JP2877389B2 - 陽イオン性局所適用組成物 - Google Patents

陽イオン性局所適用組成物

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JP2877389B2 JP1295145A JP29514589A JP2877389B2 JP 2877389 B2 JP2877389 B2 JP 2877389B2 JP 1295145 A JP1295145 A JP 1295145A JP 29514589 A JP29514589 A JP 29514589A JP 2877389 B2 JP2877389 B2 JP 2877389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般に、局所用組成物に関する。さらに詳し
くは、本発明は、毛及び皮膚のごときケラチン性物質に
対する永続性(substantivity)を増加することにより
種々の局所適用活性成分の活性を永続させる陽イオン性
ポリマー供給系の製造に関する。
毛及び皮膚に対する局所適用物質の付着性は最初の吸
着性(adsorption)及び特に水に暴露される場合の保持
性(retention)の両方に影響を与える。吸着性及び保
持性の組合わされた特性は「永続性」(substantivit
y)と称する性質を構成し、この永続性は、ケラチンに
吸着されそして水洗による除去に抵抗する物質の能力と
して定義される。
理想的な局所適用材料はケラチン性物質に対する吸着
親和性を有し、長時間にわたり活性を維持し、発汗及び
その他の水との接触による洗浄除去に抵抗し、そして導
入しようとする他の成分と不都合な相互作用をしないも
のである。これらの目的のすべてを適切に満足させる局
所適用材料はまだ見出されていない。
今日の市場で入手可能な最もありふれた局所的に活性
な調製物の幾つかには、例えば、香気物質、化粧品、例
えば棒口紅、メイキャップ及びファウンデーションパウ
ダー;昆虫駆除剤;抗菌剤;座瘡治療剤;毛髪処理剤、
例えばコンディショナー及び育毛剤;皮膚保護剤、例え
ば老化防止剤;並びに紫外線吸収物質(サンクリーン)
が含まれる。これらの成分、物質又は剤は単独で、又は
相互に組み合わせて使用することができ、そして純粋な
形で適用することができ、あるいは適当な溶剤又はキャ
リャー中に稀釈することができる。
これらの局所適用活性物質についてしばしば観察され
る問題は皮膚に適用した後の活性の急速な喪失である。
はげしい発汗及び/又は水との接触の通常の条件下で、
局所適用組成物中での上記物質の濃度は稀釈されて有効
性が低下し、又は洗浄されてその有効性を喪失する。活
性を延長するための1つの方法は、製剤中の活性成分の
濃度を増加することである。しかしながら、濃度が増加
するに従って、使用者に対する毒性及びアレルギー反応
の危険も増加する。これらの反応は、製品への暴露が比
較的短時間の場合でも高濃度によりしばしば起こる。
この様な組成物投与の安全性とは関係ない第二の欠点
は、容易に洗浄除去されるこのような組成物を使用する
ためにコストが高いことである。例えば、太陽からの適
当なレベルの保護を維持するために、日光浴をしている
者は水に入った後及び発汗の後しばしば陽やけ止めしな
ければならない。
従って、局所適用活性組成物のケラチン性物質への吸
着親和性を増加し、そして使用者への毒性反応及び/又
はアレルギー反応の可能性を低下せしめながらこれらの
組成物の活性を延長するための手段を提供することが非
常に望まれている。
〔従来の技術〕
米国特許No.4,690,825は局所適用のために適当な非荷
電ポリマービーズ供給系を開示している。米国特許No.
4,304,563は、毛髪のごときケラチン性物質の処理のた
めのゲルとして有用な陽イオン性ポリマー(及びその製
造方法)を開示している。ヨーロッパ特許出願No.22561
5は、負に荷電した薬物の制御された経口供給のための
ポリスチレンスルホネート−ジビニルベンゼンコポリマ
ーから形成された陽イオン性ビーズの使用を開示してい
る。南アフリカ特許出願No.872554は、薬物の経口供給
をより適切にするためにある種の薬剤を含浸したスルホ
ン酸陽イオン交換樹脂粒子を開示している。米国特許N
o.3,691,270は、ポリビニルピリジンを含むアベオーラ
ー(aveolar)ポリマーから形成されたマイクロカプセ
ルを含んでなる皮膚用化粧組成物を開示している。米国
特許No.3,880,990は陰イオン性ポリマー中に封入された
薬物を含んで成る経口投与用組成物を開示している。米
国特許No.4,198,395は、経口投与による高コレステロー
ル血漿の治療のために有用な負に荷電したポリマー樹脂
材料を開示している。米国特許No.4,552,812は測定のた
めに有用な蛍光性及び磁気性陰イオンビーズの調製を開
示している。ヨーロッパ特許出願No.060,138は香料のご
とき液体を吸収しそのための貯蔵器として機能すること
ができる多孔性コポリマーブロックの調製を開示してい
る。ヨーロッパ特許出願No.143,608は、放出性親脂性化
合物を中に保持したポリマービーズ組成物を開示してい
る。英国特許No.1,482,663は、水溶性薬物を保持するこ
とができるポリマービーズ組成物を記載している。スチ
レン−ジビニルベンゼンコポリマーを包含する陽イオン
性ポリマーイオン交換樹脂が、Interaction Chemicals,
Inc.マウンテンビュー,カリホルニア94043;Reilly Tar
& Chemical Corp.,インディアナポリス,インディア
ナ,46204から市販されている。皮膚及び毛に吸着する陽
イオン性物質の能力がGoddard(1987)Cosmetics & To
iletries 102:71−80に記載されている。
