JP2891507B2 - 耐オゾン性ブチルエラストマー - Google Patents

耐オゾン性ブチルエラストマー

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JP2891507B2
JP2891507B2 JP2081445A JP8144590A JP2891507B2 JP 2891507 B2 JP2891507 B2 JP 2891507B2 JP 2081445 A JP2081445 A JP 2081445A JP 8144590 A JP8144590 A JP 8144590A JP 2891507 B2 JP2891507 B2 JP 2891507B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F210/08Butenes
    • C08F210/10Isobutene
    • C08F210/12Isobutene with conjugated diolefins, e.g. butyl rubber
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はイソオレフィンのゴム状コポリマーに関す
る。
より詳細には、本発明はイソオレフィンと所定の非共
役ジオレフィンとの耐オゾン性コポリマー、並びにその
製造方法に関する。
先行技術 大部分のイソオレフィンと小部分の非共役マルチオレ
フィンとを含むコポリマーは、「ブチルゴム」として特
許又は文献に記載されており、例えば、ウィトビイ(G.
S.Whitby)著の教科書「シンセティック・ラバー(Synt
hetic Rubber)」(1954年、John Wiley & Sons,Inc.
発行)838−891頁、並びに「エンサイクロペディア・オ
ブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Encyclopedia of Polymer Science and Engineerin
g)」(第8巻、第2版、1987年、John Wiley & Sons,
Inc.発行)423−448頁の「イソブチレン・ポリマーズ
(Isobutylene Polymers)」を参照できる。好ましいイ
ソオレフィンはイソブチレンである。適当な非共役マル
チオレフィンには、イソプレン、ブタジエン、ジメチル
ブタジエン、ピペリレン等が含まれるが、特にイソプレ
ンが挙げられる。
市販のブチルゴムはイソブチレンと少量のイソプレン
とのコポリマーである。これは通常、稀釈剤として塩化
メチル、重合開始剤としてフリーデル・クラフツ触媒
(通常AlCl3)を用いるスラリー法で製造する。塩化メ
チルは、比較的安価なフリーデル・クラフツ触媒をイソ
ブチレン及びイソプレンコモノマーと同様にその中に溶
解させるという利点を有する。さらに、ブチルゴム重合
体は塩化メチルには不溶性であり、微細粒子として溶液
から析出してスラリーを生じる。この重合は通常約−90
乃至−100℃で行う。米国特許第2,356,128号及び米国特
許第2,356,129号参照。これらの特許は本明細書中に引
用して取り込まれる。
従来の高分子量ブチルゴムは通常約25000乃至約50000
0、好ましくは約80000乃至約300000、特に約100000約25
0000の数平均分子量を有する。低分子量ポリマーも5000
乃至25000の数平均分子量で製造されている。所望によ
っては、例えば500乃至5000のより低い数平均分子量の
ポリマーも製造し得る。
スパークス(Sparks)等の米国特許第2,384,975号に
は、イソオレフィンと広範には下記の式で表されるポリ
オレフィンとのコポリマーが開示されている。
式中、Rはアルキル基であり、nは2より大きい自然
数であり、xは奇数である。この式に当てはまる可能性
のある化合物は膨大な数にのぼる。これらのものの多く
