JP2879998B2 - 缶蓋の殺菌方法 - Google Patents

缶蓋の殺菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジュースやビール等の
飲料、あるいは肉魚類等の缶詰に巻き締められる缶蓋の
殺菌方法に関し、更に詳細には、150℃以上の過熱蒸
気を用いて缶蓋を高温殺菌処理する方法に関する。
【0002】
【従来技術】無菌充填法による金属缶以外の容器(紙、
プラスチック容器など)を使用した、牛乳、果汁、プデ
ィング、ゼリーなどの製品が市場に出回っているが、こ
れら商品についての缶詰製品化はかなり遅れている。尤
も、近年、長時間のレトルト殺菌によって風味や香り、
色調、栄養価などが失われ易い乳製品などの内容物を無
菌充填法を利用して缶詰にする研究は種々行われてい
る。
【0003】無菌缶詰法では、内容物は、空缶に充填さ
れる前に高温短時間殺菌され、冷却された後、予め殺菌
された空缶に無菌室内で充填され、同様に殺菌済みの缶
蓋が無菌雰囲気の中で巻締めされる。
【0004】その場合、缶蓋の殺菌についても、空缶の
殺菌と同様に、過熱蒸気を用いたものが商業化されてい
る。この過熱蒸気は飽和蒸気を更にガスバーナーや電気
ヒーターなどの加熱媒体により加熱して得られるもの
で、ほぼ乾熱に近い状態にあり、大気圧下で利用でき
る。従って、飽和蒸気(湿熱)の場合には高温を得るた
めに圧力室を必要とするが、過熱蒸気では大気圧下で利
用できるため、比較的簡単な設備とすることができる。
反面、細菌胞子の死滅に対しては飽和蒸気よりも劣るた
め150℃以上の高温が必要とされている。
【0005】蒸気を利用しての缶蓋殺菌において、二種
類の搬送方法がある。ひとつは、垂直搬送方式であっ
て、上下方向(縦方向)に平行して設置された複数(通
常3本)のスクリュー間に、缶蓋を1枚づつ分離し、水
平状態で間隔を保ちながら蒸気雰囲気内を下降させ、通
過する間に殺菌するものである(特公昭57−5206
2号など)。
【0006】しかしながら、この垂直搬送式では、上方
から缶蓋をスクリューに挿入するので、缶蓋を挿入位置
まで上昇させる設備が必要となり、ライン構造が複雑と
なる。また缶蓋を水平に保持して下降させるので、その
殺菌過程で高温になった缶蓋(この缶蓋温度は、内容物
に対する熱影響を考えると低温にした方が好ましいが、
従来は高温のまま、あるいは空冷した後巻締められてい
る)を冷却水を用いて冷却することができない(缶蓋に
冷却水が溜まり易く排水処理が困難)などの問題があ
る。
【0007】この点、もう一つの搬送方法、つまり、水
平搬送方式(特開昭54−137857号など)をとれ
ば、問題はなくなるように思われる。
【0008】図5は、水平搬送方式の説明図であり、水
平方向(横方向)に配設した一対のスクリュー間に、ほ
ぼ垂直状態にした缶蓋Aを、一枚づつ分離して搬送し、
搬送間に高温殺菌処理するものである。これによれば、
ライン設備上、排水処理上の難点は解消される。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、この水平搬
送式の缶蓋殺菌方法には、別の新たな問題のあることが
知られた。すなわち、水平搬送式では図6(図5VI−VI
線矢視方向の模式説明図)に図示するように、缶蓋のカ
ール厚tより幅広のスクリューのネジ溝幅Wによって缶
蓋Aが水平方向(矢印Zで示す)に搬送される関係上、
どうしても缶蓋は若干前傾した、ほぼ垂直状態となり、
缶蓋とスクリューのネジ溝Gとは、缶蓋カールエッジ部
E(この部分の接触は垂直搬送式も同様)だけでなく、
それを含む缶蓋カール外周面がスクリューのネジ溝側線
13を含むネジ溝面に接触しながら搬送させられるの
で、アルミ蓋に比較し自重の重いTFS蓋やぶりき蓋で
は、150℃以上の高温の過熱蒸気雰囲気により軟化し
た缶蓋塗膜が、溝面と外周面との接触点Qで回転するス
クリューのネジ溝側縁にこすりつけられ、図7に示すよ
うに、缶蓋カール外周面に、巻締め部の錆びの原因とな
る擦り傷12が発生することや、又、カールエッジ部E
とスクリューのネジ溝側縁との回転接触(その接触点を
