JP2896812B2 - 高濃度パルプ搬送器及び搬送方法 - Google Patents

高濃度パルプ搬送器及び搬送方法

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JP2896812B2 JP8507588A JP50758896A JP2896812B2 JP 2896812 B2 JP2896812 B2 JP 2896812B2 JP 8507588 A JP8507588 A JP 8507588A JP 50758896 A JP50758896 A JP 50758896A JP 2896812 B2 JP2896812 B2 JP 2896812B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、高濃度（即ち、20％以上の）毛羽立て（fl
uffed）パルプと接触するガス状漂白試薬を使用する木
材パルプの漂白プロセス、特にパルプの搬送プロセスに
おいて破砕パルプを下流の容器又は装置にガスシールし
て搬送する手段、に関する。
〔背景技術〕
オゾンやその他の高い反応速度をもつガスといったガ
ス状試薬による木材パルプの漂白は、避けるべき流水や
下水道施設へのパルプ工場排出水を大きく減らし、また
避けるべきガスの排出を大きく減らすことを可能にす
る。漂白工程から塩素化合物を排除することは、大きな
経済的かつ生態学的利点をもたらす。しかしながら、こ
れらの漂白試薬の導入は、高価で一般的に維持に手間の
かかるパルプ搬送装置を使用するため、パルプ工場に大
きな投資コストを課すことになる。
例えばカールスミス（Carlsimth）らの米国特許第
（3,814,664号に記述された如きベッド型反応器を使用
する場合、容器圧を通常大気圧で運転される濃縮装置に
対してシールしながら、パルプを毛羽立て器に供給する
には高濃度紙料用ポンプが必要となる。ホワイト（Whit
e）らの米国特許第5,174,861号、第5,211,811号及び第
5,188,708号に記述された別の方法においては、容器圧
を大気圧で運転される濃縮装置に対してシールしなが
ら、パルプを毛羽立て器に輸送するためにスクリュ型給
送装置が使用される。ステーク・テクノロジー社（Stak
e Technology,Ltd.）の仏国特許第2,378,125号では、30
0ポンド／平方インチの蒸気媒体圧力で運転される動物
飼料生産用加圧蒸解釜、パルプ用蒸解釜、等の加圧され
た容器にリグニンセルロース繊維素材（例えば、木材チ
ップ、藁又はバガス）を供給する方法が開示されてい
る。このプロセスは、加圧された容器に隣接する所定長
さの導管内で材料を少くとも45ポンド／立方フィートの
密度に圧縮する工程を含む一方、その間に自然の湿分を
維持したまゝ、圧縮された材料を導管内を押し進めその
先端部を容器内に投入する。こうして、導管の所定の長
さにおいて圧縮された材料は閉じられた詰め物状となり
加圧された媒体が容器から導管へ漏出することを防止す
る。
〔発明の開示〕 本発明の目的は、高濃度紙料用ポンプ、スクリュ型給
送装置或はその他の高価かつ手間のかかる装置の使用を
必要とせずに濃縮装置から下流の容器に破砕パルプをガ
スシールドして搬送する効率の良いかつ安価な手段を開
示することである。
特に、本発明の目的は、パルプ入口とパルプ出口を有
するパルプ搬送器を備え；前記搬送器は前記入口と出口
にのみ開口を有し；導管手段が前記入口に破砕パルプを
受入れるために前記入口に連なり；前記搬送器は入口に
受入れられた破砕パルプを前記入口と出口間において実
質的に効果のある並進的なガスシール材に変形させる手
段を備え；てなることを特徴とする破砕パルプをガスシ
ールして搬送する手段を提供することである。
前記の及び更なる本発明の目的及び特徴は、付随する
図面と共に以下の説明を参照することにより明白となろ
う。
〔図面の簡単な説明〕
図１は、本発明の実施の形態による破砕パルプ搬送手
段の略式線図である。
図２は、図１のパルプ搬送器の別の実施の形態の線図
である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
パルプのガス相漂白において、パルプは先ず濃縮装置
において高濃度、即ち20％以上、に濃縮される。濃縮装
置の例として、パルプを破断／破砕式搬送器（示されて
いない）に放出するツィンロールプレス（示されていな
い）を挙げることができる。破砕パルプの出所に拘わら
ず、その供給源を図１における矢印10で示す。供給され
た破砕パルプは、パルプ搬送器16の入口14に開口により
連なる導管12に導入される。搬送器16は入口14の反対側
の端部に出口18を有しており、かつ、入口14と出口18の
みが搬送器16の開口をなしている。その他には搬送器は
