JP2893034B2 - 高感度磁気感応素子 - Google Patents

高感度磁気感応素子

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JP2893034B2 JP2297229A JP29722990A JP2893034B2 JP 2893034 B2 JP2893034 B2 JP 2893034B2 JP 2297229 A JP2297229 A JP 2297229A JP 29722990 A JP29722990 A JP 29722990A JP 2893034 B2 JP2893034 B2 JP 2893034B2
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千丈 山岸
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高い磁気感度を有する超伝導感応素子に関
し、特にBi系酸化物超伝導薄膜からなる高感度磁気感応
素子に関するものである。
ここでBi系酸化物超伝導体の構成成分としてはBi−Sr
−Ca−Cu−OあるいはBi−Pb−Sr−Ca−Cu−Oであり、
また、その置換固溶体も含まれる。例えば、Biの一部を
Sbで、Srの一部をBaで、Caの一部をYで、あるいはCuの
一部をCdで置換固溶したものも含まれる。
〔従来の技術〕
従来より磁界の測定としては、微弱な磁界を測定する
方法とそれほど弱くない磁界を測定する方法の2つに大
きく分けられる。
微弱な磁界測定する高感度磁気センサとしては、超伝
導量子干渉効果を利用したSQUIDが知られており、10-10
ガウス程度の感度がある。
一方、それほど弱くない1ガウス程度以上の磁界を測
定するには、半導体又は磁性体の磁気抵抗効果を用いた
方式による磁気センサが使われていた。半導体としては
InSb、InAsなどが、また、磁性体としてはFe−Niパーマ
ロイ、Co−Niなどが使われていた。
ここでいう磁気抵抗効果とは、磁界の強さが増加する
に伴い抵抗を増加する現象である。
最近に至り、セラミックス超伝導体を用いた磁気抵抗
素子が注目され、例えば特開平1−138770号公報には、
結晶粒界を有する超伝導材料を用い、その臨界温度以下
の温度で、外部の微弱磁界を磁気抵抗効果により検出す
ることが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] 前記の方法では、高感度磁気センサ(SQUID)は、構
造が複雑で価格及び維持費が高い。半導体又は磁性体を
用いた磁気センサは感度が低いという問題点がある。ま
た、上記特開平1−138770号公報の超伝導体磁気抵抗素
子は、超伝導セラミックス粉体の焼成体を用いており、
小型化、生産の安定性においてコントロールが難しい。
超伝導体素子として薄膜を用いた磁気センサは、小型
化が容易であり、生産における安定性が優れている。し
かしながら、この化合物の粒子は板状結晶であるために
配向しやすく、磁気センサとして要求される弱結合点が
少ないために、磁気反応性が低いという問題点があっ
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、異なる組成を有するBi系酸化物超伝導
多結晶薄膜を作製し、その膜の組織と磁気感応性との関
係を調べた結果、磁気感度が膜の組織に大きく依存する
ことを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、物理的な手法を用いて作製
した膜を熱処理して製造したBi系酸化物超伝導薄膜にお
いて、その表面組織の顕微鏡観察により、基板に対して
傾いている超伝導体の板状結晶による境界面が、100μ
m平方の視野に5個以上存在している膜を高感度磁気感
応素子として用いることにある。
酸化物超伝導体は、セラミックスであるがゆえに、絶
縁相である結晶粒界を有し、このために磁界が印加され
ると臨界電流密度が急激に低下する。つまり、臨界電流
を印加した状態で、外部から磁場を印加すると、抵抗が
生じる。この性質を利用することにより、磁界の測定が
可能になる。
Bi系超伝導体は、80K超伝導体である低Tc相(Bi2Sr2C
a1Cu2Ox)と110K級超伝導対である高Tc相(Bi2Sr2Ca2Cu