〔発明の概要〕
本発明は、陽イオン性ポリマービーズ供給系に局所適
用活性物質を導入して新規な局所用組成物を形成するこ
とに関する。皮膚又は毛にビーズが適用された場合、該
ポリマービーズの表面に付与された陽イオン官能基が局
所適用活性物質の永続性(substantivity)を増強する
ことが見出された。本発明の陽イオンポリマー供給系
は、皮膚、毛及び他の生物学的分子に対する親和性を示
すケラチン親和性組成物である。この陽イオン性ポリマ
ービーズ供給系は、ビーズ表面上の陽イオン性官能基、
通常は正に荷電したピリジン及び四級アンモニウム基に
より特徴付けられる。このビーズは、多量の局所適用活
性物質を形成することができる孔ネットワークを形成す
る。この陽イオン性ビーズは孔非破壊性(non−collaps
ible)であり、小直径を有し、比較的大きな孔を有し、
そして孔体積対ビーズ体積の比較的高い比率を有する。
その中に活性成分が導入されている陽イオン性ポリマ
ービーズ供給系は、それ自体局所用製剤として使用する
ことができ、又はさらにキャリャー組成物又は他の化粧
品に導入することができる。単独で使用される場合、局
所適用活性成分が導入された陽イオン性ポリマー供給系
は乾燥したさらさらした製品であって、皮膚に直接こす
り付けることができ、これにより局所適用活性成分の長
時間にわたる制御された放出が得られる。陽イオン性ポ
リマー供給系が他のキャリャー、ビヒクル、溶剤又は化
粧調製物に導入される一層有用な状況においては、この
供給系の使用が、不適合性、すなわち、活性成分と局所
適用調製物中の他の成分との間、活性物質とキャリャ
ー、ビヒクル又は溶剤との間に存在するかもしれない典
型的には化学的又は物理的相互作用を回避する。
本質的に、あらゆる生理的に許容される溶剤又は媒体
をキャリャーとして使用することができる。しかしなが
ら、陽イオン性ビーズ表面上の陽イオン性官能基を保存
するため、キャリャーは少なくともわずかに酸性である
べきであり、そして好ましくはpHが約5未満であるべき
であり、そして最も好ましくは約3〜4の範囲である。
pHを注目の範囲に維持するため、キャリャーに生理的に
許容される緩衝液を導入するのがしばしば好ましい。
陽イオン性ポリマービーズ供給系はポロゲン(poroge
n)を含む非混和相中での適当なモノマーの懸濁重合に
より形成することができ、このポリマーの少なくとも幾
つかは使用の条件下で陽性荷電を有することができる官
能基を含むものである。一般に、モノマー及びポロゲン
をまず一緒に混合し、そして次に、生ずる混合物を非混
和性相、通常は水性相、に懸濁する。次に、非混和性相
を撹拌してモノマー混合物の滴を形成し、そしてモノマ
ー混合物の重合を開始して目的とするビーズを形成せし
める。陽イオン性(すなわち、陽イオン官能性)は、表
面官能基、例えば、ピリジン又は四級アンモニウム基中
の四級窒素を酸性媒体によりプロトン化(protonate)
〔又は四級化(quaternize)〕することにより得ること
ができる。このようなプロトン化は、条件及び導入しよ
うとする特定の成分の化学的性質に依存して、活性成分
を封入する前又は後に行うことができる。
便利には、活性物質の実質的な分解が存在せずそして
該物質が適当であれば、一段階法において局所活性物質
をポロゲンとして使用することができる。あるいは、よ
り感受性の成分(特に、熱又は照射に対して感受性のも
の)については、二段階法により本発明の組成物を形成
することができる。この方法においては、置換ポロゲ
ン、例えばアルカン、シクロアルカン又は芳香族溶剤を
用いてポリマービーズをあらかじめ形成することができ
る。前記のようにしてビーズを形成し、そして得られた
ビーズから置換ポロゲンを抽出する。次に、所望の活性
物質を、典型的には接触吸収によりビーズに導入するこ
とにより目的の生成物を形成することができる。やは
り、局所適用物質を供給系に封入する前又は後にポリマ
ービーズをプロトン化することができる。この様二段製
造法は、感受性物質の導入を可能にすることに加えて、
反応条件下でのポロゲン物質の一層広範な選択に基いて
ビーズの製造を一層大きく調節することができ、そして
それ故に、感受性の低い物質のためにも好ましい製造法
である。
増強された永続性(substantivity)に加えて、本発
明の陽イオン性ポリマービーズ供給系に導入される活性
物質は、非−陽イオン性ポリマービーズ供給系における
成分の類似の濃度に比べて、増強された有効性をもたら
すことが見出された。例えば、陽イオン性ポリマービー
ズを含んで成る系に導入された陽焼け止め剤は、非−陽
イオン性ポリマービーズ供給系を含んで成る他の点では
同じ調製物に比べて、増強されたSPF(太陽保護係数)
を有する。
〔具体的な態様の記載〕
本発明に関して使用されるビーズ又はマイクロスフェ
アー(microsphere)は硬質で、開放孔を有し、化学的
及び生物学的に不活性な粒子であり、表面に与えられた
陽性荷電及び毛細管力により孔の内側に保持された含浸
物を有し、ここで該含浸物は局所適用活性物質でありそ
して該荷電はヒトの皮膚及び毛のごときケラチン性物質
への粒子の吸着を促進するために十分なものである。孔
は相互連結されており、そして粒子表面に開いており、
このため、内部孔空間と粒子の外側との間に実質的に十
分な連結が提供され、このためビーズが使用者の皮膚又
は毛に適用された後長時間にわたり放出され得る。
本発明のポリマービーズの陽イオン性は、重合される
モノマーの少なくとも幾つかに存在するプロトン化され
得る官能基に基く。本発明にとって特に興味ある官能基
にはピリジン及びアンモニウムの両者が包含され、それ
ぞれ局所用組成物の使用の条件下で陽性荷電を有するこ
とができる四級窒素を有する。本発明のビーズは、約0.
