JP2873882B2 - 高温ガス制御用バルブ装置 - Google Patents

高温ガス制御用バルブ装置

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JP2873882B2 JP3027760A JP2776091A JP2873882B2 JP 2873882 B2 JP2873882 B2 JP 2873882B2 JP 3027760 A JP3027760 A JP 3027760A JP 2776091 A JP2776091 A JP 2776091A JP 2873882 B2 JP2873882 B2 JP 2873882B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば内燃機関の排気
バルブ装置、ターボチャージャ用の安全弁であるウエス
トゲートバルブ装置、排気ガス還流バルブ装置(以下E
GRバルブという)、又はボイラーにおける蒸気その他
の高温ガスの流通を制御する高温ガス制御用バルブ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のバルブ装置としては、例
えば、実開平2-43451号公報に開示されているように、
内燃機関の排気ガスの一部を吸気系に還流させてシリン
ダ内の燃焼温度を低減させ、有害排気ガス、特に、NO、
NO2等からなるNOx(窒素酸化物)の排出量を低下させるよ
うにしたEGRバルブや、特開昭61-81505号公報に開示
されているような内燃機関の排気バルブ装置がある。
【0003】このような従来のバルブ装置においては、
ポートを流れる高温の排気ガスが、本体のバルブガイド
部における軸孔とその中入された弁軸との間隙を
通って弁駆動手段側に漏出して、弁駆動手段やその他の
部材に悪影響を与えるのを防止するため、上記弁軸と軸
孔との間隙をできるだけ小としてい
【0004】例えば、EGRバルブにおいては、ポート
内の排気ガスが、弁軸と軸孔との間隙より、弁駆動手段
であるアクチュエータ内に流入すると、アクチュエータ
がダイヤフラム式のものである場合は、ダイヤフラムが
早期に劣化し、またアクチュエータがピストン式のもの
である場合は、排気ガス中の成分が摺動面に付着して、
潤滑性が損なわれたり、摩耗が激しくなったりし、また
ゴムもしくは合成樹脂材料製のシール部材やその他の部
材が早期に劣化して、耐久性が低下する。
【0005】また、内燃機関の排気バルブ装置において
は、弁駆動装置内に排気ガスが流入すると、ゴムもしく
は合成樹脂材料製のリップシールやその他の部材が早期
に劣化し、耐久性が低下する。
【0006】そのため、従来は、上述のように、弁軸と
軸孔との間隙をできるだけ小としているが、それには限
度があるとともに、高精度の加工が必要となり、また、
この間隙をあまり小とすると、弁軸と軸孔との熱膨張の
差により、弁軸の運動が不円滑となったり、摩耗が激し
くなったりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
が有する上記のような問題点に鑑み、弁軸と軸孔との
隙を極端に小としなくても、ポート内の高温ガスが
記間隙を通って弁駆動手段側に漏出するのを防止するこ
とを技術的課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の高温ガス制御用バルブ装置は、高温ガス流
通用のポートを有するとともに、該ポートを開閉する弁
体を収容し、かつ弁体に連設した弁軸が挿通する軸孔を
有する本体と、該本体の外部に設けられ、前記弁軸を駆
動することにより、弁体を開閉させる弁駆動手段とを備
える高温ガス制御用バルブ装置において、前記本体に、
軸孔の中間部と本体の外部とを連通する逃し孔を設け、
かつ前記本体の軸孔内へ 2本の案内筒を、相互間に前
記逃し孔と連通する環状の空隙部が形成されるように、
やや離して挿入したことを特徴としている。
【0009】また、高温ガス流通用のポートを有すると
ともに、該ポートを開閉する弁体を収容し、かつ弁体に
連設した弁軸が挿通する軸孔を有する本体と、該本体の
