JP2868089B2 - 電子冷却装置及び該冷却装置により冷却される素子を塔載した半導体装置 - Google Patents

電子冷却装置及び該冷却装置により冷却される素子を塔載した半導体装置

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JP2868089B2 JP63210938A JP21093888A JP2868089B2 JP 2868089 B2 JP2868089 B2 JP 2868089B2 JP 63210938 A JP63210938 A JP 63210938A JP 21093888 A JP21093888 A JP 21093888A JP 2868089 B2 JP2868089 B2 JP 2868089B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [概要] 本発明は、ペルチェ素子を使用する電子冷却装置に関
し、 高周波的に安定な動作の出来る電子冷却装置と、その
装置を使用する半導体装置を提供することを目的とし、 低温側部材と、高温側部材と、低温側部材と高温側部
材との間に挟まれたペルチェ素子と、一方の端子、他方
の端子及びその間に設けられた絶縁部を備え、一方の端
子が低温側部材の導電性部に接続され、他方の端子が高
温側部材に接続されて接地されるとともに、絶縁部がペ
ルチェ素子とは独立して設けられた容量素子とを有して
構成する。
また前記低温側部材の導電性部に搭載され、高周波信
号源に電気的に接続される半導体素子を含む半導体装置
として構成する。
[産業上の利用分野] 本発明は高周波的に安定な動作のできるペルチェ素子
を使用する電子冷却装置に関する。
従来、ペルチェ素子を使用した電子冷却装置によりレ
ーザダイオードのような高周波素子を冷却しながら動作
させていた。そのとき、ペルチェ素子を載置した低温側
部材は高周波的に接地電位となっていないから、高周波
帯域で使用する素子に対し高周波信号を印加する動作が
必ずしも完全には出来なかった。そのため高周波帯域に
おいて高周波素子が安定に動作するようなペルチェ素子
を使用する電子冷却素子を開発することが要望された。
[従来の技術] 第4図は高周波素子としてレーザダイオードを使用
し、ペルチェ素子により冷却する装置の斜視図を示す。
第4図において、1はレーザダイオード、2−1はレー
ザダイオード駆動用の金線、3はホトダイオードで発振
強度安定化用モニタとするもの、4はペルチェ素子によ
る電子冷却装置を全体的に示すもの、5はペルチェ素
子、6はペルチェ素子動作用電流端子、7は低温側部
材、8は高温側部材、9はレーザ光伝送用光ファイバを
示す。また第5図は第4図に示すVの位置から電子冷却
装置4を眺め、且つレーザ部分の高周波帯動作素子を抽
出して示す矢視図である。
先ず、第4図に示すようにレーザダイオード1はレー
ザ光発光素子として図示しない高周波電源から駆動さ
れ、所定のレーザ光を発光している。発光は光ファイバ
9により図の左方に出力されるが、レーザダイオード1
の光ファイバ9と反対側においてホトダイオード3を設
けて、レーザダイオードの発光強度をモニタしている。
したがってホトダイオードの近辺にはレーザダイオード
1への発光強度制御回路を含む帰還回路を設けている
(図示省略)。第4図において10と示すパッケージはレ
ーザダイオード1、電子冷却装置4を全体的に包囲する
導電製筐体であって、接地電位となっている。そのため
複数のブッシング11に導線を挿入して、ブッシング11を
接地接続しているが、ブッシング11の或るものとパッケ
ージ10とは12と示すガラス封止端子で絶縁する。電子冷
却装置4は、端子6からの駆動電流により低温側部材7
と接触して載置されている半導体レーザダイオード1を
冷却して、奪った熱は高温側部材8の方へ流れて行く。
一般に高信頼度の要求される半導体レーザダイオード
は、その動作温度を一定(例えば25℃)に保つ必要があ
る。そして半導体レーザダイオードは光出力及び寿命が
ダイオードチップの温度に強く依存している。そのため
自己発熱及び周囲温度の上昇によるチップの温度上昇を
押さえるように、電子冷却装置により温度を一定に保っ
ている。
次に第5図において6〜8は第4図と同様のものを示
し、細矢印は熱伝導方向を示す。第5図において、13は
マイクロストリップ線路の一方の導体、14は誘電体を示
す。15は金属メッキ膜などで低温側部材7の例えばセラ
ミック材上に銅などを使用してメッキをしたものであ
る。第5図において、レーザダイオード1の一方端子は
マイクロストリップ線路の一方の導体から駆動され、他
方端子は金属メッキ膜15と接触している。一般に電子冷