1〜10ミリ当量/グラム(meq/g)、通常は約0.2〜9meq/
g、さらに一般的には約0.5〜5meq/g、そして好ましくは
約0.5〜3.5meq/gの水中水素イオン容量(capacity for
hydrogen in water)を有する。
最も便利な形態において、好ましい製造方法として懸
濁重合を用いるので、粒子は一般に球形である。このよ
うなマイクロスフェアーはサイズを大きく異にするが、
直径約5〜約100ミクロン、好ましくは約10〜約40ミク
ロンの範囲に入るものが最良の結果を与える。このよう
なサイズ範囲のマイクロスフェアーは、なめらかな膚触
りを与えることにより美的観点から好ましい。
スフェアー中の孔直径は広範囲に異ることができ、最
適寸法は使用されるポリマーの化学的特性及び含浸物の
拡散特性に依存する。全体製剤の最も望ましい性質を得
るために、異る系は孔容量分布の異る最適範囲を要求す
る。しかしながら一般に、約0.01〜約4.0cc/g、好まし
くは約0.1〜約2.00cc/gの範囲の合計孔容量、約1〜約5
00m2/g、好ましくは約20〜約200m2/gの表面積、及び約
0.001〜約3.0ミクロン、好ましくは約0.003〜約1.0ミク
ロンの範囲の平均孔直径により最良の結果が得られる。
孔サイズの測定及び表現の常法に従って、孔直径はB.E.
T.窒素分析〔Brunaer等(1938)J.Am.Chem.Soc.60:309
−316〕による表面積の測定から、及び水銀挿入法によ
る孔容積の測定から計算される。
粒子は、液−液系での懸濁重合法によりマイクロスフ
ェアーとして便利に形成される。一般に、所望のモノマ
ー、重合触媒(使用する場合)、及び不活性流体(ポロ
ゲン)を含有する溶液を第一液相として形成し、ここで
該ポロゲンは該第一液相と混和性であるが第二液相とは
非混和性である。次にこの溶液を、該第一液相とは非混
和性の第二液相中に懸濁する。有機溶剤可溶性モノマ
ー、例えばビニルピリジン及びその誘導体の場合、第一
液相は通常、モノマーを溶解することができるが水とは
不混和性である有機溶剤であり、そして第二液相は水で
ある。水溶性モノマーの場合、四級化されたアクリレー
ト又はメタクリレート誘導体の場合、第一液相は水性で
あり、他方第二液相は疎水性有機溶剤であろう。
所望のサイズの独立した滴を有する懸濁液が達成され
た後、重合を行う(典型的には、上昇した温度又は照射
により反応体を活性化することによる)。重合が完了し
た後、生ずる液体ビーズを懸濁液から回収する。ビーズ
は、この時点で実質的に硬質の孔構造を有し、ポリマー
が不活性流体の周囲に形成されており、これによって孔
ネットワークが形成されている。従ってこの流体はポロ
ゲン又は孔形成剤として役立ち、そして形成されたビー
ズの孔を占める。適当なポロゲン流体は後でさらに詳細
に記載する。
ある種の含浸物はポロゲンとして機能をすることがで
き、そしてすでに記載したように、前記のプロトン化段
階の前又は後において本発明の孔ネットワーク内に封入
され得る。含浸物の選択における必須の因子はその荷電
である。すなわち、陽イオン官能性を保存するため、含
浸物は実質的に中性でなければならない。わずかに陰性
又は陽性の物質を使用することができるが、しかしなが
らこれらの封入がビーズの表面荷電を中和してはなら
ず、又はそれに影響を与えてはならない。
このように選択された含浸物がポロゲンとして作用す
る場合、重合の直後に懸濁液から回収された細孔ビーズ
は、表面水分の除去及びプロトン化を含むさらなる処理
段階の後、そのまま使用できる。これらの場合において
は、マイクロスフェアーの形成及び含浸物の導入は単一
段階として行われる。従って、これを一段階法と称する
ことができる。ポロゲンとして役立ち得る含浸物は、次
の基準を満たす液体含浸物であろう。
1)これらはモノマー混合物に対して完全に混和性であ
るか、又は第二液相と混和しない少量の溶剤の添加によ
り十分に混和性となることができる; 2)これらは第二液相に対して非混和性である(又は混
和性であるとしてもわずかである); 3)これらはモノマーに対して不活性であり、そしてい
ずれの重合触媒と接触した場合も、及び誘合を誘導する
のに必要ないずれの条件(例えば温度及び照射)にさら
された場合にも安定である; 4)これらは通常液体であるか、又は重合温度より低い
融点を有する。固体は溶剤に溶解することにより又は共
有混合物を形成することにより、しばしば液体形に転換
され得る;そして 5)これらはその荷電に関して中性である(あるいは、
わずかに陰性又は陽性であるに過ぎない)。
この方法を用いる場合、窒素のごとき不活性雰囲気下
で工程が実施されなければならない。重合触媒を使用す
る場合、含浸物が酸化に対して感受性の場合には、含浸
物を酸化しないものでなければならない。アゾ触媒がこ
の様な触媒の例である。さらに、重合温度は穏和な範囲
に保持されなければならない。
一段階法に代るものとして、実質的に中性の含浸物を
あらかじめ形成された乾燥孔ポリマービーズの孔に入れ
ることができる。すなわち、生成物は逐次行われる二段
階で調製され、この場合、まず重合を置換ポロゲンを用
いて行い、次にこのポロゲンを除去しそして目的の活性
成分により置換する。従って、この二段階法においては
ポロゲンと活性成分とは別の成分である。置換ポロゲン
として適当な物質は、ポロゲン含浸物について上に列挙
した5つの基準に合致する物質である。
置換ポロゲンとして適当なこれらの物質の中で、炭化
水素類、特に不活性な非極性有機溶剤が好ましい。最も
便利な例の幾つかはアルカン、シクロアルカン及び芳香
族類である。この様な溶剤の例として、直鎖又は分岐鎖
の炭素原子数5〜12個のアルカン、炭素原子数5〜8個
のシクロアルカン、ベンゼン、トルエンのごときアルキ
