JP2895691B2 - 金属薄膜を有する伸縮性繊維シート状物及びその製造方法 - Google Patents

金属薄膜を有する伸縮性繊維シート状物及びその製造方法

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JP2895691B2
JP2895691B2 JP28070592A JP28070592A JP2895691B2 JP 2895691 B2 JP2895691 B2 JP 2895691B2 JP 28070592 A JP28070592 A JP 28070592A JP 28070592 A JP28070592 A JP 28070592A JP 2895691 B2 JP2895691 B2 JP 2895691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン弾性フィ
ラメントの不織布を繊維質基材の一成分としかつ金属薄
膜を有する伸縮性シート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸着処理により金属薄膜を形成せ
しめた繊維布は、電磁波シールド布、金属光沢あるいは
光反射布として使用されているが、そのほとんどは伸縮
性のないものである。一方、特開平2−264057号
公報には、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物のメル
トブローン極細繊維とポリウレタンのメルトブローン極
細繊維とを混繊した弾性不織布が開示され、皮革様シー
トの基材にも使用できると記載されているが、平均繊維
直径が8μm以下でありかつエチレン−酢ビ成分を加熱
接着しているので弾性と風合に劣ることは否めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
欠陥を解消し、柔軟でかつ伸長回復性に優れた金属薄膜
を有する伸縮性繊維シート状物及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のシート状物
は、金属薄膜を有する繊維シート状物であって、該繊維
シートがポリウレタン弾性フィラメント(A)と非弾性
繊維(B)とが積層され、積層された前記ポリウレタン
フィラメント(A)の接合点がポリウレタンフィラメン
ト(A)自体により融着しており、かつ前記非弾性繊維
(B)がポリウレタンフィラメント(A)の接合点間の
無緊張下での長さに対し2倍以上の長さで積層されてな
ることを特徴とする。
【0005】また本発明のシート状物の製造方法は、熱
可塑性繊維形成性ポリウレタン弾性体(a)と熱可塑性
繊維形成性非弾性重合体(b)とがいずれも繊維外周面
に露出する形状を以って長手方向に亘って接合されてい
る複合フィラメント(D)が実質的に集束されずに積層
され、積層された複合フィラメント(D)の接合点が前
記ポリウレタン弾性体(a)自体により融着されてなる
繊維シートを製造する工程,該繊維シートを構成する複
合フィラメント(D)をポリウレタンフィラメント
(A)と非弾性繊維(B)とに分割する工程,繊維シー
トを伸長して前記非弾性繊維(B)を延伸する工程,及
び該繊維シートに蒸着処理により金属薄膜を形成する工
程とからなることを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】繊維シートを構成する複合フィラメント
(D)及びポリウレタン弾性フィラメント(A)に用い
る熱可塑性繊維形成性ポリウレタン弾性体(a)として
は、公知の溶融紡糸可能なポリウレタン弾性体であれば
よく特に限定されない。
【0008】このようなポリウレタン弾性体は通常分子
量500〜6000の低融点ポリオール、たとえばジヒ
ドロキシポリエーテル,ジヒドロキシポリエステル,ジ
ヒドロポリカーボネート,ジヒドロキシポリエステルア
ミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、
たとえばp,p′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,トリレンジイソシアネート,イソホロンジイソシア
ネート,水素化ジフェニルメタンジイソシアネート,キ
シリレンジイソシアネート,2,6−ジイソシアネート
