JP2878387B2 - 絶縁材料劣化診断装置 - Google Patents

絶縁材料劣化診断装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、絶縁材料劣化診断装置に係り、特には静止
器等、例えば計器用変成器又は変圧器のブッシング等に
収納されている絶縁材料中の含有成分を検知し、当該絶
縁材料の劣化度を表示する絶縁材料劣化診断装置に関す
る。
〔従来の技術〕
静止器等、各種の電気機器には、気体、液体、固体等
の種々の絶縁材料が使用されている。これらの絶縁材料
の劣化は、絶縁性能の低下を招き、事故を誘発する危険
があるため、絶縁材料の保守点検はこれらの電気機器の
性能を維持、向上を図る上で不可欠のものとなってい
る。
特に、電力供給用の変圧器、避雷器、計器用変成器、
コンデンサ等の各種静止器については、電力供給の信頼
性を図るために定期的に絶縁材料等の保守点検が行わ
れ、事故の発生の未然防止がなされている。
ところで、絶縁材料の劣化は、大気中からの水分の浸
入や、落雷その他による熱劣化や経年劣化等により生
じ、このため、この浸入した水分量や特定の劣化生成物
の量を測定することによって劣化度を判定することがで
きる。一方、電気機器、特に電力供給用の静止器におい
ては、機器本体の電気的絶縁性能を保持する必要上か
ら、高電位部分に設置されるセンサを電源や表示部等の
大地に置かれる測定機器部との間でリード線を介しなけ
ればならないような分析装置では、当該電気機器を活線
状態にして、取り付けておくことはできない。
従って、従来は、この劣化度を判定するため、当該電
気機器の運転を停止し、収納されている絶縁材料の一部
を採取し、この採取した絶縁材料を持ち帰って、水分量
や特定成分の量を分析或いは測定し、これらが、規定の
限界値を超えた場合、絶縁材料が劣化したものと判定し
ていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記方法のように、作業者が定期的に絶縁材料を採取
して、絶縁油の劣化を点検する方式では、作業性能が悪
く点検効率が極めて悪い欠点があった。すなわち、点検
毎に電気機器の運転を止め、送電を停止しなければなら
ず、電力の安定供給に支障きたす。さらに、特に、計器
用変成器等においては絶縁材料の採取位置が地上より極
めて高い位置に設置されているため、作業者が高所まで
登って採取しなければならず、作業性に著しい難点があ
るばかりでなく、点検作業自体、安全上好ましくない作
業であった。また、採取時に湿度や外気が侵入しないよ
うに十分注意を払う必要があり、採取作業が著しく煩雑
であるという問題もあった。
本発明の目的は上述した欠点を解消し、電気機器中に
収納されている絶縁材料を採取することなく、当該絶縁
材料中の含有成分を自動的に検出し絶縁材料の劣化度を
自動的に表示できるとともに、当該電気機器の大地との
絶縁性を低下させることのない絶縁材料劣化診断装置を
提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の絶縁材料劣化診断装置は、絶縁材料を収納す
る電気機器中の当該絶縁材料の含有成分を検出するセン
サと、 当該センサからの出力信号に基づき絶縁材料の劣化度
を判定する処理回路と、 処理回路で求めた劣化度を表示する表示装置と、 処理回路及び表示装置を駆動するための電源装置とを
具え、 前記センサ、処理回路、表示装置及び電源装置並びに
これらの間を結ぶ配線とを一体の収納容器に収納し、少
なくとも前記処理回路を磁気シールドしたことを特徴と
するものである。
本発明は、絶縁材料が収納されている電気機器であれ
ば全てに適用できるが、特には、電力供給用の設備とし
て用いられている静止器、例えば変圧器、避雷器、計器
用変成器、コンデンサ等に好適に用いることができる。
特には、計器用変成器である計器用変圧器や変流器、或
いは変圧器等に適用することが好ましい。
また、絶縁材料が気体、液体、固体のいずれのものの
場合でも適用でき、特には、六フッ化硫黄等の絶縁ガス
やシリコン油や鉱油からなる絶縁油等の気体、液体の場
合が好適である。
一方、上記本発明に云う検出対象物である絶縁材料の
含有成分とは、絶縁材料の劣化度の判定の指標となる成
分をいい、例えば、水分、酸素、水素、一酸化炭素、二
酸化炭素、メタン、エタン等、外部から浸入して、絶縁
