JP2894632B2 - アシル化された表皮成長因子 - Google Patents

アシル化された表皮成長因子

Info

Publication number
JP2894632B2
JP2894632B2 JP2193178A JP19317890A JP2894632B2 JP 2894632 B2 JP2894632 B2 JP 2894632B2 JP 2193178 A JP2193178 A JP 2193178A JP 19317890 A JP19317890 A JP 19317890A JP 2894632 B2 JP2894632 B2 JP 2894632B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egf
acylated
growth factor
epidermal growth
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2193178A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03115297A (ja
Inventor
フランソワ・ケイ・ヌジエハ
シヤラビイ・ダブリユー・シヤラビイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ethicon Inc
Original Assignee
Ethicon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ethicon Inc filed Critical Ethicon Inc
Publication of JPH03115297A publication Critical patent/JPH03115297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2894632B2 publication Critical patent/JP2894632B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/485Epidermal growth factor [EGF], i.e. urogastrone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアシル化により改質されている、表皮成長因
子(EGF)の化学的に改質された形態に関する。本発明
は又増大した生物学的安定性及び蛋白質分解作用による
劣化に耐性を有するアシル化EGFを含む製薬学的組成物
に関する。
本発明を要約すれば、本発明によりアシル化された表
皮成長因子誘導体、該誘導体の製造方法及び該誘導体を
含む製薬学的組成物が提供されることである。
ヒトのEGF(ウロガストロンとして知られている)は
上皮(epithelial)及び間葉(mesenchymal)細胞を含
めて、種々の種類の細胞に分裂誘発性の活性を有する53
アミノ酸ポリペプチド成長因子である。52アミノ酸ガン
マ−ウロガストロンのような、ヒトEGFポリペプチドの
変種が報告されている。EGFはその分裂誘発性活性の結
果として創傷治癒の速度を増大させるのに有用であるこ
とが報告されている。EGFは又胃潰瘍、脳性虚血及び乾
癬の治療に有用であることも報告されている。EGFの綜
説はカーペンター(Carpenter)等により“Epidermal G
rowth Factor,Its Receptor and Related Proteins"、E
xperimental Cell Research、164:1−10(1986)に記載
されている。
蛋白質及びポリペプチドの局所的又は経口的治療投与
は、蛋白質分解作用による迅速な劣化及び施用部位から
の吸収性が小さいことにために、一般に阻まれている。
EGFは現在局所的に火傷、供与部位の創傷、及び潰瘍を
含む創傷の治療に使用されている。EGFは又胃潰瘍及び
虚血及び再灌流(reperfusion)損傷のような病状の処
置に用途を有している。移植された装置を用いての非経
口的、局所的又は経口的のいずれによっても患者にEGF
を送出する(delivery)ことは予想通り好結果を収めて
いなかった。これはEGF分子の生物学的活性の喪失又は
酵素的分解の結果であると考えられている。今日まで粘
膜(例えば鼻又は頬側の)又は経口送出用の投薬形態を
開発するための努力は、吸収性の低いこと、及び/又は
蛋白質分解酵素による予想通りの失活のために断念され
てきた。又、EGFの水溶液が好適な投薬形態であるとい
う指摘に対して、こうした製剤の実際の保存寿命には疑
問があった。
消化性潰瘍形成の治療及び慢性の胃潰瘍の治癒に対す
るEGFの効能に関する少数の報告によれば、これらの部
