JP2862292B2 - 化粧材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

化粧材の製造方法及び製造装置

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弘 松原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグラビア印刷におけるワイピング化粧材の製
造の改良に関するものである。
さらに詳しくは、凹凸を有する化粧シートの凹部に着
色インクを充填する構成に特徴を有する化粧材の製造方
法、及び製造装置に関するものである。
〔従来の技術〕
凹凸模様を有する化粧シートの凹部に着色インクを充
填するワイピング化粧法又はその製造装置は従来知られ
ている。
それらの公知技術を説明すると。
1)凹部を有する化粧シートの表面にロールコート又は
ナイフコートにより着色インクをコートした後、ドクタ
ーブレード等で過剰のインクをかき取ると同時に、凹部
にインクを充填する技術が知られている。この技術の基
本的な態様は第1図に示されている。ドクターブレード
による過剰インクのかき取り工程を有する他の態様は第
2図にその例が示されている。また、 2)絵柄層を有するポリ塩化ビニル樹脂製のダブリング
シートを用い、凸部にインクを付着させたエンボス版に
よって、バレープリント法に従って、エンボス模様の凹
部を該シート表面に設けると同時に、形成した凹部にイ
ンク層を設けることが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記の公知技術は次のような欠点を有
していた。
すなわち1)の例にあっては、ドクターブレード等に
より過剰のインクをかき取ると同時に凹部にインクを充
填するワイピング工程の高速化が非常に困難であった。
したがって効率的生産が達成されていなかった。
また、2)の例にあってはバレープリント法である為
凸部の高さが均一であり型押し後の凹部の深さが均一と
なり、深さの変化による模様又は色あいの変化は表現で
きなかった。
したがって、本発明の第1の目的は、効率的な生産が
可能な化粧材の製造方法、及び製造装置を提供すること
にある。
さらに本発明の第2の目的は、模様、及び色あいの変
化に富む化粧材の製造方法、及び製造装置を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の事情に鑑み検討の結果得られたもので
ある。
すなわち本発明は、通常のグラビア印刷機の圧胴部分
にドクターナイフを設置し、シート上に着肉した着色イ
ンクのかき取り及び凹部への充填を行なうワイピング工
程を発明の概要とするものである。
さらに詳細に説明すると本発明は次の構成よりなる。
1.巻取紙グラビア印刷方法における印刷方法が、版胴
(1)により表面に凹凸を有する化粧シート(4)の凹
凸表面に着色インク(5)を着肉する工程、該版胴
(1)に相対する圧胴(2)の排紙側に凹凸を有する化
粧シートを介して圧胴(2)と対向する位置に位置した
ドクターブレード(3)によって、化粧シート(4)の
凹凸表面に着肉した過剰のインク(6)を除去し、同時
に該表面の凹部に着色インクを充填する工程よりなるこ
とを特徴とする化粧材の製造方法。
2.絵柄印刷工程及びトップコート印刷工程を有する化粧
材の製造方法。
3.巻取紙グラビア印刷方法が、版胴(1)により表面に
凹凸を有する化粧シート(4)の凹凸表面に着色インク
(5)を着肉する工程、該版胴に相対する圧胴(2)の
排紙側にワイピング専用ローラー(22)、及び該ローラ
ーと前記化粧シートを介して対向する位置に設置された
ドクターブレード(3)によって化粧シートの凹凸表面
に着肉した過剰のインクを除去し、同時に該表面の凹部
に着色インクを充填する工程からなることを特徴とする
化粧材の製造方法。
4.上記着色インク充填工程に連続する絵柄印刷工程及び
トップコート印刷工程を有する化粧材の製造方法。
5.巻取紙グラビア印刷機の印刷装置が、表面に凹凸を有
する化粧シート(4)の凹凸表面に着色インク(5)を
着肉する版胴(1)、該版胴(1)に相対する圧胴
(2)、該圧胴(2)の排紙側に凹凸を有する化粧シー
トを介して圧胴(2)と対向する位置に設置したドクタ
ーブレード(3)からなり、該ドクターブレード(3)
は化粧シート(4)の凹凸表面に着肉した過剰のインク
(6)を除去し同時に該表面の凹部に着色インクを充填
することを特徴とする巻取紙グラビア印刷機よりなる化
粧材の製造装置。
6.絵柄印刷装置及びトップコート印刷装置を有する上記
