JP2881797B2 - ホールバーニング・メモリ用材料 - Google Patents

ホールバーニング・メモリ用材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はホールバーニング効果を利用したメモリ物
質に関し、特にダイヤモンドからなるホールバーニング
・メモリ用材料に関するものである。
[従来の技術] 次世代のメモリとして、フォトクロミック効果、ホー
ルバーニング効果を利用した3次元光メモリの研究が進
められている。
ある種の有機分子は、光化学反応により着色状態を可
逆的に変化するフォトクロミズムを起こす。これを書換
え可能な光メモリへ応用することが期待されている。し
かしながら、同一場所に、所定の波長を有する光を加え
て記録することにより、高密度化を図る波長多重記録に
おいては、フォトクロミック分子の吸収帯が広いため、
現状では数多重が限度である。
そこで、103〜104の多重記録を目指すものとして、光
化学ホールバーニング(PHB:photochemical hole burni
ng)メモリの研究が進められている。この光化学ホール
バーニング・メモリは、分子記憶の1種ではあるが、ホ
ールバーニング効果を利用した記憶媒体である。ホール
バーニング現象は、光活性な分子が固体マトリックス中
に希薄に分散された物質において観測される。極低温で
の分子の吸収帯は極めて狭く、波数で約1cm-1以下と言
われる。固体マトリックスの微視的不均一性のために、
分子の示す吸収スペクトルは、見かけ上、多数の均一幅
吸収帯の集合となる。光照射すると、その均一幅吸収帯
の波長に対応するエネルギを有する分子だけが励起状態
(光吸収)になる。すなわち、光化学作用により、波長
により選択された分子だけが光漂白(ブリーチ)され、
吸収スペクトル内に窪み(ホール)が生ずる。たとえ
ば、レーザ光により、均一幅吸収帯のみに光化学変化を
起こさせて、吸収帯内にホールを作る。
この光化学ホールバーニング現象を利用すれば、2次
元空間上の1点において、光の波長を変えることにより
多重記録することが可能になる。光化学ホールバーニン
グ記録は、このような多重記録を特徴とする光記憶であ
る。
従来、上述のようなホールバーニング現象を示す物質
として、ポルフィリンやキニザリン等の有機色素をn−
ヘキサン等のマトリックスに入れた物質を使用していた
(化学と工業、Vo1.35,No.9,1982,p.633〜635)。
また、有機色素以外に、アルカリハライド系化合物に
電子線照射を行ない、カラーセンタを作製した物質が、
ホールバーニング現象を示す物質として使用された例は
多い(ヨーロッパ特許第129730号)。
さらに、ダイヤモンド中に各種のカラーセンタ(GR1,
N−V,H3,N3)を作り、これを用いてホールバーニング現
象を実験した例がある(J.Phys.C.Solid State Physic
s.Vol.17,No.8(1984)p.233〜236,R.T.Harley et al., Journal de Physique colloque C7 Supplmentau n
°10,Tome46(1985)p.527〜530,P.D.Bloch)。
この発明は、ダイヤモンド中のカラーセンタを用いる
ことによって、ホールバーニング現象を示す物質に関す
るものである。
[発明が解決しようとする課題] ダイヤモンドが示すホールバーニング現象は、有機物
質やアルカリハライド系化合物に比較して、以下の優れ
た特性を有する。
(1)高温度においてもホールを形成することができる
(たとえば、N−Vのカラーセンタにおいては温度120K
までホールを形成することが可能である)。
(2)マトリックスの耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性が
高く、マトリックスが長期間にわたって変化しない。
(3)カラーセンタが経年変化を示さない。しかしなが
ら、ダイヤモンドにおけるホールバーニング効果は、以
下に示すような欠点を有する。
(a)ゼロフォノン線を用いてホールバーニング現象が
行なわれるため、ホールを形成することが可能な波長幅
が狭い。そのため、メモリ容量が少ない。
(b)大きな面積を有するダイヤモンド結晶層を得るこ
とができないため、メモリ容量を増大することが困難で
ある。
そこで、この発明は上述のような問題点を解消するた
めになされたもので、1スポット上に多数のホールを形
成することが可能なダイヤモンドからなるホールバーニ
ング・メモリ用材料を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に従ったホールバーニング・メモリ用材料
