JP2901495B2 - 自律神経活動分類装置 - Google Patents

自律神経活動分類装置

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JP2901495B2
JP2901495B2 JP6162243A JP16224394A JP2901495B2 JP 2901495 B2 JP2901495 B2 JP 2901495B2 JP 6162243 A JP6162243 A JP 6162243A JP 16224394 A JP16224394 A JP 16224394A JP 2901495 B2 JP2901495 B2 JP 2901495B2
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敏正 山崎
聡久 剣持
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Nippon Electric Co Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自律神経活動を自動的
に分類する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自律神経活動分類装置としては、
例えば、第8回ヒューマン・インタフェース・シンポジ
ウム論文集、Oct.21−23,1992,471〜
474頁に鈴木氏と滝沢氏が「精神作業負荷による血圧
変動特性のスペクトル解析による評価」と題して発表し
た論文に記載されているような装置が知られている。こ
れは、図5に示すような基本構成を持ち、自律神経指標
計測用センサ51としてのフィナプレスは血圧測定用、
自律神経指標計測用センサ52としての電極は心電図
用、自律神経指標計測用センサ53としてのサーミスタ
は呼吸測定用に使われる。自律神経指標計測用センサ5
2及び53は、それぞれ、自律神経指標計測部41とし
ての生体用アンプ(HiCut 30Hz,時定数0.
1msec)及びアンプ(HiCut 5Hz,時定数
5.2sec)を介して、自律神経指標信号記録・再生
部42としてのデータレコーダーに記録される。自律神
経指標解析部43はシグナルプロセッサとワークステー
ションから構成されている。シグナルプロセッサでは、
自律神経指標信号記録・再生部42に記録された自律神
経指標信号421を用いて、A/D変換を行う。ワーク
ステーションは、例えば、A/D変換後の血圧データ
に、データ圧縮処理あるいはスペクトル解析を施す。
【0003】自律神経指標解析部43で得られる結果
は、すべて、時間あるいは周波数の関数としてグラフ化
される。従って、実験者は、そのグラフの視察により、
自律神経活動が変化した時刻や自律神経活動の変化によ
る主たる周波数帯のシフトを読み取るに過ぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の自律神
経活動分類装置では、自律神経活動に関するグラフが出
力されるだけで、その結果を実験者が視察により自律神
経活動の変化等を読み取るに過ぎなかった。
【0005】本発明の目的は、自律神経指標振幅値の頻
度分布を利用して、自律神経活動を、実験計画や被験者
の内省報告に基づいた所定の段階に、自動的に分類する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、生体の自
律神経活動を分類する装置において、被験者の自律神経
活動の分類に利用する自律神経指標を計測する自律神経
指標計測手段と、前記自律神経指標計測手段より出力さ
れた自律神経指標信号の保存を制御する自律神経指標信
号記録制御手段と、前記自律神経指標記録制御手段より
出力された自律神経指標信号を記録して再生する自律神
経指標信号記録・再生手段と、前記自律神経指標信号記
録・再生手段より出力された自律神経指標信号を振幅値
データに変換する自律神経指標データ変換手段と、前記
自律神経指標データ変換手段より出力された自律神経指
標振幅値データを記録して再生する変換データ記録・再
生手段と、前記変換データ記録・再生手段より出力され
た自律神経指標振幅値データの頻度分布を作成する自律
神経指標振幅値データ頻度分布作成手段と、前記自律神
経指標振幅値データ頻度分布作成手段より出力された頻
度分布を確率分布モデルに当てはめ、確率分布モデルに
含まれるパラメータを、最尤推定法の原理に基づいて
定する頻度分布モデル・パラメータ推定手段と、前記頻