3Ox)とがあり、いずれも板状結晶である。この板状の
平面方向が超伝導電流が流れるa軸及びb軸方向であ
り、板状に垂直な方向がc軸方向に相当する。
この板状結晶が、ほとんどc軸配向して粒子同志が結
合すると、電流の流れる方向同志が結合しているので、
その結合は強くなり、磁気抵抗効果上の現われる弱結合
になる確立が低く、弱結合を積極的に利用した磁気感応
素子にはあまり適さない。このような薄膜は、その表面
組織を顕微鏡で観察すると、図−1に示すように、配向
した結晶粒子間の不規則な界面が観察される。
しかしながら、c軸配向している板状結晶と共に、基
板に対してある程度の角度をもって傾いている板状結晶
があると、これらの界面における原子の配列が大きく乱
れて、弱結合が生成する確率が高いと考えられる。この
場合には、顕微鏡による観察で、図−2に示すように、
ほぼ直線状の結晶境界面が見られる。このような結晶組
織の場合、図−1に見られる配向結晶間の界面と異な
り、隣接する板状結晶との結合が弱く、磁気抵抗効果が
顕著に現われるものである。
このために、c軸配向した板状結晶と基板に対してあ
る程度の角度をもって傾いている板状結晶が混在してい
る膜を用いると、高感度の磁気感応素子になり得る。
また、低い焼成温度や一部の構成成分の過不足により
超伝導性を有しない不純物粒子を含んだ組織を有する膜
では、顕微鏡観察で、図−3に示すように、無数の結晶
界面が散布した組織を示す。このような組織の磁気感度
は、超伝導電流が流れにくいため、低いと考えられる。
板状結晶の配向性は、余り進行しないほうが良く、配
向度は10゜以上あることが好ましい、10゜以下では、基
板に対して配向している板状結晶が多くなり、弱結合が
生成しにくい。
ここでの配向度とは、X線回折法により測定したロッ
キング曲線の半幅値を意味する。
ロッキング曲線 ある程度の配向姓を持った薄膜やエピタキシヤル膜の
結晶性を評価するのに用いる方法である。検出器をある
結晶面間隔を応対した角度(2θ)に固定し、試料の角
度(θ)を変化させることにより得られた回折強度であ
る。薄膜が少しずつ方位の異なった小さな結晶片からで
きているとき、回折ピーク上に、結晶方位の広がりに対
応した幅を生じる。この幅(ロッキング曲線の半幅値)
が狭いと結晶軸がそろっていることを意味しており、幅
がせまい程配向性が高い。
薄膜の製造方法は、膜中の微細部分においても組成の
変化があまりない膜を得る法として、スパッタリング
法、蒸着法等の物理的手法が好ましい。
基板上に膜を堆積する場合、膜の堆積方法として、各
構成成分のターゲットにより、それぞれの成分を順次基
板上に堆積する方法や構成成分を組合せたターゲットを
用いて積層する方法が上げられる。構成成分を全て含ん
だターゲットを用いると、ターゲットの組成と基板上に
堆積した膜の組成が大きくズレるため、ターゲット組成
を決定するのが難しい。特に、この化合物の場合、構成
成分の種類が多いので、構成成分を分けたターゲットを
用いることが好ましい。
また、膜の厚さは、積層の繰り返し回数により制御で
きる。さらに、堆積する一層の厚さは、組成が一巡した
状態で、10nm以下が好ましい。一層の厚さはこれ以上に
すると熱処理時に膜が溶融しやすく、半導体相を生成す
るので臨界温度が高くなく好ましくない。
ターゲットの原料としては、Bi,Pb,Sr,Ca,Cuの金属
や、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の無機化合物、及びナフ
テン酸塩、オクチル酸塩等の金属有機化合物が用いられ
る。ターゲットとしてはそれぞれの単体、及びそれぞれ
を組合せた混合したものや焼成したものが用いられる。
作製した薄膜の組成は、BiaPbbSr1.00CacCudOxとし
て、以下の範囲であれば弱結合の形成にとって好まし
い。
0.5<a<1.0 <b<1.0 0.6<c<1.2 1.4<d<2.0 Biは0.5より少ないと超伝導体を合成しにくい、1.0よ
り多いと超伝導微粒子である板状結晶が配向しやすいた
めに、基板に対して傾斜している板状結晶が生成でき
ず、弱結合を生成しにくくなる。
Pbは1.0より大きいと膜が溶融しやすく、半導体相を
生成しやすいために超伝導体になりにくく好ましくな
い。
Caも0.6より少ないと半導体相や80K相を生成し易く、
1.2より多いと110K相は生成するが、超伝導粒子間に絶