は、少なくとも第1の種類と第2の種類からなる複数種
類のカラーセンタが複数個形成され、かつ気相合成され
たダイヤモンド結晶層を少なくとも1層備え、第1の種
類のカラーセンタのゼロフォノン線に第1のホールが形
成され、第2の種類のカラーセンタのゼロフォノン線に
第2のホールが形成され、第1のホールまたは第2のホ
ールのいずれか一方を形成するために照射される励起光
が第1のホールまたは第2のホールのいずれか他方を消
失させない関係を有するように、第1の種類のカラーセ
ンタと第2の種類のカラーセンタが選ばれていることを
特徴とするものである。
なお、ここで、カラーセンタとは、ダイヤモンド結晶
層に存在する格子欠陥に格子振動等のエネルギが付与さ
れた光吸収/発光の活性中心となるものと定義される。
ゼロフォノン線とは、固体原子の行なう格子振動の量子
化によって生じるエネルギ量子において、基底状態のと
きのゼロ点振動のエネルギに相当する均一幅吸収帯であ
る。
この発明の好ましい実施例によれば、複数種類のカラ
ーセンタは、H2と575システムとN3、GR1とH3、およびN
−VとH4からなる群より選ばれたいずれかの組合せであ
る。また、さらに好ましい実施例によれば、ホールバー
ニング・メモリ用材料は、少なくとも第1の層と第2の
層と第3の層とからなる複数層のダイヤモンド結晶層を
備え、第1の層には、H2と575システムとN3のカラーセ
ンタが形成され、第2の層には、GR1とH3のカラーセン
タが形成され、第3の層には、N−VとH4のカラーセン
タが形成されている。また、ダイヤモンド結晶層は、ダ
イヤモンドの多結晶体または単結晶体のいずれかからな
るのが好ましい。このダイヤモンド結晶層は、ダイヤモ
ンド単結晶基板上に気相合成されたダイヤモンド結晶層
を含むものであればよい。
[発明の作用効果] この発明においては、上述の(a)(b)の欠点を解
消するために、以下に示される手段が用いられている。
(I)複数のゼロフォノン線を同時に使用することによ
って、ホールバーニング現象を起こさせる。
(II)より大きな面積を有するダイヤモンド結晶層を得
るために、気相合成法によって合成されたダイヤモンド
層を用いる。
上記の手段のうち、本発明の特徴的な構成要件は
(I)で示される手段である。(I)で示される手段を
実施するためには、下記の方法が有効であることが、本
願発明者等によって見出された。
(A)気相合成されたダイヤモンドの各層に、1種類の
カラーセンタを作製し、これらの層を積層することによ
って複数層とする。
(B)気相合成された1つの層に、2種類以上のカラー
センタを作製し、3層またはそれ以上の層を積層した複
数層とする。あるいは、(A)で形成された複数層と組
合せた複数層とする。
(C)合成ダイヤモンドIIa型、Ib型、または加熱処理
された合成ダイヤモンドIaA型、IaB型からなる基板上に
気相合成されたダイヤモンド層を積層する。このとき、
基板中に存在するカラーセンタと異なる種類のカラーセ
ンタが、ダイヤモンド層中に作製される。
以下、この発明で用いられた手段(I)(II)の作用
について説明する。
(I)の作用 従来のダイヤモンドのゼロフォノン線を用いたホール
バーニング効果においては、ホールの形成される個数が
少ないという問題点があった。その代表的なゼロフォノ
ン線としては、N−Vカラーセンタにおけるゼロフォノ
ン線(波長638nm)が挙げられる。このゼロフォノン線
を用いた場合、液体ヘリウム温度(4K)のもとでは約10
0個、液体窒素温度(77K)のもとでは約10数個のホール
が形成される。
ダイヤモンドには、第1表に示されるようなカラーセ
ンタが存在する。また、これらのカラーセンタは、それ
ぞれ、異なる波長のゼロフォノン線を有する。これらの
ゼロフォノン線に、液体ヘリウム温度のもとで形成され
るホールの個数は、合計で約700個である。また、液体
窒素温度のもとで形成されるホールの個数は、合計で約
100個である。
したがって、1μmの幅を有する1スポット内におい
て、液体ヘリウム温度のもとでは約103個、液体窒素温
度のもとでは約102個のメモリ容量が存在することにな
る。その結果、1つの気相合成されたダイヤモンド層、
ダイヤモンド単結晶基板、またはダイヤモンド焼結体中
に、上記のカラーセンタを全種類、作製すれば、上記の
メモリ容量を有する基板が形成され得ることになる。
しかしながら、本願発明者等は、1つのダイヤモンド
層(カラーセンタを含む層)には、或る組合わせのカラ
ーセンタのゼロフォノン線だけ、メモリ材料として使用
可能であることを見出した。以下、この見出された現象
について説明する。
ダイヤモンドのカラーセンタは、ゼロフォノン線部分
と、それより高いエネルギ側に2フォノン線、3フォノ