度分布モデル・パラメータ推定手段で推定された確率分
布モデルのパラメータを利用して、被験者の自律神経活
動を分類する自律神経活動分類手段と、自律神経指標を
測定するための手続き及び自律神経指標値データの頻度
分布を作成するための手続きに従って、前記自律神経指
標信号記録制御手段及び自律神経指標値データ頻度分布
作成手段及び自律神経活動分類手段を制御する自律神経
指標測定・解析手続き制御手段と、を有している。
【0007】第2の発明は、生体の自律神経活動を分類
する装置において、被験者の自律神経活動の分類に利用
する自律神経指標を計測する自律神経指標計測手段と、
前記自律神経指標計測手段より出力された自律神経指標
信号の保存を制御する自律神経指標信号記録制御手段
と、前記自律神経指標記録制御手段より出力された自律
神経指標信号を記録して再生する自律神経指標信号記録
・再生手段と、前記自律神経指標信号記録・再生手段よ
り出力された自律神経指標信号を振幅値データに変換す
る自律神経指標データ変換手段と、前記自律神経指標デ
ータ変換手段より出力された自律神経指標振幅値データ
を記録して再生する変換データ記録・再生手段と、前記
変換データ記録・再生手段より出力された自律神経指標
振幅値データの頻度分布を作成する自律神経指標振幅値
データ頻度分布作成手段と、前記自律神経指標振幅値デ
ータ頻度分布作成手段より出力された頻度分布を連続曲
線と見做し、頻度分布の形状を特徴付けるパラメータを
推定する頻度分布形状パラメータ推定手段と、前記頻度
分布形状パラメータ推定手段で推定された頻度分布の形
状パラメータを利用して、被験者の自律神経活動を分類
する自律神経活動分類手段と、自律神経指標を測定する
ための手続き及び自律神経指標値データの頻度分布を作
成するための手続きに従って、前記自律神経指標信号記
録制御手段及び自律神経指標値データ頻度分布作成手段
及び自律神経活動分類手段を制御する自律神経指標測定
・解析手続き制御手段と、を有している。
【0008】第3の発明は、生体の自律神経活動を分類
する装置において、被験者の自律神経活動の分類に利用
する自律神経指標を計測する自律神経指標計測手段と、
前記自律神経指標計測手段より出力された自律神経指標
信号の保存を制御する自律神経指標信号記録制御手段
と、前記自律神経指標記録制御手段より出力された自律
神経指標信号を記録して再生する自律神経指標信号記録
・再生手段と、前記自律神経指標信号記録・再生手段よ
り出力された自律神経指標信号を振幅値データに変換す
る自律神経指標データ変換手段と、前記自律神経指標デ
ータ変換手段より出力された自律神経指標振幅値データ
を記録して再生する変換データ記録・再生手段と、前記
変換データ記録・再生手段より出力された自律神経指標
振幅値データの頻度分布を作成する自律神経指標振幅値
データ頻度分布作成手段と、前記自律神経指標振幅値デ
ータ頻度分布作成手段より出力された頻度分布を連続曲
線と見做し、頻度分布の形状を特徴付けるパラメータを
推定する頻度分布形状パラメータ推定手段と、前記頻度
分布形状パラメータ推定手段より出力された頻度分布の
形状パラメータを初期値として、前記自律神経指標振幅
値データ頻度分布作成手段より出力された頻度分布を確
率分布モデルに当てはめ、確率分布モデルに含まれるパ
ラメータを、最尤推定法の原理に基づいて推定する頻度
分布モデル・パラメータ推定手段と、前記頻度分布モデ
ル・パラメータ推定手段で推定された確率分布モデルの
パラメータを利用して、被験者の自律神経活動を分類す
る自律神経活動分類手段と、自律神経指標を測定するた
めの手続き及び自律神経指標値データの頻度分布を作成
するための手続きに従って、前記自律神経指標信号記録
制御手段及び自律神経指標値データ頻度分布作成手段及
び自律神経活動分類手段を制御する自律神経指標測定・
解析手続き制御手段と、を有している。
【0009】
【作用】本発明は、自律神経指標値データ頻度分布作成
手段から出力された頻度分布データを用いて、確率分布
モデルのパラメータを推定するために、パラメータの初
期値を算出する頻度分布形状パラメータ推定手段と最適
化手法等によりモデル・パラメータを推定する頻度分布
モデル・パラメータ推定手段が存在し、推定された確率
分布モデルのパラメータを利用して、自律神経活動を分
類する自律神経活動分類手段が存在する。これにより、
自律神経活動を自動的に分類することが可能である。
【0010】
【実施例】第3の発明の自律神経活動分類装置の一実施
例を図1に示す。
【0011】自律神経指標計測部11は、自律神経指標
