JP2892771B2 - パンツタイプ紙おむつ - Google Patents

パンツタイプ紙おむつ

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パンツタイプ紙おむつ、具体的には透液性
トップシートと不透液性バックシートの間に少なくとも
脚回り部分に前記各シートにより構成されるフラップ部
分を残して半剛性吸収体が内包され、前身頃と後身頃の
両側が固定されて止着テープを有しないパンツタイプ紙
おむつに関する。
〔従来の技術〕
透液性トップシートと不透液性バックシートの間に少
なくとも脚回り部分に前記各シートにより構成されるフ
ラップ部分を残して吸収体が内包され、使用に際しては
前身頃に対して後身頃に固定された止着テープにより固
定することで、着用者を包む紙おむつは汎用されてい
る。
ところが、おむつ離れを促進するなどの目的であるい
はその都度止着テープを用いての装着作業を大人から解
放させ装着を簡便化するなどの目的をもって、近年、い
わゆるパンツタイプ紙おむつが開発されつつある。
また、古くからこのパンツタイプ紙おむつあるいはパ
ンツに関する提案もいくつかなされている。たとえば、
米国特許第3,828,367号には、吸収体を有しないパンツ
の構造およびその製造方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記公報のパンツは吸収体を有しないので、
幼児または大人用の紙おむつとしては機能しない。ま
た、このパンツ構造に対して吸収体を付加させることを
考えた場合、弾性伸縮部材が全長にわたって伸縮可能に
なっているので、吸収体も変形して製品として供給した
とき股下部分が収縮してしまい、商品の体裁がきわめて
悪くなり、しかも形状が定まらないので、複数個を包装
容器内に収容するとき、作業性が悪い。
他方、製造方法的には、脚回りに沿うように、ニップ
ロールに対して曲線溝を形成し、これに弾性伸縮部材を
案内させながら供給するようにしてあるが、実際の製造
設備を考えた場合には、きわめてコントロールが困難と
なるとともに、吸収体を内包させる態様においては適用
できない。
したがって、本発明の主たる課題は、連続大量生産に
適し、かつ脚回りからの漏れ防止効果が高く、しかも特
に形状保持性に優れたものとすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決した第1の発明は、(1)透液性トッ
プシートと不透液性バックシートの間に少なくとも脚回
り部分に前記各シートにより構成されるフラップ部分を
残して半剛性吸収体が内包され、前身頃と後身頃の両側
が固定されて止着テープを有しないパンツタイプの紙お
むつであって、 一方の脚回りの前身頃端から製品紙おむつの股下を巡
って他方の脚回りの前身頃端に連続した弾性伸縮部材を
有し、この弾性伸縮部材の脚回り部分が長手方向中心よ
り後身頃方向に延在しており、かつ実質的に脚回り部分
に位置する弾性伸縮部材の全体が伸縮可能にフラップ部
分において固定され、実質的に吸収体が位置する部分に
おいては吸収体が変形しない程度に実質的に非伸長状態
でバックシートまたはトップシートに対して固定され、
しかも実質的に前記弾性伸縮部材による伸縮力のみによ
りフラップ部分が収縮されていることを特徴とするパン
ツタイプ紙おむつである。
第2の発明は、透液性トップシートと不透液性バック
シートの間に少なくとも脚回り部分に前記各シートによ
り構成されるフラップ部分を残して半剛性吸収体が内包
され、前身頃と後身頃の両側が固定されて止着テープを
有しないパンツタイプの紙おむつであって、 一方の脚回りの前身頃端から製品紙おむつの股下を巡
って他方の脚回りの前身頃端に連続した第1弾性伸縮部
材と、一方の脚回りの後身頃端から製品紙おむつの下部
を巡って他方の脚回りの後身頃端に連続した第2弾性伸
縮部材とを有し、前記第1弾性伸縮部材の脚回り部分が
長手方向中心より後身頃方向に延在しており、さらに前
記各弾性伸縮部材の脚回り部分の実質的に全体が伸縮可
能にフラップ部分において固定され、実質的に吸収体が
位置する部分においては吸収体が変形しない程度に実質
的に非伸長状態でバックシートまたはトップシートに対
して固定され、しかも各弾性伸縮部材が交差していない
ことを特徴とするパンツタイプ紙おむつである。
