JP2871063B2 - (r,z)―5―テトラデセン―4―オリドの製造方法 - Google Patents

(r,z)―5―テトラデセン―4―オリドの製造方法

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JP2871063B2 JP2286953A JP28695390A JP2871063B2 JP 2871063 B2 JP2871063 B2 JP 2871063B2 JP 2286953 A JP2286953 A JP 2286953A JP 28695390 A JP28695390 A JP 28695390A JP 2871063 B2 JP2871063 B2 JP 2871063B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D315/00Heterocyclic compounds containing rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom according to more than one of groups C07D303/00 - C07D313/00

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、(R,Z)−5−テトラデセン−4−オリド
の製造方法に関する。
この目的化合物はマメコガネ(通称:Japanese beetl
e、学名:Popillia japonica)の性フォロモンとして公
知である。従って、この化合物はフェロモントラップ
(誘引捕殺)によるマメコガネ駆除の分野で有用であ
る。
〔従来の技術〕
マメコガネは、ブドウ等の果樹および芝などに寄生す
る害虫である。近年、特にゴルフ場等において、マメコ
ガネによるの芝の被害が問題になっている。加えて、マ
メコガネを駆除するために多量の農薬を使用するため、
ゴルフ場の近隣地区では農薬汚染が問題になっている。
一方、フェロモンを用いた誘引捕殺は、少量のフェロ
モンで多量の害虫を駆除できる特長を有しており、幾つ
かの害虫に対して実際に適用されている。従って、マメ
コガネの誘引捕殺は、上記の問題を解決するための極め
て有効な手段と考えられる。
マメコガネのフェロモン、即ち、(R,Z)−5−テト
ラデセン−4−オリドの合成方法としては、アラビノー
スから光学活性な中間体である(4R,5S,6R)−5,6−ジ
ヒドロキシテトラデカン−4−オリドを誘導し、該中間
体から次式に従ってジオールを脱離する方法が従来公知
である。
しかし、上記従来の合成法には、アラビノースから光
学活性中間体(4R,5S,6R)−5,6−ジヒドロキシテトラ
デカン−4−オリドを誘導する過程において、有害なク
ロム酸を酸化剤を用いる工程が含まれている。このた
め、作業の安全性および廃棄物公害など、実用上の問題
が多い欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その課題
は、クロム酸による酸化工程を含まず且つ短工程で目的
化合物を合成できる、大量生産に適した(R,Z)−5−
テトラデセン−4−オリドの製造方法を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による(R,Z)−5−テトラデセン−4−オリ
ドの製造方法は、 a)次式で示されるように、D−リボース(1)とアセ
トン(2)とを反応させることにより、化合物(3)を
得る工程と、 b)次式で示されるように、化合物(3)とウィッティ
ッヒ試薬(4)とを反応させることにより、化合物
(5)を得る工程と、 c)化合物(5)の1級水酸基のみを選択的に脱離基−
OLに転化することにより、下記の化合物(6)を得る工
程と、 d)化合物(6)を塩基処理することにより、下記の化
合物(7)を得る工程と、 e)次式で示されるように、化合物(7)と酢酸等価体
とを塩基触媒の存在下で反応させた後、更に生成物をを
ラクトン化することにより、化合物(8)を得る工程
と、 f)化合物(8)を接触水素化することにより、下記の
化合物(9)を得る工程と、 g)化合物(9)を酸処理してケタール部分を加水分解
することにより、下記の化合物(10)を得る工程と、 h)次式で示されるように、化合物(10)とオルトギ酸
エステル(11)とを反応させてオルトエステル誘導体
(12)を得た後、該オルトエステルからオルトギ酸エス
テルを還元的に脱離することにより、目的化合物(13)
