、図25Bは属性バッファの保持内容に基づい
て解析ファイルに記憶された「ます」の属性である。
【図26】解析ファイルに記憶された「い」「かった」
の属性を示す図である。
【図27】解析ファイルに記憶された「くな」「ます」
の属性を示す図である。
【図28】文型分析処理のフローチャートである。
【図29】文型分析処理のフローチャートである。
【図30】役割解析の過程を示す図である。
【図31】役割解析の過程を示す図である。
【図32】文型の例を示す図である。
【図33】文型の例を示す図である。
【図34】文型の解析例を示す図である。
【図35】部分的文章構成法的分析のフローチャートで
ある。
【図36】部分的文章構成法的分析のフローチャートで
ある。
【図37】予測テーブルI(0)を示す図である。
【図38】予測テーブルI(2)を示す図である。
【図39】予測テーブルI(2)を示す図である。
【図40】予測テーブルI(3)を示す図である。
【図41】役割解析の過程を示す図である。
【図42】役割解析の過程を示す図である。
【符号の説明】
30・・・品詞属性解析手段 52・・・第1トークン抽出手段 54・・・第2トークン抽出手段 56・・・第3トークン抽出手段 58・・・主役割決定手段 60・・・未決定トークン検索手段 62・・・副役割決定手段

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピュータを用いた言語解析システムで
    あって、第1のトークン、第2のトークンの出現順序、出現回数
    に基づいて第1、第2のトークンの役割を対応づけて記
    述したテーブルを記憶しておくとともに、 トークンに分割された言語を受けて、品詞が「名前」で
    あるトークンと品詞が「不変化詞”は”」であるトーク
    ンが連続する場合、および品詞が「名前」であるトーク
    ンと品詞が「不変化詞”が”」であるトークンが連続す
    る場合を第1のトークンとして抽出する第1トークン抽
    出手段、 前記言語を受けて、次に述語を伴わない述語を第2のト
    ークンとして抽出する第2トークン抽出手段、前記記憶されたテーブルを参照して、 前記第1のトーク
    ン、前記第2のトークンの出現順序、出現回数に基づい
    て第1、第2のトークンの役割を決定する主役割決定手
    段、 を備えたことを特徴とする言語解析システム。
  2. 【請求項2】請求項1の言語解析システムにおいて、 前記第1トークン抽出手段は、次に述語を伴わない動詞
    と「不変化詞”は”」が連続する場合、および次に述語
    を伴わない動詞と質問する不変化詞”か”と「不変化
    詞”は”」が連続する場合も、第1のトークンとして抽
    出するものであることを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の言語解析システ
    ムにおいて、前記テーブルは、第1のトークン、第2のトークン、第
    3のトークンの出現順序、出現回数に基づいて第1、第
    2、第3のトークンの役割を記述しており、 以下のa)〜d)の場合を第3のトークンとして抽出する第
    3トークン抽出手段を備え、 前記主関係決定手段は、前記テーブルを参照して、前記
    第1のトークン、前記第2のトークン、前記第3のトー
    クンの出現順序、出現回数に基づいて第1、第2、第3
    のトークンの役割を決定するものであること、 を特徴とするもの。a)次に述語を伴わない述語のトーク
    ンと品詞が「名前」である1以上のトークンが連続し、
    さらに「不変化詞”は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
    クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
    合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合。
  4. 【請求項4】トークンに分割された言語を受けて、各ト
    ークンの役割を決定するための、コンピュータを用いた
    言語解析システムであって、役割の決定された決定済トークンの役割と、当該決定済
    みトークンの前の役割の決定されていない未決定トーク
    ンの品詞とに基づいて、当該未決定トークンの役割を記
    述したテーブルを記憶しておき、 言語の最後のトークンから最初のトークンへ向かって、
    未決定トークンを検索する未決定トークン検索手段、前記記憶されているテーブルを参照して、 未決定トーク
    ン検索手段によって検索された未決定トークンの直後の
    決定済トークンの役割と当該未決定トークンの品詞とに
    基づいて、当該未決定トークンの役割を決定する副役割
    決定手段、 を備えたことを特徴とする言語解析システム。
  5. 【請求項5】請求項4の言語解析システムにおいて、 前記副役割決定手段は、前記決定済トークンの役割ごと
    に、前記未決定トークンの品詞に応じた役割を予測テー
    ブルとして保持しており、当該予測テーブルに基づいて
    前記未決定トークンの役割決定を行うものであることを
    特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項5の言語解析システムにおいて、 前記予測テーブルに当該未決定トークンの品詞が存在し
    ない場合には、前記決定済トークンの直後の決定済みト
    ークンに関する予測テーブルに基づいて、当該未決定ト
    ークンの役割決定を行うものであることを特徴とするも
    の。
  7. 【請求項7】請求項4ないし請求項6の何れかの言語解
    析システムにおいて、第1のトークン、第2のトークンの出現順序、出現回数
    に基づいて第1、第2のトークンの役割を対応づけた他
    のテーブルを記憶しておくとともに、 与えられる言語は、下記の手段によって予め一部のトー
    クンについて役割が決定されているものであることを特
    徴とするもの。トークンに分割された言語を受けて、品
    詞が「名前」であるトークンと品詞が「不変化詞”
    は”」であるトークンが連続する場合、および品詞が
    「名前」であるトークンと品詞が「不変化詞”が”」で
    あるトークンが連続する場合を第1のトークンとして抽
    出する第1トークン抽出手段、 前記言語を受けて、次に述語を伴わない述語を第2のト