〔作用〕
この種の紙おむつにおいては、常に脚回りからの横漏
れが問題となる。
これに対して、本発明に係る紙おむつにおいては、一
方の脚回りの前身頃端から製品紙おむつの股下を巡って
他方の脚回りの前身頃端に連続した弾性伸縮部材を有
し、この弾性伸縮部材の脚回り部分が長手方向中心より
後身頃方向に延在しており、かつ実質的に脚回り部分を
位置する弾性伸縮部材の全体が伸縮可能にフラップ部分
において固定され、実質的に吸収体が位置する部分にお
いては吸収体が変形しない程度に実質的に非伸長状態で
バックシートまたはトップシートに対して固定され、し
かも実質的に前記弾性伸縮部材による伸縮力のみにより
フラップ部分が収縮されていることとしている。
一般に、排尿口は、男子の場合、前身頃の長手方向中
心から約1/3の個所、女子の場合には、ほぼ中心部であ
るが、本発明者は、前身頃の脚回り部分に弾性伸縮部材
が存在すれば脚回りからの横漏れを防止できることを知
見した。逆に、後身頃側の弾性伸縮部材については、必
須でないこと、したがって後身頃側の弾性伸縮部材を省
略できることで、使用材料の低減を図ることができるこ
とを知見した。
また、本発明では、実質的に半剛性の吸収体が位置す
る部分においては、各弾性伸縮部材が、吸収体が変形し
ない程度に実質的に非伸長状態でバックシートまたはト
ップシートに対して固定されているので、半剛性の吸収
体は変形せず、もって紙おむつ全体の形状保持性に優れ
たものとなり、体裁の面から商品価値を高め、かつ包装
作業性を高める。
一方、必要により、後身頃側にも弾性伸縮部材を配置
することができる。この場合、第1および第2弾性伸縮
部材を交差させるとすれば、各弾性伸縮部材の長さとし
て長いものとなり、経済的でないばかりでなく、これら
をバックシートまたはトップシートに固定する際に、固
定工程が二段となるなど製造方法または設備的に複雑と
なる欠点がある。
これに対して、本発明では、各弾性伸縮部材が交差し
ていないから、その製造設備が簡素となりかつ方法的に
容易となるばかりでなく、資材の削減を図ることができ
る。
〔実施例〕
以下本発明を図面を参照しながら実施例によりさらに
詳説する。
第1図〜第3図に本発明に係る紙おむつ構造例が明示
されている。
すなわち、不織布などからなり着用者の肌に面する透
液性トップシート1とポリエチレンなどからなる不透液
性第1バックシート2および不織布などからなる第2バ
ックシート6との間に少なくとも脚回り部分に前記各シ
ート1、2により構成されるフラップ部分FLを残して綿
状パルプを主体とし必要により吸収紙などを設けた半剛
性の吸収体3が内包され、第1図のように、予め砂時計
状に形成されたものが前後方向に折り畳まれかつ折り畳
んだ両側が固定されて止着テープを有しないパンツタイ
プ紙おむつである。
本発明においては、一方の脚回りの前身頃F端から製
品紙おむつの下部を巡って他方の脚回りの前身頃F端に
連続した糸ゴムなどからなる一本または複数本の第1弾
性伸縮部材4と、必要により設けられるところの一方の
脚回りの後身頃B端から製品紙おむつの下部(股下部
分)を巡って他方の脚回りの後身頃B端に連続した糸ゴ
ムなどからなる一本または複数本の第2弾性伸縮部材5
とを有し、各弾性伸縮部材1、2の脚回り部分の実質的
に全体が伸縮可能にフラップ部分FLにおいて固定され、
実質的に吸収体3が位置する部分においては吸収体3が
変形しない程度に実質的に非伸長状態でバックシート2
に対して固定され、しかも各弾性伸縮部材1、2が前記
下部において交差せず、前記脚回りフラップ部分FLにお
いて各弾性伸縮部材1、2により連続化、すなわちあた
かも連続したようなループが構成されている。
さらに、本発明では、第1弾性伸縮部材4の脚回り部
分が長手方向中心より後身頃方向に延在しており、逆に
第2弾性伸縮部材5が短くなっている。第1弾性伸縮部
材4の脚回り部分が長手方向中心より後身頃方向に延在
している長さlとしては、より好ましくは2cm以上であ
る。また、第2弾性伸縮部材5は前述のように、必須で
ないが、配置する場合には、交差してはならず、さらに
離間させるとしても、離間距離gは3cm以下が好まし
い。3cmを超えると、第1弾性伸縮部材4と第2弾性伸
縮部材5とが脚回り部分において不連続となり、横漏れ
の原因となる。
第4図以降には、紙おむつの製造設備が示されている
