JP2884772B2 - クランク軸 - Google Patents

クランク軸

Info

Publication number
JP2884772B2
JP2884772B2 JP33332990A JP33332990A JP2884772B2 JP 2884772 B2 JP2884772 B2 JP 2884772B2 JP 33332990 A JP33332990 A JP 33332990A JP 33332990 A JP33332990 A JP 33332990A JP 2884772 B2 JP2884772 B2 JP 2884772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
stress
crankshaft
arm
annular corner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33332990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04203515A (ja
Inventor
彦治 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP33332990A priority Critical patent/JP2884772B2/ja
Publication of JPH04203515A publication Critical patent/JPH04203515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2884772B2 publication Critical patent/JP2884772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関等の動力伝達や、機械的にタイミ
ングをずらすこと等の回転運動と直線往復運動との変換
に使われるクランク軸に関し、さらに詳細には、そのク
ランク軸の応力集中部に対し疲労強度を増加させるため
に局所的な熱処理を施こしたクランク軸に関する。
[従来技術] 従来この種のクランク軸としては、例えば特開昭57−
85931号公報、特開昭59−89722号公報に公開されている
ように、クランク軸のジャーナルと腕部との間の環状隅
R部及びピンと腕部との間の環状R部に高エネルギービ
ームを用いて焼き入れ部を形成して疲労強度を高めたも
のがある。しかし、この方法で環状隅R部全周にわたっ
て焼き入れをする時、焼き入れを開始した位置の硬度
は、焼き入れ終了点の入熱によって低下し、その位置の
疲労強度が低下する問題点があった。
そこで、まず特開昭57−85931号公報では焼き入れ開
始点を第8図に示されているようにジャーナル中心1aと
ピン中心2aとを結ぶ直線Xと、ピン中心2aを通って前記
直線Xに直交する直線Yとピン3の外周との交差点ニか
ら開始するとしている。さらに、特開昭59−89722号公
報では第9図(a)、(b)に示されているように、ク
ランク軸の疲労破壊はA点、B点から生じるとして,E〜
A〜F、G〜B〜Hの領域に焼き入れ部20、21を形成し
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記2例にみられるようなクランク軸
の焼き入れ部において、焼き入れ開始点は必ずしも集中
応力が最小になる位置ではなかった。実際にクランク軸
の焼き入れを考えた場合、発生する応力に応じて焼き入
れ硬化層をコントロールすれば最も良いが、前記方法の
ように焼き入れ開始点が、集中応力の最小点でないた
め、必要以上の焼き入れ硬化層を形成しなければなら
ず、クランク軸の焼き入れ歪を最小限に抑えることはで
きなかった。このため、歪取りに余分の時間を要してい
た。
そこで、本発明は上記のような問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は焼き入れ硬化層を必
要最小限に設定し、歪取り時間を短くし得るクランク軸
を提供するにある。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明のクランク軸は、
ピンと腕部との間の環状隅R部及び前記腕部とジャーナ
ルとの間の環状隅R部の少なくともいずれか一方におい
て、全周に沿って高エネルギービームによる焼き入れ部
を形成し、その焼き入れ開始点を回転にともなって発生
される応力が最も小さい位置に設定したものである。
[作用] 上記の構成を有する本発明は、発生応力が最小限の位
置に焼き入れ開始点を設定することで、必要最小限の焼
き入れ硬化層を形成するだけで済むために、クランク軸
に発生する歪を最小にでき、歪取りの時間を短くでき
る。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して
説明する。まず、第1図に1つの偏心したピンをもつク
ランク軸を示す。クランク軸Sは、ジャーナル1と偏心
ピン3とが腕部2により偏心して一体的に連結されたも
のである。腕部2とピン3との間の環状隅R部4に応力
が集中するために、疲労強度を増加させる必要がある。
この形状の場合、腕部2とジャーナル1との間の環状隅
R部9には、ピン3とジャーナル1の直径差からあまり
大きな応力集中はないと思われるため、焼き入れしな
い。
次に、前記環状隅R部4の全周にレーザビームにより
焼き入れした焼き入れ部5を形成する(第2図参照)。
この時、環状隅R部で焼き入れ開始点をどこにもってく
るか問題である。そこで、環状隅R部で、集中応力が最
小になる位置を検討した。集中応力の発生として、主に
2つの応力を考慮した。
まず、クランク軸にはその回転運動を直線運動に変え
る機構が必ずある。そこで前記クランク軸Sには第3図
(a)に示すように、回転運動を直線運動に変換する連
結部ロッド6がピン3に回転可能に連結されている。そ
して、クランク軸Sが回転するとロッド6は上下運動を
し、そのロッド6の延長線に連結された部材(図示せ
ず)により常に同図中で上向きに引っ張り応力が働くた
め、ピン3には常に上向きに力F8が働く。この時、クラ
