JP2871918B2 - 反射鏡の生産方法 - Google Patents

反射鏡の生産方法

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JP2871918B2 JP3313107A JP31310791A JP2871918B2 JP 2871918 B2 JP2871918 B2 JP 2871918B2 JP 3313107 A JP3313107 A JP 3313107A JP 31310791 A JP31310791 A JP 31310791A JP 2871918 B2 JP2871918 B2 JP 2871918B2
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亜紀 佐々木
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    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/06Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the phase of light

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば反射望遠鏡等
に用いられる反射鏡を部分鏡材を貼り合わせて構成する
際、各部分鏡材の熱膨張係数の違いによって生じる熱変
形が最小になるように部分鏡材を配置して貼り合わせる
反射鏡の生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の反射鏡を示す斜視図であ
り、図において、1は反射鏡で、これが正六角形の部分
鏡材2(以下、スタックという)を複数個貼り合わせて
構成されている。また、かかる反射鏡1は個々の場合に
応じて直感的にスタック2の配置を決定し、これらを貼
り合わせて形成されている。そして、この反射鏡1の表
面は、天体から到達する可視光、赤外線等の電磁波を反
射して焦点を結ぶように、観測波長の1/100程度の
精度で、例えば放物面や双曲面となるように研磨されて
いる。
【0003】この反射鏡1は表面が完全な放物面等に設
定されていれば、天体からの入射電磁波が幾何学的には
一点(焦点)に集束するが、実際には、光の回折現象に
より天体の星像の直径は零にはならず、反射鏡1の口径
Dと入射電磁波の波長λで決まる理論限界がある。
【0004】この理論限界FWHM(Full Wid
th at Half Maximum)は、一般に下
記のように表される。
【0005】
【数1】
【0006】この理論限界は、図7に示すように、光の
強度分布における強度が最高強度の1/2になる時の幅
である。従って、星像の大きさの理論限界は反射鏡1の
口径Dと入射電磁波の波長λで決まり、口径Dが大きく
なるほど小さくなり、また、集光力が高まるため、反射
鏡1の大口径化は星像を小さくすることで、分解能の向
上、検出限界の向上、さらには露出時間の短縮のために
も重要な意義を有する。
【0007】しかし、実際には、スタック2の熱膨張係
数が零でないため、温度が変化すると反射鏡1は熱変形
を生じることになる。ここで、各スタック2の熱膨張係
数が等しければ、各スタック2は相似形に変形するため
反射鏡1の焦点位置が移動するだけで、結像精度は劣化
しないが、実際には、各スタック2ごとに熱膨張係数が
異なるため、反射鏡1は不均一な熱変形を生じることに
なる。また、反射鏡1の口径が大きい場合は、スタック
2の数が増えるために変形がより複雑になるとともに、
少しの傾きでも変形量としては大きなものとなる。
【0008】従って、このような熱変形が生じると、天
体から入射される光は図8に示すように散乱し、星像は
図9に示すような強度分布となり、ぼやけた像となって
しまう。このため、該反射鏡1を大口径化しても、理論
限界を小さくできるという利点が生かせなくなる。
