JP2867374B2 - 百日咳毒素遺伝子 - Google Patents

百日咳毒素遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は百日咳ワクチンに関し、特に遺伝子工学的
方法により生産されたワクチンに関する。 〔従来の技術〕 ボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertussis)は
ヒトにおいてのみ見出されるグラム陰性小桿菌である。
これは小児疾患である百日咳の病因体である。 感受性の個体においては、この病気は深刻な発作期に
まで進行する。激しい且つ痙攣性の咳が起こり、患者は
咳発作を伴う酸素圧低下、高血圧及び痙攣からの二次傷
害を受ける。二次感染、脳疾患、及び死が起こるかもし
れない。 この病気の発作段階におけるこれらの深刻な効果と関
連付けられている個々の分子成分は百日咳毒素(Ptx)
である。Ptxは種々の名称で報告されており、これには
リンパのう腫促進因子、ヒスタミン増感因子、及び小島
活性化蛋白質等の名称が含まれる。 Ptxについて特異的生化学的反応が記載されており、
これは毒素の生理学的効果の作用形態であると信じられ
る。PtxはADP−リボースをNADから真核性グアニンヌク
レオチド結合蛋白質に移行せしめ、これによりそれらの
正常な機能を撹乱する。他の多くの生化学的効果も注目
されている。 百日咳毒素は細菌毒素のA−Bモデルと基本的に一致
するオリゴマー構造を有する。この毒素の配列は知られ
ている。S1,S2,S3,S4,及びS5と称する5個のペプチドサ
ブユニットが存在し、これらは1:1:1:2:1のモル量のホ
ロ毒素として存在する。S1、すなわち“A"モノマーは毒
素のADP−リボシル化反応を触媒する。他の4個のサブ
ユニットから成るBオリゴマーは、宿主細胞への毒素の
結合、及びおそらく細胞へのS1の導入を担当すると考え
られる。 この発明の前には、ptx遺伝子のいかなる操作がPtx又
はその毒性を変化せしめるかについてほとんど知られて
いなかった。Falcow及び共同研究者は最初、百日咳毒素
をコードする遺伝子座を記載した。この遺伝子座ptx
百日咳毒素サブユニットの1つであるS3の発現を不活性
化するトランスポゾン挿入により同定された。他の2つ
の研究グループは最近B.ペレツシスDNAをクローン化し
そして配列分析により同定した。このものは翻訳された
場合Ptxサブユニットアミノ酸配列に相当する。2個の
クローン化された配列は本質的に同一であり、そして隣
接してオペロン様構造に配列された5個すべてのPtxサ
ブユニットのオープンリーディングフレームを含有す
る。いずれの研究グループもクローン化された配列の発
現又はptx座の遺伝的変形を報告していない。ボルデテ
ラ(Bordetella)のトランスポゾン挿入変異株が単離さ
れており、このものは細胞内画分と細胞外画分との間の
ptxサブユニットの変化した分配を示す。少なくとも1
個のトランスアクト(transacting)座virが毒素の生合
成のために必要であることが知られている。 熱死滅生物体から成る粗製であるが有効な百日咳ワク
チンが1930年代及び1940年代に開発された。このワクチ
ンの広範な使用がこの病気の発生率の劇的な減少を導い
た。最近、公衆のワクチン接種が少なくなったために百
日咳の発生が復活した。このワクチン接種の減少は、熱
死滅ワクチンを使用してこの免疫感作に伴う有害な影響
についての懸念を反映している。有害な影響は些細な刺
激性から痙攣、昏睡、そして希な場合として死にまで及
ぶ。深刻な反応から回復した小児は種種な程度の永久的
神経欠陥、例えば精神遅延を示す。 今日一般に使用されているワクチンは50年前に開発さ
れたものと同一である。百日咳の免疫予防の分野におけ
る発達は第一にワクチン力価と毒性の定量化にあった。
Ptxを包含する、非細胞であるがしかしなお十分に定義
されていないワクチンが最近日本において試験されてい
る。結果はまだ得られていない。 従って、百日咳に対して免疫を誘導することができる
がしかし現在の百日咳ワクチンの有害な効果を欠く百日
咳ワクチンの必要性が存在する。 百日咳毒素のオリゴマー構造は最初にTamura等(198
2)Biochemistry21:5516により記載された。百日咳毒
素遺伝子のヌクレオチド配列及び遺伝子構成がLocht等
(1986)Sciense232:1258−1264に記載されている。
百日咳毒素遺伝子のクローニング及び配列決定がオペロ
ン構造及び遺伝子複製と共にNicosia等(1986)ProcN
atl. Acad. Sci.USA83:4631−4635に記載されている、
ボルデテラ(Bordetella)のトランスポゾン挿入変異が
Weiss等(1983)Infect.Immun. 42:33に記載されてお
り、これはまた毒素の生合成のために必要なトランス−
アクトvir座を記載している。百日咳ワクチン関連脳疾
患のために最近開発されたマウスモデルがSteinman等
(1982)Nature,299:738に記載されている。Ptxが一次
ワクチン成分であることを示唆する、ワクチン組成と力
価との間の比較検討がPittman(1984)Ped.Infect.Di
s:467に記載されている。百日咳ワクチンに関する
多数の論文を示す刊行物として“Developments in Biol
ogical Standardization",Vol 61,Mann,Clark,及びHenn
essen編、S.Karger,バーゼル、1985が挙げられる。この
書籍中の論文は1984年にスイス、ジュネーブにて開催さ
れたFourth International Symposium on Pertussisに
基く。 〔発明の概要〕 免疫性の保持中に生物体により生産される毒素分子の
毒性を変化せしめる変異がボルデテラ・ペルツシスの染
色体中の毒素遺伝子に導入された。2つのマークされて
いない変異、すなわちptx3201(S1サブユニット中の挿
入を伴う)及びptx058(全S1サブユニットが除去されて
いる)がワクチン用として特に重要である。 この発明において使用される核酸配列はボルデテラ・
ペルツシスから単離される遺伝情報に由来する。この発
明は天然遺伝子及びポリペプチド遺伝子生成物の変形、
特に免疫原性を保持するがしかし野性型百日咳毒素の毒
性を欠く遺伝子生成物を含む。B.ペルツシスの染色体に
変異を挿入するために有用なベクターも提供される。 〔具体的な記載〕 この発明は部分的には、百日咳毒素をコードする遺伝
子座を同定しそしてクローン化することにより具体化さ
れた。さらに、遺伝子工学的技法により、少なくとも1
つの毒素サブユニットがE.コリ(E. coli)中で発現され
た。さらに、なお免疫化応答を刺激することができなが
ら毒素の生産性を欠くB.ベルツシスを作りだすためにイ
ンビトロ変異誘発及び対立遺伝子交換が使用された。 具体的には、百日咳毒素(Ptx)オペロン遺伝子とハ
イブリドプロモーターtacとの連結融合によりボルデテ
ラ・ペルツシス毒素遺伝子が発現された。Ptxオペロン
遺伝子がまず、クローン化されたptx座とtacプロモータ
ーベクターとの融合により同定された。この融合プラス
ミドをpTOX1と称する。プラスミドpTOX1はE.コリ中で少
なくとも1個のPtxサブユニットを発現する。クローン
をまず、ラビット抗血清を用いてコロニーブロットラジ
オイムノアッセイにより検出した。PtxサブユニットS4
の特異的生産は、S4−特異的モノクローナル抗体を用い