を得る工程 とを具備したことを特徴とするものである。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明で出発物質に用いるD−リボース(1)は、市
場で容易に入手することができる。しかも、D−リボー
スは従来の方法で出発原料に用いられているアラビノー
スよりも安価であり、これは本発明の一つの利点として
挙げられる。
工程a)において、D−リボース(1)の2,3−ジオ
ール基をイソプロピリデン基で保護し、化合物(3)を
得る反応は、公知の方法(J.Biol.Chem.,102,187−201
(1933))に従って行うことができる。即ち、D−リボ
ース(1)とアセトン(2)とを反応させ、ケタール化
すればよい。
工程b)において、化合物(3)から化合物(5)を
得る反応は、周知のウィッティッヒ反応である。この反
応をより詳細に記述すれば、次式に示すように化合物
(3)の環状アセタールが開環し、生成したアルデヒド
とウイッティッヒ試薬(4)とが反応するものである。
また、この反応は次式で表されるホスホニウム塩をブ
チルリチウムまたはカリウムブトキシド等の塩基の存在
下で処理してから、これを化合物(3)と反応させるこ
とによって行うことができる。
なお、工程b)の反応で用いる溶媒は、特に限定され
るものではないが、通常はテトラヒドロフラン又はジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒が用いられる。
工程c)において、化合物(5)の1級水酸基のみを
選択的に脱離基−OLへ転化させるステップは、酸クロラ
イド又は酸無水物等を用いた通常のエステル化反応によ
って行うことができる。例えば、次式に示したように、
化合物(5)と塩化p−トルエンスルホニルとを反応さ
せることにより、Lがトシル基である化合物(6)を得
ることができる。
なお、化合物(6)のLとしては、上記のp−トルエ
ンスルホニル基以外に、メタンスルホニル基、トリフル
オロメタンスルホニル基を用いることができる。また、
反応溶媒としては、例えばポリジン等が用いられるが、
特に限定されるものではない。
工程d)において、化合物(6)を塩基処理して化合
物(7)を得る反応は、公知のエポキシ化反応である。
この反応で用いられるる塩基性化合物としては、水酸化
カリウムや水酸化ナトリウム等の金属水酸化物、水素化
ナトリウムや水素化リチウム等の金属水素化物、更には
ナトリウムメトキシドやカリウムブトキシド等の金属ア
ルコキシドが挙げられる。また、溶媒は特に限定されな
いが、例えば水、アルコール(メタノール及びエタノー
ル等)、テトラヒドロフラン、或いはこれらの混合溶媒
が挙げられる。
工程e)において、化合物(7)からラクトン(9)
を得るために用いる酢酸等価体としては、酢酸自体また
はフェニルチオ酢酸等の酢酸誘導体を用いることができ
る。フェニルチオ酢酸を用いた場合を例に説明すると、
工程e)の反応は次式で示すように進行する。
まず、フェニルチオ酢酸を適当な塩基、例えばリチウ
ムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジ
シラジド等で処理することにより、フェニルチオ酢酸か
ら水素が引き抜かれたアニオンが生じる。このアニオン
が化合物(7)のエポキシ基を求核的に攻撃することに
より、エポキシ環が開環し、中間体としてγ−ヒドロキ
シカルボン酸誘導体が形成される。次に、この中間体に
適当なラクトン化剤を作用させることにより、ラクトン
化合物(8)が得られる。ここで使用するラクトン化剤
は特に限定されず、通常のラクトン化反応に用いられて
いるものを使用することができる。例えば、N−エチル
−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩等が挙げられる。
工程f)において、化合物(8)から化合物(9)を
得るステップは、通常の接触還元プロセスにより行うこ
とができる。即ち、化合物(8)を適当な溶媒に溶解し
た後、ラネーニッケル、白金または炭素化パラジウム等
の適当な水添触媒の存在下において、水素雰囲気中で撹
拌すればよい。溶媒は特に限定されないが、一般にはエ
タノールまたはメタノール等のアルコール系溶媒が用い
られる。
工程g)においては、化合物(9)からジオールの保
護に用いられたイソプロピリデン基を除去することによ
り、化合物(10)を得る。この反応は、酸触媒によるケ
タールの加水分解である。酸触媒としては、塩酸や硫酸
等の鉱酸、トリフルオロ酢酸やp−トルエンスルホン酸
等の有機酸、或いは酸性イオン交換樹脂等を用いること
ができる。また、溶媒は特に限定されないが、通常は水
またはジオキサン等が用いられる。
