JP2876621B2 - データ位相補償回路 - Google Patents

データ位相補償回路

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば光記録媒体から読み出されるデータ
の位相補償を行うデータ位相補償回路に関するものであ
る。
〔発明の概要〕
本発明は、予め光学的にクロック情報が書き込まれた
記録再生可能な光記録媒体に参照ビットを含む記録デー
タが記録されており、この参照ビットの再生信号に基づ
き再生クロックの位相補償を行うデータ位相補償回路に
おいて、読み出された再生信号をチャンネルクロックに
てサンプリングし、サンプリングされた再生信号中の参
照ビット部分を検出し、この参照ビット部分に対するチ
ャンネルクロックの位相誤差を検出してそれに基づいて
原チャンネルクロックのクロック位相を調整してチャン
ネルクロックと再生信号の位相を補償すると共に、参照
ビットに欠陥が有る場合或いは未記録状態の場合は原チ
ャンネルクロックの調整を行わないことにより、回路の
温度特性、遅延量に影響されず、かつ回路規模が小さ
く、また、位相補償の精度の高いデータ位相補償回路を
提供するものである。
〔従来の技術〕
予めクロック情報が書き込まれた光記録媒体、例えば
いわゆるサンプルフォーマットの光ディスクに対して、
データの記録再生を行う光記録再生装置においては、光
検出素子等により光ディスク上のクロックピットを再生
して得られる再生クロック信号と同期を取りながら記録
再生を行っている。
ところで、上述のように光ディスクにデータを記録再
生する光記録再生装置では、素子のバラツキや温度特性
等が原因となり、光ディスクから読み取られる高周波信
号をサンプリングするタイミング(位相)がずれること
がある。例えば、光ディスクへのデータの記録はレーザ
光により行うが、このレーザ光により形成される光ディ
スクのデータ記録領域では、レーザ光の出力状態により
形成位置がずれてしまう。このサンプリングのタイミン
グのずれは、そのままデータ読出クロック信号(再生ク
ロック)と記録データのずれになり、例えば記録された
データの読み出しにエラーが多くなってしまう虞れがあ
った。
そのため、従来より光ディスクからデータを再生する
際には、データの位相補償が行われている。例えば光デ
ィスクにデータを書き込む際に予めセクタの頭等に参照
ビットを記録しておき、この参照ビットを再生して得ら
れる信号波形のピーク位相に基準クロック(原チャンネ
ルクロック)のエッヂを合わせることで位相補償を行っ
ている。
ここで、上述のような参照ビットの記録された光ディ
スクのセクタのデータフォーマットを第8図Aに示し、
このセクタの再生波形を第8図Bに示す。すなわち、第
8図Aにおいて、上記光ディスクは、上述のようにサン
プルフォーマットの光ディスクであるため、予め上記ク
ロック情報として例えば2バイトのサーボバイトSBが記
録されており、16バイトのアドレスブロックの例えば後
半6バイト分に参照ビットのデータとして1バイトにつ
き1孤立ピットすなわち、6孤立ピットが記録されてい
る。したがって、上記アドレスブロックは、8バイトの
アドレスデータAD、6バイトの参照ビット部分RM、2バ
イトのAPCの記録領域がある。次に、再びサーボバイトS
Bが記録され、その後16バイトのデータ記録領域に記録
データDTが記録される。
上述のようなフォーマットで記録されているため、こ
の光ディスクを再生すると、その再生信号の波形は、第
8図Bに示すように、サーボバイトSB、参照ビット部分
RC、サーボバイトSB、記録データDTの順番の波形とな
る。
ここで、データの位相補償は第9図に示すようなデー
タ位相補償回路によって行われている。
すなわち、第9図のデータ位相補償回路は、クロック
系100とデータ系110とで構成され、入力端子101を介し
て上記クロック系100に送られた再生信号は、先ず微分
回路102に送られる。該微分回路102では、上記再生信号
が微分され、ピーク検出回路103に送られて、上記参照
ビット再生波形のピークが検出される。このピーク検出
出力は、位相検出回路104に送られて、上記参照ビット
再生波形のピークと原チャンネルクロック(基準クロッ
ク)との位相差が検出される。この位相検出回路104か
らの出力がループフィルタ105を介して電圧制御オシレ
ータ106に供給されて、当該電圧制御オシレータ106から
