JP2900243B2 - 車両の制輪子隙間自動調整装置 - Google Patents

車両の制輪子隙間自動調整装置

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JP2900243B2
JP2900243B2 JP13286796A JP13286796A JP2900243B2 JP 2900243 B2 JP2900243 B2 JP 2900243B2 JP 13286796 A JP13286796 A JP 13286796A JP 13286796 A JP13286796 A JP 13286796A JP 2900243 B2 JP2900243 B2 JP 2900243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両のブレー
キ装置に適用する車両の制輪子隙間自動調整装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両のブレーキ装置は、電車等に使
用される回生ブレーキのような電気的なものおよび新型
車両に用いられるディスクブレーキを除けば、すべて制
輪子で車輪の前後を挟み付け、車輪と制輪子との間に生
ずる摩擦エネルギを熱エネルギに変換して空気中に放散
することにより制動力を得る構造になっている。図6は
車輪とブレーキ装置との関係を示す正面図であり、図7
は制動力の伝達機構を示した斜視図である。
【0003】図6において1は車輪であり、車軸2の部
分で図示しない軸受を介して台車3に回転自在に支持さ
れているものである。4はレールである。車軸2には車
輪1が両端に取付けられており、これが図示しない左側
にも対称的に設けられる。
【0004】図6および図7において5はブレーキシリ
ンダであり、台車3に取付けられているものである。こ
のブレーキシリンダ5は運転者が操作するブレーキ操作
装置を介して図示しない圧縮空気のタンクに接続されて
おり、運転者がブレーキ操作をすると圧縮空気を受け
て、ブレーキダイヤフラム6の部分から出たロッド7を
突出させるようになっている。
【0005】ロッド7の先端には二又のブラケット8が
取付けられており、このブラケット8には軸9を介して
水平てこ10の一端が取付けられている。水平てこ10
は中央に設けられた孔11に挿通される図示しない軸を
中心にして回動するもので、他端には軸12によってリ
ンク13の一端が軸着されている。このリンク13は両
端が相互に交差する方向の二又になっており、結合され
る軸着方向が変わるようになっている。
【0006】リンク13の他端には、軸14により、ブ
レーキてこ15の上端が軸着されている。ブレーキてこ
15の中間部分には軸16により制輪子17の基部と制
輪子つり18が軸着されている。制輪子17と後述する
もうひとつの制輪子19との間には、所定の隙間を有し
て車輪1が位置する。
【0007】ブレーキてこ15の中間部分にはつなぎ梁
20の一端が、下端部分にはブレーキ梁21の一端が、
それぞれ回動自在に結合している。これらつなぎ梁20
とブレーキ梁21の他端は他側の車輪に対するブレーキ
機構に延びている。ブレーキてこ15の下端には、ブラ
ケット22を介してブレーキ棒23の基端部分が結合し
ている。
【0008】制輪子つり18の軸16より下方部分は延
長され、L字形の駆動てこ24に形成されている。この
駆動てこ24は、軸25によって連結板26の一端に結
合している。連結板26の他端は、軸27により隙間調
整機構28の軸29に結合している。これにより、後述
するようにブレーキの作動時に、軸29は隙間調整機構
28の内部に入り込むことになる。なお、制輪子つり1
8の上端は孔30に挿通される図示しない軸によって台
車3に軸着される。
【0009】ブレーキ棒23は、後述するように外筒3
1に棒32が挿入され、棒32の進退によって全長が変
わるものである。この棒32の先端はブレーキ梁33の
片側の側板34に軸35で軸着されており、他側の側板
36に軸37で下端が軸着されたブレーキてこ38に連
係するようになっている。
【0010】ブレーキ梁33には上端の孔39に挿通さ
れる軸によって台車3に軸着されるブレーキ梁つり40
の下端が結合している。ブレーキてこ38は上端に設け
られた孔41に挿通される軸によって台車3に軸着され
る。ブレーキてこ38の中間部分には、軸42によって
前述の制輪子19の基部が軸着されている。
【0011】このような構成からなるブレーキ装置にお
いて車輪1が回転している走行中に、運転者が車両を停
止させようとしてブレーキ操作装置を操作すると、ブレ