ル置換ベンゼン、及びキシレン類が挙げられる。他のタ
イプのポロゲンにはC4〜C20アルコール、パーフルオロ
ポリエーテル及び油が含まれる。ポロゲンの除去は溶剤
抽出、蒸発又は類似の常用の操作により行うことができ
る。
この二段階法を用いる更なる利点は、これが、含浸物
の導入に先立って重合製造中に生成する不所望種の除去
を可能にすることである。不所望種の例には不所望のモ
ノマー、残留結晶、並びにスフェアーの表面に残る界面
活性剤及び/又は分散剤が含まれる。この技法の更なる
利点は、最終ビーズの孔特性を調節する手段としてポロ
ゲンの量及びタイプを選択することを可能にすることで
ある。従って、もはや、含浸物がビーズ自体の構造に影
響を与えることによる含浸物の制約に拘束されない。こ
のことは、孔を全体的にではなく部分的に含浸物で満た
すこと、及び膨潤性ポロゲンと非膨潤性ポロゲンとの間
での選択による孔サイズ及び分布のさらなる調節を可能
にする。
二段階法におけるポロゲンの抽出及びその含浸物によ
る置換(すなわち、乾燥ビーズの含浸)は、存在する他
の種との組合せにおけるポロゲンの挙動及びその化学的
性質に依存して種々の方法で行うことができる。ビーズ
をまず、濾過により、好ましくは真空濾過装置(例えば
ブフナー漏斗)を用いて回収する。次に、ビーズを適当
な溶剤により洗浄してポリマーに結合していない有機
種、例えばビーズ表面に付着している界面活性剤、水
相、未反応のモノマー、及び残留触媒、並びにポロゲン
それ自体を除去する。この様な溶剤の例として単独での
又は水溶液としてのイソプロパノールが挙げられる。洗
浄が完了した後、溶剤自体を乾燥により、例えば真空中
で除去する。
他の場合には、他の抽出方法を用いることができる。
すなわち、ポロゲン、未反応モノマー及び水が共沸混合
物を形成する場合である。これらの場合、水蒸気蒸留が
ビーズからポロゲンを抽出するための好ましい方法であ
る。やはり、この次に真空乾燥を行う。
ポロゲンがすでにプロトン化されているか又は封入の
後にプロトン化を行う(後で詳細に記載するように)と
仮定して、ビーズを乾燥しそして置換ポロゲン及びすべ
ての不所望の有機物質を除去した後、これらを本発明に
従って含浸物により含浸する。最も便利な方法は接触吸
収である。固体活性成分をまず溶剤に溶解し、そして生
ずる溶液をビーズに吸収させる。この溶剤は最終製品中
に維持することができ、又は蒸発もしくは他の溶剤を用
いての抽出のごとき常用手段により除去することができ
る。特定の溶剤中での限定された溶解性を有する固体含
浸物については、吸収とそれに続く溶剤の除去の反復に
より最終ビーズ中の高含量を達成することができる。
孔特性、並びにその結果としての最終製品の容量及び
放出特性を制御する手段として、重合方法並びに重合に
関与する種々のパラメーター及び工程条件を選択するこ
とができる。例えば、架橋手段、架橋剤の量及びタイ
プ、並びにポロゲンの量及びタイプの適切な選択はこの
ような制御の手段である。温度、使用する場合には照射
の程度、撹拌の程度、及び重合反応の速度に影響を与え
る他の因子を含むある種の重合条件もその様な趣旨で変
えることができる。
ポリマーの形成における架橋は孔サイズの調節のため
の主たる手段である。本発明の架橋されたポリマービー
ズを製造するために重合し得るモノマーには、ポリエチ
レン性不飽和モノマー、すなわち2部位以上の不飽和を
有するもの、及び1種又は複数種のポリエチレン性不飽
和モノマーと組合わされたモノエチレン性不飽和モノマ
ーが含まれる。後者の場合、架橋剤の比率(%)はモノ
エチレン性不飽和モノマーとポリエチレン性不飽和モノ
マーとの相対量を均衡させることにより調節することが
できる。通常、この様な系は単一のモノエチレン性不飽
和モノマー及び単一のポリエチレン性不飽和モノマーを
含むが、所望により、この系にいずれかのタイプの追加
の適合性モノマーを添加することもできる。このような
ポリマー系の製造の検討のため、Guyot及びBartholin,B
erign and Properties of Polymers as Material for F
ine Chemistry,Prog.Polym.編、(1982),Vol.8,303−3
07を参照のこと。
ポリマー供給系のモノエチレン性不飽和モノマー成分
の部分として使用することができるモノエチレン性不飽
和モノマーにはエチレン、プロピレン、イソブチレン、
ジイソブチレン、スチレン、エチルビニルベンゼン、塩
化ビニルベンゼン、ビニルピリジン及びその誘導体、ビ
ニルトルエン、及びジシクロペンタジエン;アクリル酸
及びメタクリル酸のエステル、例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、エチルヘキシ
ル、デシル、ドデシル、シクロヘキシル、イソボルニ
ル、フェニル、ベンジル、アルキルフェニル、エトキシ
メチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキ
シメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、エ
トキシフェニル、エトキシベンジル及びエトキシシクロ
ヘキシル各エステル;ビニルエステル、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル及びラウリル酸ビ
ニル;ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニ
ルエチルケトン、ビニルイソプロピルケトン及びメチル
イソプロピルケトン;ビニルエーテル、例えばビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピル
エーテル及びビニルイソプロピルエーテル;シリコン及