【0009】このような不均一な熱変形をひきおこすス
タック2の熱膨張係数の不均一性の主なものとして、各
スタック2の厚さ方向の熱膨張係数の勾配が異なるもの
(バイメタル的な変形の原因となる)と、各スタック2
の平均熱膨張係数がばらついているものがあり、該熱変
形を極力抑える方法として、図10に示すようなスタッ
ク配置が考えられる(第1の従来例)。
【0010】図10において、各スタック2に付けられ
た変数Δα1 ,・・・,Δα37はそれぞれ全スタック2
における熱膨張係数の平均値と各スタック2の平均熱膨
張係数との偏差(以下、熱膨張係数という)を表わして
おり、その熱膨張係数の大きなものから順に3グループ
(クロス斜線の網掛け、点々による網掛け、網掛けな
し)に分けて示してある(Δα1 ≧Δα2 ≧・・・≧Δ
α37)。
【0011】これによれば、熱膨張係数が大きなグルー
プに属するスタック2の周囲には、熱膨張係数が中くら
いのグループ、もしくは小さなグループに属するスタッ
ク2を配している。このようにすると、熱膨張係数の大
きなグループに属するスタック2の大きな熱膨張が、周
囲のスタック2の小さな熱膨張によって緩和されること
になって変形が局部的となり、直感的に変形量は、分布
が偏っている場合よりはるかに小さなものとなると期待
できる。
【0012】また、図11は熱変形を補正するアクチュ
エータを備えた反射鏡の断面図であり(第2の従来
例)、1は反射鏡、3は反射鏡1の裏面に取り付けられ
た温度センサ、4は温度センサ3により得られる反射鏡
1の温度測定値から補正力を計算する処理部、5はアク
チュエータコントローラ、6は反射鏡1に補正力を加え
て熱変形を補正するアクチュエータである。
【0013】これによれば、熱変形を補正する際、変形
をすべて補正しようとすると、ピッチの小さな凸凹も補
正することになり、大きな補正力が必要となって現実的
でないため、変形を空間周波数の関数である有限項また
は無限項の級数に展開し、凸凹のピッチの大きな項のみ
取り出して補正している。このとき、補正されずに残っ
たピッチの小さな凸凹が鏡面の残留変形となり、星像の
質を劣化させる。
【0014】図12は前述したような凸凹のピッチの大
きな項のみ補正する場合に、熱変形が凸凹のピッチの大
きな項に集中すると直感的に予測されたスタック2の配
置であり、図中、各スタック2に付けられた変数Δα
1 ,・・・,Δα37の意味は、図10について述べた場
合と同様である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の反射鏡は以上の
ように構成されているので、各スタック2について直感
的な配置しか行えないため、必ずしも熱変形を最小とす
るような配置になっていないなどの問題点があった。
【0016】この請求項1の発明は上記のような問題点
を解消するためになされたもので、反射鏡面の熱変形
最小にする反射鏡の生産方法を得ることを目的とする。
【0017】また、この請求項2の発明は反射鏡面の熱
変形を、空間周波数の級数に展開して補正した後に残る
残留熱変形を最小にする反射鏡の生産方法を得ることを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この請求項1の発明に係
る反射鏡の生産方法は、反射鏡の鏡面上の複数のサンプ
ル点における変位の2乗和を、全スタックにおける熱膨
張係数の平均値と各スタックの熱膨張係数との偏差を成
分とし、その成分の位置が各スタックの配置位置に対応
している熱膨張係数ベクトルの関数として定式化し、そ
の変位の2乗和が小さな熱膨張係数ベクトルほど大きな
確率で出現するような確率過程を計算機上で乱数を用い
て発生させ、その中から変位の2乗和が最小となる熱膨
張係数ベクトルを選び、その成分に従ってスタックを配
置し貼り合わせるものである。
【0019】また、この請求項2の発明に係る反射鏡の
生産方法は、反射鏡の熱変形を空間周波数の関数である
有限項の級数に展開し、そのうち所定の項を補正した後
