JP2868818B2 - とうもろこし澱粉抽出残渣の処理法 - Google Patents

とうもろこし澱粉抽出残渣の処理法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、とうもろこし殻粒の湿式処理による澱粉の
製造工程において副産物として発生するコーングルテン
フィード及び/又はファインファイバーに物理的に強固
に結合及び/又は付着、混入している澱粉を、水溶性糖
類として効率的に回収し、有効利用する方法に関する。
「従来の技術」 現在、とうもろこし穀粒の湿式処理して澱粉(コーン
スターチ)を製造する方法としては、亜硫酸浸漬法が採
用されている。この方法は、原料精選工程→亜硫酸温水
浸漬工程→磨砕・分離工程→濾過・乾燥工程の4工程か
ら基本的に構成されてる。
まず、第1工程である精選工程において、原料とうも
ろこし中に含まれている異物、あるいは規格外のとうも
ろこし粉末(ダスト)などが除去される。
次に、第2工程の亜硫酸温水浸漬工程において、原料
とうもろこし中に含まれているアミノ酸、可溶性蛋白質
やペプチド、糖類、及びその他の可溶性有機・無機成分
が除去される。これらの可溶性有機・無機成分は、濃縮
されてコーンスティープリカーとされ、微生物の培地又
は飼料として利用されている。
次いで、第3工程の磨砕・分離工程において、浸漬処
理されたとうもろこし殻粒が、外皮部と、胚芽部と、胚
乳部とに分別される。分別された外皮部は、スクリーン
により篩別した後、乾燥してコーングルテンフィードと
され、家畜飼料として利用される。また、胚芽部は、搾
油精製してコーン油として食用に供されるばかりでな
く、その搾油残渣は家畜の飼料として利用される。一
方、胚乳部は、更に磨砕処理された後、遠心分離されて
澱粉と蛋白質とに分別され、それぞれ乾燥工程を経て、
食品あるいはその他の一般工業分野で広く利用されてい
る。
上記の一連の工程で使用される水は、ボトルドアップ
・システムと呼ばれる方式により、新しく添加される水
量と、コーンスティープリカー及び凝縮水として抜き出
される水量とがほぼ等しくなるようにされている。すな
わち、すべての濾過水、遠心分離機のオーバーフローな
どを、その前の工程の工程水や洗浄水に使用しながら、
最後には浸漬液として利用して、可溶性成分を全部外部
にロスなく集めたものを濃縮するシステムである。した
がって、このボトルドアップ・システムでは、原料とう
もろこし中の成分を、無水物中99%以上回収することが
でき、とうもろこし澱粉製造工程は、極めて効率の良い
工業であるとされている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、ほぼ完成されたかに見える上記ボトル
ドアップ・システムによるとうもろこし殻粒の湿式処理
法も、個々の工程を詳細に検討した場合には、解決され
るべき諸々の問題点が残されている。
例えば、第3工程の磨砕・分離工程において、分別さ
れた外皮部を、スクリーンにより篩別して得られるコー
ングルテンフィードには、主にアラビノキシランとセル
ロースとから構成される非澱粉質炭水化物及び脂質以外
に、その固形物に対して10〜20重量%の澱粉が含まれて
いる。この澱粉の一部は、遊離の澱粉粒が、水洗不十分
により、外皮表面に単に付着しているものであるが、外
皮の表面構造に物理的に強固に結合し、水洗だけでは回
収し得ない澱粉もかなりの量がある。
また、磨砕・分離工程に使用されている研磨機の構造
的宿命から、外皮の一部が澱粉の粒径程度にまで細かく
砕かれたファインファイバーが大量に発生する。このフ
ァインファイバー中には、その固形分に対して50〜80重
量%の澱粉が含まれているので、更に、分別処理が行な
われているが、その分別効率は極端に悪い。その理由
は、ファインファイバーは、粒径が澱粉と同程度である
ため、篩別機を用いて澱粉と分別することは不可能であ
ることにもよるが、最も大きな理由は、前記コーングル
テンフィードの場合と同様に、かなりの量の澱粉が、フ
ァインファイバーの表面構造に物理的に強固に結合して
いることによると考えられている。
日本では、約200万トン/年のとうもろこし澱粉が製
造され、そのために、約286万トン/年のとうもろこし