び他の金属を含むビニル化合物、例えばビニルシロキサ
ン、等が含まれる。さらに、通常唯一の不飽和基を有す
るごとく機能するポリエチレン性不飽和モノマー、例え
ばイソプレン、ブタジエン及びクロロプレンをモノエチ
レン性不飽和モノマー成分の部分として使用することも
できる。
ポリマービーズの製造のために適当なポリエチレン性
不飽和架橋モノマーには、ジアリルフタレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、ジビニルスルホン;エチレングリコールの、グリ
セロールの、ペンタエリスリトールの、ジエチレングリ
コールの、グリコールのモノチオ−及びジチオ誘導体
の、及びレゾルシノールの、ポリビニルエーテル及びポ
リアリルエーテル;ジビニルケトン、ジビニルスルフィ
ド、アクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸
ジアリル、コハク酸ジアリル、炭酸ジアリル、マロン酸
ジアリル、蓚酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、セバシ
ン酸ジアリル、セバシン酸ジビニル、酒石酸ジアリル、
珪酸ジアリル、トリカルバリル酸トリアリル、アコニッ
ト酸トリアリル、クエン酸トリアリル、リン酸トリアリ
ル、ジビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニ
ルベンゼン;1〜2個の炭素原子のアルキル基1〜4個を
ベンゼン核上の置換基として有するアルキルジビニルベ
ンゼン;炭素原子数1〜2個のアルキル基1〜3個をベ
ンゼン核上の置換基として有するアルキルトリビニルベ
ンゼン;トリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセ
ン、並びに水溶性アクリレート及びメタクリレート(特
に後に記載する)等が含まれる。
モノマー成分の少なくとも部分は、使用の条件下で陽
性荷電を保持することができるプロトン化可能な(prot
onatable)官能基を含むであろう。このようなプロトン
化可能な官能基は、モノエチレン性不飽和モノマー、ポ
リエチレン性不飽和モノマー、又はこの両者に存在する
ことができ、適当な官能基にはピリジン及びアンモニウ
ムが含まれる。モノマーの例には、ビニルピリジン類、
例えば2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、3−
メチル−2−ビニルピリジン、4−メチル−2−ビニル
ピリジン、6−メチル−2−ビニルピリジン、3−エチ
ル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリ
ジン、2−メチル−3−ビニルピリジン、2−メチル−
4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジ
ン、及び2−メチル−5−ビニルピリジン、並びに水溶
性アクリレート及びメタクリレート、例えばメタクリル
アミドプロピルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム
・アセテート、メタクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウム・クロリド、並びにジメチルアミノエチルメ
タクリレートと硫酸ジメチル、ジエチルアミノエチルア
クリレートと硫酸ジメチル、ビニルベンジルクロリドと
ジビニルベンゼン、及びビニルベンジルとエチレングリ
コールジメチルアクリレートとの各四級化生成物が含ま
れる。
水溶性アクリレート及びメタクリレートモノマーを使
用する場合、使用されるすべてのモノマーが水溶性であ
ることが望ましい。適当なポリエチレン性不飽和モノマ
ー(架橋のために必要とされる)には、N,N′−メチレ
ンビスアクリルアミド;N,N′−ノナメチレンビスアクリ
ルアミド、及びアルコキシル化水溶性トリアクリレート
が含まれる。水溶性四級化モノマーのためには、前記の
逆懸濁重合法が使用されよう。水溶性四級化モノマーか
ら製造されたマイクロスフェアーは一般に、極性(水及
びアルコール)可溶性物質、例えばハイドロキノン、サ
リチル酸メチル、昆虫駆除剤(アルコール中)、陽焼け
止め(アルコール中)等を吸収するために有用な非−硬
質ハイドロゲルである。
本発明の好ましいポリマービーズは、ポロゲン及び最
終的に組成物中に導入される活性含浸物と相互作用しな
いであろう。特に、ビーズは反応性アミノ、ヒドロキシ
ル、カルボン酸及び他の反応性官能基を有すべきでな
い。このようなビーズは不所望の反応を容易に受けず、
約1〜約14のpH範囲において安定であり、穏和な酸化及
び還元に対して抵抗し、約90℃以下の温度範囲において
安定であり、湿気による攻撃に対して抵抗し、そして比
較的長い商品寿命を有するであろう。
本発明の好ましいポリマー供給系は、4−ビニルピリ
ジンとエチレングリコールジメチルアクリレート、4−
ビニルピリジンとジビニルベンゼン、2−ジビニルピリ
ジンとジビニルベンゼン、2−ビニルピリジンとエチレ
ングリコールジメタクリレート、エチルメチルビニルピ
リジンとジビニルベンゼン、並びにエチルメチルビニル
ピリジンとエチレングリコールジメタクリレートの共重
合により形成される。これらの系の内、4−ビニルピリ
ジンとジビニルベンゼンが特に好ましく、4−ビニルピ
リジンとエチレングリコールジメタクリレートとのコポ
リマーが特に好ましい。
本発明のポリマービーズは、10%より多くの架橋、好
ましくは約10%〜約80%の架橋、そして最も好ましくは
約20%〜約60%の架橋を有するであろう。架橋の%は、
当業者の間で、ポリエチレン性不飽和モノマーの重量
を、ポリエチレン性不飽和モノマー及びモノエチレン性