外部に設けられ、前記弁軸を駆動することにより、弁体
を開閉させる弁駆動手段とを備える高温ガス制御用バル
ブ装置において、前記本体に、軸孔の中間部と本体の外
部とを連通する逃し孔を設け、かつ前記弁軸の外周面
に、前記逃し孔と常時連通する螺旋溝を設けたことをも
特徴としている。
【0010】
【作用】ポート内より、弁軸と弁軸が挿入されている軸
孔との間隙内に流入した高温ガスは、軸孔の中間部まで
達した後、逃し孔を通って本体外に排出されるので、高
温ガスが軸孔を通過して弁駆動手段側に至ることはほと
んどない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、請求項1記載の本発明を、大型ディー
ゼルエンジンに使用されるEGRバルブに適用した第1
実施例を示す。
【0012】EGRバルブ(1)は、上下方向を向くバイ
パス管(2)のフランジ(2a)上に縦向きとして取り付け
られ、バイパス管(2)の出口は、導入管(3)を介して、
両吸気管(図示せず)を互いに連通させる連通管(図示
せず)に連結されている。
【0013】次に、EGRバルブ(1)の詳細を、図1を
参照して説明する。(4)は、排気ガスの入口側
に、かつ出口側側方にそれぞれ開口するエルボ状のポ
ート(5)を有する鋳造製の本体で、各開口端には、外向
フランジ(6)が一体的に形成されている。(7)は、本体
(4)に形成された放熱フィンである。
【0014】本体(4)の上端には、側方に水平に延出
して、遮熱板及び放熱板として作用する大径の円形の取
付座(8)が一体的に形成され、取付座(8)は、その下面
より本体(4)の中間部に向けて下向きに延出する複数の
のリブ(9)により補強されている。
【0015】本体(4)の取付座(8)の平坦な上面には、
弁駆動手段であるダイヤフラム式アクチュエ−タ(A)の
ケ−ス(10)の壁(10a)よりやや下方において一体的に
設けた取付フランジ(10b)が重合され、かつ熱伝導率の
小さいパッキン(11)を介してボルト止めされている
【0016】(12)は、弁軸(12b)の下端に弁体(12a)を備
えるポペット弁で、弁軸(12b)の上端部は、ケ−ス(10)
内に位置し、かつ弁軸(12b)の上端に形成した雄ねじ(12
c)には、ゴム系のダイヤフラム(13)と保持プレ−ト(14)
と有頂円筒のスプリングリテ−ナ(15)とが、ダイヤフ
ラム(13)を上下より挟持するようにして嵌合され、ナッ
ト(16)をもって止着されている。
【0017】ケ−ス(10)の底壁(10a)とスプリングリテ
−ナ(15)の頂壁の下面との間には、リタ−ンスプリング
(19)が縮設され、これにより、ポペット弁(12)は常時上
向きに付勢され、通常時においては、弁体(12a)がポー
ト(5)の下端開口部に嵌着したバルブシ−ト(20)と密着
することにより、ポート(5)は閉じられている。
【0018】ケ−ス(10)の上端には、カバ−(17)の周縁
部が、間にダイヤフラム(13)の周縁を挾んで、ボルト(1
8)により締着され、ダイヤフラム(13)により仕切られた
上部側は高圧室(21)また下部側は低圧室(22)となって
いる。高圧室(21)内には、カバ−(17)の上面に接続した
パイプ(23)により、圧縮空気が供給されるようになって
いる。
【0019】ケ−ス(10)底壁(10a)の中央部には、低
圧室(22)と外気とを連通させるための複数個の空気孔(2
4)が穿設されている。
【0020】本体(4)の上部中央に穿設された上下方向
を向く軸孔(26)内には、上下1対の案内筒(25a)(25b)
が、両者間に若干の環状の空隙部(25c)を形成するよう
にして嵌合され弁軸(12b)は、案内筒(25a)(25b)内を
上下方向に摺動自在となっている。
【0021】案内筒(25a)(25b)は、同一材料製としても
よいが、上部の案内筒(25a)を、例えば、銅合金、銅−
鉛合金、アルミ合金、ホワイトメタル、及びそれ等の焼
結合金又は鋳物等のように、耐摩耗性に優れかつ自己潤
滑性を有する材料製とし、下部の案内筒(25b)を、例え
ば、ステンレス鋼、耐熱鋼、鋳鉄、及び鉄系焼結合金等
