JP2879281B2 - 酸素センサの制御装置 - Google Patents

酸素センサの制御装置

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JP2879281B2
JP2879281B2 JP4236139A JP23613992A JP2879281B2 JP 2879281 B2 JP2879281 B2 JP 2879281B2 JP 4236139 A JP4236139 A JP 4236139A JP 23613992 A JP23613992 A JP 23613992A JP 2879281 B2 JP2879281 B2 JP 2879281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気系に設
けられて該機関に供給される混合気の空燃比と密接な関
係にある排気中の酸素濃度を測定し、空燃比フィードバ
ック制御のためのフィードバック信号の提供に用いる酸
素センサの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の排気中に含まれるH
C,CO及びNOX を三元触媒によって浄化する場合に
は、その転換効率を最大にするため、酸素センサにより
排気中の酸素濃度を介して実際の空燃比を検出し、その
検出値を燃料供給手段にフィードバックして空燃比を理
論空燃比に制御している。
【0003】ここで用いられる酸素センサは、大気中の
酸素濃度(一定)と排気中の酸素濃度との比に応じた起
電力を発生し、混合気を理論空燃比(λ=1)で燃焼さ
せたときを境として、リッチ側(λ<1)とリーン側
(λ>1)とで起電力が急変する特性を有する公知のセ
ンサである(例えば特開昭62−198749号公報参
照)。
【0004】即ち、図10に示すように、酸素センサ10
は、先端部を閉塞した固体電解質である酸化ジルコニウ
ム(ZrO2 )を主成分とするセラミック管(セラミッ
ク基材)1の内表面と外表面の各一部に白金(Pt)か
らなる起電力取出し用の電極2,3を形成してある。セ
ラミック管1の外表面には、更に白金を蒸着して白金触
媒層4を形成し、その上からマグネシウムスピネル等の
酸化金属を溶射して、白金触媒層4を保護するための保
護層5を形成している。
【0005】かかる構成において、セラミック管1の内
側空洞に基準気体として大気が導かれるようにする一
方、セラミック管1の外側を機関排気通路に臨ませて機
関排気と接触させ、内表面に接触する大気中の酸素濃度
と外表面に接触する排気中の酸素濃度との比に応じた起
電力を電極2,3間に発生させることにより、排気中の
酸素濃度を検出するものである。
【0006】酸素センサ10を構成している固体電解質の
特性として素子温度が変化すると、イオン透過性が異な
ることから、該酸素センサ10には内部抵抗RS が存在
し、該内部抵抗RS は次のように、変化する。さらに排
気温度が変化するに従い、素子温度も変化するので、図
11に示すように、内部抵抗RS が変化する。 20℃ ≒ 106 kΩ 350℃ ≒ 20 kΩ 500℃ ≒ 0.5kΩ 850℃ ≒ 0.01kΩ ここで、前記酸素センサ10より出力された起電力VS
出力信号であるリッチ信号ER ,リーン信号EL として
取り出す際には、該酸素センサ10に存在する内部抵抗R
S を考慮して、図12に示すような制御回路20が用いられ
る。即ち、内部抵抗RS を有する酸素センサ10と並列に
基準抵抗RO を接続し、基準電圧VO を印加することに
より、図13に示すようにな、リッチ信号ER ,リーン信
号EL を得ている。
【0007】尚、酸素センサの出力信号を用いて空燃比
フィードバック制御を行うのは、リッチ信号ER がE
CLSR以上となるか、あるいはリーン信号EL がECLSL
下となった場合である。ここで、従来の酸素センサ10の
制御装置における、前記基準抵抗RO の抵抗値の決め方
について説明する。
【0008】例えば、基準抵抗RO を接続しない(RO
=0Ω)場合は、図15に示すように、排気温度が 350℃