位におけるEGFの保護及び治療効果が支持されている。
しかし、これらの使途におけるEGFの充分な製薬学的な
効能は、薬品を静脈的に投与した時でも達成することは
できなかった。EGFが例外的に大量に経口的に投与され
た時に、限定的な成功例が報告されている。上記のよう
に、これは一部は蛋白質分解による劣化及び/又は夫々
の投与形態からのEGFの吸収性の低さ及び/又は十二指
腸粘膜に対する投与形態の不適切さのためであると説明
できる。
又局所投与形態におけるEGFは創傷の蛋白質分解酵素
により、又は創傷を汚染している微生物叢からの蛋白質
分解酵素により蛋白質分解作用による劣化を受け易いと
考えられる。創傷治癒用としては、蛋白質分解作用を受
け易くないEGFを含む局所投与形態が長期の治療効能を
有するであろう。
本発明の総括 本発明は本発明以前に使用された未改質の、天然のEG
Fの欠点を克服する、EGFの化学的に改質された形態を提
供する。本発明の改質されたEGFはアスパラギン1、リ
ジン2又はリジン48の第一級アミノ酸の一つ又は多数が
アシル化されている。好適にはEGFはヒトEGFであり、創
傷、胃潰瘍、脳性虚血及び乾癬の治療のための製薬学的
組成物中で使用される。EGFはその生物活性、即ち上皮
及び間葉細胞の分裂誘発性活性及び胃酸の分泌の抑制に
何等検出し得る損失を与えることがなく、アシル化によ
り改質できることが見出された。本発明によれば、EGF
は下記一般式 上式中、Rは脂肪族又は芳香族残基である、 を有するアシル基でアシル化できる。
本発明の詳述 ヒトEGFとはM.アーデア(Urdea)等、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、80:6461−6465(1983)に記載されたような
ポリペプチド配列、又はその任意の事実上の一部分を有
するEGFを称する。天然のヒトEGFとは、アーデア等に記
載された53のアミノ酸配列を有するEGFを指す。ヒトEGF
は又ガンマ−ウロガストロンのような任意のヒトEGFの
変種をも指している。本発明において有用なEGFは、天
然の原料から単離されるか、組換えDBNA技術を用いて生
産されるか、又は化学的合成によって製造することがで
きる。これらの任意の原料から得られたEGFは次いで本
明細書に記載された方法によってアシル化され、次いで
創傷治療又は胃潰瘍治療用として使用することができ
る。
本文で使用される“アシル化”とは、EGF分子中に一
つ又は多数のアシル基を導入することを称する。アシル
基はN−末端(例えばアスパラギン1)の残基、リジン
28及びリジン48上の一つ又は多数の第一級アミノ酸に共
有結合的に結合している。アシル基はカルボキシル基の
ヒドロキシル基が或種の他の置換基により置き換えられ
ている、任意の有機酸基である。即ち、アシル基は一般
上式中、Rは脂肪族又は芳香族残基である、 を有する。アシル基の普通の例はCH3CO−(アセチル
基)及びC6H5CO−(ベンゾイル基)を含む。本発明にお
いて有用なアシル基中のRとして置換され得る有用な脂
肪族(直鎖状及び環式)及び芳香族残基はCH3−;CnH
2n+1(ここでn=2ないし20である);環式CnH
2n-1(ここでn=3ないし6である);置換された又は
未置換のフェニル、ピリジル又はナフチル;R1−CH2、こ
の式中R1はCH3O−又は低ないし高分子量のアルキレンオ
キシド鎖;ハロアルキル;又は単−又は多糖類である。
EGFは又一般式 HOOC−(CH2−COOH 上式中、n=0−14である、 を有する二官能性アシル化剤でアシル化することもでき
る。得られるアシル化されたEGFは共に架橋され、そし
て下記式: を有する二個のEGF分子から成るものとなろう。本発明
の方法は任意の反応性の第一級アミンにおいてEGFを選
択的にアシル化し、EGFの各種のモノアシル化、ジアシ
ル化又はトリアシル化変種を生じることができる。各場
合において、アシル基はアミノ酸残基アスパラギン1
(又はどんなN−末端アミノ酸でもよい)、リジン28及
びリジン48の第一級アミンの一つ又は多数に共有結合的
に結合している。アシル化したくないこれらの反応性第
一級アミンをブロックするために、保護ブロック基の使
用によって選択的アシル化を行うことができる。こうし
たブロック基の使用は、例えばJ.F.W.マコーミー(McOm
ie)、Protective Groups and Organic Chemistry、プ
レナム(Plenum)社、ニューヨーク、(1973)に記載さ
れているように技術上周知である。
N−末端基でモノアシル化されたEGFは式: により表すことができ、アシル基はN−末端アミノ酸の
第一級アミノ基に共有結合的に結合している。アシル基
がリジン28及び/又はリジン48のエプシロン第一級アミ
ノ基に結合しているEGFのモノアシル化及びジアシル化
