JP2875471B2 - 気泡コンクリート製品における窪み形成材 - Google Patents

気泡コンクリート製品における窪み形成材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、気泡コンクリート製
品を製造するにあたって、気泡コンクリート製品に設け
るべき窪みを形成するための材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気泡コンクリート製品は、大量の気泡を
含んだコンクリートを材料として、一定の形に成形され
た製品である。気泡コンクリート製品は、不燃性であっ
て良好な断熱性を持ち、コンクリートを材料とする割り
には軽量であるために、建築材料として広く用いられて
いる。気泡コンクリート製品は板状に成形されたものが
多く、その内部には鉄筋が配設されており、表面には嵌
合又は固定用の窪みが設けられている。窪みの底にはナ
ットが固定されていることが多く、ナットは通常鉄筋に
固定されている。
【0003】上述の窪みは、気泡コンクリート製品を作
ったあとで設けることもできるが、次に述べるような気
泡コンクリート製品の製造過程を考えると、コンクリー
トの硬化前にこれを設けることが好ましい。気泡コンク
リート製品の製造は、発泡剤を含んだセメントスラリー
を型枠の中に流し込み、型枠内でスラリーを凝結させる
とともに発泡させて凝結体を作り、この凝結体をオート
クレーブに入れ、そこで高温の水蒸気に接触させて凝結
体を養生させ、最終的に硬化させるという過程を経過す
る。このとき用いられる型枠内には、ナットを固定した
鉄筋が予め配置され、流し込んだセメントスラリーが鉄
筋の周りに充填される。だから、ナットの孔内に詰め物
をしておき、ナットの孔とこれに連なる開口部分にセメ
ントスラリーが入らないようにして、あとで詰め物を取
り除き、そこに窪みを形成するのが便利である。このよ
うな詰め物が気泡コンクリート製品における窪み形成材
と呼ぶものである。
【0004】気泡コンクリート製品における窪み形成材
は、セメントスラリーを流し込むときに存在すれば足り
るというものではない。気泡コンクリート製品を作るに
は、凝結体をオートクレーブに入れて高圧水蒸気で養生
する必要があるから、この養生の初期にも窪み形成材は
存在していなければならない。なぜならば、養生の初期
に凝結体はなお変形する可能性を持っているからであ
る。
【0005】気泡コンクリートの原料となるセメントス
ラリーは、石灰、ポルトランドセメントなどの石灰質成
分と、微粉砕した珪石、珪砂などの珪酸成分との混合物
に水を配合したものである。また、発泡剤はアルミニウ
ム粉末と表面活性剤とからなるものである。セメントス
ラリーは強いアルカリ性を呈するので、アルミニウム粉
末はアルカリと結合して水素ガスを発生し、これがセメ
ント中に気泡を生成する。従って、上記の窪み形成材
は、このようなセメントスラリーの作用及びその凝結に
耐えるものでなければならない。
【0006】また、オートクレーブ内での養生も苛酷な
条件下で行われる。養生は、約180℃の飽和水蒸気を
吹き込んで十数時間にわたって行われる。しかも凝結体
は前述のように強いアルカリ性を呈する。従って、詰め
物は少なくとも180℃の温度ですぐに軟化して変形す
るものであってはならない。詰め物は、少なくとも養生
の初期には、180℃の高温に耐えて、水蒸気の存在下
にその形状を保っていなければならない。
【0007】しかし、そのような好都合な詰め物は容易
に発見できなかったので、これまでは孔を形成するのに
金属製のボルトなどを嵌めて来た。ところが、ボルト
は、これをナットに挿入するのに回転させなければなら
ないので、固定に手間がかかるばかりでなく、気泡コン
クリート製品の製造後に、製品からこれを取り除くにも
手間がかかる。そこで、この点をさらに改良する必要が
あった。
【0008】気泡コンクリート製品は、上述のようにオ
ートクレーブに入れて加熱処理して得られる軽量のコン
クリート製品であるから、英語ではオートクレーブド、
ライトウエイト、コンクリートと呼ばれ、略してALC
と呼ばれている。そこで、以下では気泡コンクリート製
品のことをALCと呼ぶこととする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ALCに