でリッチ信号ER ,リーン信号EL を取出しえるように
なるが、比較的低温における活性不足が問題となる。ま
た、基準抵抗RO をRO =10MΩとした場合は、図16に
示すように、リーン信号EL が上昇したり、ノイズの増
大のため誤制御の原因となる領域が存在する。このた
め、図14に示すように、排気温度が 300℃でリッチ信号
R ,リーン信号EL を取出しえるように、基準抵抗R
O を1MΩとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】酸素センサは、例えば
電極2,3において、白金粒子が粒子の集合体を構成し
ているが、熱によって劣化すると該白金粒子が粒成長す
る。そして、ポーラスな状態のセラミック管1と白金粒
子の集合体である白金電極2,3との接触状態はその接
触面積が少なく、物理的に良好なものとはなっていな
い。従って、前記白金粒子の粒成長が発生すると、該白
金とセラミック管1との接触状態がますます悪化し、セ
ラミック管1との間に剥離が発生することとなる。これ
により、酸素センサ10の内部抵抗RS は図17に示すよう
に増加することとなる。
【0010】このため、基準抵抗RO を1MΩとしてい
る従来の制御回路20においては、酸素センサ10の劣化に
より内部抵抗RS が増加すると、センサ出力であるリッ
チ信号ER ,リーン信号EL を取出しえる排気温度が初
期状態より高くなり、もって、図18に示すように、酸素
センサの出力信号を用いて空燃比フィードバック制御を
行う開始温度が上昇することとなり、従って、低温にお
けるエミッション等の低温動作特性が悪化する惧れがあ
る。
【0011】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたものであり、酸素センサの内部抵抗の増加に伴
い、前記酸素センサに並列に接続した可変抵抗を増大補
正することにより、該酸素センサの良好な低温動作特性
を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
第1の技術的手段では、図1に示すように、機関排気系
に設けられて排気中の酸素濃度に応じた出力信号を発生
する、酸素イオン伝導性固体電解質を用いた濃淡電池式
酸素センサの制御装置であって、基準電圧と直列で、
かつ前記酸素センサに並列に接続した可変抵抗Bと、前
記酸素センサの空燃比リッチ側出力信号の低下に応じて
前記可変抵抗の抵抗値を増大補正する増大補正手段C
と、を備える構成とした。また、第2の技術的手段で
は、図7に示すように、機関排気系に設けられて排気中
の酸素濃度に応じた出力信号を発生する、酸素イオン伝
導性固体電解質を用いた濃淡電池式の酸素センサの制御
装置であって、基準電圧と直列で、かつ前記酸素センサ
に並列に接続した可変抵抗Bと、前記酸素センサの電極
間の静電容量を測定する静電容量測定手段Eと、前記酸
素センサの電極間の静電容量の減少に応じて前記可変抵
抗の抵抗値を増大補正する増大補正手段Fと、を備える
構成とした。
【0013】また、第2の技術的手段では、図7に示す
ように、基準電圧と直列で、かつ前記酸素センサに並列
に接続した可変抵抗Bと、前記酸素センサの電極間の静
電容量を測定する静電容量測定手段Eと、前記酸素セン
サの電極間の静電容量の減少に応じて前記可変抵抗の抵
抗値を増大補正する増大補正手段Fと、を備えて構成し
てもよい。
【0014】
【作用】ここで、図4に示したような、内部抵抗RS
有し起電力VS を発生する酸素センサと並列に基準抵抗
O を接続し、基準電圧VO を印加した場合の酸素セン
サの出力信号Eは以下のように求められる。 E=(VO ・RS +VS ・RO )/(RS +RO ) =〔RS /(RS +RO )〕・VO +〔RO /(RS +RO )〕・VS … 即ち、内部抵抗RS が基準抵抗RO に比較して十分小さ
い場合は、E≒VS となり、酸素センサの起電力VS
該酸素センサの出力信号Eとして用いることが可能とな
る。しかしながら、内部抵抗RS が増大してきて、該内
部抵抗RS が基準抵抗RO に比較して十分小さくない場