ン線等の複数個のフォノンエネルギ準位が結びついて構
成される。本願発明者等は、1フォノン以上の励起光を
照射すると、ゼロフォノン線に形成されたホールが消失
することを見出した。たとえば、第1表のN−Vカラー
センタは、そのゼロフォノン線の波長が638nmであり、
最大のフォノンエネルギ準位が約500nmまで連続してい
る。すなわち、波長638nm付近にホールが形成されて
も、637〜500nmの波長範囲で光を受けると、ホールが消
失してしまうことが見出された。575システムのゼロフ
ォノン線にホールを形成するために、575nmの波長の光
が照射されると、N−Vカラーセンタのホールが消失し
てしまうことになる。したがって、このような現象を生
じさせないように、複数種類のカラーセンタが同一ダイ
ヤモンド層内に存在する必要がある。本願発明者等は、
以下に示されるカラーセンタの組合わせであれば、上述
の現象を生じさせないことを見出した。
(i)H2、575システム、N3 (ii)GR1,H3 (iii)N−V,H4 その結果、第1表に示される7種類のカラーセンタを
全部使用して、ホールが形成されたダイヤモンド層から
なるメモリ基板を作製しようとする場合、少なくとも、
3層以上の異なったダイヤモンド層が必要となる。
(II)の作用 上述の(I)の作用から、少なくとも、1層以上のダ
イヤモンド層を必要とする。また、ダイヤモンド結晶を
メモリ材料に使用する場合、より大きな面積を有する結
晶が必要とされる。したがって、そのような要件を満た
すダイヤモンド結晶を得るためには、以下に示される方
法が有効であることを本願発明者等は見出した。
気相合成によって多結晶または単結晶ダイヤモンド層
を積層する。
単結晶ダイヤモンド基板上に気相合成によって単結晶
ダイヤモンド層を積層する。
なお、上述の(i)、(ii)、(iii)の組合わせ以
外に、第1表に示される各カラーセンタを1種類ずつ、
ダイヤモンド単層ごとに形成してもよい。また、上述の
カラーセンタの組合わせ(i)、(ii)、(iii)から
選ばれたいずれかの組合わせのカラーセンタが形成され
たダイヤモンド層と、単一種類のカラーセンタが形成さ
れたダイヤモンド層とが任意に組合わせられてもよい。
ダイヤモンド層を形成するための気相合成法として
は、マイクロ波CVD法、DCプラズマ法、レーザPVD法、DC
プラズマ法、レーザPVD法、熱フィラメント法、熱フィ
ラメントCVD法、イオンビーム蒸着法、火炎法等が挙げ
られる。
上記の第1表に示される各カラーセンタは、窒素ドー
プ、電子線照射、高温熱処理、中温熱処理および光照射
からなる群より選ばれる工程を組合せることによって形
成される。各カラーセンタは以下の第2表に示されるよ
うに工程を組合せることによって形成される。
第2表において「高温」は1200〜1500℃の範囲内の温
度であり、「中温」は500〜700℃の範囲内の温度であ
る。また、第2表中において「○」は当該カラーセンタ
を形成するために必要な工程であることを示しており、
「×」はその工程が当該カラーセンタの形成に不要であ
ることを示しており、「△」は当該カラーセンタを形成
するためにその工程があってもなくてもよいことを示し
ている。
たとえば、H2、575システムおよびN3のカラーセンタ
を1つのダイヤモンド層内に形成する場合には、まず、
窒素をドープした気相合成ダイヤモンド層を作製する。
その後、そのダイヤモンド層に電子線を照射する。この
場合、電子線照射を暗い場所で行ない、光をダイヤモン
ド層に照射しないようにする。そして、高温で熱処理を
行なう。これらの一連の工程を行なうことにより、H2の
カラーセンタが形成される。上記の一連の工程は第2表
において「H2」の欄に示された工程に対応する。上記の
一連の工程を行なう間に、575システムのカラーセンタ
も徐々に形成される。すなわち、第2表によれば、575
システムのカラーセンタを形成するには、窒素ドープ工
程が少なくとも必要となるが、H2のカラーセンタを形成
するための一連の工程の途中、窒素をドープした気相合
成ダイヤモンド層を作製した段階で時間の経過にともな
って575システムのカラーセンタが徐々に形成され、残
存する。また、N3のカラーセンタは、第2表によれば、
窒素ドープと高温の熱処理の工程を行なうことにより形
成される。したがって、H2のカラーセンタを形成するた
めの一連の工程において、電子線が照射されてないダイ
ヤモンド層の部分にN3のカラーセンタが形成されること
になる。このようにして、複数種類のカラーセンタを1
つのダイヤモンド層の中に形成することができる。
なお、1つの層に1種類のカラーセンタを形成するに
は、各カラーセンタを形成するための必要な工程を行な