ので、より詳しい紙おむつ構造例とともにこれを説明す
る。
すなわち、予め巻取られた連続透液性トップシート1
とポリエチレンなどからなる連続不透液性第1バックシ
ート2とが繰り出され組立ラインに供給されるととも
に、その供給過程でそれらの間に、ラインの幅方向に長
手を有する吸収体3が間欠的にコンベア10に乗って供給
される。また、トップシート1の内面両側にはウエスト
ギャザー用弾性伸縮部材11、11がノズル12によりホット
メルト接着剤が塗布されながら供給され、ニップロール
13、14により第1バックシート2との間において重合固
定される。さらに、第1パックシート2内面(吸収体に
対する)にはニップロール13、14間に供給される前に、
塗布装置15によりホットメルト接着剤が塗布され、ニッ
プロール13、14間でトップシート1との重合および吸収
体3の固定が図られる。
その後、第1バックシート2の裏面のライン幅方向中
間に第1弾性伸縮部材4および第2弾性伸縮部材5がそ
れぞれ実質的に伸長させることなく連続的に供給手段16
により供給される。また、この供給前にノズル17により
間欠的にホットメルト接着剤が塗布される。
次いで、供給された第1および第2弾性伸縮部材4、
5の実質的に前記吸収体3上に位置する部分にはホット
メルト接着剤が予め間欠的塗布が行われているので、第
1弾性伸縮部材4および第2弾性伸縮部材5が第1バッ
クシート2裏面に固定される。
続いて、第1および第2弾性伸縮部材4、5の実質的
に前記吸収体3上に位置しない部分は、後記する掴み引
張手段により掴まれてライン中間から相互に離間され
る。
この引張状態で、重合ロール18により、不織布などか
らなる第2バックシート6が第1バックシート2に重ね
合わされるとともに、第1および第2弾性伸縮部材4、
5の少なくとも実質的に前記吸収体3上に位置しない部
分と第2バックシートとが固定される。
その後、ロールカッター装置19により、第1弾性伸縮
部材4と第2弾性伸縮部材5との間でありかつ実質的に
前記吸収体3上に位置しない部分がくり抜かれる。
続いて、セーラー手段20により、ライン中間を境にし
て上記の連続要素の一側が他側に折り返えされる。
次いで、吸収体3が存在しない部分においてトップシ
ート1とバックシート2とが、ヒートシールおよび切断
兼用装置21により固定されるとともに、同時に固定部分
において分断され、個別製品とされる。ヒートシールの
後、下流に設けられた切断装置により切断されることも
ある。
上記例においては、弾性伸縮部材4、5の固定に際し
ては、たとえば第6図〜第9図に示す掴み手段によって
行うことができる。
すなわち、掴み手段50、50は、ラインの両側に直交的
に設けられたシリンダー51、51のそれぞれの先端にフッ
ク52を有するものである。
かかる掴み手段50を配設した下で、第1および第2弾
性伸縮部材4、5が、第1バックシート2の裏面に重ね
合わされ、好ましくは配設される抑えロール22により押
圧されて第1バックシート2の裏面に吸収体3が位置す
る部分において固定される。その後、下流に至って、好
ましくは仮固定ロール23により、先の固定境界部分を仮
固定される。この仮固定ロールは、第1バックロール2
の裏面に対して進退自在とするのが望まれる。かかる状
態において、掴み手段50、50のフック52、52が伸長して
それぞれ第1および第2弾性伸縮部材4、5をチャック
した後、伸長限においてチャッキングを放す。このと
き、第1および第2弾性伸縮部材4、5の離間幅より若
干短い長さを有する重合ロール18により第2バックシー
ト6を重ねると、第2バックシート6の内面のほぼ前面
に塗布装置24により塗布されたホットメルト接着剤によ
り、第1および第2弾性伸縮部材4、5が第1バックシ
ート2および第2バックシート6に固定される。
かかる固定の後、第2バックシート6の他の部分は全
幅の固定ロール25により、第2バックシート6の最終的
重合固定がなされる。
他方、上記例において、一枚のバックシートでなく、
第1および第2バックシート2、6の両者を用いたの
は、弾性伸縮部材の固定が容易かつ確実になる利点をも
たらすとともに、第2バックシート6として不織布を用
いることによる、成品の体裁の向上をもたらす。逆に、
バックシートが単一のポリエチレンなどのプラスチッツ