不飽和モノマーの両者を含むモノマーの合計重量で除し
たものとして定義される。通常、モノエチレン性不飽和
モノマーはモノマー混合物の約20%〜80%、好ましくは
40%で存在し、ポリエチレン性不飽和モノマーが混合物
の残りの部分を占める。
ポリマービーズのプロトン化は、目的の含浸物を孔ネ
ットワークに封入する前又は後に行うことができる。本
発明の陽イオン性ビーズを得る1つの方法は、例えば、
懸濁液から回収したビーズを酸性媒体によりプロトン化
することである。特に、本発明のビーズの表面に陽性荷
電を得るため、酸洗浄、例えば3%の塩酸水溶液による
洗浄を、重合工程からビーズを回収した後に行う。約1
〜約4のpH、しかし好ましくはpH3の第二塩酸溶液によ
り過剰の酸を除去する。
あるいは、0.1Nフタル酸水素カリウム、0.1NHCl及び
脱イオン水を含んで成るpH3の緩衝化洗浄溶液により本
発明のビーズをプロトン化することができる。この緩衝
化された塩溶液の使用は過剰の酸の除去を必要とせず、
むしろこうして処理されたビーズは直接濾過しそして乾
燥する。
マイクロスフェアーを形成しそして乾燥させた後、こ
れらを接触吸収により含浸物により含浸することができ
る(この工程はプロトン化の前又は後に行うことができ
る)。あるいは、粘度を低下せしめて吸収を促進し、効
力を低下せしめる等の目的で、含浸物を適当な有機溶剤
中の溶液の形で使用することができる。この様な溶剤の
例として、液体ペトロラタム、エーテル、石油エーテ
ル、アルコール、例えばメタノール、エタノール及び高
級アルコール、芳香族化合物、例えばベンゼン及びトル
エン、アルカン、例えばペンタン、ヘキサン及びヘプタ
ン、ケトン、例えばアセトン及びメチルエチルケトン、
塩素化炭化水素、例えばクロロホルム、四級化炭素、塩
化メチレン及び二塩化エチレン、酢酸エステル、例えば
酢酸エチル、及び油、例えばミリスチン酸イソプロピ
ル、アジピン酸ジイソプロピル及び鉱油が挙げられる。
溶液の吸収の後、溶剤を蒸発せしめることができ、又は
所望により含浸物と共に孔内に残すことができる。他の
配合材料、例えばキャリャー又は助剤、例えば香料、防
腐剤、酸化防止剤、及び他の緩和剤(emollient)も存
在せしめることができ、そして含浸物及び存在する他の
材料と共にビーズ中又はビーズ上に導入することができ
る。
本発明の陽イオン性ポリマービーズ供給系に導入され
る物質は、目的の効果を達成するために組み合わせて、
又は個々に使用することができる。含浸物は、それが純
粋な活性物質、混合物質の混合物又は活性物質の溶液の
いずれであっても、一般に、含浸されたビーズの合計重
量の約5%〜約65%を占めるであろう。活性物質が特に
強力な場合、それは一般に稀釈された形であることがで
きそして活性含浸物それ自体の重量%は、含浸されたビ
ーズの全重量に対して0.01%と低いことができる。
適当な含浸物は局所適用しようとする広範囲の種類の
活性物質を包含し、これには化粧、医薬及び他の用途が
含まれる。特定の物質には紫外線吸収物質(陽焼止
め)、ステロイド、昆虫駆除剤、レチノン酸(retinoic
acid)、香料、ミノキシジル(minoxidie)、緩和剤
(emollient)等が含まれる。ポリマービーズ供給系に
この様な物質を導入するための特定の方法は継続中の米
国特許出願No.091,647及びNo.112,971に教示されてお
り、これらの記載を引例により本明細書に組み入れる。
前記の一段階法又は二段階法により局所用組成物を調
製した後、それを単独で使用することができ、あるいは
少なくともわずかに酸性のpH、好ましくは約pH6以下、
さらに好ましくは約3〜4の範囲のpHを有するキャリャ
ーもしくはビヒクル又は実質的にすべてのタイプの生成
物(それらがビーズ表面上の表面荷電を中和することが
できない限りにおいて)に導入することができる。組成
物は、乾燥粉末であるそれを単に皮膚に適用することに
より使用することができる。
本発明の含浸されたビーズはまた、ゲル、クリーム、
ローション、軟こう、スプレー、粉末、油、スティック
等を含む皮膚の処置のために一般に使用されるタイプの
流体又は固体の組成物又は調製物中に導入することがで
きる。特定の適用領域又は方法のために適当なビヒクル
は当業者にとって容易に明らかであろう。例えば、本発
明の組成物、特にUV吸収性組成物は化粧性又は陽焼防止
特性を付与するために他の生成物に導入されよう。例え
ば、本発明のUV吸収組成物は、最終生成物の高い吸着性
及び撥水性が望まれるメイキャップファウンデーショ
ン、日焼け調製物と組合わせるために容易に適合させる
ことができる。
一般に、本発明の組成物及び調製物はケラチン性材
料、特にヒトの皮膚又は毛(髪毛をふくむ)への局所適
用により用いることができる。個々のポリマー粒子上の
陽イオン性表面荷電が皮膚又は毛への組成物の付着を促
進し、適用されるべき活性物質の持続性を増強する。
次に、種々の具体的なタイプの含浸物並びに調製物及
び用途の例を記載する。しかし、これにより本発明の範
囲を限定するものではない。すべての部及び%は特にこ
とわらない限り重量による。
例1. この例は、本発明の4−ビニルピリジン/エチレング
リコールジメタクリレートポリマービーズの製造を例示
する。この方法は次の通りである。
モーター撹拌機、還流凝縮器、温度計及び窒素入口を
装備した1000mlの四口反応フラスコを秤量し、そして窒
素でパージする。300部の脱イオン水、2.5部のアラビア
ガム及び2.5部のリグノスルホン酸〔商標Marasperse N
−22(Reed Lignin)〕を反応フラスコに加えた。混合
物を撹拌しながら約50℃の油浴中で、分散体(アラビア
ガム及びMarasperse N−22)が溶解して水性相を形成す
るまで加熱した。
