JP2884208B2 - 密閉形ニッケル―アルカリ電池の充電制御方法 - Google Patents

密閉形ニッケル―アルカリ電池の充電制御方法

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JP2884208B2 JP4332291A JP33229192A JP2884208B2 JP 2884208 B2 JP2884208 B2 JP 2884208B2 JP 4332291 A JP4332291 A JP 4332291A JP 33229192 A JP33229192 A JP 33229192A JP 2884208 B2 JP2884208 B2 JP 2884208B2
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nickel
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車等に搭載す
る、密閉形ニッケル−カドミウム電池のようにニッケル
正極とアルカリ電解液を備える密閉形ニッケル−アルカ
リ電池の充電制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車用の電源には、主とし
て鉛蓄電池が用いられてきた。しかしながら、この電池
のエネルギー密度が低いことから、高エネルギー密度化
の要求される電気自動車にニッケル−カドミウム電池等
のアルカリ電池が搭載されることが多くなってきた。電
気自動車用電池の電槽に軽量な合成樹脂を用いると、高
エネルギー密度化を図れるため有利である。ところが、
強度面から電池の内圧を高くできないために、作動圧の
低い安全弁を用いる必要があった。
【0003】ニッケル−カドミウム電池を電気自動車の
電源に使用すると、放電が発熱反応であるので走行中に
電池温度が上昇する。特に夏場に走行した後には、使用
状況によっては50℃以上の高温になることがある。高
温でニッケル−カドミウム電池のようなニッケル−アル
カリ電池を充電すると、ニッケル正極の充電効率が低下
して酸素ガス発生量が多くなる。電池を密閉化するため
には、酸素ガスを負極で吸収させる必要がある。安全弁
の作動圧が高い場合にはガス吸収反応速度が大きいの
で、密閉系を保つことができる。ところが、安全弁の作
動圧が低い場合にはガス吸収反応速度が低下して酸素ガ
スが系外へ放出されるために、密閉系が保てなくなると
いう問題がある。また、密閉形電池ではガス発生および
ガス吸収による発熱が電池温度を上昇させるために、さ
らに充電効率が低下するといつた問題もある。
【0004】現在、実用化されている小型の密閉形ニッ
ケル−カドミウム電池では、金属製の電槽を用いてい
る。この場合、ガス吸収反応速度を大きくするために安
全弁の作動圧を約6〜8kg/cm2 と高くしている。
充電方法としては、−△V方式、電圧出方式および充電
電気量制御方法等が用いられている。この場合も、高温
で充電すると酸素ガス発生量が多くなり、ガス吸収反応
の発熱により電池温度が上昇する。温度が上昇すると電
池電圧が低下するために、充電制御が働かなくなるいわ
ゆる熱逸走(Thermal runaway)につながるといった問
題点がある。そこで、充電時間をタイマー等で一定時間
に設定する方法も用いられている。
【0005】一方、大型の合成樹脂電槽を用いたニッケ
ル−カドミウム電池では、安全弁の作動圧を高くできな
いために、上記の理由で密閉化することが困難であり実
用化には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電池を密閉化するため
には、安全弁の作動圧以下の内圧で正極から発生した酸
素ガスを負極で吸収させる必要がある。ところが、ガス
発生量が増加して電池の内圧が上昇すると、安全弁が作
動して酸素ガスが系外へ放出されるので、密閉系が保て
なくなる。これは、電解液の減少を意味する。この現象
が進行すると、放電容量の低下および内部抵抗の増大に
つながるために、電池性能が低下するという問題点があ
る。そのため、合成樹脂電槽を用いた作動弁圧の低いニ
ッケル−カドミウム電池では、密閉化が困難であった。
【0007】また電気自動車等のように、多数のセルを
組電池として充放電する場合には、各セルに温度ばらつ
きが生じる問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの問題
点を解決するもので、ポリプロピレンあるいはABS等