合は、E≒VS とはならず、もって酸素センサの出力信
号Eも低下することとなる。
【0015】即ち、酸素センサの劣化により、白金とセ
ラミック管との間に剥離が発生すると、酸素センサの内
部抵抗が増大する。ここで、第1の技術的手段に係る構
成によると、前記酸素センサの出力信号の低下に応じ
て、例えば酸素センサの出力信号が所定値より低下して
いる場合に、増大補正手段Cにより、酸素センサに並列
に接続した基準抵抗としての可変抵抗Bの抵抗値が増大
補正される。
【0016】従って、酸素センサの出力信号Eの低下は
内部抵抗RS の増大に起因しているとして、増大補正手
段により、基準抵抗RO としての可変抵抗の抵抗値が増
大補正されると、RS <RO となり、もって、内部抵抗
S が基準抵抗RO に比較して十分小さくなり、該内部
抵抗RS に係る電圧降下が大きくなることは無く、E≒
S となる。
【0017】即ち、例えば酸素センサの劣化等により内
部抵抗RS が増大した場合でも、基準抵抗RO としての
可変抵抗の抵抗値が増大補正されることにより、酸素セ
ンサの起電力VS を該酸素センサの出力信号Eとして取
り出しえる排気温度を低く抑えることが可能となり、も
って、内部抵抗RS が増大した場合でも酸素センサの良
好な低温動作特性を確保することが可能となる。
【0018】また、第2の技術的手段に係る構成による
と、酸素センサの電極間の静電容量の減少に応じて、増
大補正手段Fにより酸素センサに並列に接続した基準抵
抗としての可変抵抗Bの抵抗値が増大補正される。ここ
で、酸素センサの内部抵抗RS は電極面積Sが大きくな
るほど、小さくなる。従って、電極面積Sを求めること
により内部抵抗RS を求めることが可能となる。
【0019】一方、酸素センサの電極面積Sと電極間の
静電容量Cpとは次式に示す関係にある。 Cp=ε・ε0 ・S/d 但し、ε:比誘電率、ε0 :真空中の誘電率、S:電極
面積、d:酸素センサを構成する酸化ジルコニウムの厚
みである。
【0020】もって、ε,ε0 及びdは初期状態より不
変であるので、静電容量Cpを求めることにより電極面
積Sを求めることが可能となる。即ち、静電容量Cpを
求めることにより、内部抵抗RS を求めることが可能と
なるものである。即ち、例えば酸素センサの劣化等によ
り内部抵抗RS が増大した場合でも、静電容量Cpの減
少に応じて、基準抵抗RO としての可変抵抗の抵抗値が
増大補正されることにより、酸素センサの起電力VS
該酸素センサの出力信号Eとして取り出しえる排気温度
を低く抑えることが可能となり、もって、内部抵抗RS
が増大した場合でも酸素センサの良好な低温動作特性を
確保することが可能となる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。尚、従来例と同一要素には同一符号を付してある。
図2において、機関11の吸気通路12には、吸気入空気流
量Qを検出するエアフローメータ13及びアクセルペダル
と連動して吸入空気流量Qを制御する絞り弁14が設けら
れ、下流のマニホールド部には気筒毎に電磁式の燃料噴
射弁15が設けられる。燃料噴射弁15は、マイクロコンピ
ュータを内蔵したコントロールユニット16からの噴射パ
ルス信号によって開弁駆動し、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されてプレッシャレギュレータにより所定圧力に
制御された燃料を噴射供給する。更に、機関11の冷却ジ
ャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ17が
設けられると共に、排気通路18内の排気酸素濃度を検出
することによって吸入混合気の空燃比を検出する酸素セ
ンサ19(センサ部構造は図10参照)が設けられ、更に、
下流側の排気中のCO,HCの酸化とNOX の還元を行
って浄化する三元触媒20が設けられる。また、図示しな
いディストリビュータには、クランク角センサ21が内蔵
されており、該クランク角センサ21から機関回転と同期
して出力されるクランク単位角度信号を一定時間カウン