巻取紙グラビア印刷機よりなる化粧材の製造装置。
7.巻取紙グラビア印刷機の印刷装置が、表面に凹凸を有
する化粧シート(4)の凹凸表面に着色インク(5)を
着肉する版胴(1)、該版胴に相対する圧胴(2)、該
圧胴の排紙側にワイピング専用ローラー(22)、該ロー
ラーと化粧シートを介して対向する位置に設置したドク
ターブレード(3)からなり、該ドクターブレードは化
粧シートの凹凸表面に着肉した過剰のインクを除去し同
時に該表面の凹部に着色インクを充填することを特徴と
する化粧材の製造装置。
8.上記印刷装置に連続する絵柄印刷装置及びトップコー
ト印刷装置を有する化粧材の製造装置。
第3図には本発明の一例が示されている。回転可能に
設置された版胴(1)及び圧胴(2)は予めエンボス加
工された化粧シート(4)を介して接している。版胴
(1)は下部のインクパンに収容された着色インク
(5)を該シート(4)のエンボス表面に着肉する。圧
胴(2)の排紙側にはドクターブレード(3)が設置さ
れており、該ブレード(3)は該シート(4)を介して
圧胴(2)に接している。すなわち該ブレード(3)
は、該シート(4)のエンボス表面に接しており、該エ
ンボス表面に着肉した過剰のインク(6)を除去すると
同時に該エンボス表面の凹部に着色インクを充填する作
用を有している。
版胴(1)及び圧胴(2)とは少なくとも一方が電動
機等で駆動され回転する。
本発明の化粧材の製造においては、エンボス加工工程
とワイピング工程とが分離されていることからエンボス
加工工程は所望のごとく設計可能であり凹部の深さに種
々の変化をもたせることができる。
また、上記印刷工程を複数ユニット連結し、あるいは
他の印刷工程と結合することによって種々の模様等が形
成された化粧材を連続して効率良く製造することができ
る。
他の印刷工程と結合した一例を第4図によって説明す
る。
絵柄巻軸(9)から供給された絵紙は、表面に印刷層
を設ける印刷工程(11)、エンボスロールにより凹凸模
様を形成するエンボス工程(12)、第3図により説明し
たワイピング工程(13)、及びトップコートを設けるト
ップコート形成工程(14)を順次経て排紙巻時(10)に
巻き取られる、 ここで印刷工程(11)、エンボス工程(12)及びトッ
プコート形成工程(14)はそれぞれ公知の技術が適用で
きる。
次に、第5図により本発明の他の方法、及び装置につ
いて説明する。
回転可能に設置された版胴(1)、及び圧胴(2)は
予めエンボス加工された化粧シート(4)を介して接し
ている。ここで圧胴(2)にバックアップローラー(2
1)が接していてもよい。版胴(1)は着色インク
(5)を該シート(4)の表面に着肉する。圧胴(2)
の排紙側にはワイピング専用ローラー(22)が設置さ
れ、該ローラ(22)とシート(4)を介して対向する位
置にドクターブレード(3)が設置される。該ドクター
ブレード(3)は、該シート(4)を介してワイピング
専用ローラー(22)と接する。そして、該ドクターブレ
ード(3)は該シート(4)に着肉した過剰のインク
(6)を除去すると同時にエンボス表面の凹部に着色イ
ンクを充填する。
上記発明においてもエンボス加工とワイピングとは、
その工程が分離されており、エンボス加工を種々所望の
形状に調節することが前記発明と同様に可能である。
また、上記発明においても、上記印刷工程を複数ユニ
ット連結し、あるいは他の従来知られた印刷工程ユニッ
トと連続することにより種々の模様、及び色あい等が精
密かつ鮮明に形成された化粧材を連続して効率よく製造
することができる。
さらに上記発明は第4図に示される印刷工程(11)、
エンボス工程(12)、及びトップコート形成工程(14)
等と組合せ、化粧材の連続かつ一貫製造を可能にする。
従来は、印刷工程たとえば印刷工程(11)、トップコ
ート形成工程(14)は、印刷速度が比較的高速であるに
もかかわらずワイピング工程の処理速度が比較的低速度
であったため、印刷工程とワイピング工程とを連続して
インラインで設けることはできなかった。
すなわち公知のワイピング工程の処理速度は25〜30m/
分に対し、通常の印刷機による印刷工程の印刷速度は60
〜100m/分であるので両者はマッチせず、従来はオフラ
インにより製造せざるをえなかった。本発明により改良
されたワイピング工程は通常の印刷機による印刷工程の
処理速度に十分適合し得るだけの印刷速度を有している
ため、インラインによる印刷工程とワイピング工程との
結合を可能にし、化粧材の製造能力を向上させることが
できる。
本発明で使用されるグラビア印刷機は公知の巻取紙グ
ラビア印刷機を用いることができる。ドクターブレード
