JP2874434B2 - 木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法 - Google Patents
木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法Info
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- JP2874434B2 JP2874434B2 JP4060350A JP6035092A JP2874434B2 JP 2874434 B2 JP2874434 B2 JP 2874434B2 JP 4060350 A JP4060350 A JP 4060350A JP 6035092 A JP6035092 A JP 6035092A JP 2874434 B2 JP2874434 B2 JP 2874434B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電鋳金型に関し、特
に、プラスチックの成形用金型として好適な木目込み部
を有する型からの電鋳金型の製造方法に関する。
に、プラスチックの成形用金型として好適な木目込み部
を有する型からの電鋳金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、木目込み部10を備えた自動車の
ドアトリム12の一部の断面図である。ドアトリム12は一
般に熱成形と呼ばれる、真空成形・スラッシュ成形など
のプラスチックの成形方法で成形され、その金型は電気
鋳造(電鋳)で製造されている。つまり、電鋳金型であ
る。
ドアトリム12の一部の断面図である。ドアトリム12は一
般に熱成形と呼ばれる、真空成形・スラッシュ成形など
のプラスチックの成形方法で成形され、その金型は電気
鋳造(電鋳)で製造されている。つまり、電鋳金型であ
る。
【0003】電鋳金型はその成形品を模した形状の樹脂
でできた電鋳用樹脂型(以下、マンドレルという)に電
気メッキを厚く電着させ、電鋳シェルを形成し、その後
に当該マンドレルを脱型・剥離して製造する。
でできた電鋳用樹脂型(以下、マンドレルという)に電
気メッキを厚く電着させ、電鋳シェルを形成し、その後
に当該マンドレルを脱型・剥離して製造する。
【0004】ところが、成形品にはしばしば、木目込み
部、例えば幅2mm、深さ10〜15mmというような、狭く深
い溝が必要とされる。したがって、電鋳用の型としての
マンドレルでも同様の狭く深い溝を設け、この部分に電
鋳をする必要がある。しかし、このような型の木目込み
部分には電着が充分になされず、特に溝の底の部分では
電鋳が困難で肉厚が薄くなり、型として充分な強度が得
られないという、問題点があった。
部、例えば幅2mm、深さ10〜15mmというような、狭く深
い溝が必要とされる。したがって、電鋳用の型としての
マンドレルでも同様の狭く深い溝を設け、この部分に電
鋳をする必要がある。しかし、このような型の木目込み
部分には電着が充分になされず、特に溝の底の部分では
電鋳が困難で肉厚が薄くなり、型として充分な強度が得
られないという、問題点があった。
【0005】これは、マンドレルに電着するとき、メッ
キの電流の特性により電流が溝の縁の部分に集まって、
溝の底の方には微弱な電流しか届かないためである。
キの電流の特性により電流が溝の縁の部分に集まって、
溝の底の方には微弱な電流しか届かないためである。
【0006】電鋳用型での溝は、金型では凸となるた
め、そのような凸部分には取扱い中に力が掛かりやす
く、使用過程において、凹み・亀裂などが発生し、金型
の耐久力の低下の原因となっていた。
め、そのような凸部分には取扱い中に力が掛かりやす
く、使用過程において、凹み・亀裂などが発生し、金型
の耐久力の低下の原因となっていた。
【0007】ところで、従来の方法では、このような木
目込み部分を有する型の場合、肉厚を厚くするために溝
の縁の部分をマスキングして電鋳作業を繰り返し行う方
法や、マンドレルから脱型してから溝の部分に樹脂を流
し込んで補強するなどの方法がとられていた。
目込み部分を有する型の場合、肉厚を厚くするために溝
の縁の部分をマスキングして電鋳作業を繰り返し行う方
法や、マンドレルから脱型してから溝の部分に樹脂を流
し込んで補強するなどの方法がとられていた。
【0008】前者の方法は、電鋳金型の作成に相当する
期間を要すると共に、なおかつ溝の底の部位には充分な
肉厚を確保するだけ電着し得ないという問題点がある。
一方、後者の方法では、樹脂の粘度という理由により、
樹脂が充分に溝の奥まで流れ込まず、しばしば空洞を作
って充分な強度が得られなかった。
期間を要すると共に、なおかつ溝の底の部位には充分な
肉厚を確保するだけ電着し得ないという問題点がある。
一方、後者の方法では、樹脂の粘度という理由により、
樹脂が充分に溝の奥まで流れ込まず、しばしば空洞を作
って充分な強度が得られなかった。
【0009】また他の方法として、溝の深さに合った金
属板を溝の中へ入れて電着により一体化とした後に、マ
ンドレルより脱型して、成形面より溝の電着部分を削り
とって該金属板を露出させ、当該金属板部分を電着によ
り肉盛りをした後、型形状に整える、などの作業を行っ
ていた。この作業は、相当なる熟練技能を要し、かつ、
コスト・日数がかかりすぎ、好ましいものとは言えなか
った。
属板を溝の中へ入れて電着により一体化とした後に、マ
ンドレルより脱型して、成形面より溝の電着部分を削り
とって該金属板を露出させ、当該金属板部分を電着によ
り肉盛りをした後、型形状に整える、などの作業を行っ
ていた。この作業は、相当なる熟練技能を要し、かつ、
