JP2898318B2 - 有機薄膜の形成方法および形成装置 - Google Patents

有機薄膜の形成方法および形成装置

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JP2898318B2 JP1293330A JP29333089A JP2898318B2 JP 2898318 B2 JP2898318 B2 JP 2898318B2 JP 1293330 A JP1293330 A JP 1293330A JP 29333089 A JP29333089 A JP 29333089A JP 2898318 B2 JP2898318 B2 JP 2898318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイなどを
製造する際、基板上にフォトレジストやカラーフィルタ
などとして用いられる有機薄膜を形成する方法および該
有機薄膜の形成装置に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
半導体デバイス、液晶ディスプレイなどの製造プロセ
スにおいては、シリコン、ガリウム・ヒ素、ガラスなど
からなる基板上に複数回のフォトリソグラフィ工程を含
む多数の工程を経て、トランジスタや配線、その他の素
子が作りこまれていく。これらの素子形成過程におい
て、基板上には様々な凹凸形状ができてくるが、この過
程中のフォトリソグラフィ工程においては、これらの凹
凸に起因して以下に詳述するような不都合が発生するこ
とがある。
たとえば、従来の半導体デバイスの製造プロセスにお
けるフォトリソグラフィ工程においては、多くのばあい
スピン塗布法により基板上にフォトレジストなどの有機
薄膜を形成し、これに紫外光などを用いて所望のパター
ンを転写し、現像処理によりレジストパターンをえてい
る。第9図はスピン塗布法を用いた従来の有機薄膜の形
成装置を模式図に示す概略断面図であり、図中、(1)
は基板、(2)は基板(1)を真空吸着などの方法によ
りその上面で保持するチャックであり、内部には真空導
入路、上部には吸着口が形成されている(図示省略)。
チャック(2)はスピンドル(3)を介してモータ
(4)に接続されており、モータ(4)を回転させるこ
とにより基板(1)が回転する。基板(1)の上部には
ノズル(5)が配置されており、ノズル(5)はフォト
レジストなどの塗布溶液の保管容器と接続されている
(図示省略)。また、基板(1)およびチャック(2)
の周囲を取り囲むようにレジストカップ(6)が配置さ
れており、その上部には開口部(6a)が形成され、底部
にはドレイン(6b)が設けられている。
前記スピン塗布法においては、まず第10a図に示すよ
うに、チャック(2)上に保持された基板(1)上に、
ノズル(5)よりフォトレジストなどの塗布溶液(7)
が所要量滴下される。続いて、第10b図に示すように、
モータ(4)(図示省略)を回転させることにより、ス
ピンドル(3)およびチャック(2)を介して基板
(1)を水平面内で回転させ、この際発生する遠心力に
より基板(1)上の塗布溶液(7)を中心部から周辺部
に広げる。このとき、余分な塗布溶液(7a)は基板
(1)外へ振り飛ばされ、レジストカップ(6)内に回
収され、ドレイン(6b)より排出される。さらに回転を
継続することにより基板(1)上の塗布溶液(7)中の
溶媒は揮発し、最終的にフォトレジストなどの薄膜(7
b)がえられる(第10c図)。
また、カラーイメージセンサ、液晶カラーディスプレ
イなどの製造プロセスにおいて、シリコンやガラスなど
の基板上にオンチップ型またはオンウェハ型カラーフィ
ルタを形成する工程においても、フィルタ材料の薄膜を
基板上に形成する際に前記のようなスピン塗布法が採用
されている。
従来の有機薄膜の形成方法は以上のように構成されて
いるので、基板(1)の回転により発生する遠心力によ
り基板(1)上の塗布溶液(7)が基板(1)の中央部
から周辺部へ流動する過程で、第11図に示すように基板
(1)表面の凹凸に起因する放射状の膜厚ムラを発生し
やすいという問題点がある。
第11図は、半導体デバイスの製造プロセスにおいて比
較的大きな凹凸形状が形成された基板(1)に、塗布溶