却装置のパッケージに放熱した熱が一部でも被冷却素子
に戻されると、熱の閉ループが出来て冷却効果が低減さ
れてしまうから、熱の閉ループを形成しない構成とする
ことは当然のことである。そのため、第5図におけるペ
ルチェ素子の低温側部材7が直流的に接地接続されるこ
とは望ましくない。
[発明が解決しようとする課題] 第4図の構成において、レーザ駆動用電気信号は、線
2−1とマイクロストリップ線路2−3とを介してレー
ザダイオード1に印加される。また線2−2を介してダ
イオード1はパッケージ10と接続される。このとき線路
2−3,線2−2とブッシング11によるダイオード1から
パッケージ10の接地点までの距離が長くなり、レーザダ
イオード駆動用の信号が1GHz以上の高周波帯域となった
とき、それら導体は大きなインダクタンスを有すること
となる。そのためこれらの導線または膜を使用する高周
波伝送路が、等価的に信号遮断フィルタとなり、信号が
特定周波数で伝送されないこととなる。例えばパッケー
ジの接地部(高温側部材)と低温側部材との間は2.5pF
程度の容量値を有しており(低温側部材の大きさが6mm
×6mm×2mmとして1GHzの場合である)、前記インダクタ
ンスは2〜3mH程度の値を有し、このため数GHzでLC共振
を起こす。
本発明の目的は前述の欠点を改善し、高周波素子を載
置し冷却装置により冷却している回路構成において、高
周波的に安定な動作の出来る電子冷却装置と、その装置
を使用する半導体装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を達成するために、低温側部材と、
高温側部材と、低温側部材と高温側部材との間に挟まれ
たペルチェ素子と、一方の端子、他方の端子及びその間
に設けられた絶縁部を備え、一方の端子が低温側部材の
導電性部に接続され、他方の端子が高温側部材に接続さ
れて接地されるとともに、絶縁部がペルチェ素子とは独
立して設けられた容量素子とを有して構成する。
また請求項3に係る発明は、低温側部材と、高温側部
材の間に挟まれたペルチェ素子よりなる電子冷却装置
と、低温側部材の導電性部に搭載され、導電性部を介し
て高周波信号源に電気的に接続される半導体素子と、一
方の端子、他方の端子及びその間に設けられた絶縁部を
備え、一方の端子が低温側部材の導電性部に接続され、
他方の端子が高温側部材を搭載している導電性部材に接
続されるとともに、絶縁部がペルチェ素子とは独立して
設けられた容量素子とを有して構成する。第1図におい
て、1は高周波素子例えば半導体レーザダイオード、4
はペルチェ素子を使用する電子冷却装置、7は低温側部
材、8は高温側部材、16は高周波信号源、17は高周波素
子に対する高周波信号の一方の端子、18は容量素子、31
は容量素子18の一方の端子、32は同他方の端子、33は同
絶縁部、34は導電性部、35は導電性部を示す。
請求項1に係る発明は、低温側部材7と、高温側部材
8と、低温側部材7と高温側部材8との間に挟まれたペ
ルチェ素子5と、一方の端子31、他方の端子32及びその
間に設けられた絶縁部33を備え、一方の端子31が低温側
部材7の導電性部34に接続され、他方の端子32が高温側
部材8を搭載している導電性部35に接続されて接地され
るとともに、ペルチェ素子5とは独立した別部材として
設けられ、且つ絶縁部33が熱伝導率の低い材料によって
構成された容量素子18とを有して構成する。
請求項2に係る発明は、低温側部材7と、高温側部材
8の間に挟まれたペルチェ素子5よりなる電子冷却装置
4と、低温側部材7の導電性部34に搭載され、導電性部
34を介して高周波信号源16に電気的に接続される半導体
素子1と、一方の端子31、他方の端子32及びその間に設
けられた絶縁部33を備え、一位をの端子31が低温側部材
7の導電性部34に接続され、他方の端子32が高温側部材
8を搭載している導電性部35に接続されるとともに、ペ
ルチェ素子5とは独立した別部材として設けられ、且つ
絶縁部33が熱伝導率の低い材料によって構成された容量
素子18とを有して構成する。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明における
半導体素子1をレーザダイオードとして構成する。
[作用] 第1図の構成において、電子冷却装置4により冷却さ
れている高周波素子1が、信号源16から駆動されている
とき、信号源16の一方の端子17は高周波素子1にとって
低温側部材7と同電位となっていて、高周波的には接地
より浮いている。容量素子18は冷却装置における低温側
部材7と高温側部材8とを接続するもので、両者間を高
周波的に短絡すると共に熱伝導率は非常に低い。なお容
量素子18は、その絶縁部33がペルチェ素子5とは独立し
