JP2895405B2 - 画像の階調補正方法及び画像処理装置 - Google Patents

画像の階調補正方法及び画像処理装置

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JP2895405B2
JP2895405B2 JP6257934A JP25793494A JP2895405B2 JP 2895405 B2 JP2895405 B2 JP 2895405B2 JP 6257934 A JP6257934 A JP 6257934A JP 25793494 A JP25793494 A JP 25793494A JP 2895405 B2 JP2895405 B2 JP 2895405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像入力装置であるイ
メージスキャナ、画像出力装置であるイメージプリン
タ、あるいはディジタルコピア等における画像処理に係
り、詳しくは、モノクロあるいはカラー階調画像の入出
力の際の画像データ処理における階調補正方法、及び、
該方法を適用した画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】階調画像の入出力の際の階調補正は、例
えば、イメージスキャナからの入力画像R′(赤)G′
(緑)B′(青)を当該スキャナの特性に依存しないRG
Bに変換する場合、あるいは表色系変換したY(黄)M
(マゼンダ)C(シアン)K(黒)データを使用プリンタ
の特性に最適化したC′M′Y′K′に変換する場合等
において必要になる。
【0003】一般に画像の階調補正には入出力階調対応
曲線が用いられる。この曲線をγ補正曲線と称す。即
ち、γ補正曲線は、入力値を補正して出力するための補
正曲線であり、所望範囲の入力画像データと所望範囲の
出力画像データとを対応づける曲線である。
【0004】従来、この種のγ補正曲線としては、y=
n (nは任意の定数)といった簡単な関数や、制御点
を直線でつないだ折れ線近似を用いる方法、あるいは、
本出願人が先に提案した特開昭63−2462号公報や
特開平6−105154号公報に記載の多項式を用いる
方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、y=xn を用いる方法は、γ補正曲線の全体形状が
nの値で一義的に決まるため、適用は非常に制限されて
しまい、汎用性に乏しい問題がある。また、折れ線近似
による方法は、制御点付近での階調の連続性が失われて
しまうという問題がある。
【0006】一方、多項式を用いる場合は、γ補正曲線
を自由な特性とすることが可能である。しかしながら、
特開昭63−2462号公報に記載の方法は、曲線の始
点(ハイライト点)と終点(シャドウ点)、補正のタイ
プ、補正の度合等をパラメータとして多次式演算により
多次曲線を求め、この曲線を座標軸変換してγ補正曲線
を生成するというもので、曲線を生成するのに必要なパ
ラメータが多く、このため、γ補正処理をする際に、メ
モリ、レジスタなどのハードウェア量が多くなるという
問題がある。この問題を解決するのが特開平6−105
154号公報に記載の方法で、これは曲線の始点と終点
の接続方向と通過する中点を指定してγ補正曲線を生成
するというものである。しかし、この方法も曲線の全域
にわたりきめ細かに特性を指定する場合には操作が繁雑
となる嫌いがあった。さらに、特開昭63−2462号
公報及び特開平6−105154号公報のいずれにおい
ても、任意の階調数への対応については開示されていな
い。
【0007】本発明の一つの目的は、対象装置の階調数
に制約されることなく、任意の階調数への対応が容易に
実施できる汎用的なγ補正曲線式による画像の階調補正
方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、始点と終点の他に、
数点の中間点を指定するのみで、曲線全体の形状を任意
制御することができる自由度の高いγ補正曲線式によ
る画像の階調補正方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、一旦設定したγ補正
曲線に対し、その一部分を他の部分への影響を与えるこ
となく修正することを可能とするγ補正曲線式による画
像の階調補正方法を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、γ補正曲線の修
正や新たな曲線の追加・登録が容易に実施でき、操作性
のよい画像処理装置を提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、実際の画像デー
タ入力に対して、階調補正を高速に処理できる画像処理
装置を提供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、生成したγ補正