工程h)は最終工程であり、化合物(10)から目的化
合物である(R,Z)−5−テトラデセン−4−オリド(1
3)が得られる。オルトギ酸エステル(11)は特に限定
されないが、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチルが好
適に用いられる。また、オルトエステル化合物(12)の
還元的脱離反応は、無水酢酸との反応によって行うこと
ができる。従来技術の項で述べたように、この工程g)
の反応は既に公知である(Agric.Biol.Chem.,51,635−6
40(1987))。従って、本発明は化合物(10)を得るた
めの工程a)〜工程g)に特徴を有するものである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、詳述したように、本
発明による(R,Z)−5−テトラデセン−4−オリドの
製造方法は、クロム酸による酸化工程は含まれない。従
って、従来の方法に比較して作業上の安全性が高く、ま
た廃棄物公害の危険性も著しく低減される。
更に、原料のD−リボースが安価であり、工程数も従
来の方法に比較して多くないから、製造コストを節減す
る上でも有利である。
〔実施例〕
以下、実施例に従い、本発明を各工程に沿ってより詳
細に説明する。
工程a) 2,3−O−イソプロピリデン−D−リボフラノース(化
合物3)の合成 J.Biol.Chem.,102,187−201(1933)に記載の方法に
従い、D−リボース(1)を出発物質とし、これをアセ
トンと反応させることにより、化合物2を得た。生成物
の物理データは文献値と一致した。
工程b) (2R,3S,4R)−3,4−イソプロピリデンジオキシドデカ
−5−エン−1,2−ジオール(化合物5)の合成 ヘプチルトリフェニルホスホニウムブロミド5.3g(12
0mmol)を無水THF315ml中に添加した懸濁液に、0℃の
アルゴン雰囲気下において、n−ブチルリチウムのn−
ヘキサン溶液(濃度1.6mol/l)75ml(120mmol)をゆっ
くりと滴下した。滴下終了後、0℃で1時間撹拌した。
続いて、先に工程a)で調製した化合物(3)4.5g(24
mmol)を無水THF40mlに溶解し、該溶液を上記の反応溶
液中にゆっくりと滴下した。その後、室温で一晩撹拌し
て反応させた。
反応を終了した後、反応溶液を飽和塩化ナトリウム水
溶液中にあけ、クロロホルムで3回抽出した。有機層を
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下に溶媒を留去した。残留物をジエチルエーテルと水に
溶解し、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去
した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、5.5g(2
0mmol)の化合物(5)が得られた(収率85%)。
この生成物はE体とZ体との混合物で、この混合比は、
E体:Z体=7:3であった。生成物の1H−NMRデータは次の
通りである。1 H−NMR(CDCl3):δ 5.89(0.7H,dt,J=15.3 & 6.7Hz,E:H−6), 5.77(0.3H,dt,J=11.0 & 7.1Hz,Z:H−6), 5.65−5.52(1H,m,H−5), 5.04(0.3H,dd,J=9.0 & 6.4Hz,Z:H−4), 4.67(0.7H,t,J=7.2,E:H−4), 4.10−4.02(1H,m,H−3), 3.85−3.65(3H,m,H−1,H−2), 2.50−2.35(2H,m,OH), 2.25−2.05(2H,m,H−7), 1.55−1.25(14H,m,Me,H−8,H−9,H−10,H−11), 0.88(3H,t,J=6.7Hz,H−12) 工程c) (2R,3S,4R)−2−ヒドロキシ−3,4−イソプロピリデ
ンジオキシドデカ−5−エン−1−イルp−トルエンス
ルホネート(化合物6)の合成 工程b)で調製した化合物(5)の0.20g(0.73mmol)
をピリジン2mlに溶解して調製した溶液に、p−トルエ
ンスルホニルクロリド0.17g(0.89mmol)を添加した。
これを無水条件下で一晩撹拌して反応させた。
反応終了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液中にあけ、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を
留去した。残留物をジエチルエーテルに溶解し、飽和硫
