JP2869397B2 - 中性点形インバータ装置 - Google Patents

中性点形インバータ装置

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JP2869397B2 JP9104563A JP10456397A JP2869397B2 JP 2869397 B2 JP2869397 B2 JP 2869397B2 JP 9104563 A JP9104563 A JP 9104563A JP 10456397 A JP10456397 A JP 10456397A JP 2869397 B2 JP2869397 B2 JP 2869397B2
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健三 奥津
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電圧を整流し
平滑して一旦直流電圧に変換した後、さらに高周波電圧
に変換して高周波電力を負荷に供給するインバータ装置
に関し、より詳細には、中性点形インバータ装置もしく
は照明機器に好適な中性点形インバータ式安定器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近の小型化された家電製品やOA機器
においては高性能化・高効率化のため高周波インバータ
装置が搭載されている。
【0003】また、家庭用蛍光灯器具や施設用蛍光灯器
具においては、蛍光灯を点灯させる回路方式として、従
来はチョーク限流型・漏洩変圧器型等の銅鉄型安定器と
称されるものが使用されてきたが、形状・重量および効
率の面で限界があることから、今日の蛍光灯器具には高
周波点灯式安定器(インバータ式安定器)といわれるラ
ンプ制御装置が使用されるようになり、HIDランプ
(水銀灯、メタルハライドランプ等)器具、電球型蛍光
ランプ等にも使用されている。
【0004】このインバータ式安定器は、効率がよく省
電力化が図れること、ランプのチラツキや安定器の騒音
を少なくできること、軽量化が図れること等の利点があ
ることから、上記各種蛍光灯器具のインバータ化が急激
に進んでいる。
【0005】しかしながら、上記高周波インバータ装置
やインバータ式安定器(以下、これらを「インバータ装
置」という。)は、一般に整流器(ダイオード)を用い
電解コンデンサで平滑して使用する全波整流のコンデン
サ平滑回路方式が多く用いられており、ダイオードの非
線形性に起因する歪波電流が商用電源に流れる。
【0006】そのため商用電源側の入力電流に高調波成
分(高調波電流)が流れる。この高調波電流がおよぼす
障害(高調波障害)の問題が顕著になってきている。
【0007】このため、高調波電流を抑制するための回
路技術の検討がなされ、例えば、交流リアクトル挿入方
式・部分平滑方式・アクティブ平滑フィルタ方式(イン
バータ蛍光灯;電子技術,Vol.32,No3,pp.113-119参照)
・ディザー整流方式(ディザー効果を用いた高力率スイ
ッチングレギュレータ;電気学会全国大会講演論文集,N
o.546,pp.5-137参照)等が提案されている。
【0008】さらに、蛍光灯用の電子安定器として、デ
ィザー整流方式と同様に蛍光灯点灯用のインバータのみ
で商用電源側の入力電流の高調波成分の低減が図れる中
性点形電子安定器回路の提案もなされている(簡易高調
波低減回路の一方法;著者:加藤義人氏,電気設備学会
誌,Vol.12,No.10,pp.902-904参照)。 また、この中性
点形電子安定器回路(中性点形インバータ式安定器)の
理論解析についての考察もなされている(中性点形イン
バータによる入力電流低歪み形電子安定器の開発;著
者:加藤義人氏,照明学会誌,Vol79,No.2,pp.14-20参
照)。
【0009】この中性点形インバータ式安定器は、(1)
商用電源側にローパスフィルタLPFを挿入することで、
アクティブ平滑フィルタ方式と同様に入力電流に含まれ
る高調波成分の低減が蛍光灯点灯用のインバータのみで
可能であること、(2) ディザー整流方式のように新たな
回路とする必要がなく、既存のハーフブリッジ形安定器
の改良に適用できること、(3) 入力電流の高調波成分は
IEC規格(IEC1000-3-2)以下にできること、(4) 入力
力率は97%以上の高力率が得られること、(5)回路構成
が簡単で、かつ、ランプ発光光率の低下が少ないこと、
等の多くの利点を有することから、インバータ機器の高
調波障害を防止する好適な回路として使用されつつあ
る。
【0010】図18は中性点形インバータ式装置の基本回
路図である。この回路は、商用電源Viをローパスフィル
タLPF を介して直流電圧Edに整流する全波整流器DB(構
成ダイオードは回路図において単に1〜4と記載し、明
細書中はDB1〜DB4という。)と、全波整流器DBの出力を
平滑する平滑コンデンサCsと、平滑コンデンサCsと並列
接続され直流電圧Edを分圧する分圧コンデンサC1および
C2の直列回路と、平滑コンデンサCsと並列接続されたス
イッチング素子Q1およびQ2の直列回路と、分圧コンデン
サC1,C2 の接続点(以下、「中性点」という。)とスイ
ッチング素子Q1,Q2 の接続点(以下、「SW点」とい
う。)との間に接続された負荷RLとからなる。中性点は
商用電源Viの一端と接続されている。
【0011】この回路の動作は、全波整流器DBの出力に
含まれるリップル電圧を平滑コンデンサCsを用いて直流
電圧Edに変換した後、スイッチング素子Q1,Q2 をオン・
オフ動作させ中性点を基準に閉回路を構成し、平滑コン
デンサCsから分圧コンデンサC1またはC2を充電する。こ
の充電電流が負荷RLに流れる負荷電流となり、負荷電流
が流れていない区間に逆方向の電流を確保する。スイッ
チング素子Q1,Q2 を高周波で交互にオン・オフ動作(イ
ンバータ動作)させると、負荷RLには商用周波数に高周
波が重畳された電圧VLが印加される。ダイオードDB1〜D
B4の電流は負荷に比例した休止期間のある高周波の三角
波状となるためローパスフィルタLPF を通すことにより
擬似正弦波状の電流波形を得る。これにより、中性点形
インバータは商用電源側の入力電流の高調波成分の低減
を可能ならしめている。
【0012】図19は中性点形インバータ装置の負荷とし
て蛍光灯LTを用いた場合の回路図であり、中性点形イン
バータ式安定器といわれるものである。基本回路(図1
8)だけでは得られる負荷電圧VLはスイッチング素子Q1,
Q2 と分圧コンデンサC1,C2 からの充放電(特に充電)
波形のため、蛍光灯LTの点灯には不向きである。この過
渡的な部分を除去し、ランプ電流が正弦波となるように
基本回路の負荷端子(中性点とSW点の間)にインダクタ
L1と蛍光灯LTからなる直列回路を接続し、共振コンデン
サC4を蛍光灯LTと並列接続して蛍光灯LTと共振させる回
路構成(負荷回路)としたものが図19に示す回路(以
下、「実働回路」という。)である。以下、この実働回
路の動作について説明する。平滑コンデンサCsは分圧用
コンデンサC1,C2 より十分大きい値であるとした場合
(Cs >> C1,C2) 、平滑コンデンサCsには入力電圧(Vi
=Vm・sin(wt)) の最大値Vmの電圧が得られる(Vm=E
d)。これは、整流器DBと分圧コンデンサC1,C2 により
一見倍電圧回路が構成されるようになるが、CsがC1,C2
より十分大きければC1,C2 による影響を無視でき、倍電
圧回路が構成されないからである。
【0013】したがって、インバータ動作を行う定常状
態においては、分圧コンデンサC1,C2の端子電圧をそれ
ぞれVC1、VC2とすると、平滑コンデンサCsの電圧Ed
は、以下のように表される。
【0014】Ed=VC1+VC2 一方、この実働回路ではスイッチング素子Q1,Q2 のオン
・オフ動作により、分圧コンデンサC1,C2 および平滑コ
ンデンサCsに充放電電流が流れる。また、平滑コンデン
サCsには、入力電圧ViがEd<|Vi|のときに商用電源か
らの充電電流が重畳され、入力電流Iiはいわゆるコンデ
ンサインプット形の電流波形に近くなるため、波形的に
とがった形状となるものと考えられる。