Pで示す)によって、エッジ部から剥離した塗膜カスが
ネジ溝面に付着し、ネジ溝面をビルドアップさせ表面の
接触抵抗を一層増加させたり、缶蓋に塗膜カスが転移
し、そのまま巻き締めた場合には缶詰内に異物として混
入し、品質衛生上の問題が生ずることが知られたのであ
る。
【0010】即ち、垂直搬送方式には難点があるからと
言って、それを公知の水平搬送方式に切かえるだけで
は、足らないのであって、本発明は、この新たな問題を
解決すべくなされたものであり、その目的とするところ
は、水平搬送式のスクリュー搬送設備でも、缶蓋カール
外周面の擦り傷やスクリューのネジ溝面のビルドアップ
を発生させることなく、150℃以上の雰囲気中に缶蓋
を搬送、殺菌することができ、ライン構成上有益な缶蓋
の殺菌方法を提供することにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明は、ほぼ垂直状
態に支持された缶蓋を、1枚づつ分離し、スクリュー搬
送中に殺菌処理する方法において、缶蓋カール外周面及
び/又はスクリューのネジ溝面に耐熱性の食品産業用潤
滑油を塗布しながら、高温雰囲気内を通過させて殺菌す
ることにより、上記問題を解決する。
【0012】
【作用】本発明は、缶蓋をスクリューのネジ溝によって
ほぼ垂直状態に支持して水平方向に1枚づつ分離させ缶
蓋を殺菌する際に、缶蓋カール外周面、又はスクリュー
のネジ溝面、或はその両方に食品産業用耐熱性潤滑油を
供給し、缶蓋カール外周面とスクリューのネジ溝面との
接触点に潤滑油被膜を介在させながら高温雰囲気内にス
クリュー搬送することにより、缶蓋カール外周面とスク
リューのネジ溝面との摩擦抵抗を小さくし、缶蓋の擦り
傷と、缶蓋塗膜カスによるスクリュー溝面のビルドアッ
プを防止し、缶蓋を水平搬送式で高温殺菌処理する。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
【0014】図1は、本実施例における缶蓋殺菌ライン
の平面概略図である。
【0015】図中、1は水平搬送式のスクリューを用い
た缶蓋殺菌装置、2は、缶蓋殺菌装置1の上流側で缶蓋
殺菌装置1へほぼ垂直状態の缶蓋Aを密着状態で搬送す
る水平コンベア、3は水平コンベア2に組み込まれ、搬
送される缶蓋Aのカール外周面に潤滑油を塗布する潤滑
油塗布装置である。
【0016】缶蓋殺菌装置1は、殺菌室11内を貫通す
るスクリュー4(本実施例では2本)と、サポートバー
5(上2本は図示せず)のみ簡略的に図示し、殺菌室1
1を150℃以上の雰囲気温度にする過熱蒸気供給手段
は省略している。尚、水平コンベアは製缶ラインで公知
のものである。
【0017】図2は、図1の潤滑油塗布装置3を矢視II
−II方向からみた側面図であり、水平コンベア2のサイ
ドフレーム6に、潤滑油を収容する潤滑油溜7と、潤滑
油溜7に一部を浸漬して潤滑油をロール表面に付着させ
て汲み上げるナイロン製汲み上げロール8(モジュール
1の平歯車を流用)と、汲み上げロール8から潤滑油を
受け取り缶蓋Aのカール外周面に潤滑油を塗布しながら
接触回転するフェルト製塗布ロール9、及び潤滑油補給
タンク10の支持具11がそれぞれ取り付けられてい
る。潤滑油補給タンク10は潤滑油溜7に対して給油口
10’を所定高さ離して着脱自在に支持され、潤滑油補
給タンク10から潤滑油溜7に補給された潤滑油は給油
口10’まで補給されると、補給が自動停止され、潤滑
油溜7の潤滑油の油面を一定に保つようにしてある。1
4はロープである。
【0018】尚、塗布ロール9は、缶蓋Aの進行によ
り、そのカール外周面と軽く接触しながら回転し、その
回転によって汲み上げロール8が接触回転するようにそ
れぞれ回転自在に軸支されている。
【0019】上記潤滑油塗布装置3で殺菌処理前に缶蓋
Aに耐熱性潤滑油(型番VISO635;米国食品医薬
局のH1 基準合格品である食品産業用オイル)を塗布し
ながら、スクリューを高速回転させ、缶蓋を下記の殺菌
条件で殺菌室11内へ搬送、通過させ高温短時間殺菌処
理した。 缶蓋到達温度 240℃ 殺菌通過時間 30秒