性に影響を与える成分や絶縁材料の熱劣化、経年劣化等
により生成した成分等である。
この絶縁材料中の含有成分を検出するセンサとして
は、水分を検出する場合はアルミニウム陽極酸化膜式水
分センサ等を、酸素を検出する場合は、チタニアやジル
コニア等を用いた酸化物半導体酸素センサ等を、水素,
一酸化炭素,二酸化炭素,メタン,エタン等の場合は酸
化スズを主成分とする焼結型のn型半導体センサ等を例
示できる。この成分の検出は絶縁材料中の成分を直接測
定することでも、当該絶縁材料を密封している媒体中の
成分を検出するようにしても良い。例えば、絶縁油を収
納した計器用変成器において、その成分を検出する場
合、当該絶縁油中に水分センサを浸漬して絶縁油中の水
分を直接に検出する方法でも、当該絶縁油上部の空間に
封入された密封ガス層に水分センサを挿入し、この水分
を検出する方法でも良い。これは絶縁材料中に含有する
成分が密封媒体中の当該成分と相関性を有するためであ
る。
劣化度を判定する処理回路とは、上記センサからの出
力信号を既知のアナログ方式、位相差検出方式或いはデ
ジタルCR発振方式(例えば、特開昭63−75546号公報参
照)等により処理し、マイクロコンピュータ等の演算処
理装置により、絶縁材料中の特定の含有成分量の変化に
応じた表示出力信号として変換、出力される。尚、この
表示出力信号は出力される前に前記演算処理装置内で、
あらかじめ設定した規定値と比較し、この規定値以下
か、以上かで劣化の有無を判定し、この信号を出力する
ようにしても良い。勿論、この場合、設定値を二水準設
け、例えば危険、注意、異常と三段階の判定ができるよ
うにすることも可能である。
表示装置は表示出力信号に基づき、上記判定の結果を
表示するもので、ディスプレイ、ランプ、LED等からな
る表示装置が用いられる。特には、この表示装置として
コンバータが内蔵されたICを有するLEDレベルメータを
用い、この入力信号として前記成分量の変化に基づいた
表示出力信号を用いると回路がコンパクトになり、また
表示も明確になり、特に好ましい。
一方、処理回路及び表示装置を駆動するための電源と
しては太陽電池を用いることが寿命が長く、軽量で好ま
しい。この場合、充電可能なバッテリィーをバックアッ
プ電源として持つことにより、上記太陽電池は発電容量
のより小さいものを選定することができる。
ところで、絶縁材料を収納する電気機器、特に電力供
給用設備に用いられる静止器においては、その高電圧側
は大地と完全に絶縁されており、この電気機器の絶縁性
を低下させることなく、上記センサ、処理回路、表示装
置及び電源装置を設けなければならない。また、これら
電気機器周辺においては、その電流に応じた磁界が発生
している。このため、上記センサ、処理回路、表示装置
及び電源装置並びにこれらの各装置間を結ぶための配線
等を通常の方法を用いて設置すると当該電気機器の絶縁
性を低下させ、また磁界のため前記処理回路がノイズを
拾って誤作動することになる。例えば、計器用変成器に
あっては、その高さが3〜15mもあり、センサを機器頂
部に取り付け、表示装置及び電源装置を下方の作業者が
地上から操作できる位置に設けると、その間を配線しな
ければならず、絶縁性が損なわれる。このため、本発明
では上記センサ、処理回路、表示装置及び電源装置及び
これらの各装置間を結ぶための配線を一体の収納容器に
収納し、少なくとも前記処理回路を磁気シールドしたも
のである。すなわち、上記センサはその検出端が絶縁材
料或いは密封媒体に曝されるように収納容器内に納めら
れる。また、表示装置もその表示部、すなわち例えばLE
Dの発光部のみが収納容器の外側から見えるように収納
容器内に収納する。また、電源装置にあっても、太陽電
池の受光部が光線を受光できるような状態で収納容器内
に収納する。さらに処理回路も収納容器に収納する。ま
たこれらの間の結線も全て収納容器に収納する。そし
て、少なくとも前記処理回路には磁気シールドが施され
る。これにより、本発明の劣化診断装置は、当該電気磁
気の絶縁性を低下させることなく、しかも磁界の影響を
受けることなく、絶縁材料の劣化の判定を正しく行うこ
とが可能となる。
尚、上記磁気シールドは、ケイ素鋼板、ステンレス鋼
板、ブリキ鉄板、鋼板或いはパーマロイ鋼板等の材料を
用いることにより行うことができる。
尚、上記成分の検出及び表示を常時行うと、電源を非
常に大きいものとする必要があり、さらに絶縁材料の劣