のように、耐熱性及び耐食性に優れた材料製とするのが
よい。
【0022】本体(4)の適所には、端が上記空隙部(2
5c)に開口し、かつ端が本体(4)の外側面に開口する
逃し孔(27)を穿設してある。
【0023】ポート(5)より、弁軸(12b)とその弁軸(12
b)が挿入されている下方の案内筒(25b)との間隙内に流
入した排気ガスは、軸孔(26)の中間部まで達した後、空
隙部(25c)と逃し孔(27)を通って本体(4)外に排出され
。従って、排気ガスが軸孔(26)を通過して、すなわ
ち、弁軸(12b)と上方の案内筒(25a)との間隙を通って、
弁駆動手段であるアクチュエータ(A)側に至ることはほ
とんどな
【0024】そのため、排気ガスが、アクチュエータ
(A)内に侵入して、ダイヤフラム(13)に接触し、ダイヤ
フラム(13)を腐蝕させたり、劣化させたりすることはな
い。
【0025】図2は、請求項1記載の本発明を、内燃機
関の排気バルブ装置(1')に適用した第2実施例を示
す。なお、第2実施例において、第1実施例におけるの
と同一の部材には、同一の符号を付して、その詳細な説
明は省略する。
【0026】(38)は、排気用のポート(5)を備えるシリ
ンダヘッドである。エンジンバルブであるポペット弁(1
2)の弁軸(12b)は、シリンダヘッド(38)に穿設した軸孔
(26)内に上下に離間して設けた上下1対の案内筒(25a)
(25b)を通って上方に出している。
【0027】軸孔(26)の内面には、上下の案内筒(25a)
(25b)間に形成された環状の空隙部(25c)に面する凹所(2
8)が形成され、この凹所(28)に逃し孔(27)の一端が開
している。逃し孔(27)の他端は、シリンダヘッド(38)
の上面に開口している。
【0028】弁軸(12b)の上端部には、環状溝(32)が設
けられ、環状溝(32)内に嵌合したコッタ(30)により、
プリングリテ−ナ(31)が保持されている。このスプリン
グリテ−ナ(31)と、シリンダヘッド(38)に形成した空所
(33)の底部との間に縮設したリタ−ンスプリング(19)に
より、ポペット弁(12)は常時上方に向けて付勢されてい
る。
【0029】弁軸(12b)の上端には、タペット(29)の下
面が当接しており、タペット(29)の上面には、カムシャ
フト(34)と一体のカム(35)が摺接している。このカム(3
5)が、カムシャフト(34)と一体となって回転することに
より、タペット(29)を介して、弁軸(12b)リタ−ンス
プリング(19)に抗して押し下げられ、それによって弁体
(12a)が開かれるようになっている。
【0030】(36)は、上方の案内筒(25a)の上端部に止
着され、弁軸(12b)の外周面に沿接して、オイル下がり
を防止するリップシールである。
【0031】第2実施例においては、第1実施例の場合
と同様に、凹所(28)と逃し孔(27)とを設けたことによ
り、ポート内(5)より、弁軸(12b)とその弁軸(12b)が挿
入されている下方の案内筒(25b)との間隙内に流入した
ポート(5)内の排気ガスは、軸孔(26)の中間部まで達し
た後、凹所(28)と逃し孔(27)とを通ってシリンダヘッド
(38)外に排出されるので、排気ガスが軸孔(26)を通過し
て、すなわち、弁軸(12b)と上方の案内筒(25a)との間隙
を通って、弁駆動手段である動弁機構(B)側に至ること
はほとんどな
【0032】したがって、排気ガスが、リップシール(3
6)を腐蝕させたり、劣化させたりするの防止される
【0033】図3は、請求項2記載の本発明の実施例を
示す。この実施例においては、前記実施例におけるのと
同様の本体(4)の軸孔(26)内に、弁軸(12b)を直接摺動
自在に嵌合し、かつ弁軸(12b)の外周面に、軸孔(26)の
内面に開口する逃し孔(27)に常時連通するようにした螺
旋溝(40)を設けてある。
【0034】図3のものにおいても、前の実施例のもの
と同様の作用及び効果を奏することができ、かつ案内筒
(25a)(25b)は不要となる。 しかも、弁軸(12b)の上下運
動に伴い、螺旋溝(40)の異なる部分が逃し孔(27)と連通