変種は式: により表すことができる。勿論アシル基は上記の三種の
第一級アミン部位に任意の組み合わせで存在して各種の
モノ−、ジ−及びトリアシル化EGF分子を形成してもよ
い。本発明の好適な具体化においては、EGFは同じアシ
ル基でトリアシル化されている。
本発明のアシル化されたEGFは、アシル化されたEGFが
予想外にも生理学的条件下でその生物学的活性を保持す
るという点で、未改質の未変性のEGFよりも優れてい
る。アシル化されたEGFは蛋白質分解による劣化に耐性
がある。そのために非経口的製剤並びに局所的製剤にお
いて有用である。アシル化されたEGFは、製薬学的組成
物中で使用された場合、一段と親油性で、EGFのより長
期の作用及び制御された放出形態を提供すると信じられ
る。アシル化は活性エステル、酸ハロゲン化物、アシル
化された複素環式窒素化合物又は無水物の使用を含む、
ペプチド化学において使用される任意の標準的な方法に
より行われる。本発明のEGFを製造するのに有用なアシ
ル化剤の例は酢酸、琥珀酸、マレイン酸又はメチルマレ
イン酸の無水物;N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ア
シルイミダゾール及びN−アシルピラゾールのエステル
を含んでいる。アシル化の一般な方法はMethods In Enz
ymology25:494−499(1972)に記載されており、参照
して参考とされたい。
アシル化されたEGFを製造するために使用されるアシ
ル化反応は、水性緩衝媒体中で(限定された濃度の緩衝
水溶液を含むDMSOを含有する媒体を含む)EGF、アシル
化剤又はアシル化されたEGFに有害でないpH範囲、例え
ばpH6.5ないしpH9.5、及び好適には約pH7.5において行
われる。反応は一般にアシル化剤を20ないし40℃の範囲
に亙る中程度の温度でEGFと混合することにより行われ
る。使用されるアシル化剤の濃度は、該反応剤の反応
性、その溶解性及び所望のアシル化の程度に従って調節
される。反応を行う時間は使用されるアシル化剤及び反
応が行われる温度に依存する。時間は約30℃で約1時間
ないし約12時間が便利であるが、もっと長時間に亙って
反応を継続してもよい。
アシル化反応の終了後、アシル化されたEGFは透析、
アフィニティクロマトグラフィー、及び限外濾過のよう
な標準的な方法により精製され、その後水性媒体から凍
結乾燥のような標準的な方法で回収される。必要に応じ
て、アシル化されたEGFは人間に静脈投与するため、例
えば滅菌によって適応化されてもよい。
EGFのアシル化は天然のEGFよりも高い電荷密度を有
し、イオン導入法により制御放出のために有用であるEG
Fの改質された形態をもたらす。アシル基でアシル基を
ブロックすることにより、EGFの正味の電荷は増加し、
その等電点は低下する。このためイオン導入法のような
電荷により駆動される輸送過程におけるアシル化−EGF
の移動度が増大する。
線維芽細胞成長因子、血小板−由来成長因子、及びイ
ンスリン又はインスリン様成長因子のような他の成長因
子も本発明の教示に従って改質されることが想定され
る。又はEGF、成長因子及び他の蛋白質の安定化も同様
に反応性アミノ酸残基の燐酸エステル化及びエステル化
により達成できることも予想される。アルギニン残基は
トリプシン消化性開裂のような蛋白質分解的開裂の部位
を表すから、シクロアルキル化(ビニルケトンを使用す
ることによる)によるアルギニンのグアニジニウム基の
ブロッキングはこうした分子に安定性を付与することが
できる。
本発明のアシル化されたEGFは製薬学的組成物として
好適にヒトに投与される。従って本発明は又製薬学的に
許容し得る担体と組み合わせて製薬学的に有効な量のア
シル化されたEGF誘導体を含む製薬学的組成物をも提供
する。該組成物はヒトに投与するための製薬学的組成物
を製造する際に使用される日常的な方法に従って製剤化
することができる。典型的には、静脈注射用の組成物は
滅菌したアシル化EGFと滅菌された等張水性緩衝液の溶
液である。必要に応じて、組成物は又溶液中に誘導体を
保有するために溶解剤を含むこともできる。
アシル化EGFの“製薬学的に有効な量”は、各種の投
与規制下において治療上の効果を与える量を称する。例
えば創傷の治療目的に用いる場合は、創傷の治療速度を
高めるのに必要な量のことである。本発明の組成物はア
シル化されたEGFを、水性又は非水性製剤の1ml当たり約
0.01ないし約1000μgの範囲内の量で含むように製造さ
れる。好適には、濃度は1ml当たり1−500μgの範囲に
あり、及び一層好適には1ml当たり1−100μgの範囲に
ある。
EGFが創傷の治癒及び胃潰瘍の処置に有用であると記
載されたように、アシル化されたEGFを含む本発明の組