穀粒が消費されている。一般的に、とうもろこし穀粒の
約10重量%がコーングルテンフィードとして回収され、
約1重量%がファインファイバーとなるとされている。
したがって、コーングルテンフィード及びファインファ
イバーと一緒に除去され有効利用されていない澱粉は、
計算によると4.3〜8.0万トンにものぼり、これは全澱粉
に対して2.1〜4.0重量%に相当する。
そればかりでなく、ファインファイバーは、篩別機に
よって分離されず工程内に長く残留して、ボトルドアッ
プ・システムの円滑な運転に多大な支障をきたすという
問題も有している。
このような問題点に鑑みて、本発明者らは、コーング
ルテンフィードやファインファイバーの表面に物理的に
結合及び/又は付着、混入している澱粉を回収する方法
について鋭意検討した。
その一つの方法は、コーングルテンフィード及び/又
はファインファイバーの懸濁液や、セルラーゼ、プロテ
アーゼ、キシラナーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ポリ
ガラクチュロナーゼ等の酵素を添加し、それぞれの酵素
に至適pHで40〜55℃にて反応させることにより、澱粉以
外の成分を可溶化又は部分可溶化し、篩別して澱粉粒を
損傷させることなく回収する方法である。しかし、この
方法では、篩別した通過部の澱粉重量を測定したとこ
ろ、酵素添加区と酵素無添加区とで殆ど変わらないの
で、澱粉を効果的に回収できないことがわかった。
次に、特開昭57−47499号に記載されているように、
コーングルテンフィード及び/又はファインファイバー
の懸濁液に、細菌液化型α−アミラーゼを添加し加熱し
て、存在する澱粉を糊化させると同時に液化させた後、
常法によりグルコアミラーゼあるいはβ−アミラーゼを
添加して、グルコースあるいはマルトースとして回収す
る方法を試みた。
しかしながら、この方法では、加熱処理を行なう際
に、コーングルテンフィード及び/又はファインファイ
バーに含まれる非澱粉質区分が、大量に吸水して膨潤す
るため、経済的に意味のある10%(w/v)以上の懸濁液
の濃度では、懸濁液が流動性を失い、以後の固液分離工
程への移送が不可能になることがわかった。更に、上記
の方法では、澱粉粒のミセル構造を完全に開裂させるた
めには、液化型α−アミラーゼ処理後に、125〜135℃程
度に加熱する必要があり、エネルギーコスト的にも問題
があった。
したがって、本発明の目的は、コーングルテンフィー
ド及び/又はファインファイバーに物理的に結合及び/
又は付着、混入している澱粉を回収する方法において、
上記コーングルテンフィード及び/又はファインファイ
バーの懸濁液を高濃度で、かつ、非澱粉質区分を膨潤さ
せることのない糊化開始点以下の温度で処理し、澱粉を
可溶化して分離することにより、澱粉を経済的に回収す
ること、更には、ファインファイバーを工程外に効率よ
く排出して、ボトルドアップ・システムが円滑に運転で
きるようにすることにある。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本発明のとうもろこし澱粉
抽出残渣の処理法は、とうもろこし殻粒の湿式処理によ
る澱粉の製造工程で発生するコーングルテンフィード及
び/又はファインファイバーに、生澱粉消化酵素を作用
させて、コーングルテンフィード及び/又はファインフ
ァイバーに物理的に結合及び/又は付着、混入している
澱粉を可溶化させ、水溶性糖類として回収することを特
徴とする。
以下、本発明について、好ましい態様を挙げて更に詳
細に説明する。
本発明において、コーングルテンフィードとは、とう
もろこし外皮の磨砕物であって、とうもろこし殻粒の湿
式処理である亜硫酸浸漬法において、とうもろこし殻粒
を精選し、亜硫酸温水浸漬して、とうもろこし中のアミ
ノ酸、可溶性蛋白質やペプチド、糖類、及びその他の可
溶性有機・無機成分を除去した後、磨砕し、外皮、胚
芽、胚乳とに分別し、その外皮部分を乾燥して得られる
ものである。コーングルテンコーングルテンフィード
は、主に家畜飼料として利用されているが、上記湿式処
理で得られるものは、主にアラビノキシラン及びセルロ
ースとから構成される非澱粉質炭水化物を主成分として