メチルカプロエート,ヘキサメチレンジイソシアネート
等と、分子量500以下の鎖伸長剤、たとえばグリコー
ル,アミノアルコール或いはトリオールとの反応により
得られるポリマーである。
【0009】これらのポリマーのうち、特に良好なもの
はポリオールとしてポリテトラメチレングリコール、ま
たはポリε−カプロラクトン或いはポリブチレンアジペ
ートを用いたポリウレタンである。ポリオールとしてポ
リエチレングリコールを用いると親水性が向上するため
特殊の用途に用いられる。また有機ジイソシアネートと
してはp,p′−ジフェニルメタンジイソシアネートが
好適である。また鎖伸長剤としては、p,p′−ビスヒ
ドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオー
ルが好適である。ポリウレタン弾性体は上記の如くポリ
オールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤とから合成さ
れるものであるが、本発明に於て好適に使用されるのは
ポリオール成分が全体の65重量%以上であり、特に好
ましいのは70重量%以上である。ポリオール成分の含
有量が少ない場合は得られる繊維シートの伸度および伸
長回復性が低いものとなる。
【0010】熱可塑性繊維形成性非弾性重合体(b)及
び非弾性繊維(B)に用いるものとしてはポリエチレン
テレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ナイロ
ン6,ナイロン66,ポリプロピレン及びこれらを主成
分とする共重合体及び混合物が挙げられるが、特にポリ
エチレンテレフタレート及びエチレンテレフタレート単
位を主成分とする(80モル%以上)ポリエステル共重
合体が耐光性の点で好適である。
【0011】本発明の繊維シートを構成する複合フィラ
メント(D)は、前記熱可塑性繊維形成性ポリウレタン
弾性体(a)と熱可塑性繊維形成性非弾性重合体(b)
とが、分割可能とすべく例えば図1イ〜ニの如く、いず
れも繊維外周面に露出する横断面形状を以って接合され
ていることが必要である。かかる複合フィラメント
(D)が積層され、その接合点が前記ポリウレタン弾性
体(a)自体により相互に融着されるためには、ポリウ
レタン弾性体(a)が複合フィラメント(D)において
30%以上の表面積比率を占めることが有利であり、更
に非弾性重合体(b)が分割され易く、また多数の細い
非弾性繊維(B)を生成させるためには、楕円などの異
形断面形状にして50〜75%の表面積比率を占めるこ
とがより好ましい。
【0012】複合フィラメント(D)の平均直径は通常
70μm以下、好ましくは15〜50μmである。繊維
径が大きくなると得られる繊維シートが粗剛になる。分
割後のポリウレタン弾性フィラメント(A)は通常50
デニール以下の繊度であり、高応力の伸織性立毛シート
を目的とする場合には1本で25〜50デニールに設定
し、低応力を目的とする場合には2〜3本に分割するな
どして単糸1〜5デニールに設定する。一方分割後の非
弾性繊維(B)は通常30デニール以下の繊度であり、
高密度の立毛を生成するために分割数を多くするが、柔
軟な立毛を目的とする場合には単糸を0.1〜1デニー
ルに、腰のある立毛を目的とする場合には5〜30デニ
ールに設定し、またこれらを併用することもできる。
尚、繊維シートを構成する複合フィラメント(D)の直
径は同一ではなく、例えば平均直径20μmのものを電
子顕微鏡で観察すると10〜25μmの範囲に分布して
いる。また繊維シートの目付は20〜200g/m2
範囲で、ポリウレタン弾性フィラメント(A)の成分が
30〜70重量%を占めることが好ましい。
【0013】本発明に用いる繊維シートは、熱可塑性繊
維形成性ポリウレタン弾性体(a)と熱可塑性繊維形成
性非弾性重合体(b)をそれぞれ溶融し計量した後紡糸
口金部で接合し、例えば特開昭60−99057号や特
開平2−289107号公報に記載されたメルトブロー
紡糸装置を用い紡糸ノズルから吐出し、ノズルの両側か
ら噴出する加熱気体流により複合フィラメントを細化せ
しめる。細化された複合フィラメントは実質的に集束さ
れることなく、たとえば移動するコンベアネット等の捕
集装置上で気体流と分離され、該ネット上に積層され