ーキシリンダ5はロッド7を図の右方へ押し出すから水
平てこ10は孔11に挿通される軸を中心にして回動
し、リンク13を図における左方に引く。するとこの動
きはブレーキてこ15に伝えられ、制輪子17を車輪1
側に移動させ、車輪1に圧接させる。制輪子17が車輪
1に圧接すると、ブレーキてこ15は軸16を中心にし
て反時計方向に回動し、ブレーキ棒23を右方に引くこ
とになる。
【0012】ブレーキ棒23が右方に引かれるとブレー
キてこ38は孔41に挿通される軸を中心にして反時計
方向に回動し、制輪子19を車輪1側に移動させ車輪1
に圧接させる。これにより車輪1には制動力が発生す
る。制動力を解除するときにはブレーキシリンダ5をロ
ッド7が引込む方向に作用させれば、上記作用とは逆に
作用して制輪子17,19を車輪1から引き離す。
【0013】鉄道車両は走行を開始すると目的地までの
距離が長く、またその途中においてブレーキ操作を頻繁
に行うことから、摩擦力を発生する車輪1と制輪子1
7,19の摩耗は避けられない。車輪1が摩耗すると外
径寸法が縮小するので安全上好ましくないことから、材
質を選定し、制輪子17,19の方が摩耗するように設
計する。ところでこのようにして制輪子17,19が摩
耗すると、制輪子17,19と車輪1との隙間(距離)
が大きくなるので、ブレーキシリンダ5からの一連の動
き量が増加、伸長しないと制輪子17,19が車輪1に
接しないことになり、十分な制動力が得られないことに
なる。
【0014】これを調整するには、ブレーキ棒23を制
輪子17,19の摩耗に係らしめて短縮させ、制輪子1
7,19と車輪1との隙間を一定範囲に保持させればよ
い。すなわち、ブレーキ棒23の端部23aを把持して
回転させることによりブレーキ棒23を短縮させて制輪
子17,19を摩耗分だけ追い込むのである。この点に
着目し、発明したものが本出願人によって既に特許出願
されている(特公昭53−34367号公報参照)。
【0015】この公報に記載されたものは、ブレーキシ
リンダ5によって制輪子17,19が動くとき、制輪子
17,19の摩耗によってブレーキ棒23の動き量が大
きくなって所定値を超えると、別途設けられた主動クラ
ッチと従動クラッチの噛合が1歯分だけ進み、これによ
って、限界まではブレーキ棒23の長さを短縮していく
構造のものである。
【0016】上記特許の技術により、ブレーキがかけら
れるつど制輪子17,19の摩耗が検出され、摩耗した
ときには自動的に隙間調整が行われることになった。こ
れにより、制輪子17,19の摩耗が限界に達するまで
は、いわゆるメンテナンスフリーとなり、従来、隙間調
整に要した保守時間が不要となった。
【0017】この種の技術はさらに改良が進められ、作
動の安定性を向上するものとして実公昭58−9811
号公報に記載されたものが考案され、さらに調節機構を
設けるスペースに制約がある電気機関車用のものとし
て、実公平4−2131号公報に記載されたものが開発
された。
【0018】上記各公報に記載された技術は基本的な部
分は同一であり、いずれも機能的に問題があるわけでは
ないが、作用ねじと従動クラッチとが常時噛合するよう
に付勢される構造であったため、制輪子が車輪に圧接し
た後にも加えられるブレーキシリンダからの力が隙間調
整機構にも加えられて損失となり、制輪子を車輪に圧接
するブレーキ本来の力を減少させることになる問題があ
った。
【0019】そこでこの点を解決すべく本発明者によっ
て発明され、既に特許出願されているものがある(特願
平6−298925号)。この発明は、作用ねじと従動
クラッチが常時噛合しないような構造にしたので上記損
失を無くすことができた。また、応答性に優れ、寒冷地
での使用にも耐え、加えて制輪子の交換時等、手作業で
行う調整にも適するようになった。以下これを説明す
る。
【0020】図8はブレーキ棒23と隙間調整機構28
の結合部分を示す断面図であり、図9はその要部を拡大
した断面図、図10は図8を下方から見た半断面図、図
11は隙間調整機構28の要部を分解状態で示した斜視
図である。図8および図9において43はハウジングで
あってブレーキ棒23と隙間調整機構28の一部を覆っ
ているものである。
【0021】ブレーキ棒23は前述のように先端内周に
雌ねじを刻設した外筒31と、この外筒31に嵌挿さ
れ、外周の雄ねじを雌ねじに螺合させた棒32から概略
構成されている。この構造により、外筒31の回転方向
に応じて棒32は外筒31から突出し、あるいは引っ込
んで、ブレーキ棒23としての全長が延び、あるいは短
縮することになる。
【0022】外筒31には、キー44を介して従動歯車
