JP2896281B2 - 乾溜炉におけるタイヤ搬送装置 - Google Patents

乾溜炉におけるタイヤ搬送装置

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JP2896281B2
JP2896281B2 JP4360438A JP36043892A JP2896281B2 JP 2896281 B2 JP2896281 B2 JP 2896281B2 JP 4360438 A JP4360438 A JP 4360438A JP 36043892 A JP36043892 A JP 36043892A JP 2896281 B2 JP2896281 B2 JP 2896281B2
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達家 武藤
尚之 武田
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/141Feedstock
    • Y02P20/143Feedstock the feedstock being recycled material, e.g. plastics

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ、特に、廃タイ
ヤを熱分解処理する乾溜炉に用いられ、この乾溜炉に廃
タイヤを投入するためのタイヤ搬送装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車の普及に伴い、使用済みの廃タイ
ヤの排出量も増加傾向にあるが、この廃タイヤは産業廃
棄物としてその処理方法が制限されている。
【0003】そして、その処理方法の一つとして、従来
では、前記廃タイヤを乾溜炉によって熱分解することが
行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、廃タイヤ
は、通常、ホイールが取り外されたのちに野積みされ、
雨ざらしの状態で保管され、内部に雨水等が入り込みや
すい環境下に置かれている。このように、内部に雨水等
を蓄えた状態で乾溜炉内に投入すると、高温雰囲気中に
水等を投入する結果となり、最悪の場合、水蒸気爆発を
起こして乾溜炉の破損につながることが想定される。
【0005】したがって、乾溜炉によって廃タイヤを熱
分解処理する場合には、廃タイヤの乾溜炉への投入に先
立って、内部の水抜きを行う必要が生じる。しかしなが
ら、廃タイヤの内周の開口部は大きく絞り込まれた形状
となされていることから、雨水等の抜き取りが難しく、
かつ、廃タイヤ自体の重量が大きいことから、その作業
が煩雑なものとなっている。
【0006】また、廃タイヤは、前述したようにホイー
ルが取り除かれた状態で保管されることが通常である
が、何らかの手違い、あるいは、検査ミス等により、中
には、ホイールが装着されたままで搬入されるものもあ
る。
【0007】一方、この廃タイヤは、トラクターショベ
ル等により、多数個一括して搬送コンベアー等に投入さ
れるから、一旦、ホイールが装着された廃タイヤが受け
入れられると、乾溜炉へ投入する過程において選別する
ことは極めて困難な作業となっている。
【0008】そして、ホイールが乾溜炉へ投入される
と、タイヤが熱分解されたあとにホイールが残り、この
ホイールによって炉床が傷つけられたり、あるいは、乾
溜炉の炉床部分から残渣(未熱分解物質)を排出する残
渣排出機構に損傷を与えたり、さらには、廃タイヤの熱
分解処理によって排出されるワイヤを切断するために設
けられているワイヤ切断機へ投入されてしまうと、この
ワイヤ切断機の切断刃やその他の構成部材を破損するこ
とが想定される。
【0009】したがって、従来においては、前述の不具
合への対処が望まれており、本発明は、このような不具
合への対処が可能な乾溜炉におけるタイヤ搬送装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
タイヤ搬送装置は、特に、ホッパーから引き出されたタ
イヤが投入されるとともに、この投入されたタイヤに振
動を与えつつ搬送する揺動機構と、この揺動機構の下流
側に設けられ、搬送されるタイヤにホイールが装着され
ているか否かを判別するホイール検出手段と、このホイ
ール検出手段からの検出信号に基づき、ホイールが装着
されているタイヤを搬送経路から除去する異物排除機構
とを備えていることを特徴とする。
【0011】請求項2記載のタイヤ搬送装置は、請求項
1において、揺動機構には、その上面にタイヤの搬送経
路を形成するとともに、この搬送経路を下流側に行くに
