JP2896069B2 - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents

内接噛合遊星歯車構造

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JP2896069B2
JP2896069B2 JP3958394A JP3958394A JP2896069B2 JP 2896069 B2 JP2896069 B2 JP 2896069B2 JP 3958394 A JP3958394 A JP 3958394A JP 3958394 A JP3958394 A JP 3958394A JP 2896069 B2 JP2896069 B2 JP 2896069B2
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良二 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減速機、あるいは増速
機、特に、小型で高出力が要請され、且つ角度バックラ
ッシが小さいことが要請される減速機あるいは増速機に
適用するのに好適な、内接噛合遊星歯車構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、第1軸と、該第1軸に設けた偏心
体を介して、この第1軸に対して偏心回転可能な状態で
取付けられた外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内
歯歯車と、前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを
伝達する手段を介して連結された第2軸と、を備えた内
接噛合遊星歯車構造が広く知られている。
【0003】この構造の従来例を図9及び図10に示
す。この従来例は、前記第1軸を入力軸、第2軸を出力
軸とすると共に、内歯歯車を固定することによって上記
構造を「減速機」に適用したものである。
【0004】入力軸1には所定位相差(この例では18
0°)をもって偏心体3a 、3b がe だけ偏心した状態
で嵌合されている。なお、偏心体3a と3b は一体化さ
れている。それぞれの偏心体3a 、3b には軸受4a 、
4b を介して2枚の外歯歯車5a 、5b が取付けられて
いる。この外歯歯車5a 、5b には内ローラ孔(内ロー
ラ8がない場合は内ピン孔に相当)6が複数個設けら
れ、内ピン7及び内ローラ8が嵌合されている。
【0005】外歯歯車を2枚(複列)にしているのは、
主に伝達容量の増大、強度の維持、回転バランスの保持
を図るためである。
【0006】前記外歯歯車5a 、5b の外周にはトロコ
イド歯形や円弧歯形等の外歯9が設けられている。この
外歯9はケーシング12に固定された内歯歯車10と内
接噛合している。内歯歯車10の内歯は具体的には外ピ
ン11が外ピン孔13に遊嵌され、回転し易く保持され
た構造とされている。
【0007】前記外歯歯車5a 、5b を貫通する内ピン
7は、出力軸2のフランジ部14に固着又は嵌入されて
いる。
【0008】入力軸1が1回転すると偏心体3a 、3b
が1回転する。この偏心体3a 、3b の1回転により、
外歯歯車5a 、5b も入力軸1の周りで揺動回転を行お
うとするが、内歯歯車10によってその自転が拘束され
るため、外歯歯車5a 、5bは、この内歯歯車10に内
接しながらほとんど揺動のみを行うことになる。
【0009】今、例えば外歯歯車5a 、5b の歯数を
N、内歯歯車10の歯数をN+1とした場合、その歯数
差は1である。そのため、入力軸1の1回転毎に外歯歯
車5a、5b はケーシング12に固定された内歯歯車1
0に対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。
これは入力軸1の1回転が外歯歯車の−1/Nの回転に
減速されたことを意味する。
【0010】この外歯歯車5a 、5b の回転は内ローラ
孔6及び内ピン7の隙間によってその揺動成分が吸収さ
れ、自転成分のみが該内ピン7を介して出力軸2へと伝
達される。
【0011】ここにおいて、内ローラ孔6及び内ピン7
(内ローラ8)は「等速度内歯車機構」を形成してい
る。
【0012】この結果、結局減速比−1/Nの減速が達
成される。
【0013】なお、この従来例では、当該内接噛合遊星
歯車構造の内歯歯車を固定し、第1軸を入力軸、第2軸
を出力軸としていたが、第2軸を固定し、第1軸を入力