計測用センサ21を介して入力された自律神経指標を増
幅し、必要とあれば雑音除去のためのフィルタリングな
どの前処理を行い、自律神経指標に関する信号111を
出力する。自律神経指標信号記録制御部12は、自律神
経指標測定・解析手続き制御部20から出力される自律
神経指標計測開始時刻及び終了時刻に関する信号201
と、自律神経指標計測部11から出力される自律神経指
標に関する信号111とを用いて、自律神経指標の記録
を開始する時刻になってから終了する時刻まで、自律神
経指標信号記録・再生部13に自律神経指標に関する信
号121を出力する。自律神経指標信号記録・再生部1
3は、自律神経指標信号記録制御部12より出力された
自律神経指標に関する信号121を入力し、記録・保持
・再生する。自律神経指標データ変換部14は、自律神
経指標信号記録・再生部13に記録された自律神経指標
に関する信号131を利用して、自律神経指標の振幅値
に関する信号141に変換する。変換データ記録・再生
部15は、自律神経指標データ変換部14より出力され
た自律神経指標の振幅値に関する信号141を入力し、
記録・保持・再生する。自律神経指標値データ頻度分布
作成部16は、変換データ記録・再生部15に記録され
た自律神経指標の振幅値に関する信号151を利用し
て、自律神経指標値データの頻度分布を作成する。頻度
分布形状パラメータ推定部17は、自律神経指標値デー
タ頻度分布作成部16より出力される自律神経指標値の
頻度分布に関する信号161を利用して、頻度分布の形
状を特徴付けるパラメータを推定する。頻度分布モデル
・パラメータ推定部18は、頻度分布形状パラメータ推
定部17より出力される頻度分布の形状パラメータに関
する信号171を入力として、自律神経指標値データの
頻度分布を特徴付ける確率分布モデルのパラメータを推
定する。自律神経活動分類部19は、頻度分布モデル・
パラメータ推定部18より出力された確率分布モデルの
パラメータに関する信号181を利用して、被験者の自
律神経活動の状態をいくつかの段階に分類する。
【0012】自律神経指標測定・解析手続き制御部20
は、自律神経活動分類部19より出力された分類結果に
関する信号19に基づいて、分類結果が実験者にとって
望ましい結果かどうかを判断する。必要とあれば、自律
神経指標の振幅値データの区間境界値の変更に関する信
号202を自律神経指標値データ頻度分布作成部16へ
出力し、自律神経活動の分類を再度実施する。
【0013】自律神経系の活動を反映する生理指標に
は、瞳孔面積、血流量、心音図、心電図、心磁図、心拍
数、心拍間隔、心拍ゆらぎ、指尖脈波、血圧、唾液分泌
量、唾液分泌速度、呼吸流量、呼気成分、皮膚抵抗値、
胃液pH、体温、呼吸数、発汗量、発汗速度、脳波、脳
磁図、血糖値、血中ホルモン濃度などがある。以下で
は、指尖脈波が入力データとして用いられる場合を例と
して、自律神経指標値の計測部分及び分類結果の表示部
分を含めた実際の利用形態を説明する。
【0014】例えば、自律神経指標計測用センサ21と
して日本電気三栄(株)製の脈拍ピックアップ(指尖
用)45261等、自律神経指標計測部11として生体
電気用増幅ユニット1253Aなどの生体電気現象用ア
ンプを用いる。自律神経指標計測用センサ21は指(例
えば、人差指)先に装着させる。これらにより、指尖脈
波を電圧変化として得ることが出来るので、この電圧変
化を、日本電気(株)製PC−9821Af等のパーソ
ナルコンピュータに装着したカノープス電子(株)製A
DX−98E等のA/Dコンバータボードを介してデジ
タル信号111に変換することが出来る。
【0015】指尖脈波測定の準備が終了したならば、指
尖脈波の測定を実施する。測定は、自律神経指標測定・
解析手続き制御部20に設定された手続きに従って進め
られる。測定を開始してから設定された時間(例えば、
30分間)の指尖脈波の信号が、自律神経指標信号記録
制御部12を介して自律神経指標信号記録・再生部1
3、例えば、磁気ディスク装置、磁気テープ等に記録さ
れる。
【0016】測定が終了すると、自律神経指標データ変
換部14、例えば、ワークステーションあるいはパーソ
ナルコンピュータが、自律神経指標信号記録・再生部1
3に記録された指尖脈波データを振幅値データに変換す
る。各時刻tにおける振幅値xi (i=1,2,…,
N;t=Δf・i;但し、Δfはサンプリング周波数)
は、例えば、その時刻までのある時間(例えば、2秒
間)の指尖脈波データの最大値と最小値の差として求め
ることが出来る。指尖脈波データの振幅値に関する信号