化が極めて緩やかに進むことから、スイッチング手段を
設け、必要なときにスイッチを入れ、検出できるように
することが好ましい。このスイッチング装置は当該診断
装置が遠隔の場合を考慮して、上述したような理由によ
り、すなわち、機器の絶縁性の低下及び磁界の影響の観
点からリモートコントロール型のスイッチング手段を設
けることが好ましい。このリモートコントロール型のス
イッチング手段は赤外線方式のものが好ましく、これら
は、市販のシステムを組み込むことにより簡便に設置で
きる。このリモートコントロール型のスイッチング手段
も収納容器内に一体として収納するが、受光用素子が送
信光を受光できるように収納する。
〔作 用〕
電気機器内に収納されている絶縁材料の劣化は、当該
機器の外部から侵入する水分の蓄積或いは同様に外部か
ら侵入する酸素による酸化作用での変質、さらにはこれ
らの相乗作用によるもの等に基づく絶縁低下と経年劣化
や雷サージによるものなどがある。前者による劣化は、
水分量や酸素量を測定することによりその劣化度を測定
できる。一方、後者は、絶縁材料の分解を伴うため、分
解ガス、例えば、絶縁油からの水素或いはメタン、エタ
ン等の軽質炭化水素さらには絶縁紙からの一酸化炭素や
二酸化炭素の量を測定することにより、その劣化度を判
定できる。
この劣化の判定は、絶縁材料中に存在する量を直接測
定することにより得られるが、電気機器の上部空間等に
存在する密封媒体中の水分、酸素、分解ガス等を測定す
ることでも判定できる。なぜなら、このような媒体中の
成分は、絶縁材料中の成分と平衡関係に有り、特に絶縁
材料が液体で、密封媒体が気体の場合はヘンリーの法則
が成立する。
一方、電気機器は、大地との間の絶縁を確実に維持で
きることが前提となる。このため、本発明では、絶縁材
料中の含有成分の量を検出するセンサ、劣化度を判定す
る処理回路、劣化度を表示する表示装置、及び処理回路
等に駆動電力を供給する電源装置を一体的に結合し、一
体の収納容器に収納し、少なくとも前記処理回路に磁気
シールドを施す。これを電気機器の大地に対して絶縁状
態を維持できる位置に取り付ける。そして、当該機器中
の絶縁材料中に含有されている成分の量を検出するセン
サからの出力信号に基いて劣化度を判定し、求めた劣化
度を表示する。この結果、絶縁材料の劣化度が自動的に
表示され、作業者は地上から表示装置を看視するだけ
で、絶縁材料の劣化度を点検でき、保守点検作業が一層
容易になる。しかも、計器用変成器等の運転を停止する
ことなく点検でき、電力の供給を停止する必要もない。
また、磁界の影響を受けず、これに伴うノイズが乗ら
ず、誤作動がほとんどなく、正確に絶縁材料の劣化度を
判定できる。さらに、電源と処理回路及び表示装置との
間にリモートコントロール型のスイッチング回路を配置
すれば、定期的な点検作業の時だけ装置を起動でき、装
置の駆動電力が節約され、より小さい電源装置を設ける
ことですみ、装置のコンパクト化が図れる。また、これ
に太陽電池を組み会わせることにより、絶縁材料の劣化
度の表示を半永久的に行うことが可能になる。
〔実施例〕
本発明の絶縁材料劣化診断装置の一実施例として、絶
縁材料中の含有成分を検出するセンサとして水分センサ
を用い、これを計器用変成器に適用した場合の例につい
て説明する。
第1図は、上記診断装置を計器用変成器に設置した構
成を示す図である。計器用変成器本体1は架台2を介し
て地上に設置されている。計器用変成器本体1は上部タ
ンク3、碍管4及び下部タンク5を具えている。上部タ
ンク3に1次側端子6が装着されている。下部タンク5
内に鉄芯(図示せず)が収納され、この鉄芯に1次コイ
ル及び2次コイル(図示せず)が巻装され、2次コイル
の端部が下部タンク5に取り付けた2次端子7に接続さ
れている。上部タンク3、碍管4及び下部タンク5の内
部には絶縁油が収納され、各部位が油密状態に維持され
ている。さらに、上部タンク3の上側空間内に密封媒体
として窒素ガスが封入されている。上部タンク3の上側
カバーに封じ切り口8が取り付けられており、この封じ
切り口を介して絶縁材料劣化診断装置10を取り付ける。
この劣化診断装置10は、作業者11から投射される赤外線
リモートコントロール信号によって起動し、上部タンク
内に収納されている窒素ガス中の水分を検出し、基本的
にはヘンリーの法則にしたがって間接的に求められる絶
縁油中の水分量に基づいて、絶縁油の劣化度を判定し、