壁による通路をなしている。搬送器16の内部には、スク
リュ24を有する軸22がモータ20により回転支持されてい
る。スクリュ24は搬送器16の長さより短い長さを有し、
スクリュ24の一端は入口14に並んだ位置にある。スクリ
ュ24の先端26は出口18から離れている。破砕パルプは導
管12から入口14に導入されて、回転自在のスクリュ24に
より搬送器16に沿って移動される。結果として、導入さ
れたパルプはスクリュ24の下流において多孔性の詰め物
状パルプを形成するようになる。通常パルプのガス相漂
白において、搬送器16の下流には毒性又はその他の避け
るべきガス状試薬を含む容器がある。従って、これらの
ガスが搬送器16を通って洩れ出て大気に放出されないよ
うにすることが重要である。運転条件の下では、スクリ
ュ24と搬送器16により形成された多孔性の詰め物状パル
プはシール媒体として働く。連続的に導入される破砕パ
ルプは連続的に移動する詰め物状パルプに変形されて出
口18に向って進み、こうして下流のガスの反対方向への
移動を抑制している。
オプションとして、出口18にはそこからオゾン接触器
に連通する仮想線で示された直下の排出導管27を設ける
ことができる。またプロセス上の要件によりパルプを更
に破砕し毛羽立てる必要のある時は、出口に破砕用又は
毛羽立て用装置28（仮想線で示されている）を設けるこ
とができる。それからパルプは導管30（仮想線で示され
ている）を介して下流の反応容器に導入される。
上述のように、詰め物状パルプが搬送器16内を連続的
に移動する動力学的条件の下では、連続的に形成され移
動する詰め物状パルプが搬送器の両端、即ち入口14と出
口18の間の必要なガスシール材として働く。しかしなが
ら、システムを停止して詰め物状パルプの前進が止まる
と、停止した詰め物状パルプを通ってガスが抜け出し大
気中に放出されることがある。本発明はこの事に対処す
る手段を包含する。ガスシールの信頼性を保持するた
め、本発明においては、シールする搬送器16に対し下流
の圧力に比べて若干高い圧力付与を維持するために酸素
又は下流プロセスに不活性なその他の適当なガスを比較
的少量加える調整手段を導入する。図１に示された如
く、例えば酸素源32が調整バルブ34を介して導管12に連
通されている。こうして少量のガスが多孔性の詰め物状
パルプを通過して下流工程に流れるが、ガス（酸素、そ
の他のガス）の量及び種類は下流工程に悪影響を及ぼす
程ではない。この機能は入口14における圧力を下流プロ
セスの運転圧力と同じ又はそれ以上に自動調整すること
により達成される。例えば本発明においては、上流の圧
力を下流プロセスの圧力よりも1/10〜5psig高く維持し
ている。この実施の形態では、前記圧力調整は入口14と
出口18を途中に差圧調整器38を有する圧力検知ライン36
により結ぶことによって達成される。差圧調整器38は運
転管理のためバルブ34に連絡されている。
図２は別の実施の形態としてのパルプ搬送器16′を示
す。ここにおいて、スクリュ24を有する軸22′が搬送器
の出口端（並びにその入口端）において支承されてい
る。軸22′の遠端即ち下流端の周辺には直角に配された
複数の破断用バー40が設けられている。バー40はパル
プ、特に詰め物状パルプ、を更に破断させ、パルプの出
口18からの通過を容易にする。
本発明によれば、従来の高コストで維持の手間のかか
る容積式給送器を簡単かつ安価な搬送器型スクリュ24で
代替することができる。更に本発明によれば、従来の給
送装置においてパルプが受ける圧縮力を多孔性詰め物状
パルプにおける最少の圧縮力に減少させる。当業界の熟
練者には圧縮力の減少又は除去は下流装置において得ら
れる毛羽立て品質を実質的に改善し、それによって下流
プロセスに必要とされる反応用ガスの量を減少させるこ
とを理解しよう。
本発明の教示によれば、上記の如きシステムにおいて
維持の手間のかかる高コストの装置を除去し、下流の毛
羽立て及び反応システムの性能を高めながらそれにより
コストを下げシステム性能を改善することが可能であ
る。
特定の実施の形態をもって本発明を説明したが、これ
は例示によってのみ説明されたものであり、本発明の目
的及び付随する請求の範囲に述べられた本発明を制限す
るものとして理解してはならない。本発明の恩恵を受け
る人は、パルプを下流の容器又は装置に放出する前に破
砕パルプを過度に圧縮せずに搬送すること及びガス状試
薬又はその類似物が搬送器16を通過して上流側に洩れ出
ないようにパルプを搬送することに複数の方法のあるこ
とが理解されよう。第一の方法としては、スクリュ24の
前方に形成される詰め物状パルプが搬送器16内の必要な
ガスシールを正しく行うだけの充分な長さを有するよう
に搬送器16とそれと協働するスクリュ24を設計すること