軸、内歯歯車を出力軸とすることによっても減速機を構
成可能である。更に、これらの入出力を逆転させること
により増速機を構成することも可能である。
【0014】ところで一般に、歯車伝達機構では互いに
噛合う歯車間や軸への取付け手段等に遊びやがたがあ
る。このため正転から逆転に移るときに駆動側が逆転し
てもこれがすぐに被動側の逆転となっては現われない。
【0015】この明細書では、便宜上このような正転か
ら逆転に移る際に生ずる遊びやがたを「角度バックラッ
シ」と呼ぶことにする。このような角度バックラッシの
存在は、伝動機構が正逆回転を伴なう制御装置として使
われるときには当然に精度の低下を招き、又、伝動装置
自体の純機械的な耐久性の面から見ても衝撃が生じ易く
なるため好ましくない。
【0016】一方、上述したような内接噛合式の遊星歯
車構造は、外歯歯車5a 、5b 、内歯歯車10、外ピン
11、及び偏心体3a 、3b を変えるのみで、減速比を
自由に変えることができる。
【0017】そのため、出力軸2及びケーシング12の
寸法によって決まる相手機械への取合い寸法、あるいは
伝達容量に関して市場の要請に合せて小なるものから大
なるものへ何種類かの大きさに分けたサブシリーズ(こ
のサブシリーズを以降「枠番」と称する)を予め準備
し、且つ、同一の枠番の中で何種類かの減速比を予め準
備することにより減速機のシリーズを構成し、多様なユ
ーザへの対応を可能としている。
【0018】又、特開昭5−296300号公報には、
各枠番において、角度バックラッシが所定値以下に保証
されたシリーズと特に保証されない低コストのシリーズ
とを揃えることにより、例えば速度制御や定位置停止制
御等が必要な用途に用いる場合には低角度バックラッシ
用の減速機を選択でき、そうでない用途には低コストの
減速機を同一の枠番(同じ取合い寸法と同じ伝達容量)
で適宜選択できるようにした技術が開示されている。
【0019】上述したような構成(図9、図10)の減
速機にあっては、このようなシリーズ実現のために角度
バックラッシを所定値以下に抑えた減速機を製造するに
は、出力軸の支持構造がYの部分の固定によってX部分
を支持するという片持ち構造であるため、例えば外径の
若干異なる内ローラ8を片方向から(入力軸1の側か
ら)適宜交換して角度バックラッシを調整することがで
きる。そのため、低角度バックラッシの減速機の製造に
当っては、内ローラ8の交換の試行錯誤はあるものの、
交換自体は比較的容易に行うことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内接噛
合遊星歯車構造を利用した減速機には、上述した構成の
他に例えば図11、図12に示されるような構造のもの
もある。
【0021】この図11、図12の構造は、上記図9、
図10を用いて説明した構造と基本的には同一であるた
め、同一又は類似の部分には下2桁が同一の符号を付す
こととして、異なる部分のみを説明すると、この構造
は、自転成分を伝達する手段として、外歯歯車105a
、105b に設けた内ピン孔119a 、119b に遊
嵌する内ピン107と、該内ピン107の外歯歯車自転
成分相当の回転を受ける円環状の支持リング117と、
出力軸(第2軸)102に形成したフランジ部114
と、該フランジ部114と支持リング117とを連結す
るキャリヤピン(キャリヤ体)116と、を有してい
る。
【0022】円環状の支持リング117及び出力軸10
2のフランジ部114は外歯歯車105a 、105b を
挟んで配置されており、この支持リング117及びフラ
ンジ部114の双方を一対の軸受115a 、115b を
介してケーシング112によって支持されている。
【0023】又、内ピン107は、外歯歯車105a 、
105b の内ピン孔119a 、119b を貫通して支持
リング117及びフランジ部114で両持ち支持されて
いる。キャリヤピン116は、この図11、図12の例
ではそれぞれフランジ部114及び支持リング117に
圧入されているため、再分解はできない。
【0024】なお、これを再分解できるように構成した
例として図13に示されるようなものもある。
【0025】即ち、この図13に示されたキャリヤピン
構造は、止め輪224、スペーサ225、及びねじ部2
27に嵌合するナット228の各部材により、フランジ
部214及び支持リング217をスペーサ225を介し
て締め付けることによって連結するようにしたものであ
る。
【0026】しかしながら、このような図11、図1