成物は、創傷及び胃潰瘍をそれらの治療速度が増大する
ように処置するために使用できる。本発明の組成物を用
いて治療できる創傷の種類は、角膜剥離、角膜潰瘍、放
射角膜切開術、角膜移植術、上角膜水晶体術(epikerat
ophakia)及び他の外科的に誘発された眼中に創傷から
生じるような眼科的創傷;及び火傷、皮膚移植の供与者
側の創傷及び潰瘍(皮膚、褥瘡、静脈鬱血、及び糖尿病
性の)のような、皮膚の創傷といった上皮の損傷を起こ
す事故又は医学的な傷害から起こるものである。更に皮
膚が乾癬、日焼け、及び皮膚発疹のような損傷を受けた
皮膚科学的容体は本発明の組成物で治療することができ
る。組成物は創傷の種類によって局所的又は内部的のい
ずれかの方法で創傷部位に施用することができる。上記
の創傷治療用以外に、本発明の組成物は癌の治療、胃潰
瘍の処置の際の胃腸の保護及び胃潰瘍の処置において有
用である。
創傷の治癒の速度を増大させる方法は本発明の組成物
を創傷部位に局所的に投与することによる組成物の塗布
又は接触を含んでいる。組成物は創傷部位の細胞成長の
速度が増大するのに充分な期間に亙って、創傷と接触さ
せたままにしておくことができる。こうした方法は本発
明の任意の組成物をクリーム、ゲル、エーロゾル、スプ
レー、マイクロカプセル、フィルム又は凍結乾燥された
フォーム又は水性製剤のような、任意の製薬学的に許容
し得る制御放出組成物中に混和すること、又は組成物の
水溶液にガーゼ包帯を浸漬し、次いで該製剤又は包帯を
創傷部位に施用することを含んでいる。
本発明の組成物は点眼薬製剤、眼ゲル、眼クリーム、
リポソーム又はミセル製剤、ガーゼ包帯浸漬用の水性賦
形剤、火傷包帯、人口皮膚、抱合糸及び針の被覆、軟膏
又はクリーム(水性又は非水性)、ゲル製剤、泡沫剤等
において有用である。緩衝液、保存剤、張度調節剤、酸
化防止剤、粘度調節用又は増量剤用の高分子、及び賦形
剤のような添加物質を組成物中に使用することができ
る。かような他の物質の特定の代表例は酢酸塩又は硼酸
塩緩衝液;チメロソール(thimerosol)、ソルビン酸、
メチル又はプロピルパラベン及びクロロブタノール保存
剤;張度を調節するための塩化ナトリウム及び/又は
糖;及びマンニトール、ラクトース又はスクロースのよ
うな賦形剤を含んでいる。
下記の実施例は本発明を例示するために提示されたも
のである。本発明はこれらの実施例によって限定される
と考えてはならず、添付特許請求の範囲によってのみ限
定される。
実施例 1 アシル化されたEGFの製造 アセチル(C2)ないしステアロイル(C18)の範囲の
アシル基を用いて下記の方法により各種のアシル化EGF
が製造された。組換技術により生産されたヒトEGF(カ
イラン[Chiron]社製、エメリービル[Emeryville]、
カリフォルニア)を、増量剤としてマンニトールと共に
凍結乾燥した。次いで凍結乾燥したEGFをアシル化EGFを
製造するために使用した。凍結乾燥したEGFを0.5ないし
2mg/mlの濃度で緩衝液を加えた水性媒体又は非水性媒体
に溶解する。媒体は上記の改質剤の溶解性に従って優先
的に選択され、媒体中の溶解性に従って選択された多価
イオン性試薬で緩衝される。長鎖アシル基の場合は好適
な媒体は最終pHが7.5−8.5になるようにトリエタノール
アミン又はアンモニウム酢酸塩で緩衝されたDMSOであ
る。酢酸アンモニウムは又反応の水性緩衝系として一般
に使用されるが、トリス−基剤HEPES、TES及び燐酸塩緩
衝液も又使用できる。
典型例では、600mgのマンニトール中に入れた5mgのEG
Fを、100μのエタノールアミンを含む10mlのDMSOに溶
解する。撹拌の間に合計300μの無水酢酸を、30℃で
2ないし3時間に亙って、三回の異なるアリコートに分
けて、徐々に添加する。溶液のpHは過剰のトリエタノー
ルアミンを加えて連続的に7.5に調節される。同一条件
で1.5時間インキュベーション後にアリコートを取り出
し、第一級アミン含量を検査する。この目的のために
は、アリコートを5ないし15μg/mlに希釈し、硼酸ナト
リウム緩衝液中でメトキシジフェニルフラノン(ポリサ
イエンス[Poly Science])と反応させる。処理された
試料の蛍光の含量をアシル化剤を用いずにインキュベー
トされた対照試料と比較する。始めの蛍光強度の10%以
下、好適には5%以下が典型的な反応混合物中で観測さ
れた時に、改質は終了したと考えられる。別法として、
反応の程度は希釈アリコートの陽イオン交換カラムを用
いた高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測
定される。改質種の保持時間を非改質EGFの保持時間と
比較する。これらの条件下で改質の程度は試料のクロマ
トグラムから計算される。反応は下記のように確認され
る。
反応混合物の容積を脱イオン化された、発熱物質を含