が必要である。
次に、加圧用ガス（酸素、その他）の源泉32、ライン
36、調整バルブ34及び調整器38の採用は、停止時に搬送
器16から入口14に向うガス洩れを防止することが必要と
なった時に有用な手段と見られているが、もしも搬送器
16を通るガス洩れを防止するのに充分な長さの詰め物状
パルプを形成できない短い長さの搬送器16を使用せざる
を得ない場合には、システムの不可分の一部として差圧
を加えることが可能である。この場合は勿論のことであ
るが、ガス源32がシステム運転中常に入口14に対して連
続的に若干高い圧力を提供することができる。更に停止
時に入口14の圧力を上げることが必要であれば、差圧付
与機構がこれを正しく達成することができる。これらの
運転方法はすべて本発明に包含され、付随する請求の範
囲内のものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) D21C 9/10,7/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】入口（14）と出口（18）を有し搬送域とガ
    スシール域をもつハウジング； 前記ハウジングの搬送域内にあって一方端を前記入口
    （14）と並んだ位置に有し他方の先端（26）を前記出口
    （18）から離れた位置に有する前記ハウジング内に回転
    自在に設けられた単スクリュ型搬送器（24）； パルプをガス相漂白操作中に搬送している間、前記出口
    （18）から前記入口（14）へのガス流れを防止する手
    段；を備え、 前記ガス流れ防止手段は前記単スクリュ型搬送器（24）
    によりその下流の前記ハウジングのガスシール域内に形
    成された移動する詰め物状パルプを有し； 前記ハウジングのガスシール域は前記詰め物状パルプを
    破砕する手段を有しておらず； 前記移動する詰め物状パルプは、前記出口（18）から前
    記入口（14）へのガスの流れを防止するための、前記ハ
    ウジングの出口（18）から前記搬送器（24）の先端への
    間隔により決められる所定の流さを有し； 前記ハウジングは前記ガスシール域と前記出口（18）に
    流体連通する詰め物状パルプ破断域を更に有し； 前記ハウジングの詰め物状パルプ破断域内に回転自在に
    設けられたパルプ破断器（40）を更に備え； 前記パルプ破断器（40）は前記搬送器（24）の先端から
    離れて実質的に前記ハウジングの出口（18）に並んだ位
    置にある； ことを特徴とする木材パルプの気相漂白プロセスで用い
    るための高濃度パルプ搬送器。
  2. 【請求項２】前記ハウジングは第一端と第二端を有し、
    前記スクリュ型搬送器（24）は前記ハウジングのガスシ
    ール域を通って延び前記ハウジングの第一端と第二端に
    おいて支承された軸（22′）を有してなることを特徴と
    する請求の範囲１に記載された高濃度パルプ搬送器。
  3. 【請求項３】入口（14）と出口（18）を有し搬送域とガ
    スシール域を含む少なくとも２領域に分けられたハウジ
    ング； 前記ハウジングの搬送域内にあって一方端を前記入口
    （14）と並んだ位置に有し他方の先端（26）を前記出口
    （18）から離れた位置に有する前記ハウジング内に回転
    自在に設けられた単スクリュ型搬送器（24）； パルプをガス相漂白操作中に搬送している間、前記出口
    （18）から前記入口（14）へのガス流れを防止するガス
    流れ防止手段；を備え、 前記ガス流れ防止手段は前記単スクリュ型搬送器（24）
    によりその下流の前記ハウジングのガスシール域内に形
    成された移動する詰め物状パルプを有し； 前記ハウジングのガスシール域は前記詰め物状パルプを
    破砕する手段を有しておらず； 前記移動する詰め物状パルプは、前記出口（18）から前
    記入口（14）へのガスの流れを防止するための、前記ハ
    ウジングの出口（18）から前記搬送器（24）の先端への
    間隔により決められる所定の長さを有し； 前記ハウジングの入口（14）と前記ハウジングの出口
    （18）の間に圧力差を形成する手段を更に備え； 前記圧力形成手段は、前記ハウジングの入口（14）と前
    記ハウジングの出口（18）と連通しその間に差圧調整装
    置（38）を有する圧力検知ライン（36）と； 前記差圧調整装置（38）に連絡された調整バルブ（34）
    を含み、前記ハウジングの出口（18）内の圧力に比べて
    より高い前記ハウジングの入口（14）内の圧力を維持す
    るように前記入口（14）へのガスの供給を調整する手
    段； を有してなることを特徴とする木材パルプの気相漂白プ