2、あるいは図13に示されるような構造の減速機にお
いて前述した低角度バックラッシの小さな減速機を製造
するための調整を行おうとした場合、非常に大きな問題
が発生した。
【0027】即ち、この種の内ピン両持ち構造の内接噛
合遊星歯車構造においては、内ピン107、207自体
は出力軸102、202のフランジ部114、214及
び支持リング117、217によって良好に滑り接触
できるように保持される必要があるため、その外径が
所定の公差内に収まっていなければならない。
【0028】一方、同じ内ピン107、207を利用し
て角度バックラッシの調整を行うには、この公差よりも
大きな変化幅の各種径の内ピン107、207を用意し
なければならない。従って、このような両持ち構造の内
接噛合遊星歯車構造においてあえて角度バックラッシの
調整を行おうとした場合には、フランジ部114、21
4や支持リング117、217の内ピン保持孔126a
、126b 、226a、226b についても、この内ピ
ン107、207の各種径に合わせて用意する必要が出
てきた。
【0029】ところが、図11、図12に示した構造に
あっては、キャリヤピン116が圧入によってフランジ
部114及び支持リング117に固定されているため、
再分解が事実上できない。そのため、内ピン107の径
に対応したフランジ部114や支持リング117を用意
することができず、角度バックラッシの調整も不可能と
なるため、できあがった製品の角度バックラッシがたま
たま所定値以下となっているものだけを選択するという
方法を取らざるを得ず、歩留りの大きな低下が避けられ
なかった。
【0030】一方、図13に示された分解可能なタイプ
にあっては、内ピン207の径に対応する内ピン保持孔
226a 、226b を有する出力軸202、あるいは支
持リング217を用意して再組立することにより、角度
バックラッシを調整すること自体は可能ではある。しか
しながら、1つの径に対する角度バックラッシを確認す
る度に出力軸202、キャリヤピン216、支持リング
217を含めた各部材の組立を再びやり直す必要がある
ため、膨大な手間と時間がかかるという問題があった。
【0031】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
さなたれものであって、内ピンが滑り接触するような
の種の両持ちタイプの内接噛合遊星歯車構造にあっても
内ピンの交換のみで角度バックラッシの調整が容易にで
きるようにし、もってより低コストで角度バックラッシ
の小さなシリーズを準備することのできる内接噛合遊星
歯車構造を提供することを目的とする。
【0032】更には、仮組付けのときのみならず、最終
的に全組付け工程が終了した段階においても、即ち製品
として完成された後においても内ピンを交換するだけで
容易に角度バックラッシを再調整することができる内接
噛合遊星歯車構造を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、第1軸と、該第1軸に設けた偏心体を介してこの第
1軸に対して偏心回転可能な状態で取付けられた外歯歯
車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、前記外歯
歯車に該外歯歯車の自転成分のみを伝達する手段を介し
て連結された第2軸と、を備え、前記自転成分を伝達す
る手段として、前記外歯歯車に設けた内ピン孔に遊嵌す
る内ピンと、該内ピンの外歯歯車自転成分相当の回転を
受ける円環状の支持リングと、前記第2軸に形成したフ
ランジ部と、該フランジ部と前記支持リングとを連結す
るキャリア体と、を有し、且つ、前記円環状の支持リン
グ及び第2軸のフランジ部を、前記外歯歯車を挾んで配
置すると共に、この支持リング及びフランジ部の双方を
一対の軸受を介してケーシングに両持ち支持し、前記内
ピンを、前記外歯歯車の内ピン孔を貫通して該円環状の
支持リング及び第2軸のフランジ部で滑り接触可能に
持ち支持する構成とした内接噛合遊星歯車構造におい
て、前記内ピンの、前記円環状の支持リングに支持され
る部分の径を d1 、前記外歯歯車の内ピン孔を貫通する
部分の径を d2 、前記第2軸のフランジ部に支持される
部分の経を d3 としたときに、 d1 〜 d3が、一方向に
向って順次小径となる(一部が同径である場合を含む)
ように設定したことにより、上記課題を解決したもので
ある。
【0034】請求項2に記載の発明は、請求項1の発明
において、前記内ピンの大径側に存在する部材の、該内