したがい狭めることにより、前記タイヤを一列に整列さ
せるガイド部材が設けられていることを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載のタイヤ搬送装置は、
請求項1において、異物除去機構が、前記タイヤの搬送
方向に沿って配設され、かつ、前記搬送方向に沿った軸
線周りに回動自在に設けられた一対の平行な支持部材
と、これらの各支持部材に回転自在に装着され、かつ、
前記搬送方向と直交する方向に沿って配設されるととも
に前記搬送方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の
ローラーと、前記各支持部材を回動させることにより、
これらの各支持部材に取り付けられている前記ローラー
を下方へ向けて揺動させるアクチュエーターとからなる
ことを特徴とする。さらに、請求項4記載のタイヤ搬送
装置は、請求項1において、異物除去機構が、前記タイ
ヤの搬送方向に沿って配設された一対の平行な支持部材
と、これらの各支持部材間に掛け渡されてこれらの支持
部材に回転自在に支持されるとともに、前記搬送方向に
間隔をおいて設けられた複数のローラーと、前記両支持
部材を下方へ向けて一体的に回動させるアクチュエータ
ーとからなることを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の乾溜炉におけるタイヤ搬送装置
においては、ホッパーから引き出されたタイヤが、揺動
機構へ投入されると、この揺動機構により投入されたタ
イヤが揺すられながら下流側へ送り込まれる。そして、
揺動機構を通過させられる間の前述した揺動作用によ
り、タイヤとその内部の雨水等とに相対的な運動が与え
られ、これによって、前記雨水等がタイヤの外部へ排出
される。
【0014】前記揺動機構によって雨水等の除去がなさ
れたタイヤは、この揺動機構から排出されたのちにホイ
ール検出手段へ対向させられ、このホイール検出手段に
よってホイールの有無が検出される。
【0015】前記ホイール検出手段においてホイールが
装着されていることが検出されると、その検出信号に基
づき、異物排除機構が作動させられて、前記ホイールが
装着されているタイヤが搬送経路外へ排出される。
【0016】請求項2記載の乾溜炉におけるタイヤ搬送
装置においては、揺動機構に設けられたガイド部材によ
ってタイヤが案内されつつ搬送されるとともに、前記ガ
イド部材によって形成される搬送経路が、搬送方向の下
流側に行くにしたがって狭められていることにより、搬
送方向幅方向に広がっているタイヤが漸次一列状態に整
列される。
【0017】したがって、タイヤは、揺動機構からホイ
ール検出手段へ向けて、一列状態で送り込まれる。
【0018】また、請求項3記載の乾溜炉におけるタイ
ヤ搬送装置は、ホイール検出手段からの検出信号により
アクチュエータが作動させられて各支持部材が逆方向に
回動させられることにより、各支持部材に設けられた複
数のローラーが下方へ向けて揺動させられ、これによっ
て支持部材間が観音開き状に大きく開放され、前記ロー
ラーによって支持されていたタイヤが下方へ落下させら
れて搬送経路外へ排出される。
【0019】そして、このような異物除去機構の構成と
することにより、タイヤがほぼ水平状態のまま下方へ落
下させられる。
【0020】さらに、請求項4記載の乾溜炉におけるタ
イヤ搬送装置は、ホイール検出手段からの検出信号によ
りアクチュエータが作動させられて一対の支持部材がそ
の平行状態を保持ししたまま下方へ向けて回動させられ
ることにより、両支持部材間に設けられた複数のローラ
ーが下方へ向けて揺動させられる。これによって搬送経
路の途中が大きく開放され、前記ローラーによって支持
されていたタイヤが下方へ落下させられて搬送経路外へ
排出される。
【0021】そして、このような異物除去機構の構成と
することにより、タイヤがほぼ鉛直に近い状態で下方へ
落下させられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。 (第1実施例)まず、本発明の第1実施例を図1ないし
図3に基づき説明すれば、図1および図2中、符号1で
示すタイヤ搬送装置は、乾溜用のタイヤTが投入される
ホッパー2と、このホッパー2から引き出されたタイヤ
Tが投入されるとともに、この投入されたタイヤTに振
動を与えつつ搬送する揺動機構3と、この揺動機構3の
下流側に設けられ、搬送されるタイヤTにホイールが装
着されているか否かを判別するホイール検出手段4と、
このホイール検出手段4からの検出信号に基づき、ホイ
ールが装着されているタイヤTを搬送経路から除去する
異物排除機構5とを備えた概略構成となっている。