曲線の特性を一目で把握することができる画像処理装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には、
画像の入力階調値をx、それに対応する出力階調値をy
とするとき、ハイライト0からシャドウ1に正規化した
γ補正曲線式 y=f(x) (0≦x,y≦1) を、複数の入力値xiとそれに対応する出力値yiを指定
すると、自動的にすべての入力と出力の対応が求まる多
次多項式を用いて、x=0に対応する値をa、x=1に
対応する値をa+bとするとき、 y′=a+by なるy′によって実スケール上での出力階調レベルを決
定することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明では、γ補正曲線式y=f(x)を、c=
1+c2(x−x2)(x−x4)、d=d1+d2(x−x
2)(x−x4)とおいて、
【0015】
【数5】
【0016】なる多次項式で決定する。ここで、c,d
は始点と終点の他に、3つの中間点(通過点)からxの
関数として求めることにより、わずかなパラメータでγ
補正曲線の形状を任意に制御することができる。また、
γ補正曲線は正規化して設定できるので、任意の階調数
への対応が容易である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して具体的に説明する。
【0018】〈補正曲線式の導出〉初めに、本発明で用
いるγ補正曲線式の導出を説明する。Bernsteinの多項
式の応用として、次式で表わされる3次べジエ曲線生成
式が知られている。
【0019】
【数6】
【0020】この式に対し、特徴点(以下、制御点とい
う)を変化させずにベジエ曲線の膨らみを自由に変えら
れるように改良した拡張ベジエ曲線式(以下、MB曲線
式という)がある(特開平2−222264号公報参
照)。これは次式で表わされる。
【0021】
【数7】
【0022】図2にMB曲線の一例を示す。図2より、
制御点P0〜P3はそのままにして、膨らみ制御パラメー
タc,dを大きくすると曲線の膨らみは大きくなり、逆
に小さくすると曲線の膨らみは小さくなる。また、その
値は任意にとることができ、負の場合は膨らみの方向が
逆方向となる。(2)式で表わされるこのMB曲線では
(x,y)座標値をもつ制御点からX−Y平面上の曲線
を表すことができるが、同一のtに対する(x,y)を
求めていく必要があり、y=f(x)の形で関連づけたい
γ補正曲線には、このままでは適用できない。
【0023】上記MB曲線式に対し、制御点P0,P1
2,P3の座標を(0,0),(0,1),(1,
0),(1,1)とし、yの値を一旦tの関数として求
めた後t=xとおくと、
【0024】
【数8】
【0025】となり、x,yが0〜1で正規化された形
で対応づけられることになる。このときの曲線を図3に
示す。
【0026】 〈γ補正曲線式〉 本発明では、上記(3)式をγ補正曲線生成に利用す
る。しかしながら、(3)式はc,dを定数とした場合3
次式であり、始点・終点以外には1自由度しか残らな
い。そこで、 c=c1+c2(x−x2)(x−x4
(4) d=d1+d2(x−x2)(x−x4
(5) とおく。これにより、(3)式は5次式となり、始点
(x1,y1)=(0,0)終点(x5,y5)=(1,
1)以外の3点(x2,y2),(x3,y3),(x4,y
4)からc1,c2,d1,d2を求めることができ、次の
式に対応づけられる。
【0027】
【数9】
【0028】ここに、c2−d2=一定であり、c2,d2
は独立には定まらないが、その値の選択によって曲線の
特性が異なる。
【0029】なお、x2,x4に対応するy2,y4は0以
下あるいは1以上でもよく、この場合には0≦y≦1を
満たす処理が必要である。したがって、γ補正曲線式y
=f(x)は、正確には次式で表わされる。
【0030】
【数10】
【0031】 〈パラメータの選定〉 (3)〜(8)式により、γ補正曲線の形状は、始点(x
1,y1)=(0,0)、終点(x5,y5)=(1,1)
として、中間の3点(x2,y2),(x3,y3),
(x4,y4)、および、c2,d2のパラメータに応じて
定まる。即ち、通過点(x2,y2),(x3,y3),
(x4,y4)の指定によって基本的に曲線が定まるが、
2,d2の選択によって曲線の形状を自由に制御するこ
とができる。ここで、c2とd2は、一方の値を定めれば
他方が定まるため(一般にはd2=0とする)、γ補正
曲線生成のための使用パラメータは実質的に4組で足り
る。このパラメータの組をパラメータセットということ
にする。
【0032】図4乃至図6にγ補正曲線生成の具体例を
示す。図4は、使用パラメータセットを(x2,y2)=
(0.25,0.3),(x3,y3)=(0.5,0.