の合成樹脂電槽を備えた密閉形ニッケル−カドミウム電
池を充電する場合に、電極端子または電槽壁面の高さが
1/2以上の部分の温度を測定しながら充電をおこな
い、定電流定電圧充電等の電池電圧による充電制御の他
に、電池温度の上昇を検知して充電を終了させる回路を
併設して、電池の性能低下を防止しようとするものであ
る。
【0009】なお、充電を停止させる温度範囲は、40
〜55℃とすることが好ましい。
【0010】また、この場合に用いる密閉形電池として
は、特開平3−171564号等で提案されている負極
の満充電に至る電位変化を検出して充電制御をおこなう
ニッケル−カドミウム電池が望ましい。この技術は正極
を過充電しないので、酸素ガス発生量を少なくでき電池
の内圧上昇が抑えられるという、作動弁圧の低いニッケ
ル−カドミウム電池の密閉化には有効なものである。こ
の電池の正極板には、高温において高い充電効率をもつ
ものを使用する必要がある。高温での充電効率を向上さ
せる具体的な手段については、特開昭50−13244
1号を始めとして種々の報告がある。
【0011】また、この電池の充電方法には、負極の満
充電に至る電位変化を検出して充電を制御する例えば定
電流定電圧充電法や2段定電流充電法等が適当である。
【0012】従来の小型の金属電槽を備えた密閉形ニッ
ケル−カドミウム電池では、電池温度の測定場所を、電
池の電槽側面とすることが多い。一般に、金属の熱伝導
性は大きく発熱が伝わりやすいので、測定箇所による温
度差は小さい。ところが、本発明のような合成樹脂電槽
を備えた電池では、樹脂の熱伝導性が金属よりも小さい
ために発熱が伝わりにくいので、電池温度測定場所を適
切に限定することによって、電池温度の上昇を的確に検
知できるという利点がある。一方、電池の電極端子は一
般的に金属であるので、電槽よりも発熱による温度上昇
が早くおこる特徴がある。
【0013】本発明のように、負極の満充電に至る電位
変化を検出して充電制御をおこなう合成樹脂性の電槽を
用いた密閉形ニッケル−カドミウム電池を充電する際に
は、定電流定電圧充電等の電池電圧による充電制御の他
に、電極端子または電槽壁面の高さ1/2以上の部分の
温度を測定して温度上昇を検知する充電制御方法を併用
すると、温度が適切な場合には定電流定電圧法等によっ
て充電制御がおこなわれるが、充電中に電池温度が設定
値に達してもそれ以上充電が進行しないために、過充電
による電解液の減少や放電容量の低下等の性能劣化を抑
制でき、電池の状態を適正に保つことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る。
【0015】合成樹脂製の電槽に収納された公称容量が
35Ahのニッケル−カドミウム電池を、充電末期に正
極・負極とも満充電になるように化成して密閉形電池と
した。この電池に、電極端子および図1に示すA(上か
ら1/5)、B(上から1/3)、C(上から1/2)
およびD(下から1/5)の電槽部分に温度センサーと
してCC熱電対を張り付けて固定した。
【0016】この電池を4C(140A)の充電率で1
5分間充電した時の温度変化を図2に示す。温度上昇
は、電極端子および電槽の高さの1/2以上の部分で温
度上昇が大きく現われていることがわかる。なお、電槽
壁面の温度測定箇所は、極板の存在する高さの範囲内と
する必要がある。厳密には、極板のやや上部でもさしさ
わりはない。
【0017】次に、本発明の作用を図3のフローチャー
トに基づいて説明する。まず、電槽壁面の高さが1/2
以上の部分(図1のA部)の温度を測定しながら、その
出力信号を充電器の制御部に送信する。充電中は常に充
電停止の可否を判定するための設定値以下か否かを判断
し続ける。電池温度が上昇して充電停止の可否を判定す
るための設定値以上の値になれば、タイマーに関係なく
充電を停止する。充電中に電池温度が充電停止の可否を
判定するための設定値まで上昇することがなければ、充
電はタイマーの終了によって停止する。
【0018】また、35Ahニッケル−カドミウム電池
にAの位置に温度センサー(CC熱電対)を取り付け
て、20℃の大気中で次の条件で充放電してサイクル試
験をおこなった。表1に、試験セルの温度設定値を示
す。
【0019】 充 電 方 式 定電流定電圧充電 定電流値 20A(0.2C) 定電圧値 1.65V/セル 充電時間 10h 放 電 電 流 20A(0.2C)to1.0
V/セル 休 止 30分
【0020】
【表1】また充電停止設定値は、40℃および60℃と
