JP2894553B1 - 公衆トイレ用便尿処理槽 - Google Patents

公衆トイレ用便尿処理槽

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JP2894553B1
JP2894553B1 JP6070198A JP6070198A JP2894553B1 JP 2894553 B1 JP2894553 B1 JP 2894553B1 JP 6070198 A JP6070198 A JP 6070198A JP 6070198 A JP6070198 A JP 6070198A JP 2894553 B1 JP2894553 B1 JP 2894553B1
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Abstract

【要約】 【課題】 下水施設のない地域において、汲み取り作業
や下水への排水を不要とし、かつ、悪臭を発散しない公
衆トイレ用の便尿処理槽を提供する。 【解決手段】 便尿を受入れ空気撹拌しかつ予備分解す
る予備処理槽1と、予備処理汚液から粗大夾雑物を除去
する粗濾過槽2と、粗濾過汚液から小夾雑物を除去して
貯留する大型濾過貯留槽3と、濾過汚液を完全に分解す
るための並列配設の複数の主処理槽4からなり、予備処
理槽1に槽底部に沿う噴気管11と噴気管に連通した空
気送給管10と排気筒14を配設し、予備処理槽1から
粗濾過槽2に連通する予備処理汚液送給管16の流出口
に粗目濾過ネット17を吊り下げ、粗濾過槽2から大型
濾過貯留槽3に連通する粗濾過汚液送給管21の流出口
直下に細目濾過ネット22を吊り下げ、大型濾過貯留槽
3から主処理槽4に連通する濾過汚液送給管35を設け
主処理槽4に噴気管38と噴気管38直上に配置のヒー
タ43と槽内外に連通し槽外の空気を槽内の液面上に吹
き出す空気吹出管44と主処理槽から分解発生ガスを槽
外に排気する槽上部の排気筒とを配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は公衆トイレの便尿を
浄化する処理槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トイレで排泄された便尿の処理は、下水
設備のある地域では多量の水洗水とともに下水道に流し
ているが、下水設備のない地域では水洗化せずに便槽に
溜めて定期的に汲み取りする方法か、または家庭ごとに
個別に簡易浄化設備を敷設して水洗化を図る方法が採ら
れている。このような簡易浄化設備によっても槽内に沈
殿して汚泥化した汚物は定期的に取り除いて清掃する必
要がある。このように、従来の便尿処理設備は環境衛生
上や労働上から問題の多いものであった。そこで出願人
は、特願平6−24851号、特願平8−54115号
および特願平9−199270号などにおいて、汲み取
りを一切不要とし、悪臭の発生を防止する便尿処理方法
および装置を開示しているが、これらの装置は家庭用で
あり、これらを大勢の人が利用する公衆トイレに適用す
るには大量の便尿の排泄量を処理することができない問
題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、汲み取り作業や下水への排出を不要と
し、かつ、悪臭を発散しない多人数が利用できる公衆ト
イレ用の便尿処理槽を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、請求項1の発明の公衆トイレ用便
尿処理槽では、便尿および水洗水からなる汚液を受入れ