液をスピン塗布した結果を模式的に表わす平面図であ
り、図中、(10)は1個の半導体デバイスに対応する複
数のチップ、(11)はこれらチップ(10)間の分離のた
めのスクライブラインである。多くのばあい、スクライ
ブライン(11)はチップ(10)部分よりも高さが1〜5
μm程度低く、50〜100μm程度の幅の段差を有してい
る。このような凹凸を有する基板(1)上に第9図に示
すような従来のスピン式の薄膜形成装置により液体状な
いしはペースト状の塗布溶液をスピン塗布すると、第11
図に示すように、基板(1)状の凹凸部分で塗布溶液の
流動が乱れるため、放射状の塗布ムラすなわち膜厚ムラ
(12)が発生する。また、このような放射状のムラ(1
2)は、段差の高さが10分の数ミクロンから数ミクロン
のオーダーの比較的小さな段差であっても現われること
がある。
前記のような塗布ムラは、フォトレジスト膜のばあ
い、それを利用したエッチングなどにより形成されるパ
ターンの寸法制御性を低下させるという問題を生じ、と
きとしてパターン配線の断線やショートの原因にもな
る。また、カラーイメージセンサのオンチップ型カラー
フィルタや液晶カラーディスプレイのオンウェハ型カラ
ーフィルタにおいては、このような塗布ムラによりフィ
ルタ膜が不均一になり、その分光感度特性がばらついた
り不均一になるなどの問題が生じる。
さらに、スピン塗布法では、第12a〜c図に示すよう
に基板(1)表面の凹凸によりフォトレジスト膜の表面
が平坦にならず、波状にうねった形になるという問題点
がある。
第12a〜c図は、表面に3種類の異なる凹凸形状を有
する基板(1)上に、フォトレジスト液を塗布してえら
れたフォトレジスト膜(8)の表面形状を模式的に示す
断面図である。
第12a図に示す基板(1)の表面には、たとえばフォ
トリソグラフィ工程の露光工程で利用される位置合わせ
用の凹凸パターン(13)が形成されているが、この凹凸
パターン(13)上のフォトレジスト膜(8)の表面は平
坦にはならず波状にうねった形となる。また、このうね
りの形状(8a)は、フォトレジスト液の流動の影響によ
り左右非対称の形状となり、下のパターン(13)の凹凸
形状に比べて左右対称とはならない。したがって、レー
ザービームなどによりこの凹凸パターン(13)を検出し
て露光パターンの位置合わせを行なうばあい、このフォ
トレジスト膜(8)の形状の非対称性により検出信号に
ズレを生じ、位置合わせ精度が低下合するという問題点
が生じる。
また、第12bおよびc図に示されるように、基板
(1)の表面に1個の凸部(14)や凹部(15)を有する
ような単純なパターンであっても、この非対称性によ
り、うねりの凸部や凹部の中心にズレ(14a、15a)が生
じ、その凸部(14)や凹部(15)の左右でのフォトレジ
スト膜(8)の膜厚に差異を生じ、寸法制御性を低下さ
せるという問題がある。
同様の問題がカラーイメージセンサのオンチップ型カ
ラーフィルムでも生じている。
本発明は前記のような不都合、問題点を解消するため
になされたものであり、塗布ムラや膜厚ムラがなく、均
一な表面を有するフォトレジストやカラーフィルタなど
として用いられる有機薄膜の形成方法および該有機薄膜
の形成装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 有機物の微粒子と該微粒子の溶媒のガス、溶媒のミス
トならびに溶媒のガスおよび溶媒のミストのうちの1種
(以下、溶媒のガスおよび(または)ミストともいう)
とを容器内で結合させて有機物を含む微滴を形成し、該
微滴を基板上に堆積させ、微滴に含まれている溶媒を揮
発させて堆積膜を形成することを特徴とする有機薄膜の
形成方法および 有機物の微粒子と該微粒子の溶媒のガス、溶媒のミスト
ならびに溶媒のガスおよび溶媒のミストのうちの1種と
が結合する空間を取り囲むチャンバに、有機物の微粒子
の導入口ならびに溶媒のガス、溶媒のミストならびに溶
媒のガスおよび溶媒のミストのうちの1種の導入口が設
けられ、さらに該チャンバ内に基板を保持するチャック
が備えられた有機薄膜の形成装置 に関する。
〔実施例〕
第1図は本発明の有機薄膜の形成方法において、有機
物を含む微滴が形成されるようすを示す説明図であり、
図中、(1)は基板、(20)は基板(1)上に成膜され