のチャンネルクロックが位相検出回路104に送られる。
すなわち、上記チャンネルクロックが位相検出回路104
に供給されてPLLのループを構成し、上記参照ビット再
生波形のピークにチャンネルクロックの位相が合わされ
る。
このようにして参照ビットにより位相の合わされたチ
ャンネルクロックが、データ系110のA/D変換器107に送
られ、このチャンネルクロックに基づいて上記A/D変換
器107が再生信号のサンプリング及び2値化を行う。こ
のサンプリングされて得られたA/D出力値は、復調器108
により復調されて出力端子109を介して出力される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述の第9図のデータ位相補償回路では、
上記クロック系100が微分回路102等の温度特性を有する
アナログ回路で構成されているため、これらの回路で処
理される信号は温度変化に応じて位相が変化してしま
い、この位相の変化によりデータ再生時にビットエラー
が生じてしまう虞れがある。同時に、上記クロック系10
0とデータ系110では経路が異なっているため、遅延量に
差が出来、最終的には両者のデータの合わせ込みが必要
となる。また、上記クロック系100のようなアナログ回
路は一般にIC化が困難であるため、装置の小型化に対し
て障害となっている。
更に、例えば特開昭63−244448号公報に開示される技
術においては、参照ビット再生信号をA/D変換した出力
に基づいてデコーダ読出クロック信号の位相を制御して
おり、アナログ的なピーク検出による悪影響は回避し得
るものの、上記参照ビットに欠陥が生じていたり未記録
状態となっているときは、正常な参照ビット再生波形が
得られなくなり、上記位相検出回路104の出力データが
乱れてしまうことになる。また、位相合わせが出来なく
なる虞れもある。すなわち、このようなデータの欠陥等
があると、位相補償の精度が低下することになる。
そこで、本発明は、上述のような実情に鑑みて提案さ
れたものであり、回路の温度特性、遅延量等の影響を受
けずにデータの位相補償が可能で、位相補償の精度が高
く、かつ回路規模が小型化されたデータ位相補償回路を
提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の位相補償回路は、上述の目的を達成するため
に提案されたものであり、予め光学的にクロック情報が
書き込まれた記録再生可能な光記録媒体に参照ビットと
記録データとが記録されており、参照ビットの再生信号
に基づいて、記録データの再生信号の再生クロックの位
相補償を行うデータ位相補償回路であって、光記録媒体
から読み出された参照ビット及び記録データの再生信号
をチャンネルクロックにてサンプリングするサンプリン
グ手段と、サンプリングされた再生信号中の参照ビット
部分を検出し、当該参照ビット部分の再生信号に対する
チャンネルクロックの位相誤差を検出する位相検出手段
と、検出された位相誤差に基づいて、サンプリングされ
た再生信号中の記録データの再生信号に対する原チャン
ネルクロックのクロック位相を調整する位相調整手段
と、参照ビットの欠陥或いは未記録状態を検出する欠陥
検出手段とからなり、参照ビットに欠陥があるとき或い
は未記録状態のときには、原チャンネルクロックのクロ
ック位相調整を禁止する。
〔作用〕
本発明によれば、再生信号をディジタルで処理してお
り、参照ビットの再生信号の位相とチャンネルクロック
との位相誤差に基づいてチャンネルクロックと参照ビッ
トの再生信号の位相を合わせており、参照ビットに欠陥
が有る場合或いはデータの未記録領域が有る場合には位
相補償を行わない。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した実施例について図面を参照し
ながら説明する。
予め光学的にクロック情報が書き込まれた記録再生可
能な光ディスク(光磁気ディスクも含む)いわゆるサン
プルフォーマットの光ディスクには、前述した第8図で
説明したような参照ビットのデータを含む記録データが
記録されており、当該記録データが例えばピックアップ
等の読取手段により読み取られるようになっている。
上記光ディスクから読み取られた再生信号が、第1図
のデータ位相補償回路の入力端子1に供給されている。
上記入力端子1に入力された再生信号は、A/D変換器2
により後述のチャンネルクロックに基づいてサンプリン
