JP2897036B2 - 煙道ガスから窒素酸化物を除去する方法及びその方法を実行するための装置 - Google Patents

煙道ガスから窒素酸化物を除去する方法及びその方法を実行するための装置

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、焼却場のボイラー部の中へ液剤を吹込む
ための方法に関する。特にこの発明は焼却場内で発生す
る煙道ガスから窒素酸化物を除去する方法及びその方法
を実行するための装置に関する。
(従来の技術) 窒素酸化物は化石燃料、家庭厨芥、産業廃棄物等の焼
却の際に発生する。環境保護の理由から、これらを大気
中へ自由に放出させることはできない。
すでに各種の処理方法が知られており、米国特許第39
00554号及び第4507269号を例にとれば、煙道ガス内の窒
素酸化物は、いかなる場合でも煙道ガス内に酸素が存在
するときアンモニア溶液その他の適当な還元剤を吹き込
むことによって窒素に還元される。
焼却場のどこかの場所あるいは他の場所において、ア
ンモニア、その他の適当な溶液のスプレイまたはジェッ
トによる吹込みは、従来、いわゆる2流体形ノズルを用
いて実行されてきた。つまりそのノズルによって霧化剤
が吹込み前に直接溶剤と混合されるわけである。
(発明が解決しようとする課題) 2流体形ノズルは、小滴の均一な散布と均一な浸透深
さとを保証する。これらは連続に並べて使用される。こ
の場合、それぞれのノズルは、液剤供給と霧化剤供給と
を別個にコントロールする装置が必要となる。したがっ
て、手順が極めて複雑になる。加えて、2流体形ノズル
は寸法がかなり大きいので、焼却場への据付けを妨げて
いる。特に既存の焼却場にそのようなノズルを用いる場
合、新しい環境保全の要求に適応させるのが極めて困難
で、ときには不可能となる。これらの困難性は、米国特
許4507269号で指摘されている。
2流体形ノズルによれば、霧化剤及び液剤が吹込み前
に直接混合されるので、大量の推進剤を使用することに
よって、極めて細かな小滴が得られるが、適切な反応を
得るために必要な、ボイラー部の中での小滴の数メート
ルの深さにわたる浸透は保証されない。特に大きな浸透
深さを得るためには、霧化剤の量が増大してプロセスの
経済性を低下させる。
この発明の目的は、周知の2流体形ノズルより省スペ
ース化できるノズルを用いて、焼却場のボイラー部の中
へ溶剤を吹込み、もって煙道ガスから効率良く窒素酸化
物を除去する方法および装置を提供することである。
(課題を解決するための手段・作用) 煙道ガスが炎を残して行く焼却場のボイラー部は、冷
却水が通る配管又はその他の既知の装置で冷やされた壁
によって冷却される。したがって、煙道ガスの流通方向
における温度の降下の程度は常にボイラー部でより優勢
である。ボイラー部は、連続的に燃焼室空域に隣接する
ことも、又は、1以上のラインによって燃焼空域に接続
される自身の領域を形成することもある。
前記目的は、請求項1の特定部分によって達成され
る。
驚くべきことに、霧化剤は、吹込みの直前に溶剤に加
えてはならない。すなわち、中央供給管の中の吹込みさ
れるべき液剤に、予め霧化剤を加えると、2流体形ノズ
ルを使用しないでよいことが発見された。したがって、
この発明では、霧化剤と液剤との混合物は、予め中央供
給管の一部の中に送り込まれている。中央供給管の分岐
の後に、この混合液はより細いパイプに入る。この細い
パイプは、吹込みポイントに通じ、その端末部が、たと
えば円錐状に設計される。したがって、この発明による
単一のパイプは、単流体形ノズルとして、複雑な2流体
形ノズルの代わりに吹込みポイントに使用されることに
なる。これらのパイプは、かなり細いので、既存のボイ
ラーの中の所望の場所に配置できる。たとえば、それら
は、冷却管(ボイラー管)を苦労して曲げたりせずに、
2本の冷却管の中のプレート、いわゆるフィン、の間に
挿入することができる。
単に、小滴の形成と運搬に効果がある霧化剤を加える
だけでは、複雑な2流体形ノズルを使用するよりもよい
結果を期待できない。この発明による手順と単流体形ノ
ズルの使用によって、より粗い小滴が吹込まれる。この
場合、液剤は、通常煙道ガスの流通方向に交差して吹込
まれる。
粗い小滴で吹込まれた液剤は、2流体形ノズルからの
こまかい小滴よりも表面積が明らかに小さいので、空気
抵抗も小さくなる。その結果、ある深さまで浸透するの
に必要な霧化剤も、こまかい小滴の場合よりも少量で済
む。したがって、この発明による方法によって、同量の
推進剤を使用しても、ボイラー部の中への小滴がより深
