JP2860534B2 - 劣化した超重質油エマルション燃料の再生方法 - Google Patents

劣化した超重質油エマルション燃料の再生方法

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JP2860534B2 JP11414596A JP11414596A JP2860534B2 JP 2860534 B2 JP2860534 B2 JP 2860534B2 JP 11414596 A JP11414596 A JP 11414596A JP 11414596 A JP11414596 A JP 11414596A JP 2860534 B2 JP2860534 B2 JP 2860534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電所、自家発
電用燃焼器または燃料中継基地における貯蔵タンクまた
は船舶等の大量輸送手段でのO/W型超重質油エマルシ
ョン燃料の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油、石炭及びLNG以外の化石燃料資
源として、オイルサンド、ビチューメン類(オリノコタ
ール、アサバスカビチューメンなど)などは、埋蔵量が
多いことから非常に注目されている。また石油系でもナ
フサなどの蒸留、留出油分を除いたアスファルト又はそ
の熱処理残渣類は多量に余っている。これらの超重質油
は、通常減圧蒸留残分である420〜450℃以上の重
質留分を約60〜70%以上含有する油状物質で、その
ままでは流動しないか又は数万センチポイズ(cp)以
上の高粘性を有している。そのため、燃料として使用す
るには280〜300℃などの高温にしないとハンドリ
ングや霧化などで問題があり、また配管などの閉塞のト
ラブルを起こし易く、極めて使い難い燃料である。最
近、この取り扱いが困難な超重質油を水に乳化してその
粘性を水に近い粘性にする試みがなされている。その場
合、水に乳化した超重質油のエマルション燃料を安定状
態に長く保つためには界面活性剤が重要な働きをするこ
とが知られている。
【0003】熱力学的にエマルションは不安定な系であ
り、時間の経過と共に壊れていく。前記の超重質油エマ
ルション燃料も長時間の貯蔵時や船輸送時に部分的にエ
マルションが壊れ、すなわち劣化し、そのまま燃料とし
て使用すると未燃分が多くなるなど燃焼上好ましくない
現象が生ずる。また、劣化がすすむと流動性が低下し、
液体としての取り扱いができない程粘性が高くなり、ポ
ンプ輸送が困難になる。そのため、燃焼前に劣化した超
重質油エマルション燃料を流動性の良好な、未燃分の少
ない燃料に作り直す、即ち再生することが重要な課題と
なっている。
【0004】かかる課題を解決すべく、従来より幾つか
の研究がなされており、例えば特開平1−313591
号公報、特開平3−97785号公報等には劣化したO
/W型超重質油エマルション燃料の再生方法が記載され
ている。これらは界面活性剤を使って再生を行う方法で
ある。しかしながら、界面活性剤を添加してエマルショ
ンを再生しても、粒径が150μm以上の粗粒子の量が
なかなか3%未満に低下しない場合がある。また、エマ
ルション調製後の初期の劣化では、粒子が合体して大き
くなっていくため系の粘度は低下するが燃焼すると未燃
分が多く残り、燃料として好ましくない。従って、粒径
が150μm以上の粗粒子の量を低下させることが極め
て重要になってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、粒径が150μm以上の粗粒子を3%、好ましくは
5%、さらに好ましくは10%以上含む劣化した超重質
油エマルション燃料を処理してかかる粗粒子の量を3%
未満に低下させる、劣化した超重質油エマルション燃料
の再生方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは劣化した超重質油エマルション燃料の再生方法
について鋭意研究を行った結果、劣化した超重質油エマ
ルション燃料に一定の増粘剤を添加して所望の粘度に調
整した後、一定の剪断速度をかけて攪拌することによ
り、粒径150μm以上の粗粒子の量を3%未満に低減
させることができることを見出した。本発明はかかる事
実に基づきさらに研究を重ねて完成するに至ったもので