その劣化度を表示装置に表示する。尚、この劣化診断装
置は、大地との間の電気的絶縁が十分に維持できる位置
であれば任意の位置に装着でき、例えば既設の計器用変
成器に装着する場合には既設の封じ切り口のキャップを
取りはずして装着することができ、或いは新たに製造す
る変成器については下部タンク5の側壁部に取り付ける
こともできる。尚、変圧器のブッシング部についても、
全く同様な方式が適用できる。
第2図は劣化診断装置の一例の構成を示すものであ
り、第2図aは回路構成の一例を示すブロック図、第2
図bはその構造を示す断面図、第2図cは第2図bの表
示パネル部を示す正面図である。絶縁油中又は窒素ガス
中の水分量を検出する水分検出センサ12及び絶縁油又は
窒素ガスの温度を検出する温度検出センサ13を処理回路
を含む処理装置14に接続する。第2図bに示すように、
これらセンサ12及び13は磁気シールド性を有する支持管
15内に収納する。支持管15は多数の孔を有し、これら孔
を介してセンサ12及び13を計器用変成器の窒素ガス雰囲
気と連通させる。すなわち、収納容器20に一体的に取り
付けられたセンサ収納容器20aのフランジ部20bがガスケ
ットやOリング等を介して計器用変成器本体1の封じ切
り口8と密封装着され、支持管15の下側端部は計器用変
成器の絶縁材料収納部と連通することになる。処理装置
14は、水分検出センサ12及び温度検出センサ13からの出
力信号から、絶縁油中の水分量及び温度を求め、求めた
水分量を規定値と比較し、絶縁油の劣化度を判定する。
劣化度の判定に際し、例えば第3図に示す油温度に対す
る許容水分量のデータフォーマットをメモリ16に予め記
憶しておき、このデータフォーマットに従って劣化度を
判定することができる。本例では、劣化度を正常、要注
意、異常の3段階で表示する。そして、処理装置14は、
判定結果を表示信号として表示装置17に出力する。この
処理装置14の一例としてデジタルCR発振方式を用いた場
合の処理回路を第4図に示す。この回路は水分センサ回
路部31、温度センサ調整機能用発振回路部32、マイコン
33、マイコン駆動用周辺回路部34及び水分レベル表示回
路部35から構成されている。
表示装置17は、本例では3個の色違いのLED素子を用
いて劣化度を表示する。すなわち、正常、要注意及び異
常の3個の状態に応じて各色のLED素子を発光させ、地
上の作業者に向けて劣化度を表示する。さらに、本例で
は、処理回路14及び表示装置17に、スイッチング回路18
を介して電源装置19を接続して駆動電力を供給する。ス
イッチング回路18は、作業者から投射される赤外線リモ
ートコントロール信号に応答して回路を導通させ又は非
導通とするスイッチング回路とする。また、電源装置19
はバックアップ電池19a付太陽電池19bを用い、長時間に
亘って電力供給可能なものとする。
第2図bに示すように、透明のポリカーボネート樹脂
等で形成された収納容器20に磁気シールド21を設け、こ
の磁気シールド21内に処理回路、メモリ、電源回路等を
装着した回路基板22、表示回路やスイッチング回路等を
装着した表示回路基板23及びバックアップ電池19aを収
納し、発生する磁界の影響を低減して誤作動の発生を防
止する。尚、磁気シールド21と収納容器20との間の磁気
シールド21内には防湿材及び防熱材を装着して湿度及び
温度による悪影響を防止することもできる。磁気シール
ド21の一方の面に、発光部が外部から見えるように3個
のLED素子17a,17b,17cを取り付ける。さらに、この部分
にリモートコントロール型のスイッチング回路18用の受
光素子18aを取り付け、この受光素子18aをスイッチング
回路18に接続する。このLED素子17a,17b,17cやリモート
コントロールスイッチング用の受光素子18aは、地上に
いる作業者と対面するように地面の法線に対して傾斜配
置する。このように表示パネルを傾斜配置することによ
り、作業者は表示パネルに向けて赤外線リモートコント
ロール信号を投射することにより装置を起動でき、わず
かな時間経過後に表示パネルに劣化度が表示されるか
ら、点検作業が極めて容易になる。さらに、磁気シール
ド21の反対上側の面に太陽電池19bが装着され、日照時
には太陽光を受光して充電できるようになっている。
この様な本発明の実施例によれば、センサ、処理回
路、表示装置及び電源装置及びこれらの間の配線を一体
の収納容器に収納したため電気機器の絶縁性能の低下を