ピンと同一軸上に対応する部分に、当該軸に沿って内ピ
ンの大径側の径よりも大きな径の貫通孔を形成したこと
により、上記課題を解決したものである。
【0035】
【作用】請求項1に記載の発明においては、内ピンの、
支持リングに支持される部分の径を d1 、外歯歯車を貫
通する部分の径を d2 、第2軸のフランジ部に支持され
る部分の径を d3 とした時に、 d1 〜 d3 が、一方向に
向かって順次小径となる(一部が同径である場合を含
む)ように設定した。
【0036】即ち、具体的には d1 〜 d3 が下記〜
のいずれかの関係となるように設定した。 d1 > d2 > d3 d1 = d2 > d3 d1 > d2 = d3 d1 < d2 < d3 d1 = d2 < d3 d1 < d2 = d3
【0037】これにより、 d1 及び d3 を所定の(定ま
った)径に設定し、又、これに合わせてフランジ部及び
支持リングの内ピン保持孔もそれぞれ対応する(定まっ
た)値に設定し、その上で、 d2 の種々異なる内ピンを
多種類揃えておくことにより、フランジ部及び支持リン
グの支持部分については常に良好な滑り接触を保ちなが
ら、 d2 の異なった内ピンを交換するだけで角度バック
ラッシの調整を容易に行うことができるようになる。
【0038】内ピンの交換は、該 d1 〜 d3 の寸法が一
方向に向かって小さくなっているため、大径側の径は必
ず d2 以上あり、且つ、小径側の径は必ず d2 以下とな
っている。そのため、当該内ピンを大径側から挿入、あ
るいは抜き出しすることにより、支障なく内ピンを交換
することができる。
【0039】又、請求項2に記載の発明においては、内
ピンの大径側に存在する部材の、該内ピンと同一軸上に
対応する部分に、当該軸に沿って内ピンの大径側の径よ
りも大きな径の貫通孔を形成するようにしているため、
製品が完全に最終組立された後においても、内ピンの交
換を行うことができるようになる。
【0040】その結果、例えば経時変化によって角度バ
ックラッシュが大きくなってきたような場合に、内ピン
のみを容易に交換することができ、この交換により再び
角度バックラッシを小さくすることができるようにな
る。
【0041】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0042】図1は、本発明にかかる内接噛合遊星歯車
構造が適用された減速機の断面図であり、図2は、その
II−II線断面図である。
【0043】以下の説明においては、図9、10、図1
1、12、あるいは図13に示す従来公知例の構成と同
一又は類似の部分については下2桁が同一の番号を付す
ものとし、重複説明は適宜省略する。
【0044】出力軸302のフランジ部314には、キ
ャリヤピン316の一端が嵌入されている。このキャリ
ヤピン316の他端には支持リング317が嵌入されて
いる。
【0045】フランジ部314、キャリヤピン316、
及び支持リング317は、一対の軸受315a 、315
b によってケーシング312に両持ち支持されている。
【0046】キャリヤピン316には、そのほぼ中央に
パイプ状のスペーサ325が嵌入されている。従って、
このスペーサ325の機能により支持リング317及び
フランジ部314の距離は必ず一定に維持され、しかも
4本ある全てのキャリヤピン316の部分において同一
の距離を容易に確保することができる。
【0047】外歯歯車305a 、305b にはキャリヤ
ピン316の貫通するキャリヤピン孔(通し孔)320
a 、320b が形成されている。このキャリヤピン孔3
20a 、320b は、外歯歯車305a 、305b が揺
動しても、なおキャリヤピン316と外歯歯車305a
、305b が接触しない大きさとされている。
【0048】この実施例では、分解組立を可能とするた
め、キャリヤピン316の一端部に止め輪324を配置
し、他端部にねじ部327を設けている。フランジ部3
14、スペーサ325及び支持リング317は、この止
め輪324とねじ部327に螺合するナット328とに
よって強く挟み込まれ、固定されている。従って、何回
でも分解組立が可能である。
【0049】又、内ピン307は、出力軸302のフラ
ンジ部314及び支持リング317の内ピン保持孔32
6a 、326b に滑り接触する程度に遊嵌されている。
そのため自由に回転することが可能である。
【0050】内ピン307の具体的な形状は図3に示さ
れるように、支持リング317に支持される部分の径を
d1 、外歯歯車305a 、305b を貫通する部分の径