コスト・日数がかかりすぎ、好ましいものとは言えなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明は、
木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法におい
て、上述のような従来技術の問題点を解決し、木目込み
部、つまり深い溝に相当する凸状部を有する電鋳金型を
容易に製造できる方法を提供することを目的とする。
木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法におい
て、上述のような従来技術の問題点を解決し、木目込み
部、つまり深い溝に相当する凸状部を有する電鋳金型を
容易に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るために、この発明にあっては次のような手段が講じら
れている。
るために、この発明にあっては次のような手段が講じら
れている。
【0012】すなわち、この発明にかかる深い溝を有す
る電鋳金型の製造方法というのは、マンドレルの溝の部
分を、あらかじめ電鋳しやすいように浅い形状に加工し
ておいた当該マンドレルに電鋳する第一の工程と、電鋳
が完了して後マンドレルから電鋳による電着物 (以下、
電鋳シェルという) を剥離・脱型する第二の工程と、脱
型後の電鋳シェルの成形面の低い突起 (マンドレルでの
浅くした溝の反対形状) の上に溝の幅・長さに相当する
金属板を接合する第三の工程と、該第三の工程によって
でき上がった電鋳金型を目的の形状に仕上げて、最終的
な電鋳金型を作る第四の工程からなる。
る電鋳金型の製造方法というのは、マンドレルの溝の部
分を、あらかじめ電鋳しやすいように浅い形状に加工し
ておいた当該マンドレルに電鋳する第一の工程と、電鋳
が完了して後マンドレルから電鋳による電着物 (以下、
電鋳シェルという) を剥離・脱型する第二の工程と、脱
型後の電鋳シェルの成形面の低い突起 (マンドレルでの
浅くした溝の反対形状) の上に溝の幅・長さに相当する
金属板を接合する第三の工程と、該第三の工程によって
でき上がった電鋳金型を目的の形状に仕上げて、最終的
な電鋳金型を作る第四の工程からなる。
【0013】なお、第三の工程において、金属板の接
合、例えば溶接のできにくいところなどは部分電鋳の方
法によって電鋳シェルと金属板とを一体化させてもよ
く、あるいは第四の工程で仕上げの補助として部分電鋳
を施すなどのことは随時行ってもよい。
合、例えば溶接のできにくいところなどは部分電鋳の方
法によって電鋳シェルと金属板とを一体化させてもよ
く、あるいは第四の工程で仕上げの補助として部分電鋳
を施すなどのことは随時行ってもよい。
【0014】
【作用】この発明ではマンドレルを製作するにあたり、
型の木目込み部に相当する溝の部分を電鋳しやすいよう
な形状にしておいて電鋳を行い、マンドレルを電鋳シェ
ルから剥離後、電鋳金型の目的の部位に接合 (例: 溶
接) あるいは部分電鋳などの方法で必要な大きさの金属
片を電鋳シェルに一体化させ、目的の形状に仕上げてい
る。接合手段としては溶接等適宜手段を用いることがで
きる。好ましくは溶接により行う。
型の木目込み部に相当する溝の部分を電鋳しやすいよう
な形状にしておいて電鋳を行い、マンドレルを電鋳シェ
ルから剥離後、電鋳金型の目的の部位に接合 (例: 溶
接) あるいは部分電鋳などの方法で必要な大きさの金属
片を電鋳シェルに一体化させ、目的の形状に仕上げてい
る。接合手段としては溶接等適宜手段を用いることがで
きる。好ましくは溶接により行う。
【0015】このため、この発明では成形品形状に狭く
かつ深い溝があっても、電鋳金型では当該部分は薄くな
らないので、電鋳金型自体の耐久性が向上することにな
る。
かつ深い溝があっても、電鋳金型では当該部分は薄くな
らないので、電鋳金型自体の耐久性が向上することにな
る。
【0016】かつ、いたずらに電鋳作業の日数を重ねる
ことなく、短期間に電鋳金型を製造できるなど、実用上
の利益は大きい。
ことなく、短期間に電鋳金型を製造できるなど、実用上
の利益は大きい。
【0017】
【実施例】次に、この発明の実施例を上げるが、それら
はこの発明の単なる例示として示すものであって、この
発明がそれらによってなんら制限されるものでないこと
は理解されよう。
はこの発明の単なる例示として示すものであって、この
発明がそれらによってなんら制限されるものでないこと
は理解されよう。
【0018】図2はこの発明により作られたマンドレル
20の溝22の部分の断面図である。
20の溝22の部分の断面図である。
【0019】例えば、ドアトリムのような成形品の形状
は図2における点線のように深い溝24になっているが、
当該部分は除去して、浅く幅の広い溝22として作成して
ある。なお、電着がしやすいように溝の角に丸みをつけ
てある。
は図2における点線のように深い溝24になっているが、
当該部分は除去して、浅く幅の広い溝22として作成して
ある。なお、電着がしやすいように溝の角に丸みをつけ
てある。
【0020】このマンドレルを使って慣用手段でもって
電鋳を行い、脱型して電鋳シェルを得る。
電鋳を行い、脱型して電鋳シェルを得る。
【0021】図3はこの発明により作られた電鋳シェル
30の、図2に対応する部分の断面図である。図2の溝22
は凸部32として形成されるか、狭く深い溝がないので、
均一な肉厚で電着されている。
30の、図2に対応する部分の断面図である。図2の溝22
は凸部32として形成されるか、狭く深い溝がないので、
均一な肉厚で電着されている。
【0022】図4は図3の電鋳シェル30において、図2