した。図4に各セルのサイクル特性を示す。温度制御を
おこなわないセル1では、350サイクルをすぎたとこ
ろで急激な容量低下がおこった。一方、充電停止制御を
60℃でおこなったセル3では、500サイクル目以降
で容量低下がおこった。温度制御をおこなうと、サイク
ル特性が向上することがわかる。また、充電停止制御を
40℃でおこなったセル2では、急激な容量低下はおこ
らず、700サイクル以降で容量が徐々に低下した。
【0021】サイクル試験における重量減少を図5に示
す。サイクルの進行にともなう容量推移と重量減少の間
には、強い相関関係があることがわかる。これらの結果
から、温度制御をおこなうと容量低下を抑制でき、サイ
クル特性が向上することがわかる。
【0022】その値は、セパレータの劣化や電槽の変形
温度を考慮して、設定値は55℃以下とすることが望ま
しい。
【0023】なお、ここでは0.2Cの低率充電を例と
して説明したが、1C以上の高率充電をおこなった場合
には発熱量が増加して電池温度の上昇が大きくなるの
で、本発明の効果が大きい。また放電率が大きい場合に
も放電時に電池温度が上昇するので、充電開始時に温度
制御をおこなう本発明は有効である。
【0024】また、実際に電気自動車に搭載する際に
は、電池の容量・形状・充電率だけでなく、電気自動車
の走行性能や電池の搭載場所等の違いによって電池の発
熱および放熱の状態が変わるので、実測して最も温度の
高くなる場所を決定することが望ましい。
【0025】
【発明の効果】上述したように、本発明による充電制御
方法によれば、合成樹脂電槽を用いた密閉形ニッケル−
カドミウム電池のサイクルの進行にともなう性能低下を
抑制でき、特に電気自動車等の多数のセルを組電池とし
て用いる場合には大変有効である。また、充電率および
放電率が大きい場合にも、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】35Ahニッケル−カドミウム電池の温度測定
箇所を示す図。
【図2】4C充電時の電池温度の上昇を示す図。
【図3】本発明による充電システムの簡単なフローチャ
ート図。
【図4】充電制御の違いによるサイクル特性を示す図。
【図5】サイクル試験における重量減少を示す図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−171564(JP,A) 特開 昭57−134868(JP,A) 実願 昭56−861号(実開 昭57− 115535号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭59−125428号(実開 昭61− 39859号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭58−137121号(実開 昭60− 44360号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂電槽を備えた密閉形ニッケル−ア
    ルカリ電池の充電制御方法であって、電槽壁面の電槽高
    さの1/2以上で極板の高さ以下の部位の温度または電
    極端子の温度を測定しながら充電をおこない、定電流定
    電圧充電等の電池電圧による充電制御の他に、温度上昇
    を検知して主たる充電を停止させる充電制御をおこなう
    ことを併用することを特徴とする密閉形ニッケル−アル
    カリ電池の充電制御方法。
  2. 【請求項2】充電を停止させる温度範囲を40〜55℃
    としたことを特徴とする請求項1記載の密閉形ニッケル
    −アルカリ電池の充電制御方法。
  3. 【請求項3】充電制御すべき密閉形ニッケル−アルカリ
    電池が、負極の満充電に至る電位変化を検出して充電制
    御をおこなうニッケル−カドミウム電池であることを特
    徴とする請求項1記載の密閉形ニッケル−アルカリ電池
    の充電制御方法。
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JPS56861A (en) * 1979-06-18 1981-01-07 Mitsubishi Rayon Co Ltd Coating composition and production of synthetic resin molded article using it
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