の残留変形量を示す残留変形ベクトルの成分2乗和を、
全スタックにおける熱膨張係数の平均値と各スタックの
熱膨張係数との偏差を成分とし、その成分の位置が各ス
タックの配置位置に対応している熱膨張係数ベクトル関
数として定式化し、その残留変形ベクトルの成分の2乗
和が小さな熱膨張係数ベクトルほどの大きな確率で出現
するような確率過程を計算機上で乱数を用いて発生さ
せ、その中から残留変形ベクトルの成分の2乗和が最小
となる熱膨張係数ベクトルを選び、その成分に従ってス
タックを配置し貼り合わせるものである。
【0020】
【作用】この請求項1の発明における反射鏡の生産方法
は、反射鏡面の変位の2乗和が小さな熱膨張係数ベクト
ルほどの大きな確率で出現するような確率過程を計算機
上で乱数を用いて発生させ、その中から変位の2乗和が
最小となる熱膨張係数ベクトルを選び、その成分に従っ
てスタックを配置し貼り合わせることにより、反射鏡の
鏡面の熱変形量を著しく減少させる。
【0021】また、この請求項2の発明における反射鏡
の生産方法は、反射鏡面の残留変形ベクトルの成分の2
乗和が小さな熱膨張係数ベクトルほどの大きな確率で出
現するような確率過程を計算機上で乱数を用いて発生さ
せ、その中から変位の2乗和が最小となる熱膨張係数ベ
クトルを選び、その成分に従ってスタックを配置し貼り
合わせることにより、反射鏡の鏡面の補正後の残留変形
量を著しく減少させる。
【0022】
【実施例】
実施例1.以下、この請求項1の発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1において、1は37個のスタック
2から構成される反射鏡1を示す平面図であり、図中、
各スタック2に付けられた番号1,・・・,37はこの
反射鏡1内での位置を示す。
【0023】次に、動作について、図2のフローチャー
トを用いて説明する。まず、37個のスタック位置に配
置すべき37個のスタック2の熱膨張係数の平均値と各
スタック2の熱膨張係数との偏差(以下、熱膨張係数と
いう)を、大きい順にΔα1≧Δα2 ≧・・・≧Δα37
とする。従って、スタック位置を決定するということ
は、偏差Δαj (j=1,・・・,37)を図1のスタ
ック位置に対応付けるということになる。また、反射鏡
1の鏡面上にほぼ等間隔になるように、例えば1000
個設定された各熱変位測定点(サンプル点)での変位を
ΔZk (k=1,・・・,1000)とする。
【0024】ところで、各スタック2に任意に熱膨張係
数Δαj (j=1,・・・,37)を与えると、有限要
素法によって温度がΔTだけ変化した場合の各熱変位測
定点での変位ΔZk (k=1,・・・,1000)を計
算することができることから、スタック2の熱膨張係数
Δαj (j=1,・・・,37)によらない1000×
37行列Sを用いてΔαj(j=1,・・・,37)と
ΔZk (k=1,・・・,1000)を下記のように関
係付けることができる。
【0025】
【数2】
【0026】この式からもわかるように、行列Sの第1
列は熱膨張係数ベクトルを(Δα1,・・・,Δα37
=(1,0,・・・,0)とし、温度変化をΔT=1℃
としたときの変位ベクトルΔZk (k=1,・・・,1
000)として計算することができ、第2列以下も同様
に、(Δα1 ,Δα2 ,・・・,Δα37)=(0,1,
0,・・・,0),(Δα1 ,Δα2 ,・・・,Δα
37 )=(0,0,1,0,・・・,0),・・・とし
たときのΔZk (k=1,・・・,1000)として計
算することができる(ステップST1)。
【0027】ここで、変位ベクトルUおよび熱膨張係数
ベクトルαを下記のように定義する。
【0028】
【数3】
【0029】このとき、式2は下記のように書き替えら
れる。
【0030】 U=SαΔT ・・・(4)
【0031】また、変形の大きさは、通常変位のRMS
(Root Mean Square)で評価すること
ができ、この例では下記のようになる。