5),(x4,y4)=(0.75,0.7),d2=0とし
たときの例、図5は(x2,y2)=(0.25,0.12
5),(x3,y3)=(0.5,0.4),(x4,y4
=(0.75,0.75),d2=0としたときの例であ
る。図4の例はハイライト領域の階調を細分化する場合
に効果があり、図5の例はハイライト領域を強調する場
合に効果がある。また、図6は、使用パラメータセット
を(x2,y2)=(0.25,−0.25),(x3
3)=(0.5,0.5),(x4,y4)=(0.75,
1.25),d2=0としたときの例で、これは2値化に
近い特性となっており、特に文字画像に効果がある。な
お、図6の場合は、0≦y≦1を満たすための処理が追
加される。
【0033】生成したγ補正曲線は、一部通過点のパラ
メータの値を変えることにより、その対応領域の曲線形
状を他への影響を最小限に抑制して変えることもでき
る。これは、保守などで、入出力の階調関係を再調整す
る場合に有効である。図7乃至図9にその具体例を示
す。
【0034】図7は、パラメータセット(x2,y2)=
(0.25,0.22),(x3,y3)=(0.5,0.4
5),(x4,y4)=(0.75,0.75),c2=0
としてγ補正曲線を生成後、y4のみ、 y4=0.75±0.10(step 0.05) と変化させた例である。この例は、シャドウ部の再調整
を行っても、ハイライト部への影響がほとんど無視でき
ることを示している。
【0035】図8は、同じくパラメータセットを
(x2,y2)=(0.25,0.22),(x3,y3)=
(0.5,0.45),(x4,y4)=(0.75,0.7
5),d2=0としてγ補正曲線を生成後、y2のみ、 y4=0.22±0.1(step 0.05) と変化させた例である。この例は、逆にハイライト部の
再調整を行っても、シャドウ部への影響がほとんど無視
できることを示している。
【0036】図9は、使用パラメータセットを(x2
2)=(0.125,0.122),(x3,y3)=(0.
5,0.45),(x4,y4)=(0.875,0.87
5),d2=−c2としてγ補正曲線を生成後、y3
み、 y3=0.45±0.1(step 0.05) と変化させた例である。この例は、中間部の再調整を行
った場合、ハイライト部とシャドウ部への影響を抑止で
きることを示している。
【0037】 〈実スケールへの変換〉 (3)〜(8)式によるγ補正曲線は、x,yが0〜1に
正規化された形で対応づけられるものである。一方、実
際の画像処理装置では、64階調(6ビット)、256
階調(8ビット)といった階調数の画像データで処理さ
れるため、それにあった変換が必要となる。また、初期
値(y1)も所望の値に設定する必要がある。
【0038】そこで、正規化したγ補正曲線式y=f
(x)とするとき、実スケールでの入力階調レベルx′に
対し、実スケールでの出力階調レベルy′を y′=a+by(0≦x,y≦1) によって対応づける。ここで、初期値=a、最終値=a
+bである。これにより、一度、正規化したγ補正曲線
式を生成しておけば、任意の階調数への対応が容易とな
る。
【0039】図1は、正規化のx,yと実スケールの
x′,y′の関連を対比して示したものである。ここ
で、図1(a)は正規化したγ補正曲線y=f(x)で、
基本的に3つの通過点(x2,y2),(x3,y3),
(x4,y4)の指定によって曲線が定まることを示して
いる。図1(b)は、図1(a)の曲線について、初期
値をaとし、256階調(最終値は255)へ換算した
場合の例である。
【0040】 〈システム構成例〉 図10に、本発明の画像処理装置の一実施例のシステム
構成図を示す。図において、操作部110は各種の指示
キーやテンキーなどで構成され、作業員やユーザにより
操作されるものである。γ補正曲線の新規生成や再調整
の際、保守員等は該操作部110より必要なパラメータ
セットを入力する。パラメータメモリ120は、γ補正
曲線生成のための種々のパラメータセットをあらかじめ
記憶しておくメモリであり、標準パラメータセットに加
え、作業員等が先に操作部110より入力してγ補正曲
線の生成・再調整のために使用した複数のパラメータセ
ットが、各々適用モード(標準、明るい、暗い、文字モ
ードなど)を付されて記憶されている。テーブルメモリ
130は、前以ってγ補正曲線式に従って算出しておい
た実スケールの入出力階調値の対応を示すテーブル(変
換テーブル)を記憶しておくメモリであり、複数の変換
テーブルを記憶する場合には、パラメータセットの場合