該汚液を空気撹拌しかつ予備分解する予備処理槽と、該
予備処理槽より溢流した予備処理汚液から粗大夾雑物を
除去する粗濾過槽と、該粗濾過槽より溢流した粗濾過汚
液から小夾雑物を除去し濾過汚液として貯留する大型濾
過貯留槽と、該大型濾過貯留槽より溢流した濾過汚液を
完全に分解する並列配設の複数の主処理槽とからなり、
予備処理槽に槽壁上部の汚液流入口と槽底部に沿う噴気
管と槽外の空気送給ブロワーから噴気管に連通した空気
送給管と予備分解で発生するガスを槽外に排気する槽上
部の排気筒とを配設し、予備処理槽から粗濾過槽に連通
する予備処理汚液送給管を設け、粗濾過槽の予備処理汚
液送給管の流出口直下に有底筒状の粗目濾過ネットを吊
り下げ、該粗目濾過ネットの上端より低位に粗濾過槽か
ら大型濾過貯留槽に連通する粗濾過汚液送給管を設け、
大型濾過貯留槽の粗濾過汚液送給管の流出口直下には有
底筒状の細目濾過ネットを吊り下げ、該細目濾過ネット
の上端より低位に大型濾過貯留槽から主処理槽に連通す
る濾過汚液送給管を設け、並列配置の複数の各主処理槽
には槽底部に沿う噴気管と槽外の空気送給ブロワーから
噴気管に連通した空気送給管と槽底部かつ噴気管直上に
配置のヒータと槽内外に連通し槽外の空気を槽内の液面
上に吹き出す空気吹出管と主処理槽から分解発生ガスを
槽外に排気する槽上部の排気筒とを配設したことを特徴
とする。
【0005】請求項2の発明の公衆トイレ用便尿処理槽
は、請求項1の手段における大型濾過貯留槽において、
側壁および底壁からなる有底槽と、側壁上端に掛け渡し
た複数の角柱間に発砲スチロール板を配設し角柱および
発砲スチロール板上に鉄板を敷設した天井壁から構成
し、底壁、側壁および天井壁の内面全面にわら加圧形成
のわら床層を配設し、該わら床層の表面にグラスファイ
バー層を形成し、該グラスファイバー層にポリエチレン
樹脂を含浸塗布してポリエチレン樹脂塗膜層を形成した
ことを特徴とする。
【0006】以下に上記の手段の作用を説明する。請求
項1の手段の公衆トイレ用便尿処理槽では、まず、トイ
レから流出した汚液が槽上部の流入口から予備処理槽内
に溢流する。この予備処理槽では、空気送給管を介して
空気送給ブロワーから噴気管に空気が送給され、槽底部
に配設した噴気管から汚液中に空気を拡散噴出して空気
攪拌して汚液に満遍なく酸素を供給する。汚液中には種
々のバクテリアが便尿や大気中から侵入して生息してい
るが、このうち好気性バクテリアが汚液に供給された酸
素によって活性化され、一方、嫌気性バクテリアが活動
阻害され死滅される。この好気性バクテリアは汚液中に
供給された酸素によって非常に活発に繁殖し、汚物を分
解して二酸化炭素と水に変えていく。また、悪臭を放つ
汚液中のアンモニアは空気による攪拌作用と好気性バク
テリアの分解作用により水素と窒素に分解され、アンモ
ニアによる悪臭は発生することはない。
【0007】次いで予備処理槽で処理された予備処理汚
液は、予備処理汚液送給管を通って粗濾過槽に溢流さ
れ、この予備処理汚液送給管の流出口直下に吊り下げた
有底筒状の粗目濾過ネット、例えば径2mm目のネッ
ト、によって、予備処理槽で分解されなかった脂肪分、
でんぷん質、植物繊維などの粗大夾雑物が除去され、粗
濾過槽内に粗濾過汚液として貯留される。
【0008】粗濾過槽内に貯留された粗濾過汚液は、粗
濾過汚液送給管を通って粗濾過槽から大型濾過貯留槽に
溢流される。このとき、粗濾過汚液送給管は粗目濾過ネ
ット上端より低位に配設されているので、粗目濾過ネッ
ト上端より上の水位になることはなく、粗目濾過ネット
内の夾雑物が粗濾過汚液に混濁することは防止されてい
る。さらに、粗濾過汚液送給管は予備処理汚液送給管よ