酸銅水溶液、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精
製することにより、0.23g(0.54mmol)の化合物(6)
が得られた(収率74%)。
生成物の1H−NMRデータは次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3):δ 7.81(2H,d,J=8.3Hz,aromatic−H), 7.35(2H,d,J=8.3Hz,aromatic−H), 5.85(0.7H,dt,J=15.2 & 6.8Hz,E:H−6), 5.77−5.66(0.3H,m,Z:H−6), 5.00(0.3H,ddd,J=9.1 & 5.3 & 0.8Hz,Z:H−
4), 4.64(0.7H,t,J=6.9Hz,E:H−4), 4.35−4.27(1H,m,H−1), 4.15−4.02(1H,m,H−1), 4.02−3.92(1H,m,H−3), 3.92−3.84(1H,m,H−2), 2.45(3H,s,aromatic−Me), 2.35(0.3H,d,J=4.6Hz,Z:OH), 2.32(0.7H,d,J=4.6Hz,E:OH), 2.15−2.03(2H,m,H−7), 1.45−1.25(14H,m,Me,H−8,H−9,H−10,H−11), 0.88(3H,t,J=6.6Hz,H−12) 工程d) (2R,3S,4R)−1,2−エポキシ−3,4−イソプロピリデン
ジオキシドデカ−5−エン(化合物7)の合成 上記の工程c)で調製した化合物(6)の2.5g(6.0m
mol)を無水THF100mlに溶解して調製した溶液に、アル
ゴン雰囲気下0℃において、水素化ナトリウム0.95g(6
0%溶液、24mmol)を少しづつ加えた。これを室温で一
晩撹拌することにより反応させた。
反応終了後、反応溶液を飽和硫酸アンモニウム水溶液
中にあけ、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留
去した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=6:1)で精製することにより、1.4g
(5.3mmol)の化合物(7)が得られた(収率88%)。
生成物の1H−NMRデータは次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3):δ 5.91(0.7H,dt,J=15.3 & 6.8Hz,E:H−6), 5.82−5.73(0.3H,m,Z:H−6), 5.66−5.53(1H,m,H−5), 5.06(0.3H,ddd,J=8.8 & 6.4 & 0.9Hz,Z:H−
4), 4.70(0.7H,t,J=7.2Hz,E:H−4), 3.75(1H,t,J=6.7Hz,H−3), 3.01−2.95(1H,m,H−2), 2.84−2.79(1H,m,H−1), 2.71−2.66(1H,m,H−1), 2.19−2.04(2H,m,H−7), 2.15−2.03(2H,m,H−7), 1.55−1.23(14H,m,Me,H−8,H−9,H−10,H−11), 0.93−0.88(3H,m,H−12) 工程e) (2RS,4R,5R,6R)−5,6−イソプロピリデンジオキシ−
2−フェニルチオテトラデカ−7−エ−4−オリド(化
合物8)の合成 フェニルチオ酢酸2.8g(17mmol)を無水THF40ml中に
溶解し、アルゴン雰囲気下0℃において、この溶液中に
リチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(濃度1.0mo
l/l)34ml(34mmol)を滴下した。これを室温までゆっ
くり昇温した後、そのまま室温で1時間撹拌した。
続いて、工程d)で調製した化合物(7)2.1g(8.4m
mol)を無水THF40mlに溶解し、この溶液を先に調製した
溶液中に滴下し、室温で一晩撹拌することにより反応さ
せた。
反応終了後、反応溶液を1mol/lの塩化水素水溶液中に
あけ、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を水で
2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去し
た。
次に、残留物5.6gを無水ジクロロメタン40ml中に溶解
した。この溶液に、N−エチル−N′−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.1g(11mmol)
及び触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを加え、無水