くまで浸透することが可能となる。ボイラー領域への小
滴の浸透の深さは、大きな小滴は完全に気化するまで長
くかかり、寿命と滞在時間が長いという事実によっても
増大する。
個々の小滴の容積が大きいので、還元剤内でのオーバ
ーヒートと関連の化学変化、たとえば窒素酸化物内での
アンモニアの燃焼が避けられる。この発明による方法
は、周知の方法に比べて特に温度の上限において大きな
許容値を有している。したがって、吹込み位置は、高温
度にさらされるボイラー部の奥まで配列できる。700〜1
000℃、できれば850〜950℃の温度は(その温度がクリ
チカルではなく温度の高低は許されるが)、アンモニア
による化学変化のための最良の温度と考えられている。
霧化剤の所要量の減少とは別に、この発明による方法
は、装置にかかる経費が少なく、また、2流体形ノズル
の複雑さとは別に、関連制御部材に対してもそれらの供
給ラインを省略できる。
この発明による方法を実行するための装置は、特許請
求項7による特徴を有している。
この装置には、在来型の配管、ライン、遮断装置、及
び制御器が使用される。単流体形ノズルは、本質的に特
殊の形の端末領域を持つパイプである。パイプの端末領
域は、円形ジェットが吹込まれるように円錐状の先細形
にされる。それらは、また、裂け目の付いた扇形ノズル
のような設計もできる。同じ装置が、円形ジェットノズ
ルと、扇形ノズルの双方とも持つことができる。円形ジ
ェットノズルと扇形ノズルを交互に配列することもでき
る。
比較的大量の液剤を運ぶ中央供給管と個々の吹込みポ
イントとの間に、数箇所の分岐点があってもよい。加え
て、各遮断装置は、個別的にも1群としても、たとえば
個々のレベルで、作動できるように設計される。結果的
に、たとえば、焼却されるべき資材又は焼却場の状態を
変更するとき、許容値は、吹込みポイントの選択によっ
てボイラー部の温度差について定めることががきる。
市販のアンモニア溶液、たとえば25%溶液は、通常こ
の発明による方法に使用できる。またボイラー部の温度
においてアンモニアを生成する、炭酸アンモニウム、蟻
酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、又は尿素のような
アンモニウム塩も使用できる。
圧縮空気又は圧縮蒸気は、小滴の形成と運搬に影響す
る霧化剤として使用される。たとえばおよそ3.5〜4バ
ールの圧縮蒸気及び約6バールの圧縮空気で作動するこ
とができる。
この発明による方法を行ったのちに、生成された蒸気
が凝縮するが、収集された液剤は、まだ未作用の還元剤
を含んでいるので既知のプロセスによって処理されるか
又は焼却場内でリサイクルを行うことができる。
(実施例) 以下、本発明を図にもとづいて説明する。
円形ジェットノズルとして設計されている、第1a図及
び第1b図に示す単流体形ノズル1は、軸孔3を有するパ
イプ5を備え、その入口側端7にフランジ9を付設し、
その出口側端11にボイラーの内部へ流体を吐出するため
の円形開口部13を形成している。軸孔3は、フランジ9
に続く長い第1の円筒状領域15、領域15に隣接する、流
れの方向に先き細の短い円錐状領域17及び領域17に続
く、第2の円筒状領域19からなる3領域を有している。
第2の円筒状領域19は第1の円筒状領域15よりも短く、
円錐状領域17よりは長い。フランジ9は供給管(図示せ
ず)に接続する。
作動時に、供給管を通りノズル1に入る液剤と霧化剤
との混合物は、第1の円筒状領域15を通過し、短い円錐
状領域17で加速されて第2の円筒状領域19を通過したの
ち、円形開口部13から多数の小滴からなる円形ジェット
ノズルとしてボイラー(図示せず)の内部に吹込まれ
る。
扇形ノズルとして設計された、第2a図及び第2b図に示
す単流体形ノズル21は、前出同様に軸孔3とフランジ9
とを有するパイプ5を備えている。軸孔3の最初の2領
域である15及び17は第1a図及び第1b図に示すものと同一
である。3番目の領域すなわち第2の円筒状領域は、め
くら孔23として設計されている。この単流体形ノズル21
は、裂け目状に形成された出口25で終端とされ、そこを
通った流体が多数の小滴からなる扇形ジェットとしてボ
イラーの内部に吹込まれる。
円形ジェットノズル及び扇形ジェットノズルはどのよ
うな組合わせてもよいが、交互に配列するほうが適切で
ある。
第3図には、冷媒が流れる2つのボイラー管27と29が
示されている。2つのボイラー管27と29は、フィンとし
ても働く金属板31によって相互に接続されている。金属
板31を単流体形ノズル33が貫通し、その出口開口部35が