り低位に配設されているので、粗濾過汚液は予備処理槽
に逆流することがない。この大型濾過貯留槽では、粗濾
過汚液送給管の流出口直下に吊り下げられた有底筒状の
細目濾過ネット、例えば径1mm目のネット、によりさ
らに細かい有機夾雑物が除去され、大型濾過貯留槽内に
貯留される。この大型濾過貯留槽は濾過汚液を大量に貯
留できるように容積、例えば、縦2000mm×横30
00mm×高さ450mm、と大型化しているので、大
量の濾過汚液が貯留できるので、大量の便尿の取り扱い
が可能になり、公衆トイレに適用可能となる。なお、こ
の細目濾過ネットおよび粗濾過槽の粗目濾過ネットは、
有機夾雑物が溜まった場合は適宜に交換して、有機夾雑
物が溜まった細目濾過ネットや粗目濾過ネットは大型濾
過貯留槽の天井下に吊り下げて有機夾雑物の乾燥を待っ
て取出し肥料化する。
【0009】粗濾過槽および大型濾過貯留槽では、予備
処理槽で活性化した好気性バクテリアはなお活動は多少
弱まるが分解作用はなお維持される。
【0010】予備処理槽、粗濾過槽および大型濾過貯留
槽で処理された濾過汚液は最終処理槽である主処理槽に
流入されるが、前3槽の貯液量によって主処理槽までに
十分な処理時間が確保され、主処理槽での好気性バクテ
リアの繁殖、分解活動を高レベルに維持する最良の状態
にある。
【0011】大型濾過貯留槽内に貯留された濾過汚液
は、並列に配設された複数、例えば5槽、の主処理槽に
それぞれ設けられた濾過汚液送給管を経て、大型濾過貯
留槽から各主処理槽に溢流される。このとき、濾過汚液
送給管も細目濾過ネット上端より低位に配設されている
ことから、細目濾過ネット上端より上の水位になること
はなく、細目濾過ネット内の夾雑物の再混濁が防止され
ている。さらに、濾過汚液送給管は粗濾過汚液送給管よ
り低位に配設されていることから、粗濾過槽に濾過汚液
が逆流することがない。
【0012】これらの主処理槽では、空気送給管で槽外
の空気送給ブロワーから槽底部の噴気管に空気を送気
し、噴気管から濾過汚液内に空気を拡散噴出させ、濾過
汚液を空気攪拌しながら好気性バクテリアに酸素を供給
する。また、オゾン発生装置で発生したオゾンを空気送
給管で噴気管に送気して噴出することも可能であり、オ
ゾンはさらに好気性バクテリアを活性化し、また、嫌気
性バクテリアや悪臭を減少する効果を有する。
【0013】さらに、噴気管直上に配したヒータにより
濾過汚液に熱を加え、濾過汚液を好気性バクテリアの活
動温度の25℃〜30℃、最適には28℃に保持するこ
とで好気性バクテリアの分解活動を活性化する。またさ
らに、槽内外に連通した空気吹出管によって槽外の空気
を槽内の濾過汚液の液面上に吹き出すことで、有機物の
分解で発生し濾過汚液面上に滞留した重い二酸化炭素ガ
スあるいは窒素ガスを追い払うと共に、濾過汚液表面の
好気性バクテリアに酸素を与えてさらに活性化し、分解
を一層促進する。その結果、濾過汚液は好気性バクテリ
アによって水と二酸化炭素に完全に分解され、水蒸気と
二酸化炭素ガスとして槽外に排気される。また、アンモ
ニアも空気攪拌と好気性バクテリアの分解作用によって
水素と窒素に分解され、槽外に排気される。従って、主
処理槽内の濾過汚液は完全に分解、気化して減量し、常
に一定のレベルに維持でき、汲み取りを必要とする汚泥
を生じることがなく、かつ排気ガスを完全に無臭化す
る。なお、分解により発生する各気体は主処理槽の上部
に配設した排気筒から排気ガスとして槽外に排出され
る。
【0014】このような小型の主処理槽を複数並列装備
することにより、処理槽内での濾過汚液に対する空気撹