45が取付けられている。そしてこの従動歯車45に
は、隙間調整機構28側の主動歯車46が噛合してい
る。主動歯車46の内周部は図における左右両方に延
び、それぞれ筒部47,48を形成している。左方に伸
びた筒部47には円錐クラッチ49が軸方向にのみ移動
可能に取付けられている。
【0023】この円錐クラッチ49は、回動しようとし
たときハウジング43の内壁のテーパ状に形成された部
分との間に発生する摩擦力により、筒部47を介して主
動歯車46の回動に規制を加え、車両走行中の振動で隙
間調整機構27が誤作動するのを防止するものである。
このため、円錐クラッチ49と主動歯車46との間には
クラッチばね50が圧縮状態で介装され、円錐クラッチ
49をハウジング43側に押圧するようになっている。
【0024】主動歯車46の内周部から右方に伸びて形
成された筒部48の外周には、ねじの自立条件が成立し
ない粗いリードの雄ねじ51が刻設されており、この雄
ねじ51に環状の従動クラッチ52が螺合している。な
お、「ねじの自立条件が成立しない粗いリードの雄ね
じ」とは、雄ねじの直進動に対して、これに螺合した従
動クラッチ52が容易に回転し得るねじをいう。この実
施例においては、雄ねじ51は左ねじになっている。
【0025】主動歯車46と従動クラッチ52との間に
は、釣合いばね53が圧縮状態で介装されている。この
釣合いばね53は、クラッチばね50に対して4:5程
度の比で強いものである。図9および図11に示される
ように、雄ねじ51の先端外周部分には溝54が形成さ
れており、この溝54には止め輪55が嵌着されてい
る。この止め輪55により、従動クラッチ52の図にお
ける右方への移動量は規制される。
【0026】隙間調整機構28の軸29の図における左
方部分は縮径されており、この縮径部56の一部には、
雄ねじ51と同様の粗いリードの雄ねじ57が刻設され
ており、この雄ねじ57に作用ねじ58が螺合してい
る。なお、この雄ねじ57は先の雄ねじ51とは逆の方
向すなわち右ねじとなっている。
【0027】作用ねじ58の外周には溝59が形成され
ており、この溝59には摩擦材からなる輪60が嵌着さ
れている。この輪60は、ハウジング43の内壁に圧接
しており、軸29によって左方向きの力が与えられたと
き、ハウジング43の内壁との摩擦によって、作用ねじ
58が容易には回動せずに移動するようにするためのも
のである。
【0028】図9から明らかなように、縮径部56は雄
ねじ57より左方に延びており、その部分に、外径寸法
を雄ねじ51の最大径部分と等しいか僅かに大きくした
スリーブ61が嵌着され、先端部においてボルト62
(図9参照)により固着されている。このスリーブ61
と雄ねじ51は、主動歯車46およびその両側に延びた
筒部47,48の内部に移動自在に嵌入している。
【0029】従動クラッチ52と作用ねじ58の対向す
る面には、噛合したとき一方向への回動は強固に伝わ
り、これと反対方向の回動は滑り可能にした形状の歯6
3,64が設けられている。具体的には歯の片側が切り
立っており、他側が傾斜を持った歯である。この歯によ
り、力が切り立った側が接する方向に伝われば回動が強
固に伝わり、傾斜側から伝わったときには、滑りを生じ
て回動が伝わらないことになる。
【0030】従動クラッチ52と作用ねじ58の間に
は、戻しばね65が介装されている。この戻しばね65
は、単に従動クラッチ52と作用ねじ58とを離れる方
向に付勢すればよいので、釣合いばね53やクラッチば
ね50に対してはるかに弱いものである。
【0031】図12は、以上説明した構造部分をブレー
キ梁21に取付ける構造を示している。これを説明する
と、ブレーキ梁21の先端には切欠き66が設けられて
おり、この切欠き66の部分がハウジング43の内部に
入って、ブレーキ棒23の外筒31を跨ぐようになって
いる。ブレーキ梁21には上下に孔67が設けられ、ハ
ウジング43に設けられたねじ孔68に対向している。
これにより、ブレーキ梁21の先端をハウジング43内
に挿入し、ワッシャ69、プレート70を当て、ボルト
71で締め付けてハウジング43とブレーキ梁21とを
結合することができる。
【0032】作動を説明する。運転者によって制動の操
作が行われ、ブレーキシリンダ5がブレーキてこ15
(図7参照)に、制輪子17が車輪1に圧接する方向の
力を与えると、その力の一部は軸16から駆動てこ24
にも伝達し、連結板26を図における左方に移動させ、
軸29を隙間調整機構28の内部に押し込む。
【0033】軸29にこのような力が作用すると、その
一部に刻設された雄ねじ57に螺合した作用ねじ58に
も、これを同方向に移動させようとする力が作用する。