て。pTOX1がチャージされたインビトロ転写/翻訳系か
らのラベルされた生成物の放射免疫沈澱により証明され
た。PtxオペロンのDNA配列により、pTOX1がS1−サブユ
ニットオープンリーディングフレームの3′末端から約
200塩基対5′側の点にtacプロモーターが融合したこと
が示される。この研究は、百日咳毒素の大量製造のため
の宿主としてのE.コリの有用性を示し、そして他の宿主
におけるPtx(天然形又は変形された形)の生産の途を
開いた。 前記のごとく、B.ペレツシスにおける百日咳毒素の発
現は通常はvir依存的である。1つの百日咳毒素サブユ
ニットをコードする遺伝子、又は完全な百日咳毒素の種
々のサブユニットをコードする多数の遺伝子の上流に適
切なプロモーターを作用可能に挿入することにより、変
性された菌株を培養しそして培地からサブユニットを単
離することによって、サブユニットを構成的に生産する
ことが可能である。破砕された細胞を含有するか又は培
地中に分泌される可溶性生成物のみを含有する細胞培養
培地から蛋白質を単離するための標準的手段により百日
咳毒素を単離することができる。これらの方法には分別
沈澱、ゲル過、及びアフィニティークロマトグラフィ
ーが含まれ、このアフィニティークロマトグラフィーは
特定のサブユニットに対するモノクローナル抗体、完全
百日咳毒素に対して調製された抗血清、等に基くことが
できる。 S1百日咳毒性サブユニット遺伝子の染色体欠失と遺伝
子造成物中へのtacプロモーターの挿入とを組み合わせ
ることも可能である。この様な構成を有する菌株はBオ
リゴマーサブユニットのみを発現するであろう。その様
なBオリゴマーサブユニットは抗体を生じさせるための
活性ワクチンとして使用することができ、あるいは受動
ワクチン中に使用するためにインビトロで抗体を生じさ
せるために使用することができる。 この発明の結果として得られる情報により当業者は百
日咳毒素を産生するための細菌種について賢明な選択を
行うことができる。百日咳毒素オペロンの配列分析は、
伝統的なE.コリクローニング宿主のグアニン+シトシン
含量(約50%)よりもかなり高いグアニン+シトシン含
量(65%)を示した。従って、属中の他の種における百
日咳毒素の生産は、好ましくは60%以上、さらに好まし
くは65%以上の高いグアニン+シトシン含量を有する種
又は属を宿主として使用するために選択することにより
促進され得る。ボルデテラ及びシュードモナデス(Pseu
domonades)属が特に好ましい。4つのボルデテラの種
〔アビウム(avium)、ブロンチセプチカ(bronchisept
ica)、パラペルツシス(parapertussis)及びペルツシ
ス(pertussis)〕の内、パラペルツシスは感染性疾患
と無関係であるため、この種が宿主として好ましい。 B.ペルツシスからの百日咳毒素を、タンデムメロディ
プロイド(merodiploid)染色体取り込みとして、又は
P−不和合グループエピゾームとしてE.パラペルツシス
に導入した。これらの場合のいずれにおいても、コロニ
ーブロットラジオイムノアッセイにより測定した場合百
日咳毒素が発現された。 現在入手可能な遺伝情報に基いて、変化した毒素生合
成表現形を導く特定の変異を百日咳毒素オペロン中に導
入することが可能である。クローン化された百日咳毒素
オペロンから出発して、インビトロ変異誘発及び対立遺
伝子交換を用いて明確な遺伝的損傷をB.ベルツシス染色
体に導入することができる。 多数の異るタイプの変異を百日咳毒素オペロンに特異
的に導入することができる。これらにはマークされた極
欠失、マークされた極挿入、マークされていない非極コ
ドン挿入、並びにマークされていない極及び非極欠失が
含まれる。当業者は、この明細書において与えられる情
報を用いて、例示的に挙げられる下記のタイプの変異の
変形を容易に調製することができる。マークされた極欠
失及び挿入は、1.2キロ塩基対のポリリンカーに挾まれ
たアミノグリコシダーゼホスホトランスフェラーゼ遺伝
子(ABT II)をマーカーとして用いて行うことができ
る。この様な変異は、B.ペルツシスへの対立遺伝子交換
返還のためにpTOX 9のごときプラスミド中に造成するこ
とができる。 マークされていない非極コドン挿入並びにマークされ
ていない極及び非極欠失は同様に、B.ペルツシスへの対
立遺伝子交換返還のためにpRTP1のごときシャトルベク
ターを用いて造成することができる。 多くのタイプの対立遺伝子交換を実現することができ
るが、次の技法は満足すべきものであることが証明され
ており、そして実施可能な技法の例である。適当なプラ
スミドにより可動化(transmobilize)されるP−不和
合性グループ移送開始点rlxを接合可動化技法において
用いることができる。可動化(transmobilization)の
ために適当なプラスミドはpRKTV5である。マークされた
変異の交換は直接選択しそして評価することができ、他
方マークされていない変異の交換は2段階工程で行われ
る。 この発明は、B.ペルツシスから遺伝子を選択的に欠失
させること、そしてそれ故にB.ペルツシスから表現型を
選択的に欠失させることの確実性を証明した。この発明
は、百日咳毒素遺伝子がインビトロでのB.ペルツシスの
生存に必須ではないこと、及び百日咳毒素サブユニット
の生産を欠く株を日常的に増殖させ得ることを示した。
従って、限定された数の百日咳毒素サブユニット又は変
化したホロ毒素を生産する変異株をそれ自体ワクチンと
して、野性型百日咳毒素に伴う有害な効果を伴わない
で、使用することができる。 人工的ヌクレオチド又はペプチド配列を記載する際に
使用される“人工的”なる語は、天然生成物、例えばボ
ルデテラ・ペルツシス中に存在する場合の完全ヌクレオ
チド配列を排除することが意図される。ここで、人工的
とは、人によるなんらかの操作が行われたことを示す。
特定のヌクレオチド又はペプチド配列の精製及び単離は
十分な操作である。ヌクレオ配列はDNA又はRNAであるこ
とができ、そして天然のボルデテラ・ペレツシス配列と
同一でもよく又はそれに相補的でもよい。単鎖及び二本
鎖の両方のDNA及びRNAがこの発明に含まれ、中間体生成
物として単鎖RNA及びDNAが有用である。 適当なベクターに導入して蛋白質を生産するためには
二本鎖ヌクレオチド配列が特に有用である。この様な蛋
白質はワクチンとして又はワクチンの成分として使用さ
れる。S1〜S5サブユニットのいずれでもよい百日咳毒素
の完全成熟サブユニットをコードする配列が特に有用で
ある。配列がその中に個々のサブユニットをコードする
幾つかの配列を含むことも可能である。1つの好ましい
配列は百日咳毒素の完全なBサブユニットをコードす
る。他の好ましい配列は、百日咳毒素の野性型Bサブユ
ニットを構成する4個のサブユニットの内1個以上3個
以下をコードする。 この発明はさらに、変化した百日咳毒素表現型を有す
るB.ペルツシスの変異株を作出することにより実現され
る。トランスホゾン変異誘発によりすでに同定されてい
る変色体座ptxはPtxコード領域であることが確認され
た。tacプロモーターの制御のもとに置かれたクローン
化されたptxDNAはE・コリにおいて、及びE・コリイン
ビトロ転写−翻訳系においてPtx光源を発現した。ptx座
制限地図はB.ペルツシスDNAの既知のクローン化された
配列と同一であることが見出された。B.ペルツシスptx
変異株は、クローン化されたPtxコード領域のインビト
ロ変異誘発、及びこれに続く対立遺伝子交換によるB.ペ
ルツシス染色体への変異の導入により作り出された。変