窪みを形成するのに適した材料を提供しようとしてなさ
れたものである。すなわち、型枠内にセメントスラリー
を流し込むに際しナットへの付設が容易であって、セメ
ントスラリーを流し込んでもその形状を保っていて、凝
結体に窪みを成形することができ、さらにオートクレー
ブ内で養生を始める初期の高温にも耐えて、凝結体に窪
みを形成しているが、養生の末期には消失しているよう
な窪み形成材を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上述の窪
み形成材を構成するのに、芳香族ポリエステル樹脂(以
下、これをPATと略称する)で作った発泡シートが適
していることを見出した。PATとは、芳香族ジカルボ
ン酸と2価の脂肪族アルコールとがエステル反応をして
生成した高分子量の鎖状ポリエステルである。PAT
は、ポリエチレン、ポリスチレンなどと同じく熱可塑性
樹脂に属する。従って、PAT発泡シートはこれを加熱
して任意の形状に成形することができる。ところが、P
ATはポリスチレンやポリエチレンとは違って溶融温度
が高く、従って200℃の高温に耐える特性を持ってい
る。また、PAT発泡シートは剛性が大きく大きな衝撃
を加えても破壊されない。さらに、スチレンやポリエチ
レンと違って、アルカリ性の下で加水分解を起こし易い
欠点を持っている。ところが、この欠点がALCの養生
に際して利点として働くことが見出された。
【0011】PATは加水分解を起こし易いが、セメン
トスラリーに接触しただけでは、すぐに加水分解を起こ
して消失するほどではない。PAT発泡シートは、AL
Cの養生のように、多量の水蒸気の存在下に180℃と
いうような高温下に、しかも数時間にわたる長時間曝さ
れると、分解すると云う程度である。だから、前述の金
属製ボルトの代わりにPAT製のボルトを用いると、P
AT製のボルトは養生の末期に加水分解を起こして消失
し、芳香族ジカルボン酸と2価の脂肪族アルコールとに
分解する。分解によって生じた芳香族ジカルボン酸と2
価の脂肪族アルコールとは、何れもセメントの硬化を妨
害するものでなく、しかもアルカリ性の水に溶解するも
のであるから、水洗によって容易に除去できる。こうし
てPAT発泡シート製の窪み形成材を用いると、養生の
末期には消失するのでALCの製造が容易になることが
見出された。この発明は、このような知見に基づいて完
成されたものである。
【0012】この発明は、ALCに設けるべき窪みの外
形をした成形体であって、その成形体がPAT発泡シー
トで作られていることを特徴とするALCにおける窪み
形成材を要旨とするものである。
【0013】この発明の窪み形成材は、PAT発泡シー
トを材料として窪みの外形に成形されたものである。P
ATは前述のように芳香族ジカルボン酸と2価の脂肪族
アルコールとがエステル化して生成した高分子量の鎖状
ポリエステルである。そのうちのジカルボン酸として
は、色々なものを使用することができる。例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等を用いる
ことができる。これらは単独で又は混合して用いること
ができる。
【0014】PATを構成する2価の脂肪族アルコール
としても、色々なものを用いることができる。例えば、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ネオペンチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール等を用いることができる。これら
は単独で又は混合して用いることができる。
【0015】PATとして実際に使用するに適したもの
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリトリメチレンイソフタレート、ポリテトラメチ
レンイソフタレート等である。これらは単独で又は混合
して用いることができる。さらに、これらの樹脂は、必
要によりこれに他の樹脂を全体の50重量%以下の量だ
け混合して用いることもできる。
【0016】この発明に係る窪み形成材は、上述のPA
T発泡シートを成形したものである。PAT発泡シート
は、発泡剤を混合したPATを押出機を用いて押し出し