縁相が大量に析出してしまうために、超伝導電流のパス
が妨害され、超伝導体となりにくい。
Cuは1.4より少ないと超伝導体を合成しにくく、2.0よ
り多いと膜が溶融しやすいために、半導体相を生成しや
すい。
膜の焼成は、組成中にPbを含む場合には830〜845℃、
Pbを含まないものについては850〜865℃の温度で10時間
以上熱処理行う。膜を熱処理する際、あらかじめ、700
〜800℃の温度で一次熱処理を行うと弱結合が生成しや
すい。
絶縁性基板としては、MgO、SrTiO3、LaGaO3、LaAlO3
等の酸化物単結晶、絶縁物の衝撃層を設けたAg、Au、P
t、Cu等の多結晶金属及びGaAs等の半導体などが使用さ
れる。スパッタリングにより弱結合の薄膜を形成せしめ
る場合、積層させる基板は加熱しないことが好ましい。
〔実施例〕 スパッタリングターゲットとして、 Bi0.5Pb0.5Ox(Bi2O3とPbOの混合粉末) CaCu0.75Ox(CaCO3とCuOの950℃焼成粉末) SrCu0.75Ox(SrCO3とCuOの950℃焼結粉末) を用いて、MgO単結晶基板上に製膜した。各ターゲット
の1層堆積時間を変えてA、B及びCの3種類の薄膜を
作製した。
各薄膜の1層堆積時間は以下の通りである。
この一巡堆積を1層として400回積層し、約2μmの
薄膜を得た、得られた薄膜の組成をEPMAにより分析した
結果は以下の通りであった。
薄膜A…(Bi+Pb)1.00Sr1.00Ca0.96Cu1.95Ox 薄膜B…(Bi+Pb)1.47Sr1.00Ca0.92Cu1.80Ox 薄膜C…(Bi+Pb)1.101.00Ca0.76Cu1.32Ox これらの膜を、780℃で2時間熱処理した後、板状結
晶がほとんど配向している組織を製造するために、850
℃の温度で熱処理し、基板に対して傾いている組織を製
造するために、832℃、839℃及び844℃で熱処理をし
た。また、不純物の混在する組織を製造するためには、
820℃で84時間熱処理した。
熱処理後、膜の組織を走査型電子顕微鏡により観察
し、100μm平方の視野内で基板に対してある程度傾い
ている板状結晶によって形成される直線状の界面の個数
を数えた。
磁気感度は、臨界温度で、薄膜にその温度における臨
界電流よりも大きい直流電流、好ましくは臨界電流の10
〜20倍の電流を流した状態で、磁場(0〜2ガウス)を
印加すると、膜の抵抗値が増加する。この抵抗値の増加
は、抵抗により生じた出力電圧の増加量で評価する。す
なわち、測定結果はμV/ガウスで表され、この値が大き
ほど磁気感度が良いことになる。なお、測定電圧の電極
間の長さは2mmとした。測定結果を表−1〜3に示す。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、膜の組成を観察することによ
り、容易に高感度超伝導磁気センサとして用途に耐える
素子を選定することができる。
【図面の簡単な説明】
図−1乃至図−3は、走査型電子顕微鏡によるBi系酸化
物超伝導体の結晶組織を示す写真である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 28/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上に所要の成分を有する2種以
    上の金属又はその化合物をターゲットとしてスパッタリ
    ングし、それを10nm以下の厚さで順次繰返し積層して所
    望の組成と厚さを有する薄膜を作製した後、得られた薄
    膜を700〜800℃の温度で一次熱処理し、さらにそれを83
    0〜845℃の温度で二次熱処理を行なって得られた、一般
    式、 BiaPbbSr1.00CacCudOx (ここで、a、b、c及びdは、それぞれ0.5<a<1.
    0、b<1.0、0.6<c<1.2及び1.4<d<2.0である。) からなるBi系酸化物超伝導薄膜で、且つその表面組織の
    顕微鏡観察により、基板に対して傾いている超伝導体の
    板状結晶による境界面が、100μm平方の視野に5個以
    上存在している膜を用いたことを特徴とする高感度磁気
    感応素子。
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