まない、冷たい蒸留水で30mlに調節する。希釈された混
合物を適当な透析チューブ(スペクトラム[Spectru
m])に移し、各々2の0.5M NH4HCO3緩衝液、pH7.5、
を三回交換し、及び50mM NH4HCO3緩衝液を一回交換し、
各交換毎に8−12時間かけて透析する。透析は4−20
℃、好適には4℃で行われる。透析された試料を凍結乾
燥し、少量の0.5M NH4HCO3緩衝液中で0.1ないし0.5mg/m
lの濃度に戻すことによって濃縮される。最終のクロマ
トグラフィーがEx−セルロース(ピアス[Pierce])脱
塩カラム上で行われる。好適には、混合物は分離用陽イ
オン交換カラムを用いて分別される。溶離液をFrac−20
0(ファルマシア[Pharmacia])フラクションコレクタ
ーにより採取する。異なる改質の度合を有する分子を表
すピークの画分を貯留し、透析によって脱塩する。濾過
による滅菌後、アリコートを調剤するか又はマンニトー
ルの存在において凍結乾燥する。
蛋白質濃度は278nmでのUV吸光光度法により、1%溶
液に23.6の吸光係数を用いて、又は標準として未改質の
EGFを用いる標準曲線により測定される。同様にEGF及び
改質誘導体は225/350nmの、又は280/350nmにおける励起
/発光を用いる蛍光分光光度法により測定される。
試料は更に受容体結合検査(Receptor Binding Assay
−RBA)系における、及び/又は標準的方法による分裂
誘発性検査系における生物学的活性を試験することによ
り分析される。これらの条件下で、改質EGFの活性の程
度が重量を基準とした単位重量について未改質のEGFの
活性と比較された。類似の試験がEGF生成物の安定性を
追求するために使用される。RBAはサヴェージ(Savag
e)等、Analytical Biochem.、111、195頁以降(1981)
及び米国特許第4,717,717号に記載されている。RBAの研
究のためには、EGFに対する高密度の受容体を有する細
胞系統をマイクロウェル(microwell)板中で交会(con
fluency)させるために増殖する。増殖媒体を除去し、
僅かに細胞を固体した後に、競合する沃素化されたEGF
の存在において細胞表面への改質EGFの結合を同じ条件
下における非放射性、未改質のEGFの結合と比較する。
改質EGFの濃度は未改質EGFについて作成された標準曲線
から外挿される。C2ないしC8の範囲のアシル側鎖を有す
るアシル化EGFは、RBAによれば生物学的活性を保持して
いた。
分裂誘発性活性系の場合は、EGF感受性細胞系統をマ
イクロウェル板の底部で交会させるために増殖する。成
長因子の乏しい媒体で正規の成長媒体を置き換えた後
に、改質されたEGFがトリチウム標識チミジンと共に加
えられる。成長因子の存在及び不存在におけるトリチウ
ム標識チミジンの結合の程度を次いで計量する。改質さ
れたEGFの効果を同一系下で未改質のEGFの効果と比較す
る。分裂誘発性検査において、C12のアシル側鎖を有す
るアシル化EGFは、C2と類似の反応性を有していた。
実施例 II アシル化EGFの蛋白質分解による劣化への試験管内感受
性 本実施例はアシル化EGF(C2−EGF)のトリプシンに対
する安定性を取り上げている。C2−EGFはアセチル基で
トリアシル化されたものである。その結果によれば.0℃
で4時間に亙るインキュベーションの場合、C2−EGFの7
5%以上が感受性の二つの結合、即ちArg41及びArg45に
おいて蛋白質分解的開裂に耐性を示した。類似の条件下
で、天然のEGFはインキュベーション後5分間以内に65
%以上の開裂を受けた。天然分子の残りの35%は後−イ
ンキュベーション期間の2時間以内に開裂した。トリプ
シンはアルギニン又はリジン残基のカルボニル末端でペ
プチド結合を開裂するから、C2−EGFの耐性はリジン残
基、特にリジン−48のアシル化と関連している。天然EG
Fにおいて、アルギニン48はトリプシンにより速やかに
開裂した。天然EGF、アシル化EGF(C2−EGF)及びC2−E
GFと天然EGFとの混合物のトリプシン消化は、ポリスル
フォエチル アスパルトアミド(ネスト[Nest]グルー
プ)陽イオン交換カラム上でHPLC(ウォーターズ[Wate
rs]845)により分析された。その結果によれば、天然E
GFのトリプシン分解フラグメントは天然分子から容易に
分離することができた。類似の条件下でトリプシンは、
一般に天然EGF又は天然EGFのN−末端からの主要な二つ
のフラグメントよりも速やかに溶離する、C2−EGFから
何等のフラグメントも生じなかった。1.5ないし1の比
率でのC2−EGF及び天然EGFの混合物をTPCK−トリプシン
(ウォーシントン・バイオケム[Worthington Bioche