て設けられている。ここで「独立して設けられ」とは容
量素子18がペルチェ素子5上に設けられていないことを
表現している。高温側部材8の電位は完全な接地電位で
あるから、低温側部材の電位は高周波信号に対して基準
電位となる。そのため高周波信号は素子1に対し、フィ
ルタとなる部材を介することなく印加されるので、安定
に能率良く駆動できる。また、低温側部材7からの熱は
高温側部材8に対し、従来と同様にペルチェ素子のみに
より伝導するので、冷却装置としての能力低下は起こら
ない。
[実施例] 容量素子18の値は前述の大きさの部材を使用したと
き、数百pF(数GHz帯)乃至1μF(数MHz帯)が良いこ
とを実験により確かめた。容量素子の電極間の長さは使
用波長の1/4以下とすることが望ましい。
第2図以下に容量素子と低温側部材・高温側部材との
接続例のみを示す。第2図Aは、電子冷却装置4の側方
に容量素子18を付けた基本構成を示す。第2図Bは電子
冷却装置4を中空に構成し、中空部分に容量素子18を内
在させた例を示す。第2図Cは接地導体部に段差を付
け、容量素子18を水平に置き、一方の端子を低温部材と
接触している。第2図Dは容量素子を2個使用した場合
を示している。各々の場合の動作・効果は同様である。
勿論、これらを組合せた場合も同様である。
第3図は他の実施例の構成を示す側面図である。低温
側部材・高温側部材は高誘電体材料を用いて前述のペル
チェ素子を挟み込んで電子冷却装置を構成したものであ
る。この場合、前記に示した容量値を持つように基板材
料及び厚みが設計されている。
[発明の効果] このようにして本発明によると、電子冷却装置により
冷却されながら動作している高周波素子に対し、駆動用
高周波信号は、信号源端子の一方を基準電位とするため
の容量素子を使用しているため、印加される信号が殆ど
減衰されることなく且つ安定である。そのため広帯域特
性が得られ、また高周波素子の動作が良好になるから装
置の信頼性が高くなる。そして冷却装置の冷却効果にも
従来と同様の性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成を示す図、 第2図A〜Dは本発明の実施例の構成を示す図、 第3図は本発明の他の実施例の構成を示す図、 第4図は従来の電子冷却装置の斜視図、 第5図は第4図の一部抽出図である。 1……高周波素子(半導体レーザダイオード) 4……ペルチェ素子を使用する電子 7……低温側部材 8……高温側部材 16……高周波信号源 17……端子 18……容量素子
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−50304(JP,U) 実開 昭61−90256(JP,U) 実開 昭62−40846(JP,U) 実願 昭60−93975号(実開 昭62− 2254号)の願書添付した明細書及び図面 の内容を撮影したマイクロフィルム(J P,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温側部材と、 高温側部材と、 前記低温側部材と高温側部材との間に挟まれたペルチェ
    素子と、 一方の端子、他方の端子及びその間に設けられた絶縁部
    を備え、前記一方の端子が前記低温側部材の導電性部に
    接続され、前記他方の端子が前記高温側部材を搭載して
    いる導電性部に接続されて接地されるとともに、前記ペ
    ルチェ素子とは独立した別部材として設けられ、且つ前
    記絶縁部が熱伝導率の低い材料によって構成された容量
    素子と を有することを特徴とする電子冷却装置。
  2. 【請求項2】低温側部材と高温側部材の間に挟まれたペ
    ルチェ素子よりなる電子冷却装置と、 前記低温側部材の導電性部に搭載され、該導電性部を介
    して高周波信号源に電気的に接続される半導体素子と、 一方の端子、他方の端子及びその間に設けられた絶縁部
    を備え、前記一方の端子が前記低温側部材の導電性部に
    接続され、前記他方の端子が前記高温側部材を搭載して
    いる導電性部に接続されて接地されると共に、前記ペル
    チェ素子とは独立した別部材として設けられ、且つ前記
    絶縁部が熱伝導率の低い材料によって構成された容量素
    子 とを有することを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】前記半導体素子はレーザダイオードである
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
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