る有機物の微粒子、(20a)は溶媒に溶解しはじめた状
態にある有機物の微粒子、(20b)はさらに溶媒にとけ
半溶解状態にある有機物の微粒子、(20c)は微粒子(2
0)が溶媒に溶解して均一な溶液状態となった状態にあ
る有機物を含む微滴、(22)の斜線部は溶媒雰囲気に満
たされた空間を示す。
本発明の方法においては、成膜しようとする有機物の
微粒子(20)とこれを溶解する溶媒のガスおよび(また
は)ミストとを容器内で結合させ、有機物を含む微滴
(20a〜20c)を形成させる。
前記有機物は溶媒に溶解させうるものである限りとく
に限定はないが、その具体例としては、たとえばフォト
レジスト材料や、透明樹脂、ゼラチン、カゼインなどの
カラーフィルタ材料となる有機物があげられる。有機物
の微粒子は超微粒化したものが好ましく、0.05〜10μm
程度のものが好ましく、さらに0.05〜0.5μm程度のも
のが望ましい。該粒径が0.05μmでは個々の微粒子が互
いに結合して凝集物を形成し、実質的に粒径が大きくな
る傾向があり、10μmをこえると通常半導体プロセスで
用いられる10μm程度以下の膜厚の薄膜の均一性がえに
くくなる傾向がある。
前記溶媒は、成膜しようとする有機物、成膜条件など
に応じて適宜選択しうるが、その具体例としては、たと
えばエチルセロソルブアセテート、キシレンなどの有機
溶媒や、水溶性の有機物のばあいには水などがあげられ
る。
前記有機物の微粒子とガスおよび(または)ミスト状
の溶媒(ガス状の溶媒、ミスト状の溶媒ならびにガス状
の溶媒およびミスト状の溶媒を意味する、以下同様)と
の結合は、たとえばチャンバー状容器内の一部(第1図
の斜線部分)に溶媒がガスやミストの状態で満たされた
溶媒雰囲気空間(22)を形成し、この溶媒雰囲気空間
(22)に乾燥空気、チッ素ガスなどのキャリアガス中に
分散、浮遊させた有機物の微粒子(20)を導入し、微粒
子(20)を重力などの外力の作用により下方へ落下さ
せ、溶媒雰囲気空間(22)を通過させる方法が好まし
い。
前記溶媒雰囲気空間は、この空間内を有機物の微粒子
(20)が通過する際に充分ガスおよび(または)ミスト
状の溶媒を吸着するための時間を確保しうる大きさが必
要であり、一般的には30cm〜2m程度の高さが望ましい。
また、水平方向の広さは基板(1)の幅または直径の1
〜5倍程度の大きさが望ましい。また、ガスおよび(ま
たは)ミスト状の溶媒濃度はほぼ飽和(100%)から80
%程度までが適当である。
この微粒子(20)を溶媒雰囲気空間(22)を通過させ
る過程で、微粒子(20)に溶媒ガスが吸着したり、溶媒
マストが付着したりすることにより、微粒子(20)は溶
媒に溶解し始めた状態の粒子(20a)から半溶解状態の
粒子(20b)を経て、完全に溶解した微滴(20c)とな
る。
つぎに、微滴(20c)は基板(1)上に堆積し、微滴
(20c)に含まれていた溶媒が揮発することにより目的
とする有機薄膜が形成される。
基板(1)に微滴(20c)を堆積させるには、基板
(1)を溶媒雰囲気空間(22)の重力方向下方に配置す
ればよい。この際、膜厚の均一性をさらに高めるため、
基板(1)を回転させてもよい。
該微滴は、基板上に堆積される際には微滴同士が相互
に接触し、さらにこの接触部より結合が始まることが必
要である。また結合し、一体化した結合微滴(20d)が
均一な組成を持つためには、有機物が完全に溶解した微
滴(20c)であるのが好ましいが、一部が溶媒に溶解し
始めた状態の粒子(20a)や半溶解状態の粒子(20a)で
あってもよい。
該微滴の大きさおよび濃度は、前記微粒子の粒径、溶
媒雰囲気空間のガスおよび(または)ミスト状の溶媒濃
度および溶媒雰囲気空間やチャンバの高さなどにより制
御しうるが、微滴の大きさは成膜する薄膜の均一性、表
面平坦性を高めるため、所望の膜厚の1/10〜1/100程度
の粒径となるよう制御するのが望ましい。
基板(1)上に堆積した微滴(20c)は、第2a〜c図
に示すように、基板(1)の表面を濡らすとともに隣り
あった微滴(20c)と接触、結合し、結合微滴(20d)を
形成する。そして微滴(20c)および結合微滴(20d)は
時間の経過とともに結合、一体化し、その表面張力によ
り表面は平坦化し薄膜(21)を形成する。