った後、ダイヤモンド層を長時間、たとえば60〜70時間
維持すればよい。また、GR1以外のカラーセンタは、一
旦形成されれば安定であり、その後の熱処理によってほ
とんど変化しない。
以上のように、この発明に従ったホールバーニング・
メモリ用材料によれば、複数種類のカラーセンタを1つ
の層に形成し、それぞれのカラーセンタにホールを形成
する際に互いに一方のホールが他方のホールを消失させ
ない関係になるようにカラーセンタの種類が選ばれてい
るので、多数のホールを形成することが可能であり、メ
モリ容量を増大することができる。
[実施例] 実施例1 シリコン基板上に膜厚100μmのダイヤモンド層を形
成した。このダイヤモンド層の形成は、プラズマCVD法
を用いて、25torrの圧力下で、2.4GHzの高周波でプラズ
マを発生させ、窒素元素をドープさせながら、7μm/時
間の成長速度で行なわれた。その後、得られたダイヤモ
ンド層に電子線照射、真空アニーリングが施されること
により、H2、575システム、N3のカラーセンタがダイヤ
モンド層内に形成された。
次に、再び、プラズマCVD法を用いて、そのダイヤモ
ンド層の上に第2層目のダイヤモンド層が積層された。
この第2層目のダイヤモンド層には、電子線照射、真空
アニーリングが施されることにより、N−V、H4のカラ
ーセンタが形成された。さらに、第3層目のダイヤモン
ド層が形成され、そのダイヤモンド層内にはGR1、H3の
カラーセンタが形成された。下地基板としてのシリコン
基板は酸によって溶解された。
このようにして得られたダイヤモンド基板は、H2、57
5システム、N3のカラーセンタを含有する100μm厚の第
1ダイヤモンド層、N−V、H4のカラーセンタを含有す
る100μm厚の第2ダイヤモンド層、およびGR1、H3のカ
ラーセンタを含有する100μm厚の第3ダイヤモンド層
から構成された。
このダイヤモンド基板を第1図に示すようなホールバ
ーニング装置を用いて、各カラーセンタにホールが形成
された後、その観測が行なわれた。以下、簡単にホール
の形成方法および観測を説明する。
ホール形成用Arレーザ1から発振したレーザ光は、
色素レーザ11によってその波長が変化させられる。これ
により、レーザ光は、ホール形成に適する波長を有する
ようになる。開けられたシャッタ2を通過したホール形
成用レーザ光7は、液体窒素によって冷却されたクライ
オスタット(点線で示される部分)内の試料6に照射さ
れる。これによって、試料6にホールが形成される。上
記のダイヤモンド基板においては、波長が少しずつずれ
た各カラーセンタのゼロフォノン線に10数個のホールが
形成された。ホール形成の観察は、ホール観測用Ar
ーザ3を用いて行なわれる。Arレーザ3から発振した
レーザ光は、色素レーザ10を用いてその波長が変化させ
られる。減衰フィルタ4を通過したホール観察用レーザ
光8は、試料6に照射される。このホール観察用レーザ
光8と、試料6を透過した透過光9との強度比がディテ
クタ5によって測定される。上記のダイヤモンド基板に
おいては、1μmの幅を有する1スポットあたり、約10
2個のホールが形成されていた。
実施例2 10mm×10mm×0.2mmの大きさを有する合成ダイヤモン
ドIb型の基板に、中性子線の照射、真空アニーリングが
施されることにより、その合成ダイヤモンド基板中にH2
および575システムのカラーセンタが作製された。ま
た、この合成ダイヤモンド基板上に膜厚150μmのダイ
ヤモンド層が形成された。ダイヤモンド層の形成は、プ
ラズマCVD法を用いて、25torrの圧力下で2.4GHzの高周
波でプラズマを発生させ、窒素をドープさせながら、5
μm/時間の成長速度で行なわれた。得られたダイヤモン
ド層に電子線照射と真空アニーリングが施されることに
より、N−Vのカラーセンタが形成された。さらに、こ
の第1ダイヤモンド層の上に無添加の第2ダイヤモンド
層が150μmの膜厚で形成された。この第2ダイヤモン
ド層の表面層のみを電子線照射して、GR1のカラーセン
タが形成された。
このようにして得られたダイヤモンド基板は、H2およ
び575システムのカラーセンタが形成された合成ダイヤ
モンド薄板と、N−Vのカラーセンタが形成された第1
ダイヤモンド層と、GR1のカラーセンタが形成された第
2ダイヤモンド層とから構成された。このダイヤモンド
基板を実施例1と同様にして、第1図に示されるホール
バーニング装置を用いて、ホールの形成と観測が行なわ
れた。ただし、第1図に示される装置において、点線で
示されるクライオスタット内には液体ヘリウムが導入さ
れた。ホール形成の観測結果としては、ダイヤモンド基
板上で1μmの幅を有する1スポットあたり、4×102