ある。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 (1) 粒径150μm以上の粗粒子を3%以上含む
エマルション調製時よりも粘度の低下した初期劣化した
超重質油エマルション燃料に対し、増粘剤として分子量
30000〜5000000の水溶性天然高分子及び
子量30000〜5000000の水溶性合成高分子
らなる群より選ばれる水溶性高分子を劣化した超重質油
エマルション燃料100重量部に対して0.001〜1
重量部、又は増粘剤として高膨潤性粘土鉱物を劣化した
超重質油エマルション燃料100重量部に対して0.0
05〜2.5重量部添加してエマルション粘度が400
cp〜3000cp(50℃)となるように調整し、つ
いで高剪断型の撹拌装置を用いて剪断速度1000s
−1〜60000s−1で撹拌して、粒径150μm以
上の粗粒子の含量を3%未満にすることを特徴とする劣
化した超重質油エマルション燃料の再生方法、 (2) 分子量30000〜5000000の水溶性天
然高分子が、微生物由来の多糖類、植物由来の多糖類、
及び動物由来の蛋白質からなる群より選択される1種以
上である前記(1)記載の再生方法、 (3) 分子量30000〜5000000の水溶性合
成高分子が、アクリル酸又はその誘導体のホモポリマー
もしくは共重合可能なモノマーとのコポリマー、アクリ
ルアミド又はその誘導体のホモポリマーもしくは共重合
可能なモノマーとのコポリマー、無水マレイン酸又は無
水イタコン酸のホモポリマーもしくはこれらと共重合可
能なモノマーとのコポリマー、ビニルアルコールのホモ
ポリマーもしくは共重合可能なモノマーとのコポリマ
ー、ビニルピロリドンのホモポリマーもしくは共重合可
能なモノマーとのコポリマー、及びポリアルキレンオキ
シドからなる群より選択される1種以上である前記
(1)記載の再生方法、 (4) 高膨潤性粘土鉱物が、スメクタイト、バーミキ
ュライト及び緑泥石からなる群より選択される1種以上
である前記(1)記載の再生方法、 (5) 増粘剤にさらに非イオン界面活性剤を加えるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)いずれかに記載の再
生方法、 (6) 剪断速度が4000s−1〜20000s−1
である前記(1)〜(5)いずれかに記載の再生方法、 (7) 超重質油エマルション燃料中の油の濃度が70
重量%〜80重量%である前記(1)〜(6)いずれか
に記載の再生方法、並びに (8) 1〜3個の高剪断型の撹拌装置と1〜3個のス
タティックミキサーを組み合わせることを特徴とする前
記(1)〜(7)いずれかに記載の再生方法、に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、まず粒径150
μm以上の粗粒子を3%、好ましくは5%、さらに好ま
しくは10%以上含む劣化した超重質油エマルション燃
料に増粘剤を添加してエマルションの粘度を400cp
以上、好ましくは400〜3000cp(50℃)の範
囲に調整する。ついで、剪断速度1000s-1〜600
00s-1で撹拌することにより粒径150μm以上の粗
粒子の含量を3%未満に低下させることにより劣化した
エマルション燃料を再生させる方法である。
【0009】本発明で超重質油と呼んでいる油は、高温
に加温しないと流動しない油であって、(a)石油系ア
スファルト類及びその油の混合物、(b)石油系アスフ
ァルト各種処理物、その中間製品、残渣、及びそれらの
油混合物、(c)高温で流動しない高流動点油又は原
油、(d)石油系タール及びその油混合物、及び(e)
ビチューメン類(オリノコタール、アサバスカビチュー
メンなど)が含まれる。本発明の適用の対象となる劣化
した超重質油エマルション燃料は、粒径150μm以上
の粗粒子を3%以上含むものである。通常は3%〜30
%であるが、10%以上であれば本発明の再生方法によ
り顕著な効果が得られる。また、超重質油エマルション
燃料中の油の濃度は70重量%〜80重量%であるもの
が適している。
【0010】本発明に用いられる増粘剤としては、分
子量30000以上、好ましくは30000〜5000
000の水溶性高分子及び高膨潤性粘土鉱物が挙げら
れる。 水溶性高分子には、水溶性天然高分子と水溶性合成