トして、又は、クランク基準角度信号の周期を計測して
機関回転数が検出される。
【0022】また、排気通路18内の排気の排気温度を検
出する排気温度センサ22が設けられる。また、イグニッ
ションスイッチ25により該機関11が始動しているか否か
の信号が入力される。本実施例に係る酸素センサ19のセ
ンサ部構造は図10に示す従来例と同様であり、その説明
を省略する。
【0023】次にコントロールユニット16による空燃比
制御ルーチンを図3に示したフローチャートに従って説
明する。図3は燃料噴射量演算ルーチンを示す。このル
ーチンは所定周期(例えば10ms) 毎に行われる。ステッ
プ(図ではSと記す。以下同様)1では、エアフローメ
ータ13によって検出される吸入空気流量Qとクランク角
センサ21からの信号によって算出される機関回転数Nと
に基づき、単位回転当たりの吸入空気流量Qに相当する
基本燃料噴射量Tpを次式により算出する。
【0024】Tp=K×Q/N (Kは定数) ステップ2では、水温センサ17によって検出された冷却
水温度Tw等に基づいて各種補正係数COEFを設定す
る。ステップ3では、酸素センサ19からの信号に基づい
て設定されたフィードバック補正係数LAMBDAを読込む。
【0025】ステップ4では、バッテリの電圧値に基づ
いて電圧補正分Tsを設定する。これはバッテリ電圧変
動による燃料噴射弁15の噴射流量変化を補正するための
ものである。ステップ5では、最終的な燃料噴射量Ti
を次式に従って演算する。 Ti=Tp×COEF×LAMBDA+Ts ステップ6では、演算された燃料噴射量Tiを出力用レ
ジスタにセットする。
【0026】即ち、酸素センサ19からの出力信号が取出
しえると、前記燃料噴射量Tiがフィードバック補正係
数LAMBDAに基づいて演算され、出力用レジスタにセット
されて、空燃比制御が行われる。これにより、予め定め
られた機関回転同期の燃料噴射タイミングになると、演
算された燃料噴射量Tiのパルス幅をもつ駆動パルス信
号が燃料噴射弁15に出力されて燃料噴射が行われる。
【0027】ここで、当該酸素センサ19より出力された
起電力VS を出力信号であるリッチ信号ER ,リーン信
号EL として取り出す際に用いられる、制御回路30につ
いて、図4を参照しつつ説明する。酸素センサ19より出
力された起電力VS を出力信号であるリッチ信号ER
リーン信号EL として取り出す際には、該酸素センサ19
に存在する内部抵抗RS を考慮した制御回路30が用いら
れる。そして、本発明に係る構成として、内部抵抗RS
を有する酸素センサ19と並列に基準抵抗としての可変抵
抗RV が接続され、当該可変抵抗RV に基準電圧VO
印加することによりリッチ信号ER ,リーン信号EL
得ている。
【0028】次に、本発明の第1実施例として、前記可
変抵抗RV の抵抗値を、酸素センサ19の出力信号に基づ
いて増大補正する増大補正ルーチンについて、図5を参
照しつつ説明する。ステップ11では、クランク角センサ
21からの信号によって算出される機関回転数Nを検出す
る。
【0029】ステップ12では、機関回転数Nが例えば18
00〜2200rpm の範囲にあるか否かを判断する。そして、
該機関回転数Nが上記範囲にある場合は、排気通路18内
の排気温度Texはほぼ一定であり、酸素センサ19の出力
信号が排気温度Texの影響を受けず、該酸素センサ19の
出力は劣化による影響のみで変化するとして、以下のス
テップに進む。
【0030】またステップ12において、機関回転数Nが
上記範囲にはないと判断された場合は、酸素センサ19の
出力信号が排気温度Texの影響を受けて変化する可能性
があるので、以下に述べる可変抵抗RV の増大補正は行
わず、そのままリターンする。ステップ13では、酸素セ
ンサ19の出力信号であるリッチ信号ER を検出する。
【0031】ステップ14では、前記ステップ13で検出し
たリッチ信号ER が、予め記憶されていた当該酸素セン
サ19が新品であった時点のリッチ信号ER0からどれだけ
低下したか否かを検出するために、リッチ信号の低下値
