JP2890105B2 - Qam復調装置 - Google Patents

Qam復調装置

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JP2890105B2
JP2890105B2 JP7155477A JP15547795A JP2890105B2 JP 2890105 B2 JP2890105 B2 JP 2890105B2 JP 7155477 A JP7155477 A JP 7155477A JP 15547795 A JP15547795 A JP 15547795A JP 2890105 B2 JP2890105 B2 JP 2890105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直交振幅変調(QA
M)による変調波信号を復調するQAM復調装置に関
し、特に、同期シンボルやパイロットシンボルを簡易な
構成及び演算処理で検出して位相補正をなし得るQAM
復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MCA(Multi Channel Access)システ
ムは異なるユーザが複数のチャネルを共同で利用するシ
ステムであり、業務用としても広く使用されている。ま
た、このMCAシステムでは音声用無線通信のほかに各
種のデータ通信としても利用されている。
【0003】そして、このMCAシステムにおいて利用
者数は近年急速に増大してきており、またデータ転送に
適したシステムの要求も多い。そこで、ディジタルMC
Aシステムの仕様が決定され、実用化されることとなっ
た。
【0004】このようなシステムでは、多値QAM(Qu
adrature Amplitude Modulation )が使用され、例え
ば、90度位相が異なる搬送波信号でそれぞれ4値の振
幅変調をかけ、16値の状態を有するようにした多値直
交振幅変調が使用される。
【0005】また、ディジタルMCAシステムの変調方
式として、RCR(Research & Development Center fo
r Radio Systems:財団法人・電波システム開発センタ
ー)の標準規格として定められたSTD−32のディジ
タルMCAシステムでは、M16QAM方式が使用され
ており、4つのサブキャリアを使用することになってい
る。
【0006】ところで、無線通信では伝播状況の変化に
より受信側の信号強度が大きく変化することがあり、受
信信号の処理において自動利得調整(automatic gain c
ontrol:AGC)を欠かすことはできない。
【0007】例えば、周波数変調や位相変調による信号
のAGCを実現するAGC回路1は図8に示したような
回路により実現される。すなわち、可変利得増幅器2の
出力の積分値が一定になるように、積分器3の積分結果
をローパスフィルタ4aで処理した後に可変利得増幅器
2の利得制御端子に入力して利得を調整するようにして
いた。この場合、周波数変調や位相変調による信号は振
幅が常に一定であるため、このような処理が実現可能に
なっている。
【0008】ところで、QAM信号では振幅値にも情報
を持っているために、振幅値の積分値は常時安定した値
にはならない。従って、上述した図8のように信号の振
幅値を積分した値を用いてはAGCを実現することはで
きない。
【0009】ここで、多値QAM変調信号は以下の式で
表すことができる。 I(t)=A(t)cosφ(t) Q(t)=A(t)sinφ(t) すなわち、この多値QAM変調信号は位相と振幅との情
報を有するように変調されている。
【0010】このように、振幅成分にも情報を有する多
値QAM変調信号についてのAGCと位相補正は、図9
に示したような回路を用いて以下のように行うことが一
般的であった。
【0011】まず、直交復調器4によって直交復調を行
って同相成分I(T)と直交成分Q(T)とに分離す
る。そして、同期検出器5がI(T)及びQ(T)から
同期シンボルを検出し、更に、この同期シンボルからタ