を d 2 、フランジ部314に支持される部分の径を d3
とした時に、 d1 > d2 > d 3 となる形状に設定されて
いる。即ち、入力軸側から出力軸側に向かって順次小径
となるように形成されている。
【0051】この内ピン307は、角度バックラッシを
調整するために多種類用意されている。それぞれの内ピ
ン307は、 d1 、 d3 については全て同一であり、 d
2 の径のみが角度バックラッシ調整のために d1 〜 d3
の範囲で大なるものから小なるものへ変化させられてい
る。
【0052】一方、フランジ部314及び支持リング3
17には、この内ピン307の d1、 d3 に対応した
(一定)内径の内ピン保持孔326a 、326b が形成
されていることになる。
【0053】内ピン307の交換による角度バックラッ
シの調整は、図4に示されるような仮組付けの段階で行
われる。内ピン307は一方向に向かって順次小径とな
っているため、大径側から挿入、引き抜きを極めて円滑
に行うことができ、しかもどの内ピン307についても
フランジ部314及び支持リング317の内ピン保持孔
326a 、326b の内ピン保持については一定の滑り
接触が確保される。
【0054】図1に戻って、この実施例では、内ピン3
07の d1 側(大径側)に存在するケーシング312
の、該内ピン307と同一軸上に対応する部分に該軸に
沿ってd1 よりも大きな径の内ピン交換用孔330a を
形成するようにしたため、全組付け完成後においても内
ピン307を交換することが可能である。なお、図の符
号330b は小径側の内ピン交換用孔、331a 、33
1b はそれぞれ内ピン交換用の孔330a 、330b の
蓋である。
【0055】内ピン307の交換は、小径側の内ピン交
換用孔330b から例えば細い棒を介して内ピン307
を押出すことにより、大径側の内ピン交換用孔330a
から容易に取り出すことができる。
【0056】なお、完成後において内ピン307を取り
出すためには、大径側の交換用孔330a は必須である
が、小径側の交換用孔330b は必ずしも必須ではな
い。この場合、例えば内ピン307の大径側の端面の中
央部に雌ねじを切込み形成しておき、これと螺合し得る
雄ねじの形成された細い棒を大径側の内ピン交換用孔3
30a から挿入して前記雌ねじと螺合させた上で引き抜
くような構成を採用すればよい。
【0057】又、完成後においては分解しないまま行え
る角度バックラッシの調整が必ずしも必要でない場合に
は、例えば図5に示されるように、(交換用孔のない)
より簡単な構造のケーシング412を採用することがで
きるのは言うまでもない。
【0058】更に、上記実施例においては、いずれも入
力軸側が大径となる内ピン構造を採用していたが、これ
を出力軸側が大径となる構造に置き換えるのは無論可能
である。その例を図6〜図8に示す。図6は図1に、図
7は図4に、図8は図5にそれぞれ対応している。これ
らの例は、内ピンの大径の方向が逆になっているだけで
あるため、図中で上記実施例と対応する部分に下2桁が
同一の符号を付すに止どめ、重複説明を省略する。
【0059】本発明においては、内ピンの段差は、その
趣旨より、必ずしも3段になっている必要はない。即
ち、具体的には、支持リングで支持される部分の径を d
1 、外歯歯車を貫通する部分の径を d2 、出力軸のフラ
ンジ部で支持される部分の径をd3 とした時に、 d1
d3 が下記〜の関係のいずれかとなっていればよい
ものである。 d1 > d2 > d3 d1 = d2 > d3 d1 > d2 = d3 d1 < d2 < d3 d1 = d2 < d3 d1 < d2 = d3
【0060】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
両持ち構造の内接噛合遊星歯車構造であっても、内ピン
を交換するだけで容易に角度バックラッシを調整するこ
とができるようになり、低バックラッシの減速機シリー
ズを低コストで準備できるようになるという優れた効果
が得られる。
【0061】又、製品完成後においても特に分解等する
ことなく内ピンを容易に交換できるため、例えば経時変
化によって角度バックラッシが増大してきたような場合
であっても、その再調整を容易にすることができるとい
う効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内接噛合遊星歯車構造が適用され
た減速機の断面図