図9および図11に明確に示したように、作用ねじ58
の外周には摩擦材からなる輪60が嵌着されているか
ら、この輪60とハウジング43の内壁との摩擦によっ
て、作用ねじ58は回動せずに軸29とともに図におけ
る左方に移動する。
【0034】作用ねじ58が従動クラッチ52に向けて
進行し、その歯64が従動クラッチ52の歯63に当接
すると、両方の歯64,63が斜面で当接したときには
滑動が生ずるので、作用ねじ58の進行力は輪60とハ
ウジング43の内壁との間の摩擦力に打ち勝って作用ね
じ58を回動させる力に変化する。両方の歯64,63
の頂部どおしが当接したときには、作用ねじ58が従動
クラッチ52を僅かに押圧したのち、斜面の部分で当接
する。
【0035】両方の歯64,63が斜面の部分で当接し
た状態での作用ねじ58の移動量が小さいときには、作
用ねじ58の移動は歯どおしの滑動で吸収され、従動ク
ラッチ52を回動させることはない。次に制動作用の終
了によって、ブレーキシリンダ5が作動前の状態に戻る
と、作用ねじ58の歯64は従動クラッチ52の歯63
に対して先程とは反対の方向に滑動し、歯どうしの当接
が離れたら、作用ねじ58は回動せずにその姿勢で元の
位置に復帰する。このように作用するときには従動クラ
ッチ52は回動しないので、ブレーキ棒23の長さに変
化はなく、したがって隙間調節は行われない。
【0036】制輪子17,19が摩耗することにより、
作用ねじ58の移動量が歯の滑動範囲を越えた場合に
は、両方の歯64,63は滑動ののち噛合するので、従
動クラッチ52は作用ねじ58側から力が与えられて回
動する。従動クラッチ52が回動するときには、釣合い
ばね53を介して主動歯車46が一体的に回動する。
【0037】主動歯車46が回動すると、これに噛合し
た従動歯車45も回動し、ブレーキ棒23の外筒31を
回動させてこれに螺合した棒32を引き込み、その全長
を短縮させる。ブレーキ棒23が短縮しても、制輪子1
7,19に摩耗が生じていないときには、制動力を緩め
たときにブレーキ棒23は元の長さに復帰して、制輪子
17,19と車輪1との間隔に変化を与えることはな
い。制輪子17,19が摩耗すればブレーキ棒23の短
縮量は大きくなるので、作用ねじ58と従動クラッチ5
2の歯64,63の噛合は摩耗量に応じた分だけ進むこ
とになる。ブレーキ棒23の短縮量が大きくなると、制
動力を緩めたときの作用ねじ58の戻りストロークでは
ブレーキ棒23は元の長さに復帰できないことになる。
【0038】ブレーキ棒23が元の長さに復帰できない
状態で次に制動作用が行われると、ブレーキ棒23の短
縮はその長さから行われるので、最初から見ればさらに
短縮することになる。この状態で制動力が解除されてブ
レーキ棒23の長さが伸長する側に戻るときには、ブレ
ーキ棒23は作用ねじ58と従動クラッチ52の歯6
4,63の噛合の進んだ分に対応する長さを差し引いた
ところまで戻る。よって車輪1と制輪子17,19との
間隔は短縮され、隙間調節が行われることになる。
【0039】作用ねじ58は制動作用時に押し込まれる
軸29に刻設された雄ねじ57に螺合しており、一方の
従動クラッチ52はその軸29が嵌入する主動歯車46
の筒部48に刻設された雄ねじ51に螺合している。そ
してこれら二つの雄ねじ57,51は相互に逆方向に刻
設されたねじであることから、何らかの原因で軸28に
非常に大きな力が衝撃的に加わり、これによって作用ね
じ58が急激に大きな力で従動クラッチ52に当接した
とき、軸方向への移動はするが回動はしない作用ねじ5
8に対し、従動クラッチ52は螺合している雄ねじ51
によって回動しながら後退し、作用ねじ58と離れるこ
とになる。これによって軸29側の力が従動クラッチ5
2側に伝達されないため、制動力が正常な状態でブレー
キ棒23に伝わることで、制動力の損失が発生しないこ
とになる。また歯63,64を損壊するようなことがな
い。
【0040】以上は、車両の制輪子17,19が摩耗し
たとき、制輪子17,19と車輪1との隙間を自動的に
調整する作用であったが、この調整は作業者が手作業で
行う場合もある。すなわち、制輪子17,19の摩耗が
限界に達して新品に交換するときに行う初期設定ではブ
レーキ棒23を操作してその全長寸法を一定にする。こ
のための操作は、ブレーキ棒23の外筒31を工具で回
すことにより棒32を進退させる。
【0041】このように手動調整を行うとき、外筒31
の動きは従動歯車45から主動歯車46に伝わり、これ
が従動クラッチ52に伝達される。従来の装置では、従
動クラッチの歯と作用ねじの歯とは常時噛合するように
ばね付勢されていたので、上記のように手動調整のとき