【0015】これにより、分圧コンデンサC1,C2 の電圧
C1、VC2の波形は、それぞれ図20、図21に示されるよ
うな波形となる。また、負荷回路Rに発生する電圧VRは
分圧コンデンサC1,C2の電圧波形である図20と図21を交
流ゼロを境に重ね合わせて示した図22に示されるような
合成波形となる。但し、図22は簡略化して示したもので
あり、実際の電圧VRはVC1の最大からVC2の最小までの
高周波電圧が負荷回路Rに印加されたものとなる。
【0016】次に、入力電流Iiについて考察する。上述
の説明で明らかなように、入力電圧ViがEd<|Vi|の期
間においては、平滑コンデンサCsを充電する充電電流が
平滑コンデンサCsに流れる。この充電電流は、0<|Vi
|<Edの期間におけるスイッチング素子Q1,Q2 の状態に
より分圧コンデンサC1,C2 に流れる電流とは異なり大き
な値となる。
【0017】これより入力電流Iiの波形を図に示すと、
スイッチング素子Q1,Q2 により断続された断続電流とな
り、かつ、入力電圧Viがゼロクロスするところで不連続
となる図23に示されるようなピークを有した電流波形と
なる。したがって、商用周波数を通過させるローパスフ
ィルタLPF を入力に挿入することにより、およそ正弦波
に近い電流波形となり高調波電流が商用電源に流れるこ
とを防止できるが、若干の波形歪みがピーク電流により
生じる。このため、このピーク電流が少なくなるように
最適な平滑コンデンサCsを選定する必要がある。
【0018】上記説明は平滑コンデンサCsの電圧Edが完
全な直流とした場合についてのものである。しかしなが
ら、実際には、平滑コンデンサCsの電圧Edはリップル電
圧Vppを有するため、分圧コンデンサC1,C2 の電圧波形
および入力電流Iiの電流波形は、図24に示されるような
波形となる。したがって、負荷回路Rに発生する電圧VR
は図25に示されるような最大ピークVmaxと最小ピークVm
inとを有する不均一な電圧波形となる。なお、図24にお
いては、電圧VC1、VC2は交流ゼロを境に重ね合わせて
示している。
【0019】なお、上述のように中性点形インバータに
おいては、入力電流Iiが断続電流となるDCM(不連続
モード)動作を行うことにより、中性点形インバータと
は異なるCM(リアクトル電流モード)やCRM(境界
モード)の動作を行う他の方式(例えば、アクティブフ
ィルタ回路等)において軽負荷時の電圧上昇を防止する
ために必要とされる専用の制御回路を別に必要としない
ため、中性点形インバータは回路が簡易となる利点を有
している。
【0020】例えば、CM動作を行う方式のものではイ
ンダクタを流れる電流がゼロとならない所を検出し制御
するための検出・制御回路を必要とし、CRM動作を行
う方式のものではインダクタの電流がゼロとなる所を検
出し、また、出力電圧を検出してフィードバック制御を
行うための検出・制御回路を必要とする。一方、中性点
形インバータにおいてはこれら専用回路を要せず、軽負
荷時においても電圧上昇をさほど生じることがない。軽
負荷時の電圧上昇は、使用部品(特に平滑コンデンサCs
用の電解コンデンサ、FET等のスイッチング素子)の
耐圧を左右するため、特に、負荷に蛍光灯を使用した場
合、蛍光灯の点灯開始時には毎回この状態を経過するこ
ととなるから、入力電流Iiがどのようなモードになるか
は重要である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蛍光灯の点
灯を安定に持続させるためには、蛍光灯特性のバラツキ
や周囲温湿度の変化、電源電圧変動等の外部要因変化下
においても蛍光灯が点灯できる安定器2次電圧を設計す
る。一方、高い2次電圧は配線上の工事コストのデメリ
ット(独立型安定器において300V以下の特定場所の配線
はコード配線が可能)、安定器の大型化、また、安全
性、蛍光灯のコールドスタート対策等の問題が発生し、
さらにはスリムラインランプのような複数種の蛍光灯を
共用する安定器の場合は特に確実に点灯できる低電圧の
高周波2次電圧設計が要求される。一般の蛍光灯自身も
細管径、長い管長蛍光灯が最近多くなり、このことは高
い蛍光灯電圧の方向である。例えば、スリムラインラン
プでは多種中の中間サイズランプ(約1m)でも蛍光灯
電圧は約150Vとなり、普通の状態では実効値200Vの入力
電圧を必要とする。また、最近は、ビデオ等半導体高速
センサーの普及により、明滅の少ない光源要求が強く、
これらのことより蛍光灯に供給される電圧の最大ピーク
Vmaxと最小ピークVminとの差が大きいことはマイナスで
あり、効率を考慮するとより均一な高周波電圧で蛍光灯
を点灯することが望ましい。
【0022】入力電圧Viが100V系ではなく200V系を必要
とすることは、通常の商用電源(100V)をそのまま使用
することができないことを意味するから、トランス等に
より昇圧する必要が生じ取り扱いが困難となり、また安
全性の面でも問題を生じる。
【0023】また、上記中性点形インバータ装置におい
ては、ローパスフィルタLPF を入力に挿入して、およそ
正弦波に近い電流波形として高調波電流が商用電源に流
れることを防止できるが、上記のようにピーク電流によ
り生じる波形歪みを防止するためには、平滑コンデンサ
Csの容量の許容範囲が狭く、選定に自由度がないという
問題がある。
【0024】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、中性点形インバータ装置が有する特徴を保持し
つつ、より高出力で、かつ、均一な、すなわち安定した
出力電圧を得、もって入力電圧の低減を可能ならしめる
中性点形インバータ式安定器もしくは中性点形インバー
タ機器を提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる中性点形
インバータ装置は、交流電流の基本周波数を通過させ、
高調波信号を遮断する低域通過フィルタと、前記低域通
過フィルタを通過した交流電圧を整流する整流器と、こ
の整流器の出力に並列に接続された第1および第2のコ
ンデンサの直列回路と、この整流器の出力を平滑する第
3のコンデンサと、前記整流器の出力に並列に接続され
た第1および第2のスイッチング素子の直列回路と、こ
の第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ直流的
に逆方向に並列接続(このような接続を「逆並列接続」
という。)された第1および第2のダイオードと、前記
第1および第2のスイッチング素子を駆動する駆動回路
と、前記整流器の交流入力の一端と前記第1および第2
のコンデンサの接続点(中性点)とを接続し、この中性
点と前記第1および第2のスイッチング素子の接続点
(SW点)との間に配されて、前記第1および第2のスイ
ッチング素子が交互にオン・オフ動作することにより交
流電力を供給される負荷回路とから構成される中性点形
インバータ装置であって、前記負荷回路が、前記2つの
接続点の間に接続されたインダクタと、このインダクタ
に発生する電圧により交流電力を供給される負荷とから
なるものであることを特徴とするものである。
【0026】また、本発明の上記第1の中性点形インバ
ータ装置においては、前記インダクタがトランスの1次
巻線からなり、このトランスの2次巻線間に前記負荷を
接続した第1の構成としたもの、前記インダクタが第2
のインダクタとトランスの1次巻線との直列回路からな
り、このトランスの2次巻線間に前記負荷を接続した第
2の構成としたもの、前記インダクタがオートトランス
の両端間の巻線からなり、このオートトランスのいずれ
か一方の片端とこのオートトランスの所定の取り出し巻
線との間に前記負荷を接続した第3の構成としたもの、
の何れかの構成とすることが望ましい。
【0027】また、本発明の上記第1および第2の構成
にかかる中性点形インバータ装置においては、前記第1
および第2のスイッチング素子の前記インダクタへの電
力供給能力の低下を防止するために、前記トランスの2
次巻線の一端と前記負荷との間に負荷電流の交流ゼロの
交差点を検出するゼロクロス検出回路を接続し、前記ゼ
ロクロス検出回路と前記負荷の接続点を前記整流器の出
力の一端と接続し、前記駆動回路が、前記ゼロクロス検
