JP2895758B2 - 偏波保持光ファイバ - Google Patents

偏波保持光ファイバ

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JP2895758B2
JP2895758B2 JP6237188A JP23718894A JP2895758B2 JP 2895758 B2 JP2895758 B2 JP 2895758B2 JP 6237188 A JP6237188 A JP 6237188A JP 23718894 A JP23718894 A JP 23718894A JP 2895758 B2 JP2895758 B2 JP 2895758B2
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    • C03B2203/30Polarisation maintaining [PM], i.e. birefringent products, e.g. with elliptical core, by use of stress rods, "PANDA" type fibres
    • C03B2203/31Polarisation maintaining [PM], i.e. birefringent products, e.g. with elliptical core, by use of stress rods, "PANDA" type fibres by use of stress-imparting rods, e.g. by insertion

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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーヒレントな光を用い
た光通信、光センサなどに用いられる応力付与型の偏波
保持光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、偏波保持光ファイバは、
基本モードを構成するEX モード、E Yモード(直交二
軸方向)の位相差を、外乱による位相差よりも大きくし
て、所定の偏波面を保存するようにしたものである。偏
波保持光ファイバの一つとして、応力による複屈折現象
を利用した応力付与型偏波保持光ファイバがある。この
偏波保持光ファイバの場合は、コアに応力を付与するこ
とで、偏波面の保存をはかっている。
【0003】応力付与型の偏波保持光ファイバをつくる
とき、図3に示すようにガラス母材段階におけるクラッ
ド用ガラス母材11の所定位置(コア用ガラス母材12
を挟む位置)に二つの孔13を開けてこれらの各孔13
に棒状の応力付与部用母材14を挿入して、この応力付
与部用母材14を含む偏波保持光ファイバ用ガラス母材
15を周知の加熱延伸手段により線引きして図4に示す
コア1の外周のクラッド3にコア1を挟むように応力付
与部2Bを有する偏波保持光ファイバBを製作するのが
一般的である。
【0004】応力付与部2Bは図5に示すようにSiO
2 ─B2 3 の成分が均一なガラスで構成されている。
2 3 はSiO2 と比較すると熱膨張率が大きい。こ
のため応力付与部用母材14を含む偏波保持光ファイバ
用ガラス母材15を高温にて加熱延伸して光ファイバと
したのちに該光ファイバが常温まで冷却されると応力付
与部2Bからコア1に向かって応力が付与され、この応
力によりコア1にて複屈折が発生し偏波保持特性が得ら
れる。この際、B2 3 濃度が高いほどコア1に加わる
応力が大きくなり、その結果複屈折特性が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】応力付与部2Bはコア
1に対して応力を付与するのと同様に、応力付与部2B
とクラッド3間にも強く応力をかけている。このため、
2 3 の濃度を上げて良好な複屈折特性を得ようとす
ると応力が応力付与部2Bとクラッド3との間にも集中
してしまうことになる。また、応力付与部2Bとクラッ
ド3との界面にB 2 3 が多量に含まれていると偏波保
持光ファイバ用ガラス母材15から偏波保持光ファイバ
Bを得るべく加熱延伸する際に応力付与部2Bとクラッ
ド3との界面に発泡が生じる原因にもなっていた。
【0006】上述したような現象により、偏波保持光フ
ァイバBの端末を光コネクタ付け等のために研磨すると
応力付与部2Bにクラックが発生し、結果として複屈折
特性の劣化が発生する。
【0007】本発明は上記の課題を解決し、光コネクタ