高分子が含まれる。水溶性天然高分子としては、具体的
には、微生物由来の水溶性高分子として、キサンタンガ
ム、プルラン、デキストリンなどの多糖類、植物由来の
水溶性高分子として、海藻由来の寒天、カラギーナン、
ファーセレラン、アルギン酸とそのNa、K、NH4
など、種子由来のローカストビーンガム、グアーガム、
タラガムなど、樹木由来のアラビアガム、カラヤガム、
トラガントガムなど、果実由来のペクチンなどの多糖類
が挙げられる。また、動物由来の水溶性高分子として
は、ゼラチン、カゼインなどの蛋白質が挙げられる。さ
らに、天然高分子誘導体としては、セルロース誘導体、
加工澱粉などが挙げられる。
【0011】水溶性合成高分子としては、下記のものが
挙げられる。 (a) 一般式(1)で示されるアクリル酸およびその
誘導体のホモポリマー及び他のモノマーとのコポリマ
ー。
【0012】
【化1】
【0013】式中、R1 はH、メチル基又はエチル基を
表し、M1 はH、Na、K、Li、NH4 を表し、Z1
は、CH2 =C(R1 )COOM1 又はこのモノマーと
共重合可能なモノマーもしくはその塩、例えば無水マレ
イン酸、無水イタコン酸α−オレフィン、アクリルアミ
ド、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、アクリルアミドメチルプロピルスルホン酸も
しくはその塩(NH4、Na、K)、ジメチルエチルア
ミノメタクリレートまたはジエチルエチルアミノメタク
リレートおよびそれらの塩(塩素、ジエチル硫酸、ジメ
チル硫酸)から誘導される二価の基を表す。 (b) 一般式(2)で示されるアクリルアミド及びそ
の誘導体のホモポリマー及び他の共重合可能なモノマー
とのコポリマー。
【0014】
【化2】
【0015】式中、R2 はH、C2 4 OHを表し、Z
2 はCH2 =CH−CO−NH−R2 又はこのモノマー
と共重合可能なモノマーもしくはその塩(NH4 、N
a、K、Li)、例えばビニルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミドメチルプ
ロピルスルホン酸もしくはその塩(NH4 、Na、
K)、ジメチルエチルアミノメタクリレートまたはジエ
チルエチルアミノメタクリレートおよびそれらの塩(塩
素、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸)、スチレン、α−オ
レフィン(C2 〜C18)、ビニルアリルアルコールから
誘導される二価の基を表す。
【0016】(c) 無水マレイン酸又は無水イタコン
酸のホモポリマー及び一般式(3)で示されるコポリマ
ー。式中、M3 は無水マレイン酸又は無水イタコン酸残
基を表し、Z3 はα−オレフィン(エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン、オクテン、デセン、ドデ
セン等)又はスチレンから誘導される二価の基を表す。
【0017】
【化3】
【0018】(d) ビニルアルコールのホモポリマー
及び一般式(4)で示されるコポリマー。式中、Z4
酢酸ビニル又はスチレンから誘導される二価の基を表
す。
【0019】
【化4】
【0020】(e) ビニルピロリドンのホモポリマー
及び一般式(5)で示されるコポリマー。式中、Z5
ビニルピロリドンと共重合可能なモノマー又はその塩
(NH4 、Na、K、Li)、例えばアクリルアミド、
ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、スチレン、α−オレフィン(C2
〜C18)などから誘導される二価の基を表す。
【0021】
【化5】
【0022】(f)分子量1万〜500万のポリアルキ
レンオキシド(但し、エチレンオキシド95%以上)。
5%以下のプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ス
チレンオキシドの各々のブロックポリマーやアルキルア
リル、アルキル基などを分子中に持つものも含まれる。
上記の一般式(1)〜(5)中のnは、ポリマーの分子
量が約30000〜5000000となる範囲で定めら
れる。水溶性高分子は、単独でも混合して用いてもよ
い。その使用量は超重質油エマルション燃料100重量
部に対して通常0.001〜1重量部、好ましくは0.