拌および温度管理を小容量の領域内で的確に実施でき、
全般にムラなくコントロールでき、濾過汚液に対する好
気性バクテリアの分解作用を均一化でき、その結果、槽
内の貯液の高さコントロールも極めて容易となり、最適
状態で好気性バクテリアの生存繁殖状況を作りだすこと
ができる。さらに、複数の主処理槽とすることで、それ
ぞれの主処理槽のメンテナンスのために一時的に運転休
止するとき、一度に全ての主処理槽を運転休止する必要
がなく、交互に運転休止することで、装置全体でみると
き運転休止とならないので、公衆トイレとしての公共性
を十分機能する。これに対し、大型の主処理槽を設ける
ならば、好気性バクテリアの生存繁殖状況が微妙な温度
管理と空気撹拌による酸素付与に依存しているので、大
型の単一槽では極めてコントロールが困難となり、十分
な好気性バクテリアによる汚液の分解作用を維持するこ
とができなく、また、メンテナンスによる主処理槽の運
転休止で、全ての装置を運転休止せざるをえず、公衆ト
イレという公共性に欠けるものとなる。
【0015】上述のように当該公衆トイレ用便用処理槽
は大型濾過貯留槽の貯液量を大きくし、最終処理を行う
主処理槽を複数並列に装備することで、便尿の大量処理
を休むことなく可能としている。
【0016】ところで、地下に設けられる大型濾過貯留
槽は貯液量を大きくするために大型濾過貯留槽の床面積
を大きくしている。このように大型濾過貯留槽の床面積
を大きくすると、大型濾過貯留槽の単位貯液量当たりの
表面積が増大し、冷えやすくなる。そのため、寒さの強
い地域の冬には大型濾過貯留槽内の濾過汚液が凍結する
おそれがあり、濾過汚液が凍結してしまえばその後の処
理が停止する。そこで、請求項2に記載の公衆トイレ用
便尿処理槽では、大型濾過貯留槽の天井壁を発砲スチロ
ール板を配設し、最も熱の放散が大きい天井壁の断熱性
を向上させている。また、大型濾過貯留槽の各壁の内面
にわらを重畳したわら床層、例えば畳床、を配設するこ
とで、該わら床層のわら内の微生物による発酵による発
熱と断熱性とわらの耐久性とによって大型濾過貯留槽内
の貯液の凍結を防止している。そのため、大型濾過貯留
槽内の濾過汚液の凍結を防止できる。また、わら床層の
表面にグラスファイバー層およびポリエチレン樹脂塗膜
層を形成して、わら床層を防水している。ポリエチレン
樹脂であるので、メンテナンスの交換においても環境を
汚染することなく処理できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜図4に発明の1実施の形態
を示す。図1は当該形態に係る公衆トイレ用便尿処理槽
を示す平面図で、図2は図1の公衆トイレ用便尿処理槽
のA−A断面図で、図3は図1の公衆トイレ用便尿処理
槽のB−B断面図で、図4は図1の公衆トイレ用の便尿
処理槽の平面図である。なお、図1は内部構造を説明す
るために当該処理槽の天井壁を除いた図である。この公
衆トイレ用の便尿処理槽は公衆トイレの地面下に埋設す
るものであり、図1に示すように、予備処理槽1、粗濾
過槽2、大型濾過貯留槽3および複数の主処理槽4から
なる。これらの予備処理槽1、粗濾過槽2、大型濾過貯
留槽3および主処理槽4を収納する主処理槽室5はそれ
ぞれ順に隣接するようにコンクリート壁で形成した。な
お、予備処理槽1のみ深さを小さくした。以下、順に説
明する。
【0018】図1および図2に示すように、予備処理槽
1の側壁6上部に公衆トイレの各水洗便器に連通した流
下管7を貫通させ、汚液が流下管7の流入口8から予備
処理槽1内に流入し、溜められる。この予備処理槽1に
は、空気噴出口12を下面に多数開口する噴気管11を