は共重合プロセスには使えない。即ち、あるものはゲル
化したポリマーをもたらすからであり、またあるものは
不活性であるからである(例えばRがt−ブチル又はイ
ソプロピルの場合、上記式で表されるジオレフィンは重
合しない)。さらに、上記特許は非共役ジオレフィンに
も触れているが、上記一般式はそのように限定されては
いない(例えばnが5でxが3の場合)。本発明のジエ
ンを使用することによって耐オゾン性が生じうるという
利点や、それによって得られる他の効果(ゲルを生じる
ことなく高い共重合活性を有すること並びに高加硫性な
どを含む)についても、何等認識されていない。
ポリマー・コーポレーション・リミテッド(Polymer
Corporation Limited)の英国特許第1,059,580号には、
C4乃至C7イソオレフィン(55乃至99.7モル%)と下記の
一般式の非共役ジオレフィンとの基本的に可溶性の加硫
性コポリマーが開示されている。
式中、Rは炭素原子数1乃至3のアルキル炭化水素
基、又はフェニル基であり、Zはメチレン又はパラキシ
リレン基であり、nはZがメチレンの場合1乃至4でZ
がパラキシリレンの場合1であり、Yは水素又はメチル
基である。重合はモノマーをハロゲン化アルキルのよう
な非反応性稀釈剤に分散させ、混合物を0℃乃至−164
℃の間に冷却し、撹拌しながらフリーデル・クラフツ触
媒を加えて行う。
ラール(Lal)他の米国特許第4,551,503号には、ヘキ
サ(ヒドロカルビル)リン酸トリアミド又は有機リン酸
エステルで改質した有機アルミニウム化合物/遷移金属
化合物触媒を用いて製造した、α−オレフィンと非共役
α,ω−ジエンとのコポリマーが開示されている。
マーシュ(Marsh)の欧州特許出願第48,627号には、
有機アルミニウム化合物とハロゲン化メチルアリル(モ
ノマーとしても機能する)とスズ又はチタンのハロゲン
化物とを含んで成る触媒系を使用して、非共役ジエン
(ビニルノルボルネン、d−リモネン、2−メチル−1,
5−ヘキサジエンが含まれる)とのコポリマーをも含め
た1−オレフィンの低分子量液体ポリマーの製造方法が
開示されている。
ポライサー・リミテッド(Polysar Limited)の欧州
特許出願第111,391号には、特に、イソブチレンとイソ
プレンと2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンとの三元共
重合体も開示されている。
発明の目的 本発明の目的は、高加硫性を有し、加硫すると優れた
耐オゾン性並びに優れた耐環境性を発揮するC4乃至C7
ソオレフィンの高分子量コポリマーを供することであ
る。かかるコポリマーでゲルを含まないものを供するこ
とも本発明の目的の一つである。
さらに、かかるコポリマーの製造方法を供することも
本発明の目的の一つである。高い共重合活性を有するジ
エンを用いてゲルを生じさせることなくかかるコポリマ
ーを製造することも本発明の目的の一つである。
発明の概要 上記並びに他の目的は、1種以上のC4乃至C7イソオレ
フィン、好ましくはイソブチレン、及び下記の一般式の
1種以上の非共役ジエン (式中、R1 及び から成る群から選択したものであり、R2は炭素原子数1
乃至6のアルキル基、好ましくはメチル基である)をモ
ノマー成分とするコポリマーを供することによって達成
される。アルキレン基は直鎖もしくは枝分れ鎖のどちら
かであり、好ましくはポリメチレン基(−(CH2)n
−、nは1乃至5)である。nが2乃至5のジエンが最
も好ましい。アルキレン基を含む好ましい化合物は2,6
−ジメチル−1,5−ヘプタジエン及び2,4−ジメチル−1,
4−ヘキサジエンである。nが1の時は低い分子量のコ
ポリマーが得られる。R1の場合、好ましい化合物はリモネンである。
本発明において、置換基R1とR2が結合したものは三置
換モノオレフィン性部分を含む(即ち二重結合した炭素
原子に結合した水素原子は1個のみである)。
