JP2884194B2 - 大形低温貯槽 - Google Patents

大形低温貯槽

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、液化石油ガス(LP
G)等の−100℃程度までの中低温液体を大量に貯蔵
する平底円筒型貯槽、例えば、60,000トン容量を
超えるLPGタンクに関するものである。 【0002】 【従来の技術】LPGのように−50℃程度の中低温液
体を比較的少ない量貯蔵する従来の中規模な低温貯槽の
側壁は、アルミキルド鋼の炭素鋼鋼板、例えば、日本工
業規格JIS G 3126(低温圧力容器用炭素鋼鋼
板)に規定されたSLA33鋼板やSLA37鋼板を使
用されていた。 【0003】また、貯蔵液が液化天然ガス(LNG)の
ように−100℃より低い超低温の液体を貯蔵する場合
には、側壁を低温特性の良い材料、例えば、オーステナ
イト系ステンレス鋼板や、JIS G 3127(低温
圧力容器用ニッケル鋼鋼板)に規定されたSL9N60
鋼板(9%Ni鋼板)等が使用されていた。 【0004】また、貯蔵液が−50℃程度の中低温液体
LPGの場合に、低温脆性破壊の亀裂伝播停止を目的と
して、炭素鋼の低温材料と9%Ni鋼鈑等の低温特性の
良い材料を交互に側壁に設けた低温タンクの考案が、実
開昭59−90700号公報及び実開昭59−1946
97号公報に開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】−100℃程度までの
中低温液体を大量に貯蔵する従来の大形低温貯槽、例え
ば、60,000トン容量を超えるLPG貯槽を高圧ガ
ス取締法に基づき炭素鋼の低温材料(SLA37鋼板)
で建設する場合、側壁下部は38mmを超える板厚が必要
となり、溶接部の低温脆化に対する安全性のために焼鈍
による熱処理をし、残留応力除去をする必要があった。 【0006】殊に炭素鋼の低温材料からなる側壁下部
は、貯蔵液の出入配管ノズル、マンホール、計器等の数
多くの付属品が取付くために溶接部が多くなり、上部か
ら下部に向かって増加する貯蔵液体の荷重も最も大きく
作用するので、低温脆性破壊が発生しやすく、亀裂の伝
播がしやすい危険性があり、これを防止するためにも、
炭素鋼の低温材料からなる側壁全体に溶接による残留応
力を除去する熱処理として、工場内で行う焼鈍以外に現
場で行う焼鈍が必要であった。 【0007】しかし、この側壁全体の現場焼鈍は、過大
な設備、多大な手間、高い経費がかかるため、60,0
00トンを超えるような大形のLPG低温貯槽を、実際
的にはアルミキルド鋼等の炭素鋼の低温材料で建設して
いなかった。 【0008】従来の建設方法では、−100℃程度まで
の中低温液体を大量に貯蔵する大形低温貯槽側壁を、板
厚に関係なく応力除去焼鈍の熱処理を必要としない低温
特性の良い材料、例えば、オーステナイト系ステンレス
鋼板、アルミニウム板、9%Ni鋼板等のみを使用して
製作する必要があった。しかし、これらの材料のみを使
用して側壁を形成したのでは、材料費が非常に高価にな
るという問題があった。 【0009】また、炭素鋼板の低温材料と9%Ni鋼板
等の低温特性の良い材料を側壁に交互に設けた低温タン
クとして実開昭59−90700号公報及び実開昭59
−194697号公報に開示された考案は、低温脆性破
壊の亀裂伝播を交互に設けた低温特性の良い材料の部分
で食い止めて停止することはできるが、大容量の中低温
液体を貯蔵する大形低温貯槽の焼鈍作業や安全レベルを
配慮した低温脆性破壊に対する効率良い安全策の問題点
については何ら考慮されていない。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明は上述の課題を
解決するためになされたもので、−100℃程度までの
中低温液体を貯蔵する大形平底円筒型貯槽の側壁を、下
段側壁は低温特性の良い極低温用鋼板で、中段側壁は耐
脆性破壊停止特性を有する鋼板で、上段側壁は耐脆性破
壊発生特性を有する鋼板でそれぞれ形成したものであ
る。 【0011】 【作用】この発明に係る低温貯槽は、中低温液体を大量
に貯蔵する貯槽、例えば、60,000トン容量を超え