【図2】図1の矢示II−II線に沿う断面図
【図3】図1の減速機における内ピンの形状を示す正面
【図4】図1の減速機の仮組み状態を示した断面図
【図5】角度バックラッシの調整を仮組み状態でのみ行
うようにした減速機の例を示す断面図
【図6】図1で示した減速機において内ピンの大径方向
を逆にした減速機の断面図
【図7】図6の減速機において仮組み状態を示した断面
【図8】図5の減速機において内ピンの大径方向を逆に
した減速機の断面図
【図9】従来の内接噛合遊星歯車構造の例を示す断面図
【図10】図9の矢示X−X線に沿う断面図
【図11】従来の両持ち構造の内接噛合遊星歯車構造を
採用した減速機の断面図
【図12】図11の矢示XII−XII線に沿う断面図
【図13】図11の減速機においてキャリヤピン、支持
リング等を分解可能とした減速機の断面図
【符号の説明】
301、401、501、601…入力軸 302、402、502、602…出力軸 303a 、303b 、403a 、403b 、503a 、
503b 、603a 、603b …偏心体 305a 、305b 、405a 、405b 、505a 、
505b 、605a 、605b …外歯歯車 307、407、507、607…内ピン 310、410、510、610…内歯歯車 311、411、511、611…外ピン 314、414、514、614…出力軸のフランジ部 315a 、315b 、415a 、415b 、515a 、
515b 615a 、615b …軸受 316、416、516、616…キャリヤピン 317、417、517、617…支持リング 319a 、319b 、419a 、419b 、519a 、
519b 619a 、619b …内ピン孔 326a 、326b 、426a 、426b 、526a 、
526b 626a 、626b …内ピン孔保持孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−41240(JP,A) 特開 昭60−260737(JP,A) 特開 平4−236837(JP,A) 特開 昭63−96339(JP,A) 実開 昭62−50356(JP,U) 実開 昭47−23575(JP,U) 実開 昭62−112349(JP,U) 特公 昭54−19219(JP,B2) 特公 昭32−2620(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1軸と、該第1軸に設けた偏心体を介し
    てこの第1軸に対して偏心回転可能な状態で取付けられ
    た外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、
    前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを伝達する手
    段を介して連結された第2軸と、を備え、 前記自転成分を伝達する手段として、前記外歯歯車に設
    けた内ピン孔に遊嵌する内ピンと、該内ピンの外歯歯車
    自転成分相当の回転を受ける円環状の支持リングと、前
    記第2軸に形成したフランジ部と、該フランジ部と前記
    支持リングとを連結するキャリア体と、を有し、且つ、 前記円環状の支持リング及び第2軸のフランジ部を、前
    記外歯歯車を挾んで配置すると共に、この支持リング及
    びフランジ部の双方を一対の軸受を介してケーシングに
    両持ち支持し、前記内ピンを、前記外歯歯車の内ピン孔
    を貫通して該円環状の支持リング及び第2軸のフランジ
    部で滑り接触可能に両持ち支持する構成とした内接噛合
    遊星歯車構造において、 前記内ピンの、前記円環状の支持リングに支持される部
    分の径を d1 、前記外歯歯車の内ピン孔を貫通する部分
    の径を d2 、前記第2軸のフランジ部に支持される部分
    の経を d3 としたときに、 d 1〜 d3 が、一方向に向っ
    て順次小径となる(一部が同径である場合を含む)よう
    に設定したことを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記内ピンの大径側に
    存在する部材の、該内ピンと同一軸上に対応する部分
    に、当該軸に沿って内ピンの大径側の径よりも大きな径
    の貫通孔を形成したことを特徴とする内接噛合遊星歯車
    構造。
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