141は、変換データ記録・再生部15、例えば、磁気
ディスク装置、磁気テープ等に記録される。
【0017】次に、自律神経指標値データ頻度分布作成
部16、例えば、ワークステーションあるいはパーソナ
ルコンピュータが、変換データ記録・再生部15に記録
された指尖脈波振幅値データ151を基に、以下の手順
で、指尖脈波振幅値データの頻度分布が作成される。
【0018】予め、自律神経指標値をm段階に分割する
区間境界値Bj (j=0,1,…,m)を設定する。自
律神経指標値データxi を順に入力し、 Bk ≦xi ≦Bk+1 (k=0,1,…,m−1) ならば、分布度数n(k)の値を1増加させる。すべて
のxi (i=1,2,…,N)に同様の手続きを行うこ
とによって、分布度数n(k)(k=1,2,…,m)
を求めることが出来る。
【0019】図2は、ある実験条件の下で実測された指
尖脈波データに上述した方法を適用し、分布度数n
(k)をグラフ化したものである。この実験では、視覚
誘発電位を得るために、脳電位データを同時計測してい
る。高品質の視覚誘発電位を得るために、個々の脳電位
データについて、「加算しても良い」、「加算してはい
けない」のいずれかを判断したい。そのために、指尖脈
波データを利用して被験者の自律神経活動をモニタリン
グした。従って、この実験計画においては、自律神経活
動の分類すべき数は「加算しても良い」あるいは「加算
してはいけない」に対応して、2つである。そこで、以
下では、図2の結果も考慮して、2つの正規分布が重な
っている混合正規分布モデルで、自律神経指標値データ
頻度分布作成部16で求められた指尖脈波振幅値の頻度
分布を近似する。
【0020】頻度分布形状パラメータ推定部17、ワー
クステーションあるいはパーソナルコンピュータが、自
律神経指標値データ頻度分布作成部16で得られた指尖
脈波振幅値の頻度分布に関する信号161(区間境界値
j (j=0,1,…,m)及び分布度数n(k)(k
=1,2,…,m))を利用し、頻度分布の形状を表す
パラメータを、以下の手順に従って推定する。図3及び
図4は、
【0021】
【数1】
【0022】で定義される混合正規分布モデルを例示し
た図であり、図3ではα=0.3,μ1 =0.5,μ2
=1.2,σ1 =0.2,σ2 =0.2、図4ではα=
0.3,μ1 =0.5,μ2 =1.0,σ1 =0.2,
σ2 =0.2としている。図3では2つの正規分布が離
れている場合(以後、タイプAと呼ぶ)、図4では2つ
の正規分布が接近している場合(以後、タイプBと呼
ぶ)を例示している。図2はタイプBの例になってい
る。ここで、図3及び図4の混合正規分布のグラフを連
続関数と見做す。この時、タイプA(図3)では2つの
極大点P1 とP2 がそれぞれ平均μ1 とμ2 を近似し、
タイプB(図4)では1つの変曲点P1 と1つの極大点
2 がそれぞれ平均μ1 とμ2 を近似していると考えて
良い。
【0023】一般に、任意の微分可能な連続関数f
(x)のx=cにおける極大点及び変曲点は、それぞ
れ、
【0024】
【数2】
【0025】であって、x=cの左側と右側で
【0026】
【数3】
【0027】の符号が異なること、で定義される。
【0028】実際の頻度分布は離散データであるので、
n(k)(k=1,2,…,m)の1階微分及び2階微
分を以下に示す(前進)差分式で算出する:
【0029】
【数4】
【0030】で定義される。また、b(m)−b(m−
1)=b(m−1)−b(m−2)=…=b(2)−b
(1)=Δhならば、上式は以下のように簡略化され
る:
【0031】
【数5】
【0032】以上の手順をまとめると、頻度分布形状パ
ラメータ推定部17は、分布度数n(k)のデータを利
用して、以下の演算を行う。
【0033】1.分布度数n(k)を相対度数
【0034】
【数6】
【0035】に変換する。
【0036】2.kを1ずつ増やしながら、以下の手順
で、極大点あるいは変曲点を探索する。但し、「k=k
c で極大点」は
【0037】
【数7】
【0038】によりそれぞれ、検出可能である。
【0039】3.もし、頻度分布の形状がタイプAなら
ば、1番目の極大点を
【0040】
【外1】
【0041】とし、2番目の極大点を
【0042】
【外2】
【0043】とする。もし、頻度分布の形状がタイプB
ならば、最初に検出された変曲点あるいは極大点を
【0044】
【外3】
【0045】とし、2番目に検出された極大点あるいは
変曲点を
【0046】
【外4】
【0047】とする。
【0048】4.