発泡することにより作ることができる。押し出し発泡に
より作ったPAT発泡シートは表皮を持っているので好
都合である。
【0017】PATは結晶性の樹脂であって、これに発
泡剤を含ませることができても実際には発泡させにくい
樹脂だとされている。それは、PATを溶融させたと
き、PATの示す溶融粘度が発泡に適した状態となる温
度範囲が狭いからである。そこで、PATの溶融粘度を
発泡に適した状態とするために、PATに添加剤を加え
ることが提案された。特開平2−49039号公報は、
PATにジグリシジルフタレートと、周期律表の第1
族、又は第2族の金属又はその化合物とを加えることを
提案している。また、特開平2−251543号公報
は、PATに一分子中に2以上の酸無水物基を有する化
合物と、周期律表の第1族、第2族、又は第3族の金属
化合物とを加えることを提案している。PAT発泡体で
この発明の窪み形成材を作るには、上記公報の提案を使
用することが好ましい。
【0018】発泡剤としては、これを大きく分けると、
不活性ガス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水
素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、
ケトン等になるが、この何れをも用いることができる。
そのうち、不活性ガスは、例えば炭酸ガス、窒素等であ
る。飽和脂肪族炭化水素は、例えばメタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等である。飽和脂
環族炭化水素は、例えばメチルシクロプロパン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン等である。芳香族炭化水素
は、例えばベンゼン、キシレン等である。ハロゲン化炭
化水素は、例えば塩化メチル、塩化エチル、2塩化メチ
ル、ジクロロジフルオロメタン、1、1−ジクロロ−
2、2、2−トリフルオロエタン等である。エーテルの
例は、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等であ
る。ケトンの例は、アセトン、メチルエチルケトン、ア
セチルアセトン等である。これらのものは単独で又は混
合して用いることができる。
【0019】これらの発泡剤を用いてPATを発泡させ
るには、PATに前述の添加剤を加えるとともにこれに
発泡剤を混合し、この混合物を押出機内で加圧下に加熱
して溶融し、これを大気下に押し出して発泡させるとい
う方法を採る。この場合、押出機の先端にはサーキュラ
ーダイ又はTダイのような口金を取り付け、口金に設け
たオリフィスからPATを押し出して、オリフィスの断
面形状を持った連続成形体、例えば、シートを作り、こ
れを大気中で発泡させる。こうして得られた発泡シート
をその後さらに加熱して所望の形に成形する。発泡した
シートは0.7〜0.03g/cm3 の密度を持ってい
ることが望ましい。
【0020】この発明に係る窪み形成材は、PAT発泡
シートを中空状に成形して、成形体の外形がALCに設
けるべき窪みの形状となるようにする。そのためには、
PATを厚みが0.1〜10mmの範囲にある発泡した
シートとし、これを加熱して軟化させ、軟化したシート
を成形型に押しつけて、窪みの形状に成形することが望
ましい。こうして得られた窪み形成材は、発泡シートで
構成されているので、形成材は弾性を持ち外形を或る程
度自在に変化させることができるものとなるから、ナッ
トの孔内へ挿入しなければならない部分も螺旋溝を付与
する必要がなく、従って表面が平滑で単なる円筒状の成
形体として、この成形体をナット孔へ回転しながら押し
込むだけで、簡単に固定することができる。発泡シート
を材料として中空状に成形すると、PAT材料の節約に
なるだけでなく、上述のように成形体を大きい目に作っ
ておいて、これを押し込むだけで、取り付けることがで
きるので有利である。この利益は、発泡したシートを用
いたために顕著である。
【0021】窪み形成材を構成するPAT発泡シート
は、上述の発泡剤と押し出し発泡を容易にするための添
加剤を含む以外に、種々の助剤を含むことができる。助
剤としては、気泡調整剤(例えばタルク粉末)、酸化防
止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、