ΔER (=ER0−ER )を演算する。ステップ15では、
前記低下値ΔER が 100mV以上か否かを判断する。
【0032】そして、ΔER が 100mV以上であると判断
された場合は、ステップ16に進み、更に前記低下値ΔE
R が 200mV以上か否かを判断する。そして、当該低下値
ΔER が 200mV以上ではないと判断された場合、即ち 1
00≦ΔER < 200である場合は、ステップ17に進み、第
1補正を実施する。また当該低下値ΔER が 200mV以上
であると判断された場合は、ステップ18に進み、第2補
正を実施する。
【0033】ここで、第1補正及び第2補正について、
図6を参照しつつ説明する。排気温度Texが 350℃にお
ける酸素センサ19のリッチ信号ER は、当該酸素センサ
19が新品であった時点では、略 1.0Vであり、その時の
内部抵抗RS は10kΩである。しかしながら、図6に示
すように、5万マイル走行した後は前記リッチ信号ER
は新品であった時点から 100mV低下し、10万マイル走行
した後は前記リッチ信号ER は新品であった時点から 2
00mV低下する。そして、内部抵抗RSも 100kΩ、 200
kΩと増大していく。
【0034】従って、当該内部抵抗RS の増大による入
力インピーダンスが大きくなり、リッチ信号ER ,リー
ン信号EL を取出しえた排気温度が初期状態より高くな
り、低温動作特性が悪化する惧れがある。このため、第
1補正では、5万マイル走行した後の劣化に対処するた
めに、可変抵抗RV の抵抗値を例えば5MΩに増大補正
する。
【0035】ここで、図4に示したような、内部抵抗R
S を有し起電力VS を発生する酸素センサと並列に可変
抵抗RV を接続し、基準電圧VO を印加した場合の酸素
センサの出力信号Eは以下のように求められる。 E=(VO ・RS +VS ・RO )/(RS +RO ) =〔RS /(RS +RO )〕・VO +〔RO /(RS +RO )〕・VS … 当該補正により、劣化により 100kΩに増大した内部抵
抗RS も、 100kΩ≪5MΩであるので、内部抵抗RS
が基準抵抗である可変抵抗RV に比較して十分小さくな
り、前記式における第1項が削除でき、もってE≒V
S となる。
【0036】即ち、例えば酸素センサ19の劣化等により
内部抵抗RS が増大した場合でも、基準抵抗RO として
の可変抵抗RV の抵抗値が増大補正されることにより、
酸素センサ19の起電力VS を該酸素センサの出力信号E
として取り出しえる排気温度を低く抑えることが可能と
なり、もって、内部抵抗RS が増大した場合でも酸素セ
ンサ19の良好な低温動作特性を確保することが可能とな
る。
【0037】従って、低温時における機関11の始動時に
おいても、いち早く前述の空燃比制御におけるフィード
バック制御が行われることとなり、空燃比の目標空燃比
への収束性が向上し、従って良好なエミッションが得ら
れることとなる。また、第2補正では、10万マイル走行
した後の劣化に対処するために、可変抵抗RV の抵抗値
を例えば10MΩに増大補正する。
【0038】当該補正により、劣化により 200kΩに増
大した内部抵抗RS も、 200kΩ≪10MΩであるので、
内部抵抗RS が基準抵抗である可変抵抗RV に比較して
十分小さくなり、前記式における第1項が削除でき、
もってE≒VS となる。従って、酸素センサ19の起電力
S を該酸素センサ19の出力信号Eとして用いることが
可能となり、該酸素センサ19の良好な低温動作特性を確
保することが可能となり、前述と同様に、良好なエミッ
ションが得られることとなる。
【0039】また、ステップ15において、前記低下値Δ
R が 100mV以上ではないと判断された場合は、酸素セ
ンサ19が新品であった時点から、未だ劣化が進行してい
ないとして、可変抵抗RV の増大は行わず、そのままリ
ターンする。即ち、ステップ15〜17が増大補正手段Cの
機能を奏するものである。次に、本発明の第2実施例と
して、前記可変抵抗RV の抵抗値を、酸素センサの電極
間の静電容量の減少に応じて、増大補正する増大補正ル