含有するほか、物理的に結合及び/又は付着、混入した
澱粉をその固形物に対して10〜20重量%含有している。
また、ファインファイバーは、上記亜硫酸浸漬法にお
ける磨砕処理工程で、外皮の一部が澱粉の粒径程度にま
で細かく砕かれたものであって、澱粉、蛋白質とともに
篩別機を通過しやすく、篩別を繰り返すことによって最
終的に分離される微粉である。このファインファイバー
は、粒径が同程度であることから付着、混入した澱粉の
ほかに、その表面構造に物理的に強固に結合した澱粉を
含有する。ファインファイバー中の澱粉の総量は、固形
物換算で50〜80重量%である。
本発明において、生澱粉消化酵素とは、澱粉粒を加熱
して膨潤糊化させることなく、生澱粉粒を直接的に可溶
化し、水溶性マルトオリゴ糖、マルトース又はグルコー
スを生成させる能力を有する酵素の総称である。
生澱粉に直接作用してマルトオリゴ等を生成する酵素
としては、バチルス・サーキュランス(Bacillus circu
lans)F−1(化学と生物、第23巻、No.1、7〜9頁、
1985年)、バチルス・ズブティリス(Bacillus subtili
s)65株(Appl.Environ.Micicbiol.、第54巻、No.6、15
16〜1522頁、1988年)、アスペルギルス・フィカム(As
pergillus ficum)(Appl.Environ.Microbiol.、第52
巻、No.5、1068〜1073頁、1986年)、あるいは細菌由来
のα−アミラーゼ(Agric.Biol.Chem.第53巻、No.3、60
1〜603頁、1989年)等がある。
また、生澱粉に作用してマルトースを生成する酵素と
しては、クロストリディウム・サーモスルフロゲネス
(Clostridium thermosulfurogenes)(Enzyme Microb.
Technol.、第9巻、598〜601頁、1987年)、あるいは細
菌由来のβ−アミラーゼ(澱粉科学、第33巻、No.4、23
8〜243頁、1986年)等がある。
更に、生澱粉に作用してグルコースを生成する酵素に
は、アスペルギルス(Aspergillus)属、K−27由来の
酵素(澱粉科学、第32巻、No.2、128〜135頁、1985年、
Appl.Mirobiol.Bio−technol.、第27巻、No.27、447〜4
50頁、1988年)や、カララ(Chalara)属由来の酵素
(澱粉科学、第32巻、No.3、189〜196頁、1985年)等が
ある。
本発明においては、上記の酵素のいずれも使用可能で
あるが、特に、とうもろこし生澱粉の消化速度及び分解
限度が高く、得られる澱粉糖化物の利用価値が高いこと
から、生澱粉を直接糖化してグルコースを生成する作用
を有する、カビ由来で、グルコアミラーゼを主体とする
生澱粉消化酵素を用いるのが、最も経済的である。
カビ由来で、グルコアミラーゼを主体とする生澱粉消
化酵素は市販されており、例えば、アスペルギルス(As
pergillus)属由来のものとして、「ダビアーゼ」(商
品名、ダイキン工業(株)製、20,000単位/g)、リゾプ
ス(Rhizopus)属由来のものとして「アマノグルクザイ
ムRL−2」(商品名、天野製薬(株)製、15,000国際単
位/ml)、「ナガセXP−415」(商品名、長瀬産業(株)
製)等がある。
本発明では、コーングルテンフィード及び/又はファ
インファイバーに、上記生澱粉消化酵素を作用させて、
コーングルテンフィード及び/又はファインファイバー
に物理的に結合及び/又は付着、混入している澱粉を可
溶化させて、水溶性糖類として回収する。
まず、コーングルテンフィード及び/又はファインフ
ァイバーを、水に分散させて、懸濁液を調整する。この
懸濁液の濃度は、高いほど経済的であるため5%(w/
v)以上が好ましいが、濾過工程等における流動性が損
なわれないようにするため20%(w/v)以下が好まし
い。
次に、この懸濁液を、pH4〜6、好ましくは5〜5.5に
調整し、生澱粉消化酵素を添加して、45〜60℃、好まし
くは50〜55℃で、撹拌しながら反応させる。反応時間
は、特に限定されないが、通常48時間程度が適当であ
る。
また、生澱粉消化酵素とともに、α−アミラーゼ、α