と同様に適用モードなどで区別する。表示部140は、
作業員やユーザに対するガイダンス類の表示の他に、パ
ラメータメモリ120の内容、あるいは、生成されたγ
補正曲線を表示するのに用いある。スキャナ150はモ
ノクロあるいはカラー階調画像を読み取る画像入力装置
である。プリンタ160はγ補正された階調画像を出力
する画像出力装置である。CPU100は全体の制御、
種々の画像処理を司どり、本発明に係る処理としてはγ
補正曲線式や変換テーブルの生成、γ補正演算などが実
行される。このCPU100の処理については後述す
る。ワークメモリ170はCPU100での処理の途中
結果等が一時格納される作業用メモリである。
【0041】なお、操作部110と表示部140は所謂
操作盤として一体的に構成すれば便利である。また、図
1では省略したが、処理対象画像はスキャナ150から
の入力画像の他に、ビデオテープ、その他の画像記録媒
体にすでに蓄積されているもの、あるいは通信回線によ
り遠隔の装置(ファクシミリなど)から伝送されてきた
ものでもよい。画像の出力先も、プリンタ160にプリ
ントアウトする場合の他に、画像表示装置に表示した
り、画像記録媒体に蓄積したり、さらには通信回線によ
り遠隔の装置へ伝送することでもよい。
【0042】 〈γ補正曲線生成処理〉 γ補正曲線の生成には、通常はパラメータメモリ120
に記憶されている既存のパラメータセットを使用する
が、新たなγ補正曲線の設定や再調整時は、作業員等が
操作部110から入力するパラメータセットを使用して
生成する。なお、いずれのケースかは作業員等が操作部
110からあらかじめ指定しておけばよい。さらに、パ
ラメータメモリ120の既存パラメータセットを使用す
る場合は、その適用モードも指定しておく。図11に、
CPU100でのγ補正曲線生成の処理フロー例を示
す。
【0043】CPU100では、γ補正曲線生成の場
合、まず、既存パラメータ使用のケースか否か判定し
(ステップ201)、既存パラメータ使用であれば、そ
の適用モードを判定し(ステップ202)、パラメータ
メモリ120より当該モードのパラメータセットを読み
出してワークメモリ170に取り込む(ステップ20
3)。そして、この取り込んだパラメータセットを用い
て、x,yが0〜1に正規化して対応づけられるγ補正
曲線式y=f(x)を生成する(ステップ207)。具体
的には、取り込んだパラメータセットを使用して、先の
(6)〜(8)式で、c1,c2,d1,d2を求め、
(4)と(5)式で、c,dを求め、このc,dを
(3)式に代入して、正規化されたγ補正曲線式y=f
(x)を生成する。なお、パラメータの値によっては0≦
y≦1を満たすための処理が追加される。
【0044】一方、ステップ201で既存パラメータの
不使用が判定された場合は、操作部110から入力され
るパラメータセットをワークメモリ170に取り込む
(ステップ204)。そして、作業員等による操作部1
10からの指示にしたがい、入力したパラメータセット
をパラメータメモリ120に新規に登録するか、あるい
は既存のパラメータセットを更新するか判定し(ステッ
プ205)、新規登録する場合は、入力したパラメータ
セットにモードを付加(モードは作業員等が指示する)
してパラメータメモリ120に書き込み、更新の場合
は、パラメータメモリ120内の該当モードのデータを
入力したパラメータセットで書き替える(ステップ20
6)。新規登録・更新のいずれも行わない場合はステッ
プ206をスキップする。その後、入力したパラメータ
セットを用いて、正規化したγ補正曲線式y=f(x)を
生成する(ステップ207)。
【0045】図11では省略したが、生成した正規化γ
補正曲線式は、パラメータメモリ120に該当パラメー
タセットと対応づけて記憶しておく。これにより、操作
部110からの作業員等の指示で、CPU100がパラ
メータメモリ120から所望のγ補正曲線式を読み出
し、その曲線を生成して表示部140に表示するように
すれば、作業員等はγ補正曲線の特性を一目で把握する
ことが可能になる。
【0046】なお、パラメータメモリ120に記憶され
ている既存パラメータを使用してγ補正曲線を生成する
際、パラメータメモリ120に記憶されている各パラメ
ータセットを読み出して表示部140に一覧表示し、そ
のうちから作業員が選択したものをワークメモリ170
に取り込むようにしてもよい。また、この場合、パラメ
ータセットの替わりに上記のようにγ補正曲線を直接表
示させてもよく、この場合には、γ補正曲線生成そのも
のを省略することも可能である。