イミング抽出器6が同期シンボルのタイミングを求め
る。そして、予め分かっている同期シンボルの振幅値や
位相値を用いて位相/振幅補正器7においてI(T)及
びQ(T)の振幅補正(AGC)と位相補正とを行うよ
うにしていた。
【0012】この場合、AGCを行う以前の振幅値が不
定の状態で同期検出器5で同期検出を行わなければなら
ず、非常に困難な処理であった。すなわち、同期シンボ
ルは振幅値と位相角との双方で定められていることを利
用して検出を行うものであるのに、これらが不定の状態
で検出を行うことは処理回路のハードウェア及び処理ア
ルゴリズムの点で複雑なものが要求される問題を有して
いた。
【0013】すなわち、所定の位相になる同期シンボル
を同期検出器5で検出するには、以下のように行う。こ
こで、振幅をA(T),位相をφ(T)とすると、 tanφ(T) =(A(T)sinφ(t)/A(T)cosφ(t)) =(Q(T)/I(T)) となる。
【0014】従って、 φ(T)=Arctan(Q(T)/I(T)) となる。
【0015】このように、振幅A(T)とは無関係にI
(T),Q(T)からφ(T)を求めることが可能であ
り、この位相φ(T)を検出する処理は図10の位相検
出部5aで行われる。また、このようにして検出された
位相φ(T)と位相テーブル5cから読み出された同期
シンボルの位相とが位相比較器5bで比較され、同期シ
ンボルの位置が検出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような同期検出処
理では、振幅値A(T)を除去するために除算が必要に
なる問題を有している。この除算を実現する回路は積算
等の処理に比べて一般的に複雑な構成である。更に、位
相φ(T)を求めるためにArctanの演算が必要に
なるため処理が複雑になる。そして、テーブル参照等の
処理にも多くの処理時間を必要とする。
【0017】また、以上の位相による同期検出に加え、
振幅からの検出も付随的に行なわれることがある。この
場合、振幅値が最大になる同期シンボルを同期検出器5
で検出する必要が有り、最低でも1フレーム分の振幅値
情報を記憶しておいて、その記憶内容の中から探す必要
がある。従って、この振幅からの同期検出も振幅値情報
の記憶のための回路が大規模化する問題を有している。
【0018】従って、DSPで実現する場合であって
も、演算処理が面倒になり、高速演算を必要とする問題
を有していた。
【0019】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、簡単な構成及び演算で、正確な同期検
出に基づく位相補正を行って、変調波信号を復調するこ
とが可能なQAM復調装置を実現することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本件出願の発明者は、従
来のQAM復調装置での同期検出における演算及び処理
回路の複雑さの欠点を改良すべく鋭意研究を行った結
果、所定の期間中の同期シンボルの連続した個数とその
位相及び振幅の誤差に着目して正確な同期検出を行う新
たな手法を見出し、本発明を完成させたものである。
【0021】従って、上記の課題を解決するための手段
である本発明は以下に説明するように構成されたもので
ある。
【0022】すなわち、課題を解決する手段である本発
明は、信号空間座標上の最大振幅のシンボルを通る円周
上にそれぞれ所定の位相角で、連続した任意の数のシン
ボルで構成されるフレームの同期シンボルと、位相補正
を容易にするためにフレームの途中に挿入されたパイロ
ットシンボルとを含むQAM信号を復調するQAM復調
装置において、送信側のシンボルタイミングにほぼ同期
したシンボルタイミング再生信号によって、直交する成
分I(T)とQ(T)とからなるシンボル信号を再生す
る再生回路と、所定の期間の中で最大振幅となるよう定
められた同期シンボルとパイロットシンボルとがM個存
在する場合に、上記シンボル信号の振幅値について所定
