JP2863167B2 - ワックス組成物及び熱転写シート - Google Patents

ワックス組成物及び熱転写シート

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JP2863167B2 JP63053777A JP5377788A JP2863167B2 JP 2863167 B2 JP2863167 B2 JP 2863167B2 JP 63053777 A JP63053777 A JP 63053777A JP 5377788 A JP5377788 A JP 5377788A JP 2863167 B2 JP2863167 B2 JP 2863167B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱転写シートの改良に関し、更に詳しくは熱
溶融性インキ層による被転写紙の地汚れを防止し、更に
表面平滑度の低い被転写紙に対しても高品質の印字を与
えることのできる熱転写シート及び該熱転写シートの表
面層を形成するためのワックス組成物に関する。
(従来の技術) 従来、コンピューターやワードプロセッサーの出力プ
リントを熱転写方式によって印字する場合には、ベース
フイルムの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写
シートが使用されている。
この従来の熱転写シートは、ベースフイルムとして厚
さ10乃至20μmのコンデンサ紙やパラフィン紙のような
紙或いは厚さ3乃至20μmのポリエステルやセロファン
のようなプラスチックのフイルムを用い、ワックスに顔
料や染料等の着色剤を混合した熱溶融性インキ層をコー
ティングにより設けて製造したものである。
従来の熱転写シートを用いて被転写紙に出力プリント
すると、インキ層が被転写紙面に直接に接触し、両者の
摩擦によって非印字部に地汚れが発生することが多かっ
た。
又、熱転写方式は、普通紙に印字できるとはいうもの
の、あらゆる普通紙に鮮明な印字ができるわけではな
い。被転写紙の平滑性をベック平滑度で表わしたとき
に、100秒以上の値を示すカレンダー処理をした上質紙
やコート紙類であれば最高の印字ができ、50秒程度の上
質紙でも充分な印字品質が得られる。しかし50秒に達し
ない平滑度の低い被転写紙を用いると、印字の鮮明さが
落ちる。これは、表面の凹凸が激しい紙においては、サ
ーマルヘッドの押しつけ圧ではインキ層と紙とが完全に
接触することができず、接触しない部分は転写不良とな
るからである。
又、熱転写方式はインパクト方式に比べて印字速度が
遅いのが難点であり、改善が望まれている。印字の高速
化の為には、サーマルヘッドに与える熱エネルギーのレ
ベルを高くしなければならず、これは印字の滲みを招く
恐れがあり、上述の地汚れを更に酷くする。
上記の如き印字の際の地汚れ及び印字の滲みを無くす
る方法としては、熱溶融性インキ層の表面にワックスか
らなる無色の表面層を形成する方法が知られている。
このワックス層を形成する方法としては、ワックスの
有機溶剤溶液や水中の分散液を熱溶融性インキ層表面に
塗布及び乾燥する方法が行われている。
(発明が解決しようとしている問題点) 上記従来の方法によれば、被転写紙の地汚れ及び印字
の滲みはある程度解決されるものの、ワックス層の形成
にワックスの有機溶剤溶液を使用すると、下地のインキ
層の一部が溶解するため、インキ層の厚さの不均一化や
顔料の凝集が生じ、インキ層の品質が低下するという問
題が生じている。又、ワックスの水分散液を使用すると
上記問題は生じないが、ワックスの分散安全性が低いた
めに長期保存ができず、又、粒子の凝集が生じ、塗工む
らが生じて均一なワックス層が形成できないという問題
がある。又、このように形成されるワックス層は、被転
写紙が更に表面平滑性の低いものである場合には、表面
層の被転写紙に対する接着性が不足するために、サーマ
ルヘッドの圧力を小さくして高速印字を行うと十分に鮮
明な印字が得られないという問題がある。
本発明は上述の事情を背景にして為されたものであ
り、その目的は例え高速の熱転写をしても地汚れが発生
せず、しかも表面平滑度の低い被転写紙に対しても鮮明
な印字を与えることができる熱転写シート及び該熱転写
シートの表面層を形成するためのワックス組成物を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、疎水性ワックスと親水性ワック
スとが重量比で前者100:後者5乃至300の割合で、水と
水溶性有機溶剤とからなる水性媒体中に乳化分散されて
おり、上記水と水溶性有機溶剤の重量比が前者100重量
部当たり後者5乃至500重量部であることを特徴とする
熱転写シートの表面層形成用ワックス組成物、及び該組
成物を用いて形成した熱転写シートである。
(作用) 表面層の形成に際し、疎水性ワックスと親水性ワック
スとの混合物を含む水性分散体を使用することによっ
て、下地であるインキ層を損なうことなく、又、該分散
体の安定性が高いため、均一な表面層が形成できる。
又、表面層の乾燥をワックスの融点以下の温度で行う