にその前後の部材をすべて一緒に回動させることにな
り、大きな力を必要としたが、この装置では従動クラッ
チ52と作用ねじ58とを離す方向に戻しばね65で付
勢しているので、回動は従動クラッチ52までとなり、
無駄な力を使わなくて済むことになる。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した構造にお
いても、ブレーキ隙間調節機構の非作動時には、ブレー
キシリンダの発生エネルギがこの機構に作用しないよう
にしてあり、そのためにブレーキシリンダが発生するエ
ネルギの全てをブレーキに使うようにしてある。しかし
ながら、さらに改良する余地があり、改良すれば作動が
より確実になることが判明した。
【0043】そして上記作動を得るためには、ブレーキ
棒と同方向に移動する送りねじと、この送りねじに螺合
している作用ねじが、送りねじに対して回動することな
く一体に移動する必要があるが、上記発明にあってはそ
のための手段として、作用ねじの外周に摩擦材からなる
輪を嵌着し、この輪によって作用ねじとハウジングの内
壁との間に適度の摩擦を持たせるようにしていた。
【0044】しかしながら、このように輪によって作用
ねじとハウジングの内壁との間に適度の摩擦を持たせる
ようにすると、ハウジングの内壁と作用ねじの外周(輪
の嵌着部分)の仕上げ精度を高くしなければならず、ま
た、輪の経年変化に対しても常に注意を払う必要があっ
て保守が煩雑になる。
【0045】さらに、極寒地の氷雪あるいは悪天候時の
土砂等が制動装置に付着した場合には、そのために隙間
自動調整装置が動きにくくなり、あるいは動かなくなっ
て、十分に機能しなくなることがある。
【0046】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
り、上記問題を解決した車両の制輪子隙間自動調整装置
を提供しようとするものである。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、請求項1に記載された発明は、
車輪を台車に回転自在に支持し、該台車に取付けたブレ
ーキシリンダから進退するロッドの動きをてこを介して
車輪の一部に対向する制輪子に伝達すると共に、該伝達
の動きを、ねじ結合した外筒と棒とにより形成したブレ
ーキ棒を介して車輪の他側の制輪子に伝達するように
し、該ブレーキ棒に沿わせて設けた隙間調整機構の主動
歯車で前記ブレーキ棒の外筒に取付けた従動歯車を回転
させてブレーキ棒の全長を短縮させる隙間調整機構によ
り、前記ブレーキ棒を制輪子の摩耗に係らしめて短縮さ
せて制輪子と車輪との隙間を一定範囲に保持するように
した車両の制輪子隙間自動調整装置において、前記隙間
調整機構の一部で、ブレーキ棒の外筒に連動する粗いリ
ードの送りねじに作用ねじを螺合し、該作用ねじの外周
には作用ねじが送りねじに螺合するのとは逆ねじの関係
粗いリードの雄ねじを刻設して該雄ねじに主動クラッ
チを螺合し、該主動クラッチには、前記主動歯車と一体
の従動クラッチを対向させ、該主動クラッチと従動クラ
ッチの対向面に噛合する歯を設け、前記作用ねじと主動
クラッチとの間に、主動クラッチを従動クラッチ側に付
勢する釣合ばねを介装し、前記作用ねじが送りねじに対
して容易には回動しないようにする手段を設け、前記従
動クラッチに、作用ねじの軸方向の力を受けるスラスト
玉軸受を支持したことを特徴とする。
【0048】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載されたものにおいて、前記作用ねじが送りねじに対
して容易には回動しないようにする手段として、送りね
じに螺合する作用ねじと一体に、少なくとも二つ割りに
した割カラーを設け、該割カラーで送りねじの一部を包
囲させ、該割カラーに緊締手段を設けて送りねじのその
部分を把持させたことを特徴とする。
【0049】請求項3に記載された発明は、車輪を台車
に回転自在に支持し、該台車に取付けたブレーキシリン
ダから進退するロッドの動きをてこを介して車輪の一部
に対向する制輪子に伝達すると共に、該伝達の動きを、
ねじ結合した外筒と棒とにより形成され、その一端に手
動調整用の回転軸を設けたブレーキ棒を介して車輪の他
側の制輪子に伝達するようにし、該ブレーキ棒に沿わせ
て設けた隙間調整機構の主動歯車で前記ブレーキ棒の外
筒に取付けた従動歯車を回転させてブレーキ棒の全長を
短縮させる隙間調整機構により、前記ブレーキ棒を制輪
子の摩耗に係らしめて短縮させて制輪子と車輪との隙間
を一定範囲に保持するようにした車両の制輪子隙間自動