付け等のための端面研磨の際、応力付与部にクラックが
発生することなく良好な複屈折特性が保てる偏波保持フ
ァイバを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために以下のような手段を有している。
【0009】本発明のうち請求項1の偏波保持光ファイ
バは、偏波保持光ファイバのコア外周のクラッドに前記
コアを挟むように応力付与部が設けられた偏波保持光フ
ァイバであって、前記応力付与部材はB2 3 の濃度が
中心ほど高くなった濃度分布を有することを特徴とす
る。
【0010】本発明のうち請求項2の偏波保持光ファイ
バは、クラッドと接する応力付与部の外周部のB2 3
の濃度が15%以下であることを特徴とする。
【0011】本発明のうち請求項3の偏波保持光ファイ
バは、応力付与部のB2 3 の平均濃度が約20%であ
ることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明のうち請求項1ないし請求項3の偏波保
持光ファイバによれば、偏波保持光ファイバのコア外周
のクラッドにコアを挟むようにB2 3 の濃度が中心ほ
ど高くなった濃度分布を有している応力付与部が設けら
れているので、コア対する応力は充分に有するととも
に、応力付与部の外周のクラッドに対しては応力付与部
は外周辺部のB2 3 の濃度が低くなっているので応力
付与部と外周のクラッドの熱膨張率が近づき応力が応力
付与部とクラッドとの間に集中することがなくなる。ま
た、応力付与部とクラッドとの界面のB2 3 が低くな
っているので偏波保持光ファイバ用ガラス母材から偏波
保持光ファイバに加熱延伸する際に応力付与部とクラッ
ドとの界面に生じていた発泡が少なくなり、偏波保持光
ファイバの端面を研磨すると発生していた応力付与部の
クラックが少なくなり、複屈折特性が劣化するという現
象が解消する。
【0013】本発明のうち請求項2の偏波保持光ファイ
バによれば、クラッドと接する応力付与部の外周部のB
2 3 の濃度が15%以下であるので、コネクタ付けの
際の端面研磨などによるクラックの発生がなく、また複
屈折特性の劣化も起こらない偏波保持ファイバを製作す
ることが出来る。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、従来のものと同様のものについては従来のも
のと同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0015】図1に本発明の偏波保持光ファイバAの構
成を示す。偏波保持光ファイバAはコア1の外周のクラ
ッド3にコア1を挟むように応力付与部2を有する。本
発明の偏波保持光ファイバAの特徴は応力付与部2のB
2 3 の濃度が均一でなく図2に示すように応力付与部
2の中心ほど高くなった濃度分布を有している点にあ
る。
【0016】本発明の偏波保持光ファイバAは従来と同
様、図3に示すようにガラス母材段階におけるクラッド
用ガラス母材11の所定位置(コア用ガラス母材12を
挟む位置)に二つの孔13を開けてこれらの各孔13に
棒状の応力付与部母材14を挿入して、この応力付与部
母材14を含む偏波保持光ファイバ用ガラス母材15を
周知の加熱延伸手段により線引きしてコア1の外周のク
ラッド3にコア1を挟むように応力付与部2を有する偏
波保持光ファイバAを製作する。
【0017】本発明の偏波保持光ファイバAの効果を調
べるために以下のような実験をおこなった。偏波保持光
ファイバAを製作するにあたって、クラッド用ガラス母
材11の所定の位置(コア用ガラス母材12を挟む位
置)の二つの孔13に挿入する応力付与部用母材14を
9種類用意した。
【0018】9種類の応力付与部用母材14はそれぞれ
平均のB2 3 濃度がすべて20(wt%) 一定とし、濃度
分布のみを表1の様に変化させたもので、これらの応力
付与部用母材14を用いて9種類の偏波保持光ファイバ
A1〜A9を製作した。この作製にあたってクラッド用
ガラス母材11の孔あけ位置及び穴径はまったく同一と
した。また、ファイバ化の条件もまったく同一として、
応力付与部のB 2 3 の分布のみ異なるものとした。
【0019】これら9種類の偏波保持光ファイバの複屈
折特性を評価するため各光ファイバA1〜A9のクロス
トーク値を測定した。なお、クロストーク値とは光ファ
イバにX偏波(またはY偏波)を入力した際の各偏波面
からの出力比である。その結果得られたクロストーク値
を表1に示す。この結果からB2 3 の濃度分布を変化
させても応力付与部2断面における平均的なB2 3