ことにより、表面が微細凹凸形状を有する表面層が形成
され、印字時にはサーマルヘッドの圧力が少なくとも、
その圧力が凹凸形状の凸部に集中するため、表面層と被
転写紙との接着性が向上し、地汚れを生じることなく高
速印字が可能となる。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様により本発明に更に詳しく説明
する。
本発明の熱転写シートは、ベースフイルムの一方の表
面に熱溶融性インキ層を有し、更にその上に疎水性ワッ
クスと親水性ワックスとの混合物からなる表面層を形成
したものである。
本発明で用いられるベースフイルムとしては、従来の
熱転写シートに使用されていると同じベースフイルムが
そのまま用いることができるとともに、その他のものも
使用することができ、特に制限されない。
好ましいベースフイルムの具体例としては、例えば、
ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボ
ネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴ
ム、アイオノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、
パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これらを
複合したベースフイルムであってもよい。
このベースフイルムの厚さは、その強度及び熱伝導性
が適切になるように材料に応じて適宜変更することがで
きるが、その厚さは、好ましくは、例えば、2乃至25μ
mである。
本発明で用いられる熱溶融性インキは、着色剤とビヒ
クルとからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加え
たものでもよい。
この着色剤としては、有機又は無機の顔料若しくは染
料のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例
えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変
褪色しないものが好ましい。
又、非加熱時には無色であるが加熱時に発色するもの
や、被転写体に塗布されているものと接触することによ
り発色するような物質でもよい。シアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラックを形成する着色剤の外に、他の種々の
色の着色剤をも用いることができる。
ビヒクルとしては、ワックスを主成分とし、その他ワ
ックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロース及びゴムの誘
導体等との混合物が用いられる。
ワックスの代表例としては、マイクロクリスタリンワ
ックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等があ
る。更に、フィッシャートロプシュワックス、モンタン
ワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロ
ウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラタム、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、一部変性ワ
ックス、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、高級アルコールのエーテル、脂肪酸アミド等の誘導
体ワックスが用いられる。又、熱溶融性インキ層に良好
な熱伝導性及び溶融転写性を与えるために、熱伝導性物
質を熱溶融性インキに配合することができる。この物質
としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニ
ウム、銅、酸化スズ、二酸化モリブデン等がある。
ベースフイルム上へ直接若しくは間接的に熱溶融性イ
ンキ層を形成する方法としては、ホットメルトコートの
外、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビア
リバースコート、ロールコートその他多くの手段で上記
インキを塗布する方法等が挙げられる。形成されるイン
キ層の厚さは、必要な濃度と熱感度との調和がとれるよ
うに決定すべきであって、0.1乃至30μmの範囲、好ま
しくは1乃至20μmの範囲である。
本発明において上記インキ層上に形成する表面層は、
転写膜の一部をなし、被転写紙に接する側の表面を形成
して転写時に被転写紙の印字部を目止めし、又、地汚れ
防止をするとともにインキ層の被転写紙に対する接着性
を向上させる働きを有する。
表面層の形成に用いられるワックスは、前述の熱溶融
性インキ層で用いられるワックスと同様のものである
が、本発明においては、少なくとも2種、すなわち、疎
水性ワックスと親水性ワックスとの混合物を用いる。こ
れらの混合ワックスを用いて表面層を形成する方法は、
疎水性ワックスと親水性ワックスとを含む水性分散体を
使用する方法である。
すなわち、ワックスを水性媒体に分散するに際して
は、ワックスの大部分が高い疎水性を有するため、得ら
れる分散体の分散安定性が低く凝集等により粗大粒子や
ゲル化が生じ易く、そのため比較的多量の乳化剤を使用
する必要があり、その結果被膜形成後の乳化剤のブリー
ド、表面のブロッキング、粘着性等の種々の問題が発生
した。
本発明者の詳細な研究によれば、疎水性のワックスを
使用するに当り、この疎水性ワックスに親水性のワック
スを併用することにより、得られる水分散体の分散安定
性が著しく向上し、少量の有機溶剤の添加によっても、
粒子の凝集等が生じることなく、非常に均一膜厚の表面
層が形成され、且つ表面のブロキングや粘着性の問題も
発生しないことを知見した。
本発明において使用する疎水性のワックスとしては前
述のワックスから疎水性の高いものを選択して使用で
き、特にカルナバワックス1号、2号及び3号が好まし
く、特にその1号が最適である。
一方、親水性ワックスはグリコール酸、高級アルコー
ル、高級脂肪酸及びそれらの誘導体等親水性の基を有す
るものに加えて前述の疎水性ワックスを酸化したり、酸
や塩基で変性して親水性の基を導入したものであり、例
えば、酸化マイクロワックスが好ましく用いられる。
疎水性ワックスと親水性ワックス使用割合はその重量
比が100:5乃至300が好ましい範囲である。
上記混合物を含む水性媒体は水と水溶性有機溶剤、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ア
セトン、メチルエチルケトン、グリコール等との混合物
であり、このような水溶性有機溶剤を水100重量部当り
5乃至500重量部使用することにより、ワックス水分散
体の熱溶融性インキ層に対する濡れ性が向上する。
更に本発明のワックス組成物は、少量の乳化剤(界面
活性剤)、pH調節剤、レベリング剤等の公知の添加剤を
含有することができる。
上記ワックス組成物は市場から入手できる疎水性ワッ
クスの水分散体と、同じく市場から入手できる親水性ワ
ックスの水分散体を所望の割合で混合し、更に必要に応
じて添加剤を混合することによって得られ、又、疎水性
ワックス及び親水性ワックス及び他の添加剤を混合して
加熱溶融混合したものを水性媒体中に乳化するか、或い
は水性媒体中で加熱混合し、高速混合機等によって混合
攪拌しても得ることができる。得られるワックス組成物
の固形分は約10乃至50重量%程度であり、粘度は約2乃
至50cps(25℃)程度が一般的である。
本発明では更に上記ワックス組成物中に比較的低融点
の熱可塑性樹脂も混合することができ、形成される表面
層の被転写材に対する接着性を向上させることができ
る。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重
合体(EAA)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹
脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリ
ビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチル
セルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリ
イソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等
が用いられ、特に従来感熱接着剤として使用されている
比較低軟化点、例えば、100℃以下の軟化点を有するも
のが好ましい。
ワックスと熱可塑性樹脂との使用割合は、ワックス10
0に対して熱可塑性樹脂が5乃至300である重量比の範囲
が好ましい。
上記ワックス組成物から形成される表面層は、ワック
ス組成物を従来公知の塗工方法で塗工し、乾燥すること
によって形成されるが、乾燥温度をワックスの融点より
も低い温度で乾燥する。このようにワックスの融点より
も低い温度で乾燥すれば、分散体の粒子形状が残った微
細凹凸形状の表面を有する表面層が形成される。表面層
は高速タイプのプリンターのように印字エネルギーが低
くなる場合も感度不足とならないように、この層の厚さ
は本発明において、好ましくは0.1μm以上5μm未満
である。この厚さが0.1未満では、被転写紙とインキ層
とがこすれて地汚れを生じる恐れがある。
上記表面層には、適量の体質顔料を加えることが推奨
される。それにより、印字の滲みや尾引きが更に良好に
防止できるからである。
体質顔料の粒径は、あまり大きい粒子は不適当であ
る。体質顔料として適切なものは、シリカ、タルク、炭
酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、アルミナ、チタン
ホワイト、クレー、炭酸マグネシウム、カーボンブラッ
ク又は酸化スズ等の無機充填剤である。
体質顔料の配合量は、少量では効果が乏しく、他方、
多量では分散性を下げてインキの調製が困難になった
り、コーティングしたものがベースフイルムから脱落し
やすくなったりするので、0.1乃至60重量%の範囲で加
えるのがよい。
前記したように表面層は、必要により着色剤を加え、
又は加えずに構成する。着色剤を用いれば、熱溶融性イ
ンキ層の着色剤と重なって十分な濃度の記録を与える
し、無色のビヒクルだけとすれば、被転写紙と熱溶融性
インキ層とがこすれて地汚れを生じることが妨げる。
ベースフイルムに熱に弱い材料を用いる場合、サーマ
ルヘッドに接する側の表面に、サーマルヘッドのスティ
ッキングを防止する層を設けることが好ましい。スティ
ッキング防止層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑
剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。耐熱
性のある樹脂としては、ガラス転移点が60℃以上の合成
樹脂又はOH基又はCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミノ
基を2個以上有する化合物又はジイソシアネート若しく
はトリイソシアネートを加えて若干の架橋硬化を起こさ
せたものが好適である。熱離型剤又は滑剤は、ワックス
類や高級脂肪酸のアミド、エステル及び塩のような加熱
により溶融してその作用をするものと、フッ素樹脂や無
機物質の粉末のように固体のままで役立つものとがあ
る。
このようなスティッキング防止層を設けることによっ
て、熱に弱いプラスチックフイルムを基材とした熱転写
シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱印
字が可能であって、プラスチックフイルムの持つ切れに
くさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。
熱転写画像は一般に印字に光沢があり、美麗である反
面、文書が読みにくくなることもあるので、艶消し印字
が望ましいことがある。そのような場合は、例えば、出
願人の提案した(特願昭58−208306号)ように、ベース
フイルム上に無機顔料、例えば、シリカ、炭酸カルシウ
ム等を適宜の溶剤に分散させたものをコーティングイし
てマット層を設けた上に、熱溶融性インキ層をコーティ
ングして熱転写シートを構成するとよい。或いはベース
フイルム自体をマット加工して使用してもよい(やはり
出願人の提案にかかる特願昭58−208307号の技術)。
本発明をカラー印字用の熱転写シートに適用できるこ
とはいうまでもないから、多色の熱転写シートも又本発
明の範囲に含まれる。
(効果) 以上の如き本発明によれば、表面層の形成に際し、疎
水性ワックスと親水性ワックスとの混合物を含む水性分
散体を使用することによって、下地であるインキ層を損
なうことなく、又、該分散体の安定性が高いため、均一
な表面層が形成できる。
又、表面層の乾燥をワックスの融点以下の温度で行う
ことにより、表面が微細凹凸形状を有する表面層が形成
され、印字時にはサーマルヘッドの圧力が少なくとも、
その圧力が凹凸形状の凸部に集中するため、表面層と被
転写紙との接着性が向上し、地汚れを生じることなく高
速印字が可能となる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り
重量基準である。
実施例1 厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタレートのフイル
ムをベースフイルムとし、その一方の面に下記の組成の
熱溶融性インキ及びワックス組成物とを調製し、夫々付
記した手段により塗布及び乾燥して本発明の熱転写シー
トを得た。
熱溶融性インキ層 カーボンブラック(MA100、三菱化成製) 15部 エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVAフレックス310、三
井ポリケミカル製) 8部 パラフィンワックス(パラフィン150F、日本精蝋製) 50部 カルナバワックス 25部 アトライターを用いて、120℃で6時間混練したもの
を、インキ温度120℃のホットメルトロールコート法に
より3。5g/m2(乾燥状態)の割合で塗布及び乾燥し
た。
表面層 カルナバワックス1号のエマルジョン(固形分40%、水
性エマルジョン) 10 部 酸化マイクロワックスのエマルジョン(固形分40%、水
性エマルジョン) 10 部 アイオノマー樹脂(ケミパールS−100、三井石油化学
製、固形分27%、水性エマルジョン) 10 部 レベリング剤 0.6部 60%イソプロパノール水溶液 15 部 グラビアコート法により0.8g/m2(乾燥状態)の割合
で塗布し、60℃で乾燥し表面マット状の表面層を形成し
た。
インキ層と表面層との厚さが夫々3.5μmと0.8μmの
上記の熱転写シートを用い、被転写紙として平滑度の高
い上質紙から低い中質紙まで数種選んで、市販のサーマ
ルヘッドを使用して熱転写印字を行った。サーマルヘッ
ドのエネルギー0.7W/ドットで40字/秒の高速印字がす
べての被転写紙に対して地汚れのない高品質で実施でき
た。
実施例2 実施例1と同じベースフイルムを用い、下記の組成の
二つの層を形成して本発明の熱転写シートを得た。
熱溶融性インキ層 カーボンブラック(MA100、三菱化成製) 15部 エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVAフレックス310、三
井ポリケミカル製) 8部 パタフィンワックス(パラフィン150F、日本精蝋製) 50部 カルナバワックス 25部 アトライターを用いて、120℃で6時間混練したもの
を、インキ温度120℃のホットメルトロールコート法に
より3.5g/m2(乾燥状態)の割合で塗布及び乾燥した。
表面層 カルナバワックス1号 50部 酸化マイクロワックス 40部 EVA樹脂 10 部 を100℃で溶融混練し、これを50%イソプロパノール水
溶液200部中に乳化した。
グラビアコート法で0.5g/m2(乾燥状態)の割合で塗
布し、73℃で乾燥し表面平滑性の表面層とした。
インキ層と表面層との厚さが夫々3.5μmと0.5μmの
この熱転写シートも、実施例1と同様に良好な転写性能
を示した。
実施例3 厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを
ベースイフイルムとして用い、下記組成のイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック
(B)の各色の熱溶融性インキと表面層用インキでイン
キ層と表面層とを形成して本発明の熱転写シートを得
た。
熱溶融性インキ層 顔料(イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックの顔
料)、 4 部 エチレン/酢酸ビニル共重合体(スミテートKC−10、住
友化学工業製) 7.5部 酸化パラフィンエステル系複合化合物(アミドポリマー
T−820、電化ポリマー製) 12.5部 パラフィンワックス(パラフィンSP−0145、日本精蝋
製) 15 部 マイクロクリスタリンワックス(ハイミック2065、日本
精蝋製) 10 部 キシレン 46 部 上記4色のワックス組成物を用いてグラビア印刷法に
より、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの順に
面順次に印刷してインキ層を形成した。その時の塗工重
量は4g/m2(乾燥時)であった。
表面層 カルナバワックス2号のエマルジョン(固形分40%) 20部 酸化ポリエチレンワックスエマルジョン(固形分40%) 10部 エチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョン(固形分56
%) 10部 75%イソプロパノール水溶液 60部 上記ワックス組成物を用いてグラビア印刷法により、
先に印刷したイエロー、マゼンタ、シアン及びブラック
に塗り分けた熱溶融性インキ層の上に乾燥重量0.7g/m2
となる様に塗工して表面層を形成した。その時の乾燥条
件は65℃3秒であった。
以上の工程により作成した本発明の熱転写シートを使
用してカラーサーマルプリンターで印字を行ったとこ
ろ、紙とフイルムがこすられて生じる地汚れが全くなか
った。又、紙げベック平滑度20秒のものであったが、印
字が鮮明にできた。又、熱溶融性樹脂であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体が含まれている為、被転写紙である
紙への接着性がよく、一層、印字効果が向上した。又、
カラー重ね印字であるので最初に印字したイエロー層の
上へのマゼンタ層の転移が、熱可塑性樹脂を入れないも
のに比べて向上した。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性ワックスと親水性ワックスとが重量
    比で前者100:後者5乃至300の割合で、水と水溶性有機
    溶剤とからなる水性媒体中に乳化分散されており、上記
    水と水溶性有機溶剤の重量比が前者100重量部当たり後
    者5乃至500重量部であることを特徴とする熱転写シー
    トの表面層形成用ワックス組成物。
  2. 【請求項2】疎水性ワックスがカルナバワックスであ
    り、親水性ワックスが酸化マイクロワックスである請求
    項1に記載の熱転写シートの表面層形成用ワックス組成
    物。
  3. 【請求項3】ベースフイルムの一方の面に、熱溶融性イ
    ンキ層と表面層との2層からなる転写膜が形成された熱
    転写シートであって、前記表面層が、熱溶融性インキ層
    表面に請求項1又は2に記載のワックス組成物を塗布
    し、ワックス粒子の融点よりも低い温度で乾燥して、ワ
    ックスの粒子形状が残った微細凹凸形状の表面を有する
    状態で形成されていることを特徴とする熱転写シート。
  4. 【請求項4】表面層を形成する疎水性ワックスがカルナ
    バワックスであり、親水性ワックスが酸化マイクロワッ
    クスである請求項3に記載の熱転写シート。
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