グされ量子化及び符号化が施されてディジタルのサンプ
リング波高値データとされる。
このA/D出力値(サンプル値)は位相検出回路3に送
られ、先ず当該位相検出回路3で上記サンプリングされ
たA/D出力値から参照ビットが検出される。次に、当該
参照ビットの再生信号と上記チャンネルクロックとの位
相誤差すなわち位相のずれ量及び正負(+,−)の極性
が検出される。
以下に上記位相検出回路3の内部構成を説明する。
ここで、上記光ディスクから読み取られた再生信号に
は、上述のように参照ビットの再生信号の成分も含まれ
ており、この参照ビットは読み取る際に符号間干渉を起
こさないように記録されている。したがって、上記参照
ビットの再生信号は、第2図の参照ビット再生波形S0
ように波形が左右対称となっている。この参照ビット再
生波形S0は、上記A/D変換器2によって例えば第2図に
示すように、チャンネルクロック(Ca,Cb,Cc)のタイ
ミングでサンプリングされた(サンプリングポイント
Pa,Pb,Pc)サンプル値(サンプリング波高値)a,b,c
のデータとなっており、当該位相検出回路3では、上記
サンプル値aをサンプル値cから減算(c−a)し、そ
の絶対値y(|a−c|)と、正負(+,−)の極性とを求
める。この絶対値yが所定の誤差許容値x(c−aの減
算結果の許容値)より大きいかどうか比較する。この比
較処理は各セクタ毎に行われる。
すなわち、第1の条件として、上記絶対値yが誤差許
容値xよりも小さい場合、すなわち|a−c|<xの場合、
第2図Aに示すように上記サンプリングポイントPb(サ
ンプル値b)が参照ビット再生波形S0の略ピークの値と
なり、このことは位相が合っていることを示している。
したがって、位相を変化させない。
第2の条件として、上記絶対値yが誤差許容値xより
も大きい場合、すなわち|a−c|>xの場合において、上
記極性が正(+)すなわち(c−a)>xの時、第2図
Bに示すように、上記サンプリングポイントPbが上記参
照ビット再生波形S0のピークよりも前に存在するとして
チャンネルクロックに一定量分の遅延をかける。
第3の条件として、上記絶対値yが誤差許容値xより
も大きい場合、すなわち|a−c|>xの場合において、上
記極性が負(−)すなわち(a−c)>xの時、第2図
Cに示すように、上記サンプリングポイントPbが上記参
照ビット再生波形S0のピークよりも後に存在するとして
チャンネルクロックの遅延量を一定量分だけ減らす。
ここで、上記第2の条件と第3の条件における遅延量
の変化量は、後述するアップ/ダウンカウンタ6が1カ
ウント分アップ或いはダウンする量であり、このアップ
/ダウンカウンタ6を1カウント分アップ或いはダウン
させる位相変化信号F及び正負(+,−)の極性は、上
記位相検出回路3から出力される。すなわちカウント値
大で遅延量大となり、カウント値小で遅延量小となる。
ここで、上述した各条件で比較を行うために、上記位
相検出回路3の内部構成は第3図に示す構成で実現され
る。すなわち、第3図において、上記A/D変換器2から
出力された上記A/D出力値が、上記位相検出回路3の入
力端子30を介してレジスタ31とレジスタ32に供給され
る、これらレジスタ31及び32は、上記チャンネルクロッ
クCa及びCcのタイミングでA/D出力値から参照ビット再
生波形S0のサンプル値a及びcを取り出して保持するも
のである。当該レジスタ31と32で取り出されたサンプル
値a及びcは、減算器33に伝送され、当該減算器33で上
述のように、サンプル値aとcを減算(c−a)し、そ
の絶対値y(|a−c|)と正負(+,−)の極性とを求め
る。次に、上記減算器33で求められた上記絶対値yは比
較器34に送られる。この比較器34は、上記絶対値yが所
定の誤差許容値x(c−aの減算結果の許容値)より大
きいかどうか比較するものであるため、該比較器34に
は、レジスタ35から上記所定の誤差許容値xが供給され
ている。したがって、上記比較器34では、上記絶対値y
(|a−c|)と上記誤差許容値xとの比較を行う。前述の
第1の条件の時は位相が合っているため、前述のように
チャンネルクロックの位相を変化させない。また、第2
の条件の時は上記位相変化信号Fを後述するアップ/ダ
ウンカウンタ6のカウントパルス入力端子に供給し、上
記極性(正(+))をアップ/ダウン制御端子に供給し
て、例えばチャンネルクロックの遅延量を増やす(位相
を遅らせる)。第3の条件の時は、上記位相変化信号F