ポリマー中におけるC4乃至C7イソオレフィンの割合は
約85乃至99.5重量%、好ましくは95.0乃至99.5重量%で
ある。
本発明のコポリマーはルイス酸(フリーデル・クラフ
ツ触媒も包含される)の存在下で重合させることによっ
て製造するが、この重合は好ましくは−80℃乃至−100
℃の温度、好ましくはハロゲン化炭化水素又はアルカン
のような不活性稀釈剤中において行う。このコポリマー
は従来の方法で加硫してもよい。
詳細な説明 従来のブチルゴムにおけるオゾンに対する脆弱さは重
合体主鎖の不飽和に起因するものである。二重結合に対
するオゾンの攻撃は製品に亀裂と脆性をもたらす。オゾ
ンに対する脆弱さを防ぐ一つの方法は、二重結合濃度を
最小限にすることである。しかしながら、この方法の欠
点は加硫性が失われることである。
本発明においては、二重結合はポリマー主鎖でなく側
鎖に置いて、オゾンが二重結合を攻撃しても主鎖が破壊
されたり分解したりすることのないようにした。この利
点は側鎖上の二重結合をオゾンが攻撃した後でも主鎖は
無傷のまま残ることである。従って、本発明はゲルを含
まず、加硫性で、同時に耐オゾン性の、分子量の十分高
いゴムを供する。
本発明のポリマーは実質的にランダムコポリマーであ
り、1種以上のC4乃至C7イソオレフィン(例えばイソブ
チレン)、及び末端に二重結合と2位にメチル基とを有
する1種以上の非共役ジエンをモノマー成分とする。か
かる非共役ジエンはボードの分類[シュミット(Schmid
t)及びボード(Boord)、J.A.C.S.54,751(1932)]の
タイプIII構造、即ち を有しており、フリーデル・クラフツ触媒及び他のルイ
ス酸触媒とのカルボカチオン重合に活性であることが知
られている。本発明においては、Rは三置換モノオレフ
ィン性部分を含む。例えばイソブチレンのようなC4乃至
C7イソオレフィンと共重合させた後の非共役ジオレフィ
ン部分は、例としてイソブチレンと2,6−ジメチル−1,5
−ヘプタジエンを用いた時の以下の反応式に示されるよ
うに、飽和ポリマー鎖に結合したオレフィン性不飽和側
鎖を保持している。
約85乃至99.5重量%のイソブチレンを含むコポリマー
に対しては、xは約14乃至480である。本発明のコポリ
マーは、与えられたいかなる組成においても実質的にラ
ンダムであるので、かかる所定の組成に対してもxはそ
の平均値付近で変動する。nの値は製造したコポリマー
の分子量に比例する。このクラスの非共役ジオレフィン
は下記のような複分解不均化反応を通して合成される。
上記のレニウムの代りに、他の複分解触媒を用いても
よい。非共役ジオレフィンは例えば特開昭59−36626号
公報に開示されているような他の方法によっても合成で
きる。
本発明のコポリマーは、上記先行技術の項目で説明し
たような従来のブチルゴム製造に通常使用されているス
ラリー法によって製造してもよい。モノマーがヘキサン
又は他の適当な溶媒の溶液中にある溶液重合法も使用し
得る。
以下の実施例において、2,6−ジメチル−1,5−ヘプタ
ジエンをイソブチレンと様々な条件下で共重合させた。
このコポリマーは、通常のブチル系コポリマーの加硫法
において良好な加硫性を呈し、かつ傑出した耐オゾン性
および通常のブチル系コポリマーに匹敵する良好な物理
的特性を有していた。この新規ポリマーは主鎖が飽和し
ているというこのポリマー特有の性質を有しているの
で、通常のブチル系コポリマーよりも優れた耐熱性、耐
環境性、並びに耐屈曲性を有することも期待される。ポ
リマー合成の実験的詳細は以下の通りである。
例1−5 (2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエン/イソ
ブチレンの回分式分散重合) 温度計、撹拌機、及び滴下ロートを備えた500mlの反
応フラスコを、無酸素かつ無湿分窒素雰囲気を有するグ
ローブボックス中で組み立て、温度制御された液体窒素