槽底部に沿うよう水平に配設し、該噴気管11と槽外の
空気送給ブロワー9間に連通した空気送給管10を配管
した(図4参照)。この空気送給ブロワー9から噴気管
11に空気送給管10を介して空気を送気し、噴気管1
1の空気噴出口12から汚液13中に空気を拡散噴出さ
せて汚液13を激しく空気攪拌し、かつ、汚液13中の
好気性バクテリアに酸素を供給する。その結果好気性バ
クテリアの活発な活動によって汚液13中の有機物やア
ンモニアが分解され、水蒸気、二酸化炭素ガス、水素ガ
ス、窒素ガスなどに変わり、これらのガスは槽上部に設
けた排気筒14から槽外に排気される。
【0019】予備処理槽1と粗濾過槽2とを仕切る隔壁
15に両槽1、2に連通する予備処理汚液送給管16を
設けた。この予備処理汚液送給管16の高さは、予備処
理槽1の深さの約半分より少し低いレベルであるが、粗
濾過槽2は予備処理槽1より深いので、粗濾過槽2の深
さの約半分より高いレベルである。従って、予備処理槽
1で空気攪拌および分解された予備処理汚液は、予備処
理汚液送給管16を通って粗濾過槽2に溢れるように流
入する。
【0020】粗濾過槽2内の予備処理汚液送給管16の
流出口直下には有底筒状に形成した粗目濾過ネット17
を吊り下げた。従って、予備処理汚液送給管16から流
入する予備処理汚液は必ず粗目濾過ネット17を通り濾
過されることになる。この粗目濾過ネット17は、2m
m目(網目間隔が2mm)のものを使用し、予備処理槽
1で分解されなかった予備処理汚液中の粗大有機夾雑
物、例えば脂肪分、でんぷん質、植物繊維などをネット
内に除去し、粗濾過汚液19として粗濾過槽2内に貯留
する。この粗濾過槽2内でも好気性バクテリアによる有
機質の分解は進行している。
【0021】粗濾過槽2と大型濾過貯留槽3間の隔壁2
0に両槽2、3に連通する粗濾過汚液送給管21を設け
た。この粗濾過汚液送給管21の高さは粗目濾過ネット
17の上端より低くした。従って、粗濾過槽2の水位は
粗目濾過ネット17の上端以上になることはなく、濾過
不能になることを防止する。この粗濾過汚液送給管21
によって粗濾過槽2内の粗濾過汚液19は大型濾過貯留
槽3に溢流する。
【0022】大型濾過貯留槽3内の粗濾過汚液送給管2
1の流出口直下にも有底筒状に形成した細目濾過ネット
22を吊り下げ、この細目濾過ネット22により粗濾過
汚液送給管21から流入する粗濾過汚液19を濾過す
る。細目濾過ネット22は、1mm目(網目間隔が1m
m)のものを使用し、粗目濾過ネット17では濾過でき
なかった小さい有機夾雑物などを濾過し、濾過汚液23
として大型濾過貯留槽3内に貯留する。この大型濾過貯
留槽3は広くて貯留量が大きいので、濾過汚液23を大
量に貯留することができる。また大型濾過貯留槽3内で
も好気性バクテリアによる有機質の分解は進行してい
る。
【0023】上記粗濾過槽2の粗目濾過ネット17と大
型濾過貯留槽3の細目濾過ネット22は、図4に示すよ
うに、各槽の上壁28に設けた円盤状の蓋24、25の
下面に吊り下げておき、各濾過ネット17、22内に有
機夾雑物が溜まり濾過機能が低下した場合に蓋24、2
5を開いて各濾過ネット17、22を取り替える。この
ように濾過ネットを粗目用と細目用の2つ設ける2段濾
過にしたことから、1段濾過の場合と比較して取り替え
期間を飛躍的に延ばすことができ、また単位時間当たり
の処理量を増加させることができる。なお、図2に示す
ように使用後の有機夾雑物が溜まった濾過ネット17、
22を上壁28の他の蓋26、27の下面に吊り下げ、
大型濾過貯留槽3内に約3ヵ月程度保持することで、乾