をアップ/ダウンカウンタ6のカウントパルス入力端子
に供給し、上記極性(負(−))をアップ/ダウン制御
端子に供給して、例えばチャンネルクロックの遅延量を
減らす(位相を進める)。
すなわち、上記位相検出回路3からは、上述のチャン
ネルクロックの位相を遅らせる信号又は位相を進める信
号が出力され、これらの信号は原チャンネルクロックの
クロック位相を調整する位相調整手段である第1図のア
ップ/ダウンカウンタ6及びセレクタブル遅延回路7に
供給される。
上記アップ/ダウンカウンタ6は、上述の位相変化信
号F及び正負(+,−)の極性に基づいて後述するセレ
クタブル遅延回路7で行われる原チャンネルクロックの
遅延量制御のための3ビットのデータを出力する。ここ
で、上記アップ/ダウンカウンタ6の説明に先立ち、上
記3ビットの遅延量制御データが供給されるセレクタブ
ル遅延回路7について説明する。
上記セレクタブル遅延回路7は、第4図に示すよう
に、遅延量がいずれも一定値t(以下単位遅延量とい
う)の遅延素子710〜717と8−1セレクタ72で構成され
るものであり、入力端子73〜75を介して供給される上記
遅延量制御データに基づき、入力端子70を介して供給さ
れる原チャンネルクロックを、各遅延素子710〜717でそ
れぞれ一定量遅延(位相をずらす)させることにより、
遅延クロックC0〜C7として出力するものである。
ここで、上記原チャンネルクロックは、第5図Aに示
すような波形であり、上記セレクタブル遅延回路7にと
りt〜8tまでの8段階で遅延された波形とされる。例え
ば、上記原チャンネルクロックを上記遅延素子710で単
位遅延量tだけ遅延させた波形は、第5図Bに示すよう
な波形となる。同様に、上記遅延素子717で遅延された
すなわち単位遅延量8tで遅延された波形は、第5図Cに
示すような波形となる。したがって、上記セレクタブル
遅延回路7は、上述のような原チャンネルクロック又は
当該原チャンネルクロックからそれぞれ遅延された各遅
延クロックC0〜C7の8個の信号の内から上記3ビットの
遅延量制御デコーダに応じて1個の信号を選択し出力端
子76を介して、前記A/D変換器2のサンプリングクロッ
クであるチャンネルクロックとして出力するものであ
る。
なお、本実施例においては、上記原チャンネルクロッ
クの位相のずらし方としては、精度や直進性等は無視で
き、したがって、単位遅延量tは必ずしも一定でなくて
もよい(ある程度バラツキがあってもよい)ので、リニ
アリティのないIC等のゲート遅延器を用いて構成しても
なんら実用上問題はない。このようにゲート遅延器を用
いても良い理由としては、再生信号の復調用データと全
く同じ系の信号を当該位相補償回路に使用しているた
め、温度特性による影響、伝播遅延の誤差等が存在しな
いからである。なお、上記遅延クロック等の切り換え時
のグリッジは、切り換えの場所が必要な信号から十分離
れていれば問題ない。
また、上記セレクタブル遅延回路7においては、上述
のように、遅延素子710〜717を用いて遅延クロックC0
C7までのクロックを作り、これら遅延クロックC0〜C7
本実施例回路のA/D変換器や各レジスタのラッチ用に用
いているだけで、その他のタイミングは原チャンネルク
ロックから作られる。
更に、位相合わせの機能をフルに活用できるようにす
るためには、記録データの読み出しエラーレートの低減
やセクタの追従性等を考慮して、例えば上記セレクタブ
ル遅延回路の標準状態での読み出し位置が遅延クロック
C3の遅延量となるように調整する。すなわち、この遅延
クロックC3は上記原チャンネルクロックに対して遅延量
がt〜8tの中間の遅延量4tであるため、チャンネルクロ
ックの位相を進めたり遅らせたりする量の余裕度が他の
遅延クロックよりも高いためである。なお、遅延クロッ
クC0とC7を越えるような情報がきたとしても位相は変化
させない。
次に、上記A/Dの出力値は、上記参照ビットの欠陥或
いは未記録状態を検出する欠陥検出手段であるディフェ
クト検出回路4にも供給されている。このディフェクト
検出回路4は、上記参照ビットの欠陥或いは未記録状態
を検出したときには、チャンネルクロックの位相を進め
たり遅らせたりする動作を禁止する信号を上記アップ/
ダウンカウンタ6に出力するものである。
上記ディフェクト検出回路4における参照ビットの欠
陥或いは未記録状態の検出は、第6図に示すような2つ