冷却伝熱槽中に浸漬することによってフラスコを−98℃
に冷却した。反応器に、378gの精製乾燥塩化メチル、4
8.5g(0.87モル)の精製し、乾燥し、かつ蒸留した重合
用グレードのイソブチレン、及び3.3g(26.6ミリモル)
の乾燥させた(モレキュラーシーブ上で)2,6−ジメチ
ル−1,5−ヘプタジエンを投入した。撹拌しかつ伝熱槽
に反応器を浸漬して温度維持に努めながら、塩化メチル
中の0.15乃至0.3重量%の触媒から成る稀釈触媒溶液を
滴下ロートから10乃至15分間にわたってゆっくりと反応
溶液に滴下した。反応器中にポリマーの白色分散体が生
じた。25mlの冷メタノールを添加して反応を止め、澄ん
だ無色の液体中に白色ポリマーの凝集塊を得た。塩化メ
チルを蒸発分離してポリマーを回収し、メタノール中で
ポリマーを混練、洗浄した。酸化防止剤として0.2重量
%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を添加して、8
0℃で48時間真空オーブン中でポリマーを乾燥させた。
重合条件及びポリマー特性に関するデータは表1に、ポ
リマーの耐オゾン性に関するデータは表2にまとめて記
載してある。対照用イソプレン−ブチルポリマーはエク
ソンブチル065(Exxon Butyl 065)であった。
伸長させたダンベル形標準試験片を用いたオゾン50pp
hmにおける別の耐オゾン性試験では、イソノナジエン/
ブチルは180日後でも全く亀裂を生じなかった。対応す
る対照用イソプレン/ブチルポリマーは2日で亀裂を生
じた。
表2にその結果を示した臨界弾性貯蔵エネルギー密度
オゾン試験(Critical Elastic Stored Energy Density
Ozone Test)は、ウィルキンスキイ(Wilchinsky)及
びクレスキイ(Kresge)のRubber Chem.and Tech.47
巻、1974年、895−905頁に記載の方法で行った。その他
の用語及び試験はすべてモートン(Morton)の「ラバー
・テクノロジー(Rubber Technology)」第3版(1987
年)の記載に従っている。
第1図は、従来のブチルゴム並びに本発明のイソノナ
ジエン/ブチルゴムに関して行ったASTM試験D−2084−
87のトルク試験の結果を図示したものである。硬化時間
の関数としてプロットしたトルクは試料の剪断弾性率
(剛性)に比例する。
リモネンとして一般に知られている1−メチル−4−
(1−メチルエテニル)シクロヘキセンは、本発明にお
いて有用な非共役ジエンとして分類される種種の非共役
ジエンの一つである。即ち、リモネンはイソブチレンと
共重合することができ、優れた耐オゾン性及び耐環境性
を有するゲルのない加硫性高分子量ブチルゴムを与え
る。リモネンは以下の構造を有する。
リモネンは非対称的な二つの置換基を有する二重結合
を有しており、その置換基の一つはメチル基で(これは
重合体鎖成長反応に最小限の立体障害しか与えない)、
もう一つの置換基はメチル置換二重結合を有するシクロ
アルケニル基である。かかるモノマーは良好な加硫性を
もたらす多数(7個)のアリル性水素を与え、しかも加
硫性二重結合は共重合活性な二重結合と共役していな
い。リモネンはアルケニル基がシクロオレフィン、言い
換えれば不飽和ナフテンである点で、本明細書中で有用
なものとして開示した他の非共役ジエンとは異なってい
る。データの示す通り、この環状アルケニル基はより高
分子量のコポリマーが製造できる点で本明細書中で開示
した他の非共役ジエンよりも有利であると思われる。分
子量の高いものが得られる理由としては、環状アルケニ
ル基が成長反応に及ぼす立体障害が小さいからであるの
か、それともリモネンの環内二重結合が重合に幾分関与
するようになって高分子量の枝分れブチルを生じるから
であるのか不明である。いずれにせよ、イソブチレンと
リモネンとを共重合して製造したコポリマーはゲルを含
まず、しかも同様な重合体不飽和度においては本明細書