m]社)と共にイキュベートした。一定の時間間隔でア
リコートを取り出し、分析した。その結果によれば、天
然EGFフラグメントのピークの増大と共に、天然EGFピー
クの迅速な減少が示された。約20分間以内に、天然EGF
の85%以上が消化された。これと対照的に、C2−EGFは
インキュベーション後2.5分間以内にはその初期の量の
約20%が失われたに過ぎなかった。残りの75−80%は最
高4時間のインキュベーションまでも蛋白質分解作用に
抵抗した。
これらの結果はEGFにおける第一級アミン基の単なる
アシル化が上部胃腸管のエンドペプチダーゼの一例であ
る、トリプシンによる劣化から分子を保護することを示
している。これらの結果に基づいてアシル化はEGFに安
定性を付与し、このために消化管の潰瘍の治療のみなら
ず、又局所的創傷の治療用においても使用の際、長期の
活性を可能とするものと信じられる。
実施例 III アシル化EGFの保存性 EGF及び異なる改質度及びアシル側鎖を有するアシル
化EGFの保存性が、受容体結合検査(RBA)系を用いて研
究された。その結果アシル化EGFは対照品である未改質
の天然EGFよりも37℃で貯蔵した場合30%以上の活性を
保持することが示された。下記の第I表はその結果を記
載している。
対照EGFは2ケ月間の貯蔵期間に亙って4℃で貯蔵し
た場合最初の活性の81%を保持し、37℃で貯蔵した場合
は僅か58%であった。アシル化EGF(C2−EGF)は同じ貯
蔵期間の間に4℃でその活性の81%を保持し、37℃で88
%を保持した。これは37℃のデータを基準とすれば対照
品よりも30%の改善を提供する。対照品に較べてアシル
化EGFの高い安定性は、上記のように改質の度合及び蛋
白質分解的劣化の抵抗性の度合の程度に相関関係を持っ
ている。
本発明は或好適な具体化及び実例を挙げながら本明細
書に記載されている。本分野の当業者には明白な変更法
が明らかであると思われるので、本発明は添付特許請求
の範囲によってのみ限定されるものと勘考すべきであ
る。
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
1.アシル化された表皮成長因子(EGF)。
2.アスパラギン1、リジン28又はリジン48のアミノ酸残
基の第一級アミンの一つ又は多数がアシル化されてい
る、上記1に記載のEGF。
3.該EGFがヒトEGFである、上記1に記載のEGF。
4.上記1に記載のEGFを含有して成る製薬学的組成物。
5.式 上式中、Rは脂肪族又は芳香族残基である、 を有するアシル基でアシル化されている、上記1に記載
のEGF。
6.脂肪族残基がC1−C20アルキルである、上記5に記載
のEGF。
7.脂肪族残基がC1−C6アルキルである、上記6に記載の
EGF。
8.脂肪族残基がカルボキシル−含有単一又は多糖類から
誘導される、上記5に記載のEGF。
9.脂肪族残基がオキシアルキレン残基である、上記5に
記載のEGF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/485 A61K 38/18 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表皮成長因子(EGF)を構成するアミノ酸
    残基中に存在する第一級アミノ基の少なくとも1つが式 式中、Rは脂肪族又は芳香族残基である、 で示されるアシル基でアシル化されていることを特徴と
    するアシル化された表皮成長因子(EGF)。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載のアシル化さ
    れた表皮成長因子(EGF)を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする創傷、胃潰瘍及び癌の処置のための薬
    剤。
JP2193178A 1989-07-24 1990-07-23 アシル化された表皮成長因子 Expired - Fee Related JP2894632B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/383,518 US5070188A (en) 1989-07-24 1989-07-24 Acylated epidermal growth factor
US383518 1989-07-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03115297A JPH03115297A (ja) 1991-05-16
JP2894632B2 true JP2894632B2 (ja) 1999-05-24

Family