【0049】
【数8】
【0050】とする。
【0051】次に、頻度分布モデル・パラメータ推定部
18、ワークステーションあるいはパーソナルコンピュ
ータが、自律神経指標値データ頻度分布作成部16で得
られた指尖脈波振幅値の頻度分布に関する信号161
(区間境界値Bj (j=0,1,…,m))と、頻度分
布形状パラメータ推定部17で得られた頻度分布の形状
パラメータに関する信号171
【0052】
【数9】
【0053】を利用し、頻度分布を特徴付ける確率分布
モデルのパラメータを、以下の手順に従って推定する。
【0054】指尖脈波振幅値の相対度数データ
【0055】
【数10】
【0056】に確率分布モデルを当てはめる。確率分布
モデルとして、例えば、(1)式で定義される混合正規
分布モデルを利用することが出来る。この時、対数尤度
lは
【0057】
【数11】
【0058】で与えられるので、−lを最小にするパラ
メータα,μ1 ,μ2 ,σ1 ,σ2 を求めれば良い。従
って、この手順は−lを目的関数とする最適化問題に帰
着される。この最適化問題は、例えば、以下に述べるよ
うに、今野氏と山下氏の著書「ORライブラリー6 非
線形計画法」(日科技連出版社、第7刷、1992年)
の153〜154頁に記載されている修正ニュートン法
の1手法であるLevenberg−Marquard
t法を利用すれば解くことが可能である。
【0059】この種の手法では、目的関数−lに含まれ
る最適化すべきパラメータθ=(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ
4 ,θ5 )に初期値を与え、このベクトルにΔθを加え
ることによって更新される。このΔθが目的関数−lの
θに関する偏微分に依存する。但し、 θ1 =α,θ2 =μ1 ,θ3 =μ2 ,θ4 =σ1 θ5 =σ2 (15) とする。また、θ1 ,θ2 ,θ3 の初期値は、頻度分布
形状パラメータ推定部17で得られた
【0060】
【外5】
【0061】を用いれば良い。この時、更新すべきパラ
メータは
【0062】
【数12】
【0063】で定義される(Iは5次の単位行列)。こ
こで、γ≧0は
【0064】
【外6】
【0065】の固有値がすべてある正数δ以上になるよ
うに決められる。Qの固有値λ1 ,…,λ5 が知られて
いるならば、γが
【0066】
【数13】
【0067】で定義される。
【0068】次に、自律神経活動分類部19、例えば、
ワークステーションあるいはパーソナルコンピュータ
が、頻度分布モデル・パラメータ推定部18で求められ
た指尖脈波振幅値の頻度分布を特徴付ける確率分布モデ
ルのパラメータα,μ1 ,μ2,σ1 ,σ2 を利用し
て、以下の手順に従って、被験者の自律神経活動を分類
する。2つの正規分布が交わる近辺はどちらの状態に属
するかの判断が困難である。そこで、各分布の平均を中
心とする領域を各状態に指定することが望ましい。従っ
て、例えば、分類則として、 (μ1 −σ1 ≦)x≦μ1 +σ1 (20) を「加算してはいけない」状態、 μ2 −σ2 ≦x(≦μ2 +σ2 ) (21) を「加算しても良い」状態と定めることが可能である。
この分類則を例示したものが図3(タイプA)及び図4
(タイプB)である。しかしながら、2つの平均がかな
り接近し、 μ2 −σ2 <μ1 +σ1 (22) の場合も有り得る。このような場合には、
【0069】
【数14】
【0070】と分類則を変更すれば良い。こうして、自
律神経活動を2つの状態に分類することが可能である。
自律神経活動分類部19は、上記の分類結果に関する信
号191を出力する。
【0071】自律神経活動分類部19より出力された分
類結果に関する信号191を入力して、自律神経指標測
定手続き制御部20は、分類結果が実験者によって満足
ゆくものかどうかを判断する。もし、満足ゆく結果では
ない場合は、区間境界値の変更に関する信号202を出
力する。
【0072】自律神経指標測定手続き制御部20より出
力された区間境界値の変更に関する信号202に基づい
て、自律神経指標値データ頻度分布作成部16は、新た
に区間境界値
【0073】
【数15】