異の導入及び位置はサザン移行によって確認された。こ
れらのPtx変異体は百日咳病原性及び免疫性への毒素の
寄与の分析を可能にする。 百日咳毒素変異株は、ワクチンの設計において有用な
百日咳毒素生合成の2つの主要な特徴を示した。第一
は、毒素サブユニットS2及びS4の生合成が無傷のそして
中断されていないS1オープンリーディングフレームを必
要とする。これは、オペロンの最初の3個の遺伝子が単
一の転写ユニットを形成すること、すなわちこれらがポ
リシストロン性であることを示しているようである。従
来技術は、2つのプロモーターが存在し、1つはS1オー
プンリーディングフレームに先行しそして他方はS4オー
プンリーディングフレームに先行することを示している
が、この発明の研究からのデーターはS1オープンリーデ
ィングフレームに先行するプロモーターのみが使用され
る。他方、S2又はS4は独立に転写されるがしかし転写活
性剤としてS1メッセージ又は生成物を必要とする可能性
がある。それにもかかわらず、サブユニットS2及びS4の
生合成のために無傷のS1遺伝子が要求されることが明ら
かでなる。 これらの変異により開示される百日咳毒素の生合成の
他の主要な特徴は、3′サブユニットオープンリーディ
ングフレームの中断が該中断より5′側にコードされる
サブユニットの不完全な合成又は生合成の不安定性を導
くことである。さらに具体的には、S5サブユニットオー
プンリーディングフレームの変異は端が切除されたS1サ
ブユニットの生産を導き、S4オープンリーディングフレ
ームの変異は検出し得るS2サブユニットの欠失を誘く。
生合成におけるサブユニットのこの関係はサブユニット
の物理的関連を直接反応している。サブユニットS2とS
4、及びサブユニットS3とS4は一緒になって比較的安定
なヘテロダイマーを形成する。2つのヘテロダイマー、
すなわちS2/S4及びS3/S4はS5の存在下でS5と結合してヘ
テロペンタマーS2/S4−S5−S3/S4を形成するであろう。
このヘテロペンタマーは安定な構造であり、そして宿主
組織への毒素の結合を仲介すると信じられる。これはホ
ロ毒素の活性をブロックするためにインビトロで使用さ
れている。次に、このヘテロペンタマーはS1サブユニッ
トと安定に会合するであろう。S5の非存在下ではS1サブ
ユニットは他のサブユニットのいずれとも会合しないで
あろう。さらに、サブユニットS4の非存在下ではS2は他
のサブユニットのいずれとも会合しないであろう。毒素
サブユニット間のこれらの物理的関連はサブユニットの
安定な生合成において直接反映される。S5サブユニット
の非存在下での百日咳毒素のS1(A)サブユニットの端
の欠除及びこの明細書に記載する他の不安定性は、安定
に相互作用するサブユニットの生産によるワクチンの合
理的な設計を可能にする。 例えば、S1〜S5サブユニットの内すべてではないが幾
つかを含有するワクチンが望ましい場合において、S1サ
ブユニットを含めるべき場合にはS5サブユニットが存在
しなければならないであろう。同様に、S2サブユニット
が望ましい場合、S4サブユニットが存在すべきである。
従って、サブユニットの好ましい組合わせにはS1/S5、S
5のみ、S2/S4、S4のみ、S1/S4/S5、S2/S4/S5、及びS1/S
2/S4/S5が含まれる。これらのサブユニットグループ
(最後のサブユニット群S1/S2/S4/S5を除く)のいずれ
かとS3サブユニットとの組合わせも好ましい。なお、こ
れらのグループは化学量論的であることは意図されな
い。しかしながら、S1,S2,S3,S4及びS5について1:1:1:
2:1の天然比率に近い化学量論的比率が好ましい。 B.ペルツシス染色体中の対応する配列を置き換えるた
めにクローン化されたそして/又は変形された配列の返
還を促進するために特に設計されたベクターを造成し
た。このプラスミドをpRTP 1(Retorn To Pertussis;ペ
ルツシスへの返還)と命名する。このベクターを用い
て、相同性組換によるこのベクターの組み込み、及び同
機構によるその喪失について選択を行うことができる。
従って、プラスミドpRTP 1はクローン化された対立遺伝
子により染色体対立遺伝子を容易に置換する可能性を提
供する。 pRTP 1は次の要素を含有する:ori T、すなわち、広
宿主域プラスミドRK2からの接合的移行のための開始点;
Col E I由来の増殖的複製開始点;アンピシリンに対す
る耐性をコードする遺伝子;ストレプトマイシン耐性株
をストレプトマイシン感受性にするE・コリ リボゾー
ム蛋白質S12の遺伝子;及びバクテリオファージ入のcos
部位。 ori Tは、接合によりE・コリから受容体B.ペルツシ
ス株に移行する能力について、クローン化されたペルツ
シス配列を含有するpRTP1が補完されることを可能にす
る。移行した後、このDNAはCol E I複製開始点によって
維持され得ず、そしてそれ故にアンピシリン耐性につい
ての選択が負荷された場合、導入されたプラスミドが染
色体に組み込まれた細菌のみが生存するであろう。この
組み込みは通常、クローン化されたB.ペルツシス配列内
での相同性組換を介して起こるであろう。B.ペルツシス
受容体がリボゾーム蛋白質S12の遺伝子のストレプトマ
イシン耐性対立遺伝子を含有する場合、ストレプトマイ
シンに対する耐性の選択により、クローン化された配列
内での第二の組換によりベクターが失われている細菌が
選択されるであろう。導入される変異が選択マーカーを
有する場合、ストレプトマイシン選択中にそのマーカー
についての選択を維持することにより、すべてのストレ
プトマイシン耐性生存株が変異を込んでいることが保証
されるであろう。cos部位のため、pRTP1はまた遺伝子バ
ンクを造成するためのコスミドクローニングベクターと
して使用することができる。すなわち、B.ペルツシス染
色体の大きな配列の最初のクローニング、E.コリでのこ
れらの配列の分析及び変化、並びにこれらの変形された
配列の返還によるそれらの染色体対応部分の置換のため
に単一のベクターを使用することができる。 驚くべきことに、リボゾーム蛋白質S12のE.コリ遺伝
子はB.ペルツシスにおいて効果的に発現され、そして作
られたS12蛋白質はB.ペルツシス染色体に集合すること
ができる様である。これは非常に有用であることが証明
されており、そしてColE Iを基礎とするプラスミドが複
製することができない他の細菌種において適切に機能す
ることを示唆している〔Mejean等、Gene(1981)15:289
−293;Niaudet等、Gene(1982)19:277−284;shimkets
等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:1406−1410;Wi
lliams及びSzalay,Gene(1983)24:37−51〕。E.コリ種
及びサルモネラ(Salmonella)の種においてはpolA遺
伝子中の変異はColE1−誘導体を複製不能にする。これ
らの種においては、ストレプトマイシン耐性誘導体はや
はり容易に入手可能であり、そしてそれ故に対立遺伝子
置換のため、及び所与の遺伝子の必須性を決定するため
に、これらの誘導体中でpRTP1を使用することができ
る。 多くの研究者が、プラスミドベクター又はバクテリオ
ファージベクター中にクローン化された対応する配列に
よる染色体DNA配列の置換を記載している〔Lee及びSaie
r,J.Bacteriol(1983)153:685−692;William及びSzala