燥し無臭化した有機肥料となる。
【0024】また直方体の大型濾過貯留槽3を構成する
外壁のうち上壁28を除いた底壁29および4側壁30
はコンクリートで形成した。一方、上壁28は、前後方
向に等間隔に掛け渡した複数の鉄製の角柱31と、該角
柱31の上面に敷設した鉄板32と、該角柱31間に配
設した発砲スチロール板33とからなる所定厚さの長方
形盤状体である。該発砲スチロール板33によって熱放
散性の最も大きい上壁28の断熱性を高めている。また
大型濾過貯留槽3の全壁内面には、ワラを60mm厚に
重畳したワラ床層34を付設し、大型濾過貯留槽3の保
温性を向上して濾過汚液23が凍結しないようにした。
なお上壁28へのワラ床層34の付設は角柱31に係止
することによる。さらに、ワラ床層34の内面にはグラ
スファイバー層35を被覆し、その上からポリエチレン
を吹き付けてポリエチレン塗膜層36を形成した(図3
参照)。これによりワラ床層34は防水される。
【0025】大型濾過貯留槽3の4側壁30の一面に隣
接して主処理槽室5を設け、この主処理槽室5内に5基
の主処理槽4を装備した(図1参照)。この側壁30に
は大型濾過貯留槽3から各主処理槽4にそれぞれ連通す
る濾過汚液送給管37を設けた。この濾過汚液送給管3
7を細目濾過ネット22の上端より低位に配設して大型
濾過貯留槽3の水位が細目濾過ネット22の上端以上に
なって濾過機能が停止してしまうことを防止した。な
お、上述のように4つの槽1、2、3および4間に順に
連通する予備処理汚液送給管16、粗濾過汚液送給管2
1および濾過汚液送給管37をこの順に低く配設したこ
とから、予備処理槽1から主処理槽4に順に流れ、逆流
することはない。
【0026】各々の主処理槽4は、図1および図3に示
すように、断面が楕円形の有底筒状の槽38と円錐状の
槽蓋39からなり、槽38周壁に濾過汚液送給管37が
貫通し、この濾過汚液送給管37を介して大型濾過貯留
槽3から濾過汚液23が流入する。この主処理槽4に
は、予備処理槽1と同様に空気噴出口40を多数開口す
る噴気管41を槽38底部に沿うよう水平に配設し、該
噴気管41と槽38外の空気送給ブロワー42間に連通
した空気送給管43を配管した。この空気送給ブロワー
42から噴気管41に空気送給管43を介して空気を送
気し、噴気管41の空気噴出口40から濾過汚液23中
低位に空気を拡散噴出させて濾過汚液23を激しく空気
攪拌し、かつ、好気性バクテリアに酸素を供給する。ま
た、槽底部の噴気管41の直上にヒータ44を水平に配
設し、濾過汚液23を好気性バクテリアの活動温度(2
5℃〜30℃、最適には28℃)に保持するように加熱
調節する。なおヒータ44で濾過汚液23を上記温度に
保持するためには、温度センサや制御装置などが必要で
ある。さらに、口径の大きい空気吹出管45を槽38上
部に貫通するよう垂直方向に配設した。この空気吹出管
45は、下端の空気吹出口46に近い管路中にブロワー
47を有し、空気吹出口46を槽内の濾過汚液23の液
面の上方位置に略下方に向けて開口し、槽外の空気を槽
内の濾過汚液23の液面に吹き付ける。上述の主処理槽
4によって濾過汚液23中の好気性バクテリアの分解活
動を飛躍的に活性化し、さらに空気吹出管45によって
濾過汚液23面上に滞留した重い二酸化炭素ガスあるい
は窒素ガスを追い払うと共に、濾過汚液表面の好気性バ
クテリアに酸素を与えて分解を一層促進する。そのた
め、主処理槽4内の濾過汚液23は水と二酸化炭素に完
全に分解され、また、アンモニアも空気攪拌と好気性バ
クテリアの分解作用によって水素と窒素に分解される結
果、汲み取りを不要とし、かつ排気ガスを完全に無臭化