−1,−グルコシダーゼ、オリゴ1,6−グルコシダーゼ等
を併用することもできる。生澱粉消化酵素と併用した場
合、α−アミラーゼは、生澱粉消化速度を加速し、α−
1,6−グルコシダーゼは、消化速度の加速効果は大きく
はないが、生産物であるグルコースの生成率を増加させ
る。また、オリゴ1,6−グルコシダーゼは、グルコース
の生成率を増加させるとともに、グルコースからの逆合
成反応を抑制する効果を有している。
生澱粉消化酵素で処理した懸濁液は、例えばフィルタ
ープレス等の濾過器を用いて固液分離する。得られた液
部は、水溶性マルトオリゴ糖、マルトース、グルコース
などの糖類を含有する液であり、活性炭脱色、脱イオン
精製して食品等に利用することができる。この場合、水
溶液のままで用いることもできるが、必要に応じて結晶
化させることもできる。一方、固液分離により得られた
残渣は、乾燥した後、食品、飼料等として利用すること
ができる。
「作用及び効果」 本発明においては、とうもろこし殻粒の湿式処理によ
る澱粉の製造工程で発生するコーングルテンフィード及
び/又はファインファイバーに、生澱粉消化酵素を糊化
開始点以下の温度で作用させて、含まれている澱粉を水
溶性糖類として効率的に回収することができる。すなわ
ち、酵素反応を澱粉の糊化開始点以下の温度で行なうこ
とができるので、澱粉の糊化及び非澱粉質区分の膨潤に
より懸濁液の流動性が失われることが少ない。その結
果、コーングルテンフィード及び/又はファインファイ
バーの懸濁液濃度を高めることができ、かつ、酵素処理
後の懸濁液の移送、濾過作業も容易となり、澱粉を効率
的、かつ経済的に回収することができる。
また、澱粉を、水溶性糖類として可溶化して回収する
ので、食品等に利用する場合、添加しやすいという利点
も得られる。
更に、とうもろこしの湿式処理による澱粉の製造工程
において、工程中に長く残留してボトルドアップ・シス
テムの円滑な運転に多大な支障をきたしていたファイン
ファイバーを、工程外に効率良く排出することができる
ようになり、洗浄のために添加される水の洗浄効果を高
め、ひいては、各製品の品質向上、工程の生産能力の向
上などが期待できる。
「実施例」 以下に、本発明を実施例で詳細に説明する。
なお、実施例において、生澱粉の消化率は、便宜的に
以下の方法で測定したものである。
まず、コーングルテンフィード及び/又はファインフ
ァイバーを、水に分散させて懸濁液を得る。この懸濁液
を所定量(5ml程度)とり、耐熱性細菌液化型α−アミ
ラーゼである「クライスターゼT−5」(商品名、大和
化成(株)製、10,000単位/ml)を1,000単位添加し、pH
6.5の条件下にて95℃で10分間加熱して、含まれている
澱粉粒を完全に糊化液化する。次いで、0.45μmのメン
ブランフィルターで濾過し、得られた濾液中の全糖量を
アンスロン硫酸法で測定する。
一方、前記懸濁液を前記と同量とり、実験に供する生
澱粉消化酵素を添加し、30〜55℃で反応させた後、0.45
μmのメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液中
の全糖量を、前述と同様の方法で測定して、生澱粉から
生澱粉消化酵素の作用により溶離した水溶性糖質の濃度
とした。
なお、生澱粉の消化率(%)は、以下の式で表わし
た。
生澱粉の消化率=A/B×100 A:生澱粉消化酵素処理後の濾液中の全糖量 B:α−アミラーゼ処理後の濾液中の全糖量 また、生澱粉消化酵素処理後の濾液中の糖組成は高速
液体クロマトグラフィーにより測定した。高速液体クロ
マトグラフィーの分離カラムにはウルトロンPS−80N
(商品名、信和化工(株)製)を用い、移動相には水を
0.9ml/分の流速で用い、検出は示差屈折計で行なった。
実施例1 とうもろこしの湿式処理による澱粉の製造工程から得
られたコーングルテンフィードを、水に分散させて15%
(w/v)の懸濁液とし、pH5.0に調整した。次いで、上記
懸濁液に、アスペルギルス(Aspergillus)K−27株の
生産する生澱粉消化酵素である「ダビアーゼ」(商品
名、ダイキン工業(株)製、20,000単位/g)を、コーン
グルテンフィードに含まれている澱粉1gに対して50単位
添加し、55℃で、48時間撹拌しながら糖化させた。