【0074】を設定し、新しい頻度分布を作成する。以
下、頻度分布形状パラメータ推定部17、頻度分布モデ
ル・パラメータ推定部18を経由して、自律神経活動分
類部19が新しい分類則を設定する。
【0075】また、大雑把な分類の場合は、頻度分布形
状パラメータ推定部17が、頻度分布の形状パラメータ
に関する信号172を自律神経活動分類部19へ直接出
力(第2の発明)するか、頻度分布モデル・パラメータ
推定部18が、自律神経指標値データ頻度分布作成部1
6から出力される頻度分布に関する信号162を直接入
力(第1の発明)して、確率分布モデルのパラメータを
推定する。
【0076】
【発明の効果】本発明を用いることにより、自律神経指
標値データを一度入力すれば、被験者の自律神経活動を
自動的に分類出来る。また、実験計画や被験者の内省報
告に基づいた所定の段階に分類可能であるので、自律神
経指標値のデータ解析を効率的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す基本構成図。
【図2】実測された指尖脈波の振幅値データから作成さ
れた頻度分布を例示する図。
【図3】平均が離れた2つの正規分布に基づいた混合正
規分布モデル及びその分類則を例示する図。
【図4】平均が近接した2つの正規分布に基づいた混合
正規分布モデル及びその分類則を例示する図。
【図5】従来例を示す基本構成図。
【符号の説明】
11 自律神経指標計測部 12 自律神経指標信号記録制御部 13 自律神経指標信号記録・再生部 14 自律神経指標データ変換部 15 変換データ記録・再生部 16 自律神経指標値データ頻度分布作成部 17 頻度分布形状パラメータ推定部 18 頻度分布モデル・パラメータ推定部 19 自律神経活動分類部 20 自律神経指標測定・解析手続き制御部 21 自律神経指標計測用センサ 41 自律神経指標計測部 42 自律神経指標信号記録・再生部 43 自律神経指標解析部 51〜53 自律神経指標計測用センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−156482(JP,A) 特開 平5−84222(JP,A) 特開 平6−94589(JP,A) 特開 平2−267030(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自律神経指標値データの頻度分布を利用し
    た自律神経活動分類装置において、被験者の自律神経活
    動の分類に利用する自律神経指標を計測する自律神経指
    標計測手段と、前記自律神経指標計測手段より出力され
    た自律神経指標信号の保存を制御する自律神経指標信号
    記録制御手段と、前記自律神経指標記録制御手段より出
    力された自律神経指標信号を記録して再生する自律神経
    指標信号記録・再生手段と、前記自律神経指標信号記録
    ・再生手段より出力された自律神経指標信号を振幅値デ
    ータに変換する自律神経指標データ変換手段と、前記自
    律神経指標データ変換手段より出力された自律神経指標
    振幅値データを記録して再生する変換データ記録・再生
    手段と、前記変換データ記録・再生手段より出力された
    自律神経指標振幅値データの頻度分布を作成する自律神
    経指標振幅値データ頻度分布作成手段と、前記自律神経
    指標振幅値データ頻度分布作成手段より出力された頻度
    分布を確率分布モデルに当てはめ、確率分布モデルに含
    まれるパラメータを、最尤推定法の原理に基づいて推定
    する頻度分布モデル・パラメータ推定手段と、前記頻度
    分布モデル・パラメータ推定手段で推定された確率分布
    モデルのパラメータを利用して、被験者の自律神経活動
    を分類する自律神経活動分類手段と、自律神経指標を測
    定するための手続き及び自律神経指標値データの頻度分
    布を作成するための手続きに従って、前記自律神経指標
    信号記録制御手段及び自律神経指標値データ頻度分布作
    成手段及び自律神経活動分類手段を制御する自律神経指
    標測定・解析手続き制御手段と、を有することを特徴と