することができる。なお、槽蓋39の中央に槽内外に連
通した排気筒48を立設し、上記分解によって槽38内
に発生した水蒸気、二酸化炭素ガス、窒素ガスおよび水
素ガスなどの排気ガスを槽外に排出する。このような主
処理槽4を5基装備して公衆トイレの大量の汚液の処理
に対応している。
【0027】当該公衆トイレ用便尿処理槽の各槽を構成
するコンクリート壁6等は100mm厚とした。大型濾
過貯留槽3内のサイズは縦横が2000mm×3000
mmで、高さが1200mmとし、予備処理槽1と粗濾
過槽2の合計面積は約1500mm×1000mmとし
た。流下管7の径は100mmとし、予備処理汚液送給
管16と粗濾過汚液送給管21の径は65mmとし、濾
過汚液送給管37の径は40mmとした。また、大型濾
過貯留槽3の槽底(粗濾過槽2の槽底と同一)を基準に
して、予備処理汚液送給管16の高さを500mmと
し、粗濾過汚液送給管21の高さを450mmとし、濾
過汚液送給管37の高さを400mmとした。大型濾過
貯留槽3の上壁28の角柱31は75〜80mmの角鉄
管を用い、500mm間隔に並設した。主処理槽4の空
気吹出管45の径は75mmとし、空気吹出口46の槽
底からの高さを300mmとした。
【0028】以上、実施の一形態を紹介したが、本発明
に係る公衆トイレ用便尿処理槽の実施はこれに限るもの
ではない。例えば、公衆トイレの排泄汚液量に合わせて
大型濾過貯留槽3の貯液量と主処理槽4の個数を増減す
ることができる。また、主処理槽4内の濾過汚液23の
量があまりに多くなると、酸素の供給や温度の維持が困
難になり、好気性バクテリアの分解活性が低下してしま
う。そのため主処理槽4内の濾過汚液23の水位を検知
するレベルセンサーや流入量調整機構などを付設すると
よい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
公衆トイレ用便尿処理槽では、予備処理槽での空気攪拌
と好気性バクテリアの分解、粗濾過槽での粗大有機夾雑
物の除去、大型濾過貯留槽でのより細かい有機夾雑物の
除去と濾過汚液の貯留、および主処理槽での好気性バク
テリアによる完全な分解・気化を経ることによって汚液
を完全に処理するので、汲み取り作業や下水施設を不要
にすることができる。また、空気攪拌作用と好気性バク
テリアの分解によってアンモニアが窒素と水素に変わ
り、悪臭を放つことがない。また当該公衆トイレ用便尿
処理槽は大型濾過貯留槽の貯液量を大きくし、かつ大型
濾過貯留槽に連結した最終処理を行う主処理槽を複数並
列に設けることで、大量の便尿の処理を可能とし、大量
の便尿が排泄される公衆トイレへの適用を可能とした。
下水施設のないところで、衛生面の要請から公衆トイレ
が設置されるが、本発明の公衆トイレ用便尿処理槽は、
汲み取りを不要とし、処理液を排出しない点で、下水施
設のない場所の公衆トイレに最適である。
【0030】請求項2に記載の公衆トイレ用便尿処理槽
では、大型濾過貯留槽の上壁の発砲スチロール板および
全壁内面のワラ床層の断熱効果によって大型濾過貯留槽
内の濾過汚液を保温でき、冬場等に凍結のおそれがある
北海道等の気温が低い地方でも適用できるようにした。
また、ワラ床層は表面をグラスファイバー層およびポリ
エチレン塗膜層で補強、防水したことから、耐久性が高
く、その結果当該公衆トイレ用便尿処理槽の寿命を長く
でき、大型濾過貯留槽の補修等のメンテナンスを不要に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る公衆トイレ用便尿
処理槽の上壁を除いた平面図である。