得られた懸濁液を、フィルタープレスで固液分離し、
濾液の生澱粉消化率、及び糖組成を測定した。生澱粉消
化率は94%(w/v)であり、濾液中の可溶性糖類の94.5
%がグルコースであった。
実施例2 実施例1と同じコーングルテンフィードを水に分散さ
せて、濃度が5、10、20、25%(w/v)の懸濁液をそれ
ぞれ調製し、pH5.0にした。各々の懸濁液に、含まれて
いる澱粉1gに対して75単位の前記生澱粉分解酵素である
「ダビアーゼ」をそれぞれ添加し、55℃で、48時間撹拌
しながら反応させた。
得られた懸濁液の流動性を肉眼的に観察した後、実施
例1と同様に固液分離し、濾液について、生澱粉消化
率、及び糖組成を測定した。
比較例1 なお、比較のため、実施例2と同様に、コーングルテ
ンフィードの5、10、15、20、25%(w/v)懸濁液を調
製し、pH6.5にした後、耐熱性細菌由来の液化型α−ア
ミラーゼである「クライスターゼT−5」(商品名、大
和化成(株)製、10,000単位/ml)を、コーングルテン
フィードに含まれる澱粉1gに対して15単位添加し、95℃
で、10分間反応させて、澱粉を加水分解率12%まで液化
させた後、125℃で、20分間加熱して、澱粉を完全に糊
化液化させた。そして、直ちに55℃まで冷却し、リゾプ
ス(Rhizopus)属の生産するグルコアミラーゼである
「スミチーム#3,000」(商品名、新日本化学(株)
製)を、澱粉に対して0.07重量%添加し、pH5.0で、48
時間反応させた。得られた懸濁液の流動性を肉眼的に観
察した後、固液分離し、濾液について、生澱粉消化率、
及び糖組成を測定した。
実施例2及び比較例1の結果を表1に示す。
なお、懸濁液の流動性の評価は以下のように表わす。
A:非常に良い D:少し悪い B:良い E:悪い C:やや良い 表1から明らかなように、本発明方法による加熱処理
をしないで生澱粉消化酵素で処理した場合も、従来法に
よるα−アミラーゼで液化した後、グルコアミラーゼで
処理した場合も、澱粉の消化率は96%以上であり、濾液
中のグルコース含有量は95%以上になる。しかし、本発
明方法では、得られる懸濁液の流動性が、懸濁液の濃度
が20%(w/v)程度になるまで維持されるのに対して、
従来法では10%(w/v)程度が限度である。懸濁液が流
動性を失うということは、以後の精製工程への移動が困
難であることにつながり、すなわち、仕込み濃度の限界
が、従来法では10%(w/v)程度であるが、本発明の方
法では20%(w/v)程度まで可能であることを意味して
いる。
実施例3 とうもろこしの湿式処理による澱粉の製造工程におい
て発生するファインファイバーを、篩別機及びデカンタ
ーにより濃縮して、5、10、15、20、25%(w/v)の懸
濁液をそれぞれ調製した。各々の懸濁液をpH5.0に調製
した後、前記生澱粉分解酵素「ダビアーゼ」を、含まれ
ている澱粉1gに対して50単位添加し、55℃で、48時間撹
拌しながら反応させた。得られた懸濁液の流動性を肉眼
的に観察した後、固液分離し、濾液について、生澱粉消
化率、及び糖組成を測定した。
比較例2 比較のため、実施例3と同様に調製した、ファインフ
ァイバーの濃度、5、10、15、20、25%(w/v)の懸濁
液を、比較例1と同様に処理し、懸濁液の流動性、生澱
粉消化率、糖組成をそれぞれ測定した。
実施例3、及び比較例2の結果を表2に示す。
なお、懸濁液の流動性の評価は、表1と同様にした。
以上の結果から明らかなように、本発明方法及び従来
法のいずれも、グルコース含有量は94%以上であるが、
酵素処理後の懸濁液の流動性が限界となる懸濁液濃度
が、従来法では10%(w/v)程度であるのに対して、本
発明の方法では20%(w/v)程度である。したがって、
仕込み濃度の限界が、従来法では10%(w/v)程度であ
るが、本発明の方法では20%(w/v)程度まで可能であ
るということがわかった。
実施例4 濃度20%(w/v)のファインファイバー懸濁液を調製
し、含まれている澱粉1gに対して、前記生澱粉分解酵素
「ダビアーゼ」50単位と、細菌由来の液化型α−アミラ
ーゼである「クライスターゼL−1」(商品名、大和化
成(株)製、10、000単位/ml)10単位とを添加し、pH5.