条件下に室温で1時間撹拌して反応させた。
反応終了の後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液中にあけ、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を
留去して濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
(n−ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することに
より、2.1g(5.2mmol)の化合物(8)が得られた(収
率62%)。この場合、化合物(8)のRは−S Phであ
る。
生成物の1H−NMRデータは次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3):δ 7.62−7.53(2H,m,aromatic−H), 7.44−7.21(3H,m,aromatic−H), 5.88−5.77(0.8H,m,H−8:E体), 5.75−5.64(0.2H,m,H−8:Z体), 5.47−5.25(1H,m,H−7), 5.08−4.97(0.2H,m,H−6:Z体), 4.70−4.63(0.8H,m,H−6:E体), 4.39−3.88(3H,m,H−2,H−4,H−5), 2.75−2.59(1H,m,H−3), 2.33−2.22(1H,m,H−3), 2.15−1.98(2H,m,H−9), 1.48−1.20(14H,m,Me,H−10,H−11,H−12,H−13), 0.92−0.85(3H,m,H−14) 工程f) (4R,5S,6R)−5,6−イソプロピリデンジオキシテトラ
デカン−4−オリド(化合物9)の合成 工程e)で調製した(8)0.50g(1.2mmol)を、エタ
ノール15ml中に溶解した。この溶液にラネーニッケルを
加え、水素雰囲気下で一晩加熱還流することにより反応
させた。
反応終了後、セライトを用いて触媒を濾過し、濾液を
減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することに
より、0.27g(0.90mmol)の化合物(9)を得た(収率7
3%) 生成物の1H−NMRデータ及びIRデータは次の通りであ
った。1 H−NMR(CDCl3):δ 4.48(1H,q,J=7.1Hz,H−4), 4.26−4.11(1H,m,H−6), 4.02(1H,dd,J=7.5 & 6.0Hz,H−5), 2.67−2.14(4H,m,H−2,H−3), 2.30−1.97(3H,m,H−3,H−9), 1.70−1.22(20H,m,Me,H−7,H−8,H−9,H−10,H−11,H
−12,H−13), 0.88(3H,t,J=6.7Hz,H−14) IR(neat):ν 2928(s),2860(s),1787(s),1462(m),1373
(m),1176(w) 工程g) (4R,5S,6R)−5,6−ジヒドロキシテトラデカン−4−
オリド(化合物10)の合成 工程f)で調製した化合物(9)0.96g(3.2mmol)
を、90%トリフルオロ酢酸水溶液30ml中に溶解した。こ
れを室温で4時間撹拌することにより反応を行った。
反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、更にトルエ
ンを用いて共沸脱水した。得られた残留物をジエチルエ
ーテルから再結晶化することにより、0.20g(0.8mmol)
の化合物(10)を得た。更に、濾液を減圧下に濃縮し、
残留物をシリカゲルカラムクロマト(n−ヘキサン:酢
酸エチル=1:2)で精製することにより、0.40g(1.6mmo
l)の化合物(10)を得た(合計収率72%) 生成物の融点、1H−NMRデータ及びIRデータは次の通
りであった。
融点:117.0〜119.0℃ (文献値は96.0〜97.5℃)1 H−NMR(CDCl3):δ 4.47(1H,dt,J=7.3 & 4.0Hz,H−4), 3.85(1H,dd,J=6.0 & 4.0Hz,H−5), 3.70(1H,ddd,J=8.8 & 5.9 & 3.0Hz,H−6), 2.68−2.46(2H,m,H−2), 2.44−2.20(2H,m,H−3), 2.00−1.65(2H,br,OH), 1.62−1.21(14H,m,H−7,H−8,H−9,H−10,H−11,H−1
2,H−13), 0.88(3H,t,J=6.7Hz.H−14) IR(KBr):ν 3238(s),2924(s),2856(s),1773(s),1738