個のホールが形成されていることが確認された。
実施例3 シリコン基板上に、異なった窒素のドープ量を有する
ダイヤモンド薄膜がそれぞれ、100μmの膜厚で2層積
層された。このダイヤモンド薄膜の上に膜厚100μmの
ノンドープト・ダイヤモンド薄膜が形成された。ダイヤ
モンド薄膜の形成は、プラズマCVD法を用いて25torrの
圧力下で行なわれた。得られたダイヤモンド薄膜の複数
層に電子線照射およびアニーリングが施された。これに
より、ダイヤモンド薄膜の第1層にH2のカラーセンタ、
第2層にN−Vのカラーセンタ、第3層にGR1のカラー
センタが形成された。酸処理によってシリコン基板を溶
解し、残りの部分をホール形成用基板として用いた。
このようにして得られたダイヤモンド層が形成された
基板を第1図に示されるホールバーニング装置にセット
した。クライオスタットに液体窒素を導入して、ホール
の形成および観測が行なわれた。その結果、基板上で1
μmの幅を有する1スポットあたり、約5×10個のホー
ルが形成されていることが確認された。
なお、プラズマCVD法以外に、DCプラズマ法、マイク
ロ波プラズマ法、レーザPVD法、熱フィラメント法、熱
フィラメントCVD法、イオンビーム蒸着法、火炎法を用
いても同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例においてホールの形成および観察に用
いられたホールバーニング装置を示す概略構成図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−191686(JP,A) 特開 昭62−165750(JP,A) J.Phys.C.Solid St ate Physics 1984,Vo l.17,No.8,p.233−236 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/72

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1の種類と第2の種類からな
    る複数種類のカラーセンタが複数個形成され、かつ気相
    合成されたダイヤモンド結晶層を少なくとも1層備え、 前記第1の種類のカラーセンタのゼロフォノン線に第1
    のホールが形成され、前記第2の種類のカラーセンタの
    ゼロフォノン線に第2のホールが形成され、 前記第1のホールまたは前記第2のホールのいずれか一
    方を形成するために照射される励起光が前記第1のホー
    ルまたは前記第2のホールのいずれか他方を消失させな
    い関係を有するように、前記第1の種類のカラーセンタ
    と前記第2の種類のカラーセンタが選ばれ、 前記複数種類のカラーセンタは、H2と575システムとN
    3、GR1とH3、およびN−VとH4からなる群より選ばれた
    いずれかの組合せであることを特徴とする、ホールバー
    ニング・メモリ用材料。
  2. 【請求項2】少なくとも第1の種類と第2の種類からな
    る複数種類のカラーセンタが複数個形成され、かつ気相
    合成されたダイヤモンド結晶層を少なくとも1層備え、 前記第1の種類のカラーセンタのゼロフォノン線に第1
    のホールが形成され、前記第2の種類のカラーセンタの
    ゼロフォノン線に第2のホールが形成され、 前記第1のホールまたは前記第2のホールのいずれか一
    方を形成するために照射される励起光が前記第1のホー
    ルまたは前記第2のホールのいずれか他方を消失させな
    い関係を有するように、前記第1の種類のカラーセンタ
    と前記第2の種類のカラーセンタが選ばれ、さらに、 少なくとも第1の層と第2の層と第3の層とからなる複
    数層の前記ダイヤモンド結晶層を備え、 前記第1の層には、H2と575システムとN3のカラーセン
    タが形成され、前記第2の層には、GR1とH3のカラーセ
    ンタが形成され、前記第3の層には、N−VとH4のカラ
    ーセンタが形成されていることを特徴とする、ホールバ
    ーニング・メモリ用材料。
  3. 【請求項3】前記ダイヤモンド結晶層は、ダイヤモンド
    の多結晶体または単結晶体のいずれかからなることを特
    徴とする、請求項1または2に記載のホールバーニング
    ・メモリ用材料。
  4. 【請求項4】前記ダイヤモンド結晶層は、ダイヤモンド
    単結晶基板上に気相合成されたダイヤモンド結晶層を含
    むことを特徴とする、請求項1または2に記載のホール
    バーニング・メモリ用材料。
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