するので、螺旋溝(40)内における排気ガスは効果的に排
出される。
【0035】
【発明の効果】本発明は、次の効果を奏する。 (a)本体に、軸孔の中間部と本体の外部とを連通する逃
し孔を設けたことにより、ポート内より、弁軸とその弁
軸が挿通している軸孔との間隙内に流入したポート内の
高温ガスは、軸孔の中間部まで達した後、逃し孔を通っ
て本体外に排出されるので、高温ガスが軸孔を完全に通
過して弁駆動手段側に至ることはほとんどなくなり、高
温ガスが弁駆動手段側に流入して、弁駆動手段やその他
の部材を早期に劣化させたり、潤滑性を損なわしたり、
又は摩耗を助長したりするのを防止することができる。 (b)従来のように、弁軸と軸孔との間隙を著しく小とす
る必要がないので、高精度の加工が必要なくなり、また
弁軸と軸孔との熱膨張の差により、弁軸の運動が不円滑
となったり、摩耗が激しくなる等の問題点を解決するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の本発明を、EGRバルブに適用
した実施例の中央縦断正面図である。
【図2】同じく内燃機関の排気バルブ装置に適用した実
施例の中央縦断正面図である。
【図3】請求項2記載の本発明の実施例の要部を示す
断正面図である。
【符号の説明】
(1)EGRバルブ(高温ガス制御用バルブ装置) (1')内燃機関の排気バルブ装置(高温ガス制御用バルブ
装置) (2)バイパス管 (2a)フランジ (3)導入管 (4)本体 (5)ポート (6)外向フランジ (7)放熱フィン (8)取付座 (9)リブ (10)ケ−ス (10a)底壁 (10b)取付フランジ (11)パッキン (12)ポペット弁 (12a)弁体 (12b)弁軸 (12c)雄ねじ (13)ダイヤフラム (14)保持プレ−ト (15)スプリングリテ−ナ (16)ナット (17)カバ− (18)ボルト (19)リタ−ンスプリング (20)バルブシ−ト (21)高圧室 (22)低圧室 (23)パイプ (24)空気孔 (25a)(25b)案内筒 (25c)空隙部 (26)軸孔 (27)逃し孔 (28)凹所 (29)タペット (30)コッタ (31)スプリングリテーナ (32)環状溝 (33)空所 (34)カムシャフト (35)カム (36)リップシール (38)シリンダヘッド (40)螺旋溝 (A)アクチュエータ(弁駆動手段) (B)動弁機構(弁駆動手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 31/126 F01L 9/02 F02B 37/18 F02M 25/07 580

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温ガス流通用のポートを有するととも
    に、該ポートを開閉する弁体を収容し、かつ弁体に連設
    した弁軸が挿通する軸孔を有する本体と、該本体の外部
    に設けられ、前記弁軸を駆動することにより、弁体を開
    閉させる弁駆動手段とを備える高温ガス制御用バルブ装
    置において、前記本体に、軸孔の中間部と本体の外部と
    を連通する逃し孔を設け、かつ前記本体の軸孔内へ
    本の案内筒を、相互間に前記逃し孔と連通する環状の空
    隙部が形成されるように、やや離して挿入したことを特
    徴とする高温ガス制御用バルブ装置。
  2. 【請求項2】 高温ガス流通用のポートを有するととも
    に、該ポートを開閉する弁体を収容し、かつ弁体に連設
    した弁軸が挿通する軸孔を有する本体と、該本体の外部
    に設けられ、前記弁軸を駆動することにより、弁体を開
    閉させる弁駆動手段とを備える高温ガス制御用バルブ装
    置において、前記本体に、軸孔の中間部と本体の外部と
    を連通する逃し孔を設け、かつ前記弁軸の外周面に、前
    記逃し孔と常時連通する螺旋溝を設けたことを特徴とす
    高温ガス制御用バルブ装置。
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