中で開示した他の非共役ジエンを用いて得られるものよ
りも分子量が一般に高い。実際に、リモネンをイソブチ
レンと共重合させることによって生じる分子量降下は、
市販の一般式ブチルゴムの製造に通常使用されている共
役ジエンであるイソプレンによって生じるものとほぼ同
じである。かかる市販のブチルゴムはオゾン分解に弱い
「鎖内」不飽和を有しており、耐環境性及び耐熱性の低
い製品を与える。
リモネンとイソブチレンとを共重合して製造するコポ
リマーは主として以下の構造を有していると考えられ
る。
イソノナジエン/ブチルを用いた場合と同様に、約85
乃至99.5重量%のイソブチレンを含むコポリマーに関し
ては、xは約14乃至480であり、nの値は製造したコポ
リマーの分子量に比例する。本発明のコポリマーは、与
えられたいかなる組成においても実質的にランダムであ
るので、かかる所定の組成に対してもxはその平均値付
近で変動する。
最終的に不飽和結合は側鎖のメチル基で置換された環
の中にあり、優れた耐オゾン性、耐環境性、並びに耐熱
性ブチル加硫ゴムを与える。以上の利点並びにリモネン
(よく知られたテルペンの一つ)の入手し易さと価格の
面で、リモネンは本発明の新規な耐オゾン性ブチルエラ
ストマー製造用の望ましいコモノマーである。
例6−13 リモネン/イソブチレンコポリマーを製造するための
一連の回分式乾燥箱重合の結果を表3にまとめた。使用
したリモネンはd−リモネン[純度97%、アルドリッチ
・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)]で
あった、リモネンはアルミナ上で乾燥させ、それ以上精
製することなく使用した。イソブチレン、塩化メチル、
及び触媒は通常のブチル重合用グレードのものであっ
て、例1−5の記載のようにして乾燥及び精製した。重
合は、前述の温度計、撹拌機、及び滴下ロートを取付け
た500ml三首反応フラスコ中で行った。窒素でパージし
た乾燥箱中の温度制御された液体窒素冷却槽中に浸漬す
ることによって、この反応器を−98℃に冷却した。指定
した量のリモネン又は他のジエンと塩化メチル中の10.5
重量%イソブチレンとから成る460gの供給原料を反応器
に投入した。重合は、10乃至15分間にわたり、反応器と
冷却槽との間で熱伝達が起こりしかも反応器の温度が実
質的に上昇することのないように十分遅い速度で、塩化
メチル中の0.3%エチルアルミニウムジクロリド(EAD
C)から成る冷却触媒溶液を滴下することによって開始
した。十分な量のコポリマーが生じたら、メタノールで
反応を停止した。フード中でモノマーと稀釈剤を温めて
蒸発分離し、次いでイソプロパノール中でポリマーを混
練して残留触媒を除去することによってポリマーを回収
した。0.2重量%のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)
を混合してポリマーを安定化し、次いで80℃で48時間真
空オーブン中でポリマーを乾燥させた。
以上のデータは、リモネンを用いると、ジエンとして
イソプレンを用いたときのコポリマーの分子量に匹敵
し、本明細書中で述べたイソノナジエン及び他の非共役
ジエンを用いて得られるコポリマーの分子量よりもかな
り大きな分子量を有するコポリマーが製造できることを
示している。イソプレンよりもリモネンの方が分子量が
大きいので当然の事ながら、コポリマー中に所定モル%
の不飽和結合を得るためにはより多くのリモネンが必要
とされる。このデータはまた、リモネンを多量に用いる
ほどコポリマーの不飽和度を上昇させる上でのリモネン
の効果が段々少なくなることも示している(即ち、リモ
ネン濃度を3,1から6.2又は9.3に増加させても、モル%
の不飽和度は0.6から0.7又は0.85にまでしか上昇しな
い)。
イソブチレンに対して6.2重量%のリモネンを含有す
る供給原料から製造し、しかも70万を超える分子量で0.