    ロセスで用いるための高濃度パルプ搬送器。
  4. 【請求項４】入口（14）と出口（18）を有し搬送域とガ
    スシール域を含む少くとも２領域に分けられたハウジン
    グ； 前記ハウジングの搬送域内に回転自在に設けられたスク
    リュ型搬送器であって、ガス相漂白操作中、前記スクリ
    ュ型搬送器の排出部において詰め物状パルプを形成し前
    記詰め物状パルプを前記ハウジングのガスシール域に排
    出するスクリュ型搬送器（24）を含み、前記ハウジング
    の搬送域内にあって、ガス相漂白操作中、移動する詰め
    物状パイルプを形成する形成手段； 前記詰め物状パルプを破砕する手段を有しておらず、か
    つ、ガス相漂白操作中に搬送している間、前記ガスシー
    ル域における前記詰め物状パルプの長さにより前記出口
    （18）から前記入口（14）へのガスの流れを防止するガ
    スシール詰め物を形成するように所定の長さを有する前
    記ハウジングのガスシール域を含み、前記ガスシール域
    内にあって前記形成手段から前記出口（18）に向って所
    定の距離を有する前記移動する詰め物状パルプを破砕せ
    ずにこれを搬送する搬送手段；及び 前記ハウジング入口（14）と前記ハウジング出口（18）
    の間に圧力（38）を形成する圧力形成手段；を備え、 同圧力形成手段は、前記ハウジング入口（14）と前記ハ
    ウジング出口（18）の間の差圧を検知する手段；及び前
    記ハウジング出口（18）内の圧力に比べてより高い前記
    ハウジングの入口（14）内の圧力を維持するように前記
    により検知された差圧に基いて前記ハウジングの入口
    （14）へのガスの供給を調整する手段； を備えてなることを特徴とする木材パルプの気相漂白プ
    ロセスで用いるためのパルプ搬送器。
  5. 【請求項５】入口（14）と出口（18）を有し搬送域とガ
    スシール域を含む少くとも２領域に分けられたハウジン
    グ内において、前記ハウジングの搬送域内に回転自在に
    設けられたスクリュ型搬送器（24）により、 前記スクリュ型搬送器に高濃度パルプを供給し； 前記スクリュ型搬送器を回転させて前記スクリュ型搬送
    器の排出部に詰め物状パルプを形成し； 前記スクリュ型搬送器から前記出口（18）に向って所定
    の距離に亘って前記ハウジングのガスシール域を通って
    前記詰め物状パルプを破砕せずにこれを移動させること
    により、前記出口（18）から前記入口（14）へのガスの
    流れを防止し、かつ、 前記ハウジング入口（14）と前記ハウジング出口（18）
    の間に圧力を形成し； 前記圧力を形成する工程が前記ハウジングの入口（14）
    と前記ハウジングの出口（18）の間の差圧を検知（36）
    し；前記ハウジングの出口（18）内の圧力に比べてより
    高い前記ハウジングの入口（14）内の圧力を維持するよ
    うに前記により検知された差圧に基いて前記ハウジング
    の入口（14）へのガスの供給を調整する； 工程を備えてなることを特徴とする木材パルプの気相漂
    白方法においてハウジング内でパルプを搬送する方法。
  6. 【請求項６】入口（14）と出口（18）を有し搬送域とガ
    スシール域を含む少くとも２領域に分けられたハウジン
    グ内において； 前記ハウジング内に単スクリュ型搬送器（24）を回転自
    在に設け； 前記スクリュ型搬送器（24）の一方端を前記ハウジング
    の入口（14）と並んだ位置に配し、前記スクリュ型搬送
    器（24）の他方の先端を前記ハウジングの出口（18）か
    ら離れた位置に配するように前記スクリュ型搬送器（2
    4）を前記ハウジングの搬送域内に配し； 前記スクリュ型搬送器（24）に高濃度パルプを供給し； 前記スクリュ型搬送器（24）を回転させて前記スクリュ
    型搬送器（24）の排出部に詰め物状パルプを形成し； 前記ハウジング内をシールする； 工程を備え； 前記のシールする工程は、前記ハウジングのガスシール
    域において前記詰め物状パルプを破砕せずに前記パルプ
    を移動させ；前記ハウジングの出口（18）に対して前記
    搬送器の先端の位置を選択的に決める工程を含み、ガス
    相漂白操作中、前記出口（18）から前記入口（14）への
    ガスの流れを防止するための前記詰め物状パルプの所定
    の長さを形成する； 工程を備えてなることを特徴とする木材パルプの気相漂
    白プロセスで用いるためのパルプの搬送方法。
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