の期間の中で上位M個の値を抽出し、この抽出されたM
個のシンボル信号の振幅値の平均値若しくは積算値を用
いて利得調整を行うAGC回路と、所定の期間の中の同
期シンボルがS個存在する場合に、任意の連続したS個
のシンボルについて、同期シンボルの振幅に対する誤差
(振幅誤差)及び同期シンボルの位相に対する誤差(位
相誤差)をそれぞれ求める誤差検出回路と、その振幅誤
差と位相誤差とを積和演算して積和演算結果を求める積
和演算手段と、その積和演算手段からの積和演算結果が
最小値となるシンボルを検出する最小値検出回路とを備
え、その最小値となるシンボル位置から同期シンボルを
検出して位相補正を行うことを特徴とするものである。
【0023】
【作用】課題を解決する手段であるQAM復調装置で
は、所定の期間の中で最大振幅となるよう定められた同
期シンボルとパイロットシンボルとが所定のM個である
QAM信号を受信する場合に、所定の期間の中の振幅値
の上位M個の振幅値に着目して、これを記憶して、記憶
した振幅値の平均値若しくは積算値と、復調側で最大振
幅と判定する値との誤差が0に近づくように、可変の利
得を調整する。そして、所定の期間の中の同期シンボル
がS個存在する場合に、任意の連続したS個のシンボル
について、同期シンボルの振幅に対する誤差(振幅誤
差)及び同期シンボルの位相に対する誤差(位相誤差)
をそれぞれ求め、その振幅誤差と位相誤差とを積和演算
して積和演算結果を求めて、その積和演算結果が最小値
となるシンボル位置から同期シンボルを検出する。そし
て、このように検出された同期シンボルに基づいて位相
補正を行う。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図1は本発明のQAM復調装置の主要部の
原理的構成を示す構成図であり、図2は図1の一部を詳
細に示した構成図、図4は図2を更に詳細に示した説明
図である。また、図5は本発明のQAM復調装置の全体
構成を示す構成図である。尚、図1〜図5において同一
物には同一番号を付してある。尚、この実施例では、サ
ブキャリアの個数を4である場合を例にして説明を行う
ことにする。
【0026】まず、図5〜図7を参照してQAM復調装
置の全体構成とその動作及び処理手順の概略を説明し、
その後に本発明の特徴部分であるAGCと同期検出との
関係及び処理内容について図1〜図4を参照して説明を
行う。
【0027】図5に示すQAM復調装置は大きく分け
て、サブキャリアの分離と直交復調を行う直交復調部8
と、シンボルデータの抽出を行うシンボル抽出部9と、
振幅値についてAGCを行うAGC回路10と、位相補
正を行う位相補正部20と、データ復調を行うデータ復
調器30とに分けられる。尚、再生回路は、直交復調部
8とシンボル抽出部9とで構成されている。以下、各部
に分けて説明を行う。
【0028】[サブキャリア分離]図5において、図示
されていないアンテナで受信されて電気信号に変換され
た受信信号は周波数変換されて中間周波数fR’の変調
波信号にされて、直交復調部8に供給される。そして、
この直交変調部8でサブキャリアと同数の復調信号して
同相成分(I信号:I1 (t),I2 (t),I3
(t),I4 (t))と直交成分(Q信号:Q1
(t),Q2 (t),Q3 (t),Q4 (t))とが得
られる。
【0029】図6はこのサブキャリアの配置を模式的に
示した説明図であり、搬送波の周波数f0 の周囲に4つ
のサブキャリア(Sub1〜Sub4)が配置されている。ここ
では、各サブキャリアは4.5kHz毎の間隔で配置さ
れており、それぞれの先の中心周波数はf0 −6.75
kHz,f0 −2.25kHz,f0 +2.25kH
z,f0 +6.75kHzになっている。
【0030】このようなサブキャリアを有する変調波信
号を復調するには、従来の一般的な装置ではサブキャリ
アと同数の4つの直交復調器に供給される。この4つの
直交復調器のそれぞれには、中間周波信号の周波数f
R’と所望のサブキャリアの周波数との差の周波数fL