5の条件下で、48時間撹拌しながら反応させ、実施例1
と同様に固液分離し、得られた濾液について、生澱粉消
化率、糖組成を測定した。
その結果、懸濁液に含まれていた生澱粉の96.2%が消
化され、可溶性糖類の93.8%がグルコースであった。
実施例5 実施例4と同様のファインファイバー懸濁液を用い、
「グライスターゼL−1」の代りに1単位のプルラナー
ゼ(天野製薬(株)製、900単位/ml)を添加した他は、
実施例4と同様に処理した。
その結果、懸濁液に含まれていた生澱粉の90.1%が消
化され、濾液中の可溶性糖類の95.6%がグルコースであ
った。
実施例6 実施例4と同様のファインファイバー懸濁液を用い、
含まれている澱粉1gに対して、50単位の前記生澱粉分解
酵素「ダビアーゼ」と、10単位の前記液化型α−アミラ
ーゼ「クライスターゼL−1」と、更に、1単位の前記
プルラナーゼを添加し、あとは実施例4と同様に処理し
た。
その結果、含まれていた生澱粉の95.8%が消化され、
濾液中の可溶性糖類の95.1%がグルコースであった。
実施例7 実施例4と同様のファインファイバー懸濁液を用い、
生澱粉分解酵素として「アマノグルクザイムRL−2」
(商品名、天野製薬(株)製、15,000国際単位/ml)
を、上記懸濁液に含まれている澱粉1gに対して60国際単
位添加し、あとは実施例4と同様に処理した。
その結果、含まれていた生澱粉の90.5%が消化され、
その濾液中の可溶性糖類の95.8%がグルコースであっ
た。
実施例8 実施例4と同様のファインファイバー懸濁液を用い、
生澱粉分解酵素として「ナガセXP−415」(商品名、長
瀬産業(株)製)を2%添加し、あとは実施例4と同様
に処理した。
その結果、含まれていた生澱粉の89%が消化され、そ
の濾液中の可溶性糖類の93.4%がグルコースであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】とうもろこし穀粒の湿式処理による澱粉の
    製造工程で発生するコーングルテンフィード及び/又は
    ファインファイバーに、生澱粉消化酵素を作用させて、
    コーングルテンフィード及び/又はファインファイバー
    に物理的に結合及び/又は付着、混入している澱粉を可
    溶化させ、水溶性糖類として回収することを特徴とする
    とうもろこし澱粉抽出残渣の処理法。
  2. 【請求項2】コーングルテンフィード及び/又はファイ
    ンファイバーの懸濁液を、固形分濃度が5〜20%(w/
    v)でpH4〜6になるように調製し、この懸濁液に生澱粉
    消化酵素を添加して45〜65℃で反応させる請求項1記載
    のとうもろこし澱粉抽出残渣の処理法。
  3. 【請求項3】生澱粉消化酵素と、α−アミラーゼ、α−
    1,6−グリコシダーゼ、オリゴ1,6−グルコシダーゼから
    選ばれた少なくとも一種とを併用して作用させる請求項
    1又は2記載のとうもろこし澱粉抽出残渣の処理法。
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