JP2879349B2 - ワイヤレス確認監視システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、微弱電波を利用して、一定の領域内で自由
な活動を許された動物や人間がその領域内に存在するこ
とを確認し、監視するシステムに関する。

［従来の技術］ 子どもなどにあっては、安全対策上、親などの特定の
者が常時監視していることが望ましいが、諸般の事情を
考慮すると特定の者による常時監視はほとんどの場合不
可能である。

ところが、近時の集合住宅の大規模化は子どもの活動
領域も増大させ、子どもに対する親の監視は益々不充分
になりつつあり、集合住宅内の各住戸間の情報連絡の円
滑化に加えて、このような子供に対する共同監視態勢も
犯罪防止面から無視できない現実になって来ている。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、このような事情に鑑みて開発されたもの
で、所定のエリア内で自由に活動の許された人間や動物
を、微意弱電波を使用したワイヤレスシステムによって
確認し監視できるシステムを提供することを目的として
いる。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために提案される本発明システム
は、各々にワイヤレス送信器を取り付けた動物，人間な
どが自由に活動するエリア内に、専用の信号線を介して
中央の監視受信機に接続した複数のワイヤレス送受信装
置を配設させた構成とされており、ワイヤレス送信器か
ら送信された返信信号は、ワイヤレス送受信装置で受信
された後、中央の監視受信機でエリアの内部にいるかど
うかが判別されるようになっている。

このような本発明システムを更に具体化させたもの
は、ワイヤレス送受信装置側から監視すべきワイヤレス
送信器に対応させたIDコードを付加させた電波信号をエ
リア内に送出し、そのIDコードに対応したワイヤレス送
信器側では、電波信号を受信したときに応答信号を返信
する制御方法が採用され、この場合、ワイヤレス送信器
側では自らのIDコードを返信信号に付加させるようにし
てもよいが、そのようなIDコードを付加させない構成で
あってもよい。

また、監視すべき人間や動物に取り付けたワイヤレス
送信器からは一定の周期でIDコードの付加された電波信
号を出力させ、ワイヤレス送受信装置側では、この電波
信号を受信して中央の監視受信機に向けて送信する制御
方法が採用されている。

このような構成の本発明システムでは、ワイヤレス送
受信装置と中央の監視受信機とは専用の信号線で接続さ
れるが、この場合、中央の監視受信機とワイヤレス送受
信装置とを１組の信号線で互いにい接続する信号伝送路
を構成し、中央の監視受信機を親局、ワイヤレス送受信
装置を子局とするポーリング処理による多重伝送制御方
法が採用すれば配線を簡略化させる上で便利である。

また、このような本発明システムでは、中央の監視受
信機では、各ワイヤレス総受信装置側から返送されるワ
イヤレス送信器からの応答信号の有無やそのレベルを判
別することによって、ワイヤレス送信器を取り付けた人
間や動物が監視エリア内に存在するかどうかを判断して
いるが、その場合において発信された返信信号の受信強
度を、ワイヤレス送受信装置間で比較し分析できるよう
にすれば、いずれのワイヤレス送受信装置に最も近い場
所に存在しているかも判別できるので、エリア内に於け
るおおよその位置を知ることも出来る。

［作 用］ 本発明では次のような作用が奏される。

請求項１において提案された発明システムでは、ワイ
ヤレス送信器を取付けた人間や動物が一定の監視エリア
より外に出れば、ワイヤレス送受信装置が受信するワイ
ヤレス送信器からの電波信号が微弱になり、あるいは応
答，返信不能の状態になるので直ちに判別できる。

また、ワイヤレス送信器は、ワイヤレス送受信装置か
らの呼掛けに逐一応える方式で上記のような判別がなさ
れる。

請求項２に記載した発明システムでは、ワイヤレス送
信器側から所定の周期でIDコードを付した電波信号をワ
イヤレス送受信装置に送信する方式で上記のような判別
がなされる。

更に、請求項３に記載された発明システムでは、ワイ
ヤレス送受信装置と中央に設けた監視受信機との間での
信号のやりとりが時分割多重伝送方式を利用したポーリ
ング処理によって行なわれる。

請求項４に記載された発明システムでは、中央の監視
受信機では、システム内のワイヤレス送受信装置がワイ
ヤレス送信器から受信した電波信号の強度レベルを互い
に比較し分析するので、ワイヤレス送信器を取り付けた
人間や動物のエリア内でのおおよその位置も判別でき
る。

［実施例］ 以下、本発明システムを実施例に基づいて説明する。

第１図は、この発明システムの概略構成を示したもの
で、特に集合住宅内の幼児などの確認監視システムとし
て適用した例を示している。

図において、１（＃１〜＃ｎ）は集合住宅内の複数の
住戸を収容した棟建築物であり、２は中央の監視受信機
３を設けた管理センターである。

ワイヤレス送受信装置４は、集合住宅の敷地内の適所
に、適当な間隔を保持して立てた柱５（既設の電柱であ
ってもよい）や各住棟内の適所に設置されており、一方
のワイヤレス送信器６は、ペンダント形の本体を有して
おり、第４図，第５図に示したように、幼児８などの首
や服などに、首紐７を吊下げて取付けられるようになっ
ているものの他、カード形などの携帯可能なものが使用
される。