(1)〜fL(4)の直交信号(位相が90度異なる2
信号(sin成分とcos成分))を発生する局部発振
器からの局部発振信号も供給されている。このようにし
て、直交復調とサブキャリアの分離とがなされる。
【0031】但し、このような従来の一般的な復調(サ
ブキャリア分離)方式では、サブキャリアを分離するに
はサブキャリアと同数の局部発振器を必要としており、
回路構成が複雑化する問題も有していた。
【0032】このために、本件出願の発明者は、既に平
成7年4月21日付けでサブキャリアの個数より少ない
局部発振器でサブキャリアの分離を行う方式を提案して
おり、この技術を使用することが可能である。
【0033】すなわち、複数のサブキャリアを使用する
変調波信号について直交復調を行うQAM復調装置にお
いて、サブキャリアを分離する以前に変調波信号につい
て第1の直交復調を行って同相成分と直交成分とを抽出
する直交復調器と、この同相成分と直交成分とについ
て、変調波信号の中心周波数とサブキャリアの差分の周
波数による第2の直交復調を、サブキャリアの数より少
ない局部発振器からの信号を用いて行う直交復調器と、
この第2の直交復調により得られた結果を演算処理する
演算処理回路と、この演算処理結果をサブキャリアの帯
域幅でフィルタ処理するLPFとを備え、サブキャリア
の分離と、目的の同相成分と直交成分との復調とを行う
ようにする。
【0034】このようにすることで、複数のサブキャリ
アを使用する変調波信号についてサブキャリアの個数よ
り少ない個数の発振器でサブキャリアの分離を行うこと
が可能になる。以上のことにより、発振器の個数を減ら
すことができ、回路構成及び規模を削減することができ
る。また、DSPで処理する場合にも有利になる。更
に、サブキャリアを分離するために使用する局部発振器
の各周波数が単純な整数比になる。これは、通常のサブ
キャリアの周波数間隔が等間隔になっているためであ
る。このような結果、分周,てい倍等に使用する大元の
周波数を共有化できるようになる。この点もDSPで処
理する場合に有利に働く。
【0035】[シンボル抽出]送信側では、図7(a)
に示すように直交符号の同相成分I(T)及び直交成分
Q(T)共に複数の段階状のレベルを有する信号として
生成されている。ここでは、4段階のレベルを示してい
る。これが、直交復調器8で復調された時点では、図7
(b)に示すように傾斜のなだらかなアナログ信号とな
っている。そこで、シンボル抽出部9において、シンボ
ルタイミング再生を行ってシンボルクロックを再生する
(図7(c))。そして、再生されたシンボルクロック
を用いて、アナログ信号の直交符号からそれぞれシンボ
ルを抽出する(図7(d))。このようにして、シンボ
ルが抽出されて、直交符号(I1 (T),I2 (T),
I3 (T),I4 (T),Q1 (T),Q2 (T),Q
3 (T),Q4 (T))が得られる。
【0036】[AGC]図1に示すように、AGC回路
10内には、可変の利得で増幅を行う可変利得増幅器1
1が配置されており、利得制御端子に供給される後述す
る制御信号によって利得が調整されてAGCが実現され
るようになっている。尚、ここでは、説明のために4つ
のサブキャリアについての信号処理系のうちの1系統の
みを図1に示しているが、図5相当の全体の回路構成に
おいてはサブキャリアに等しい数の処理を行うものであ
る。
【0037】まず、振幅値抽出器12が可変利得増幅器
11の出力信号を受けて振幅値を抽出する。この場合の
振幅値の抽出は、I2 (T)+Q2 (T)若しくは(I
2 (T)+Q2 (T))1/2 により行う。
【0038】そして、所定の期間の中で最大振幅となる
よう定められた同期シンボルとパイロットシンボルとが
M個であるQAM信号を受信する場合に、誤差抽出部1
3では振幅値抽出部12からの振幅情報を受けて、所定
の期間の中の振幅値の上位M個の振幅値を記憶する。そ
して、記憶した振幅値の平均値若しくは積算値をとる。
その平均値または積算値と、復調側で最大振幅と判定す