起こすことがなく、また前記処理回路に磁気シールドを
ほどこしたので磁界の影響を受けず、これに伴うノイズ
が乗らず、誤作動がほとんどなく正確に絶縁材料の劣化
度を判定できる。また、電源と処理回路及び表示装置と
の間にリモートコントロール型のスイッチング回路を配
置したので、機器の絶縁性を損なうことなく定期的な点
検作業の時だけ装置を起動でき、装置の駆動電力が節約
され、より小さい電源装置を設けることですみ、装置の
コンパクト化が図れ、太陽電池と組み合わせることによ
り、絶縁材料の劣化度の表示を半永久的に行うことが可
能になる。
尚、本発明の実施例では絶縁油を絶縁材料とした場合
について説明したが、絶縁材料が六フッ化イオウ等の気
体の場合でも全く同様に適用でき、この気体中の水分を
検出することによりその劣化度を正確に判定できる。
〔発明の効果〕
以上説明した本発明は、機器内に収納されている絶縁
材料の劣化度を自動的に検出し、検出した劣化度を表示
パネル上に自動的に表示するよう構成したから、絶縁材
料の点検に際し、これを採取することなく外部から絶縁
材料の劣化度を看視でき、保守点検作業が一層容易にな
る。しかも、当該機器の運転を停止することなく点検作
業を行うことができるという格別の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の絶縁材料劣化診断装置の一例を変成器
に設置した構成を示す図、 第2図aは、この劣化診断装置の回路構成を示すブロッ
ク図、 第2図bは劣化診断装置の構造を示す断面図、 第2図cは表示パネルの構成を示す正面図、 第3図は油温度と許容油中水分との関係を示すグラフ、 第4図は処理回路の一例を示した回路図である。 1……計器用変成器本体、10……劣化診断装置 11……作業者、12……水分検出センサ 13……温度検出センサ、14……処理装置 17……表示装置、18……スイッチング回路 19……電源装置、20……収納容器 21……磁気シールド
フロントページの続き (72)発明者 木内 規博 東京都港区虎ノ門2丁目10番1号 日本 鉱業株式会社内 (72)発明者 森 悦紀 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 高井 勉 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 金子 宏 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−44341(JP,A) 特開 平2−87915(JP,A) 実開 昭61−104521(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/24 H01F 27/00 - 27/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁材料を収納する電気機器中の当該絶縁
    材料中の含有成分を検出するセンサと、 当該センサからの出力信号に基づき絶縁材料の劣化度を
    判定する処理回路と、 処理回路で求めた劣化度を表示する表示装置と、 処理回路及び表示装置を駆動するための電源装置とを具
    え、 前記センサ、処理回路、表示装置及び電源装置並びにこ
    れらの間の配線を一体の収納容器に収納し、少なくとも
    前記処理回路を磁気シールドしたことを特徴とする絶縁
    材料劣化診断装置。
  2. 【請求項2】前記電源装置にリモートコントロール型の
    スイッチング手段を設けて、外部信号により処理回路及
    び表示装置を駆動できる構成にしたことを特徴とする請
    求項1に記載の絶縁材料劣化診断装置。
  3. 【請求項3】前記絶縁材料を収納する電気機器が計器用
    変成器又は変圧器のブッシングであることを特徴とする
    請求項1に記載の絶縁材料劣化診断装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁材料劣化診断装置が絶縁材料を収
    納する電気機器に大地と絶縁状態で設置されるものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の絶縁材料劣化診断
    装置。
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