【0032】
【数4】
【0033】これにより、RMSを最も小さくするには
各変位の2乗和Σk=1 ,・・・,10 00(ΔZk2 を最
も小さくすればよいことがわかる。この2乗和は式3と
式4から次の下記のように表わせる。
【0034】
【数5】 ここで、肩字(T )は、行列またはベクトルの転置を表
わす。
【0035】式6より、熱変形を最小にするには、αT
TSαの値を最小にすればよいことがわかる。ここ
で、R=ST Sとおくと、この行列Rは熱膨張係数ベク
トルαによらない37×37の対称行列になる(ステッ
プST2)。従って、最適配置の問題は、αT Rαを最
小とするように、偏差Δα1,Δα2,・・・,Δα37
熱膨張係数ベクトルαの要素に並べるという問題にな
る。
【0036】次に、αT Rαが最小になる熱膨張係数α
の並べ方について説明する。そのために、整数列{1,
・・・,37}の置換の全体からなる集合を考え、この
置換の集合をΩとおく、Ωの要素ωは個々の置換を表わ
す。熱膨張係数ベクトルαの成分を要素ωにより並べ変
えたものをα(ω)と置く。すなわち、ωが{i1 ,i
2 ,・・・,i37}という置換であったとすれば、α
(ω)=(Δαi1 ,Δαi2 ,・・・,Δαi37)と
なる。このように定義すれば、問題は、下記で定義され
る評価関数を最小にするようなωを見つけることに帰着
する。
【0037】 E(ω)=αT (ω)Rα(ω) ・・・(7)
【0038】このE(ω)を最小にするωを見つけるた
めに、下記のような確率分布を考える。
【0039】 π(ω)=exp{−βE(ω)}/Z ・・・(8)
【0040】ここで、βは正の値をとる適当なパラメー
タであり、Zは下記で定義される規格化定数である。
【0041】
【数6】
【0042】式8から明らかなように、E(ω)の値が
小さなωほど大きな確率が与えられており、その傾向は
パラメータβの値が大きいほど顕著になる。従って、式
8のような確率分布をもつ確率過程(ωの時系列)を人
工的に発生させることができれば、そこから、得られる
サンプルについてのE(ω)の値は最小値に極めて近い
ことが、高い確率で期待できる。
【0043】上記の式8のような確率分布をもつ確率過
程は、乱数を用いて、計算機の中で次のようにして発生
させることができる。 (1)乱数を用いて、置換の集合Ωの中からランダムに
初期値ωを選ぶ(ステップST3)。 (2)乱数を用いて、整数列{1,・・・,37}の中
からランダムに2つの整数k,jを選ぶ(ステップST
4)。 (3)α(ω)の成分αk (ω)とαj (ω)を入れ替
えたときのE(ω)の増分ΔE(ω)を下記により求め
る(ステップST5)。
【0044】
【数7】
【0045】(4)次に、下記に示す確率に従って、α
k (ω)とαj (ω)を入れ替えるか否かの判定を行
う。
【0046】
【数8】
【0047】具体的には、0≦r≦1となるような一様
乱数rを発生させて(ステップST6)、rと1/{1
+exp(βΔE(ω)}の大きさを比較し(ステップ
ST7)、rの方が小さければαk (ω)とαj (ω)
の入れ替えを行い(ステップST8)、rの方が大きけ
れば入れ替えを行わないというようにすればよい。 (5)(2)に戻って同じことを繰り返す。
【0048】上記の手順で規定しているのは、任意の2
つの要素の入れ替え、すなわち、互換の確率法則だけで
あるが、任意の置換から置換への推移は互換の積として
表されることから、発生する確率過程は置換の集合Ωの
全体をめぐることになり、十分な時間の後、この確率過
程の分布はΩ上の定常確率分布に近づく。この定常確率
分布は、例えばエヌ・メトロポリス他の「イクエイショ
ン オブ ステイトカルキュレーションズ バイ ファ
ースト コンピューティング マシーンズ」(N.Me
tropolis et al,”Equation
ofstate calculations by f
ast computingmachines,”J.