る値との誤差が0に近づくように、可変利得増幅器11
の利得を調整する制御信号を生成する。
【0039】更に、積分器14は、誤差抽出器13で生
成された制御信号を積分することで、このAGC回路の
制御系が安定して動作するような時定数を掛ける。
【0040】従って、可変利得増幅器11は、このよう
に調整された制御信号を受けて利得調整を行って、振幅
値が補正された直交符号を生成する。すなわち、このよ
うな処理を各サブキャリアについて行って直交符号(I
1 (T),I2 (T),I3(T),I4 (T),Q1
(T),Q2 (T),Q3 (T),Q4 (T))を得
る。
【0041】このようなAGC処理によれば、従来必要
であった同期検出の手順を経ることなく処理が行なえる
ようになり、しかも、QAM信号に最適な振幅補正を行
うことができる。また、ここで適確な振幅補正を行って
いるために、後段の同期検出や位相補正の処理も容易に
なる。
【0042】[位相補正]AGC回路10で振幅が補正
された直交符号に対して、位相補正部20が位相の補正
を行う。
【0043】ここで、送信機側のキャリア角周波数をω
c として、受信機側の復調角周波数との差異をθ(t)
とした場合、送信機側及び受信機側の周波数が双方とも
安定しているとすれば、上述のθ(t)は時間tに比例
したものとなる。
【0044】従来、公称ベクトルの値が予め分かってい
るとき、すなわち、パイロットシンボルIp ,Qp が送
信された時に、このθ(t)の補正が行なわれる。この
場合、従来の一般的な位相補正部では、パイロットシン
ボル期間に実際に受信したデータとパイロットシンボル
との位相差を求め、その位相差データを元にして補正
(位相推位)を行なうようにしていた。
【0045】しかし、このような補正を行うには、常時
三角関数の計算を行わねばならない。このためには、級
数展開若しくはテーブルの参照を常時行う必要が有り、
処理が複雑になる問題を有していた。従って、DSPで
実現する場合であっても、演算処理が面倒になり、高速
演算を必要とする問題を有していた。
【0046】このために、本件出願の発明者は、既に平
成7年4月12日付けで、固定の係数を求めておいて、
この係数に従って位相補正を行う方式を提案しており、
この技術を使用することが可能である。
【0047】すなわち、予め定められた所定の位相及び
振幅のパイロットシンボルIp ,Qp が挿入された多値
QAM変調信号を復調する場合において、多値QAM変
調信号のパイロットシンボルIp ,Qp 受信した際にパ
イロットシンボルIp ,Qpと真値Io ,Qo との位相
差βに応じたsinβ及びcosβを固定値の位相差係
数として求めておいて、この位相差係数sinβ及びc
osβ並びに受信データの各シンボルにおける同相成分
Ir ,直交成分Qr を用いて積算及び加減算により位相
補正を行なって真値Io ,Qo を求めることが可能であ
る。これにより、積算と加減算との単純な演算により、
精度の高い位相補正を行なうことが可能になる。
【0048】尚、この場合には、同期検出器21による
同期検出を正確に行う必要がある。そこで、図2に示す
ような構成の同期検出回路を使用して以下に説明する方
式の同期検出を行う。
【0049】この方式によれば、同期検出器21に入る
I(T),Q(T)信号は前述のAGCにより既に振幅
値が補正されているため、同期シンボルの数をS個とし
たとき、任意の連続したS個のシンボルの同期シンボル
に対する振幅誤差と位相誤差を独立して位相角誤差検出
器21a及び振幅誤差検出器21cで算出し、その和が
最小になるシンボル位置を最小値検出器21fで検出し
て、このタイミングで同期シンボルを検出することがで
きる。
【0050】その手法を、先ず、位相角誤差について述
べる。
【0051】信号空間座標上の最大振幅を通る円周上配
置されている同期シンボルの位相角は、振幅が補正され
ているI(T)、またはQ(T)の信号からはArcc
os、またはArcsinの演算値とI(T)、および
Q(T)の符号により容易に求められる。図3に位相角