出回路の出力に基づいて前記第1および第2のスイッチ
ング素子を駆動するように構成することが望ましい。
【0028】また、本発明の上記中性点形インバータ装
置においては、前記負荷回路が異常状態のときに当該装
置の構成素子が破壊されるのを防止するために、前記負
荷と前記トランスとの間に1次巻線が接続された第2の
トランスを備え、前記駆動回路が、前記第2のトランス
の2次巻線に発生する電圧を検出し、この電圧が所定の
範囲外のときに前記第1および第2のスイッチング素子
の動作を停止するように構成したもの、あるいは、前記
負荷と前記トランスとの間に1次巻線が接続された第2
のトランスを備え、 前記駆動回路が、前記第2のトラ
ンスの2次巻線に流れる電流を検出し、該電流が所定の
範囲外のときに前記第1および第2のスイッチング素子
の動作を停止するように構成したもの、あるいは、前記
第1および第2のスイッチング素子のいずれか一方と並
列に接続され、前記第1および第2のスイッチング素子
の接続点に発生する異常電圧を吸収するスナバ回路を備
え、このスナバ回路に発生する電圧を検出し、この電圧
が所定の範囲外のときに前記駆動回路が前記第1および
第2のスイッチング素子の動作を停止するように構成し
たもの、の何れかの構成を備えることが望ましい。
【0029】また、本発明の上記中性点形インバータ装
置においては、前記負荷回路が異常状態のときに当該装
置の構成素子が破壊されるのを防止するとともに、消費
電力の低減を図るために、前記交流電圧が前記装置に投
入された後所定時間経過するまでの間のみ、前記整流
が整流した直流電圧を前記駆動回路に供給する起動回路
と、前記第1および第2のスイッチング素子のオン・オ
フ動作により前記負荷回路に発生する高周波電圧を整流
して得た直流電圧を前記駆動回路に供給する直流電圧発
生回路と、前記直流電圧発生回路により得られた前記直
流電圧が所定の電圧範囲外のときに、前記第1および第
2のスイッチング素子の前記オン・オフ動作を停止させ
る駆動停止回路とを有する構成とすることが望ましい。
【0030】また、本発明の上記中性点形インバータ装
置は、前記負荷として蛍光灯を用いた場合には、前記ト
ランス(オートトランスを含む)が所定の巻線位置にタ
ップを有するものであり、前記蛍光灯のフィラメントの
一端を前記タップと接続して、このフィラメントの予熱
を行うことが可能なように構成することが望ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明にかかる中性点形インバータ装置
によれば、従来の中性点形インバータ装置が中性点とSW
点の間にインダクタと負荷回路を接続する構成としてい
たのに対して、中性点とSW点の間にインダクタを接続し
このインダクタに高周波電力を供給するように構成した
ので、インダクタの逆起電圧による昇圧インバータとし
て動作させることが可能となる。そして、この昇圧イン
バータとしての動作によりインダクタの両端には従来方
式の中性点形インバータ装置に対しておよそ2倍の高周
波電圧を得ることが可能となる。また、得られる高周波
電圧は最大ピークVmaxと最小ピークVminとの差が小さい
電圧となり、従来の中性点形インバータ装置より高圧で
安定した高周波電圧が得られるようになる。このため、
高電圧の高周波電圧の印加を必要とする負荷回路(例え
ば、ランプ電圧の高い蛍光灯を点灯させるような場合)
において、従来方式の中性点形インバータ装置が入力電
圧として商用電圧(100V)より大きな電圧を必要とする
ためトランス等により昇圧していたのに対して、商用電
圧そのままを用いて高電圧の高周波電圧を負荷回路に印
加することが可能となる。これにより、入力電源の取り
扱いが容易となると共に、中性点形インバータ装置自体
の小型化を図ることもできる。
【0032】また、本発明にかかる中性点形インバータ
装置によれば、高調波電流は中性点形インバータ装置の
特性をそのまま有しているから、入力電流の高調波障害
を防止するためにも十分に適用が可能である。
【0033】さらに、従来方式の中性点形インバータ装
置において、ピーク電流を防止して最適な高調波電流波
形とする平滑コンデンサの定数の許容幅が狭いのに対し
て、本発明にかかる中性点形インバータ装置においては
ピーク電流が流れるということがなく、平滑コンデンサ
の定数設定の許容幅が広いので、リップル電圧等を勘案
してより小さなコンデンサを使用し、当該装置の小型化
を図ることも可能である。
【0034】また、本発明にかかる中性点形インバータ
装置においては、2次巻線を有するトランスを用いるこ
とができ、負荷回路の必要とする高周波電圧に応じて巻
線比を設定することにより、1次回路に変更を加えるこ
となく容易に所望の高周波電圧を得ることができる。さ
らに、2次巻線を1次側と絶縁することができるから、
安全性にも優れた構成とすることができる。
【0035】さらに、負荷回路がさほど高電圧を必要と
しない場合には、トランスにインダクタを直列に接続す
ることにより、トランスの発熱を防止することができ
る。
【0036】また、この場合には、オートトランスを使
用して負荷回路に供給される高周波電圧を小さくするこ
ともできる。さらに、同じ出力電圧を得ようとした場合
には前述の2次巻線を有するトランスよりも小型のもの
が使用できるから、中性点形インバータ装置をより小型
のものにすることが可能となる。
【0037】また、上記2次巻線を有するトランスを用
いた中性点形インバータ装置において、負荷電流の交流
ゼロの交差点を検出するように構成することで、負荷変
動によるインダクタへの電力供給能力の低下を防止する
ことが可能となるから、インダクタに理想的な高周波電
圧を発生させることができ、効率のよい中性点形インバ
ータ装置を構成することが可能となる。
【0038】また、本発明の上記中性点形インバータ装
置において、負荷回路の電流や電圧の異常状態を検出す
るように所定の検出回路を備えた構成とすることによ
り、負荷回路が異常状態のときに当該装置の構成素子が
破壊されるのを防止することができる。
【0039】さらに、電源投入時のみ装置を作動させる
起動回路と負荷に発生する高周波電圧を整流して得られ
る直流電圧により該装置を作動させる直流電圧発生回路
と、駆動停止回路とを備えた構成とすれば、定常時のみ
直流電圧発生回路からの供給電圧で該装置を作動させ異
常時には自動的に該装置を停止させることができ、ま
た、駆動回路への電源供給をドロップ抵抗を介して行う
必要がなくなるので定常時の消費電力の低減を図ること
ができる。
【0040】さらに、負荷として蛍光灯を使用した場合
には、トランス(オートトランスを含む)の所定の巻線
位置にタップを設け、このタップと蛍光灯のフィラメン
トを接続することにより、容易にフィラメントの予熱を
行うことができるから、ランプ点灯前の電力をフィラメ
ント予熱電力として供給することができ、急速にフィラ
メントを予熱し、ランプ点灯後はランプ電力の使用によ
り自動的に目的の予熱電力とすることができる。もって
中性点形インバータ式安定器の2次電圧の低電圧設計が
可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態である中性点形インバータ装置の回路図であり、
蛍光灯LTを点灯させるインバータ式安定器を構成してい
る。
【0042】商用電源が、インダクタLfとコンデンサCf
とから構成されるローパスフィルタLPF を介して全波整
流器DBの交流入力端子と接続されている。全波整流器DB
の直流出力端子には小容量の2個のコンデンサC1,C2 の
直列回路、および駆動回路DRにより交互にオン・オフさ
れる第1および第2のスイッチング素子(トランジス
タ)Q1,Q2 の直列回路が、整流器DBの出力を平滑する平
滑コンデンサCsと並列接続されている。スイッチング素
子Q1,Q2 のそれぞれには、第1および第2のダイオード
D1,D2 が逆並列接続されている。また、整流器DBの交流
入力の一端はコンデンサC1,C2 の接続点(中性点)と接
続されている。
【0043】負荷回路はインダクタLoと蛍光灯LTとから
構成されている。インダクタLoが中性点とスイッチング
素子Q1,Q2 の接続点(SW点)との間に接続されている。