前記溶媒を揮発させる方法にとくに限定はなく、たと
えば第2c図に示すように薄膜(21)を形成したのち50〜
200℃程度のベーク処理をすることにより溶媒を揮発さ
せることができる。
前記の例では第2a〜c図に示した状態すなわち、基板
(1)上に微滴(20c)が堆積し、これらが結合し、薄
膜(21)を形成していく過程は主としてこれら微滴の表
面エネルギーによる結合力に依存しているが、第3図に
示すように、たとえば基板(1)の下方より30〜100℃
程度に加熱することによりこれら微滴の結合力を高め、
薄膜(21)状態への変化を促進してもよい。また、溶媒
の揮発により薄膜(21)近傍の溶媒濃度が高まり、薄膜
(21)中からの揮発速度が低下するが、第4図に示すよ
うに、この領域を排気して揮発速度を高めてもよい。さ
らに、前記ベーク処理、基板の加熱、排気などの方法を
適宜併用してもよい。
以上のごとき本発明の方法により、膜厚ムラなどのな
い均一な、厚さ0.5〜50μm程度のフォトレジスト、カ
ラーフィルタなどとして有用な有機薄膜をうることがで
きる。
つぎに、本発明の有機薄膜の形成装置の例を、第5〜
8図を用いて説明する。
第5図は有機薄膜の形成装置の一実施例を示す概略断
面図であり、(1)は基板、(2)は真空吸着などの方
法で基板(1)を保持するチャック、(30)は基板
(1)の上方に配置されたチャンバであり、ほぼ円筒形
をしており、その上部には円錘状部分を介して有機物の
微粒子導入口(31)が設けられている。また、チャンバ
(30)の側部には溶媒導入口(32)が設けられている。
チャンバの容積は通常6インチシリコンウェハ上への成
膜用では20〜100程度、高さは通常0.5〜2m程度であ
る。
また、薄膜の膜厚均一性を向上させる目的で、微滴の
堆積中に基板(1)を回転させるための装置を設けても
よい。
以上のような構成の装置では、先に説明したとおり、
乾燥空気などのキャリアガスにのってフォトレジストな
どの有機物の微粒子(20)が、微粒子導入口(31)より
送り込まれてくる。チャンバ(30)内にはガスおよび
(または)ミスト状の溶媒導入口(32)より、微粒子
(20)を溶解するガスおよび(または)ミスト状の溶媒
が送り込まれており、溶媒雰囲気空間(22)を形成して
いる。なお、チャンバ内の斜線部分は溶媒雰囲気空間の
高濃度の部分を模式的に示すものである(第6〜8図に
おいても同様である)。チャンバ(30)上部の微粒子
(20)は微小であるため浮遊しているが、重力の作用に
より次第に落下し、溶媒雰囲気空間(22)においてガス
および(または)ミスト状の溶媒と結合し、微滴(20
c)を生成し、さらに落下し、下部の基板(1)上に堆
積される。これらの空間はチャンバ(30)により外界と
遮蔽されており、外部の気流の影響による乱れを防止し
ている。
所定量の微滴(20c)を基板(1)上に堆積させたの
ち、微粒子(20)およびガスおよび(または)ミスト状
の溶媒の導入を止め、基板(1)上の薄膜をプリベーク
処理することにより目的の薄膜をうることができる。
前記装置は、基本的には垂直方向に材料を堆積させる
方式であるため、基板上の段差による放射状の膜厚ムラ
および塗布ムラが生じず、薄膜が凸凹パターン前後で非
対称にならない。
つぎに、別の本発明の有機薄膜の形成装置の一実施例
を、第6図を用いて説明する。
図中、チャンバ(30)の下部はシール(34)を介して
チャック(2)と密着されており、これによりチャンバ
(30)内は密閉されている。また、チャンバ(30)側壁
下側には排気口(33)が設けられている。この装置で
は、有機物の微粒子の導入口(31)は3ケ所設けられて
おり、ここから微粒子(20)が送りこまれてくる。ま
た、ガスおよび(または)ミスト状の溶媒導入口(32)
は左右に2ケ所ずつ設けられており、これによって溶媒
雰囲気空間(22)を上下方向に拡げている。
チャック(2)は段付き形状をしており、図示してい
ない上下動機構により、第6図に示したように上位置に
あるばあいはシール(34)と接触してチャンバ(30)下
部の開口部を塞ぎ、下降し下位置にあるばあいは基板
(1)の載せかえが可能となる。また、この装置のよう
に複数の微粒子導入口(31)を設けることにより、大口
径、大面積の基板(1)にも成膜が可能になる。