【0023】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記ホッパー2は、一端側上部に投入口2aを、ま
た、他端側上部に排出口2bを備えており、底部には、
ホッパー2のほぼ全長に亙ってベルトコンベアー6が配
設されている。
【0024】前記ベルトコンベアー6は、前記ホッパー
2の一端側の底部に回転自在に設けられた従動ローラー
7と、ホッパー2の前記排出口2b近傍に回転自在に配
設された駆動ローラー8とに卷回されて配置されてお
り、この駆動ローラー8が前記ホッパー2の他端側上部
に配設された駆動モーターMによって回転駆動させられ
ることにより、上部に投入されたタイヤTを前記排出口
2bへ搬送し、かつ、この排出口2bからホッパー2の
外部へ落下させるようになっている。
【0025】前記揺動機構3は、前記ホッパー2の排出
口2b側の近傍に搬送方向に間隔をおいて立設された一
対の支持脚9を備え、これらの支持脚9の上端部に揺動
自在に装着された2組の揺動アーム10・11と、これ
らの揺動アーム10・11の揺動側の端部に回動自在に
取り付けられた揺動プレート12と、この揺動プレート
12の下方で、かつ、前記支持脚9の間に設けられた駆
動モーター13と、この駆動モーター13の出力軸に径
方向に突出するように一体に取り付けられ、かつ、その
突出端に前記揺動プレート12が回転自在に連結された
クランクアーム14とによって構成されており、前記陽
動プレート12は、その下流側の端部が上流側の端部よ
りも下方となるように、若干傾斜した状態に保持されて
いる。
【0026】また、前記揺動プレート12の上面には、
図2に示すように、投入されたタイヤTを案内するため
の搬送経路を形成する一対のガイド部材15が、揺動プ
レート12の両側面に沿って設けられており、これらの
両ガイド部材15は、揺動プレート12の下流側の端部
近傍において、前記搬送経路を漸次狭めるように揺動プ
レート12の内側へ向けて傾斜させられており、その最
も狭い位置における両ガイド部材15の間隔が、前記タ
イヤTが1個通過し得るような寸法に設定されている。
【0027】前記揺動機構3の下流側には、前記揺動プ
レート12の下流側の端部下方に一部が重畳させられ
て、前記揺動プレート12から排出されるタイヤTが送
り込まれるローラーコンベアー16が配設されており、
このローラーコンベアー16の上方に、前記ホイール検
出手段4が配設され、また、前記ローラーコンベアー1
6の、前記ホイール検出手段4と対向する位置に、前記
異物除去手段5が設けられている。
【0028】前記ホイール検出手段4は、例えば、非接
触式の金属センサーであり、図1に示すように、前記ロ
ーラーコンベアー16の側部に立設された支持脚17に
よって、ローラーコンベアー16の所定位置の上方に固
定されている。
【0029】前記異物除去機構5は、図3に示すよう
に、タイヤTの搬送方向に沿って配設され、かつ、個の
搬送方向に沿った軸線周りに回動自在に設けられた一対
の平行な支持部材18と、これらの各支持部材18に回
転自在に装着され、かつ、前記搬送方向と直交する方向
の沿って配設されるとともに全規範双方向に沿って間隔
をおいて設けられた複数のローラー19と、前記各支持
部材18を回動させることにより、これらの各支持部材
18に取り付けられている前記ローラー19を下方へ向
けて揺動させるアクチュエーター20とによって構成さ
れている。
【0030】さらに詳述すれば、前記各支持部材18
は、タイヤTの搬送方向に所定間隔をおいて配設され、
適宜の固定構造物Bに固定されたブラケット21にピン
22を介して回動自在に支持されている。
【0031】前記アクチュエーター20は、油圧あるい
は空圧等の流体によって作動させられる流体圧シリンダ
ーが用いられ、その一端部が適宜の固定構造物Cにブラ
ケット23を介して回動自在に連結されているととも
に、他端部が、前記支持部材18にピン24を介して回
動自在に連結されている。
【0032】また、前記ローラー19は、片持ち状態で
前記両支持部材18の対向面側に突出するようにこの支
持部材18に回転自在に取り付けられており、図3に示
すように、前記アクチュエーター20によって水平に位
置させられた状態において、各支持部材18に取り付け
られたローラー19どうしがほぼ同軸となされて、前記
ローラーコンベアー16を一部を構成するようになって
いる。
【0033】また、アクチュエーター20によって支持
部材18が下方へ向けて回動させられることに伴って、
図3に矢印で示すように、前記各ローラー19が下方へ
向けて揺動させられることにより、観音開き状に搬送経