【0020】なお、この殺菌条件は芽胞菌(Bacil
lus stearothermophilus)の生
存菌数が10-5に減少する5D殺菌条件に相当する。
【0021】上記殺菌を連続8時間稼働させ、殺菌後の
缶蓋カール外周面の擦り傷、缶蓋カールエッジ部への塗
膜カス付着汚れ、また搬送面(スクリュー溝面、サポー
トバー)のビルドアップを調査した。その結果を表1に
示す。
【0022】尚、比較例として、缶蓋に潤滑油を供給し
ないこと以外は本実施例と同一の殺菌条件で殺菌し、実
施例と同様な評価を行った。その結果も表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】評価方法;◎は無し、○は微小、△はやや
多い、×は多いとしてN=100枚について目視調査で
行い、◎○は実用化水準に達しているもので、1項目で
も△×となり実用化水準にないものは不合格として総合
評価をした。
【0025】表1の結果から、本発明方法は、水平搬送
式のスクリュー搬送設備で缶蓋を搬送し高温殺菌して
も、問題となった缶蓋への擦り傷や塗膜カス付着、及び
ビルドアップなど総て合格し、しかも現在無菌充填用の
缶蓋として要求されている5D以上の殺菌条件も満足
し、実用化水準内にあるという総合評価が得られた。
【0026】これに対して比較例(無給油)の場合は、
総合評価上で実用化水準に達し得なかった。また、缶蓋
の擦り傷、スクリューのネジ溝面のビルドアップについ
ての評価を合格させるためには、殺菌条件のD値は2D
(芽胞菌の生存菌数が10-2減少)よりも悪い殺菌条件
にせざるを得なかった。
【0027】尚、本発明における缶蓋の殺菌方法に使う
潤滑油塗布装置は図示実施例のものに限定されることな
く、缶蓋カール外周面に潤滑油を塗布することに代え
て、搬送用のスクリュー4に潤滑油を供給する方法、例
えば図3に示すようにブラシ15をスクリューのネジ溝
面に接触させ、オイルチューブ16から潤滑油を供給す
る方法でもよく、又、図4に示すように潤滑油を過熱蒸
気に含ませ、これをノズル17からスクリューのネジ溝
面に向けて噴射する方法でも良く、更には潤滑油の塗布
を缶蓋カール外周面とスクリューのネジ溝面の両方に施
しても本実施例と同様な効果を達成できる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、缶蓋をス
クリューにより、高温雰囲気中を水平搬送させ殺菌する
場合、缶蓋カール外周面に擦り傷を発生させたり、スク
リューのネジ溝面にビルドアップを起こさせたりするこ
となく高温殺菌処理ができる効果があり、しかも従来採
用できなかった水平搬送方式を缶蓋殺菌ラインに使用で
きライン構成上有利となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 缶蓋殺菌ラインの平面概略図
【図2】 図1のII−II矢視方向からみた潤滑油塗布装
置の側面図
【図3】 本発明の他の潤滑油塗布装置例の略線的説明
【図4】 本発明の更に他の潤滑油塗布装置例の略線的
説明図
【図5】 スクリューによる水平搬送状態図
【図6】 図5のVI−VI矢視方向の模式説明図
【図7】 缶蓋のカール外周面の擦り傷状態を示す平面
図 1…缶蓋殺菌装置 2…水平コンベア 3…潤滑油塗布装置 4…スクリュー 5…サポートバー 6…サイドフレーム 7…潤滑油溜 8…汲み上げロール 9…塗布ロール 10…潤滑油補給タンク 11殺菌室

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ垂直状態に支持された缶蓋を、1枚
    づつ分離し、スクリュー搬送中に殺菌処理する方法にお
    いて、缶蓋カール外周面及び/又はスクリューのネジ溝
    面に耐熱性の食品産業用潤滑油を塗布しながら、高温雰
    囲気内を通過させて殺菌することを特徴とする缶蓋の殺
    菌方法。
  2. 【請求項2】 高温雰囲気が150℃以上の過熱蒸気で
    ある、請求項1記載の殺菌方法。
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