るLPGを貯蔵する大形低温貯槽として使用される。最
も液圧荷重が加わり、脆性破壊による影響の大きな下段
側壁は、低温特性の良い極低温用鋼板、例えば、アルミ
ニウム板、アルミニウム合金板、オーステナイト系ステ
ンレス鋼板、9%Ni鋼板等を使用しているので、板厚
に関係なく焼鈍が不要であり、溶接による残留応力除去
のために現場で行う側壁全体の焼鈍熱処理作業が不要と
なる。 【0012】下段側壁の低温特性の良い極低温用鋼板の
上部に位置する中段側壁を、耐脆性破壊停止特性を有す
る鋼板にて形成したので、低温脆性破壊の発生がないば
かりか、万一脆性破壊亀裂が進展してきたとしても、亀
裂進展を停止させることができる。 【0013】中段側壁の耐脆性破壊停止特性を有する鋼
板の上部に位置する上段側壁を、耐脆性破壊発生特性を
有する鋼板にて形成したので、上段側壁から低温脆性破
壊の亀裂を発生することはない。 【0014】側壁の下段から中段さらに上段に向かっ
て、低温特性の良い極低温用鋼板から低温用鋼板へと段
階的に鋼板を替えて使用し、側壁の各部で受ける液圧等
の荷重と脆性破壊被害の影響に対応した強度を側壁に段
階的に持たせる。また、中段側壁と上段側壁の板厚は、
焼鈍熱処理作業の必要ない厚さで使用される。 【0015】 【実施例】実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係わる大形平底円筒型低温貯槽の一
例を示し、内槽と外槽とからなる二重殻低温貯槽におけ
る外槽の一部を欠除した側面説明図である。1は外槽
で、その内側に保冷のための内外槽間隔2をおいて中低
温液体を貯蔵する内槽3を設ける。内槽3には、−10
0℃程度までの中低温液体を密閉貯蔵、例えば、LPG
を60,000トン超える量を貯蔵する。 【0016】図2は、図1における内槽3の側壁を一部
欠除して示す側面説明図である。内槽3の側壁材料は、
下段側壁に低温特性の良い極低温用鋼板4、例えばJI
S G 3127に規定されたSL9N60鋼板(9%
Ni鋼板)を使用し、その上部に位置する中段側壁に耐
脆性破壊停止特性を有する鋼板5、例えばJISG 3
126に規定されたアルミキルド炭素鋼鋼板のSLA3
7鋼を使用し、そのさらに上部に位置する上段側壁に耐
脆性破壊発生特性を有する鋼板6、例えばJIS G
3126に規定されたアルミキルド炭素鋼鋼板のSLA
33鋼を使用する。中段側壁と上段側壁は、その板厚が
38mm未満の焼鈍不要な厚さの鋼板が使用される。 【0017】下段側壁は、例えばLPG等のように−5
0℃程度の中低温液を60,000トンを超えて貯蔵す
る平底円筒型貯槽を高圧ガス取締法に基づいて設計する
と、通常のアルミキルド炭素鋼鋼板の低温材料(例えば
JIS G 3126のSLA37鋼やSLA33鋼)
では38mmを超える板厚を必要とするため、鋼板同士の
縦方向および周方向の溶接部は、現場において残留応力
除去のための側壁全体の焼鈍熱処理が必要となる。この
全体焼鈍熱処理作業は、設備、手間、経費が過大にかか
り非常に困難である。このようにアルミキルド炭素鋼鋼
板では38mmを超える板厚となる下段側壁には、高価で
はあるが熱処理を必要とせず、強度が高い低温特性の良
い極低温用鋼板4を使用する。この極低温用鋼板4は、
板厚に関係なく溶接部の熱処理を必要としない。 【0018】上段側壁は、貯蔵液等の加わる荷重が小さ
いので、低温脆性破壊が生じて亀裂進展することがあま
りない。万一亀裂が進展したとしても、貯蔵液の漏出量
が少ないので、上段側壁は、低温脆性破壊の発生を抑制
する安価な耐脆性破壊発生特性を有する鋼板6を使用す
る。 【0019】中段側壁は、上段側壁や下段側壁で万一低
温脆性破壊が発生したとしても、その亀裂進展を止め、
破壊による被害の影響を最小限にするように、耐脆性破
壊停止特性を有する鋼板5を使用する。 【0020】耐脆性破壊発生特性や耐脆性破壊停止特性
を有する鋼板、例えば、アルミキルド鋼炭素鋼鋼板を使
用する上段側壁と中段側壁の溶接材料は、要求される継
手強度が得られるようにJIS Z 3241(低温用
鋼被覆アーク溶接棒)に規定されたDL 5016の低