ンク軸に対しては、相対的に曲げ荷重B7が働くことにな
る。
この曲げ荷重により発生したクランク軸の腕部2とピ
ン3との間の環状隅R部に発生する応力Pを測定した。
即ち、第3図(b)に示すようにロッド6のピン収容孔
内面の上下面に溝を形成し、歪ゲージ14を上下に貼付
け、そのリード線15をクランク軸Sに沿って延ばし、測
定器に接続し、回転の曲げ応力を測る。前記環状隅R部
の集中応力はそのピン応力にコーナ部の形状係数を掛け
て計算する。
第3図(c)に測定したピン3にかかる曲げ応力Pの
変化曲線を示す。ピン中心10とジャーナルル中心16を通
る直線をX1−X2とする。また、ジャーナル中心16を通っ
てロッドの連結方向である上下方向の直線をV1−V2とす
る。この方向のピン部にかかる応力変化(荷重方向から
考えて最大応力が発生)を、回転とともに示す。これ
は、前記したようにロッドから一定の引っ張り応力がV1
−V2方向にかかっているため一定値を示す。
次に、クランク軸は高速回転されるため、偏心部であ
るピン部の質量により発生した遠心力R9がピンに作用
し、これがピンに曲げ応力B7として働くため、前記環状
隅R部に集中応力Qが発生する。
このピン3にかかる遠心力による応力Qを第4図
(a)に示す。この応力を測定するために、第4図
(b)に示すようにピンの偏心方向X1−X2方向に歪ゲー
ジを貼り付け応力の大きさを測定した。さらに、この応
力QはV1−V2方向に対して正弦曲線的に作用するため、
軸の回転とともにその変化を示すと第4図(c)のよう
になる。
次に、第3図(c)と第4図(c)に示した2つの応
力P,Qを合成したものを第5図に示す。例えば、ミシン
内に組み込まれたクランク軸の1つのピンに作用する応
力は第6図のグラフように変化し、回転初期は遠心力が
小さく、回転が定常回転になるにつれて遠心力がしだい
に大きくなるため、同図のように応力がしだいに変化す
る。
第5図で集中応力が最小になる位置は、AとBであ
る。まず、Aの位置では第7図(a)に示すように、ジ
ャーナルの中心16を通る水平座標軸W1−W2に対して30゜
の位置に前記X1−X2軸がくる。そして、ピンの断面中心
10を通って垂直軸V1−V2に対して平行に引いた直線Y1−
Y2とピン外形円11との交点12と13が最小応力位置であ
る。また、第7図(b)に示すように、Bの位置におけ
るクランク軸環状R部での最小応力位置は、水平座標軸
W1−W2に対して、150゜の位置に前記X1−X2軸がくる位
置で、前記と同様にピン部の断面中心10を通って垂直軸
V1−V2に対して平行に引いた直線Y1−Y2とピン外形円11
との交点14と15が最小応力位置となる。よって、焼き入
れ開始点は前記12〜15のどれかを選択すればよい。
以上のようにクランク軸のピンと腕部との間の環状隅
R部で軸が回転する場合の最小応力位置は、偏心部であ
るピン部による遠心力と、ピン部に連結されているロッ
ドから受ける応力の和で決まる。よって、これらを上記
のごとくクランク軸について、最大応力方向に対して、
実際に歪ゲージを用いて測定するか、簡単な応力計算に
よって算出して回転時での最小応力位置を導きだして焼
き入れ開始点とするものである。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、
その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加える
ことができる。
例えば、本実施例では焼き入れする高エネルギービー
ムをレーザビームとしたが、これは他の高エネルギービ
ームとして電子ビームを用いても良い。さらに、本実施
例ではピンと腕部との間の環状隅R部のみを焼き入れて
いるが、クランク形状によってはジャーナルと腕部との
間の環状隅R部や、または前記環状隅R部の両方に焼き
入れてもよい。
[発明の効果] 以上詳述したことから明らかなように、本発明は、ク
ランク軸の偏心用ピンと腕部との間の環状隅R部及び、
ジャーナルと腕部との間の環状隅R部の少なくともいず
れか一方に全周に沿って高エネルギービームによる焼き
入れ部を形成する際に、環状隅R部に発生する集中応力
を測定もしくは計算によって求め、クランク軸1回転中
での前記環状隅R部での最小応力位置を決定し、そこを
焼き入れ開始点とすることで、必要最小限の焼き入れ硬
化層を形成するだけで済み、焼き入れ歪を最小にでき、
クランク軸の歪取りの時間を短くできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図から第7図までは本発明を具体化した1実施例を
示すもので、第1図はクランク軸を一部破断して示す正
面図、第2図はピンと腕の間の環状隅R部にレーザ焼き
入れをした状態図を示す説明図、第3図(a)はクラン
ク軸にロッドが連結された状態を示す正面図、第3図
(b)はピンの曲げ応力を測定するために、ピンに歪ゲ
ージを貼付けた状態を示す正面図、第3図(c)はクラ
ンク軸が1回転した場合のピンに作用する曲げ応力を示
すグラフ、第4図(a)はピンに作用する遠心力を示す
説明図、第4(b)は遠心力によってピンに働く曲げ応
力を測定するためにピンに歪ゲージを貼付けた状態を示
す正面図、第4(c)は遠心力によってピンに働く曲げ
応力を示すグラフ、第5図は第3図(a)に示す応力と
第4図(c)に示す応力の各応力を加えた示すグラフ、
第6図はクランク軸をミシンに組み込み回転させた時の
応力変化を示すグラフ、第7図(a),(b)はピンと
腕部との間の環状隅R部においてクランク軸の1回転中
での最も応力が小さい位置を示す説明図である。第8図
は従来例のレーザ焼き入れを説明する説明図、第9図は
他の従来例を示す説明図である。 図中、1はジャーナル、2は腕部、3はピン、4は環状
隅R部、5は焼き入れ部、6はロッド、F8はロッドから
受ける力、R9は遠心力である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 3/06 C21D 1/09 C21D 9/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏心用ピンとジャーナルとを腕部で偏心し