調整装置において、前記隙間調整機構の一部で、ブレー
キ棒の外筒に連動する粗いリードの送りねじに作用ねじ
を螺合し、該作用ねじの外周には作用ねじが送りねじに
螺合するのとは逆ねじの関係で粗いリードの雄ねじを刻
設して該雄ねじに主動クラッチを螺合し、該主動クラッ
チには、前記主動歯車と一体の従動クラッチを対向さ
せ、該主動クラッチと従動クラッチの対向面に噛合する
歯を設け、前記作用ねじと主動クラッチとの間に、主動
クラッチを従動クラッチ側に付勢する釣合ばねを介装
し、前記作用ねじが送りねじに対して容易には回動しな
いようにする手段を設け、さらに前記ブレーキ棒を伸縮
可能で、手動調整用の端部の外周は着脱可能にしたカバ
ーで覆ったことを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】以下本発明のうちの請求項1およ
び2に係る発明の実施形態を、図9と図11に対応させ
た図1および図2について説明する。なお、ここで説明
しない部分は先の出願と同様の構造である。隙間調整機
構28の一部で、ブレーキ棒23の外筒31に連動する
送りねじ29の外周に設けられた粗いリードの雄ねじ
(右ねじ)57には作用ねじ58が螺合しており、この
作用ねじ58の外周には、作用ねじ58が送りねじ29
に螺合するのとは逆のねじである雄ねじ(左ねじ)72
が設けられて、この雄ねじ72に主動クラッチ73が螺
合している。
【0051】主動クラッチ73には、主動歯車46と一
体の従動クラッチ52を対向させてある。そしてこの主
動クラッチ73と従動クラッチ52の対抗面には噛合す
る歯64,63が設けてある。
【0052】作用ねじ58の右端には釣合ばね座74が
止め輪75で固定してあり、この釣合ばね座74と主動
クラッチ73との間に、主動クラッチ73を従動クラッ
チ52側に付勢する釣合ばね76が介装してある。77
は従動クラッチに支持されているスラスト玉軸受であ
り、作用ねじ58の軸方向の力を受けるためのものであ
る。この発明が先の発明と大きく変わるところは、先の
発明では図9および図10に示すように作用ねじ58に
歯64が刻設されていたのに対し、作用ねじ58には歯
64が設けられず、雄ねじ57とは逆ねじである雄ねじ
72が設けられ、この雄ねじ72に螺合させた主動クラ
ッチ73に歯64を設けたことである。
【0053】作用ねじ58に隣接する部位には、作用ね
じ58が送りねじ29に対して容易には回動しないよう
にする手段としての割カラー78が、止め輪79で挟持
されて設けられている。この割カラー78は、たとえば
合成樹脂でできており、環状のものを少なくとも二つ割
りにして軸29の外周に配設し、近接する方向の外力を
加えることにより、軸29を把持するようにする。80
は把持力(外力)を与えるバンドであり、ゴム材あるい
はバネ材等で製作されているものである。
【0054】このように構成された本発明の制輪子隙間
自動調整装置においても、制動作動時、ブレーキシリン
ダ5の発生エネルギの一部を得て制輪子隙間調整を行う
基本的な作動においては先の発明のものと変わるところ
はない。ブレーキシリンダ5が作動してその力が制輪子
17,19と隙間調整機構28にかかっているとき、隙
間調整機構28の主動クラッチ73の歯64と従動クラ
ッチ52の歯63は噛合した状態にあるのでブレーキシ
リンダ5のエネルギの一部がここで消費されることにな
る。本発明にあっては、作用ねじ58が軸29の粗いリ
ードの雄ねじ57に螺合しており、この作用ねじ58が
雄ねじ57に対して容易には回動しないようにしてある
ので、作用ねじ58は軸29の雄ねじ57と一体的に従
動クラッチ52側に進行する。このように進行した作用
ねじ58は、従動クラッチに支持されたスラスト玉軸受
77に当接する。この当接後も軸29に押圧力が加わる
と、スラスト玉軸受77に当接した作用ねじ58はそれ
以上進行できないから、その位置で雄ねじ57上で回動
する。作用ねじ58には、送りねじである雄ねじ57に
対して容易には回動しない手段が講じられているが、こ
の回動はこの手段に打ち勝って行われる。主動クラッチ
73は粗いリードの雄ねじ72に螺合しており、その歯
64は従動クラッチ52の歯63と噛合しているから、
作用ねじ58が軸29の軸方向に移動しないで雄ねじ5
7上で回動した場合、主動クラッチ73は釣合いばね7
6を圧縮して雄ねじ72に導かれて後退する。これによ
って歯63,64は離間するので、この部分でのエネル
ギ消費はなくなり、ブレーキシリンダ5が発生するエネ
ルギのすべては制輪子17,19にかかることになる。
【0055】請求項2に記載された発明によれば、上記
作用、効果がより確実になる。すなわち、送りねじ29