7モル%の不飽和結合を含む(例7及び8のような)リ
モネンコポリマーをカーボンブラック、ステアリン酸、
及び酸化亜鉛と混合してロール練りし、表4に示した硬
化剤を添加した。硬化させると完全な耐オゾン性を有す
る良好な加硫物が得られた。リモネン/ブチルとイソプ
レン/ブチル(エクソンブチル065)とを比較したデー
タを表4に示す。リモネン/ブチルはゆっくりと硬化す
るが、通常のイソプレン/ブチルゴムと比較した場合オ
ゾンによってまったく影響を受けない加硫物が得られ
る。
2,4−ジメチル−1,4−ヘキサジエン(イソオクタジエ
ン)は、イソブチレンと共重合することができ、優れた
耐オゾン性と耐環境性を兼備え実質的にゲルを含まない
加硫性高分子量イソブチレンコポリマーゴムを与える非
共役ジエンとして分類される種類の非共役ジエンの一つ
である。イソオクタジエンは以下の構造を有し、イソノ
ナジエンと近い関係にある。
イソオクタジエンとイソノナジエンは共に、必要とさ
れる非対称的な二つの置換基を有する二重結合を有して
おり、その置換基の一つはメチル基であり、もう一つの
置換基はメチル置換二重結合を有するアルケニル基であ
って、この二重結合は重合活性な二重結合と共役してい
ない。これらの2種類のモノマーはイソブチレンとの共
重合において同じようにふるまい、側鎖に不飽和結合を
有する耐オゾン性で加硫性の似通ったブチルゴムを与え
ると思われる。どちらのモノマーも側鎖不飽和結合に8
個のアリル性水素が含まれているので同じような加硫性
を有すると考えられる。
イソオクタジエンはイソノナジエンよりも二つの二重
結合の間の炭素原子数が1つ少なく、この距離は非共役
二重結合間の距離として可能なものの中では最低であ
る。イソオクタジエンはイソプレンとプロピレンとの間
のコダイメリゼーションによって容易に製造できるが、
前述のジメチルシクロオクタジエンとイソブチレンを用
いる複分解によって製造されるイソナノジエンのような
高純度で得ることはできない。イソオクタジエンはイソ
ノナジエンと同様の取込まれ主として下記の構造のブチ
ルゴムが得られる。
(式中、xとnは既に定義したものである。) 結果として得られる8個のアリル性水素を有する側鎖
不飽和結合は、良好な耐オゾン性加硫性ブチルゴムを与
える。
例14−16 イソオクタジエン/イソブチレンコポリマーを製造し
た乾燥箱実験から得たデータを表5にまとめた。使用し
たイソオクタジエンはコダイメリゼーションによって製
造し、85%が2,4−ジメチル−1,4−ヘキサジエンで残り
は他の異性体であった。これをアルミナ上で乾燥させ、
使用前に減圧蒸留した。他の材料は前述した標準物質で
あって、回分式重合を触媒としてEtAlCl3を使用し、前
述した装置と手順を用いて行った。
このデータはイソブチレンとのイソオクタジエンコポ
リマーが側鎖に不飽和結合を有するコポリマーを与える
が、分子量降下はジエンとしてイソプレン又はリモネン
を用いた場合よりもかなり大きいことを示している。イ
ソオクタジエンはイソノナジエンの場合と同様の分子量
降下を示すが、イソオクタジエンの方が大きく、その原
因としてはイソオクタジエンの純度の低さ又は両方の二
重結合に対してアリル性を有する水素の存在とより高い
連鎖移動活性が考えられる。にもかかわらず、イソオク
タジエンは優れた耐オゾン性、耐熱性、及び耐環境性を
有するイソブチレンコポリマーゴムの製造に適したコモ
ノマーであって、この場合も上述の構造を有する非共役
ジエン類が本発明の耐オゾン性の改良されたブチルゴム
の製造に有利であることを実証している。
本発明を説明するためにある代表的な実施態様とその
詳細を示したが、様々な変化を加えることは本技術分野
における当業者の容易に成し得ることであり、本発明の
精神と範囲を離れるものではない。
【図面の簡単な説明】
添付の第1図は、本発明のイソノナジエンブチル並びに
従来のイソブチレン/イソプレンコポリマーに関して行
ったトルク試験の結果をグラフにプロットしたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケニス・ウィリアム・パワーズ アメリカ合衆国 ニュー・ジャージー 州、バークレイ・ハイツ、ロビンズ・ア ベニュー 145 (56)参考文献 特開 平2−123114(JP,A) 特開 昭57−59934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 10/04 - 10/14 C08F 210/04 - 210/14 C08F 4/14