ーチンについて、図7を参照しつつ説明する。
【0040】ステップ31では、イグニッションスイッチ
25がオンとなっているかにより、機関11が始動している
か否かを判断する。そして、該機関11がオンとなってい
る場合には、以下のステップに進む。またステップ31に
おいて、機関11がオンとなっていないと判断された場合
は、以下に述べる可変抵抗RV の増大補正は行わず、そ
のままリターンする。
【0041】ステップ32では、酸素センサ19の電極間の
静電容量Cpを、後述するごとく検出する。ステップ33
では、前記ステップ32で検出した静電容量Cpが、予め
記憶されていた当該酸素センサ19が新品であった時点の
静電容量Cp0 からどれだけ増加したか否かを検出する
ために、静電容量Cpの変化率ΔCp〔=(Cp−Cp
0 )/Cp〕を演算する。
【0042】ステップ34では、前記静電容量Cpの変化
率ΔCpが10%以上か否かを判断する。そして、該変化
率ΔCpが10%以上であると判断された場合( 0.1≦Δ
Cp)は、ステップ35に進み、更に前記変化率ΔCpが1
0%以上30%未満であるか否かを判断する。
【0043】ここで前述したように、電極間の静電容量
Cpを求めることにより、内部抵抗RS を求めることが
可能であるので、当該変化率ΔCpが10%以上30%未満
であると判断された場合、即ち 0.1≦ΔCp<0.3 であ
る場合は、ステップ36に進み、第1補正を実施する。ま
た当該変化率ΔCpが30%以上であると判断された場
合、即ち 0.3≦ΔCpである場合は、ステップ37に進
み、第2補正を実施する。
【0044】ここで、第1補正及び第2補正について
は、前述の第1実施例と同様であるので、説明を省略す
るが、第1補正により、5万マイル走行した後の劣化に
対処するために、可変抵抗RV の抵抗値が例えば5MΩ
に増大補正され、第2補正により、10万マイル走行した
後の劣化に対処するために、可変抵抗RV の抵抗値が例
えば10MΩに増大補正される。
【0045】即ち、本第2実施例においても、例えば酸
素センサ19の劣化等により内部抵抗RS が増大した場合
でも、電極間の静電容量Cpの減少を示す、該静電容量
Cpの変化率に従って、基準抵抗RO としての可変抵抗
V の抵抗値が増大補正されて、酸素センサ19の起電力
S を該酸素センサの出力信号Eとして取り出しえる排
気温度を低く抑えることが可能となり、もって、内部抵
抗RS が増大した場合でも酸素センサ19の良好な低温動
作特性を確保することが可能となる。
【0046】従って、本第2実施例においても、低温時
における機関11の始動時において、いち早く前述の空燃
比制御におけるフィードバック制御が行われることとな
り、空燃比の目標空燃比への収束性が向上し、従って良
好なエミッションが得られることとなる。また、ステッ
プ34において、前記変化率ΔCpが10%以上ではないと
判断された場合は、酸素センサ19が新品であった時点か
ら、電極間の静電容量は変化しておらず、もって未だ劣
化が進行していないとして、可変抵抗RV の増大は行わ
ず、そのままリターンする。
【0047】即ち、ステップ34〜37が増大補正手段Fの
機能を奏するものである。次に、酸素センサ19の電極間
の静電容量Cpを検出する装置について、図9を参照し
つつ説明する。図9は、酸素センサ19の電極2,3間の
静電容量Cpを測定する回路30であり、発振器35により
出力された出力周波数fを、f/vコンバータ40で電圧
vに変換し、該電圧vを検出することにより静電容量C
pを測定可能とした回路である。
【0048】ここで、発振器35により出力された出力周
波数fと静電容量Cpとの間には、
【0049】
【数1】
【0050】なる関係があり、発振器35に用いられるコ
イルのインダクタンスLは定数と考えることが可能なの
で、もって静電容量Cpを求めることが可能となる。
尚、ステップ32及び回路30により静電容量測定手段Eが
構成される。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
酸素センサの出力信号の低下或いは酸素センサの電極間