y,Gene(1983)2437−51;O′Connor及びZusman,J.Bacte
riol(1983)155:317−329;Gutterson及びKoshland,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:4894−4898;Joyce及び
Gridley,J.Bacteriol.(1984)158:636−643;並びにPoz
zi及びGuild,J.Bacteriol.(1985)161:909−912〕。こ
れらの方式は一般に、それらのベクターが受容体細菌中
で複製できないこと、及び相同性組換による組み込みの
選択を可能にするマーカーに依存する。多くの場合、こ
の選択はクローニングベクターを挾む染色体中のクロー
ン化配列の倍化をもたらす。これらの場合に対立遺伝子
交換の過程を完結するためには、ベクターを除去しそし
て単一の対立遺伝子を残すためにクローン化配列内での
第二の組換現象が必要である。これらの子孫は、ベクタ
ーの喪失について候補をスクリーニングすることにより
得ることができる。Joyce及びGrindley(1984)(前
掲)の方法は、プロファージの熱誘導後の殺細胞に対す
る耐性によりファージベクタターの喪失を選択すること
ができるという重要な利点をもたらす。ここに記載され
る系は、pRTP1上での負選択が含まれる点において類似
する。負選択は、rpsL遺伝子の変異対立遺伝子のため
高レベルのストレプトマイシンに対する耐性が感受性対
立遺伝子に対して劣性であるという利点を有する。研究
中B.ペルツシス株に、str 対立遺伝子を最初に導入し
なければならないということは主要な制限ではない。適
当なタイプの変異は、高レベルのストレプトマイシンに
対する自然に生ずる耐性についての選択により容易に得
られるからである。 なお、B.ペルツシスのS12遺伝子内で組み込み組換が
起こる場合、pRTP1の使用に伴い1つの困難が生ずるか
もしれない。これはアンピシリン耐性ストレプトマイシ
ン感受性の誘導体をもたらすかもしれない。しかしなが
ら、染色体対立遺伝子又はクローン化対立遺伝子のいず
れかが容易にスクリーニングし得るマーカーによりマー
クされている場合、マーカーの交換の可能性がなければ
これらは容易に区別され得る。例えば、マークされてい
ないptx変異の導入のここに示されるケースにおいて
は、ストレプトマイシン耐性カナマイシン感受性誘導体
が得られれば、ptx中の相同性を介して組み込みが起っ
たことが保証されよう。 次に、この発明を例によって更に詳細に説明するが、
これによってこの発明の範囲を限定するものではない。 例1. 変異株 材料及び方法 菌株及び培地 使用した細菌株及びプラスミドを第1表
に示す。 エッシエリシヤ.コリ(Escherichia coli)はL寒天
上で培養し、そしてB.ペルツシス(B.Pertussis)は15
%羊血液を含有するBordet Gengou寒天上で増殖せしめ
た。いずれも37℃にて行った。高い湿度を保持するため
B.ペルツシスはかるく栓をしたジャー中で培養するか、
あるいは大気を周囲条件とした。適当な場合には、抗生
物質を次の濃度で加えた:アンピシリン、E.コリについ
ては100μg/ml、B.ペルツシスについては40μg/ml;カナ
マイシン40μg/ml;リファンピシン50μg/ml;ストレプト
マイシン300μg/ml。 分子生物学的操作 標準的クローニング技法を用いた。
ランダムDNA断片の生成は音波処理によった。漸増的欠
失(incremental deletino)はBal31エキソヌクレアー
ゼ消化によった。多数の制限部位配列の1つにおいてプ
ラスミドを切断するための部分消化は臭化エチジウムの
存在下で行った。リンカーはファルマシアから購入し
た。制限エンドヌクレアーゼ及び他のDNA変形酵素はニ
ユーイングランドバイオラブス又はBRLから得た。プラ
スミドpKANは、ポリリンカーに挾まれたAPT II遺伝子の
製造のために造成され、そしてポリリンカーに挾まれた
遺伝子をpBR322のEcoR I部位に挿入したものである。サ
ザン移行ハイブリダイゼーションはホルムアミドを使用
せずに68℃において行い、最後洗浄は0.1×SSC,0.1%SO
S中で68℃にて行った。 コロニーブロットサジオイム/アッセイ、放射免疫沈
澱、ポリサッカライドゲル電気泳動、及びウエスタン移
行分析は標準的技法を用いて行った。放射免疫沈澱にお
いてはファルマシアのイムノビーズを用いた。35S−メ
チオニンはアメルシャムから購入した。ポリアクリルア
ミドゲルは15%であった。ウエスタンプローブ緩衝液は
BLOTTOであった。Bordet Gengou寒天上に増殖したB.ペ
ルツシス株は、水に懸濁し、次に可溶化緩衝液中で100
℃に加熱することにより準備した。百日咳毒素に対する
ラビット抗血清、及び百日咳毒素サブユニットに対して
特異的なモノクローナル抗体は確立された技法により得
た。抗血清によりプローブされる移行はアメルシャムの
125IプロテインAによりラベルされた。モノクローナル
抗体によりプローブされる移行はアメルシャムの放射性
ヨード化されたヤギ抗−マウスIgを用いてラベルされ
た。E.コリHB101からのインビトロ転写−翻訳試薬を用
いた。 遺伝学的手法 B.ペルツシスへのプラスミドの接合によ
る移動は次の様にして行った。18時間E.コリプレート培
養物及び60時間B.ペルツシスプレート培養物を、10.0mM
MgCl2を含有するBordet Gengou寒天プレート上に一緒
に塗りつけた。プレートを37℃にて3.5時間軽く栓をし
たジャー中にインキュベートし、次に選択培地上に再度
塗り付けた。E.コリに対する逆選択のためには、典型的
にリファンピシンを使用した。pRTP1を使用してマーク
されていない変異を導入するための二段階対立遺伝子交
換法は例2に記載する。 百日咳毒素活性についてCHO細胞クランプ(clumpin
g)アッセイを用いた。 結果 E.コリ中でのPtxの発現 プラスミドpTOX1を、pRI133の
Pvu III部位へのp11.11のランダム形成断片のクローニ
ングから回収した。これにより、強力なハイブリドtac
プロモーターに3′に隣接してB.ペルツシスDNAが置か
れた。pTOX1を有するE.コリHB101株及びSE5000株はコロ
ニー・ブロット・ラジオイム/アンセイによりPtx抗血
清を結合したが、pRI133を有する前記の株は結合しなか
った。さらに具体的には、pTOX1がPtxサブユニットS4コ
ードすることが放射免疫沈澱により示された。プラスミ
ドをインビトロ転写−翻訳反射にかけてその生成物を35
S−メチオニンによりラベルし、そして次にPtxサブユニ
ットS4に対して特異的なモノクローナル抗体により沈澱
せしめた。ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、pT
OX1によりコードされているラベルされ沈澱した物質がS
4の見かけ分子量をもって泳動することが示された。 pTOX1中にクローン化された染色体領域の制限地図の
作成により、これがすでに報告されているptx::Tn5挿入
を含有することが示された(第1図)。さらに、この地
図は他の研究グループにより報告されたものを含む(従
来技術の項を参照のこと)。 ptx変異の造成 変異の造成、及びそれに続くB.ペルツ
シスへの導入のために使用されるシャトルベクターを第
2図に示す。B.ペルツシス染色体にマークされたptx
異を導入するためにプラスミドpTOX9を造成した。この
ものはp11.11からの2個の隣接する制限断片を含有して
おり、ptx領域のすべて、並びにpHC79からのCol E I or
iV及びbla遺伝子を有する。P不和合性グループ移行開
始点rlxを、B.ペルツシスDNAとベクターDNAとの連結部
に存在するBgl II部位に、pEYDG1からの0.7 kb BamH I
断片として導入した。この挿入によりこのBgl II部位が
破壊され、pTOX9中の1個のこの部位のみが残った。pTO
X13を用いてマークされていない変異をB.ペルツシスに
導入した。このプラスミドは、ベクターpRTP1にクロー
ン化された、ptxを含む4.7EcoR I制限断片を含有してい
た。 各変異について、変異それ自体、変異を有するプラス
ミド、及び得られるB.ペルツシス変異株に同一のptx、p
TOX、又はTOX番号を与えた。ptx3300シリーズの漸増欠
失がpTOX9中で形成され、そして単一Bgl II部位に集中
した。すべての欠失は、欠失部位へのpKAN由来の1.5kb
APT II遺伝子の連結挿入によりマークされた。ptx5301
の欠失もまたpTOX9中で形成され、これは1.9 kb Sal I
断片の単純な除去及びこれに続くAPT II遺伝子による置
換である。ptx5100シリーズの挿入変異はpTOX9に散在す
る種々のSau3A部位へのAPT II遺伝子の挿入によって形
成された。第1図は、配列決定によりあらかじめ描写さ
れたPtxサブユニットコード領域に関する挿入及び欠失
の地図位置及び範囲を示す。 マークされない変異がS1オープンリーディングフレー
ム中に形成された。S1リーディングフレーム内のSal I
部位においてpTOX13を開くための制限されたSal I消
化、並びにこれに続く末端補完及び裂け目への8塩基対
リンカーCGGATCCGの平滑末端連続により、変異ptx3201
が形成された。この操作により、リーディングフレーム
の一体性を維持しながら、且つ造成をモニターするため
Bam H I部位を導入しながら合計12塩基対が導入され
た。なお、この造成によりSal I部位が倍加し、そして
2個以上のリンカーの導入により新たなSst II部位が導
入されるであろう。TOΧ3201の造成において1個のみの
リンカーが付加されたことを確認するためにこの後者の
性質は有用であった。12個の塩基対の付加が翻訳され、
S1配列中へ4個のアミノ酸val−asp−gly−serが挿入さ
れた。 第1図に示すPtxクローン及び遺伝子造成の詳細な記
載: BP370染色体はptx領域の染色体制限地図を示す。
制限部位は、CがCla I、EがEcoR I、SがSal I、Χが
Xba I、BgがBgl II、BがBamH Iをそれぞれ表わす。プ
ラスミドpTOX1、pTOX13、pTOX9、及びp11.11はこの明細
書に記載されており、クローン化されたptxDNAを含有す
る。B.ペルツシス由来はDNAは細線で示されており、ベ
クターDNAは太線で示されている。pTOX13及びp11.11の
ベクター配列は、図面に含めるために端が切られてい
る。pTOX1中のtacプロモーター(tacP)の位置及び方
向が示されている。ptx5100シリーズの挿入変異及びBP3
57のptx::Tn5挿入部の位置が示されている。ptx5100シ
リーズの挿入部の下の矢印は挿入されたAPT II遺伝子の
転写の方向を示す。ptx3300シリーズの欠失及び欠失ptx
5301の中空長方形は欠失の範囲を示す。 S1オープンリーディングフレーム(ORF)の5′に一番
近いEcoR I部位からの挿入部の位置 ptx5167 0.19 kb ptx5171 0.55 kb ptx5185 1.4 kb ptx5119 2.4 kb ptx5148 2.9 kb ptx5105 4.5 kb S1オープンリーディングフレーム(ORF)の5′に一番
近いEcoR I部位から測定した欠失の範囲 左端 右端 ptx 3305 2.8 kb 2.8 kbptx 3302 2.2 kb 3.3 kbptx 3317 2.1 kb 3.5 kbptx 3307 2.0 kb 3.8 kbptx 3309 1.5 kb 4.1 kbptx 3311 0.7 kb 4.4 kbptx 5301 −1.0 kb 0.93 kb B.ペルツシスptx変異の形成 接合移動(conjugative mobilization)及び対立遺伝
子交換により変異をB.ペルツシスに導入した。接合移動
はHP101(pRK2013)、HB101(pTOXプラスミド)、及びB
P370の間の三親(triparetntal)交配(mating)により
達成した。ColE1複製開始点を有するpTOXプラスミド
は、B.ペルツシスに導入された場合複製することができ
ず、そして選択マーカーは染色体へのプラスミドの組み
込みを介してのみ維持される。試験されたすべての組み
込み体は、クローン化されたptx座と染色体ptx座との間
の相同性組換を介して形成された。プラスミドpTOΧ530
1、及びpTOX3300、並びにpTOX5100シリーズを用いる接
合において、カナマイシン耐性マーカーについて選択及
びこれに続くアンピシリン感受性についての評価によ
り、二重クロスオーバーを受けたB.ペルツシスのエクス
コンジュガント(exconjugant)が得られた。これらの
変異体は野性型ptx座を失いそして変異した対応物を獲
得していた。 B.ペルツシスTOX5171株へのpTOX3201の接合移動によ
り、変異ptx3201がptx座に導入された。カナマイシン及
びアンピシリン耐性についての最初の選択が、プラスミ
ドと染色体ptx座との間の相同性組換を介して形成され
たTOX5171染色体へのpTOX3201の組み込みを伴うエクス
コンジュガントをもたらした。これに続くストレプトマ
イシン耐性についての選択及びそれに続くカナマイシン
及びアンピシリン感受性についてのスコアーにより、プ
ラスミド配列及びptx5171変異を失っており、そしてptx
3201変異を獲得している変異株が得られた。この変異株
をTOΧ3201と命名した。 サザン移行を用いて、エクスコンジュガントの染色体
への変異の導入を確認した。APT II遺伝子マーカーはそ
れを1.0kb断片と0.5kb断片とに分ける単一のCla I部位
を含有する。ptx座は10.0kb染色体Cla I断片上に位置す
る。B.ペルツシスptx変異株からの染色体DNAをCla Iで
消化し、そしてptx領域からの10.0kbCla I断片により、
又は1.5kb APT II遺伝子によりプローブした。TOX3300
変異株中のハイブリダイズするバンドのサイズの組み合
わせにより、漸増的(incremental)染色体欠失及び1.5
kb APT II遺伝子の挿入を示した。TOX5301からのハイブ
リダイズするバンドのサイズの組合せにより同様に欠失
及びAPT II遺伝子の挿入が示された。TOX5100系変異株
のハイブリダイズする複数のバンドの個々のサイズは異
るが合計サイズが一定であることにより、多様な染色体
挿入が示された。BamH Iにより染色体DNAを消化しそし
て4.6kbEcoR I/BamH I ptx含有断片によりプローブする
ことにより、APT IIマーカーを含有しないTOX3201を分
析した。野性型ptxは15.0kb BamH I断片上に存在する。
ptx3201 BamH Iリンカー変異の導入はこれを3.6kb断片
と10.4kb断片とに適切に分割した。 B.ペルツシスPtx変異株の表現型 個々の毒素サブユニットに対して特異的なモノクロー
ナル抗体を用いて、Ptxサブユニットの生産についてB.
ペルツシスptx変異株を評価した。変異株をウエスタン
移行により評価した。各ウエスタンは、Ptxホロ毒素に
よりプローブされる精製されたPtx及びモノクローナル
抗体(McAb)によりプローブされる精製されたPtxを含
有する対照レーンを包含した。B.ペルツシスptx株をそ
れらのS1サブユニット表現型に関して3つのクラスに分
けることができた。幾つかの株は本来のサイズ(約28,0
00キロダルトン)及び減少したサイズ(約20,000キロダ
ルトン)のS1−McAb−結合バンドの両者を示した。これ
らの株にはBP370、TOΧ5167、TOΧ5148、及びTOΧ5105
が包含された。幾つかの株は減少したサイズのS1 McAb
結合バンドのみを示した。これらの株にはTOX5119、TO
Χ3305、TOΧ3302、及びTOΧ3316が包含された。最後
に、2つの株TOΧ5171及びTOΧ3311はS1 McAb結合バン
ドを示さなかった。精製された毒素のレーンには減少し
たサイズのバンドが存在しなかったことに注目すること
が重要である。 B.ペルツシス株はまた、S2特異的モノクローナル抗体
及びS4特異的モノクローナル抗体を用いて評価された。
S2表現型及びS4表現型は相互に平行した。菌株BP370、T
OΧ5167、TOΧ5148、TOΧ5105、TOΧ3305、及びTOΧ331
6はすべて、適切な分子量のS2サブユニット及びS4サブ
ユニットの両方を表した。菌株TOΧ5171、TOΧ5119、TO
Χ3302、及びTOΧ3311はS2バンド又はS4バンドを示さな
かった。 B.ペルツシスptx変異株TOΧ3201もまたPtxサブユニッ
ト表現型について評価した。TOΧ3201はサブユニットS
1、S2、及びS3に対応する適切なサイズの抗源性物質を
生産した。TOΧ3201からのS1及び野性型株BP370からのS
1の電位泳動移動度の比較が特に強調された。S1アミノ
酸配列へのval−asp−gly−serのptx3201挿入は、S1サ
ブユニットに429ダルトンの分子量を加えるはずであ
る。ウエスタン分析は実際に、TOΧ3201からのS1の見か
け分子量がBP370からのS1のそれよりも約400ダルトン大
であることを示した。なお、約20,000キロダルトンの減
少したサイズのバンドがTOX3201において存在するが、
しかしやはりBP370における同様のバンドより約400ダル
トン大であった。 ptx変異株の表現型の記載の補充 これらの記載はB.ペルツシスptx変異株のコロニーブ
ロット及びウエスタン移行分析に由来する。 Ptxサブユニット生合成表現型は+又は−のいずれか
(例えばS1+又はS1-1)によって示すことができる。完
全な毒素を生産するか又は毒素を全く生産しない変異株
はそれぞれPtx+又はPtx-で示される。予想される表現型
をカッコ内に示す。表現がされていない場合は、特定の
サブユニット表現型が知られていない。 TOX5301/pTOX12の記載の補充 TOX5301/pTOX12は、百日咳毒素(Ptx)S1サブユニッ
トが発現されず、そしてBオリゴマーサブユニットがta
cプロモーターの制御のもとで発現されるように造成さ
れたボルデテラ・ペルツシスの株である。TOX5301/pTOX
12はすでに記載した2つの造成物B.ペルツシスTOX5301
株及びpTOX12に基く。 プラスミドpTOX12は、tacにより指令されるPtx遺伝子
をB.ペルツシスに移行させるためのベクターとして造成
された。pTOX12はpTOX1から次の様にして誘導された。
まずpTOX1からポリリンカーに挟まれたAPT II遺伝子1.5
kbをBamH I断片として切り出し、そしてその場合に、P
不和合性グループrlx座を含有するpEYDG1からの0.7kb B
amH Iが有断片を挿入した。こうして、ΧbaI 部位から
5′側約200bpの点においてPtxオペロンに融合したtac
プロモーターを有する、Col E Iori V、ampr及びrlxを
含有するプラスミドを得た。HB101(pRKT V5)を用いる
三親交配(triparental mating)において、前記プラス
ミドはHB101からTOΧ5301に移行した。ptx5301中にkamr
マーカーによりHB101に対する逆選択が行われた。ColEI
ori VはB.ペルツシス中で複製しないであろうから、p
TOX12のamprマーカーについての選択は、TOΧ5301染色
体へのpTOX12の同時組み込み体をもたらした。同時に組
み込み体の構造がサザン移行により確認された。 これらの変異株はまた、Ptxオペロン制御及び生合成
の幾つかの顕著な特徴を示す。第一のそして主要な特徴
はPtxオペロンのポリストロン性である。S1オープンリ
ーディングフレーム(ORF)の5′末端の近傍に存在す
ptx 5171変異はS1,S2,及びS4の生合成について対立的
(polar)である。オペロン配列についての両報告はS1
リーディングフレームの5′側の一次プロモーター様構
造を同定している。Keith及び共同研究者はさらにS4オ
ープンリーディングフレームに先行するプロモーターの
存在を仮定している。しかしながら、ptx 5171変異は、
S4及びS2がS1オープンリーディングフレームに先行する
唯一のプロモーターを使用することを示しているようで
ある。オペロンの3′端のシストロン性を示すものはな
にもない。変異ptx 5167及びptx 5105はサブユニットの
オープンリーディングフレームを含む領域の外側に存在
し、そしてそれ故にAPT II遺伝子の染色体挿入のための
対照として役立つ。 これらの変異により示される第二の顕著な特徴は毒素
サブユニットのリンクした生合成又は生物安定性に関す
る。幾つかのサブユニットは、他の3′サブユニットの
オープンリーディングフレーム中の変異の存在下で不完
全に合成されるか又は不安定なようである。変異ptx330
5及びptx3316 S1オープンリーディングフレーム3′に
都合よく存在するが、しかしこれらの変異を有する株は
端が短縮された形のサブユニットS1のみを野性型に比べ
て非常に低い濃度で発現した。さらに精密な試験により
ptx 3305及びptx 3316がS5リーディングフレーム中に存
在することが示される。これに対して、S5リーディング
フレームの3′近傍に存在する変異ptx 5148を有するB.
ペルツシスは野性型S1を生産する。すなわち、変異ptx
3305及びptx 3316により妨害されるS5配列又はサブユニ
ットのある観点はS1の生産又は安定性のために必須であ
る。 第二のこのような関連はS4及びS2についても見出され
る。変異ptx 5119及びptx3302はS2オープンリーディン
グフレームの3′側に存在するが、これらの変異を有す
る株は検出され得るS2を発現しない。変異ptx 5119及び
ptx 3302は実際にS4オープンリーディングフレーム(及
び3′)中に存在する。やはり、これに対して、S4オー
プンリーディングフレームの3′側(S5オープンリーデ
ィングフレーム中)に存在する変異ptx 3305を有するB.
ペルツシス株は野性S2を生産した。すなわち、変異ptx
5119及びptx 3302により妨害されるS4配列又はサブユニ
ットのある観点はS2の生産又は安定性のために必須であ
る。 例2. ペルツシスベクター 材料及び方法 a) 細菌株、プラスミド及び培地 上記の表に挙げた菌株及びプラスミドは、この明細書
に記載するようにして、あるいはManiatis等、Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor L
aboratory.コールドスプリングハーバー,NY(1982);We
iss及びFolkow,Infect.Immun.(1984)43:263−269;Yac
obson及びGuiney,J.Bocteriol.(1984)160:451−453;H
ohn及びCollins,Gene(1980)11:291−298;Dean,Gene
(1981)15:99−102;Ditta等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
(1980)77:7347−7351;Figurski及びHelinski,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA(1979)76:1648−1652;並びにweiss及
びFalkow,Infect.Immun.(1983)42:33−41に記載され
ているように調製される。 この研究において使用される細菌株及びプラスミドを
前記第2表に示す。E.コリの株は、L−寒天上に維持し
た(Miller,J.H.:Experimentsin Molecular Gentics,Co
ld Spring Harbor Laboratory,コールドスプリングハー
バー,NY,1972)。E.コリのための抗生物質濃度は、アン
ピシリンが100mg/、カナマイシンが40mg/、そして
テトラサイクリンが25mg/であった。B.ペルツシスの
株は、無菌のフィブリンを除去した羊血(Microbiologi
cal Media Concord,CA)15%を補充したBordet−Gengou
寒天(Difco)上で維持した。特にことわらない限り、
B.ペルツシスの株のために抗生物質濃度は、アンピシリ
ンが20mg/、カラマイシンが40mg/、リファピシンが
50mg/、テトラサイクリンが25mg/、及びストレプト
マイシンが300mg/であった。すべての抗生物質はSigm
aから購入した。 b) 酵素及びクローニング法 Bethesda Research Laboratories及びNew England Bi
olabsから購入した酵素を用いて標準的方法を適用し
た。BamリンカーはPharmecia Fine Chemicalsから購入
した。pTOX13−ptx 3021はpTOX 13から、臭化エチジウ
ム中でのSal Iによる部分消化、DNAポリメラーゼI Klen
ow断片による処理による平滑末端の形成、及びBamH Iリ
ンカー5′−CGGATCCG−3′との連結から造成された。 c) 細胞の接合 各様の新鮮なプレート培養の細胞約109〜1010を、抗
生物質を含有しないBordet−Gengou寒天プレート上に塗
布することにより二親交配又は三親交配を行った。ネジ
栓ジャー中での37℃にて3時間のインキュベーションの
後、細菌をエクスコンジュガントの選択のために適当な
抗生物質を含有するBordet−Gengou寒天上に塗り付け、
そして同様にインキュベートした。使用したB.ペルツシ
ス培養物は3日又は4日経過したものであり、E.コリ培
養物は一夜増殖物であった。B.ペルツシスの操作のため
にはダクロン綿棒のみを使用した。 d) サザンハイブリダイゼーション 染色体DNAはB.ペルツシス株から、J.Marmur,J.Mol.Bi
ol.(1961):208−216の方法により調製した。このDN
Aを制限酵素処理し、そして電気泳動にかけ、そしてE.S
outhern,J.Mol.Biol.(1975)98:503−517の方法により
ニトロセルロース膜に移した。Bethesda Research Labo
ratoriesからのニックトランスレーションキットを用い
て放射性ラベルされたDNAプローブを得た。 結果及び考察 a) B.ペルツシスにおけるStrs表現型の試験 陽性選択クローニングベクターpNO 1523はE.コリのリ
ボゾーム蛋白質S12の遺伝子を含有する。この遺伝子が
B.ペルツシス中で発現されること、及びB.ペルツシスの
ストレプトマイシン耐性誘導体にストレプトマイシン感
受性表現型を付与することを確認するために、唯一のBa
mH I部位において開裂されたpNO1523をBgl IIにおいて
開裂されたpRK290と連結することによりpNO1523とpRK29
0との間の融合形成した。形質転換のための受容株はLE3
92〔pRK2013〕であった。得られた融合プラスミドpSS61
7をB.ペルツシスBP369株及びBP370株(第2表)に移し
た。これらのB.ペルツシス株はリファンピシン耐性であ
り且つストレプトマイシン耐性であった。交配における
選択はpRK290のテトラサイクリン耐性の移行についてで
あり、そして逆選択はリファンピシン耐性によった。対
照としてpRK290もこれらの株と交配せしめた。テトラサ
イクリン及びリファンピシン耐性エクスコンジュガント
をすべての交配において得、そして他の抗生物質を含有
する培地での増殖について試験した。第3表に示すよう
に、pSS617を含有するエクスコンジュガントはアン−ピ
シリン耐性であり、且つテトラサイクリン耐性であり、
そしてテトラサイクリンとストレプトマイシンの両者を
含有する培地上に増殖しなかった。 表示された抗生物質を含有するBordet−Gengou寒天上
に菌株をストリークした。この実験における抗生物質濃
度はテトラサイクリン25mg/、アンピシリン50mg/、
及びストレペトマイシン50mg/であった。 pRK290を含有するエクスコンジュガントは、pNO1523
のβ−ラクタマーゼ遺伝子を含有しないため、アンピシ
リン感受性であったが、しかしストレプトマイシン耐性
であり、ストレプトマイシン耐性対立遺伝子座がBP369
及びBP370中で無傷であることが示された。従って、Str
s対立遺伝子を含有するpNO1523のS12遺伝子は発現され
ることができ、そしてストレプトマイシン耐性B.ペルツ
シス株にストレプトマイシン感受性表現型を付与するで
あろう。 b) pRTP1の造成及び物理的地図の作成 pRTP1の造成を第2図に示す。第一の段階において、B
amH Iで開裂されたpNO1523とpEYDG1の部分的BamH I消化
生成物との連結により、pNO1523と760bp BamH I断片上
ori Tを含有するpEYDG1との間で一体化物(cointegra
te)を造成する。第二の段階において、この融合プラス
ミドをBamH Iにより再び部分開裂せしめ、そしてpNO152
3+ori Tに相当する断片を精製する。この断片を、λの
cos部位を含有するpHC79からの精製されたBgl II断片に
連結する。所望の構造を有する組換体プラスミドを得、
その1つをpRTP1と命名した。pRTP1の制限地図をさらに
特徴付け、そして得られた地図を第3表に示す。EcoR
I、BamH I、Hind III、Sal I、及びBst E IIについてユ
ニーク部位が存在する。 c) マークされていないptx変異の返還のためのpRTP1
の使用 第4図に、百日咳毒素の構造遺伝子を含有する4.7kb
Eco R I断片がその中にクローン化されたpRTP1から成る
pTOX 13の地図を示す。この毒素のサブユニットS1,S2,S
3,S4及びS5をコードするオープンリーディングフレーム
の帰属はの領域のDNA分析に従い、そしてこの領域の変
異分析による。図中に変異ptx 3201の位置を示す。この
変異は、S1のオープンリーディングフレーム中のSal I
部位に、DNAポリメラーゼIにより平滑末端を形成した
後にDNAリンカー5′−CGGATCCG−3′を連結すること
により造成された。正味の効果は、第4図(左上)に示
すように、Val−Asp コドンの倍化を生じさせてそして
それらの間に百日咳毒素のS1サブユニットの一次配列中
Gly−Serのコドンを導入し、そしてオープンリーディン
グフレームを維持する12bpを導入することである。さら
に、この位置にBam H I部位が導入される。 この変異が導入された受容B.ペルツシス株をBP370 pt
x5171とした。この株は、第4図中に示される位置にカ
ナマイシン耐性モジュールの挿入を有する。このモジュ
ールはBamH I断片としてこの領域中のSau 3A部位に導入
された。この挿入部の一端にBamH I部位が再生されしか
し他端においては形成されない理由が図に示すようにし
て説明される。従って、このptx対立遺伝子と3210対立
遺伝子との置換をカナマイシン耐性の喪失によってスク
リーニングすることが可能である。これらの2つの対立
遺伝子の交換の段階を第5図に示す。pTOX13−ptx 3201
を用いてHB101(pRKTV5)及びBP370−ptx 5171と三親交
配せしめた。選択はカナマイシン及びアンピシリン耐性
について行った。この交配により生ずるエクスコンジュ
ガントを、アンピシリンを含有するBG寒天上に維持し
た。ストレプトマイシン含有BG上にストリークした場
合、ストレプトマイシン耐性コロニーが得られ、そして
カナマイシンに対する耐性について試験した。試験した
約200のコロニーの内、4個のカナマイシン耐性候補が
得られた。このかなり低い頻度はおそらく、対立遺伝子
の交換をもたらすためにクロスオーバーが生じなければ
ならない一方のフランキング相同性領域が他方に比べて
非常に少いためであろう(第4図)。すなわち、ほとん
どの場合、この段階で選択される両クロスオーバー事象
は変異体対立遺伝子の同じ側、で起こり又は交換が起こ
らないようにそれらの間で起こる。 ptx 3301の導入は前記4個の候補においてサザンハイ
ブリダイゼーションにより確認された。BamH I消化され
た染色体DNAをブロットし、そしてpTOX13のEcoR I断片
によりプローブした。親BP370において、毒素遺伝子は1
5kb BamH I断片上に見出される。ptx 5171の導入によ
り、この断片の一端から4.1kbのところにBamH I部位が
導入され、他方4個のカナマイシン感受性候補(レーン
c−r)においては、第4図に示すようにこの変異の位
置を保持しながら一端から3.5kbのところにBamH I部位
が導入された。この分析から、4個すべての候補はもと
の挿入変異が除去されており、そしてptx3201の導入に
ついて正しい位置にBamH I部位を得たことがわかる。 以上、この発明を詳細に記載したが、この発明の範囲
内において多くの変更を行うことができよう。
【図面の簡単な説明】 第1図は、ptx領域の染色体制限地図であり、そしてさ
らに欠失変異を示す。 第2図は、pRTP1の造成過程を示し、そして矢印は各段
階で関与する制限部位を示す。 第3図は、pRTP1の物理的地図であって、制限酵素開裂
部位の位置を示す。Jnxnで示す位置は、いずれの部位も
維持されないようにBamH I部位がBgl II部位に連結され
た位置を示す。 第4図は、pTOX13と、それとB.ペルツシス染色体との関
連を模式的に示す。pTOX13は上方に、そして染色体の対
応する領域の制限地図と共に示される。ptx 5171及びpt
x 3021対立遺伝子の導入の部位が示されている。w.t及
ptx 3021対立遺伝子に対応するDNA配列が左上に示さ
れている。 第5図は、BP370の染色体中のptx 5171とpTOX13−ptx 3
020上のptx 3021との置換の過程を示す模式図である。
異る段階における菌株の耐性表現型が右に示されてい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01) (72)発明者 スタンレー フォルコウ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94025,ポルトラ バレイ,ロングスパ ー 8 (56)参考文献 特開 昭61−5097(JP,A) Science,Vol.232,P. 1258−1264(1986) Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.83,P.4631− 4635(1986)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.野性型百日咳毒素の毒性を欠くが保護免疫原性を有
    し、そしてBサブユニット及び一次構造が変異したS1サ
    ブユニットを含んで成る百日咳毒素。 2.前記Bサブユニット及び変異したS1サブユニットが
    ホロ毒素を構成する請求項1に記載の毒素。 3.野性型百日咳毒素の毒性を欠くが保護免疫原性を有
    し、そしてBサブユニット及び一次構造が変異したS1サ
    ブユニットを含んで成る百日咳毒素の製造方法であっ
    て、前記の変異した百日咳毒素を生産することができる
    ボルデテラ・ペルッシス変異株を培養することを特徴と
    する方法。 4.前記ボルデテラ・ペルッシス変異株が、ボルデテラ
    ・ペルッシスの染色体中のS1サブユニット遺伝子を修飾
    して野性型S1サブユニット蛋白質が産生されないように
    し、そして前記ボルデテラ・ペルッシスの前記染色体中
    に前記変異したS1サブユニットをコードする変異したS1
    サブユニット遺伝子を導入することにより作出したもの
    であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。 5.前記ボルデテラ・ペルッシス変異株が、ボルデテラ
    ・ペルッシスの同種性S1サブユニット遺伝子を変異した
    S1サブユニットをコードする変異したS1サブユニット遺
    伝子と置換えることにより作出したものであることを特
    徴とする、請求項3に記載の方法。 6.前記変異したS1サブユニットとBサブユニットがホ
    ロ毒素を形成する、請求項3に記載の方法。 7.前記ボルデテラ・ペルッシス変異株から、前記百日
    咳毒素を単離することをさらに含んで成る請求項3〜6
    のいずれか1項に記載の方法。
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EP0275689A1 (en) 1988-07-27
GR3006444T3 (ja) 1993-06-21
JPS63240789A (ja) 1988-10-06
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