インダクタLoには蛍光灯LTとチョークコイルとして機能
するインダクタLaの直列回路が並列接続され、さらに蛍
光灯LTには共振コンデンサC4が必要に応じて並列接続す
ることができるように構成されている。共振コンデンサ
C4を接続したときは、インダクタLoと共振コンデンサC4
が並列共振回路を構成し、共振コンデンサC4の両端に発
生する共振電圧が蛍光灯LTに印加される。また、負荷と
して蛍光灯LT以外のものを使用する場合には、インダク
タLaを接続するまでもなく、負荷をインダクタLoと直接
に並列接続することも可能である。
【0044】以下、上記構成の回路の動作について説明
する。従来の中性点形インバータ装置同様に、スイッチ
ング素子Q1,Q2 のオン・オフ動作により、分圧コンデン
サC1,C2 および平滑コンデンサCsに充放電電流が流れ
る。
【0045】また、一方のスイッチング素子がオンで他
方のスイッチング素子がオフのとき、インダクタLoに電
流が流れエネルギが蓄えられる。
【0046】次に両方のスイッチング素子Q1,Q2 がオフ
すると、スイッチング素子Q1,Q2 に逆並列接続されたダ
イオードD1,D2 を介して、それまでにインダクタLoに蓄
積されたエネルギが平滑コンデンサCsに充電され、平滑
コンデンサCsが約2Vmに昇圧される。
【0047】これにより、分圧コンデンサC1,C2 の電圧
波形は、それぞれ図2、図3に示されるような波形とな
る(但し、インダクタLo、分圧コンデンサC1、C2等の値
により変わる)。
【0048】上記説明は平滑コンデンサCsの電圧Edが完
全な直流とした場合についてのものである。しかしなが
ら、実際には、平滑コンデンサCsの電圧Edはリップル電
圧を有する(この様子を入力電圧Viと対応させて図4に
示す。)。このため、整流器DBを構成する各ダイオード
が全てオンではなく、入力電圧Viの0Vのそれぞれ1/4
T近傍の区間だけダイオードDB3,DB4 がオンしてダイオ
ードに電流(Id3,Id4)が流れ、残りはオフとなりダイ
オードに電流が流れない区間が存在する。
【0049】また、図4から明らかなように、リップル
電圧の大小によって整流器DBを構成するダイオードDB3,
DB4 のオン区間は殆ど変化を生じない。すなわち、平滑
コンデンサCsの容量に拘わらずリップル電圧のAC成分は
同じ時間にクロスする。このとき、リップル電圧の周波
数は入力Viの2倍の周波数になる。
【0050】なお、このようにDB3,DB4 がオンになる区
間があることが中性点形インバータ装置の特徴であり、
単なる倍電圧整流回路と異なるところである。DB3,DB4
がオンの場合は、上記説明と同様であるが、DB3,DB4 が
オフの場合はこれを取り除いた構成と等価となり、この
場合は一見倍電圧整流回路が構成される。
【0051】このとき、分圧コンデンサC1、C2の電圧降
下のため、分圧コンデンサC1、C2の容量によって平滑コ
ンデンサCsの電圧Edが上下することとなる。このた
め、分圧コンデンサC1,C2 の電圧波形は、図5に示され
るような波形となる。なお、電圧VC1、VC2は交流ゼロ
を境に重ね合わせて示している。
【0052】なお、平滑コンデンサCsの容量値と分圧コ
ンデンサC1、C2の容量値の比は1:1/10000程度が望ま
しい。例えば、平滑コンデンサCsの容量値が7〜10〜10
0μFのとき分圧コンデンサC1、C2の容量値は0.004〜0.0
1μF 程度である。これは以下の理由と考えられる。仮
に分圧コンデンサC1、C2の容量が大きくなると、入力電
圧の交流ゼロの近傍で入力電流の休止期間が生じるよう
になり、低力率の電流波形(いわゆるコンデンサインプ
ット形の電流波形)となる。一方、分圧コンデンサC1、
C2の容量が小さいと平滑コンデンサCsには高電圧が得ら
れるが不安定となる。この点をも考慮すれば、上述のよ
うな比が適当であるからである。
【0053】このように、上記構成による中性点形イン
バータ装置によれば、入力電圧Viが実効値100V(Vmが約
140V)の場合においても、インダクタLoの両端にはおよ
そ270〜300V 程度の出力電圧が得られる。すなわち、上
記説明のように、インダクタLoに高周波の交流電流が交
互に流れることにより、インダクタLoに高周波電圧が発
生する。蛍光灯LTと並列に接続された共振コンデンサC4
によりこの電圧が共振して、蛍光灯のフィラメントの予
熱と共にこの共振電圧(高電圧)により蛍光灯LTを点灯
する。蛍光灯LTが点灯した後は、インダクタLaによるチ
ョークコイルとしての機能により、蛍光灯電流を一定電
流にコントロールし安定に点灯する。なお、蛍光灯の種
類によっては冷陰極状態で点灯を開始させることもでき
るから、この場合には共振コンデンサC4を使用しなくて
もよい。
【0054】また、商用電源の高調波電流については、
従来の中性点形インバータ装置と変わるところはなく、
入力にローパスフィルタLPF を挿入することにより低減
させることができ、商用電源の高調波問題に対しても十
分対応できる。むしろ、ピーク電流が流れることがない
から良好になる。また、このピーク電流が流れないとい
うことから、平滑コンデンサCsの選定に自由度があり、
リップル電圧等をも加味して種々の定数を選択すること
ができるようになる。
【0055】なお、本発明にかかる中性点形インバータ
装置においては完全平滑方式をとっていないため、小容
量の平滑コンデンサCsで所望の特性を得ることができる
が、大容量のコンデンサにするとリップル電圧が減少す
るのはいうまでもない。前述のような他の方式において
は平滑コンデンサCsとして通常数100μFを必要とす
るのに対して、本発明にかかる中性点形インバータ装置
においては7〜10μFの平滑コンデンサCsで所望の特性
を得ることができるので、平滑コンデンサCsとして小型
のものが使用でき装置の小型化に好適である。
【0056】なお、上記構成の中性点形インバータ装置
においては、スイッチング素子としてトランジスタを用
いているが、オン・オフを切り換えることのできる手段
であれば、これに限るものではなく、例えば図7に示す
ようにFETを用いたり、その他IGBT等であっても
よい。これらの素子を用いると、これら素子に内在する
ダイオードを用いることができるから、スイッチング素
子Q1,Q2 と逆並列接続されたダイオードD1,D2 を省略す
ることができ、回路がさらに簡易なものとなる。
【0057】次に図8を参照して本発明の第2の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図8におい
て、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0058】この第2の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、中性点とSW点の間にトランスT1の1次
巻線を接続し、トランスT1の2次巻線間に蛍光灯LTを並
列接続し、さらに蛍光灯LTと共振コンデンサC4を並列接
続したものである。トランスT1の2次巻線と共振コンデ
ンサC4が並列共振回路を構成しており、共振コンデンサ
C4の両端に発生する共振電圧が蛍光灯LTに印加され安定
に点灯する。
【0059】トランスT1の1次巻線をインダクタLeで置
き換えることにより、中性点とSW点の間にはインダクタ
Leが接続されたことと等価となるから、前述の第1の実
施の形態にかかる回路と同様の動作をすることがわか
る。この回路においては、トランスT1の2次巻線により
蛍光灯LTに高周波電圧を供給するようにしたことによ
り、1次側の設計に左右されることなく蛍光灯の種類に
応じて自由に所望の高周波電圧を得ることができる。す
なわち、トランスT1の1次側に高周波の交流電流が交互
に流れることにより、トランスT1の2次側に巻線比に応
じた高周波電圧が発生する。蛍光灯と並列に接続された
共振コンデンサC4により2次側電圧が共振して、蛍光灯
のフィラメントの予熱と共にこの共振電圧(高電圧)に
より蛍光灯を点灯する。トランスT1はリーケージタイプ
の変圧器であり蛍光灯電流を一定電流にコントロールし
安定に点灯する。さらに、トランスを介して蛍光灯に電
力を供給するので、商用電源の1次側と絶縁され安全性