が主動歯車歯車46側に動くときに作用ねじ58が回っ
てしまうと、主動クラッチ73と従動クラッチ52とが
正常に噛合しなくなる場合が発生し、制輪子自動隙間調
整機能が成立しなくなる。したがって作用ねじが回らな
いようにする必要があるが、先の発明においては、その
ための手段を摩擦材からなる輪を作用ねじに嵌着し、ハ
ウジングの内壁との間の摩擦でこの作用を行っていたた
め上記不具合があったが、作用ねじが回らないようにす
る手段として請求項2に記載したように割カラー78を
用いた構成としたことにより、この不具合が解決され
た。そして割カラー78で作用ねじ58の回り止めを行
うようにしたことにより、ブレーキを弛めたときに噛合
する歯63,64間に、常にまた確実に1mm程度の隙
間を得ることができるので、ブレーキ棒23の端部23
aを回転させる手動調節が容易に行えることになる。
【0056】次に、斜視図である図3と、そのうちの右
側の一部を示した図4と左側の一部を示した図5に基づ
き、請求項3に係る発明の実施形態を説明する。ブレー
キ棒23は、伸縮可能で、かつ一部が着脱可能にしたカ
バー81で覆われている。このカバー81は、筒状部8
1a、ベローズ部81bおよび着脱可能のキャップ部8
1cに形成されたものであり、筒状部81aは隙間調整
機構28に隣接部分を、ベローズ部81bは外筒31と
棒32の嵌合部分を、さらにキャップ部81aは手動調
節用の端部23aの外周を覆っている。
【0057】このように構成された請求項3の発明によ
れば、極寒冷地での氷雪、悪天候時の土砂などが走行中
の車両によって生ずる負圧で制動装置に付着するとき、
その部分はカバー81で覆われているのでその影響を受
けることなく、所期の作動を得ることができる。そして
制輪子17,19を交換した後で行う手動調整では、キ
ャップ部81cを外し、ブレーキ棒23の端部23aを
工具で回すことにより、作業を容易に行うことができ
る。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成した車
両の制輪子隙間自動調整装置であるから、隙間調整機構
が作動してブレーキ棒を短縮するとき、作用ねじ側から
の動きが主動クラッチ、従動クラッチ、主動歯車、従動
歯車の順に伝えられ、この従動歯車がブレーキ棒を短縮
する方向に回動するので、電車等の作動が速いブレーキ
においても作動遅れを生ずることがない。またブレーキ
棒に連動する軸の粗いリードの雄ねじに作用ねじを螺合
し、この作用ねじに主動クラッチを、作用ねじが軸に螺
合するねじとは逆方向の粗いリードのねじで螺合し、こ
の作用ねじと主動クラッチとの間に釣合ばねを介装し、
さらに割カラーで作用ねじを軸に把持させたことによ
り、主動クラッチと従動クラッチの歯が噛合するとき
よび作用ねじがスラスト玉軸受に当接したとき以外は作
用ねじが軸に対して回動せずに一体的に移動する。移動
により作用ねじがスラスト玉軸受に当たると、作用ねじ
はその場所で停止し、軸から受ける力を逃れるため回動
する。作用ねじの回動により、主動クラッチは作用ねじ
に刻設された粗いリードの雄ねじに導かれて回動しなが
ら後退する。この後退は、主動クラッチと従動クラッチ
の歯の噛合が解けるところまで続けられる。これによ
り、ブレーキシリンダの発生するエネルギの全てを制輪
子に与えることができることになる。さらにブレーキ棒
を伸縮可能なカバーで覆ったことによりブレーキ棒の動
きに支障を与えずに雪害等の影響をなくすことができ
る。また、このカバーの一部を着脱可能にしたことによ
り、手動調整にも支障を来すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のうちの隙間調整機構の内部構造を分解状
態で示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した制動装置の斜視図である。
【図4】ブレーキ棒のうち図3の右側部分をカバーで覆
ったところを示す断面図である。
【図5】ブレーキ棒のうち図3の中央部分をカバーで覆
ったところを示す断面図である。
【図6】車両の車輪と制動装置部分を示す正面図であ
る。
【図7】本発明の前提技術となる制動装置の斜視図であ
る。
【図8】図7のものに使用する制輪子隙間自動調整装置
の断面図である。
【図9】図8の要部を拡大して示した断面図である。
【図10】図8のうちの隙間調整機構を図1の下方から
見た半断面図である。
【図11】図8のうちの隙間調整機構の内部構造を分解
状態で示す斜視図である。
【図12】図8のものの外郭部分をブレーキばりに取付