【0047】 〈変換テーブル作成処理〉 γ補正曲線式y=f(x)は、x,yが0〜1に正規化し
て対応づけられるものである。これを実際に適用する装
置では64階調、256階調といった階調数のデータで
処理されるので、それにあった変換(換算)が必要であ
る。この換算を前もって行い、実スケールでの入力階調
レベルx′に対応する出力階調レベルy′を記憶した変
換テーブルを作成しておけば、実際の入力画像データに
対して、該テーブルを参照するだけで出力値を決定でき
る。図12に、変換テーブル作成処理フロー例を示す。
【0048】CPU100では、まず、正規化されたγ
補正曲線式y=f(x)を取り込む(ステップ301)。
これは、図11のステップ207に引き続いて、そこで
生成されたγ補正曲線式を直ちに取り込むことでも、あ
るいは、あらかじめ生成されたパラメータメモリ120
に記憶されているγ補正曲線式を読み出して取り込むこ
とでもよい。次に、実スケールでの入力階調レベルx′
の初期値(一般にはx′=0)を設定した後(ステップ
302)、先の(9)式に示す実スケールへの変換式
y′=a+byにより、実スケールでの出力階調レベル
y′を計算する(ステップ303)。この際、y=f
(x)のxとしては、x′に対応する正規化値を用いるこ
とは云うまでもない。この求めた実スケールでの出力階
調レベルy′を、対応する入力階調レベルx′と対にテ
ーブルメモリ130に書き込む(ステップ304)。そ
して、所定の階調数分(例えば64階調、256階調)
の換算が終了したかどうか判定し(ステップ305)、
終了していなければ、入力階調レベルx′をステップア
ップして(ステップ306)、ステップ303に戻る。
以下、所定の階調数分の換算が終了するまで、ステップ
304〜306をループする。
【0049】変換テーブルは、種々のモード毎、また、
カラー画像の場合はRGB毎、CMYK毎に作成して、
テーブルメモリ130に記憶しておく。
【0050】 〈実動作〉 ここでは、図10において、スキャナ150から取り込
んだカラー画像データをプリンタ160に出力するもの
とし、γ補正のための適用モード等はあらかじめ操作部
110より指定されているとする。
【0051】スキャナ150で読み込まれた画像データ
R′G′B′はワークメモリ170に蓄積される。CP
U100では、この入力画像データR′G′B′につい
て、テーブルメモリ130の所望変換テーブル(3組)
を参照して、スキャナ150の特性に依存されない画像
データRGBにγ補正(ここではγ1補正と称す)し、ワ
ークメモリ170に再格納する。この画像データRGB
について、MTF補正あるいは平均化といったフィルタ
リング処理、さらに表色系変換のRGB/CMYK変換
を行った後、テーブルメモリ130の所望変換テーブル
(4組)を参照して、CMYKデータをプリンタ160
の特性に最適化したC′M′Y′K′にγ補正し(ここ
ではγ2補正と称す)、プリンタ160へ出力する。
【0052】以上の動作例は、所望の変換テーブルが前
もってテーブルメモリ130に用意されている場合であ
るが、その時々の画像処理毎に、図11のステップ20
1,202,203,207で該画像処理に最適のγ補
正曲線式を自動生成し、引き続き図12のステップ30
1〜305で、該処理で使用される階調数に対応する変
換テーブルを作成し、該変換テーブルを用いて、入力画
像データをγ補正してもよい。この場合、テーブルメモ
リ130の容量を軽減できる効果がある。
【0053】 〈他のシステム構成例〉 図13に、図10のCPU100の機能をハードウェア
回路で置き換えた場合のシステム構成例を示す。これ
は、上記動作例のイメージスキャナから読み込んだ画像
データをプリンタに出力する場合の適用例である。
【0054】パラメータメモリ402は、γ補正曲線生
成のための複数のパラメータセットを記憶しており、例
えば標準パラメータセットの他に、先に操作部401よ
り入力してγ補正曲線生成のために使用したパラメータ
を記憶している。γ補正曲線生成部403は、通常は操
作部401で指定されたモード等によりパラメータメモ
リ402から所定パラメータを読み出し、正規化された
γ補正曲線式y=f(x)を生成するが、操作部401か
らパラメータセットが入力される場合には、該入力され
たパラメータセットにもとづいてγ補正曲線式y=f
(x)を生成する。ここでは、γ補正曲線生成部403
は、RGB用のγ1補正曲線式(RGB対応に3組)とC
MYK用のγ2補正曲線式(CMYK対応に4組)の2
種類を生成し、各々γ補正演算部405,408に設定