の面でも優れた回路となっている。
【0060】図9および図10は、上記第2の実施の形態
にかかる中性点形インバータ装置の駆動回路DRにICを使
用した具体的な構成を示す回路図である。なお、ICは従
来のインバータ装置に使用されている変形ハーフブリッ
ジ回路用のICである。
【0061】最初に図9の構成について説明する。ICと
して”International Rectifier Fareast Co,Ltd”のIR
2151またはIR2155を使用している。このICの電源端子VC
には抵抗R3を介して直流電圧Edが供給され、さらにデカ
ップリングコンデンサC8が接続されている。電源端子VC
と副電源端子VBの間にはダイオードD5が接続され、副電
源端子VBとコモン出力VSとの間にはコンデンサC6が接続
されている。駆動周波数設定用の抵抗R4とコンデンサC7
がそれぞれRT端子とCT端子間、CT端子と接地端子G間に
接続されている。駆動出力HO,LO は抵抗R1,R2 を介して
スイッチング素子(FET)Q1,Q2 に接続されている。
コモン出力VSはスイッチング素子(FET)Q1,Q2 の接
続点(SW点)に接続されている。
【0062】上記構成の中性点形インバータ装置おいて
は、スイッチング素子Q1,Q2 の駆動タイミングはICに接
続された抵抗R4とコンデンサC7で決められる発振周波数
に基づいて制御される。
【0063】次に図10の構成について説明する。この図
10においては、ICとして”International Rectifier Fa
reast Co,Ltd”のIR51H420を使用している。このICはス
イッチング素子までIC内部に含んでいるものである。直
流電圧Edが電源端子VAに供給され、さらに抵抗R1を介し
て電源端子VCに接続され、電源端子VCにはデカップリン
グコンデンサC8が接続されている。電源端子VCと副電源
端子VBの間にはダイオードD5が接続され、副電源端子VB
とコモン出力VSとの間にはコンデンサC6が接続されてい
る。駆動周波数設定用の抵抗R2とコンデンサC7がそれぞ
れRT端子とCT端子間、CT端子と接地端子G間に接続され
ている。コモン出力VSはトランスT1の1次巻線に接続さ
れている。
【0064】上記構成の中性点形インバータ装置おいて
は、トランスT1に流れる電流の駆動タイミングはICに接
続された抵抗R2とコンデンサC7で決められる発振周波数
に基づいて制御されている。
【0065】このように本発明による中性点形インバー
タ装置においては、駆動回路DRを従来のインバータ装置
用に提供されているIC(例えば、上述のように変形ハー
フブリッジ回路用のIC等)を用いて構成することも可能
であり、より回路の簡易化が可能となる。
【0066】次に図11を参照して本発明の第3の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図11におい
て、図7中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0067】この第3の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、中性点とSW点の間にインダクタL1とト
ランスT1の1次巻線とからなる直列回路を接続したもの
である。トランスT1の1次巻線をインダクタLeで置き換
えることにより、両接続端子間にはインダクタ(Le+L
1) が接続されたことと等価であるから、前述の第2の
実施の形態にかかる回路と同様の動作をすることがわか
る。この回路においては、インダクタL1を追加したこと
により、トランスT1の1次巻線間に発生する電圧がイン
ダクタL1の電圧分だけ低下する。したがって、トランス
T1の巻線比を変更することなく、トランスT1の2次側に
接続される負荷に合わせて、所定の電圧に降圧すること
ができ、トランスT1の発熱をも防止することができる。
【0068】次に図12を参照して本発明の第4の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図12におい
て、図7中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0069】この第4の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、トランスT1をオートトランスT3に変更
し、このオートトランスT3の一端とタップ出力との間に
蛍光灯LTを接続したものである。回路動作としては、オ
ートトランスT3の等価インダクタを図示のようにLe1 お
よびLe2 とすると、上述の第3の実施の形態と同様に、
中性点とSW点の間に等価インダクタ(Le1+Le2)が接続
されたことと等価である。蛍光灯LTと並列に接続された
共振コンデンサC4によりインダクタLe1 に発生する高周
波電圧が共振して、蛍光灯LTのフィラメントの予熱と共
にこの共振電圧(高電圧)により蛍光灯LTを点灯する。
【0070】次に図13を参照して本発明の第5の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図13におい
て、図9中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0071】図13に示す第5の実施の形態にかかる中性
点形インバータ装置は、第2の実施の形態にかかる駆動
回路DRをIC化(IR2151またはIR2155)した中性点形イン
バータ装置(図9)において、蛍光灯電流(交流電流)
の交流ゼロの交差点を検出するゼロクロス検出回路を備
え、このゼロクロス検出回路の出力に基づいて駆動回路
DRの発振を制御するものである。トランスT1の2次側
は、ゼロクロス検出回路として機能する互いに逆方向に
接続された2つのダイオードD5,D6 と蛍光灯LTからなる
直列回路に接続され、ゼロクロス検出回路と蛍光灯LTの
接続点が整流器DBの直流出力の一端と接続されている。
ゼロクロス検出回路の他端は駆動回路DRの発振用のコン
デンサC7と接続されている。蛍光灯LTには共振コンデン
サC4が並列に接続されている。
【0072】蛍光灯LTが点灯を開始する時と点灯継続時
とでは、トランスT1の2次巻線、蛍光灯LTおよび共振コ
ンデンサC4とからなる共振回路の共振周波数が変動する
が、ゼロクロス検出回路が蛍光灯電流の交流ゼロの交差
点を検出することにより、最適な状態で蛍光灯LTに高周
波電圧が印加されるようにICの発振周波数が制御され
る。
【0073】次に図14を参照して本発明の第6の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図14におい
て、図9中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0074】この第6の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、第2の実施の形態にかかる駆動回路DR
をIC化(IR2151またはIR2155)した中性点形インバータ
装置(図9)において、駆動回路DRが異常検出回路EM1
とサイリスタSCR を備えたものであり、負荷回路に異常
があるときは駆動回路DRの動作を停止させてスイッチン
グ素子・負荷回路等の各素子の劣化を防止するものであ
る。
【0075】ICの電源端子VCと接地端子G の間にはサイ
リスタSCR が順方向(アノードがICの電源端子VCと接
続)に接続されている。また、トランスT1の2次側には
1次巻線が負荷(蛍光灯LT)と直列に接続された第2の
トランスT2を備え、このトランスT2の2次側の一端はIC
の接地端子と接続されている。一方、トランスT2の2次
側の他端は異常検出回路EM1 に接続されている。
【0076】異常検出回路EM1 は、トランスT2の2次側
に発生する電圧やトランスT2の2次側に流れる電流を検
出する(いずれか一方でもよいし、両方でもよい。)こ
とにより負荷回路に異常がないか否かを検出し、異常時
にはサイリスタSCR をオンさせて駆動回路DRの動作を停
止させるものである。より具体的には、例えば蛍光灯LT