を算出するひとつの要素となる各象現でのI(T)、Q
(T)の符号を示す。
【0052】このような位相角を求める処理は、図4
(a)に示したような位相角誤差検出器21a内の位相
角検出器21gで行った後に、位相角テーブル21hを
参照した位相角比較部21iが行う。
【0053】このように検出された位相角の偏移と所定
の同期シンボルの位相角の偏移との差違を演算処理すれ
ば、同期シンボル位置でその誤差が最小となる。
【0054】このように位相角誤差の検出においても、
一般的な方法で述べたような複雑な除算を必要としな
い。
【0055】次に振幅誤差について述べる。
【0056】同期シンボルは、信号空間座標上の最大振
幅を通る円周上配置されている。従って、すでに振幅補
正されているI(T)、Q(T)の振幅情報値I
2 (T)+Q2 (T)または(I2 (T)+Q
2 (T))1/2 は同期シンボル位置で連続して所定の最
大値となる筈であり、この最大値との誤差は同期シンボ
ル位置で最小となる。
【0057】この方式では、連続したS個のシンボルに
ついてのみ着目すればよく、改めてある区間(通常は1
フレーム)の最大値を検索する必要はない。
【0058】すなわち、図4(b)に示した振幅誤差検
出器21c内の振幅検出器21j及び比較器21kとで
連続したS個分のシンボルについて処理を行えば良い。
【0059】従って、従来の装置に比較してメモリ容量
の節約になり、装置を小型化することができる。また、
検索処理の簡略化も実現でき、従来と同じ処理能力であ
れば演算が高速になり、従来と同じ処理時間で良い場合
には低速の処理装置を使用することも可能になる。
【0060】尚、同期シンボル位置を確定するには、上
記、振幅誤差の検出と位相角誤差の検出のいずれか一方
だけの検出に頼ると、振幅の上で同期シンボルと類似し
たシンボル列、または位相角上で同期シンボルと類似し
たシンボル列が到来したときに判定を誤ることから、双
方に係数を掛け、加算した結果の最小値から判定するこ
ととなる。このときの係数比は1:1だけでなく、それ
ぞれのシステムの特性に合わせて設定すれば良い。
【0061】このように、振幅誤差の検出と位相角誤差
の検出をS個の連続したシンボルについてそれぞれ行
い、その双方に係数を掛け、加算した結果の最小値から
同期シンボルの検出を行うことで、演算処理を簡素化
し、それぞれのシステムに合ったより正確な同期検出を
行うことができる。
【0062】また、ここに説明した同期検出を行うこと
によって、本件出願人が既に提案を行った固定の係数を
求めておいて、この係数に従って位相補正を行う方式を
容易に実現することができるようになる。
【0063】[データ復調]そして、以上のようにし
て、振幅及び位相が補正された直交符号をデータ復調器
30で所定のアルゴリズムに従って復調してビットスト
リーム出力のディジタルデータを得る。
【0064】[効果:従来例との比較] 以上説明してきたように、所定の期間の中で最大振幅と
なるよう定められた同期シンボルとパイロットシンボル
とが所定のM個であるQAM信号を受信する場合に、
定の期間の中の振幅値の上位M個の振幅値に着目して、
これを記憶して、記憧した振幅値の平均値若しくは積算
値と、復調側で最大振幅と判定する値との誤差が0に近
づくように、可変の利得を調整し、所定の期間の中の同
期シンボルがS個存在する場合に、任意の連続したS個
のシンボルについて、同期シンボルの振幅に対する誤差
(振幅誤差)及び同期シンボルの位相に対する誤差(位
相誤差)をそれぞれ求め、その振幅誤差と位相誤差とを
積和演算して積和演算結果を求めて、その積和演算結果
が最小値となるシンボル位置から同期シンボルを検出す
る。
【0065】この結果、まずAGCの処理自体を容易か
つ適確に行って、その後に正確な同期検出処理を行える
ようになる。従って、従来の装置に比較して、正確さを
保ったまま、処理回路のハードウェア及び処理アルゴリ
ズムの点で簡易な構成を使用することが可能になる。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明では、