【図2】図1の公衆トイレ用便尿処理槽のA−A断面図
である。
【図3】図1の公衆トイレ用便尿処理槽のB−B断面図
である。
【図4】図1の公衆トイレ用便尿処理槽の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 予備処理槽 2 粗濾過槽 3 大型濾過貯留槽 4 主処理槽 8 流入口 9 空気送給ブロワー 10 空気送給管 11 噴気管 12 空気噴出口 13 汚液 14 排気筒 16 予備処理汚液送給管 17 粗目濾過ネット 21 粗濾過汚液送給管 22 細目濾過ネット 34 ワラ床層 35 グラスファイバー層 36 ポリエチレン塗膜層 37 濾過汚液送給管 40 空気噴出口 41 噴気管 42 空気送給ブロワー 43 空気送給管 44 ヒータ 45 空気吹出管 48 排気筒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便尿および水洗水からなる汚液を受入れ
    該汚液を空気撹拌しかつ予備分解する予備処理槽と、該
    予備処理槽より溢流した予備処理汚液から粗大夾雑物を
    除去する粗濾過槽と、該粗濾過槽より溢流した粗濾過汚
    液から小夾雑物を除去し濾過汚液として貯留する大型濾
    過貯留槽と、該大型濾過貯留槽より溢流した濾過汚液を
    完全に分解する並列配設の複数の主処理槽とからなり、
    予備処理槽に槽壁上部の汚液流入口と槽底部に沿う噴気
    管と槽外の空気送給ブロワーから噴気管に連通した空気
    送給管と予備分解で発生するガスを槽外に排気する槽上
    部の排気筒とを配設し、予備処理槽から粗濾過槽に連通
    する予備処理汚液送給管を設け、粗濾過槽の予備処理汚
    液送給管の流出口直下に有底筒状の粗目濾過ネットを吊
    り下げ、該粗目濾過ネットの上端より低位に粗濾過槽か
    ら大型濾過貯留槽に連通する粗濾過汚液送給管を設け、
    大型濾過貯留槽の粗濾過汚液送給管の流出口直下には有
    底筒状の細目濾過ネットを吊り下げ、該細目濾過ネット
    の上端より低位に大型濾過貯留槽から主処理槽に連通す
    る濾過汚液送給管を設け、並列配置の複数の各主処理槽
    には槽底部に沿う噴気管と槽外の空気送給ブロワーから
    噴気管に連通した空気送給管と槽底部かつ噴気管直上に
    配置のヒータと槽内外に連通し槽外の空気を槽内の液面
    上に吹き出す空気吹出管と主処理槽から分解発生ガスを
    槽外に排気する槽上部の排気筒とを配設したことを特徴
    とする公衆トイレ用便尿処理槽。
  2. 【請求項2】 大型濾過貯留槽は、側壁および底壁から
    なる有底槽と、側壁上端に掛け渡した複数の角柱間に発
    砲スチロール板を配設し角柱および発砲スチロール板上
    に鉄板を敷設した天井壁から構成し、底壁、側壁および
    天井壁の内面全面にわら加圧形成のわら床層を配設し、
    該わら床層の表面にグラスファイバー層を形成し、該グ
    ラスファイバー層にポリエチレン樹脂を含浸塗布してポ
    リエチレン樹脂塗膜層を形成したことを特徴とする請求
    項1記載の公衆トイレ用便尿処理槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110342675A (zh) * 2019-05-17 2019-10-18 重庆迪盈精密电子科技有限公司 一种环保工业废水处理装置

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