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1種以上のC4乃至C7イソオレフィンと下記
    の式の1種以上の非共役ジエンとの加硫性コポリマーに
    して、前記1種以上のイソオレフィン部分を85乃至99.5
    重量%含有することを特徴とするコポリマー。 (式中、R1 及び から成る群から選択したものであり、 R2はアルキル基である)
  2. 【請求項2】R2メチル基であることを特徴とする請求項
    1記載のコポリマー。
  3. 【請求項3】請求項1記載のコポリマーにおいて、前記
    非共役ジエンが下記の式を有することを特徴とするコポ
    リマー。 (式中、nは1乃至5であり、R2は炭素原子数1乃至6
    のアルキル基である)
  4. 【請求項4】前記C4乃至C7イソオレフィンがイソブチレ
    ンであることを特徴とする請求項3記載のコポリマー。
  5. 【請求項5】R2メチル基であることを特徴とする請求項
    4記載のコポリマー。
  6. 【請求項6】前記C4乃至C7イソオレフィンがイソブチレ
    ンであり、かつ前記非共役ジエンが2,6−ジメチル−1,5
    −ヘプタジエンであることを特徴とする請求項1記載の
    コポリマー。
  7. 【請求項7】前記C4乃至C7イソオレフィンがイソブチレ
    ンであり、かつ前記非共役ジエンがリモネンであること
    を特徴とする請求項1記載のコポリマー。
  8. 【請求項8】前記C4乃至C7イソオレフィンがイソブチレ
    ンであり、かつ前記非共役ジエンが2,4−ジメチル−1,4
    −ヘキサジエンであることを特徴とする請求項1記載の
    コポリマー。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載
    のコポリマーのゴム状加硫物。
  10. 【請求項10】1種以上のC4乃至C7イソオレフィンと下
    記の式の1種以上の非共役ジエンとのコポリマーの製造
    方法にして、ルイス酸触媒の存在下で前記C4乃至C7イソ
    オレフィィンと前記非共役ジエンとを反応させること、
    並びに前記C4乃至C7イソオレフィンがモノマーの85乃至
    99.5重量%を占めることを特徴とする方法。 (式中、R1 及び から成る群から選択したものであり、 R2はアルキル基である)
  11. 【請求項11】前記触媒がフリーデル・クラフツ触媒で
    あることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記触媒がAlCl3、EtAlCl2、及びBF3
    ら成る群から選択したものであることを特徴とする請求
    項10記載の方法。
  13. 【請求項13】請求項10記載の方法において、反応を不
    活性稀釈剤中において−80乃至−100℃で行うことを特
    徴とする方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の方法において、前記稀釈
    剤がハロゲン化炭化水素又はアルカンであることを特徴
    とする方法。
  15. 【請求項15】請求項10記載の方法において、前記非共
    役ジエンが下記の式を有することを特徴とする方法。 (式中、nは1乃至5であり、R2は炭素原子数1乃至6
    のアルキル基である)
  16. 【請求項16】前記C4乃至C7イソオレフィンがイソブチ
    レンであることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】R2がメチル基であることを特徴とする請
    求16項記載の方法。
  18. 【請求項18】前記非共役ジエンが2,6−ジメチル−1,5
    −ヘプタジエンであることを特徴とする請求項10記載の
    方法。
  19. 【請求項19】前記非共役ジエンがリモネンであること
    を特徴とする請求項10記載の方法。
  20. 【請求項20】前記非共役ジエンが2,4−ジメチル−1,4
    −ヘキサジエンであることを特徴とする請求項10記載の
    方法。
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