に異常電圧が発生していないか、異常電流が流れていな
いか、さらには、フィラメントが切れていないか、不適
合サイズの蛍光灯LTが接続されていないか等の異常状態
を判定し、この異常検出回路EM1 が前述のような異常状
態にあると判定したときは、サイリスタSCR をオンさせ
てICの電源端子VB,VC への電圧供給を停止させる。これ
により、異常状態のときはスイッチング素子Q1,Q2 のド
ライブが停止され、スイッチング素子・負荷回路等の各
素子の劣化・破壊を防止する。
【0077】また、サイリスタSCR を用いた場合は、異
常状態と判定しICの電源端子VC,VBへの電圧供給を停止
すると、その後異常状態から回復したときに駆動回路DR
の動作を復帰させるためには、一旦電源(交流入力)を
オフしなければならいが、例えば、トランジスタを用い
れば、異常検出回路EM1 が異常状態から回復したことを
認識し、ICの電源端子VB,VC への電圧供給を自動的に復
帰させることもできる。
【0078】次に図15を参照して本発明の第7の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図15におい
て、図9中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0079】この第7の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、第2の実施の形態にかかる駆動回路を
IC化(IR2151またはIR2155)した中性点形インバータ装
置(図9)において、第6の実施の形態と同様に駆動回
路DRが異常検出回路EM2 とサイリスタSCR を備えたもの
であり、負荷回路に異常があるときは駆動回路DRの動作
を停止させてスイッチング素子・負荷回路等の各素子の
劣化を防止するものである。第6の実施の形態において
はトランスT2により異常状態を検出したが、本例では抵
抗R5とコンデンサC9とからなるスナバ回路SBに発生する
電圧により異常状態を検出する点で異なる。
【0080】ICの電源端子VCと接地端子Gの間にはサイ
リスタSCR が順方向に接続されている。また、抵抗R5と
コンデンサC9よりなるスナバ回路SBがスイッチング素子
Q2と並列接続され、この抵抗R5に発生する電圧が異常検
出回路EM2 に供給される。スナバ回路SBは、コモン出力
VSに発生する異常電圧を吸収することによりスイッチン
グ素子Q1,Q2 が過電圧により破壊するのを防止するもの
である。
【0081】異常検出回路EM2 は、コモン出力VSに発生
する電圧が所定範囲内にあるか否かを判定し、所定範囲
内になければサイリスタSCR をオンさせて駆動回路DRの
動作を停止させるものである。より具体的には、例えば
フィラメント切れや、不適合サイズの蛍光灯LTが接続さ
れたとき等の異常状態のときにコモン出力VSに異常電圧
が発生するが、スナバ回路SBの抵抗R5にもこの異常状態
に応じた電圧が生じるので、異常検出回路EM2 はこの電
圧を検出してサイリスタSCR をオンさせICの電源端子V
B,VCへの電圧供給を停止させる。これにより、異常状態
のときはスイッチング素子Q1,Q2 のドライブが停止さ
れ、スイッチング素子・負荷回路等の各素子の劣化・破
壊を防止する。サイリスタSCR をトランジスタに変更可
能なのは上述の第6の実施の形態と同様である。
【0082】次に図16を参照して本発明の第8の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図16におい
て、図9中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0083】この第8の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、IC(IR2151またはIR2155)を使用した
第2の実施の形態にかかる回路構成を基本として、直流
電圧発生回路10、起動回路20、周波数変更回路30をさら
に追加したものである。なお、平滑コンデンサCsと並列
接続された抵抗R6は、平滑コンデンサCsの蓄積電荷を放
電するための放電抵抗である。
【0084】直流電圧発生回路10は、コンデンサC11、
ダイオードD6,D7,D8とからなる。コンデンサC11は中性
点と接続されており、該中性点に発生する高周波電圧が
整流され、ダイオードD7のカソード端子に所定の直流電
圧(通常はツェナーダイオードD8のツェナー電圧)VL
(VL<Ed)が発生する。この直流電圧VLは駆動回路DRに
供給されている。
【0085】起動回路20は、コンデンサC9と抵抗R9とか
らなるタイマー回路並びに、抵抗R7、トランジスタQ3お
よび抵抗R8とからなるスイッチ回路とからなり、抵抗R9
にはツェナーダイオードD9が並列接続されている。トラ
ンジスタQ3のエッミタ端子には直流電圧発生回路10から
の直流電圧VLが印加されている。交流電源Viから交流電
圧が該装置に投入されると、平滑コンデンサCsに直流電
圧Edが発生する。投入直後は、コンデンサC9の蓄積電荷
がなくコンデンサC9の両端電圧はゼロであるから、トラ
ンジスタQ3のベース端子には抵抗R8を介して直流電圧Ed
が印加される。一方、投入直後は直流電圧発生回路10に
は電圧が発生し得ないから、トランジスタQ3のエッミタ
端子は略0Vである。これにより、投入直後は、トラン
ジスタQ3がオンし、直流電圧Edが抵抗R7を介して駆動回
路DRに供給される。このため、投入直後は直流電圧Edに
より駆動回路DRが作動するので、トランスT1の1次巻線
に高周波電圧が発生する。なお、抵抗R7は投入直後に駆
動回路DRを作動させ得るものであれば良く、十分大きな
抵抗値にすることができる。
【0086】所定時間経過すると、コンデンサC9に漸次
電荷が蓄積され、トランジスタQ3のベース端子への印加
電圧が低下する。この印加電圧が略直流電圧VL以下とな
ると、トランジスタQ3がオフし、直流電圧Edの駆動回路
DRへの供給が停止する。一方、該装置が正常であれば上
述のように、直流電圧発生回路10により得られる直流電
圧VLが駆動回路DRに供給されているので、トランジスタ
Q3がオフしても駆動回路DRは動作を継続し、スイッチン
グ素子Q1,Q2 のオン・オフ動作によりトランスT1の1次
巻線には高周波電圧が発生し続ける。このように、投入
直後は起動回路20で該装置を起動させ、所定時間経過後
は中性点(即ちトランスT1の1次巻線)に発生する高周
波電圧を整流して得られる直流電圧VLを駆動回路DRに供
給することが可能となる。このため、高電圧の直流電圧
(例えば、本例におけるEd)からドロップ抵抗を介して
駆動回路DRに直流電圧を供給する必要がなくなり、ひい
てはドロップ抵抗の消費電力を生じることがないから、
該装置の熱信頼性を向上させることができる。
【0087】次に、蛍光灯LTが装着されていないとき、
あるいは蛍光灯LTがリークしているとき等、該装置に異
常がある場合について説明する。該装置に異常がある場
合でも正常点灯させようと駆動回路DRが作動するため、
SW点には正常のときよりもより大きな高周波電圧が生
じ、中性点には正常のときよりもより小さな高周波電圧
が生じる。したがって、該装置に異常がある場合、直流
電圧発生回路10が整流して得られる直流電圧VLは、該装
置が正常のときよりも下降する(この電圧を異常時電圧
VFとする)。駆動回路DRを構成するIC内部には、電源端
子VCの印加電圧が所定の電圧値以下のときにICの動作を
停止、即ち直流電圧発生回路10が整流して得られる直流
電圧VLが所定の電圧値以下のときスイッチング素子Q1,Q
2 のオン・オフ動作を停止させる駆動停止回路40が備え
られている。このため、異常時電圧VFがICの動作が停止
する電圧値よりも小さくなれば、スイッチング素子Q1,Q
2のオン・オフ動作が停止し、もって、SW点並びに中性
点に高周波電圧が生じなくなる。これにより直流電圧発
生回路10の直流電圧も略ゼロになる。
【0088】一旦このようにスイッチング素子Q1,Q2 の
オン・オフ動作が停止すれば、該装置は交流入力をオフ
し再起動させない限り、スイッチング素子Q1,Q2 のオン
・オフ動作が復帰することはない。これにより、該装置