するものとする。なお、操作部401からパラメータセ
ットが入力された場合は、それをモード等を付加してパ
ラメータメモリ402にも記憶する。
【0055】スキャナ404からの入力画像データR′
G′B′について、第1のγ補正演算部405におい
て、実スケールへの変換式y′=a+byを用いてスキ
ャナ404の特性に依存しない画像データRGBにγ補
正する。この画像データRGBに対して、フィルタ部4
06でMTF補正あるいは平均化といったフィルタリン
グ処理を行い、さらに表色系変換部407でRGB/C
MYK変換を行う。そして、この画像データCMYKに
ついて、第2のγ補正演算部408において、実スケー
ルへの変換式y′=a+byを用いてプリンタ409の
特性に最適化したC′M′Y′K′にγ補正し、プリン
タ409へ出力する。
【0056】なお、第1のγ補正演算部405の出力デ
ータはスキャナの特性に依存しないRGBデータであ
り、これを線410により図示しない記憶媒体等に記憶
するようにすれば、スキャナの特性に無関係に所望の画
像処理に利用することが可能になる。また、第2のγ補
正演算部408では、線420から与えられる他のCM
TKデータを入力して、それを当該プリンタ409の特
性に合致したC′M′Y′K′に補正することも可能で
ある。
【0057】ここでは、γ補正演算部405,408で
は、入力画像データに対して一々、実スケールへの変換
式y′=a+byを用いてγ補正演算を行うとしたが、
図10の場合と同様に前もって変換テーブルを作成して
おけば、変換テーブルを参照するだけで、入力階調レベ
ルに対応するγ補正された出力階調レベルを得ることが
できる。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、画像の入
出力階調値を一旦0〜1に正規化して対応づけ、改めて
任意の初期値を現実の階調数に対応した出力階調レベル
に変換するため、任意の階調数への対応が容易で、γ補
正曲線を汎用的に利用できる。また、基本的に始点と終
点の他に中間の3点を指定するだけでγ補正曲線が定ま
り、わずかのパラメータによってγ補正曲線の形状を任
意に制御することができる。
【0059】請求項2記載の発明によれば、中間点(通
過点)をハイライト、ミドル、シャドウの3点で指定す
ることにより、一般的な感覚との対応が容易な標準的な
γ補正曲線を生成できる。
【0060】請求項3記載の発明によれば、c2=0と
することで、シャドウ部を再調整して利用する場合にハ
イライト部への影響を避けることができ、d2=0とす
ることで、逆にハイライト部を再調整して利用する場合
に、シャドウ部への影響を避けることができる。
【0061】請求項4記載の発明によれば、γ補正曲線
の生成に必要なパラメータを入力する手段に加えて、以
前に入力されたパラメータを記憶する手段を具備するこ
とにより、γ補正曲線の修正や新たな曲線の追加、登録
が容易に実施でき、操作性のよい画像処理装置を提供で
きる。
【0062】請求項5記載の発明によれば、あらかじめ
実スケールの変換(換算)テーブルを作成して持つこと
により、実際の画像データ入力に対して、階調補正の高
速処理を実現でき、また、CPUの負担も軽減できる。
【0063】請求項6記載の発明によれば、生成したγ
補正曲線を可視的にグラフ表示することにより、作業員
等は曲線の特性を一目で把握でき、再調整などの作業が
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による正規化したγ補正曲線と実スケー
ルでの対比の一例を示す図である。
【図2】従来の拡張ベジエ曲線の一例を示す図である。
【図3】本発明のγ補正曲線生成に用いる変形ベジエ曲
線の一例を示す図である。
【図4】本発明により生成されるγ補正曲線の一例を示
す図である。
【図5】本発明により生成されるγ補正曲線の他の一例
を示す図である。
【図6】本発明により生成されるγ補正曲線の更に他の
一例を示す図である。
【図7】本発明によるγ補正曲線のシャドウ部の再調整
を示す図である。
【図8】本発明によるγ補正曲線のハイライト部の再調
整を示す図である。
【図9】本発明によるγ補正曲線のミドル部の再調整を
示す図である。
【図10】本発明による画像処理装置の一実施例のブロ
ック図である。
【図11】図10のCPUでのγ補正曲線生成の処理フ
ロー例を示す図である。
【図12】図10のCPUでの変換テーブル作成の処理
フロー例を示す図である。
【図13】本発明による画像処理装置の他の実施例のブ
ロック図である。