も通常のものが使用可能であるが、刃厚0.2〜0.3mm、あ
て金からの刃先長3〜10mm程度のものが好ましい。
本発明に使用されるワイピング専用ローラーとは、該
ローラーをドクターブレードとにより化粧シートの凹凸
面に着肉された着色インクの過剰分を上記ドクターブレ
ードによりかき落とし、凹部にのみインクを充填するた
めのものである。該ローラーは化粧シートの走行方向へ
駆動又は非駆動にて回転する。使用される材質は、公知
のシリコンゴム等が望ましいが、他に、天然ゴム、ネオ
プレンゴム等の合成ゴム等が使用でき、金属ロールを芯
として此の表面に前記各種ゴム材を被覆する。ゴム硬化
は50〜90℃程度が望ましい。該ローラーの径は通常50〜
200mmφ程度で、化粧シートの硬度、厚み、凹凸形状、
ドクターブレード等に応じ、適当なインキのかき取り適
性を持つ物を選する。
着色インクについても公知のグラビア用インクを用い
ることができるが、一般的には、硝化綿、酢酸セルロー
ス、ポリ塩化ビニル、ポリビニルプチラール、ポリウレ
タン、アクリル樹脂、ポリエステルなどの樹脂(これら
の場合によっては共重合体であってもよい)をビヒクル
とし、染料、顔料で着色したものが使用される。
トップコートに用いる塗料の樹脂系としては、ポリウ
レタン、アクリル、ニトロセルロース、アルキッド、ポ
リエステル、ポリビニルブチラール、メラミン、酢酸セ
ルロース、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニル
アルコールなどが挙げられ、これらのうち、一種もしく
は二種以上が用いられる。また、艶消剤として、マイ
カ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、
ケイ砂、シラスバルーンなどが使用できる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 印刷工程ユニットとして第1ユニット及び第2ユニッ
トを有する通常のクラビア印刷機において、第1ユニッ
トの直径300mm、硬度65゜のシリコンゴム製の圧胴の排
紙部側にエベレ型ドクターブレードを刃が圧胴に接する
様に設置した。該ユニットにおいては、版胴は均一な塗
膜を形成するようベタ版(ヘリオ40L40)とした。
第2ユニットはトップコートを形成させた。
着色インク、トップコート用塗料としては次の組成を
有する塩ビ系のものを使用した。
上記印刷機によって、印刷を施した塩化ビニル樹脂着
色シートに、別の物性の高い透明塩化ビニル樹脂シート
を貼り合せたダブリングシートをあらかじめエンボス加
工したシートを印刷処理した。第1ユニットにおいて
は、版胴によりシートのエンボス面に着肉されたインク
圧胴部のドクターブレードによりシートの凹部に充填
し、第2ユニットにおいてはトップコートを通常の印刷
法で塗装した。第1ユニットのワイピング工程と第2ユ
ニットのトップコート形成工程とはインラインで形成し
た。この印刷機の印刷スピードは50m/分であり非常に能
率の良いものであった。
実施例2 通常のグラビア印刷機において印刷工程第1ユニット
の排紙部側に直径150mm硬度70゜のシリコンゴムを表面
材とするワイピング専用ローラーを配設し、該ローラー
の排紙側にドクターブレードを刃が該ローラーに化粧シ
ートを介して接するように設けた。上記ユニットでは版
胴をベタ版(ヘリオクリッショグラフ(ヘル(株)製)
電子彫刻版54L/cm、角度設定0)とし、実施例1と同一
の着色インクを用いた。
印刷工程第2ユニットではトップコートを塗設した。
トップコート用塗料としては実施例1と同一のものを使
用した。
上記印刷機に、塩化ビニルのダブリングエンボスシー
トを通し、第1ユニットにおいて版胴によりシート表面
に着肉されたインクをワイピング専用ローラーに接する
ドクターブレードにより該シートの凹部に充填し、次い
で第2ユニットにおいてトップコートを施した。ワイピ
ング工程及びトップコート形成工程がインラインで可能
であり、しかも50m/分のスピードでの作業が可能であっ
た。
〔発明の効果〕
ワイピング工程の高速化が可能となり、それに伴って
インラインでのトップコート形成工程との結合が可能と
なった。更に絵柄印刷工程をインラインでワイピング工
程及びトップコート形成工程と結合することが可能とな
り化粧材の製造上の効率が向上した。
さらに、エンボス工程と印刷工程以下の工程が分離さ
れ、種々の形状深さを有する多様な絵柄を印刷すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