(m),1460(m),1207(m),1083(m),1023(m) 工程h) 目的化合物(R,Z)−5−テトラデセン−4−オリド
(化合物13)の合成 工程g)で調製した化合物(10)0.10g(0.39mmol)
を、乾燥塩化メチレン10ml中に溶解した。この溶液にオ
ルトギ酸メチル100μl(0.94mmol)と、触媒量のp−
トルエンスルホン酸を加え、無水条件下に室温で30分間
撹拌した。
反応終了後、反応溶液をシリカゲルに通し、更にジエ
チルエーテルで溶出する。溶出液を減圧下濃縮すること
により、粗精製の化合物(12)を0.12g(0.37mmol)得
た(収率95%)。
次に化合物(12)0.11g(0.33mmol)を、無水酢酸4ml
中に溶解した。この溶液に触媒量のp−トルエンスルホ
ン酸を加え、無水条件下に2時間加熱還流した。
反応終了後、反応溶液を冷却した後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液中にあけ、クロロホルムで3回抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下で溶媒を留去して濃縮した。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製
することにより、0.06g(0.27mmol)の化合物(13)が
得られた(収率82%)。
生成物1H−NMRデータ及びIRデータは次の通りであっ
た。1 H−NMR(CDCl3):δ 5.67(1H,ddt,J=10.8 & 7.6 & 0.9Hz,H−6), 5.46(1H,ddt,J=10.8 & 8.3 & 1.5Hz,H−5), 5.25(1H,dddd,J=9.0 & 8.3 & 6.5 & 0.9Hz,H−
4), 2.56(2H,m,H−2), 2.38(1H,ddt,J=12.6 & 12.1 & 6.5Hz,H−3), 2.11(2H,m,H−7), 1.95(1H,dddd,J=12.6 & 9.1 & 9.0 & 8.2Hz,H−
3), 1.47−1.23(12H,m,H−8,H−9,H−10,H−11,H−12,H−1
3), 0.88(3H,t,J=6.7Hz.H−14)IR(neat):ν 2930(s),2858(m),1781(s),1462(m),1180
(s),1013(m),980(m),909(m),
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古関 幸史 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 松下 肇 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 小野 幹夫 東京都西多摩郡羽村町緑ケ丘3丁目5― 8 富士フレーバー株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式で示される(R,Z)−5−テトラデセ
    ン−4−オリド(13)の製造方法であって、 a)次式で示されるように、D−リボース(1)とアセ
    トン(2)とを反応させることにより、化合物(3)を
    得る工程と、 b)次式で示されるように、化合物(3)とウィッティ
    ッヒ試薬(4)とを反応させることにより、化合物
    (5)を得る工程と、 c)化合物(5)の1級水酸基のみを選択的に脱離基−
    OLに転化することにより、下記の化合物(6)を得る工
    程と、 d)化合物(6)を塩基処理することにより、下記の化
    合物(7)を得る工程と、 e)次式で示されるように、化合物(7)と酢酸等価体
    とを塩基触媒の存在下で反応させた後、更に生成物をを
    ラクトン化することにより、化合物(8)を得る工程
    と、 f)化合物(8)を接触水素化することにより、下記の
    化合物(9)を得る工程と、 g)化合物(9)を酸処理してケタール部分を加水分解
    することにより、下記の化合物(10)を得る工程と、 h)次式で示されるように、化合物(10)とオルトギ酸
    エステル(11)とを反応させてオルトエステル誘導体
    (12)を得た後、該オルトエステルからオルトギ酸エス
    テルを還元的に脱離することにより、目的化合物(13)
    を得る工程 とを具備したことを特徴とする方法。
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