のマンドレル20の溝24に相当する部分へ目的の溝の幅よ
りやや厚めの金属板40を溶接したものの断面図である。
符号42は溶接部を示す。
のマンドレル20の溝24に相当する部分へ目的の溝の幅よ
りやや厚めの金属板40を溶接したものの断面図である。
符号42は溶接部を示す。
【0023】焼きならした金属板の上端をハンマーなど
で叩くなどして、電鋳シェルの突起の形状に沿わせなが
ら溶接を行う。この場合、あらかじめスポット溶接で全
体の形状を作り、その後に溶接を行ってもよい。溶接の
しにくい部位は、部分電鋳よって一体化させてもよい。
で叩くなどして、電鋳シェルの突起の形状に沿わせなが
ら溶接を行う。この場合、あらかじめスポット溶接で全
体の形状を作り、その後に溶接を行ってもよい。溶接の
しにくい部位は、部分電鋳よって一体化させてもよい。
【0024】さらに、この溶接で肉盛りされた部分を手
仕上げあるいは機械加工で目的の形状に仕上げることで
電鋳金型ができる上がる。この際にもその部分に部分電
鋳を行ってもよい。
仕上げあるいは機械加工で目的の形状に仕上げることで
電鋳金型ができる上がる。この際にもその部分に部分電
鋳を行ってもよい。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、マンドレルに狭く深
い溝があっても電鋳金型についてはその部分が薄くなら
ないので、電鋳金型の耐久性が向上する、という効果を
有する。
い溝があっても電鋳金型についてはその部分が薄くなら
ないので、電鋳金型の耐久性が向上する、という効果を
有する。
【0026】また、この発明によれば、従来方法に比べ
て、約2/3 の期間で電鋳金型を作成できるという効果も
ある。
て、約2/3 の期間で電鋳金型を作成できるという効果も
ある。
【図1】自動車のドアトリムの一部の断面図である。
【図2】この発明で使用するマンドレルの溝の部分の断
面図である。
面図である。
【図3】この発明によって製造された電鋳シェルの断面
図である。
図である。
【図4】図3の電鋳シェルにおいて、図2のマンドレル
の溝に相当する部分へ目的の溝の幅よりやや厚めの金属
板を溶接したものの断面図である。
の溝に相当する部分へ目的の溝の幅よりやや厚めの金属
板を溶接したものの断面図である。
10 : 木目込み部 12 : ドアトリム 20 : マンドレル 22 : 広い溝 24 : 深い溝 30 : 電鋳シェル 32 : 凸部 40 : 金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 1/00 C25D 1/10 B29C 33/38 B29C 41/40
Claims (3)
- 【請求項1】 電鋳電着用マンドレルの木目込み部に相
当する狭く深い溝の部分をあらかじめ電鋳作業がしやす
い形状に加工しておき、当該マンドレルを電鋳する第一
の工程と、電鋳が完了した後、マンドレルから電鋳によ
る電着物である電鋳シェルを剥離・脱型する第二の工程
と、脱型後の電鋳シェルの成形面の低い突起部の上に前
記マンドレルで浅くした溝の反対形状に相当するように
金属板を接合する第三の工程と、この第三の工程によっ
てでき上がった電鋳金型を目的の形状に仕上げて、最終
的な電鋳金型を作る第四の工程からなることを特徴とす
る木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法。 - 【請求項2】 前記の第三の工程において、金属板の接
合を溶接によって行い、溶接のできにくい部位を部分電
鋳によって電鋳シェルと金属板を一体化させることを特
徴とする、請求項1記載の電鋳金型の製造方法。 - 【請求項3】 前記の第四の工程において、目的形状に
仕上げる際の補助として部分電鋳を施すことを特徴とす
る、請求項1または2記載の電鋳金型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4060350A JP2874434B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4060350A JP2874434B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263287A JPH05263287A (ja) | 1993-10-12 |
JP2874434B2 true JP2874434B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13139627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4060350A Expired - Fee Related JP2874434B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 木目込み部を有する型からの電鋳金型の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2874434B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP4060350A patent/JP2874434B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05263287A (ja) | 1993-10-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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