    ークンとして抽出する第2トークン抽出手段、記憶されている前記他のテーブルを参照して、 前記第1
    のトークン、前記第2のトークンの出現順序、出現回数
    に基づいて第1、第2のトークンの役割を決定する主役
    割決定手段。
  8. 【請求項8】請求項7の言語解析システムにおいて、 以下のa)〜d)の場合を第3のトークンとして抽出する第
    3トークン抽出手段を備え、 前記主関係決定手段は、前記第1のトークン、前記第2
    のトークン、前記第3のトークンの出現順序、出現回数
    に基づいて第1、第2、第3のトークンの役割を決定す
    るものであること、 を特徴とするもの。 a)次に述語を伴わない述語のトークンと品詞が「名前」
    である1以上のトークンが連続し、さらに「不変化詞”
    は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
    クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
    合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合。
  9. 【請求項9】コンピュータを用いた言語解析方法であっ
    て、 第1のトークン、前記第2のトークンの出現順序、出現
    回数に基づいて第1、第2のトークンの役割を対応づけ
    て記述たテーブルを記憶しておくとともに、 トークンに分割された言語を受けて、品詞が「名前」で
    あるトークンと品詞が「不変化詞”は”」であるトーク
    ンが連続する場合、および品詞が「名前」であるトーク
    ンと品詞が「不変化詞”が”」であるトークンが連続す
    る場合を第1のトークンとして抽出し、 前記言語を受けて、次に述語を伴わない述語を第2のト
    ークンとして抽出し、前記記憶されたテーブルを参照して、 前記第1のトーク
    ンと前記第2のトークンの出現順序、出現回数に基づい
    て第1、第2のトークンの役割を決定することを特徴と
    する言語解析方法。
  10. 【請求項10】請求項9の言語解析方法において、前記テーブルは、第1のトークン、第2のトークン、第
    3のトークンの出現順序、出現回数に基づいて第1、第
    2、第3のトークンの役割を記述しており、 前記言語を受けて、以下のa)〜d)の場合を第3のトーク
    ンとして抽出するとともに、前記記憶されたテーブルを参照して、 前記第1のトーク
    ン、前記第2のトークン、前記第3のトークンの出現順
    序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトークンの
    役割を決定するものであること、 を特徴とするもの。 a)次に述語を伴わない述語のトークンと品詞が「名前」
    である1以上のトークンが連続し、さらに「不変化詞”
    は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
    クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
    合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合。
  11. 【請求項11】トークンに分割された言語を受けて、各
    トークンの役割を決定するための、コンピュータを用い
    言語解析方法であって、役割の決定された決定済トークンの役割と、当該決定済
    みトークンの前の役割の決定されていない未決定トーク
    ンの品詞とに基づいて、当該未決定トークンの役割を記
    述したテーブルを記憶しておき、 前記記憶されたテーブルを参照して、 既に役割が決定さ
    れている決定済トークンの役割および役割が決定されて
    いない未決定トークンの品詞に基づいて、当該未決定ト
    ークンの役割を決定することを特徴とする言語解析方
    法。
  12. 【請求項12】コンピュータを用いた言語解析方法であ
    って、 第1のトークン、第2のトークン、第3のトークンの出
    現順序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトーク
    ンの役割を記述したテーブルを記憶するとともに、 役割の決定された決定済トークンの役割と、当該決定済
    みトークンの前の役割 の決定されていない未決定トーク
    ンの品詞とに基づいて、当該定トークンの役割を記述し
    た他のテーブルを記憶しておき、 トークンに分割された言語を受けて、品詞が「名前」で
    あるトークンと品詞が「不変化詞”は”」であるトーク
    ンが連続する場合、および品詞が「名前」であるトーク
    ンと品詞が「不変化詞”が”」であるトークンが連続す
    る場合を第1のトークンとして抽出し、 前記言語を受けて、次に述語を伴わない述語を第2のト
    ークンとして抽出し、前記言語を受けて、以下のa)〜d)
    の場合を第3のトークンとして抽出するとともに、前記記憶されたテーブルを参照して、 前記第1のトーク
    ン、前記第2のトークン、前記第3のトークンの出現順
    序、出現回数に基づいて第1、第2、第3のトークンの
    役割を決定するとともに、 上記処理において役割が決定されていない未決定トーク
    ンの役割を決定する際に、前記他のテーブルを参照し
    て、既に役割が決定されている決定済トークンの役割お
    よび未決定トークンの品詞に基づいて、当該未決定トー
    クンの役割を決定することを特徴とする言語解析方法。 a)次に述語を伴わない述語のトークンと品詞が「名前」
    である1以上のトークンが連続し、さらに「不変化詞”
    は”」が連続する場合、 b)上記a)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合、 c)次に述語を伴わない述語と品詞が「名前」であるトー
    クンが連続し、さらに「不変化詞”が”」が連続する場
    合、 d)上記c)の場合において、さらに、次に述語を伴わない
    述語のトークンと、品詞が「名前」であるトークンとの
    間に、品詞が「述語形容詞でない形容詞」である1以上
    のトークンが存在する場合。
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