度が変わらなければクロストーク値が変わらないこと、
即ち複屈折特性にそれほど影響を与えないことがわか
る。
【0020】次に、これら9種類の偏波保持光ファイバ
A1〜A9の各端部を研磨した後にコネクタ付けを行っ
た。コネクタ付け後の応力付与部2外周部およびクラッ
ド3との界面部のクラック発生率を表1に示す。この結
果から応力付与部2外周部のB2 3 の濃度が高いとク
ラックが発生しやすい傾向があり、特に応力付与部2外
周部のB2 3 の濃度を15 (wt%)以下としたものでは
全くクラックは発生しなくなっているのがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】発泡はクラックが発生したもののうち5つ
の偏波保持光ファイバにのみクラック部付近に認めら
れ、クラックが発生しなかった偏波保持光ファイバでは
認められなかった。この結果、発泡がクラック発生の主
な原因であることがわかる。また、コネクタ付け後のク
ロストーク値の平均を比較したところ表1のようになり
クラックが発生しやすい偏波保持光ファイバほどコネク
タ付けで劣化していることがわかった。
【0023】以上のように応力付与部2のB2 3 の濃
度を中心ほど高くなった濃度分布とすることによりクラ
ックの発生の原因となる発泡が減少した偏波保持光ファ
イバを製作することが出来る。
【0024】また、応力付与部2のB2 3 の濃度を平
均20(wt%) 、外周部15(wt%) 以下とすることにより
コネクタ付けによるクラックの発生がなく、また複屈折
特性の劣化も起こらない偏波保持ファイバを製作するこ
とが出来る。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1な
いし請求項3の偏波保持光ファイバによれば、偏波保持
光ファイバのコア外周のクラッドにコアを挟むようにB
2 3の濃度が中心ほど高くなった濃度分布を有してい
る応力付与部が設けられているので、コアに対する応力
は充分に有するとともに、応力付与部の外周のクラッド
に対しては応力付与部は外周辺部のB2 3 の濃度が低
くなっているので応力付与部と外周のクラッドの熱膨張
率が近づき応力が応力付与部とクラッドとの間に集中す
ることがなくなる。
【0026】また、応力付与部とクラッドとの界面のB
2 3 が低くなっているので偏波保持光ファイバ用ガラ
ス母材から偏波保持光ファイバに加熱延伸する際に応力
付与部とクラッドとの界面に生じていた発泡が少なくな
った。その結果偏波保持光ファイバの端面を研磨すると
発生していた応力付与部のクラックが少なくなり、複屈
折特性が劣化するという現象が解消する。
【0027】本発明のうち請求項2の偏波保持光ファイ
バによれば、クラッドと接する応力付与部の外周部のB
2 3 の濃度が15%以下であるので、コネクタ付けに
よるクラックの発生がなく、また複屈折特性の劣化も起
こらない偏波保持ファイバを製作することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏波保持光ファイバの一実施例を示す
構成図である。
【図2】図1の偏波保持光ファイバの応力付与部のB2
3 の濃度分布図である。
【図3】本発明の偏波保持光ファイバ用ガラス母材を示
す構成図である。
【図4】従来の偏波保持光ファイバの一例を示す構成図
である。
【図5】図4の偏波保持光ファイバの応力付与部のB2
3 の濃度分布図である。
【符号の説明】
1 コア 2 応力付与部 3 クラッド A 偏波保持光ファイバ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏波保持光ファイバのコア外周のクラッ
    ドに前記コアを挟むように応力付与部が設けられた偏波
    保持光ファイバであって、前記応力付与部はB2 3
    濃度が中心ほど高くなった濃度分布を有することを特徴
    とする偏波保持光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記クラッドと接する応力付与部の外周
    のB2 3 の濃度が15%以下であることを特徴とする
    請求項1記載の偏波保持光ファイバ。
  3. 【請求項3】 応力付与部のB2 3 の平均濃度が約2
    0%であることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の偏波保持光ファイバ。
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