【符号の説明】
100 CPU 110 操作部 120 パラメータメモリ 130 テーブルメモリ 140 表示部 150 スキャナ 160 プリンタ 170 ワークメモリ 401 操作部 402 パラメータメモリ 403 γ補正曲線生成部 404 スキャナ 405,408 γ補正演算部 406 フィルタ部 407 表色系変換部 409 プリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−105154(JP,A) 特開 昭63−61580(JP,A) 特開 昭60−192460(JP,A) 特開 昭57−131169(JP,A) 特開 昭63−309078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 1/40 - 1/409 H04N 1/46 H04N 1/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された階調画像の階調レベルを入出
    力階調対応曲線(以下、γ補正曲線という)にもとづい
    て補正して出力する画像の階調補正方法であって、 画像の入力階調値をx、それに対応する出力階調値をy
    とするとき、ハイライト0からシャドウ1に正規化した
    γ補正曲線を、5つの入力値x1,x2,x3,x4,x5
    (x1<x2<x3<x4<x5;x1=0,x5=1)とそ
    れに対応する出力値y1,y2,y3,y4,y5(y1
    0,y5=1)を指定して、次式 【数1】 【数2】 によって生成し、x=0に対応する値をa、x=1に対
    応する値をa+bとするとき、 y′=a+by なるy′によって実スケール上での出力階調レベルを決
    定することを特徴とする画像の階調補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像の階調補正方法にお
    いて、x2をハイライト領域に、x4をシャドウ領域に、
    3を中間領域に決定することを特徴とする画像の階調
    補正方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2記載の画像の階調補正方法
    において、定数c2,d2の少なくとも一方を零とするこ
    とを特徴とする画像の階調補正方法。
  4. 【請求項4】 入力された階調画像の階調レベルをγ補
    正曲線にもとづいて補正して出力する画像処理装置にお
    いて、 ハイライト0からシャドウ1に正規化したγ補正曲線と
    して、画像の入力階調値をx、それに対応する出力階調
    値をyとするとき、5つの入力値x1,x2,x3,x4
    5(x1<x2<x3<x4<x5;x1=0,x5=1)と
    それに対応する出力値y1,y2,y3,y4,y5(y1
    0,y5=1)を指定して、次式 【数3】 【数4】 を適用し、x=0に対応する値をa、x=1に対応する
    値をa+bとするとき、 y′=a+by なるy′によって実スケール上での出力階調レベルを決
    定する画像処理装置であって、 γ補正曲線の生成に必要なパラメータ 1 〜x 5 、y 1
    5 、及びc 2 あるいは 2 を入力するパラメータ入力手
    段と、 以前に入力されたパラメータを記憶するパラメータ記憶
    手段と、 前記パラメータ入力手段から入力されたパラメータある
    いは前記パラメータ記憶手段に記憶されたパラメータに
    応じてγ補正曲線式を生成する補正曲線生成手段と、 入力画像データについて、前記γ補正曲線式に基づいて
    γ補正演算を行う補正演算手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の画像処理装置において、
    補正演算手段は、 γ補正曲線式に基づいて前もって適合範囲の入力階調値
    に対応する出力階調値を算出して、入力と出力の対応関
    係を登録したテーブルを備え、入力画像データについ
    て、前記テーブルを参照して出力値を決定することを特
    徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4,5記載の画像処理装置におい
    て、生成されたγ補正曲線式で表わされる曲線を表示す
    る表示手段を有することを特徴とする画像処理装置。
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