    する自律神経活動分類装置。
  2. 【請求項2】自律神経指標値データの頻度分布を利用し
    た自律神経活動分類装置において、被験者の自律神経活
    動の分類に利用する自律神経指標を計測する自律神経指
    標計測手段と、前記自律神経指標計測手段より出力され
    た自律神経指標信号の保存を制御する自律神経指標信号
    記録制御手段と、前記自律神経指標記録制御手段より出
    力された自律神経指標信号を記録して再生する自律神経
    指標信号記録・再生手段と、前記自律神経指標信号記録
    ・再生手段より出力された自律神経指標信号を振幅値デ
    ータに変換する自律神経指標データ変換手段と、前記自
    律神経指標データ変換手段より出力された自律神経指標
    振幅値データを記録して再生する変換データ記録・再生
    手段と、前記変換データ記録・再生手段より出力された
    自律神経指標振幅値データの頻度分布を作成する自律神
    経指標振幅値データ頻度分布作成手段と、前記自律神経
    指標振幅値データ頻度分布作成手段より出力された頻度
    分布を連続曲線と見做し、頻度分布の形状を特徴付ける
    パラメータを推定する頻度分布形状パラメータ推定手段
    と、前記頻度分布形状パラメータ推定手段で推定された
    頻度分布の形状パラメータを利用して、被験者の自律神
    経活動を分類する自律神経活動分類手段と、自律神経指
    標を測定するための手続き及び自律神経指標値データの
    頻度分布を作成するための手続きに従って、前記自律神
    経指標信号記録制御手段及び自律神経指標値データ頻度
    分布作成手段及び自律神経活動分類手段を制御する自律
    神経指標測定・解析手続き制御手段と、を有することを
    特徴とする自律神経活動分類装置。
  3. 【請求項3】自律神経指標値データの頻度分布を利用し
    た自律神経活動分類装置において、被験者の自律神経活
    動の分類に利用する自律神経指標を計測する自律神経指
    標計測手段と、前記自律神経指標計測手段より出力され
    た自律神経指標信号の保存を制御する自律神経指標信号
    記録制御手段と、前記自律神経指標記録制御手段より出
    力された自律神経指標信号を記録して再生する自律神経
    指標信号記録・再生手段と、前記自律神経指標信号記録
    ・再生手段より出力された自律神経指標信号を振幅値デ
    ータに変換する自律神経指標データ変換手段と、前記自
    律神経指標データ変換手段より出力された自律神経指標
    振幅値データを記録して再生する変換データ記録・再生
    手段と、前記変換データ記録・再生手段より出力された
    自律神経指標振幅値データの頻度分布を作成する自律神
    経指標振幅値データ頻度分布作成手段と、前記自律神経
    指標振幅値データ頻度分布作成手段より出力された頻度
    分布を連続曲線と見做し、頻度分布の形状を特徴付ける
    パラメータを推定する頻度分布形状パラメータ推定手段
    と、前記頻度分布形状パラメータ推定手段より出力され
    た頻度分布の形状パラメータを初期値として、前記自律
    神経指標振幅値データ頻度分布作成手段より出力された
    頻度分布を確率分布モデルに当てはめ、確率分布モデル
    に含まれるパラメータを、最尤推定法の原理に基づいて
    推定する頻度分布モデル・パラメータ推定手段と、前記
    頻度分布モデル・パラメータ推定手段で推定された確率
    分布モデルのパラメータを利用して、被験者の自律神経
    活動を分類する自律神経活動分類手段と、自律神経指標
    を測定するための手続き及び自律神経指標値データの頻
    度分布を作成するための手続きに従って、前記自律神経
    指標信号記録制御手段及び自律神経指標値データ頻度分
    布作成手段及び自律神経活動分類手段を制御する自律神
    経指標測定・解析手続き制御手段と、を有することを特
    徴とする自律神経活動分類装置。
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