の静電容量の減少に応じて、酸素センサの劣化等による
内部抵抗の増加を判断し、前記酸素センサに並列に接続
した可変抵抗を増大補正するようにしたので、酸素セン
サの出力信号Eを取り出しえる排気温度を低く抑えるこ
とが可能となり、もって、内部抵抗が増大した場合でも
酸素センサの良好な低温動作特性を確保することが可能
となる。
【0052】従って、低温時における機関の始動時等に
おいても、いち早く前述の空燃比制御におけるフィード
バック制御が行われることとなり、良好なエミッション
が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施例に係るシステム図
【図3】同上実施例の燃料噴射量演算ルーチンを示すフ
ローチャート
【図4】同上実施例に使用する酸素センサの制御回路図
【図5】同上実施例における可変抵抗RV の抵抗値増大
補正ルーチンを示すフローチャート
【図6】酸素センサの内部抵抗と出力信号との関係を示
す特性図
【図7】本発明の請求項2に係る構成を示すブロック図
【図8】本発明の第2実施例における可変抵抗RV の抵
抗値増大補正ルーチンを示すフローチャート
【図9】同上実施例に使用する酸素センサの電極間の静
電容量を測定する回路図
【図10】酸素センサの要部断面図
【図11】酸素センサの排気温度と内部抵抗との関係を示
す特性図
【図12】従来例における酸素センサの制御回路図
【図13】酸素センサの排気温度と出力信号との関係を示
す特性図
【図14】酸素センサの排気温度と出力信号との関係を示
す特性図
【図15】酸素センサの排気温度と出力信号との関係を示
す特性図
【図16】酸素センサの排気温度と出力信号との関係を示
す特性図
【図17】酸素センサの劣化による内部抵抗特性変化を示
す特性図
【図18】酸素センサの内部抵抗とフィードバック制御開
始温度との関係を示す特性図
【符号の説明】
1 セラミック管 2 内側電極 3 外側電極 16 コントロールユニット 19 酸素センサ RS 内部抵抗 RV 可変抵抗 VS 起電力 VO 基準電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 正巳 群馬県伊勢崎市粕川町1671番地1 日本 電子機器株式会社内 (72)発明者 根本 好一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 金子 浩昭 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−3550(JP,A) 特開 昭61−294350(JP,A) 実開 昭58−154459(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/409

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関排気系に設けられて排気中の酸素濃度
    に応じた出力信号を発生する、酸素イオン伝導性固体電
    解質を用いた濃淡電池式の酸素センサの制御装置であっ
    て、 基準電圧と直列で、かつ前記酸素センサに並列に接続し
    た可変抵抗と、 前記酸素センサの空燃比リッチ側出力信号の低下に応じ
    て前記可変抵抗の抵抗値を増大補正する増大補正手段
    と、 を備えて構成したことを特徴とする酸素センサの制御装
    置。
  2. 【請求項2】機関排気系に設けられて排気中の酸素濃度
    に応じた出力信号を発生する、酸素イオン伝導性固体電
    解質を用いた濃淡電池式の酸素センサの制御装置であっ
    て、 基準電圧と直列で、かつ前記酸素センサに並列に接続し
    た可変抵抗と、 前記酸素センサの電極間の静電容量を測定する静電容量
    測定手段と、 前記酸素センサの電極間の静電容量の減少に応じて前記
    可変抵抗の抵抗値を増大補正する増大補正手段と、 を備えて構成したことを特徴とする酸素センサの制御装
    置。
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