    て一体的に連結したクランク軸において、前記ピンと腕
    部との間の環状隅R部及び前記腕部とジャーナルとの間
    の環状隅R部の少なくともいずれか一方の全周に沿って
    高エネルギービームによる焼き入れ部を形成し、その焼
    き入れ開始点を回転にともなって発生される応力が最も
    小さい位置に設定したことを特徴とするクランク軸。
JP33332990A 1990-11-28 1990-11-28 クランク軸 Expired - Fee Related JP2884772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33332990A JP2884772B2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 クランク軸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33332990A JP2884772B2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 クランク軸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04203515A JPH04203515A (ja) 1992-07-24
JP2884772B2 true JP2884772B2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=18264896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33332990A Expired - Fee Related JP2884772B2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 クランク軸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2884772B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6374460B2 (ja) * 2016-09-14 2018-08-15 富士高周波工業株式会社 鋼材部品に表面焼入れを行う方法
JP7340908B2 (ja) * 2018-03-23 2023-09-08 ナブテスコ株式会社 レーザ焼入れ方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04203515A (ja) 1992-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5271698B2 (ja) 偏心シャフトを矯正する方法
US8918994B2 (en) Balancing a pendulum-absorber crankshaft
CN111475903A (zh) 基于多偏置误差同步补偿的大型高速回转装备多级零部件动力学特性逐级测调和分配方法
JP2884772B2 (ja) クランク軸
Ostapski Analysis of the stress state in the harmonic drive generator-flexspline system in relation to selected structural parameters and manufacturing deviations
KR102394066B1 (ko) 크랭크 샤프트 후 처리 방법 및 디바이스
JP2011190489A (ja) 内燃機関におけるクランクシャフトの製造方法及びクランクシャフト
JPH11333520A (ja) クランク軸の曲がり矯正方法
US11845338B2 (en) Method for operating a piston engine, and piston engine
Sowerby et al. The diametral compression of circular rings by “point” loads
Allison et al. A new look at the bending strength of gear teeth: A study of the bending strength of gear teeth with particular reference to proximity effects as load approaches the fillet and to the movement of stress concentrations at the fillet
JP4007033B2 (ja) クランク軸およびその製造法
Sankar et al. Prevention of helical gear tooth damage in wind turbine generator: a case study
Shenkar et al. Design and Static Structural Analysis of Crankshaft
SU1751486A1 (ru) Коленчатый вал
JP2780459B2 (ja) コネクティングロッド
Sharma et al. Static and Materialistic Analysis of Crankshaft
JPS5969516A (ja) クランクシヤフト
JP3637933B2 (ja) 内燃機関の軸受装置
RU2002534C1 (ru) Способ правки вала
JPH0533950Y2 (ja)
CN105257681A (zh) 一种内燃机曲柄销油孔强度的早期计算及修正方法
KR20060091490A (ko) 기어의 미스얼라인먼트 측정방법
Hermann et al. Static characteristics of flexible bellows
JPH04347032A (ja) ギヤ駆動式バランサのバックラッシュ調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees