JP2867618B2 - 食器洗浄機の洗剤，乾燥仕上げ剤投入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、食器洗浄機に搭載され、洗剤および乾燥仕
上げ剤を、自動的に庫内に入れるための食器洗浄機の洗
剤、乾燥仕上げ剤投入装置に関するものである。

従来の技術 第４図に一般的な食器洗浄機の構成を示し、第５図，
第６図に従来の洗剤、乾燥仕上げ剤投入装置の構成を示
す。図において、１は食器類を収納し底部に洗浄水を溜
める洗浄槽、２は前記洗浄水を汲み上げて洗浄ノズル３
から食器類へ噴出させる洗浄ポンプ、４は洗剤、乾燥仕
上げ剤投入装置５を備え、前記洗浄槽１の前面を塞ぐ蓋
部４を設けている。洗剤、乾燥仕上げ剤投入装置５は凹
部６で形成される洗剤溜め部７と乾燥仕上げ剤を溜める
容器８とからなり、前記洗剤溜め部７には凹部６を覆う
ように回転する開閉蓋９が設けられ、また容器８には乾
燥仕上げ剤を入れるための貯蔵口10と、これに蓋をする
貯蔵口キャップ11と所定量の乾燥仕上げ剤を洗浄槽内に
送り込むための投入口12が設けられている。そして13a
は、標準使用量の乾燥仕上げ剤を溜める標準計量室、13
bは前記標準計量室13aに並列に設けられ連通孔15を備え
た増分計量室（13a,13bを統一して計量室14と以降称す
る。）、16は標準計量室13aから乾燥仕上げ剤を投入口1
2へ導く排出経路、17は前記連通孔15を開閉する調整
弁、18はソレノイド19で駆動され、前記排出経路16を開
閉する開閉弁、20は、乾燥仕上げ剤を計量室に導く案内
板、21は、ソレノイド18に開閉の信号を送る制御手段、
22は洗浄水を加熱するヒータである。

以上の構成においてその動作を説明する。まず、使用
者は食器洗い器の蓋部４を開いて、洗いたい食器類をセ
ットし、所定量の洗剤を洗剤溜め部７にいれて開閉蓋９
を閉じた後、蓋部４を閉めて運転を開始する。この開閉
動作に伴い洗剤、乾燥仕上げ剤投入装置５は一旦水平状
態におかれた後に直立状態になるが、案内板20でかきあ
げるようにして乾燥仕上げ剤が計量室14に溜まる。

そして、「洗浄」工程にはいると開閉蓋９が開かれて
洗剤が投入される。つぎに「乾燥」工程の前段階の「加
熱すすぎ」工程に移り、ヒータ22によりすすぎ水が所定
温度に達すると制御手段21の信号によりソレノイド19が
作動して開閉弁18が排出経路16を開き、計量室14に溜ま
っていた乾燥仕上げ剤が洗浄槽１に流出される。なお、
この時調整弁17が連通孔15を塞いだ状態であれば、標準
計量室13aの乾燥仕上げ剤のみが流出し、また前記調整
弁17が連通孔15を開けた状態であれば、増分計量室13b
の乾燥仕上げ剤が連通孔15を通じて流出する。この様に
調整弁17の働きによって、標準と増量の２段階の調整を
使用者が任意に設定できるようになっていた。

発明が解決しようとする課題 上記従来の装置において、通常１回に排出される乾燥
仕上げ剤は、0.3〜2cc程度でありこのため標準計量室13
aおよび増分計量室13bの形状は比較的小型になるに加え
て、排出経路16の作る断面積は、非常に小さくなる。加
えて、乾燥仕上げ剤は比較的粘度が高いため計量室に溜
まった乾燥仕上げ剤をすべて洗浄槽１に排出させるため
には、ソレノイド19を長時間駆動させる必要があり、こ
のためソレノイド19は長時間の使用に耐える仕様にする
ために高価なものとなっていた。また上述のとおり排出
経路16の断面積が狭いため、乾燥仕上げ剤等の排出精度
もばらつきの大きいものとなっていた。

本発明は、上記課題に鑑み、安価な構成で、ソレノイ
ドの価格を低減すると共に、安定した精度で乾燥仕上げ
剤を排出できる食器洗浄機の洗剤、乾燥仕上げ剤投入装
置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明の手段は、洗剤も
しくは乾燥仕上げ剤等の流動性のある液体を溜めておく
容器と、前記容器から液体を移動させて一定量溜めてお
く計量室と、前記計量室中の液体を装置外へ排出する排
出経路と、前記排出経路の開閉を行う開閉弁と、前記開
閉弁の開閉を行う駆動装置と、この駆動装置に開閉の信
号を送る制御手段とを備え、前記制御手段は、洗剤もし
くは乾燥仕上げ剤の１回の投入動作に対して複数回に分
けて開閉弁の開閉動作を行い液体を排出経路から庫内へ
排出し、動作終了時間近くの開閉弁の開動作時間を増加
させるものである。

作用 上記手段において、複数回開閉弁の開閉を行うことに
より、開閉弁の開時における吸引作用が複数回得られ、
排出経路内の粘度の高い洗剤、乾燥仕上げ剤を短時間で
庫内へ排出させることができ、ソレノイドの価格を低減
することができると共に、安定した計量が可能となる。
また、この手段により、開閉弁の吸引作用を受けにくく
なる開閉弁動作終了近くに、開閉弁の開動作時間を長く
し、乾燥仕上げ剤等の排出をほぼ完全に行えるようにす
る。

実施例 以下、本発明の一実施例について添付図面に基づいて
説明する。なお、食器洗浄機の構成は従来例で示した第
３図と同様であるため、ここでは省略する。また、洗
剤、乾燥仕上げ剤投入装置で従来例と同様の部品につい
ては同一の記号で記す。

第１図は、本発明の食器洗浄機の洗剤、乾燥仕上げ剤
投入装置の排出経路を示す断面図、第２図は同動作図で
ある。図において、12は投入口、13aは標準計量室、16
は排出経路、18は開閉弁、19はソレノイド、20は、洗
剤、乾燥仕上げ剤を計量室に導く案内板、21はソレノイ
ド19に開閉の信号を送る制御手段である。

前記構成において、前記従来例で説明したように、食
器洗浄機の蓋部４の開閉動作により、標準計量室13aに
溜められた洗剤、乾燥仕上げ剤は、第１図に示すとおり
開閉弁18の作用により排出経路16まででせき止められ、
食器洗浄機の洗浄槽１内には排出されない。そして制御
手段21の信号によりソレノイド19が動作し、開閉弁18が
開き、洗剤、乾燥仕上げ剤が排出経路16を通過し、投入
口12より洗浄槽１内へ排出される。

次に、一旦、第２図に示すとおり制御手段21からの信
号によりソレノイド19の通電を中止し、開閉弁18をＡの
方向へ動作させる。この際排出経路16の内部には、開閉
弁18の下方への動作による空気の流れ、言い換えればポ
ンプ作用によりＢの方向に吸引力が働き、標準計量室13
a内に残っている洗剤、もしくは乾燥仕上げ剤を排出経
路16内に吸引する。また増分計量室13b（図示せず）内
に残った洗剤、乾燥仕上げ剤も同様に排出経路16内に導
く。そこで再度、制御手段21は、ソレノイド19を動作さ
せるための信号を送り、開閉弁18を解放させる。

以上の動作を複数回繰り返すことにより、洗剤、もし
くは乾燥仕上げ剤を効率よく庫内へ排出することができ
るためソレノイド19の動作時間も少なく、そのため安価
なソレノイドを使用でき、かつ安定した精度で、洗剤も
しくは乾燥仕上げ剤を洗浄槽１内へ排出できる食器洗浄
機の洗剤、乾燥仕上げ剤投入装置を提供することができ
る。

次に、本発明の他の実施例を第３図により説明する。

すなわち、制御手段21は開閉弁18の動作時間Ｔ中に、
複数回開閉弁18を開く信号であるオン信号を発生する構
成としている。特に、動作終了近くの開閉弁18の開動作
時間をその前の開閉動作時間より増加させ、排出経路16
に残存している洗剤、乾燥仕上げ剤が自然落下するのに
余裕のある時間を設定し、洗剤、乾燥仕上げ剤の流出を
ほぼ完全に行うことができる。

発明の効果 本発明によれば、開閉弁の開閉動作を複数回行うこと
によって、洗剤もしくは乾燥仕上げ剤の食器洗浄機庫内
への排出動作が、安価にかつ精度良く行うことができ
る。また、開閉弁の動作終了近くの開閉弁の開動作時間
を増加させることによって、洗剤もしくは乾燥仕上げ剤
の排出をほぼ完全に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の食器洗浄機の洗剤、乾燥
仕上げ剤投入装置の要部断面図、第３図は同制御手段の
制御信号図、第４図は一般的な食器洗浄機の縦断面図、
第５図は同洗剤、乾燥仕上げ剤投入装置の一部破断正面
図、第６図は第５図のＡ−Ａ断面図である。 ８……容器、14……計量室、16……排出経路、18……開
閉弁、19……駆動装置（ソレノイド）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47L 15/44 D06F 39/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗剤もしくは乾燥仕上げ剤等の流動性のあ
   る液体を溜めておく容器と、前記容器から液体を移動さ
   せて一定量溜めておく計量室と、前記計量室中の液体を
   装置外へ排出する排出経路と、前記排出経路の開閉を行
   う開閉弁と、前記開閉弁の開閉を行う駆動装置と、この
   駆動装置に開閉の信号を送る制御手段とを備え、前記制
   御手段は、洗剤もしくは乾燥仕上げ剤の１回の投入動作
   に対して複数回に分けて開閉弁の開閉動作を行い液体を
   排出経路から庫内へ排出し、動作終了時間近くの開閉弁
   の開動作時間を増加させる食器洗浄機の洗剤、乾燥仕上
   げ剤投入装置。