に異常が生じた場合に、直流電圧VLが低下するのを監視
することにより自動的に該装置を停止させることができ
るから、異常時にSW点に発生する正常のときよりもより
大きな高周波電圧によりスイッチング素子Q1,Q2 やその
他の素子が破壊せしめられるという危険性から回避する
ことができ、上記熱信頼性の向上が図られるのみなら
ず、異常時保護をも兼ね備えるという点で、該装置の信
頼性が飛躍的に向上する。
【0089】なお、上記説明においては、駆動停止回路
40がIC内部に備えられたものについて説明しているが、
駆動停止回路40は、直流電圧発生回路10が整流して得ら
れる直流電圧VLが所定電圧範囲外のときにスイッチング
素子Q1,Q2 のオン・オフ動作を停止させるものである限
りその構成の手段が何たるかは問わず、IC外部に当該機
能を達成する回路を構成してもよい。さらに、上記説明
はコンデンサC11 を中性点に接続したものについて説明
したが、必ずしも本例に限るものではなく、例えば、コ
ンデンサC11 をSW点に接続したものであってもよい。こ
の場合には、該装置に異常が生じると直流電圧VLが正常
のときよりも上昇するから、駆動停止回路40は、直流電
圧VLが所定電圧以上になったときにスイッチング素子Q
1,Q2 のオン・オフ動作を停止せしめるようにすればよ
い。
【0090】なお、上記説明は起動回路20の抵抗R7並び
にコンデンサC9に直流電圧Edが供給されるものについて
説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、交流入
力がオンしたときに所定の直流電圧が抵抗R7並びにコン
デンサC9に供給され得るものである限りいかなる供給方
法であってもよく、例えば、中性点より直流電圧を供給
することも可能であり、このようにしても上記説明と同
様の動作を行わせしめることが可能である。
【0091】また、本発明の第8の実施の形態にかかる
中性点形インバータ装置には、抵抗R10,R11、 トランジ
スタQ4、FETQ5およびコンデンサC11 とからなる周波
数変更回路30が備えられている。
【0092】交流電圧が投入された直後は、上述のよう
にコンデンサC9には蓄積電荷がないから、トランジスタ
Q4のベース端子には抵抗R3を介して直流電圧Edが印加さ
れトランジスタQ4がオンする。このため、トランジスタ
Q4のコレクタ端子は略0Vとなり、該コレクタ端子に接続
されたFETQ5がオフする。よって、交流電圧が投入さ
れた直後は、駆動回路DRは抵抗R4とコンデンサC7とで定
まる発振周波数でスイッチング素子Q1,Q2 のオン・オフ
動作を制御する。一方、交流電圧が投入された後所定時
間経過すると、コンデンサC9に漸次電荷が蓄積され、や
がてトランジスタQ4のベース端子への印加電圧が0Vにな
り、ランジスタQ4がオフする。これにより、トランジス
タQ4のコレクタ端子は略VLとなり、該コレクタ端子に接
続されたFETQ5がオンする。よって、交流電圧が投入
された後所定時間経過すると、駆動回路DRは抵抗R4とコ
ンデンサC7とコンデンサC11 との並列容量とで定まる発
振周波数でスイッチング素子Q1,Q2 のオン・オフ動作を
制御する。
【0093】したがって、投入直後は蛍光灯LTの点灯は
できないが該蛍光灯LTのフィラメントの予熱をできるよ
うに、かつ、交流電圧が投入された後所定時間経過後は
蛍光灯LTの点灯ができるように抵抗R4とコンデンサC7,C
11の定数を設定すれば、交流電圧が投入された後所定時
間が経過するまでは蛍光灯LTのフィラメントの予熱を行
い、その後に蛍光灯LTを点灯させることができる。これ
により、蛍光灯LTの長寿命化を図ることができる。しか
も、所定時間を上述の起動回路20のタイマー回路により
決めることができるから、回路の共用化が図られ、装置
の小型化に寄与しうる。
【0094】次に図17を参照して本発明の第9の実施の
形態について詳細に説明する。なお、この図17におい
て、図7中の要素と同等の要素には同番号を付し、それ
らについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0095】この第9の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置は、第2の実施の形態にかかる回路構成に
おいて、蛍光灯LTの予熱用にトランスT1の2次巻線の両
端にタップを設け、蛍光灯LTの予熱を可能としたもので
ある。
【0096】これにより中性点形インバータ装置におい
ても、フィラメントの予熱後点灯させることができるの
で、蛍光灯の急速点灯を緩和することができる。
【0097】なお、この予熱用のタップを設ける手法
は、第2の実施の形態にかかる回路構成に適用した本構
成例に限るものではなく、前記他の実施の形態にかかる
回路構成にも適用できる。
【0098】上述の説明で明らかなように、中性点とSW
点の間にインダクタを接続した本発明による中性点形イ
ンバータ装置によれば、中性点形インバータ装置として
の高調波電流の低減特性を維持しつつ、負荷に供給され
る電圧を従来例の中性点形インバータ装置より大きく、
かつ、最大ピークVmaxと最小ピークVminとの差が小さい
高周波電圧とすることが可能となる。また、そのための
回路構成も簡易であり、しかも、特に特殊な装置を必要
とすることもなく安価に実現することができるから、実
用上、工業上の価値は大きい。さらに、インダクタをト
ランスに置き換えても回路動作上何らの変更もなく、容
易に置き換えることができ、トランスにすることで交流
電流の1次側と負荷を絶縁することも可能となり安全性
の点でも優れた装置となる。また、トランスにタップを
設けることで蛍光灯における予熱を容易に行うことがで
きる。また、異常状態に対するドライブ停止の手段を設
けることも容易であり、安全性設計に配慮された装置を
構成することができる。
【0099】なお、本発明にかかる中性点形インバータ
装置は、上述した実施の形態に限定されるものではな
く、2個の分圧コンデンサの接続点と2個のスイッチン
グ素子の接続点との間にインダクタや等価的にインダク
タと見なせるもの(例えばトランスなど)を接続し、ス
イッチング素子が交互にオン・オフ動作することにより
インダクタ等に発生する高周波電圧に基づいて負荷に交
流電力を供給するという本発明の技術思想を逸脱しない
範囲内において種々の改良並びに設計の変更が可能であ
る。
【0100】また、上記説明においては負荷として、特
に蛍光灯を用いたものについて説明したが、これに限ら
ず交流電力を供給されることにより稼働するものである
限り種々のものに適用することができる。その際には負
荷と並列接続されている共振コンデンサは必ずしも必要
ではない。
【0101】さらに、上記説明においては、駆動回路が
いわゆる他励形のものについて説明したが、必ずしも他
励形駆動回路に限るものではなく、負荷回路の自己共振
周波数を帰還してなるいわゆる自励形駆動回路であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図2】上記中性点形インバータ装置の上記等価回路に
おける第1のコンデンサの電圧波形図
【図3】上記中性点形インバータ装置の上記等価回路に
おける第2のコンデンサの電圧波形図
【図4】上記中性点形インバータ装置の上記等価回路に
おける平滑コンデンサの電圧波形図
【図5】上記中性点形インバータ装置の上記等価回路に
おける第1および第2のコンデンサの電圧波形図(実際
のもの)
【図6】上記中性点形インバータ装置の負荷の電圧波形
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置においてスイッチング素子をFETにした
回路図
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図9】上記第2の実施の形態にかかる中性点形インバ
ータ装置の駆動回路をIC化した回路図(その1)
【図10】上記第2の実施の形態にかかる中性点形インバ
ータ装置の駆動回路をIC化した回路図(その2)