ID=23513518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2193178A Expired - Fee Related JP2894632B2 (ja) 1989-07-24 1990-07-23 アシル化された表皮成長因子

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5070188A (ja)
EP (1) EP0410671B1 (ja)
JP (1) JP2894632B2 (ja)
DE (1) DE69016867T2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5654274A (en) * 1992-06-01 1997-08-05 Magainin Pharmaceuticals, Inc. Biologically active peptides having N-terminal substitutions
US6348445B1 (en) 1992-06-01 2002-02-19 Magainin Pharmaceuticals, Inc. Biologically active peptides with reduced toxicity in animals and a method for preparing same
US5561107A (en) * 1993-06-04 1996-10-01 Demeter Biotechnologies, Ltd. Method of enhancing wound healing by stimulating fibroblast and keratinocyte growth in vivo, utilizing amphipathic peptides
US5773413A (en) * 1993-06-04 1998-06-30 Demeter Biotechnologies, Ltd. Method of combating mammalian neoplasias, and lytic peptides therefor
US5968904A (en) * 1993-06-04 1999-10-19 Demegen, Inc. Modified arginine containing lytic peptides and method of making the same by glyoxylation
US5512549A (en) * 1994-10-18 1996-04-30 Eli Lilly And Company Glucagon-like insulinotropic peptide analogs, compositions, and methods of use
US5986050A (en) * 1996-12-26 1999-11-16 Poly-Med, Inc. Peracylated proteins and synthetic polypeptides and process for making the same
US7015199B1 (en) * 2000-06-02 2006-03-21 Neirinckx Rudi D Treatment of psoriasis through down-regulation of the EGF-receptor with topically-applied EGF
US20070087965A1 (en) * 2005-10-03 2007-04-19 Neirinckx Rudi D Treatment of psoriasis through down-regulation of the egf-receptor with topically applied egf
AU2003304317A1 (en) * 2003-07-15 2005-01-28 Shenzhen Watsin Genetech Ltd. Modified epidermal growth factors
US8207118B2 (en) * 2009-07-17 2012-06-26 University Of Southern California Skin wound healing compositions and methods of use thereof
US11358994B2 (en) * 2017-07-27 2022-06-14 Saint Louis University Fatty acid modified human epidermal growth factor

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8509448D0 (en) * 1985-04-12 1985-05-15 Ici Plc Urogastrone