01〜0.1重量部である。
【0023】 高膨潤性粘土鉱物 本発明に使用される高膨潤性粘土鉱物とは、水中に該粘
土鉱物を懸濁させると水分子を多量に捕捉しうるもので
あり、乾燥物換算で、1重量%懸濁させたときの核磁気
共鳴装置で測定した水分子の緩和時間(T2 )が900
ミリ秒以下となるような高膨潤性粘土鉱物である。例え
ば、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石などの高
膨潤性で水分子の捕捉力の強い微細な粘土鉱物が本発明
の範囲に含まれる。ただし、これらの中でもT2 が90
0ミリ秒を越えるものは本発明には含まれない。一方、
ジョージア(アメリカ)産のカオリン、タルクなどは水
分子の捕捉力が弱いため本発明の範囲から除外される。
【0024】以下、本発明に使用するスメクタイト、バ
ーミキュライト、緑泥石などの高膨潤性の微細な粘土鉱
物について説明する。 (A)スメクタイト(smectite)は2:1層の
四面シートおよび八面体シートにおいて、置換が広範囲
に生じ、層間に水分子を伴った種々のイオンが入るため
化学組成は複雑である。具体的には、次のような一般式
で表される。 Xm (Y2+, Y3+2-3 4 10(OH)2 ・nH2 O (式中、XはK,Na,1/2Ca,1/2Mgを、Y
2+はMg,Fe2+,Mn2+,Ni,Zn,Liを、Y3+
はAl,Fe3+,Mn3+,Cr3+を、ZはSi,Alを
示す。なおXは層間、Yは八面体、Zは四面体の陽イオ
ンを表す。)
【0025】スメクタイトの代表的な種類には次のもの
がある。 2八面体型(八面体陽イオンが主に3価) モンモリロナイト(montmorillonite) X0.33(Al1.67Mg0.33)Si4 10(OH)2 ・n
2 O バイデライト(beidellite) X0.33(Al2 )(Al0.33Si3.67)O10(OH)2
・nH2 O ノントロナイト(nontronite) X0.33(Fe2 3+)(Al0.33Si3.67)O10(OH)
2 ・nH2 O 3八面体型(八面体陽イオンが主に2価) サポナイト(saponite) X0.33(Mg3 )(Al0.33Si3.67)O10(OH)2
・nH2 O 鉄サポナイト(iron saponite) X0.33(Mg,Fe)3 (Al0.33Si3.67)O10(O
H)2 ・nH2 O ヘクトライト(hectorite) X0.33(Mg2.67Li0.33)Si4 10(OH)2 ・n
2 O ソーコナイト(sauconite) X0.33(Mg,Zn)3 (Si3.67Al0.33)O10(O
H)2 ・nH2 O スチブンサイト(stevensite) X0.33/2(Mg2.97)Si4 10(OH)2 ・nH2 O このうち、モンモリロナイト−バイデライト−ノントロ
ナイトは一連の系列をなし、同形置換を生ずる。また、
スチブンサイトは他のスメクタイトの約半分の層荷電を
もち、2八面体型と3八面体型の中間の性質を有してい
る。
【0026】(B)バーミキュライト(ひる石,Ver
miculite)は、2:1型層状ケイ酸塩に属し、
化学式は次式で表される。 (Mg,Fe3+,Al)2-3 (Si4-x Alx )O
10(OH)2 (M+ , M2+ 1/2 x nH2 O ただし、Mは層間の交換性陽イオンであるが、粗粒なバ
ーミキュライトではMgが主である。nは水の量である
が、層間陽イオンがMgの場合は、広い温度範囲にわた
って、水は2分子層をなして入り、n=3.5〜5程度
である。xは層荷電であって、0.6〜0.9の範囲に
入る。この化学式は層荷電が全て、四面体陽イオンの置
換によって生じているとしているが、実際には八面体シ
ートが負の荷電を持ち、層荷電がこれによっていること
もある。八面体陽イオンの数は2〜3であり、2八面体
型のバーミキュライトと3八面体型のバーミキュライト