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図12】本発明の第4の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図13】本発明の第5の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図14】本発明の第6の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図15】本発明の第7の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図16】本発明の第8の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図17】本発明の第9の実施の形態にかかる中性点形イ
ンバータ装置の回路図
【図18】中性点形インバータ装置の基本回路図
【図19】蛍光灯を負荷にした中性点形インバータ式安定
器の実働回路図
【図20】上記中性点形インバータ式安定器の第1のコン
デンサの電圧波形図
【図21】上記中性点形インバータ式安定器の第2のコン
デンサの電圧波形図
【図22】上記中性点形インバータ式安定器の負荷の電圧
波形図
【図23】上記中性点形インバータ式安定器の入力電流波
形図
【図24】上記中性点形インバータ式安定器の第1および
第2のコンデンサの電圧波形図並びに入力電流Iiの電流
波形図
【図25】上記中性点形インバータ式安定器の負荷の電圧
波形図
【符号の説明】
Vi 交流電源 LPF ローパスフィルタ DB 整流器 Q1,Q2 スイッチング素子 D1,D2 ダイオード C1,C2 分圧コンデンサ(第1および第2のコンデン
サ) Cs 平滑コンデンサ(第3のコンデンサ) C4 共振コンデンサ(第4のコンデンサ) DR 駆動回路 Lo インダクタ R 負荷回路 LT 蛍光灯(負荷) SB スナバ回路 EM1,EM2 異常検出回路 10 直流電圧発生回路 20 起動回路 30 周波数変換回路 40 駆動停止回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 41/24 H05B 41/24 P Q (56)参考文献 特開 平4−193066(JP,A) 特開 昭58−501348(JP,A) 特開 平10−271830(JP,A) 特開 平10−271831(JP,A) 特開 平10−271847(JP,A) 特開 平10−271848(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 7/42 - 7/98 H05B 41/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電流の基本周波数を通過させ、高調
    波信号を遮断する低域通過フィルタと、 前記低域通過フィルタを通過した交流電圧を整流する整
    流器と、 該整流器の出力に並列に接続された第1および第2のコ
    ンデンサの直列回路と、 前記整流器の出力を平滑する第3のコンデンサと、 前記整流器の出力に並列に接続された第1および第2の
    スイッチング素子の直列回路と、 該第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ直流的
    に逆方向となるように並列接続された第1および第2の
    ダイオードと、 前記第1および第2のスイッチング素子を駆動する駆動
    回路と、 前記整流器の交流入力の一端と前記第1および第2のコ
    ンデンサの接続点とを接続し、該接続点と前記第1およ
    び第2のスイッチング素子の接続点との間に配されて、
    該第1および第2のスイッチング素子が交互にオン・オ
    フ動作することにより交流電力を供給される負荷回路と
    から構成される中性点形インバータ装置において、 前記負荷回路が、前記2つの接続点の間に接続されたイ
    ンダクタと、 該インダクタに発生する電圧により交流電力を供給され
    る負荷とからなるものであることを特徴とする中性点形
    インバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記インダクタがトランスの1次巻線か
    らなり、 該トランスの2次巻線間に前記負荷を接続したことを特
    徴とする請求項1記載の中性点形インバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記インダクタが第2のインダクタとト
    ランスの1次巻線との直列回路からなり、 該トランスの2次巻線間に前記負荷を接続したことを特
    徴とする請求項1記載の中性点形インバータ装置。
  4. 【請求項4】 前記インダクタがオートトランスの両端
    間の巻線からなり、該オートトランスのいずれか一方の
    片端と該オートトランスの所定の取り出し巻線との間に
    前記負荷を接続したことを特徴とする請求項1記載の中
    性点形インバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記トランスの2次巻線の一端と前記負
    荷との間に負荷電流の交流ゼロの交差点を検出するゼロ
    クロス検出回路を接続し、 前記ゼロクロス検出回路と前記負荷の接続点を前記整流
    器の出力の一端と接続し、 前記駆動回路が、前記ゼロクロス検出回路の出力に基づ
    いて前記第1および第2のスイッチング素子を駆動する
    ことを特徴とする請求項2または3記載の中性点形イン
    バータ装置。
  6. 【請求項6】 前記負荷と前記トランスとの間に1次巻
    線が接続された第2のトランスを備え、 前記駆動回路が、前記第2のトランスの2次巻線に発生
    する電圧を検出し、該電圧が所定の範囲外のときに前記
    第1および第2のスイッチング素子の動作を停止するも
    のであることを特徴とする請求項から5いずれか1項
    記載の中性点形インバータ装置。
  7. 【請求項7】 前記負荷と前記トランスとの間に1次巻
    線が接続された第2のトランスを備え、 前記駆動回路が、前記第2のトランスの2次巻線に流れ
    る電流を検出し、該電流が所定の範囲外のときに前記第
    1および第2のスイッチング素子の動作を停止するもの
    であることを特徴とする請求項から6いずれか1項記
    載の中性点形インバータ装置。
  8. 【請求項8】 前記負荷が蛍光灯であり、 前記トランスが所定の巻線位置にタップを有するもので
    あり、 前記蛍光灯のフィラメントの一端が前記タップと接続さ
    れ、該フィラメントの予熱を行うことを可能としたもの
    であることを特徴とする請求項からいずれか1項記
    載の中性点形インバータ装置。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2のスイッチング素子
    のいずれか一方と並列に接続され、前記第1および第2
    のスイッチング素子の接続点に発生する異常電圧を吸収
    するスナバ回路を備え、 該スナバ回路に発生する電圧を検出し、該電圧が所定の
    範囲外のときに前記駆動回路が前記第1および第2のス
    イッチング素子の動作を停止するものであることを特徴
    とする請求項1からいずれか1項記載の中性点形イン
    バータ装置。
  10. 【請求項10】 前記交流電圧が前記装置に投入された
    後所定時間経過するまでの間のみ、前記整流が整流し
    た直流電圧を前記駆動回路に供給する起動回路と、 前記第1および第2のスイッチング素子のオン・オフ動
    作により前記負荷回路に発生する高周波電圧を整流して
    得た直流電圧を前記駆動回路に供給する直流電圧発生回
    路と、 前記直流電圧発生回路により得られた直流電圧が所定の
    電圧範囲外のときに、前記第1および第2のスイッチン
    グ素子のオン・オフ動作を停止させる駆動停止回路とを
    有することを特徴とする請求項1からいずれか1項記
    載の中性点形インバータ装置。
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