以上のような構成の装置では、微滴(20c)を基板
(1)上に堆積中は排気口(33)をバルブなど(図示省
略)により閉じておき、所定量の微滴(20c)を堆積さ
せたのち、バルブ操作などにより微粒子(20)およびガ
スおよび(または)ミスト状の溶媒の導入を止める。つ
ぎに排気口(33)のバルブを開け、基板(1)上の薄膜
近傍の雰囲気を排気する。これにより、薄膜中からの溶
媒揮発が促進され、有機薄膜が形成される。また、微滴
(20c)の堆積中であっても排気口(33)を開け、排気
量を調整することにより、基板(1)上の溶媒濃度、溶
媒雰囲気空間(22)のガスおよび(または)ミスト状の
溶媒濃度など、チャンバ(30)内の濃度分布を調整する
ことも可能であり、またこれらの調整により基板(1)
上に堆積される微滴(20c)中の溶媒含有量、粘度、表
面張力などを変化させることができる。
第6図に示す装置ではこのような操作により、基板
(1)上の凹凸形状の大きさ、深さに応じて堆積膜の粘
度、表面張力などの物理特性を変化させることができ、
下地凹凸形状の平坦化などのための条件の最適化を図る
ことができる。また、前述のようにこの装置によれば原
理的に第11図で示したような放射状の塗布ムラや凹凸形
状の前後位置での薄膜の表面形状の非対称性などの不良
を発生することはない。
つぎに、さらに別の本発明の有機薄膜の形成装置の一
実施例を、第7図を用いて説明する。
基本的な構造は第6図を用いて説明した装置と同様で
あるが、この装置ではチャック(2)内にヒータ(35)
が埋めこまれている。ヒータ(35)は外部のヒータ電源
(39)と接続されている。チャック(2)はその側壁部
分でシール(34)を介してチャンバ(30)と密着してお
り、チャンバ(30)内の密閉性を保ち、外部の気流の影
響による乱れを防止している。チャンバ(30)の上部に
は微粒子(20)の導入口(31)とガスおよび(または)
ミスト状の溶媒導入口(32)が設けられており、これら
の直下の領域が溶媒雰囲気空間(22)となっており、微
滴(20c)が生成される。
第7図に示す装置では、ヒータ(35)はチャック
(2)を通して基板(1)を必要に応じて加熱し、前述
したように微滴(20c)および結合微滴(20d)の薄膜へ
の変化を促進する。また、薄膜が形成されたのちは、排
気口(33)よりの排気の効果と合わせて薄膜中からの溶
媒の揮発を促進する。また、ヒータ(35)による加熱に
より、チャンバ内で薄膜のベーク処理を行なうことも可
能である。
なお、第7図に示す装置では加熱用のヒータはチャッ
ク(2)内に埋め込んだ例を示したが、チャンバ(30)
の外周に設置してもよく、また内側に配置してもよい。
さらに、チャンバ(30)側壁に光学的ガラス窓を設け外
部より赤外線ランプなどの放射光源により加熱してもよ
く、また、これらを併用してもよい。
つぎに、微粒子導入口(31)よりチャンバ(30)内へ
送り込まれた微粒子(20)の分散状態をさらに均一にさ
せるための手段を設けた装置の一実施例を、第8図を用
いて説明する。
基本的構造は先に第6図を用いて説明した装置と同様
であるが、ほぼ円錐形をしたチャンバ(30)の上部には
分散用ガス導入口(36)が設けられている。また、その
下方、チャンバ(30)内にはメッシュ(37)とハニカム
状の整流筒(38)が垂直方向に設置されている。
基板(1)上への有機薄膜の形成機構は先に説明した
ものと同様であるのでその説明は省略し、これら新たに
付加された物について説明を加える。
微粒子導入口(31)より、乾燥空気などのキャリアガ
スにより運搬されてきた微粒子(20)はその物性によっ
ては凝集しやすく充分な分散状態にならないものがあ
る。また、チャンバ(30)内で均一に分散させるために
は何らかの分散手段を用いるのが有効である。第8図に
示す装置では、導入口(31)より流入してきた微粒子に
対して分散用ガス導入口(36)より乾燥空気などの分散
用ガスを作用させ、チャンバ(30)内で均一に分散させ
る構造としている。分散用ガス導入口(36)はその向き
を調整することにより、チャンバ(30)内で引き起こさ
れる気流の状態を変え、たとえば弱い渦巻流としてもよ
い。
メッシュ(37)および整流筒(38)はチャンバ(30)
内上部での気流の影響が下部の溶媒雰囲気空間(22)お
よび基板(1)上の空間に及ぶのを防止し、メッシュ
(37)でまず弱められた気流は垂直方向に孔の向いた整
流筒により垂直方向に流れる弱い気流となる。
第8図に示す装置においても、基板(1)上へ所要量
の微滴(20c)が堆積した時点で導入口(31)から微粒
子(20)およびガスおよび(または)ミスト状の溶媒の
供給は停止され、また、分散用ガス導入口(36)からの
乾燥空気の送風が停止される。
第8図に示すように微粒子(20)の分散手段として分
散用ガスとその導入口(36)、さらに整流手段としてメ
ッシュ(37)および整流筒(37)を用いたことにより、
基板(1)上に形成される有機薄膜をさらに均一なもの
にすることが可能となる。
なお、第8図に示す装置では分散手段として乾燥空気
などのガスを用いる例を示したが、これに限られるもの
ではなく回転羽根、加振器などの機械的手段を用いても
よい。
本発明の有機薄膜の形成装置は第5〜8図に示す装置
に限定されるものではなく、チャンバ(30)の形状、微
粒子導入口(31)の位置、数、形状、ガスおよび(また
は)ミスト状の溶媒導入口(32)の位置、数、形状、排
気口(33)の位置、数、形状なども例示したものに限定
されるものではない。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の有機薄膜の形成方法および形
成装置によれば有機物を含む微滴を基板上に堆積させて
薄膜を形成するようにしたので、放射状の膜厚ムラや下
地凹凸パターン上の膜断面形状が非対称になるのを防止
することができる。したがって、たとえばフォトレジス
ト膜のばあいには線幅制御性、パターン露光時の位置合
せ精度などを向上させることができるという効果があ
る。また、カラーフィルタ膜のばあいにはその分光特性
の均一性なども併せて向上させることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は有機物を含む微滴が形成されるようすを示す説
明図、第2a〜c図は本発明における有機薄膜の形成過程
の説明図、第3図は加熱処理を示す説明図、第4図は排
気処理を示す説明図、第5〜8図は本発明の有機薄膜の
形成装置の概略断面図、第9図は従来の有機薄膜の形成
装置の概略断面図、第10a〜c図は従来の有機薄膜の形
成装置による有機薄膜の形成過程の説明図、第11図は従
来の方法によりえられた塗膜を模式的に示す平面図、第
12a〜c図は従来の方法によりえられた塗膜の表面形状
を模式的に示す断面図である。 (図面の符号) (1):基板 (20):有機物の微粒子 (20c):有機物を含む微滴 (21):薄膜 (22):溶媒雰囲気空間 (30):チャンバ (31):有機物の微粒子導入口 (32):溶媒導入口 (33):排気口 (34):シール (35):ヒータ (36):分散用ガス導入口 (37):メッシュ (38):整流筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00 - 5/04 B01J 19/00 B05D 1/00 - 1/42 B05C 3/109 B05C 19/00 - 19/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物の微粒子と該微粒子の溶媒のガス、
    溶媒のミストならびに溶媒のガスおよび溶媒のミストの
    うちの1種とを容器内で結合させて有機物を含む微滴を
    形成し、該微滴を基板上に堆積させ、微滴に含まれてい
    る溶媒を揮発させて堆積膜を形成することを特徴とする
    有機薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】有機物の微粒子と該微粒子の溶媒のガス、
    溶媒のミストならびに溶媒のガスおよび溶媒のミストの
    うちの1種とが結合する空間を取り囲むチャンバに、有
    機物の微粒子の導入口ならびに溶媒のガス、溶媒のミス
    トならびに溶媒のガスおよび溶媒のミストのうちの1種
    の導入口が設けられ、さらに該チャンバ内に基板を保持
    するチャックが備えられた有機薄膜の形成装置。
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