ボイラー部の内部37内に突き出している。この発明の単
流体形ノズルは、ボイラー管の間の狭い領域になんら問
題なく設置されるので、このノズルを使用すれば、既存
の焼却場でも、経済的で安全な方法で運転できる。
個々のプロセスのパラメータ及び包含される装置のデ
ザインの双方は、有能な技術者がその識能の範囲内でそ
の改変を行うことができる。特に、この発明では、アン
モニア溶液を、アンモニアを水又は水溶液の中に導くこ
とにより焼却場内に準備しておくことができる。
次に表に本発明の具体的実施例を示す。これら具体的
実施例は、家庭厨芥の焼却場を対象に行ったもので、何
れの場合も、煙道ガスから窒素酸化物が効率よく除去さ
れている。
ジェット吹込み又はスプレイ吹込みは、いわゆる第一
通路内の燃焼室内で起きる。もちろんスプレイ吹込みは
別の場所でも起き得る。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明の方法によれ
ば、液剤をより粗い小滴として吹込むので、液剤をボイ
ラー部の中へ奥深くまで浸透させること可能になるばか
りか、還元域に液剤を長時間滞在させ、あるいは液剤の
燃焼を抑制することが可能になり、効率的に窒素酸化物
を除去でき、しかも、霧化剤の使用量も少量で済む効果
がある。
また本発明の装置によれば、構造簡単で、きわめて小
型となり、隣接するボイラー管の間の狭い領域に円滑に
ノズルを挿入することができると共に、ボイラー管同士
を接続する既存のフィンを利用して簡単にノズルを設置
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、この発明による方法を実行するための単流体
形ノズルの側面図であり、部分的に断面が示されてい
る。 第1b図は、第1a図に示すノズルの平面図である。 第2a図は、この発明による方法を実行するための改良さ
れた単流体形ノズルの側面図であり、部分的に断面が示
されている。 第2b図は、第2a図に示すノズルの平面図である。 第3図は、焼却場のボイラーの内部における単流体形ノ
ズルの平面図である。 各図に示されるものと同じ要素は、同じ参照数字で示さ
れる。 1,21,33……単流体形ノズル、3……軸孔、5……パイ
プ、7……入口側端、11……出口側端、13……円形開口
部、15……長い円筒状領域、17……円錐状領域、19……
短い円筒状領域、25……裂け目状出口、27,29……ボイ
ラー管、31……金属板

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却場のボイラー部へアンモニア溶液及び
    /又はボイラーの温度でアンモニアを発生する化合物溶
    液からなる液剤を吹込むようにし、この吹込みに際して
    は、各吹込みポイントに液剤を分岐する前に、液剤のた
    めの中央供給管の中にガス状圧縮霧化剤を常に一定量導
    入し、該液剤を煙道ガスの流通方向に交差して吹込む、
    煙道ガスから窒素酸化物を除去する方法。
  2. 【請求項2】圧縮空気又は圧縮蒸気を霧化剤として使用
    する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】ボイラー部分の中への吹込み場所を、ボイ
    ラー部分の温度分布にしたがって制御する、請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】吹込まれる液剤のための中央供給管、前記
    中央供給管の中にガス状圧縮霧化剤を供給するための配
    管、及び各吹込みポイントに配され前記中央供給管に分
    岐管で接続する単流体形ノズルを備え、該単流体形ノズ
    ルを、ボイラー管同士を接続する、フィンとして機能す
    る金属板に挿入した、請求項1〜3の何れか1つに記載
    の方法を実行するための装置。
  5. 【請求項5】単流体形ノズルが円錐状、又は段階状に先
    き細にされたパイプからなる円形ジェットノズルとして
    設計された、請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】単流体形ノズルが扇形ノズルとして設計さ
    れた、請求項4に記載の装置。
  7. 【請求項7】個別に又は1群として操作される遮断装置
    が中央供給管と吹込みポイントの間の分岐管の中に用意
    される請求項4〜6の何れか1つに記載の装置。
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