このようなシステムでは、管理センター２内に設けた
中央の監視受信機３側からシステム内のワイヤレス送受
信装置４の各々に一定周期で問い合わせ信号を送り、こ
のワイヤレス送受信装置４より中央の監視受信機３側に
返ってきた返信信号を判別することによって、ワイヤレ
ス送信器６を取り付けた幼児が敷地内（斜線で示す）に
居ることが確認でき、ワイヤレス送信器６からの電波信
号をシステム内のいずれのワイヤレス送受信装置４も受
信できなかった場合には、警報を出力する。

ここに、監視受信機３の判別は、ワイヤレス送信器６
からの応答，発信信号の有無やこの受信レベルを判別す
ることによってなされている。

また、このような本発明システムでは、ワイヤレス送
受信装置４側で監視すべきワイヤレス送信器６に対応さ
せたIDコードを付加させた電波信号を呼掛け信号として
エリア内に発信させ、そのIDコードに対応したワイヤレ
ス送信器６側では、電波信号を受信したときに応答信号
を返信する制御方法が可能であり、第２図のブロック図
は、この場合に採用されるワイヤレス送信器の基本構成
を示している。

すなわち、この図に示されたワイヤレス送信器６は、
ワイヤレス送受信装置４からの電波信号の形で発信され
て来る呼掛け信号を受信し、その呼掛けに対してワイヤ
レス送受信装置４に返信信号を電波信号の形で返すため
のアンテナ61を有したフロントエンド部62と、ワイヤレ
ス送受信装置４からの呼掛け信号が自らに対して呼掛け
られたものかどうかを判別するためのIDコード一致判別
部63を有しており、IDコード設定部64では自らに割り当
てられた固有のIDコードが設定できるようになってい
る。

65は信号発生部で、ワイヤレス送受信装置４からの呼
掛け信号に対する応答信号を発生する。この応答信号に
はIDコード設定部64よりワイヤレス送信器６に設定され
たIDコードが付加されてフロントエンド部62に送られ、
フロントエンド部62では電波信号に変換してワイヤレス
送受信装置４に向けて発信されるようになっている。

この図では、ワイヤレス送信器６側では自らのIDコー
ドを応答信号に付加させて返信させているが、システム
を簡略化するために、このようなIDコードを付加させず
に発信させる構成にしてもよい。

なお、6aは緊急発信スイッチであり、緊急事態が発生
したときには、第５図に示したように指などで操作する
ことによって、ワイヤレス送受信装置４側に緊急信号を
送信できるようになっている。

第３図は、監視すべき人間や動物に取り付けたワイヤ
レス送信器から一定の周期でIDコードの付加された電波
信号を出力させ、ワイヤレス送受信装置側では、この電
波信号を受信するだけで監視受信機に向けて送信信号を
送信する制御方法を採用する場合に使用されるワイヤレ
ス送信器６′の基本構成を示したブロック図である。

第２の構成と対応する同一部分には、同一の符号を付
して説明を省略するが、定期信号発生部66では、IDコー
ド設定部64において設定されたIDコードを付加した定期
発信信号をフロントエンド部62に送出しており、フロン
トエンド部62では電波信号に変換した後、アンテナ61を
通じてワイヤレス送受信装置４に向けて発信する構成と
なっている。

第６図は、ワイヤレス送受信装置４と中央の監視受信
機３との配線関係を示したものである。

複数のワイヤレス送受信装置４は、専用の信号線
「１」を介して中央の監視受信機３に接続されており、
これらの間では、監視受信機３を親局とし、ワイヤレス
送受信装置４を小局とした、いわゆる時分割多重伝送方
式によるポーリング処理がなされており、第７図はこの
ようなポーリング処理時において、監視受信機３から信
号線「１」に送出される信号のフォーマットを示してい
る。

このようなポーリング処理方式においては、第７図に
示したように、スタート信号STの後、問い合わせすべき
ワイヤレス送受信装置に割り当てられたアドレスデータ
ADが付され、問い合わせのための制御データCDが付加さ
れ、パリティチェックCHの後に、返信待機時間RDが設け
られ、この返信待機時間RD内に問い合わせがなされたワ
イヤレス送受信装置４からの返信信号が信号線「１」に
送り出され、監視受信機３ではこの返信信号を解読し
て、上記した判別がなされる。

第８図は、ワイヤレス送受信装置の基本構成をブロッ
ク図をもって示したものである。

ワイヤレス送受信装置４は、ワイヤレス送信器６との
間で信号を送受するために、アンテナ4aを有したフロン
トエンド部41,信号受信部42,信号発生部44を有してお
り、監視受信機３との間では、多重伝送送受信部45を設
けている。