の条件で行われる。すなわち、第iの条件は、上記参照
ビット再生波形についての条件であり、第iiの条件は、
上記参照ビット再生波形スレシホールドについての条件
である。
第iの条件において、前記サンプル値bの値がサンプ
ル値aとサンプル値cのどちらかの値より大きい値(b
>a又はb>c)、すなわち、参照ビット再生波形が第
6図Aに示すような波形の時には、参照ビットに欠陥が
ないとするものであり、参照ビット再生波形が例えば第
6図Bに示すようにサンプル値aとサンプル値c以外の
中心がへこんだような波形の時には、参照ビットに欠陥
があるとするものである。
第iiの条件において、サンプル値a,b,cのうちのどれ
かが所定のスレシホールドレベルdよりも大きい時(a
>d又はb>d又はc>d)、すなわち、参照ビット再
生波形が第6図Cに示すような波形の時には、参照ビッ
トがある(記録されている)とするものであり、参照ビ
ット再生波形が例えば、第6図Dに示すようにサンプル
値a,b,cの全ての値が上記スレシホールドレベルd以下
の時には、当該スレシホールドレベルdの値は何も記録
されていない時のオフセット値すなわち、参照ビットが
未記録状態であるとするものである。
したがって、上記ディフェクト検出回路4において
は、第iの条件によって、光ディスクに参照ビットが記
録される際に記録し損なってか、或いは、記録後に参照
ビットが変化してしまったかを検出してこの部分のデー
タを除外し、第iiの条件によって、光ディスクに参照ビ
ットが記録されているかいないかを検出し、再生時にそ
のセクタの参照ビットの欠陥と未記録状態の領域につい
てはクロックが追従しないようにする。
上述のようなディフェクト検出処理を行うディフェク
ト検出回路4は、第7図に示す回路構成で実現されてい
る。
すなわち、第7図において、前記A/D出力値は、上記
ディフェクト検出回路4の入力端子40を介して、先ず、
レジスタ42a〜42cに順次伝送される。当該レジスタ42a
〜42cは、入力端子41を介して供給される前記チャンネ
ルクロックCa,Cb,Ccのタイミングで上記A/D出力値か
らサンプリングポイントPa,Pb,Pcでの参照ビット再生
波形S0のサンプル値a〜cを取り出すものである。すな
わち、レジスタ42aからの出力データが上記サンプル値
のとき、レジスタ42b,42cからの各出力データはそれぞ
れ上記サンプル値b,cとなっている。このとき、上記レ
ジスタ42aによって取り出されたサンプル値aは比較器4
3と比較器45に伝送され、上記レジスタ42bによって取り
出されたサンプル値bは比較器43と比較器44に伝送さ
れ、上記レジスタ42cによって取り出されたサンプル値
cは比較器44に伝送される。上記比較器43は上記レジス
タ42aからのサンプル値aと42bからのサンプル値bとを
比較し、上述の第iの条件のようにサンプル値がb>a
の時に上記参照ビットに欠陥がないことを示す信号をデ
コーダ回路48に出力する。上記比較器44は上記レジスタ
42bからのサンプル値bと42cからのサンプル値cの出力
を比較するものであり、上述の第iの条件のようにb>
cの時に上記参照ビットに欠陥がないことを示す信号を
デコーダ回路48に出力する。また、上記比較器45は、上
述の第iiの条件のように、上記レジスタ42aの出力と所
定のスレシホールドレベルdとの比較を行い、その比較
結果を出力するものである。ここで、上記比較器45の出
力はラッチ回路46と47に伝送されており、当該ラッチ回
路46でも上記チャンネルクロックCa,Cb,Ccのタイミン
グで上記比較器45の出力がラッチされている。すなわ
ち、上記比較器45からa>dか否かを示す信号が出力さ
れることになり、上記ラッチ回路46からb>dか否かを
示す信号が、上記ラッチ回路47からc>dか否かを示す
信号が、それぞれ出力されることになる。これらの比較
器45とラッチ回路46,47の出力は、デコーダ回路48に供
給されている。上述のようにして比較器43、44、45及び
ラチ回路46、47から得られた各出力信号は、上記デコー
ダ回路48でデコードされてディフェクト検出信号として
出力端子49を介して上記アップ/ダウンカウンタ6の例
えばイネーブル端子に供給される。
なお、上述のように、位相補償の行われたA/D出力値
は、復調器5を介して出力端子8から出力される。
前述したように、従来のデータ位相補償回路のよう
に、参照ビット再生波形のピークを検出してその位相誤