顔料、難燃剤、帯電防止剤、充填剤などを用いることが
できる。
【0022】ALCの養生後に、PATが加水分解され
て完全に消失するためには、PATが、水酸化カリウム
1規定の2−エトキシエタノール溶媒中で、10分間還
流したときの不溶分の割合が5重量%以下のものである
ことが好ましい。不溶分は、上記の還流した溶液を80
メッシュの金網で濾過し、金網上に残った残留物を真空
乾燥し、その残留物の重量を秤量し、元のPAT重量で
割って不溶分の割合とする。
【0023】
【発明の効果】この発明方法によれば、ALCに窪みを
設けるのに、窪みの外形をした成形体を用い、その成形
体をPAT発泡シートで作ることとしたので、PATが
大きな剛性を持ち破壊されにくいために、これを型枠に
取り付けて上からセメントスラリーを流し込んでも成形
体が破壊されない。また、PAT成形体は、アルカリ性
水溶液の共存下では加水分解されやすいが、常温でセメ
ントスラリーに接触する程度では、簡単に分解せず、従
って容易に剛性を失うに至らない。ALCを製造する過
程でオートクレーブ養生されると、PATは200℃に
耐える程の耐熱性を持つので、約180℃の水蒸気によ
る養生の初期にはPAT成形体がなおその外形を保って
おり、従って凝結体の形状を維持するに役立っている。
ところが、PATは約180℃の水蒸気による養生が数
時間ないし10数時間も続くと、加水分解されて芳香族
ジカルボン酸と2価の脂肪族アルコールとになって消失
する。こうして、この発明によれば、養生後に窪み形成
材が消失しているので、ALCの製造が容易となる。
【0024】この発明では、PAT発泡シートを用いる
ので、これを中空体に二次成形して容易に所望の窪み形
成材とすることができ、得られた中空成形体は外形を自
在に変形させることができるから、正確に外形を成形し
ないで形成材として使用することができ、従って成形体
の製造が容易である。さらに、中空体とすると、材料の
節約ができるので有利である。また、PATとして発泡
体を用いるときは、上で述べた利益がさらに顕著に現れ
るから有利である。
【0025】また、PATとして、水酸化カリウム1規
定の2−エトキシエタノール溶媒中で10分間還流した
ときの不溶分が、5重量%以下のものを選択して用いる
と、これを用いて作った窪み形成材はALC製造の際の
養生過程で完全に消失するので、形成材の除去が不必要
となる。この発明は、このような利益を与えるものであ
る。
【0026】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発
明の利点を具体的に明らかにする。以下で単に部と云う
のは、重量部の意味である。
【0027】
【実施例1】PATとしてポリエチレンテレフタレート
を用い、これを露点−30℃で温度160℃の熱風で5
時間乾燥したのち、下記の組成物とした。 ポリエチレンテレフタレート 100 部 タルク粉末 0.6部 無水ピロメリット酸 0.4部 炭酸ナトリウム 0.1部
【0028】上記の組成物を押出機に入れ、押出機のバ
レル温度を270−285℃としてPATを溶融し、押
出機の途中から発泡剤としてブタンを圧入して、円環状
のスリットから押し出し発泡シートを得た。この発泡シ
ートは厚み1.0mm、密度0.3g/cm3 であっ
た。この発泡シートを再び加熱してコップ状に真空成形
し、コップ状成形体を入口がわで17mm、底がわで1
2mm、深さ20mmの円錐台状とし、このコップ状成
形体の入口に、さらに幅2mm程度の鍔のついた形状と
して、これを窪み形成材とした。この窪み形成材は、こ
れを水酸化カリウム1規定の2−エトキシエタノール溶
媒中で10分間還流すると、不溶分が0.8重量%であ
った。
【0029】別に微粉砕した珪石63部と、石灰17
部、ポルトランドセメント17部、石膏3部とからなる
配合物を作り、これに30部の水を加えてセメントスラ
リーを作った。このスラリーに0.05部のアルミニウ
ム粉末を加えてALCの原料とした。直方体状の型枠内
には鉄筋を配設し、この鉄筋にはM16のナットを溶接
して固定しておいた。このナットの孔内に上記窪み形成
材の底の部分をねじ込んだ。すると窪み形成材はナット
の孔内を完全に塞ぎ、鍔部を外に出してナット内に安定
に固定された。