多重伝送送受信部45を介して監視受信機３より問い合
わせ開始信号が送信されて来ると、信号発生部44は、シ
ステム内のワイヤレス送信器６に対して呼掛けを開始す
るため、生成した呼掛け信号をフロントエンド部41に送
出し、ここではアンテナ4aより電波信号に変換された形
で発信される。

この呼掛け信号には、システム内のすべてのワイヤレ
ス送信器６に割り当てたIDコードが付加される。

呼掛けられたワイヤレス送信器６から発信されて来た
応答信号は、アンテナ4aよりフロントエンド部41に送ら
れ、更に信号受信部42に送られて、IDコードが判別され
る。

システム内のすべてのワイヤレス送信器６に割り当て
られたIDコードは、IDコード設定器43に記憶されてい
る。

このようにして、システム内のすべてのワイヤレス送
信器６に対して呼掛けがなされた後は、監視受信機３の
問い合わせに応答するため、返信信号は多重伝送送受信
部45に送られる。

なお、この実施例では、ワイヤレス送受信装置からワ
イヤレス送信器への呼掛けを行なう制御方式を採用する
場合に使用される構成を示しているが、ワイヤレス送受
信装置がワイヤレス送信器からの定期信号を受信する制
御方式を採用する場合には、信号発生ａ部44の構成は省
略できる。

また、46は、受信電波強度分析器であり、監視受信機
３側で応答信号を発信したワイヤレス送信器６のおおよ
その位置を検知するためにフロントエンド部41において
受信された電波信号の強度に応じた信号を多重伝送送受
信部45に送り出す。

［発明の効果］ 以上の説明により理解されるように、本発明によれ
ば、集合住宅内の敷地などの一定のエリア内に配設させ
たワイヤレス送受信装置で、常時ワイヤレス送信器から
の返信を確認しているので、ワイヤレス送信器を取り付
けた子供などが敷地より外に出て行った場合には、どの
子供が敷地外に出て行ったかを中央の監視受信機で直ち
に判別して警報を出すことができるので、子供などの監
視を無人化で行える。

また、本発明システムは、人間の監視のみならず牛や
馬などの家畜の放飼時の監視も行なうことができ、その
利用範囲は広い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明システムの基本概念を示した構成図、第
２図は請求項１に記載された本発明システムにおいて使
用されるワイヤレス送信器の基本構成を示したブロック
図，第３図は請求項２に記載された本発明システムにお
いて使用されるワイヤレス送信器の基本構成図を示した
ブロック図，第４図はワイヤレス送信器の例図，第５図
はその使用例の説明図，第６図はワイヤレス送受信装置
と監視受信機との構成図，第７図はポーリング処理時に
使用される信号のフォーマット説明図，第８図はワイヤ
レス送受信装置の基本構成を示したブロック図である。 ［符号の説明］ ３……監視受信機 ４……ワイヤレス送受信装置 ６……ワイヤレス送信器 「１」……専用の信号線（多重信号線）

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各々にワイヤレス送信器を取り付けた動
   物，人間などが自由に活動する所定のエリア内に、専用
   の信号線を介して中央の監視受信機に接続された複数の
   ワイヤレス送受信装置を配設させ、ワイヤレス送受信装
   置におけるワイヤレス送信器からの送信信号の状態を、
   中央の監視受信機において判別することによって、ワイ
   ヤレス送信器を取り付けた動物，人間などのエリア内に
   おける所在を確認し、監視するようにしたワイヤレス確
   認監視システムにおいて、 上記ワイヤレス送受信装置は、上記ワイヤレス送信器に
   対応したIDコードを付した電波信号を定期的に出力する
   構成とされ、 一方のワイヤレス送信器は、上記ワイヤレス送受信装置
   より受信した電波信号に対して応答信号を返信させる構
   成とされたワイヤレス確認監視システム。
2. 【請求項２】上記ワイヤレス送信器は、自らに割当てら
   れたIDコードを付した電波信号を一定の周期で出力する
   と構成され、 一方のワイヤレス送受信装置は、上記ワイヤレス送信器
   から発信されたIDコードの付された電波信号を受信する
   構成とされた請求項１に記載のワイヤレス確認監視シス
   テム。
3. 【請求項３】上記ワイヤレス送受信装置と上記中央の監
   視受信機との間の信号伝送処理が、中央の監視受信器を
   親局としたポーリング処理による多重伝送方式によって
   行なわれる構成とされた請求項1,2のいずれかの項に記
   載のワイヤレス確認監視システム。
4. 【請求項４】上記中央の監視受信機側で、各々のワイヤ
   レス送受信装置が受信したワイヤレス送受信器からの電
   波信号の受信強度を比較判別できるようにした請求項１
   〜３のいずれかの項に記載のワイヤレス確認監視システ
   ム。