水素系溶接棒、又は、同等の材料が使用される。 【0021】耐脆性破壊停止特性を有するアルミキルド
炭素鋼鋼板を使用する中段側壁と低温特性の良い極低温
用鋼板の9%Ni鋼板を使用する下段側壁との境界部と
下段側壁を溶接する材料は、材料特性を生かした継手強
度になるようにJIS Z3225(9%ニッケル鋼用
被覆アーク溶接棒)に規定されたインコネル系溶接棒や
JIS Z 3333(9%ニッケル鋼用サブマージア
ーク溶接ワイヤ及びフラックス)に規定されたハステロ
イ系ワイヤとフラックス、又は、同等の材料が使用され
る。 【0022】 【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。中低温液体
を貯蔵する大形平底円筒型貯槽の側壁の内、液圧等の大
きな荷重がかかり、かつ、ノズル等の付属品が多く取付
き、溶接部の多い下段側壁には低温特性の良い極低温用
鋼板を使用し、中程度の液圧等の荷重がかかる中段側壁
には耐脆性破壊停止特性を有する鋼板を使用し、さらに
液圧等の荷重が小さい上段側壁には耐脆性破壊発生特性
を有する鋼板を使用しているので、側壁の下段から中段
さらに上段に向かって低温脆性破壊被害の影響に即応し
た構造となり、低温脆性破壊に対する安全性の重要度に
合わせた効率的な強度を有する側壁となる。 【0023】また、中低温の低温液体を大量に貯蔵する
貯槽、例えば60,000トンを超える容量のLPGを
貯蔵する大形低温貯槽の下段側壁に板厚に関係なく焼鈍
不要な低温特性の良い極低温用鋼板を使用したので、焼
鈍不要な板厚の中段側壁および上段側壁と相俟って、溶
接による残留応力除去のために現場で行う側壁全体の焼
鈍熱処理が必要なくなり、低温脆性破壊の心配がなく、
施工が容易で、安価な低温貯槽となる。 【0024】中段側壁は、耐脆性破壊停止特性を有する
鋼板にて形成したので、低温脆性破壊の亀裂が発生しな
いばかりか、万一亀裂が進展してきたとしても、亀裂を
停止させることができ、低温脆性破壊の被害影響を小さ
く抑制することができる。 【0025】上段側壁は、安価な耐脆性破壊発生特性を
有する鋼板にて形成したので、低温脆性破壊の亀裂発生
がなく、側壁の上部液層部からガス層部にわたって、安
全で経済的な構造となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明に係わる大形平底円筒型低温貯槽の一
実施例を示し、内槽と外槽とからなる二重殻低温貯槽の
外槽の一部を欠除した側面説明図である。 【図2】図1における内槽の側壁を一部欠除して示す側
面説明図である。 【符号の説明】 1 外槽 2 保冷のための内外槽間隔 3 内槽 4 低温特性の良い極低温用鋼板 5 耐脆性破壊停止特性を有する鋼板 6 耐脆性破壊発生特性を有する鋼板
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−90700(JP,U) 実開 平1−70000(JP,U) 実開 昭60−107498(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F17C 3/04 E04H 7/06 301

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 中低温の低温液体を貯蔵する大形平底円筒型貯槽におい
    て、下段側壁を低温特性の良い極低温用鋼板で、中段側
    壁を耐脆性破壊停止特性を有する鋼板で、上段側壁を耐
    脆性破壊発生特性を有する鋼板でそれぞれ形成したこと
    を特徴とする大形低温貯槽。
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CN102444308B (zh) * 2011-09-20 2013-12-18 中化二建集团有限公司 双壳体大型低温储罐施工方法
JP5719759B2 (ja) * 2011-11-30 2015-05-20 日鉄住金パイプライン&エンジニアリング株式会社 圧力容器

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