Chem.Phys.,Vol.21,1953,p
p.1087−1091)に示されているように式8の
確率分布に等しい。
【0049】このようにして、評価関数E(ω)の値が
極めて小さくなる確率が大きい置換ωの系列が得られる
から、その中から、E(ω)の値を最も小さくするよう
な置換ωを選ぶ(ステップST9)。最後に、上記手段
によって得られた置換ωに従って各スタック2を配置し
て貼り合わせる(ステップST10)。
【0050】実施例2.次に、請求項2の発明の一実施
例を、図4のフローチャートを用いて説明する。この実
施例では、熱変形をモード展開し、所定の項を補正する
際、補正後に残る変形が最小になるように各スタック2
を配置する。
【0051】まず、実施例1と同様に、有限要素法を用
いて行列Sを計算しておく(ステップST1)。変位ベ
クトルUと熱膨張係数ベクトルαの関係は、上記式4の
ようになり、補正後の残留変形は、この変位ベクトルU
から補正量を引いたものであるため、残留変形と熱膨張
係数ベクトルαの関係を求めるには、補正量と熱膨張係
数ベクトルαの関係を求めればよいことになる。
【0052】以下、具体的に固有振動モードの1次から
32次までのモードを補正する場合について説明する。
まず、変位ベクトルUは、無限項の固有振動モードの重
ね合わせとして表現することができる。固有振動モード
は有限要素法を用いて計算することができる。固有モー
ドの変形パターンの例を図3に示す。m番目の固有振動
モードの変形パターンqm を変位ベクトルUと同じ座標
点での変位qmiで表わすと下記のようになる。
【0053】
【数9】
【0054】また、展開係数(振動モードの振幅に相当
する)をAm とすると、変位ベクトルUは固有振動モー
ドの重ね合わせとして、下記のように表わせる。
【0055】
【数10】
【0056】このうち、32次までの成分が補正量とな
り、この補正量は下記のようになる。
【0057】
【数11】
【0058】ここで、展開係数ベクトルAと行列Qは下
記で定義される(ステップST21)。
【0059】
【数12】
【0060】ところで、熱膨張係数ベクトルαと変位ベ
クトルUは、式4に示されるように線形の関係にあり、
変位ベクトルUと展開係数Aも線形の関係にあるため、
熱膨張係数ベクトルαと展開係数Aも線形の関係にな
る。従って、ある行列Pを用いて下記のように表わせ
る。
【0061】
【数13】
【0062】ここで、Pは次のように計算できる。Pの
第1列目は熱膨張係数ベクトルαを(1,0,・・・,
0)としたときの熱変形(上記Sの第1行目と同じ)を
固有振動モードで展開した展開係数であり、熱変形は有
限要素法で計算し、モード展開は最小2乗法によるフィ
ッティングなどの方法で計算する。第2列目はα=
(0,1,0,・・・,0)として同様に計算できる
(ステップST22)。
【0063】これにより、補正量QAは、熱膨張係数ベ
クトルαと結びつけ、QA=QPαΔTとすることがで
きる。
【0064】よって、残留変形ベクトルUz は、変位ベ
クトルUから補正量を引き算する事により、下記のよう
に表わせる。
【0065】Uz =U−QPαΔT =SαΔT−QPαΔT =(S−QP)αΔT =Sz αΔT ここで Sz =S−QP ・・・(17)
【0066】従って、実施例1の変位ベクトルUのかわ
りにこの残留変形ベクトルUz を、SのかわりにSz
いることにより、実施例1と同様に最適配置を求めるこ
とができる(ステップST23)。なお、ステップST
3以下の処理は実施例1と同様のため説明を省略する。
【0067】なお、上記実施例1および2では、熱膨張
係数ベクトルαとして各スタック2の熱膨張係数の偏差
を用いて、反射鏡1の熱変形量、あるいは補正後の残留
変形量を最小にする反射鏡の生産方法について説明した
が、熱膨張係数ベクトルαとして各スタック2の厚さ方
向の熱膨張係数の勾配を用いてもよく、上記実施例と同
様の効果を奏する。
【0068】また、上記のように熱膨張係数ベクトルα
として各スタック2の厚さ方向の熱膨張係数の勾配を用
いた場合に、熱変形の固有振動モードの第1次から第3
2次までを補正した後の残留変形量を最小にするスタッ
ク配置により貼り合わせた例は、図5に示す通りであ
る。
【0069】なお、図5において各スタック2に付けら
れた変数Δα1 ,・・・,Δα37(Δα1 ≧Δα2 ≧・
・・≧Δα37)は、該各スタックの厚さ方向の熱膨張係