る。積層された複合フィラメントは自己の有する熱によ
り積層された状態でポリウレタン弾性体(a)の接触点
が該ポリウレタン弾性体自体の融着により接合される。
捕集装置上に積層後冷却固化する前又は後にローラー等
を用い加熱加圧して接合せしめてもよい。複合フィラメ
ント相互間の接触点の接合を強固にするためには紡糸ノ
ズルから捕集装置上に積層する位置までの間隔は余り長
くない方がよく、たかだか1m、好ましくは50cm以
下である。ノズルと捕集装置の間に気体流の誘導通路を
設けることも出来るが、なくても差支えない。
【0014】本発明では熱可塑性ポリウレタン弾性体を
用いるものであるが、更に、溶融したポリウレタン弾性
体にポリイソシアネート化合物を添加し混練した後紡糸
ノズルから吐出すれば、耐熱性と耐溶剤溶解性の向上し
た繊維シートが得られる。
【0015】本発明に用いる繊維シートは、上記複合フ
ィラメントが実質的に繊維長手方向に亘って集束するこ
となく開繊して積層されていることが好ましい。単糸が
開繊されずに集束された状態で融着されていると、繊維
シートの柔軟性が低下しまた複合フィラメントの分割が
著しく損なわれる。
【0016】次に繊維シートを構成する複合フィラメン
トの少なくとも一部を分割する方法としては、ポリウレ
タン弾性体(a)と非弾性重合体(b)との組合せによ
り選択する。即ち、例えばポリウレタン/ポリエチレン
テレフタレート、ポリウレタン/ポリプロピレンの如き
接着性に乏しい組合せでは繊維シートを伸長して非弾性
繊維(B)を延伸と同時に分割する方法により、ポリウ
レタン/ナイロン6の如き分割性に乏しい組合せでは伸
縮,屈曲,ねじり,摩擦等の機械的方法、ベンジルアル
コールやフェノールに浸漬して膨潤・収縮性の差を利用
する化学的方法、或いはこれら方法の組合せによる。分
割に伸長が有効な場合には、分割工程と延伸工程を同時
に行うことが工程の簡略化の点で好ましい。
【0017】繊維シートを伸長して複合フィラメントの
非弾性繊維(B)を延伸する方法としては、必要があれ
ば加熱流体との接触や加熱ローラー等により繊維シート
を加熱して、ローラー間で未延伸状態の非弾性繊維
(B)を少なくとも一方向に伸長して繊維性能を発現さ
せる公知の方法を適用できる。また必要があれば、フィ
ルムで実施されている2軸延伸の方法を用いることもで
きる。
【0018】延伸倍率は、メルトブロー紡糸の条件や用
途にも依存するが、破断強伸度を測定する引張試験にお
いて最大応力(強度)を示す延伸倍率(Rmax)の7
0〜120%程度に通常設定する(但し、ポリウレタン
弾性フィラメント(A)の伸長限界を超えることはな
い)。例えばポリエチレンテレフタレートでは3〜7
倍、ナイロン6で2.5〜6倍、ポリプロピレンで4〜
12倍程度であるが、ポリウレタン弾性フィラメントと
組合せるのでその上限は6倍程度となる。
【0019】繊維シートは、分割と延伸により非弾性繊
維(B)がポリウレタン弾性フィラメント(A)の接合
点間の無緊張下での長さに対し2倍以上の長さで積層さ
れているため、非弾性繊維(B)がたるみやループ状或
いは毛羽状になって存在する。延伸倍率をRmaxの9
0%以上と大きく設定すると、非弾性繊維(B)の一部
が切断して毛羽状の立毛が多い繊維シートが得られる。
更に150%以上になると、繊維シートの強度が低下し
毛羽の保持力が低下することがある。
【0020】本発明の繊維シートは、必要により更に空
気又は水などの流体を噴射して非弾性繊維(B)を片側
に偏在させる工程を付加することもできる。繊維シート
を例えば1.5〜2.0倍伸長して実施するとより有効
であり、これにより織物の風合を一層賦与することがで
きる。
【0021】本発明で用いる繊維シートは、破断伸度が
通常300%以上、好ましくは500〜700%であ
り、破断強度は繊維シートの厚さにより異なるが0.5
kg/cm以上、好ましくは1.0kg/cm以上であ
る。また、100%伸長時の回復率は通常80%以上、
好ましくは85%以上で伸縮回復性に優れた繊維シート
である。また繊維シートの他の特長は、極めて優れた通
気性と柔軟な風合を有することである。
【0022】本発明は、上記繊維シートに非弾性短繊維
(C)を積層し絡合せしめることもでき、かかる非弾性
短繊維としてポリエステル繊維,ナイロン繊維,アクリ
ル系繊維,ポリオレフィン系繊維、及び0.01〜0.