所定の期間の中で最大振幅となるよう定められた同期シ
ンボルとパイロットシンボルとが所定のM個であるQA
M信号を受信する場合に、所定の期間の中の振幅値の上
位M個の振幅値に着目して、これを記憶して、記憶した
振幅値の平均値若しくは積算値と、復調側で最大振幅と
判定する値との誤差が0に近づくように可変の利得を調
整し、所定の期間の中の同期シンボルがS個存在する場
合に、任意の連続したS個のシンボルについて、同期シ
ンボルの振幅に対する誤差(振幅誤差)及び同期シンボ
ルの位相に対する誤差(位相誤差)をそれぞれ求め、そ
の振幅誤差と位相誤差とから積和演算結果を求めて、そ
の積和演算結果が最小値となるシンボル位置から同期シ
ンボルを検出する。
【0067】この結果、まずAGCの処理自体を容易か
つ適確に行って、その後に正確な同期検出処理に基づい
た位相補正を行えるようになる。従って、従来の装置に
比較して、正確さを保ったまま、処理回路のハードウェ
ア及び処理アルゴリズムの点で簡易な構成を使用するこ
とが可能になる。
【0068】従って、簡単な構成及び演算で、正確な同
期検出に基づく位相補正を行って、変調波信号を復調す
ることが可能なQAM復調装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のQAM復調装置の主要部の構成を示す
構成図である。
【図2】本発明のQAM復調装置の主要部の詳細な構成
を示す構成図である。
【図3】本発明のQAM復調装置の位相角算出における
各象現でのI(T)、Q(T)の符号を示す説明図であ
る。
【図4】本発明のQAM復調装置の主要部の詳細な構成
を示す構成図である。
【図5】本発明のQAM復調装置の全体の構成を示す構
成図である。
【図6】4つのサブキャリアの配置を示した説明図であ
る。
【図7】シンボル抽出の様子を示す説明図である。
【図8】従来のAGC回路の構成を示す構成図である。
【図9】従来の振幅補正とAGCとを実行する回路の構
成を示す構成図である。
【図10】従来の位相検出の回路を示す構成図である。
【符号の説明】
10 AGC回路 20 位相補正部 21 同期検出器 22 タイミング抽出器 23 位相補正器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号空間座標上の最大振幅のシンボルを
    通る円周上にそれぞれ所定の位相角で、連続した任意の
    数のシンボルで構成されるフレームの同期シンボルと、
    位相補正を容易にするためにフレームの途中に挿入され
    たパイロットシンボルとを含むQAM信号を復調するQ
    AM復調装置において、 送信側のシンボルタイミングにほぼ同期したシンボルタ
    イミング再生信号によって、直交する成分I(T)とQ
    (T)とからなるシンボル信号を再生する再生回路と、 所定の期間の中で最大振幅となるよう定められた同期シ
    ンボルとパイロットシンボルとがM個存在する場合に、
    上記シンボル信号の振幅値について所定の期間の中で上
    位M個の値を抽出し、この抽出されたM個のシンボル信
    号の振幅値の平均値若しくは積算値を用いて利得調整を
    行うAGC回路と、 所定の期間の中の同期シンボルがS個存在する場合に、
    任意の連続したS個のシンボルについて、同期シンボル
    の振幅に対する誤差(振幅誤差)及び同期シンボルの位
    相に対する誤差(位相誤差)をそれぞれ求める誤差検出
    回路と、 その振幅誤差と位相誤差とを積和演算して積和演算結果
    を求める積和演算手段と、 その積和演算手段からの積和演算結果が最小値となるシ
    ンボルを検出する最小値検出回路とを備え、その最小値
    となるシンボル位置から同期シンボルを検出して位相補
    正を行うことを特徴とするQAM復調装置。
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