路を大きく開放するようになっている。
【0034】そして、前記アクチュエーター20の作動
は、前記ホイール検出手段4によって検出される信号に
基づき、制御ユニット(図示略)によって行われる。
【0035】このような異物除去機構5の下方には、図
1および図2に示すように、この異物除去機構5によっ
て排出されたタイヤTを受けとめて排出する排出コンベ
アー25が設けられている。
【0036】さらに、前記ローラーコンベアー16の下
流側には、このローラーコンベアー16から排出される
タイヤTを乾溜炉(図示略)へ送り込むベルトからなる
投入コンベアー26が設けられている。
【0037】ついで、このように構成された本実施例の
作用について説明する。まず、収容されたタイヤTの複
数個をトラクターショベル等によってストックヤードか
ら取り込み、ホッパー2内へその投入口2aを介して投
入する。
【0038】このようにしてホッパー2内へ投入された
タイヤTは、駆動モーターMによって駆動されているベ
ルトコンベアー6によって搬送されて、揺動機構3の揺
動プレート12の上流側の端部へ落とし込まれる。
【0039】揺動プレート12上に落とし込まれたタイ
ヤTは、前記揺動プレート12が、駆動モーター13に
よっておよびクランクアーム14の作用により、搬送方
向への往復動ならびに上下方向への移動の組み合わせに
より、平行移動を行いつつ円運動を行うように揺動動作
させられていることから、揺動プレート12上のタイヤ
Tに搬送方向ならびに上下方向の振動が与えられる。
【0040】このようなタイヤTの移動に伴い、このタ
イヤTとその内部に侵入している雨水等との間に相対移
動が生じ、これによって、前記雨水等がタイヤTの内周
開口部から外部へ吐き出される。
【0041】一方、前記揺動プレート12は下流側が低
くなるように傾斜させられていることから、前述した揺
動プレート12の揺動動作に伴い、その上部のタイヤT
が徐々に揺動プレート12上を下流側へ向けて移動させ
られる。
【0042】そして、このようなタイヤTの移動は、揺
動プレート12の両側部に設けられているガイド部材1
5によって案内されるが、このガイド部材15によって
搬送経路が徐々に狭められていることから、無秩序に投
入されたタイヤTが1列状にに整列され、この整列が行
われたのちに揺動プレート12の下流側の端部から、1
個毎に後段のローラーコンベアー16へ送り込まれる。
【0043】このようにしてローラーコンベアー16へ
送り込まれたタイヤTは、ローラーコンベアー16上を
滑りながら下流側へ移動させられるが、その途中におい
てホイール検出手段4の下方を通過させられる。
【0044】タイヤTがホイール検出手段4の下方まで
送り込まれると、このホイール検出手段4により、タイ
ヤTの中心部にホイールが装着されているか否かが検出
され、この検出結果に基づき、制御ユニットによる異物
除去機構4の制御が行われる。
【0045】すなわち、ホイール検出手段4において、
搬送されたタイヤTのホイールが除去されていると判断
されると、異物除去機構5への駆動信号が出力されず、
各ローラー19が図3に示すように水平状態に保持さ
れ、これによって、タイヤTがローラーコンベアー16
上を下流側へ向けて搬送される。
【0046】また、ホイール検出手段4において、搬送
されたタイヤTにホイールが装着されていると判断され
ると、制御ユニットから異物除去機構5の両アクチュエ
ーター20へ駆動信号が出力されて、これらに連結され
ている支持部材18がそれぞれほぼ90°近く回動させ
られる。
【0047】このような各支持部材18の回動により、
それぞれに装着されているローラー19が、図3に矢印
で示すように、その自由端側が下方となるように揺動さ
せられて、ローラーコンベアー16の途中が大きく開放
される。
【0048】これによって、ホイールが装着されたタイ
ヤTは、下方へ自重により落下させられて、下方に位置
する排出コンベアー25へ落とし込まれ、ついで、この
排出コンベアー25により後段の処理設備等へ送られ
る。そして、このようなタイヤTの排出コンベアー25
への落とし込みに際して、異物除去機構5の各ローラー
19が、下方へ向けて観音開き状に揺動させられること
から、タイヤTが水平状態で排出コンベアー25へ落と
し込まれることとなり、転がりが防止されて安定した移
載が可能となる。
【0049】一方、ホイールが除去されているタイヤT
は、ローラーコンベアー16から投入コンベアー26を
経て乾溜炉(図示せず)へ投入される。
【0050】このように、本実施例に係わる乾溜炉にお
けるタイヤ搬送装置1によれば、乾溜炉への投入のため
の搬送の過程で、水抜きやホイールの有無の検出が連続