8デニールの極細繊維に分割可能な多成分繊維、或いは
綿,レーヨン,羊毛,絹等のステープルファイバーが適
宜選択され用いられる。柔らかい触感には分割可能な多
成分繊維、吸汗性を必要する用途には綿及び/又はレー
ヨン、人間の肌と接触する場合には綿及び/又は羊毛が
不快感を与えないので好適である。
【0023】繊維シートの片面又は両面に積層された繊
維ウェブ中の非弾性短繊維の群は、伸長状態でニードル
パンチ或いは流体給合法など公知の方法によりその少な
くとも一部が繊維シートの構成繊維間を貫通し、そして
ポリウレタン弾性フィラメント(A),非弾性繊維
(B)及び非弾性短繊維(C)とが相互に絡合して立毛
シートを形成する。流体給合法とは、孔径0.01〜
1.0mm程度の噴射ノズルから10〜80kg/cm
2 程度の圧力で水又は空気を噴射させることによる。ま
た繊維ウェブの重量は、目的・用途により選択するが、
通常5〜200g/m2 程度であるが、シート状物に良
好な伸縮性を賦与するためには40〜100g/m2
好ましい。また絡合時の伸長倍率は最終用途により選択
するが、通常1.2〜3.5倍である。
【0024】繊維シートの表面に形成する金属薄膜は導
電性,金属光沢,異色性,色彩異方性など目的・用途に
よって適宜選択され、例えば金,銀,銅,鉄,錫,ニッ
ケル,亜鉛,アルミニウム等の通常の金属やこれらの金
属を含むステンレス等の合金或いは混合物であってもよ
く、又これらの金属薄膜が2層以上よりなる複合膜、或
いは表層部分が酸化された金属薄膜であってもよい。酸
化等による変色が問題となる場合には、金,アルミニウ
ム,ニッケル,ステンレスが好ましい。
【0025】金属薄膜の厚みは、通常100〜5000
Åであり、100Å未満では亀裂発生或いは剥離脱落が
起こるなど耐久性に劣り、一方5000Åより厚くなれ
ば繊維シートの柔軟性が低下し、導電性や発色も飽和す
る。導電性を賦与する場合には300〜5000Åが好
ましく、金属光沢を賦与する場合には1000〜500
0Åが好ましく、金属色と異なる異色性を賦与する場合
には100〜2000Åが好ましい。また虹色干渉や色
彩異方性を賦与するには反射膜として100〜2000
Åの金属薄膜とその上に透明膜として100〜5000
Åの金属酸化物薄膜を形成することが好ましい(金属蒸
着を施した繊維シートをエンボス加工して異方向へ光反
射させると、色彩が模様に応じて変化しよりファショナ
ブルな素材となる)。尚、本発明にて金属皮膜の厚みと
は、皮膜の最大厚みをいう。
【0026】金属薄膜の付与方法は、従来公知の真空蒸
着法,イオンプレーティング法,スパッタリング法,プ
ラズマ溶射法等のPVD法やプラズマCVD法,光CV
D法等の手法が利用でき、好ましくは真空蒸着法,スパ
ッタリング法である。処理方法としては連続法,バッチ
法,半連続法等のいずれもが採用できる。また立毛シー
トで立毛長が1mm以上の場合には、斜め方向で別方向
から複数回処理することが好ましい。
【0027】布帛上の金属薄膜を保護したり、非弾性繊
維(B)を固着して耐久性を一層向上させる為、該布帛
表面に樹脂等を塗布或いは樹脂加工することが好まし
い。使用する樹脂については特に限定しないが、アクリ
ル系,ウレタン系,ポリエステル系,メラミン系,ポリ
アミド系,シリコーン系,ブタジエン系等公知の繊維加
工に使用される樹脂を使用出来る。付着量は通常0.5
〜3重量%であり、目的によりドット状,線状,格子状
あるいは全面に付与する。また、金属蒸着の前に繊維シ
ートにN2 ,Ar等の不活性ガスで低温プラズマ処理を
施すと、より均一で美しい蒸着膜が得られ好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明の金属薄膜を有する伸縮性繊維シ
ート状物は、ポリウレタン弾性フィラメントの不織布を
繊維質基材の構成成分としているので、ゴム弾性的な伸
縮回復性に富むと同時繊維布の風合いを有するものであ
る。また本発明の製造方法によれば、上記の特性を有す
るシート状物を工業的容易かつ安価に製造することがで
きる。そして本発明の伸縮性シート状物は電磁波シール
ド布,除電布,光反射カーテン,光反射カバー,金属的
外観あるいは異色を呈する衣服などとして有用である。
【0029】本発明のシート状物は、以下の物性値にて
評価される。 (破断強度および伸度)巾2cmの試料をJIS L−