この混合物に、40部の4−ビニルピリジン、60部のエ
チレングリコールジメタクリレート、0.80部の過酸化ベ
ンゾイル(70%の活性成分及び30%の水)及び50部のト
ルエン(ポロゲン)の溶液を加えた。水性相及び有機溶
液を、分散剤により滴を安定化して光学顕微鏡により滴
のサンプルを視覚観察して決定する場合に5〜100ミク
ロンの範囲の滴直径を有する多数の滴を与えるように調
製された速度(約900rpm)で撹拌した。
次に、反応混合物を60℃〜65℃に20分間加熱し、そし
て加熱をさらに8時間74℃〜76℃で続けて、孔のネット
ワーク内にトルエンを封入している架橋された4−ビニ
ルピリジン/エチレングリコールジメタクリレートの孔
ビーズを形成した。次に、反応混合物を室温に冷却し、
そして有孔ポリマービーズを反応フラスコから濾過によ
り取り出した。濾取したビーズを最初に2回1づつの
脱イオン水で洗浄して分散剤を除去し、次に1づつの
イソプロパノールで2回洗浄してすべての残留未反応モ
ノマー及びトルエンを除去した。次に、ビーズをオーブ
ンで80℃〜90℃に約8時間乾燥した。
87.0gの不透明なビーズが得られた。これらのビーズ
の平均粒子直径はSedimentation Micromeritics Instru
ment Co.により測定した場合25ミクロンであった。粒子
直径の決定法はMicrosizer 5300 Particle Size Analyz
er Instrument Manual(1984)に詳細に記載されてい
る。
精製されたビーズのサンプルの表面積はB.E.T.Nitrog
en Analysis法により11.05m2/gであると決定され、孔容
量は水銀押込法により0.14ml/gであると決定された。
例2. この例は、例1の4−ビニルピリジン/エチレングリ
コールジメチルアクリレートポリマービーズのプロトン
化を例示する。
1000mlのフラスコに、例1からのあらかじめ形成され
た孔ビーズ80.0g及び300mlの3%塩酸水溶液を加えた。
スラリーを3時間撹拌した後、有孔ポリマー陽イオン
性ビーズを濾過しそしてpH3の稀塩酸により洗浄してポ
リマービーズから過剰の3%酸溶液を除去した。次に、
ビーズを75℃のオーブン中で8〜10時間乾燥した。水中
の水素イオン容量(H+)は0.78meq/gであった。
例3. この例は4−ビニルピリジン/ジビニルベンゼンポリ
マービーズの製造及び脱保護を例示する。次の方法を用
いた。
反応装置は例1に記載した通りであった。反応フラス
コに600部の脱イオン水、6.0部のアラビアガム及び6.0
部のMarasperse N−22を加えた。すべての固体が溶解す
るまで水溶液を室温にて撹拌した。
このフラスコに、35部の4−ビニルピリジン、65部の
ジビニルベンゼン(55%のジビニルベンゼン、45%のエ
チルビニルベンゼン)、100部のイソブタノール、及び
1.0部の2,2′−アゾビス(2−メチルブタンニトリル
(デュポン社からVAZO67として得られる)を含有する有
機溶液を添加した。反応混合物を約1300rpmで、例1の
ように滴が形成されるまで撹拌した。次に、反応混合物
を75℃に加熱し、この温度で撹拌を800rpmに下げた。こ
の温度で8時間反応を続けた。
不透明な有孔ビーズを濾過により集め、500mlづつの
脱イオン水により3回洗浄した。ビーズを500mlの0.1N
HCl溶液中で30分間撹拌することによりプロトン化を行
った。ビーズを濾取し、そしてpH3の稀塩酸溶液で洗浄
して過剰の酸を除去した。残留モノマー及びポロゲンを
例1のようにして除去した。ビーズを80℃〜90℃のオー
ブン中で約8時間乾燥した後乾燥粉末を得た。収量は93
gであった。平均粒子直径、表面積、及び孔容積はそれ
ぞれ36ミクロン、2.21m2/g、及び0.073ml/gであった。
例4. この例は、本発明のポリマービーズを緩衝化洗浄液を
用いてプロトン化するための他の方法を記載する。この
方法は次の通りである。
1000mlのビーカーに100gの例1からのあらかじめ形成
された有孔ビーズ、250mlのpH3.0の緩衝液(500部の0.1
Nフタル酸水素ナトリウム及び223部の0.1N HClから成
る)、及び250mlの脱イオン水を加えた。この混合物を3
0分間撹拌し、次に濾過した。この四級化されたビーズ
を80℃〜90℃のオーブン中で6〜10時間乾燥した。
例5. この例は、ポロゲンとしてキシレンを使用する4−ビ
ニルピリジン/エチレングリコールジメタクリレートビ
ーズの製造を例示する。この方法は次の通りである。
1000mlの反応フラスコに例1に記載した水性分散体を
仕込んだ。有機溶液を例1のようにして調製したが、ポ
ロゲンとしてトルエンではなく50部のキシレン(オル
ト、メタ及びパラ異性体の混合物)を使用た。反応混合
物を1300rpmにて、滴のサイズが10〜60ミクロンになる
まで撹拌した。次に、反応混合物を65℃に加熱し、そし
てこの温度で20分間保持した。撹拌を800rpmに下げ、そ
して反応混合物を75℃に加熱した。反応をこの温度で8
時間続けた。
有孔ビーズを濾過により集め、そして500mlの脱イオ
ン水ですすいだ。次に、例4に記載したようにしてpH3.
0の緩衝液にてビーズを四級化した。ビーズを3回500ml
づつのアセトンですすぐことにより残留モノマー及びポ
ロゲンを除去した。80℃〜90℃のオーブン中で約8時間
乾燥した後、61gのビーズを得た。平均粒子直径、表面
積、及び孔容積はそれぞれ22.5ミクロン、3.03m2/g及び
0.68ml/gであった。
例6. この例は、例2の陽イオン性ビーズにおける紫外線吸
収物質(日焼止め)の置換を例示する。方法は次の通り
である。
例2から得られた18.0部の有孔陽イオン性ポリマービ
ーズを室温にて、撹拌機を有するガラスフラスコ中で3.