差分のチャンネルクロックの位相を変化させているもの
では、クロック系とデータ系の回路の遅延量が異なり、
そのため位相を正確に合わせ込み難い。しかし、本実施
例の回路を用いればA/D変換後のA/D出力値自身で当該A/
D変換のチャンネルクロックを変化させるためクロック
系とデータ系が同じ経路を通り、回路の温度特性等によ
る相対的な誤差は少ない。また、元々A/D変換器を必要
としているサンプルフォーマットでは、追加する回路は
ディジタル回路だけなのでIC化し易い。
〔発明の効果〕
本発明のデータ位相補償回路においては、サンプリン
グされた再生信号と参照ビットに対するチャンネルクロ
ックの位相誤差を示す情報(位相のずれを示す情報)を
同じ経路から得ているため、回路の温度特性、遅延量に
影響されないデータの位相補償が可能となる。また、参
照ビットに欠陥が有る場合或いは未記録状態の場合は、
原チャンネルクロックの調整を行わないことにより、外
部からの影響を受けることなく位相補償の高精度化を図
ることが可能となる。
また、アナログ回路を用いない回路構成となっている
ためIC化が容易であり、回路をIC化することにより回路
規模を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のデータ位相補償回路の一実施例回路の
概略構成を示す回路図、第2図Aはサンプル値と誤差許
容量が|a−c|<xの場合の参照ビット再生波形とチャン
ネルクロックの波形図、第2図Bはサンプル値と誤差許
容量が(c−a)>xの場合の参照ビット再生波形とチ
ャンネルクロックの波形図、第2図Cはサンプル値と誤
差許容量が(a−c)>xの場合の参照ビット再生波形
とチャンネルクロックの波形図、第3図は位相検出回路
の内部構成を示す回路図、第4図はセレクタブル遅延回
路の内部構成を示す回路図、第5図は原チャンネルクロ
ック及び遅延クロックの波形図、第6図Aはサンプル値
がb>a又はb>cの時の参照ビット再生波形の波形
図、第6図Bはサンプル値aとサンプル値cよりもサン
プル値bが小さい場合の参照ビット再生波の波形図、第
6図Cはサンプル値a,b,cとスレシホールドレベルdが
a>d又はb>d又はc>dの場合の参照ビット再生波
形の波形図、第6図Dはサンプル値a,b,cの全ての値が
スレシホールドレベルd以下の場合を示す参照ビット再
生波形の波形図、第7図はディフェクト検出回路の内部
構成を示す回路図、第8図Aは光ディスクに記録されて
いるデータのフォーマットを示すブロック図、第8図B
は光ディスクのデータの再生波形を示す波形図、第9図
は従来のデータ位相補償回路を示す回路図である。 2……A/D変換器 3……位相検出回路 4……ディフェクト検出回路 5……アップ/ダウンカウンタ 6……セレクタブル遅延回路 7……復調器 31,32,35,42a,42b,42c……レジスタ 33,34,43,44,45……比較器 46,47……ラッチ回路 710〜717……遅延素子 72……8−1セレクタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め光学的にクロック情報が書き込まれた
    記録再生可能な光記録媒体に参照ビットと記録データと
    が記録されており、上記参照ビットの再生信号に基づい
    て、上記記録データの再生信号の再生クロックの位相補
    償を行うデータ位相補償回路であって、 上記光記録媒体から読み出された上記参照ビット及び記
    録データの再生信号をチャンネルクロックにてサンプリ
    ングするサンプリング手段と、 上記サンプリングされた再生信号中の上記参照ビット部
    分を検出し、当該参照ビット部分の再生信号に対する上
    記チャンネルクロックの位相誤差を検出する位相検出手
    段と、 上記検出された位相誤差に基づいて、上記サンプリング
    された再生信号中の上記記録データの再生信号に対する
    原チャンネルクロックのクロック位相を調整する位相調
    整手段と、 上記参照ビットの欠陥或いは未記録状態を検出する欠陥
    検出手段とからなり、 上記参照ビットに欠陥があるとき或いは未記録状態のと
    きには、上記原チャンネルクロックのクロック位相調整
    を禁止する ことを特徴とするデータ位相補償回路。
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