1096に準じ、つかみ間隔を5cm、引張速度10c
m/minとして伸長し、破断時の1cm巾当りの強度
と伸度を測定する。 (100%伸長回復率)巾2cmの試料をつかみ間隔5
cm、引張速度10cm/minとして100%伸長
し、直ちに同じ速度で原長まで回復させる。記録した荷
重−伸長曲線から残留伸び率L(%)を求め次式により
100%伸長回復率を算出する。
【数1】100%伸長回復率(%)=100−L (剛軟度)JIS L−1096の45°カンチレバー
法によった。
【0030】
【実施例】
比較例1 脱水した水酸基価56のポリブチレンアジペート116
0部(以下部はすべて重量部を意味する。)と1,4ブ
タンジオール179部とをジャケット付のニーダーに仕
込み、攪拌しながら充分に溶解した後、85℃の温度に
保ち、これにp,p′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート660部を加えて反応させた。攪拌を続けると約3
0分で粉末状のポリウレタンが得られ、これを押出機に
よりペレット状に成形しジメチルホルムアミド中25℃
で測定した濃度1g/100ccの相対粘度が2.05
の熱可塑性ポリウレタン弾性体を得た。
【0031】このようにして得たポリウレタン弾性体の
ペレットを原料とし、1列に配列した直径0.6mmの
紡糸ノズルの両側に加熱気体の噴射用スリットを有する
溶融ブロー紡糸装置を用い溶融温度245℃、ノズルか
ら吐出し、200℃に加熱した空気を1.8kg/cm
2 の圧力でスリットから噴射して細化した。細化したフ
ィラメントをノズル下方25cmに設置した30メッシ
ュの金網からなるコンベア上で捕集し、ローラーではさ
んで引取り目付60g/m2 、100%伸長回復率91
%の不織布を得た。この不織布は平均直径20μmのポ
リウレタン弾性繊維のモノフィラメントが開繊されて積
層しており、フィラメント間の交絡点は互いに融着によ
り接合されていた。
【0032】上記ポリウレタン不織布に分子量600の
ポリエチレングリコールを5重量%共重合した易染ポリ
エステルのウェブ(繊度1.5d,繊維長51mm,ク
リンプ数20山/インチ,目付30g/m2 )を両面に
積層し、上下より1000本/cm2 のニードルパンチ
を行い不織布を得た。この不織布の100%伸長回復率
は74%であった。
【0033】次いで、図2に示す真空蒸着装置を用いて
前記不織布に1.2倍伸長した状態で両面から銀を20
00Å真空蒸着した。膜厚は、蒸発源とサンプルと同距
離の位置に置いた膜厚計により測定した。また電磁波シ
ールド性は、タケダ理研(株)製のスペクトラムアナラ
イザーTR17301を用いて周波数100〜1000
MHzの電界波減衰率を測定した。
【0034】実施例1 比較例1の熱可塑性ポリウレタン弾性体を245℃に、
分子量600のポリエチレングリコールを5重量%共重
合したポリエチレンテレフタレート(易染ポリエステ
ル)を285℃に各々加熱溶融し、1:1の重量比で図
1のイの如き形状に接合した後紡糸ノズルに導き、以下
比較例1と同様にして平均直径28μmの複合フィラメ
ントから構成される繊維シートを得た。この繊維シート
は、複合フィラメントが単糸に開繊されて積層してお
り、複合フィラメント間の交絡点はポリウレタン弾性体
成分が互いに融着して接合されていた。
【0035】次に、繊維シートを80℃の熱水中で回転
ローラーにより3.0倍に伸長するとともに毎秒2回上
下するステンレス板に挟んで繊維シートの伸縮をくり返
すことにより(3.0〜4.0倍伸長)、繊維シートを
構成する複合フィラメントを分割した。分割して生成し
たポリウレタン弾性フィラメントは平均4デニール、分
割・延伸された易染ポリエステル繊維は平均1.6デニ
ールの分布をもつ繊度を有しており、易染ポリエステル
繊維がたるみやループ状となって積層されていた。次い
で、比較例1と同様に、上記繊維シートを真空蒸着し
た。
【0036】実施例2 実施例1の分割・延伸処理した繊維シートを1.5倍伸
長した状態で、2mm間隔で多数配列した孔径0.25
mmの噴射ノズル3列から柱状水流を圧力45kg/c
2 で噴射して易染ポリエステル繊維成分を片面に偏在
させた。次に、この不織布を比較例1と同様に真空蒸着
した。次いで、1.5倍伸長した状態で水性ポリウレタ
ン(第一工業製薬(株)エラストロンCT−7)の5%
水溶液を含浸率が200%となるように含浸した後、1