US4743679A (en) * 1986-02-24 1988-05-10 Creative Biomolecules, Inc. Process for producing human epidermal growth factor and analogs thereof

Also Published As

Publication number Publication date
EP0410671B1 (en) 1995-02-15
DE69016867D1 (de) 1995-03-23
US5070188A (en) 1991-12-03
JPH03115297A (ja) 1991-05-16
EP0410671A1 (en) 1991-01-30
DE69016867T2 (de) 1995-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2891306B2 (ja) 繊維芽細胞成長因子の複合体
US5576288A (en) Fibroblast growth factor conjugates
US6130204A (en) Peptides
JP4044140B2 (ja) インスリン誘導体類とその使用
CA2146973C (en) Uses of tgf-.beta. receptor fragment as a therapeutic agent
EP0105014B1 (en) Repair of tissue in animals
JP2894632B2 (ja) アシル化された表皮成長因子
KR100658961B1 (ko) 공유적으로 가교결합된 인슐린 이량체, 이를 포함하는 약제학적 조성물 및 진단 키트, 및 이의 제조방법
EP0128849B1 (en) Purified transforming growth factor-beta derived from human platelets and placentas
US20100286042A1 (en) Medicinal Composition Containing Highly Functionalized Chimeric Protein
WO1991015230A1 (en) Ligand for the neu gene product
EP0500773B1 (en) Non-glycosylated fgf-4 and compositions containing the same
US5998362A (en) Conjugates useful in the treatment of prostate cancer
KR20020010920A (ko) 각질세포 성장 인자-2 제제
Wang et al. Characterization, stability, and formulations of basic fibroblast growth factor
US5104977A (en) Purified transforming growth factor beta
EP0561877B1 (en) Compounds and compositions which inhibit bone resorption
Tokuyama et al. Bovine colostric transforming growth factor-β-like peptide that induces growth inhibition and changes in morphology of human osteogenic sarcoma cells (MG-63)
JP2022502359A (ja) 皮膚科障害の処置のための薬剤
KR20080041661A (ko) 생체적합성 폴리머와 컨쥬게이트된 인간 성장 호르몬
Tsukumo et al. Purification and characterization of high molecular weight human epidermal growth factor from human urine
US6096706A (en) Growth-promoting proteins and peptides for kidney epithelial cells
US5298604A (en) Parital primary amino acid sequence of the antineoplastic protein (ANUP); a cytokine present in granulocytes
AU689852B2 (en) Novel protein PHBP-70
JPH0656692A (ja) Tcf−iiを有効成分とする創傷治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees