JP2861388B2 - 徐放性錠剤 - Google Patents

徐放性錠剤

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JP2861388B2
JP2861388B2 JP50678993A JP50678993A JP2861388B2 JP 2861388 B2 JP2861388 B2 JP 2861388B2 JP 50678993 A JP50678993 A JP 50678993A JP 50678993 A JP50678993 A JP 50678993A JP 2861388 B2 JP2861388 B2 JP 2861388B2
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【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕 本発明は0次型の溶出特性を有し、そのために医薬の
血中濃度が長時間一定に保たれるような経口投与用の徐
放性錠剤に関する。 〔背景技術〕 現在、有用とされている医薬活性成分の中には、生物
学的半減期が短く、1日に数回服用しなければならない
ものが多い。このような薬剤については、服用回数を減
らすことができれば、患者の負担を軽くすることができ
るばかりでなく、患者のコンプライアンスを向上させ、
治療効果を高めることができる。したがって、医薬活性
成分を徐放化し、有効な血中濃度を長時間維持させるこ
とが必要となる。 そのためには図1のaに示したような投薬形状中の薬
物濃度に無関係に均一な速度で薬物を放出させる薬剤放
出方式(0次型溶出様式)が最も理想的である。 このような理想的な0次型の薬物放出方式は、組織内
薬物濃度を一定に保つことを可能にし、その結果、安全
領域での血中薬物濃度の維持が可能になる。特に投薬で
達しうる程度の濃度で副作用が出現する薬物において効
果は最大限に発揮される。また、効果が持続するため、
投薬回数の減少にもつながる。一方、これに対し図1の
bに示したように、現在の多くの製剤に見られるよう
な、時間の経過とともに溶出速度が低下する溶出様式
は、1次型の溶出と呼ばれている。 特開昭63−23814号公報により、ほぼ0次の放出特性
を有する経口投与用の徐放性医薬組成物が知られてい
る。当該公報によると、その組成物の主な構成は、少な
くとも20%の誘導体化セルロースゲル化剤と該ゲル化剤
に均一に分散した薬物と任意に医薬的に受容しうる賦形
剤とを含む核基質に、徐々に溶解する透水性誘導体化セ
ルロース性重合体で被覆することを特徴とし、そのゲル
化剤としては、たとえばヒドロキシプロピルメチルセル
ロースが用いられ、被覆層の重合体としては、たとえば
エチルセルロースの分散物(水分散液)が用いられてい
る。しかしながら、その実施例によると最初の10時間、
溶出率にしてせいぜい85%程度まで0次の放出を示すの
みで、100%溶出まで0次であることは証明されていな
い。その原因としては被覆層に用いられているエチルセ
ルロースが水分散物として使用されているために結合性
が弱く、ゲル化が進むにつれて核が膨張し、遂には被覆
膜が破壊するためである。 上記以外にも次のような多くの持続性(徐放性)製剤
が研究されている。 鼻炎用薬などに利用されているように、速溶粒と徐放
粒を組み合わせて、たとえばカプセルに充填させた持効
性製剤は、速溶部が服用直後に溶出した後、徐放部から
一定量ずつ徐々に薬剤が溶出する設計で徐放化を達成し
ている。この場合、特開昭62−103012号公報、特開平1
−197433号公報、特開平1−230513号公報などに見られ
るように、薬物が異なる毎に徐放粒の製法に工夫を凝ら
す必要が生じることが欠点となる。このような小球状徐
放性粒子からの薬物の放出は、粒子が壊れることなく外
層から薬物が溶出するため、時間の経過とともに粒子内
の薬物濃度勾配が低下するため、溶出速度が減少し、0
次溶出にならない。また、この種の製剤においては、球
状粒子を製し、消化液などに溶解しないフィルムを被覆
して、フィルムを通して徐々に薬物を溶出させるタイプ
が多いが、本タイプは水に難溶性の薬物への適用は不可
能である。さらに、これに類似する溶出のタイプとし
て、ワックス類や水に不溶性のコーティング剤などに薬
物を封じ込め、薬物をその外層から徐々に溶出させた
り、外層から徐々に溶解させて薬物を溶出させる単純マ
トリックスタイプがあるが、この製剤も薬物が溶出する
につれて薬物が溶出する面積が小さくなるため、0次溶
出にはなり難く、1次に近い溶出になる。 最近注目されている親水性高分子マトリックス製剤
は、親水性高分子中に薬物を分散させ、高分子が消化管
内の水分を吸ってゲルを形成し、含有薬物がゲル層を拡
散して放出する製剤設計で、たとえばヨーロッパ特許28
2,111号、特開平1−128917号公報、スウェーデン公開
特許出願第8008646−5号には、医薬活性成分のゲル化
高分子物質の使用による放出制御について開示してい
る。しかしながら、親水性高分子を用いた膨潤型徐放錠
は、錠剤が単に吸水膨潤して膨らみ(この場合球状に膨
潤する)、その外層から徐々に溶解して崩壊する方式
と、球状に膨潤した外層から形状がほとんど変化するこ
となく、外層から内層へと順次薬物が溶出するものがあ
るが、この場合、薬物が溶出するに伴って薬物の溶出表
面積が減少すること、マトリックス内の薬物濃度に勾配
が生じることなどから、1次的な溶出を有する製剤にし
か製しえないのが大きな欠点である。 フィルム基剤として、通常の徐放性製剤に利用される
半透膜、ポリアクリル酸エステルのような水膨潤性の膜
および胃溶性の膜を用いる場合、膜を通して徐々に錠剤
の全面から吸水して球状に膨潤する、あるいはフィルム
が胃液中で溶解し、錠剤の全面から吸水して球状に膨潤
するなどにより、図3に示す従来の形式の膨潤にしかな
りえず、0次溶出型の錠剤は得られない。なお、腸溶性
コーティング基剤を主体とする場合、無酸症の人には不
向きな面がある。 また、従来技術は医薬活性成分の特性によって処方、
製法を大きく変える必要があり、たとえば特開昭61−16
14号公報では、それぞれタイプの異なるpH依存性のフィ
ルムコーティングを3重に施して徐放化を行っている。
また、前出の特開昭63−23814号公報においては、医薬
活性成分に応じた緩衝剤を含ませている。 これら以外にも多くの持効性製剤が開発されている
が、それらは、基本的には単純マトリックスタイプ(被
膜に穴を開けたタイプもある)、半透膜を通して薬物を
溶出させる膜透過タイプ、吸水膨潤型マトリックスタイ
プ、崩壊または溶解タイプなどに大別され、現時点で
は、水溶性・水難溶性のいずれの薬物にも応用でき、か
つ、0次溶出する徐放錠の製剤化は達成されていない。 〔発明の開示〕 本発明者らは、製造が容易かつ経済的で、水溶性、水
難溶性の何れの薬物にも適用可能な0次溶出する徐放性
製剤を開発することを目的に鋭意研究を行ったころ、吸
水膨潤するゲル化剤を主基剤とした基錠に、エチルセル
ロースおよび/またはアセチルセルロースを主体とする
基剤を有機溶剤に溶解してえられるフィルムコーティン
グ基剤で被覆することによって、その錠剤に特異的な膨
潤および崩壊ないし溶出特性を付与することができ、水
溶性・水難溶性の何れの薬物に拘らず、医薬活性成分が
0次放出する錠剤を製しうることを見いだし、本発明を
完成させた。 すなわち、本発明は吸水膨潤性ゲル化剤と該ゲル化剤
に均一に分散した医薬活性成分を含む基錠にエチルセル
ロースおよびアセチルセルロースから選ばれる1種また
は2種を有機溶剤に溶解したフィルムコーティング基剤
を被覆してなることを特徴とする徐放性錠剤に関する。 〔図面の簡単な説明〕 図1は0次型と1次型の典型的な溶出パターンを示し
た図である。 a:0次型溶出様式 b:1次型溶出様式 図2は本発明による錠剤が膨潤および溶解する様子を
示した図である。 (1):貝殻状に膨潤した錠剤 (2):提灯状に膨潤した錠剤 図3は従来の膨潤型徐放性錠剤が膨潤および溶解する
様子を示した図である。 図4は提灯型に膨潤した本発明錠剤の模式的(近似
的)崩壊を示す図である。 図5は提灯型に膨潤した錠剤と球状に膨潤した錠剤の
体積と表面積の変化を示す図である。 a:本発明の提灯型に膨潤した錠剤 b:従来の球状に膨潤した錠剤 図6は実施例1、比較例A,比較例Bによる錠剤の溶出
を示すグラフである。 図7は実施例2による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図8は実施例3による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図9は実施例4による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図10は実施例5による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図11は実施例6による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図12は実施例7による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図13は実施例8による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図14は実施例9による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 図15は実施例10による錠剤の溶出を示すグラフであ
る。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、吸水膨潤するゲル化剤からなる基錠がエチ
ルセルロース、アセチルセルロースを有機溶剤に溶解し
てえられるコーティング基剤で被覆されていることに特
徴があり、かくして水および消化液に不溶性でかつ膨潤
などの変形を起こさない強靱なフィルムが形成される。 このようなフィルムで被覆するのは錠剤のR面(錠剤
の上面と下面)をフィルムできっちりと固定し、被覆さ
れたフィルムの最も弱い側面エッジ部から吸収される水
により錠剤の膨潤を起こさせるためである。さらに詳し
くは、錠剤の上下R面からの初期の吸水ならびに薬物の
放出を抑え、フィルムの薄い側面から吸水させ、錠剤内
部をゲル化膨潤させて、その薄いエッジ部でフィルムが
2つに切れるようにし、錠剤に図2に示す特異的な膨潤
を生ぜしめることによって、医薬活性成分の溶出をほと
んどこの露出した側面部のみからなさせることが可能に
なり、薬物の0次放出が達成されるのである。 基錠に用いられる吸水膨潤性ゲル化剤としては、ヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC−L;信越化学など)、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ60SH
50,65SH1500;信越化学など)、アミノアクリルメタアク
リレートコポリマーRS(オイドラギットRS−PM;樋口商
会など)、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共
重合体乳濁液(オイドラギットNE30D;樋口商会など)、
プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲン
F;第一工業製薬など)、メチルセルロースなどがあげら
れ、これらの1種または2種以上を混合して用いること
ができる。ゲル化剤の配合量は、適用する医薬活性成分
の性質、使用するゲル化剤の種類ならびに他に配合する
添加剤などにもよるが、一般的には基錠当り、少なくと
も10重量%、好ましくは少なくとも20重量%用いるのが
よい。フィルムコーティング基剤としてはエチルセルロ
ース(エトセル10、エトセル45;ダウケミカルなど)ま
たはアセチルセルロースの1種または2種を有機溶剤に
0.5〜10重量%溶解して用いる。有機溶剤としてはアセ
トン、ベンゼン、トルエン、メチレンクロライド、クロ
ロホルム、酢酸エチル、アルコール類(エタノール、イ
ソプロピルアルコールなど)があげられ、これらを混合
して用いてもよく、また30%程度まで水を加えてもよ
い。フィルムコーティング基剤としてはエチルセルロー
スが好ましく、有機溶剤としては安全性の面からエタノ
ール、メチレンクロライド、酢酸エチルなどがよい。こ
のように、フィルムコーティング基剤を有機溶剤に溶解
して用いることによって、水および消化液に不溶性で、
かつ水および消化液で膨潤などの変形を起こさない(水
で容易に壊れない)強靱なフィルムをコーティングする
ことが可能となる。 なお、エチルセルロースには様々なグレードがあり、
その粘度およびセルロース分子内のエトキシ基(−OC2H
5)の含有量によって分けられ、一般にエトセル10、エ
トセル45等が繁用されている。このようなエチルセルロ
ースを有機溶媒に溶かして被覆した被膜は強靱かつ柔軟
である。一般的にエトセル10の場合、1〜10重量%前後
の濃度でフィルムコーティングが行われるが、エトセル
45においては、さらに薄い濃度(0.5〜8%前後)で用
いられる。 また、このフィルムコーティング基剤にポリエチレン
グリコール(ポリエチレングリコール6000)、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロースなどの水溶性フィルム基剤、ポリビニルアセター
ルジエチルアミノアセテート(AEA;三共など)、アミノ
アルキルメタアクリレートコポリマーEなどの胃溶性コ
ーティング剤、アミノアルキルメタアクリレートコポリ
マーRSなどの膨潤透水性の高分子物質、結晶セルロー
ス、軽質無水ケイ酸、クロスカルメロースナトリウム、
沈降炭酸カルシウム、タルク、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウムなどの通常コーティング
に使用される粉末ならびにその他のコーティング用添加
物を錠剤の特性や錠剤の含有される医薬活性成分の特性
などに合わせて、混合して用いるなどは自由である。た
だし、主構成成分となるエチルセルロース、アセチルセ
ルロースの配合割合は、被覆されたフィルムが膨潤、伸
張、透水性などの極端な増加を起こさない量、すなわ
ち、主構成成分となるフィルムの特性が損なわれない量
を配合するのが絶対条件で、少なくとも50重量%量で配
合するのが好ましい。 本発明の徐放性錠剤の製造には、まず、吸水膨潤性ゲ
ル化剤と医薬活性成分、必要であれば製剤用添加剤を混
合し、湿式法あるいは乾式法により基錠を製し、次いで
エチルセルロースおよび/またはアセチルセルロースを
主体とする基剤を有機溶剤に溶解して得られるフィルム
コーティング基剤で、フィルムコーティングすることに
よって製造できる。 本発明の錠剤のフィルムコーティングは、通常、常套
のコーティングパン方式でなされ、コーティング方式は
スプレー法が好ましく、自動または手動のいずれの方式
であっても差し支えない。 フィルムの厚みは、本発明錠剤における重要な要件で
ある。薄すぎるとフィルムが弱く剥がれやすく、初期の
溶出コントロールが困難である、目的とする膨潤が得に
くい等の問題がある。また、厚すぎるとフィルムの半透
膜性が減少する、初期の溶出ラグタイムが長くなり目的
とする徐放化に劣る、フィルムがエッジ部で切れにくく
目的とする膨潤が得られ難くなる等の問題がある。フィ
ルムの厚みは、フィルムコーティングする前の錠剤とフ
ィルムコーティング後の錠剤の厚みを比較して容易に測
定することができ、厚み測定装置としては、手動厚み測
定機、自動厚み測定機のいずれを使用しても差し支えな
い。 本発明によって得られる徐放性錠剤はフィルムコーテ
ィング基剤が基錠に対して0.5〜15重量%、フィルムの
厚さは、側面では0.002〜0.05mm、上下面で0.003〜0.06
mmの範囲にあることが好ましい。また、上下面のフィル
ム厚に対する側面のフィルムの厚さは0.55〜0.85の範囲
であり、0.6〜0.75の範囲がより好ましい。 本発明の徐放性製剤の基錠には、従来から汎用されて
いる、たとえばポリエチレングリコール、ステアリン
酸、水素添加植物油などの溶出速度調節剤を配合できる
ことは勿論、たとえば乳糖、コーンスターチ、結晶セル
ロースなどの賦形剤、ステアリン酸マグネシウム、タル
クなどの滑沢剤、デンプン類、ショ糖、ゼラチン、アラ
ビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロー
ス、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊
剤、その他着色剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、
帯電防止剤などを自由に配合することができる。 また、薬物放出パターンは適当なゲル化剤を選択する
ことにより、通常、pHによる依存性はなく一定である
が、薬物自身にpH依存性がある場合、フマル酸やクエン
酸などの有機酸を添加するなどによってその問題を解決
することもできる。 本発明による技術は、ゲル化剤を選択配合し、かつ溶
解性に寄与する適切な製剤用添加剤を選択配合すること
によって、主薬となる医薬活性成分の水溶性、水難溶性
などに制限されることなく、任意の溶出速度を有する錠
剤を製しうるため、様々な薬効分野の医薬活性成分に利
用することができる。また、本発明の錠剤は、半透膜を
介する徐放化ではなく、ゲル化した外層側面部からの崩
壊溶出速度を調節することによって薬物の放出がなされ
るため、医薬活性成分は1種類に限らず多種類の成分を
含有させることも可能である。 本発明の製剤が適用できる医薬活性成分としては、放
出制御されることにより患者に利するものであればどの
ような医薬活性成分でもよく、たとえば塩酸フェニルプ
ロパノールアミン、エテンザミド、塩酸クロペラスチ
ン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロカインアミド、
塩酸エフェドリン、メクロフェナム酸ナトリウム、塩酸
メクロフェノキサート、テオフィリン、カフェイン、マ
レイン酸クロルフェニラミン、スルファニルアミド、ス
ルフィソキサゾール、スルファジアジン、モルシドミ
ン、バルプロ酸ナトリウム、アスピリン、トレピプト
ン、イデベノン、ケトプロフェン、シクランデレート、
エナラプリル、塩酸アミトリプチリン、シプロペプタジ
ン、シクロベンゾプリン、チモロール、塩酸プロプラノ
ロール、ベタキソロール、ジフルニサル、イブプロフェ
ン、ノルフロキサシン、三ケイ酸アルミニウム、水酸化
アルミニウム、シメチジン、フェニルブタゾン、インド
メタシン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ジクロ
フェナック、デキサメタゾン、プレドニゾロン、三硝酸
グリセリル、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリス
リトール、シュウ酸ナフチドロフリル、シクランデレー
ト、ニコチン酸、ステアリン酸エリスロマイシン、セフ
ァレキシン、ナリジクス酸、塩酸テトラサイクリン、ア
ンピシリン、フルクロキサシリンナトリウム、ヘキサミ
ン・マンデル塩酸、ヘキサミン・ヒップラート、フルア
ゼパム、ジアゼパム、ドキセピン、チオリダジン、トリ
フロペラジン、フルフェナジン、ピペロチアジン、ハロ
ペリドール、塩酸マプロチリン、イミプラミン、デシプ
ラミン、炭酸リチウム、硫酸リチウム、メチルフェニデ
ート、イソプロテレノール、硫酸アンフェタミン、塩酸
アンフェタミン、クロルフェニラミン、プロフェナミ
ン、ジフェニドール、ビサコジル、水酸化マグネシウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、フェニルプ
ロパノールアミン、エフェドリン、α−トコフェロー
ル、チアミン、ピリドキシン、アスコルビン酸、臭化プ
ロパンテリン、メトクロプラミド、ジフェノキシラー
ト、ソロクチジルム、シュウ酸ナフチドロフリル、コデ
ルゴクリン・メシラート、ジルチアゼム、ベラパミル、
ジソピラアミド、プレチリウム・トシラート、硫酸キニ
ジン、グルコン酸キニジン、プロカインアミド、硫酸カ
ネチジン、メチルドパ、塩酸オクスプレノロール、カプ
トプリル、ヒドララジン、エルゴタミン、硫酸プロタミ
ン、イプシロン・アミノカプロン酸、アセトアミノフェ
ン、アセチルサリチル酸、オキシコデイン、モルヒネ、
ヘロイン、ナルプフィン、酒石酸ブトルファノール、ペ
ンタゾシン、シクラザシン、塩酸ペチジン、ピプレノル
フィン、スコポラミン、メフェナム酸、ジクロラール・
フェナゾン、ニトラゼパム、テマゼパム、クロルプロマ
ジン、テオクル酸プロメタジン、バルプロ酸ナトリウ
ム、フェニトイン、ダントロレンナトリウム、ジアペナ
ース、グルカゴン、トルブタミド、インシュリン、チロ
キシン、トリヨードチロニン、プロピルチオウラシル、
フロセミド、クロルタリドン、ヒドロクロルチアジド、
スプロノラクトン、トリアムテレン、フェンテルミン、
塩酸ジエチルプロプリオン、塩酸ヘンフルルアミン、グ
ルコン酸カルシウム、硫酸第一鉄、アミノフィリン、硫
酸オキシプレナリン、硫酸テルブタリン、サルブタモー
ル、カルボシステイン、グアイフェネシン、ノスカピ
ン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、ジヒドロコデイン
酒石酸塩、デキストロメトルファン、アロプリノール、
プロベネシド、スルフィンピラゾン、塩酸セチルピリジ
ニウム、チロスリシン、クロルヘキシジン、クエン酸カ
ルベタペンタン、ニフェジピン、ピンドロール、塩酸ニ
カルジピン、ペントキシフィリン、セファクロル、硫酸
モルヒネ、プラノプロフェン、パパベリンなどが含まれ
るが、これらに限定されるもではない。 本発明のように、エチルセルロースおよび/またはア
セチルセルロースを有機溶剤に溶解して得られるフィル
ムコーティング剤を用いて水および消化液に不溶性で、
かつ変形を起こさない強靱なフィルムを基錠に被覆させ
さることによって、フィルムが最初の壁となり薬物の急
激な放出が抑えられる。また、フィルムは僅かに透水性
を有しているため、水あるいは消化液がフィルム層を通
して内部へ侵透し、基錠のゲル化膨潤ならびに薬物の溶
解などを引き起こす。吸水ゲル化が進行するにつれて、
錠剤は徐々に膨潤度合いを高め、遂にはフィルム層で最
も弱いエッジ部分を境に上下に割れる。この際、貝が口
を開けたような状態になるが、本発明による錠剤は、さ
らに吸水ゲル化が進み、提灯の形状を呈することも多
い。薬物は、主としてこのように伸張膨潤した錠剤がゲ
ル化し、露出した側面部から徐々に拡散または溶解崩壊
するか、あるいは膨潤した側面の壁を通して、一定速度
で放出される。この様子を図2の(1)と(2)に示し
た。このように特異的な形状に膨潤した錠剤からの医薬
活性成分の放出は、当該成分が水溶性、水難溶性である
こと、および膨潤形式が提灯状あるいは貝殻状であるこ
とに関わらず、ほぼ100%近くまで0次溶出される。こ
れは、製剤的に重要な新知見である。 また、フィルムの厚さを調節することによって、溶出
開始時間(Lag time)の調製や薬物の初期の急激な放出
を抑えることも可能である。 なお、持効性製剤の場合、まず速放部が溶出し、次い
で徐放部が徐々に溶出するように製剤設計されることが
多いが、本発明の場合も、本発明による錠剤を内核錠と
し、これに速放部に相当する医薬活性成分を被覆して、
フィルムコート錠、糖衣錠もしくは圧縮コーティング錠
(有核錠)などに容易に製剤化することができ、徐放部
からの医薬活性成分の溶出が0次で達成される理想的な
持効錠を製することが可能である。 本発明の錠剤による医薬活性成分の0次放出は、次の
ように説明される。 従来の膨潤型徐放性製剤は、図3に示すように球形に
膨潤し、次いでその形状を保ちつつ徐々に小さくなる。
本発明による錠剤が近似的に図4に示す溶解崩壊をする
と仮定し、かつ本発明錠剤と従来の膨潤型徐放性錠剤が
同じ体積に膨潤すると仮定すると、それぞれの錠剤の表
面積は体積の減少にともない図5(aは本発明の提灯型
に膨潤した錠剤、bは球状型に膨潤する従来型の錠剤)
に示すように変化する。図5から明らかなように、錠剤
が膨潤し、医薬活性成分が溶出されることによる表面積
の変化は本発明によるもの(図5のa)がはるかに小さ
い。そのために本発明の膨潤方式による錠剤からの医薬
活性成分は0次型に溶出される。勿論、時間の経過とと
もに、フィルム面からの溶出もないとはいえないが、全
体的な溶出パターンに大きな影響はおよぼさない。な
お、貝殻型膨潤による錠剤の場合も提灯型と同じことが
いえる。 従来より多くのゲル化製剤が開発されているが、本発
明のごとく、エチルセルロース、アセチルセルロースを
有機溶剤に溶解して得られるフィルムコーティング基剤
で、錠剤に半透膜性を有さないフィルムコーティングを
施し、特異的な膨潤(提灯型あるいは貝殻型)および特
異的な崩壊乃至溶解形式をさせたものはなかった。しか
し、本発明による薬物溶出表面積の経時的減少の少な
い、錠剤内の薬物濃度勾配の変化を生ぜしめない理想的
な徐放性錠剤が見いだされ、その結果、内部の医薬活性
成分を100%まで0次溶出させる効果が得られた。 また、本発明による徐放錠は、医薬活性成分が水溶
性、水難溶性であることに拘らず、0次溶出するのが大
きな特徴であり、かつそれらの混合物にも適用可能であ
る。 さらには、エッジ部分で割れた後、提灯型乃至貝殻状
の特異的な形状に膨潤すること、および錠剤自体が吸水
ゲル化し浮遊性がついていることなどの理由で、胃内滞
留時間が長いという持効性製剤には非常に有利な可能性
を有している。つまり、0次薬物溶出および胃排出時間
の延長など、徐放性製剤として有意な点を多く持ち合わ
せた非常に特徴のある製剤である。 加えるに、本発明の徐放性錠剤は、製造工程が簡便で
特別な装置を必要としないことも大きなメリットで、持
効性製剤としては理想的なものである。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 塩酸フェニルプロパノールアミン 37.5mg メトローズ60SH4000 181.6mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕 エトセル10 5.0mgポリエチレングリコール6000 0.5mg 小計 5.5mg 合計 225.5mg 塩酸フェニルプロパノールアミンを80メッシュ篩過後
187.5g取り、これにメトローズ60SH4000 907.5g、ステ
アリン酸マグネシウム4.5gを添加してよく混合した後、
直径8mm、6.5Rの杵をセットした連続打錠機により1錠
重量が220mgになるように本圧1トンで直接圧縮成形し
た。次いで、得られた基錠1kgをパンコーティング装置
(フロイント産業)の中に入れ、エトセル10 90g、ポ
リエチレングリコール6000を10gとり、水−エタノール
(1:9)の混液2000mlに溶解した溶液を噴霧コーティン
グし、乾燥することによりフィルムコーティング錠を得
た。 本発明品との比較例として、(A)本発明品と同様の
基錠に吸水により膨潤変形を起こす被膜(オイドラギッ
トRS−PM)を施した錠剤(球状に膨潤)と、(B)従来
から用いられている半透膜による非膨潤型の放出制御型
徐放錠を製した。 比較例A 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 塩酸フェニルプロパノールアミン 37.5mg メトローズ60SH4000 181.6mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕オイドラギットRS−PM 7.0mg 小計 7.0mg 合計 227.0mg 比較例B 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 塩酸フェニルプロパノールアミン 37.5mg クエン酸カルシウム 137.6mg 乳糖 44.0mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕 エトセル10 13.0mgポリエチレングリコール6000 9.0mg 小計 22.0mg 合計 242.0mg これらのフィルムコーティング錠に関して、第11改正
日本薬局方、溶出試験(パドル法)に準じた試験器を使
用し、パドルの回転数100rpmにて、37℃の精製水900ml
中での溶出試験を行った結果を図6に示したが、本発明
品からの水溶製の塩酸フェニルプロパノールアミンの溶
出は比較例A、Bに比べ明らかに0次溶出を示した。
【0010】 実施例2 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 塩酸フェニルプロパノールアミン 37.5mg メトローズ60SH50 45.3mg セロゲンF 45.3mg 乳糖 88.0mg タルク 3.0mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕 エトセル10 15.0mgポリエチレングリコール6000 7.0mg 小計 22.0mg 合計 242.0mg 塩酸フェニルプロパノールアミンを80メッシュ篩過後
187.5g取り、これにメトローズ60SH50 226.5g、セロゲ
ンF226.5g、乳糖440g、タルク15g、ステアリン酸マグネ
シウム4.5gを添加してよく混合した後、直径8mm、6.5R
の杵をセットした連続打錠機により1錠重量が220mgに
なるように本圧1トンで直接圧縮成形した。次いで、得
られた基錠1kgをパンコーティング装置(フロイント産
業)の中に入れ、エトセル10を90g、ポリエチレングリ
コール6000 42gとり、水−エタノール(1:9)の混液260
0mlに溶解した溶液を噴霧コーティングし、乾燥するこ
とによりフィルムコーティング錠を得た。 本フィルムコーティング錠に関して、第11改正日本薬
局方、溶出試験(パドル法)に準じた試験器を使用し、
パドルの回転数100rpmにて、37℃の水、第1液(pH1.
2)および第2液(pH6.8)の3種の溶出試験液各900ml
中での溶出試験を行った結果を図7に示した。どの溶出
液においても塩酸フェニルプロパノールアミン溶出は明
らかに0次溶出で、各試験液間の溶出特性にほとんんど
差はなかった。 実施例3 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 アセトアミノフェン 37.5mg メトローズ60SH50 45.3mg セロゲンF 45.3mg 乳糖 88.0mg タルク 3.0mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕 エトセル10 15.0mgポリエチレングリコール6000 7.0mg 小計 22.0mg 合計 242.0mg 製造法および溶出試験法は実施例1と同様で、37℃の
水を用いて溶出試験を実施した。本実施例は、水に難溶
性の医薬活性成分への適用例であるが、図8に示す通
り、アセトアミノフェンは0次溶出特性を示した。 実施例4 錠剤(1錠中) 〔基錠〕 エテンザミド 18.75mg 塩酸クロペラスチン 18.75mg メトローズ60SH50 45.3mg セロゲンF 45.3mg 乳糖 88.0mg タルク 3.0mgステアリン酸マグネシウム 0.9mg 小計 220.0mg 〔フィルム層〕 エトセル10 15.0mgポリエチレングリコール6000 7.0mg 小計 22.0mg 合計 242.0mg 製造法および溶出試験法は実施例1と同様で、37℃の
水を用いて溶出試験を実施した。本実施例は水溶性およ
び水難溶性薬物を混合した場合の適用例であるが、水溶
性の塩酸クロペラスチン、水難溶性のエテンザミド共に
ほとんど同じ溶出特性で、0次溶出を示した(図9)。 実施例5 塩酸フェニルプロパノールアミン187.5g、セロゲンF4
54g、乳糖454g、ステアリン酸マグネシウム4.5gを取り
よく混合した後、直径8mm、6.5Rの杵をセットした連続
打錠機により1錠重量が220mgになるように本圧1トン
で直接圧縮成形した。次いで、得られた基錠1kgをパン
コーティング装置(フロイント産業)の中に入れ、エト
セル10 90g、ポリエチレングリコール6000を42gとり、
水−エタノール(1:9)の混液2600mlに溶解した溶液を
用いて、1錠重量が225mgになるまで噴霧コーティング
し、乾燥することによりフィルムコーティング錠を得
た。この錠剤からの塩酸フェニルプロパノールアミンの
溶出を、実施例1に示す方法で37℃の水を用いて測定し
たところ、ほぼ完全に0次溶出を示した(図10)。 実施例6 塩酸フェニルプロパノールアミン187.5gをとり、80メ
ッシュ篩過後、メトローズ65SH1500 757.5gとともに流
動層造粒機に入れ、送風を60℃にコントロールしオイド
ラギットNE30D−精製水(1:1)混液をバインダーとし
て、10ml/分でオイドラギットNE30Dが固形分として150g
添加される量を噴霧して造粒を行った。得られた造粒末
にステアリン酸マグネシウム5gを混合して、直径8mm、
6.5Rの杵をセットした連続打錠機により1錠重量が220m
gになるように本圧1トンで製錠した。次いで、得られ
た基錠1kgをパンコーティング装置(フロイント産業)
の中に入れ、アセチルセルロース40g、AEA40gをとり、
メチレンクロライド−エタノール(9:1)混液1500mlに
溶解した溶液を用いて、1錠重量が225mgになるまで噴
霧コーティングし、乾燥することによりフィルムコーテ
ィング錠を得た。この錠剤からの塩酸フェニルプロパノ
ールアミンの溶出を、実施例1に示す方法で37℃の日局
第1液(pH1.2)および第2液(pH6.8)を用いて測定し
たところ、両液において溶出パターンに差はなく、ほぼ
完全に0次溶出を示した(図11)。 実施例7 塩酸フェニルプロパノールアミン187.5g、オイドラギ
ットRS−PM187.5g、メトローズ60SH50を195.5g、セロゲ
ンF199.5g、乳糖330g、ステアリン酸マグネシウム4gを
とり混合して、直径8mm、6.5Rの杵をセットした連続打
錠機により1錠重量が220mgになるように本圧1トンで
直接圧縮成形した。次いで、得られた基錠1kgをパンコ
ーティング装置(フロイント産業)の中に入れ、エトセ
ル10 60gを水−エタノール(1:9)の混液1200mlに溶解
した溶液を用いて、1錠重量が225mgになるまで噴霧コ
ーティングし、乾燥することによりフィルムコーティン
グ錠を得た。この錠剤からの塩酸フェニルプロパノール
アミンの溶出を、実施例1に示す方法で37℃の日局第1
液(pH1.2)および第2液(pH6.8)を用いて測定したと
ころ、両液において溶出パターンに差はなく、ほぼ完全
に0次溶出を示した(図12)。 実施例8 塩酸フェニルプロパノールアミン300g、メトローズ60
SH50を569.6g、ポリエチレングリコール6000を224gとり
混合した後、5W/V%のHPC−Lエタノール溶液448mlを添
加して練合し製粒、乾燥したものに、ステアリン酸マグ
ネシウム4gを混合し、直径6mm、4.5Rの杵を用いて、1
錠重量70mgに製錠した。次いで、この錠剤800gをコーテ
ィングパンに入れ、エトセル10 105gとポリエチレング
リコール45gをエタノール3000mlに溶解した溶液を用い
て、1錠重量が80mgになるまで噴霧コーティングし、乾
燥して内核錠に製した。 別に、塩酸フェニルプロパノールアミン100g、乳糖22
72g、トウモロコシデンプン800g、アビセルPH−101 960
gをとり混合した後、5W/V%HPC−L水溶液の1200mlを添
加して練合、製粒、乾燥したものに、アビセルPH−101
960g、ステアリン酸マグネシウムを25.6g混合して、外
層用末を得た。 上記内核錠と外層用末を用いて、1錠重量403.6mgの
有核錠を製し、この錠剤からの塩酸フェニルプロパノー
ルアミンの溶出を、実施例1に示す方法で37℃の水を用
いて測定したところ、速放部が10分以内に完全に溶出し
た後、徐放部が7時間に亘って、ほぼ完全に0次溶出す
る錠剤であることがわかった(図13)。 実施例9 プラノプロフェン150.0g、メトローズ60SH50 124.0
g、トウモロコシデンプン62.0g、乳糖62.0g、ステアリ
ン酸マグネシウム1gをとり混合して、直径8mm、6.5Rの
杵をセットした連続打錠機により1錠重量が200mgにな
るように本圧1トンで直接圧縮成形した。次いで、得ら
れた基錠1kgをパンコーティング装置(フロイント産
業)の中に入れ、エトセル10 60gとポリエチレングリコ
ール6000の40gを水−エタノール(1:9)の混液2000mlに
溶解した溶液を用いて、1錠重量が210mgになるまで噴
霧コーティングし、乾燥することによりフィルムコーテ
ィング錠を得た。この錠剤からのプロノプロフェンの溶
出を、実施例1に示す方法で37℃の日局第1液(pH1.
2)を用いて測定したところ、20時間にわたりほぼ完全
に0次溶出を示した(図14)。 実施例10 プラノプロフェンを787.5g、メトローズ65SH50を775.
5g、メトローズ65SH4000を100g混合して、HPC−L25gを
エタノール1200mlに溶解した溶液で造粒して60℃で2時
間静置乾燥した。乾燥後24メッシュで篩過、ステアリン
酸マグネシウム12gを混合して、直径7,5mm、8.5Rの杵を
セットした連続打錠機により1錠重量が170mgになるよ
うに本圧1.5トンで直接圧縮成形した。次いで、得られ
た基盤1kgをパンコーティング装置(フロイント産業)
の中に入れ、エトセル10 5.3g ポリエチレングリコール
4000 1.3g、エロジール1.3g、アビセルPH−F20 2.7gを
水:エタノール(1:24)の混液200mlに溶解した溶液を
用いてコーティングし乾燥することによりフィルムコー
ティング錠を得た。フィルムの厚さは側面部で約0.004m
mであった。この錠剤からのプラノプロフェンの溶出
を、実施例1に示す方法で37℃の日局第1報(pH1.2)
を用いて測定したところ、12時間にわたりほぼ完全に0
次溶出を示した(図15)。 実施例1〜9で得た各錠剤のフィルムの厚さは次の通
りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(補正後)基錠当り20重量%以上用いた吸
    水膨潤性ゲル化剤と該ゲル化剤に均一に分散した医薬活
    性成分を含む基錠に、エチルセルロースおよびアセチル
    セルロースから選ばれる少なくとも1種を主成分として
    有機溶剤に溶解したフィルムコーティング基剤を被覆
    し、フィルムコーティング基剤の量が基錠に対して0.5
    〜15重量%、フィルムの厚さが側面で0.002〜0.05mm、
    上下面で0.003〜0.06mmの範囲にあり、かつ上下面のフ
    ィルム厚に対する側面のフィルムの厚さが0.55〜0.85の
    範囲にあることを特徴とする0次溶出型徐放性錠剤。
  2. 【請求項2】(補正後)基錠当り20重量%以上用いた吸
    水膨潤性ゲル化剤と該ゲル化剤に均一に分散した医薬活
    性成分を含む基錠に、エチルセルロースおよびアセチル
    セルロースから選ばれる少なくとも1種とポリエチレン
    グリコールを有機溶剤に溶解したフィルムコーティング
    基剤を被覆し、フィルムコーティング基剤の量が基錠に
    対して0.5〜15重量%、フィルムの厚さが側面で0.002〜
    0.05mm、上下面で0.003〜0.06mmの範囲にあり、かつ上
    下面のフィルム厚に対する側面のフィルムの厚さが0.55
    〜0.85の範囲にあることを特徴とする0次溶出型徐放性
    錠剤。
  3. 【請求項3】(補正後)医薬活性成分が塩酸フェニルプ
    ロパノールアミン、アセトアミノフェン、エテンザミ
    ド、塩酸クロペラスチンおよびプラノプロフェンから選
    ばれる1種または2種であることを特徴とする請求の範
    囲1または2記載の0次溶出型徐放性錠剤。
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