50℃で3分熱風乾燥を行い、易染ポリエステル繊維成
分の偏在を固定した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例3 酸化チタンを1.8重量%含有する易染ポリエステルを
使用し、アルミニウム薄膜を3000Åに変更する以
外、実施例1と同様にしてAl蒸着のシート状物を製造
した。尚光反射性は、マクベス分光光度計による反射率
の測定により評価した。
【0039】実施例4 1:2の重量比で図1のロの複合形状に変更する以外、
実施例3と同様にしてAl蒸着のシート状物を製造し
た。
【0040】比較例2 酸化チタンを1.8重量%含有する易染ポリエステルを
使用し、アルミニウム薄膜を3000Åに変更する以
外、比較例1と同様にしてAl蒸着のシート状物を製造
した。
【0041】
【表2】
【0042】実施例5 水酸基価132のポリテトラメチレングリコール850
部とp,p−ジフェニルメタジイソシアネート1500
部を80℃で30分反応させて粘調なポリイソシアネー
ト化合物を得た(分子量1364)。このポリイソシア
ネート化合物を13重量%をポリウレタンに配合する以
外、実施例2と同様にして易染ポリエステル繊維成分の
偏在した不織布を得た。
【0043】次に、この不織布の易染ポリエステル繊維
成分の多い面に斜め異方向から銅薄膜をそれぞれ200
Å真空蒸着を施した後、他面に実施例2と同様に水性ポ
リウレタンを含浸した。次いで、200℃で3分熱風乾
燥したところ、色彩が薄銅色から紫色でパール調に変化
した。
【0044】実施例6 真空蒸着をそれぞれ100Åずつに変更する以外、実施
例5と同様にしてシート状物を製造した。この場合に
は、加熱処理により薄灰緑から黄色でパール調に変化
し、染色では得られない特異な色彩を呈していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な複合フィラメントの横断面形状
の例を示す。
【図2】本発明に好適な真空蒸着装置の例を示す。
【符号の説明】
A ポリウレタン弾性フィラメント成分 B 非弾性繊維成分 1 真空容器 2 ガイドローラー 3 繊維シート 4 繊維シート巻取り軸 5 繊維シート供給軸 6 金属蒸着坩堝 7 真空ポンプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄膜を有する繊維シート状物であっ
    て、該繊維シートがポリウレタン弾性フィラメント
    (A)と非弾性繊維(B)とが積層され、積層された前
    記ポリウレタンフィラメント(A)の接合点がポリウレ
    タンフィラメント(A)自体により融着しており、かつ
    前記非弾性繊維(B)がポリウレタンフィラメント
    (A)の接合点間の無緊張下での長さに対し2倍以上の
    長さで積層されてなることを特徴とする繊維シート状
    物。
  2. 【請求項2】 繊維シート状物が70〜100%の10
    0%伸長回復率を有することを特徴とする請求項1記載
    のシート状物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性繊維形成性ポリウレタン弾性体
    (a)と熱可塑性繊維形成性非弾性重合体(b)とがい
    ずれも繊維外周面に露出する形状を以って長手方向に亘
    って接合されている複合フィラメント(D)が実質的に
    集束されずに積層され、積層された複合フィラメント
    (D)の接合点が前記ポリウレタン弾性体(a)自体に
    より融着されてなる繊維シートを製造する工程,該繊維
    シートを構成する複合フィラメント(D)をポリウレタ
    ンフィラメント(A)と非弾性繊維(B)とに分割する
    工程,繊維シートを伸長して前記非弾性繊維(B)を延
    伸する工程,及び該繊維シートに蒸着処理により金属薄
    膜を形成する工程とからなることを特徴とする繊維シー
    ト状物の製造方法。
  4. 【請求項4】 繊維シートを構成する複合フィラメント
    (D)を分割する工程と繊維シートを伸長して非弾性繊
    維(B)を延伸する工程が同時に為されることを特徴と
    する請求項3記載の方法。
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