数の勾配の大きさを表わす。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この請求項1の発明によ
れば、反射鏡面の変位の2乗和が小さな熱膨張係数ベク
トルほど大きな確率で出現するような確率過程を計算機
上で乱数を用いて発生させ、その中から変位の2乗和が
最小となる熱膨張係数ベクトルを選び、その成分に従っ
てスタックを配置し貼り合わせるようにしたので、反射
鏡の熱変形を極めて小さくできるものが得られる効果が
ある。
【0071】また、この請求項2の発明によれば、残留
変形ベクトルの成分の2乗和が小さな熱膨張係数ベクト
ルほど大きな確率で出現するような確率過程を計算機上
で乱数を用いて発生させ、その中から変位の2乗和が最
小となる熱膨張係数ベクトルを選び、その成分に従って
スタックを配置し貼り合わせるようにしたので、上記請
求項1の発明と同様に、補正後の反射鏡の残留変形量を
極めて小さくできるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この請求項1および請求項2の発明の反射鏡に
おけるスタックの配置位置を示す平面図である。
【図2】この請求項1の発明の一実施例による反射鏡の
生産方法を示すフローチャート図である。
【図3】図1における反射鏡の固有振動モードの各モー
ドにおける等高線図の一例を示す平面図である。
【図4】この請求項2の発明の一実施例による反射鏡の
生産方法を示すフローチャート図である。
【図5】この請求項1および請求項2において、スタッ
クの厚さ方向の熱膨張係数の勾配を用いて決定されるス
タック配置例を示す平面図である。
【図6】従来およびこの発明の反射鏡の構成を示す斜視
図である。
【図7】反射鏡に熱変形がない星像の強度分布を示す特
性図である。
【図8】熱変形した場合の反射鏡の断面図である。
【図9】反射鏡に熱変形がある場合の星像の強度分布を
示す特性図である。
【図10】従来の反射鏡におけるスタック配置を示す斜
視図である。
【図11】従来の熱変形を補正するアクチュエータを備
えた反射鏡を示す断面図である。
【図12】図10の他の従来例によるスタック配置を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 反射鏡 2 スタック(部分鏡材)
フロントページの続き (72)発明者 浅里 幸起 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 通信機製作所内 (56)参考文献 特表 平2−500781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/08 - 5/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分鏡材を貼り合わせて反射鏡を構成す
    る際、その反射鏡の鏡面上の複数のサンプル点における
    変位の2乗和を、全部分鏡材における熱膨張係数の平均
    値と各部分鏡材の熱膨張係数との偏差を成分とし、その
    成分の位置が各部分鏡材の配置位置に対応している熱膨
    張係数ベクトルの関数として定式化し、その変位の2乗
    和が小さな熱膨張係数ベクトルほど大きな確率で出現す
    るような確率過程を計算機上で乱数を用いて発生させ、
    その中から変位の2乗和が最小となる熱膨張係数ベクト
    ルを選び、その成分に従って部分鏡材を配置し貼り合わ
    せる反射鏡の生産方法。
  2. 【請求項2】 部分鏡材を貼り合わせて反射鏡を構成す
    る際、その反射鏡の熱変形を空間周波数の関数である有
    限項の級数に展開し、そのうち所定の項を補正した後の
    残留変形量を示す残留変形ベクトルの成分の2乗和を、
    全部分鏡材における熱膨張係数の平均値と各部分鏡材の
    熱膨張係数との偏差を成分とし、その成分の位置が各部
    分鏡材の配置位置に対応している熱膨張係数ベクトルの
    関数として定式化し、その残留変形ベクトルの成分の2
    乗和が小さな熱膨張係数ベクトルほど大きな確率で出現
    するような確率過程を計算機上で乱数を用いて発生さ
    せ、その中から残留変形ベクトルの成分の2乗和が最小
    となる熱膨張係数ベクトルを選び、その成分に従って部
    分鏡材を配置し貼り合わせる反射鏡の生産方法。
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