クシートからなる場合には、体裁が悪く、商品価値が低
いもとなる。しかし、本発明において、必ずしもこの態
様を排除するものではない。単一のバックシートを用い
る場合には、いわゆるポリラミ不織布を用い、不織布面
を外面とするのが望まれる。
かかる態様の場合、製造に際しては、たとえば第10図
のように、後退していた仮固定ロール23をトップシート
1側に押圧し、第1および第2弾性伸縮部材4、5を第
8図の吸収体3の右端のわずか右部分においてトップシ
ート1に固定するとともに、横方向のずれをより防止す
るために、仮固定ロール23により抑え、この状態で掴み
手段50、50によりライン中心から外方に引っ張り、その
下流においてポリラミ不織布からなる単一バックシート
2Aを重ね、その内面に予め塗布しておいたホットメルト
接着剤により第1および第2弾性伸縮部材4、5の固定
を図るとともに、吸収体3をトップシート1とバックシ
ート2Aとで包被することができる。
上記各設備において、上下が逆でもよい。またトップ
シート1側に弾性伸縮部材を固定するようにしてもよ
い。弾性伸縮部材の伸長量が少ない場合、これを吸収体
3に固定することで、引っ張りに対抗させるようにする
ことも可能である。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の紙おむつ構造によれば、連続大
量生産に適し、かつ脚回りからの漏れ防止効果が高く、
しかも特に形状保持性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の紙おむつの要部展開図、第2図はその
要部斜視図、第3図は斜視図、第4図は製造装置例の正
面図、第5図は平面図、第6図〜第8図は要部平面図、
第9図は掴み手段の側面図、 第10図は他の製造装置例の正面図である。 1…トップシート、2…第1バックシート、2A…単一バ
ックシート、3…吸収体、4…第1弾性伸縮部材、5…
第2弾性伸縮部材、6…第2バックシート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透液性トップシートと不透液性バックシー
    トの間に少なくとも脚回り部分に前記各シートにより構
    成されるフラップ部分を残して半剛性吸収体が内包さ
    れ、前身頃と後身頃の両側が固定されて止着テープを有
    しないパンツタイプの紙おむつであって、 一方の脚回りの前身頃端から製品紙おむつの股下を巡っ
    て他方の脚回りの前身頃端に連続した弾性伸縮部材を有
    し、この弾性伸縮部材の脚回り部分が長手方向中心より
    後身頃方向に延在しており、かつ実質的に脚回り部分に
    位置する弾性伸縮部材の全体が伸縮可能にフラップ部分
    において固定され、実質的に吸収体が位置する部分にお
    いては吸収体が変形しない程度に実質的に非伸長状態で
    バックシートまたはトップシートに対して固定され、し
    かも実質的に前記弾性伸縮部材による伸縮力のみにより
    フラップ部分が収縮されていることを特徴とするパンツ
    タイプ紙おむつ。
  2. 【請求項2】透液性トップシートと不透液性バックシー
    トの間に少なくとも脚回り部分に前記各シートにより構
    成されるフラップ部分を残して半剛性吸収体が内包さ
    れ、前身頃と後身頃の両側が固定されて止着テープを有
    しないパンツタイプの紙おむつであって、 一方の脚回りの前身頃端から製品紙おむつの股下を巡っ
    て他方の脚回りの前身頃端に連続した第1弾性伸縮部材
    と、一方の脚回りの後身頃端から製品紙おむつの下部を
    巡って他方の脚回りの後身頃端に連続した第2弾性伸縮
    部材とを有し、前記第1弾性伸縮部材の脚回り部分が長
    手方向中心より後身頃方向に延在しており、さらに前記
    各弾性伸縮部材の脚回り部分の実質的に全体が伸縮可能
    にフラップ部分において固定され、実質的に吸収体が位
    置する部分においては吸収体が変形しない程度に実質的
    に非伸長状態でバックシートまたはトップシートに対し
    て固定され、しかも各弾性伸縮部材が交差していないこ
    とを特徴とするパンツタイプ紙おむつ。
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