ける構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車輪 2 車軸 3 台車 5 ブレーキシリンダ 7 ロッド 17 制輪子 19 制輪子 23 ブレーキ棒 23a 端部 28 隙間調整機構 29 軸 31 外筒 32 棒 43 ハウジング 45 従動歯車 46 主動歯車 52 従動クラッチ 57 雄ねじ 58 作用ねじ 63 歯 64 歯 72 雄ねじ 73 主動クラッチ 74 釣合ばね座 76 釣合ばね77 スラスト玉軸受 78 割カラー 80 バンド 81 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61H 15/00 F16D 65/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を台車に回転自在に支持し、該台車
    に取付けたブレーキシリンダから進退するロッドの動き
    をてこを介して車輪の一部に対向する制輪子に伝達する
    と共に、該伝達の動きを、ねじ結合した外筒と棒とによ
    り形成したブレーキ棒を介して車輪の他側の制輪子に伝
    達するようにし、該ブレーキ棒に沿わせて設けた隙間調
    整機構の主動歯車で前記ブレーキ棒の外筒に取付けた従
    動歯車を回転させてブレーキ棒の全長を短縮させる隙間
    調整機構により、前記ブレーキ棒を制輪子の摩耗に係ら
    しめて短縮させて制輪子と車輪との隙間を一定範囲に保
    持するようにした車両の制輪子隙間自動調整装置におい
    て、前記隙間調整機構の一部で、ブレーキ棒の外筒に連
    動する粗いリードの送りねじに作用ねじを螺合し、該作
    用ねじの外周には作用ねじが送りねじに螺合するのとは
    逆ねじの関係で粗いリードの雄ねじを刻設して該雄ねじ
    主動クラッチを螺合し、該主動クラッチには、前記主
    動歯車と一体の従動クラッチを対向させ、該主動クラッ
    チと従動クラッチの対向面に噛合する歯を設け、前記作
    用ねじと主動クラッチとの間に、主動クラッチを従動ク
    ラッチ側に付勢する釣合ばねを介装し、前記作用ねじが
    送りねじに対して容易には回動しないようにする手段を
    設け、前記従動クラッチに、作用ねじの軸方向の力を受
    けるスラスト玉軸受を支持したことを特徴とする車両の
    制輪子隙間自動調整装置。
  2. 【請求項2】 前記作用ねじが送りねじに対して容易に
    は回動しないようにする手段として、送りねじに螺合す
    る作用ねじと一体に、少なくとも二つ割りにした割カラ
    ーを設け、該割カラーで送りねじの一部を包囲させ、該
    割カラーに緊締手段を設けて送りねじのその部分を把持
    させたことを特徴とする請求項1に記載の車両の制輪子
    隙間自動調整装置。
  3. 【請求項3】 車輪を台車に回転自在に支持し、該台車
    に取付けたブレーキシリンダから進退するロッドの動き
    をてこを介して車輪の一部に対向する制輪子に伝達する
    と共に、該伝達の動きを、ねじ結合した外筒と棒とによ
    り形成され、その一端に手動調整用の回転軸を設けたブ
    レーキ棒を介して車輪の他側の制輪子に伝達するように
    し、該ブレーキ棒に沿わせて設けた隙間調整機構の主動
    歯車で前記ブレーキ棒の外筒に取付けた従動歯車を回転
    させてブレーキ棒の全長を短縮させる隙間調整機構によ
    り、前記ブレーキ棒を制輪子の摩耗に係らしめて短縮さ
    せて制輪子と車輪との隙間を一定範囲に保持するように
    した車両の制輪子隙間自動調整装置において、前記隙間
    調整機構の一部で、ブレーキ棒の外筒に連動する粗いリ
    ードの送りねじに作用ねじを螺合し、該作用ねじの外周
    には作用ねじが送りねじに螺合するのとは逆ねじの関係
    粗いリードの雄ねじを刻設して該雄ねじに主動クラッ
    チを螺合し、該主動クラッチには、前記主動歯車と一体
    の従動クラッチを対向させ、該主動クラッチと従動クラ
    ッチの対向面に噛合する歯を設け、前記作用ねじと主動
    クラッチとの間に、主動クラッチを従動クラッチ側に付
    勢する釣合ばねを介装し、前記作用ねじが送りねじに対
    して容易には回動しないようにする手段を設け、さらに
    前記ブレーキ棒を伸縮可能で、手動調整用の端部の外周
    は着脱可能にしたカバーで覆ったことを特徴とする車両
    の制輪子隙間自動調整装置。
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