的行われるとともに、ホイールが装着されたタイヤTの
自動排出が行われる。
【0051】これによって、乾溜炉内への水分の侵入に
よる水蒸気爆発や、ホイールが投入されることによる諸
設備の損傷が防止される。
【0052】(第2実施例)ついで、本発明の第2実施
例について図4に基づき説明する。本実施例は、前記第
1実施例における異物除去機構に改良を加えたものであ
り、以下にその構成を詳述する。
【0053】本実施例の異物除去機構30は、タイヤT
の搬送方向に沿って配設された一対の平行な支持部材3
1(図には一方の支持部材のみを示した)と、これらの
各支持部材31間に掛け渡されてこれらの支持部材31
に回転自在に支持されるとともに、前記搬送方向に間隔
をおいて設けられた複数のローラー32と、前記両支持
部材31を一体的に下方へ向けて回動させるアクチュエ
ーター33と、前記支持部材31の回動中心近傍の上方
に設けられ、前記ローラー32上を搬送されるタイヤT
が当接させられるストッパー34と、このストッパー3
4を前記ローラー32に対して接近離間させる方向に移
動させるアクチュエーター35とから構成されている。
【0054】そして、前記支持部材31は、その下流側
の端部においてピボット36により回動自在に支持され
ている。
【0055】このように構成された本実施例の異物除去
機構5は、通常時は、支持部材31がローラコンベアー
16の搬送方向と平行となるように位置させられて、こ
のローラーコンベアー16の一部を構成し、ストッパー
34がローラー32近傍に突出させられた状態に保持さ
れる。
【0056】そして、揺動機構3から排出されたタイヤ
Tは、前記ストッパー34によって一時停止させられ、
この時点で前記ホイール検出手段4によるホイールの有
無の検出がなされる。
【0057】ここで、ホイール検出手段4において、ホ
イールが装着されていないと判断された場合には、アク
チュエーター35に駆動信号が出力されて、前記ストッ
パー34が上昇させられることにより、前記タイヤTが
下方へ搬送されて、後段の投入コンベアー26等を介し
て乾溜炉へ送り込まれる。
【0058】また、ホイール検出手段4によってホイー
ルが検出されると、制御ユニットからアクチュエータ3
3へ駆動信号が出力されて両支持部材31およびローラ
ー32がピボット36を中心にして下方へ揺動されるこ
とより、搬送経路下方が大きく開放される。
【0059】これによって、前記異物除去機構30のロ
ーラ32上に位置させられていたたいやTが、異物除去
機構30の下方へ排出される。
【0060】そして、本実施例の異物除去機構30によ
ると、排出されるタイヤTがほぼ鉛直状態で排出される
こととなる。このような姿勢で搬出するのは、例えば、
排出されたタイヤTの搬送機構が、単なる平面であり、
この平面上を転がして排出する構成である場合に、鉛直
状態で前記平面に落とし込むことにより、タイヤTの転
がりを円滑にするためである。
【0061】なお、前記実施例において示した各構成部
材の所形状や寸法、あるいは、配置等は一例であって、
設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0062】例えば、前記各実施例においては、異物除
去機構5・30におけるタイヤTの搬送手段としてロー
ラー19・32を用いた例について示したが、これに代
えて、図5に示すように、タイヤTの自重と転動を利用
した搬送とすることも可能である。
【0063】この構成は、揺動機構3から排出されるタ
イヤTを鉛直状態に姿勢調整するとともに、鉛直線を中
心として90°回転させる第1のガイド筒40と、この
第1のガイド筒40から搬送方向に向かって連設され
て、前記タイヤTを鉛直状態で案内する第2のガイド筒
41と、この第2のガイド筒41の終端底部に設けられ
た開閉板42と、この開閉板42の近傍で、前記第2の
ガイド筒41内に進退可能に取り付けられて、第2のガ
イド筒41内を搬送されるタイヤTに当接して、このタ
イヤTを一時停止させるストッパー43とを備え、前記
第2のガイド筒41が下流側下方へ向かって傾斜した構
成となされたものである。
【0064】このような構成とすることにより、タイヤ
Tは、両ガイド部材40・41内を転動しながら移動さ
せられる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる乾
溜炉におけるタイヤ搬送装置によれば、つぎのような優
れた効果を奏する。請求項1記載の乾溜炉におけるタイ
ヤ搬送装置によれば、揺動機構によるタイヤへの振動の
付与により、タイヤの内部の空洞部に侵入した雨水等の
抜き出し操作と、ホイールの有無の検出およびその選別