【0030】上記の型枠内に上記ALCの原料を流し込
んだ。窪み形成材はナット内で全く移動しなかった。そ
のまま放置するとスラリーは嵩を増して膨れ上がり、凝
結して凝結体となった。この凝結体を型枠から外して観
察したところ、窪み形成材は全く変化していないように
見えた。
【0031】この凝結体を型に乗せて、これをオートク
レーブ内に入れ、180℃で10時間水蒸気養生した。
その結果、凝結体は硬化してALCとなった。ALC内
では窪み形成材どおりの窪みが形成されていたが、窪み
形成材は完全に消失しており、ナットの孔内にはネジを
妨害するような残渣は全く残っていなかった。従って、
このナット内にはボルトをそのままねじ込むことができ
た。
【0032】
【比較例1】この比較例は、ほぼ実施例1と同様に実施
したが、ただPAT発泡シートの代わりにポリスチレン
発泡体を用いた。この発泡体の密度は0.15g/cm
3 で、不溶分が97重量%であった。
【0033】上記のポリスチレン発泡シートを用いて、
実施例1のPAT発泡体と同様の外形を持った窪み形成
材を作った。この窪み形成材用いて、実施例1と同様に
してALCを作った。得られたALCは窪み形成材どお
りの窪みを持っていたが、その窪みの内面、とくにナッ
ト内面には溶融したポリスチレンが付着していて、ナッ
ト内にボルトをねじ込むことができなかった。
【0034】
【比較例2】この比較例は、ほぼ実施例1と同様に実施
したが、ただPAT発泡シートの代わりにポリスチレン
発泡シートを用いた。ポリスチレン発泡シートとしては
比較例1と同じく不溶分が97重量%のものを用い、密
度を0.03g/cm3 として用いた。
【0035】このポリスチレン発泡シートを用いて、実
施例1のPAT発泡シートと同様の外形を持った窪み形
成材を作り、その後は実施例1と同様にしてALCを作
った。得られたALCは、窪み形成材どおりの窪みを持
っていたが、その窪みの内部、とくにナットの内面に
は、溶融したポリスチレンが付着していて、ナット内に
ボルトをねじ込むことができなかった。
【0036】
【比較例3】この比較例はほぼ実施例1と同様に実施し
たが、ただPAT発泡シートの代わりにポリエチレン発
泡シートを用いた。ポリエチレン発泡シートの不溶分は
98%で密度が0.03g/cm3 であった。
【0037】得られたALCは窪み形成材どおりの窪み
を持っていたが、その窪みの内面、とくにナットの内面
には溶融したポリエチレンが付着していて、ナット内に
ボルトをねじ込むことができなかった。
【0038】
【比較例4】この比較例は、ほぼ実施例1と同様に実施
したが、ただPAT発泡シートの代わりにポリプロピレ
ン発泡シートを用いた。ポリプロピレン発泡シートは、
不溶分が98%で密度が0.03g/cm3 であった。
【0039】得られたALCは窪み形成材どおりの窪み
を持っていたが、その窪みの内面、とくにナットの内面
には溶融したポリプロピレンが付着していて、ナット内
にボルトをねじ込むことができなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−219921(JP,A) 特開 昭62−184807(JP,A) 特開 平3−9807(JP,A) 特開 昭55−60062(JP,A) 特開 昭55−60061(JP,A) 特開 平2−49039(JP,A) 特開 平2−251543(JP,A) 特開 平7−88818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 7/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡コンクリート製品に設けるべき窪み
    の外形をした成形体であって、該成形体が芳香族ジカル
    ボン酸と2価の脂肪族アルコールとからなる高分子量の
    鎖状ポリエステルの発泡シートで作られていることを特
    徴とする、気泡コンクリート製品における窪み形成材。
JP34618793A 1993-12-22 1993-12-22 気泡コンクリート製品における窪み形成材 Expired - Lifetime JP2875471B2 (ja)

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