第1,2図は従来の化粧材の製造工程を説明する概略図で
ある。第3図は本発明のワイピング工程を説明する概略
図である。第4図は、印刷工程、エンボス工程、ワイピ
ング工程、トップコート形成工程の各工程を有する本発
明の印刷装置を説明する概略図である。 第5図は本発明の他の製造方法、及び装置の概略を示す
図である。 1……版胴 2……圧胴 3……ドクターブレード 4……化粧シート 5,6……着色インク 7……セキ 8……乾燥ゾーン 9……絵紙巻軸 10……排紙巻軸 11……印刷工程 12……エンボス工程 13……ワイピング工程 14……トップコート形成工程 21……バックアップローラー 22……ワイピング専用ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41F 19/02 B41F 17/10 B32B 1/00 - 35/00 B05C 1/00 - 21/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取紙グラビア印刷方法における印刷方法
    が、版胴(1)により表面に凹凸を有する化粧シート
    (4)の凹凸表面に着色インク(5)を着肉する工程、
    該版胴(1)に相対する圧胴(2)の排紙側に凹凸を有
    する化粧シートを介して圧胴(2)と対向する位置に設
    置したドクターブレード(3)によって、化粧シート
    (4)の凹凸表面に着肉した過剰のインク(6)を除去
    し、同時に該表面の凹部に着色インクを充填する工程よ
    りなることを特徴とする化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】絵柄印刷工程及びトップコート印刷工程を
    有する請求項1記載の化粧材の製造方法。
  3. 【請求項3】巻取紙グラビア印刷方法において該印刷方
    法が、版胴(1)により表面に凹凸を有する化粧シート
    (4)の凹凸表面に着色インク(5)を着肉する工程、
    該版胴に相対する圧胴(2)の排紙側にワイピング専用
    ローラー(22)、及び該ローラーと前記化粧シートを介
    して対向する位置に設置されたドクターブレード(3)
    によって化粧シートの凹凸表面に着肉した過剰のインク
    を除去し、同時に該表面の凹部に着色インクを充填する
    工程からなることを特徴とする化粧材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記着色インク充填工程に連続する絵柄印
    刷工程及びトップコート印刷工程を有する請求項3記載
    の化粧材の製造方法。
  5. 【請求項5】巻取紙グラビア印刷機の印刷装置が、表面
    に凹凸を有する化粧シート(4)の凹凸表面に着色イン
    ク(5)を着肉する版胴(1)、該版胴(1)に相対す
    る圧胴(2)、該圧胴(2)の排紙側に凹凸を有する化
    粧シートを介して圧胴(2)と対向する位置に設置した
    ドクターブレード(3)からなり、該ドクターブレード
    (3)は化粧シート(4)の凹凸表面に着肉した過剰の
    インク(6)を除去し同時に該表面の凹部に着色インク
    を充填することを特徴とする巻取紙グラビア印刷機より
    なる化粧材の製造装置。
  6. 【請求項6】絵柄印刷装置及びトップコート印刷装置を
    有する請求項5記載の巻取紙グラビア印刷機よりなる化
    粧材の製造装置。
  7. 【請求項7】巻取紙グラビア印刷機の印刷装置が、表面
    に凹凸を有する化粧シート(4)の凹凸表面に着色イン
    ク(5)を着肉する版胴(1)、該版胴に相対する圧胴
    (2)、該圧胴の排紙側にワイピング専用ローラー(2
    2)、該ローラーと化粧シートを介して対向する位置に
    設置したドクターブレード(3)からなり、該ドクター
    ブレードは化粧シートの凹凸表面に着肉した過剰のイン
    クを除去し同時に該表面の凹部に着色インクを充填する
    ことを特徴とする巻取紙グラビア印刷機よりなる化粧材
    の製造装置。
  8. 【請求項8】前記印刷装置に連続する絵柄印刷装置及び
    トップコート印刷装置を有する請求項7記載の化粧材の
    製造装置。
JP29981589A 1989-06-27 1989-11-20 化粧材の製造方法及び製造装置 Expired - Lifetime JP2862292B2 (ja)

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