除去操作を、タイヤの乾溜炉への搬送過程で連続かつ自
動的に行うことができる。したがって、乾溜炉における
急激な水分との反応を防止するとともに、ホイールによ
る乾溜炉の本体や付帯設備等の損傷を防止することがで
きる。
【0066】請求項2記載の乾溜炉におけるタイヤ搬送
装置によれば、水抜き操作の過程で、タイヤの整列操作
を合わせて行うことができ、これによって、後段のホイ
ール検出手段へタイヤを整列状態で送り込むことができ
る。したがって、ホイール検出手段とタイヤとを確実に
対向させて、その検出精度を高めることができる。
【0067】また、請求項3記載の乾溜炉におけるタイ
ヤ搬送装置によれば、異物除去機構から排出されるタイ
ヤを水平状態で排出することにより、後段の排出装置へ
の移載を円滑なものとすることができる。
【0068】さらに、請求項4記載の乾溜炉におけるタ
イヤ搬送装置によれば、異物除去機構から排出されるタ
イヤを鉛直状態で排出することにより、排出されたタイ
ヤをその転がりによって搬送する際に、その転がりを確
実にして搬送を円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例の異物除去機構の拡大図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例を示す要部の概略側面図で
ある。
【図5】本発明の変形例を示す要部の概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1 タイヤ搬送装置 2 ホッパー 3 揺動機構 4 ホイール検出手段 5 異物除去手段 30 異物除去手段 31 支持部材 32 ローラー 33 アクチュエーター

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾溜用のタイヤが投入されたホッパーか
    らタイヤを引き出して乾溜炉へ投入するようにした乾溜
    炉におけるタイヤ搬送装置であって、前記ホッパーから
    引き出されたタイヤが投入されるとともに、この投入さ
    れたタイヤに振動を与えつつ搬送する揺動機構と、この
    揺動機構の下流側に設けられ、搬送されるタイヤにホイ
    ールが装着されているか否かを判別するホイール検出手
    段と、このホイール検出手段からの検出信号に基づき、
    ホイールが装着されているタイヤを搬送経路から除去す
    る異物排除機構とを備えていることを特徴とする乾溜炉
    におけるタイヤ搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記揺動機構には、その上面にタイヤの
    搬送経路を形成するとともに、この搬送経路を下流側に
    行くにしたがい狭めることにより、前記タイヤを一列に
    整列させるガイド部材が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の乾溜炉におけるタイヤ搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記異物除去機構が、前記タイヤの搬送
    方向に沿って配設され、かつ、前記搬送方向に沿った軸
    線周りに回動自在に設けられた一対の平行な支持部材
    と、これらの各支持部材に回転自在に装着され、かつ、
    前記搬送方向と直交する方向に沿って配設されるととも
    に前記搬送方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の
    ローラーと、前記各支持部材を回動させることにより、
    これらの各支持部材に取り付けられている前記ローラー
    を下方へ向けて揺動させるアクチュエーターとからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の乾溜炉におけるタイヤ
    搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記異物除去機構が、前記タイヤの搬送
    方向に沿って配設された一対の平行な支持部材と、これ
    らの各支持部材間に掛け渡されてこれらの支持部材に回
    転自在に支持されるとともに、前記搬送方向に間隔をお
    いて設けられた複数のローラーと、前記両支持部材を下
    方へ向けて一体的に回動させるアクチュエーターとから
    なることを特徴とする請求項1記載の乾溜炉におけるタ
    イヤ搬送装置。
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