0部のイソプロパノールと混合した。次に、7部のオク
チルジメチルPABA及び2部のオキシベンゾン(Oxybenzo
ne)を含有する日焼け止め12.0部を徐々に加えた。生ず
る懸濁液を約20分間撹拌した。次に、ヒュームフード中
室温にて24時間溶剤を蒸発せしめて乾固した。約40%日
焼け止め混合物を陽イオン性ポリマービーズの孔内に封
入した。
例7. 4−ビニルピリジン/エチレングリコールジメタクリ
レート(4−VP/EGDMA)コポリマービーズのヒトの皮膚
への付着を2人の対象において検討した。例1及び例2
に記載したようにして非プロトン化4−VP/EGDMA及びプ
ロトン化4−VP/EGDMAビーズを調製し、そして油溶性染
料(Oil Red EGN)を負荷した。色素をビーズの小サン
プルから抽出し、そして負荷の%〔(色素の重量/色素
+ビーズの重量)×100〕を分光測定法により測定し
た。非プロトン化ビーズは0.9%の負荷を有し、そして
プロトン化ビーズは1.0%の負荷を有することが見出さ
れた。
各ビーズ調製物(各手に1つのポリマー)の測定され
た量を、6.14cm2の面積にわたる対象者の前腕の標され
た領域に適用した。次に、腕を5秒間水に浸たし、そし
て取り出した。このサイクルを5回繰り返し(浸漬と浸
漬の間に手を乾かさなかった)、そして皮膚上に残った
ポリマーを、界面活性剤溶液で洗浄することにより洗浄
した。色素を抽出し、そしてそれを分光測定法を用いて
定量しそして抽出された色素の量をポリマーの量と関連
付けることにより、残留ビーズの量を決定した。この結
果を第1表に示す。
この結果は、非プロトン化ポリマーに比べてプロトン
化されたポリマーが皮膚上により多く残留したことを示
している。
以上具体的に本発明を説明したが、これによって本発
明の範囲が限定されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/19 A61K 31/19 31/56 31/56 (72)発明者 マーティン カズ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94025 メンロ パーク,ホイットニー コート 5 (72)発明者 タイ チェン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94040 マウンテン ビュー,ケンゾー コート 3375 (56)参考文献 特開 昭63−146999(JP,A) 特開 昭57−28003(JP,A) 特開 平1−131112(JP,A) 特開 平2−111715(JP,A) 特表 平1−500756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/16 A61K 7/00 A61K 7/06 A61K 7/42

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部に対して開いた孔ネットワーク及び該
    孔ネットワーク内に保持された含浸物を含む固体粒子を
    含んで成る局所用組成物であって、該粒子がケラチン性
    物質への付着を促進するのに十分な陽イオン表面荷電を
    有し、該粒子が局所適用のために適当なキャリャー中に
    存在しそして6未満のpHを有することを特徴とする組成
    物。
  2. 【請求項2】前記表面荷電が0.1〜10meq/g水素イオン容
    量の範囲にある、請求項1に記載の局所用組成物。
  3. 【請求項3】前記含浸物が、紫外線吸収物質、ステロイ
    ド、昆虫駆除剤、レチノン酸、香料、ミノキシジル、及
    び緩和剤から成る群から選択されたものである、請求項
    1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記含浸物が紫外線吸収物質である、請求
    項1に記載の局所用組成物。
  5. 【請求項5】実質的に非気泡破壊性のポリマービーズを
    含んで成る組成物であって、該ビーズの各々が該ポリマ
    ービーズの外部表面に開いた内部孔のネットワークを規
    定し、該ビーズの外部表面がケラチン物質へのポリマー
    ビーズの付着を促進するのに十分な陽性荷電を有し、そ
    して該ビーズが実質的に球形であり、1ミクロン〜100
    ミクロンの平均直径、0.01cc/g〜4.0cc/gの平均孔サイ
    ズ、1m2/g〜500m2/gの平均表面積、0.001ミクロン〜3.
    0ミクロンの平均孔直径、10%以上の架橋密度、及び平
    均0.1〜10meq/g水素イオン容量の範囲の表面荷電密度を
    有し、そして前記ビーズが、6のpHを有する局所適用の
    ために適当なキャリャー中に存在する組成物。
  6. 【請求項6】前記ビーズが4−ビニルピリジンとエチレ
    ングリコールジメタクリレートとのコポリマーである、
    請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記ビーズが4−ビニルピリジンとジビニ
    ルベンゼンとのコポリマーである、請求項5に記載の組
    成物。
  8. 【請求項8】前記ビーズが、四級化された、ビニルベン
    ジルクロリド、ジビニルベンゼン又はエチレングリコー
    ルジメタクリレートのコポリマーである、請求項5に記
    載の組成物。
  9. 【請求項9】前記ビニルベンジルクロリド、ジビニルベ
    ンゼン又はエチレングリコールジメタクリレートの四級
    化が、プロトン化可能な官能基を有するモノマーとの反
    応により行われている、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記プロトン化可能な官能基を有するモ
    ノマーが4−ビニルピリジン又は2−ビニルピリジンで
    ある、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】局所用組成物の製造方法であって、 (a)架橋されたポリマーを形成することができるモノ
    マー溶液とポロゲンとを第一液相中で混合し、ここで該
    モノマーの少なくとも一部分がプロトン化可能な官能基
    を担持しており; (b)前記第一液相と混和しない第二液相中に該第一液
    相を分散せしめ、これにより該第一液相の滴を形成し; (c)前記モノマーを前記滴内で重合せしめてポリマー
    ビーズを生成し、ここで各ビーズは該ポリマービーズの
    外部表面に対して開いた内部孔のネットワークを有し; (d)前記液相から前記ポリマービーズを回収し;そし
    て (e)前記ビーズをプロトン化する; ことを含んで成る方法。
  12. 【請求項12】前記モノマーが有機溶剤可溶性であり、
    そして前記第一液相が水と混和しない有機溶剤であり、
    他方前記第二液相が水である、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記モノマーがビニルピリジンを含む、
    請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記モノマーが水溶性であり、そして前
    記第一液相が水性であり、そして前記第一液相が疎水性
    有機溶剤である、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記モノマーが水、四級化アクリレート
    及びメタクリレートを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記ビーズが酸性媒体中での洗浄により
    プロトン化される、請求項11に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記ポロゲンが活性局所適用成分であ
    る、請求項11に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記局所適用成分が紫外線吸収物質、ス
    テロイド、昆虫駆除剤、レチノン酸、香料、ミノキシジ
    ル及び緩和剤から成る群から選択される、請求項17に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】前記ビーズからポロゲンを抽出し、そし
    て活性局所適用成分をビーズの孔中に吸収せしめること
    をさらに含んで成る、請求項11に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記活性局所適用成分が紫外線吸収物
    質、ステロイド、昆虫駆除剤、レチノン酸、香料、ミノ
    キシジル及び緩和剤から成る群から選択されたものであ
    る、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】局所用組成物の製造方法であって、あら
    かじめ形成されたポリマー粒子に活性局所適用成分を注
    入し、該粒子はその表面に陽性荷電を有し、そして該陽
    性荷電はケラチン性物質への該粒子の付着を促進するの
    に十分であることを特徴とする方法。
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