の両方がある。黒雲母や金雲母の風化によってできた粗
粒のバーミキュライトは3八面体である。
【0027】(C)緑泥石(chlorite)の構造
はスメクタイトとバーミキュライトの構造と類似してお
り、それらの底面間隔は14〜15Aである。典型的な
緑泥石は2:1型の含水ケイ酸塩であり、2:1層の性
格によって、3八面体型緑泥石と2八面体型緑泥石に大
別できる。3八面体型緑泥石は次式で表される。 (R6-x 2+x 3+)(Si4-x Alx )O10(OH)8 ただし、R2+はMgとFe2+を主とするが、Mn2+、N
2+なども含まれる。R3+はAlが主で、Fe3+、Cr
3+なども含まれる。xは0.8〜1.6の値を示す。R
2+がMgを主とするものをクリノクロア〔clinoc
hlore,(Mg5 Al)(Si3 Al)O10(O
H)8 〕,Feを主とするものをシャモサイト〔cha
mosite,(Fe5 Al)(Si3 Al)O10(O
H)8 〕と呼んでいる。その他、Mnを主成分とするペ
ナンタイト(pennantite)Niを主成分とす
るニマイト(nimite)がある。Alを主な八面体
陽イオンとする2八面体緑泥石にはスドーアイト〔須藤
石,Sudoite,(Mg,Al)4.6-5 (Si,A
l)4 10(OH)8 〕,クッケアイト〔cookei
te,(LiAl4 )(Si3 Al)O10(O
H)8〕,ドンバサイト〔donbassite,Al
4-4.2 0.2-(Si,Al)410(OH)8 〕の3種
がある。
【0028】スメクタイトは属する粘土鉱物であるモン
モリロナイトを主成分とし、石英,α−クリストバライ
ト,オパール,長石,雲母,沸石,方解石,ドロマイ
ト,石膏,鉄酸化物などを夾雑物として含むものがベン
トナイトと呼ばれるものである。ベントナイトには、N
aイオンに富んだナトリウムベントナイトとCaイオン
に富んだカルシウムベントナイトがあるが、ナトリウム
ベントナイトが膨潤力に富むので、これが本発明におけ
る粘土鉱物に属し、カルシウムベントナイトは膨潤力が
弱いので、本発明の範囲から除外される。
【0029】高膨潤性粘土鉱物は、単独でも混合して用
いてもよい。その使用量は超重質油エマルション燃料1
00重量部に対して通常0.005〜2.5重量部、好
ましくは0.02〜1.0重量部である。また、高膨潤
性粘土鉱物と水溶性高分子を適当な割合で併用してもよ
い。高膨潤性粘土鉱物と水溶性高分子を併用する場合
は、その割合は100:1〜1:100であるのが好ま
しい。なお、乳化剤や分散剤を増粘剤の補助として使用
することも場合によっては好結果をもたらすことがあ
る。さらに、増粘剤に非イオン界面活性剤を添加すると
好結果が得られることもある。この場合の非イオン界面
活性剤の添加量は、増粘剤に対して1〜200重量%で
ある。ここで使用される非イオン界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが特に好
適であるが、市販されている一般の非イオン界面活性剤
も用いることができる。
【0030】上記の水溶性高分子及び/又は高膨潤性粘
土鉱物を増粘剤として劣化した超重質油エマルション燃
料に添加してエマルションの粘度を400cp(50
℃)以上、好ましくは400〜3000cp(50℃)
に調整した後、高剪断速度を加えて攪拌する。
【0031】本発明に用いられる撹拌の手段としては、
1台以上の高剪断型の撹拌装置を使用する。ここで、高
剪断速度とは通常1,000〜60,000s-1の剪断
速度をいい、好ましくは3,000〜20,000s-1
の剪断速度、さらに好ましくは4,000〜20,00
0s-1の剪断速度である。高剪断型の撹拌装置として
は、例えばラインミキサー、矢羽根タービン翼、プロペ
ラ翼、ブルマージン型翼、バドル翼などをもつ撹拌装置
が好適に用いられる。更に高剪断型の撹拌装置に加えて
1台以上のスタティックミキサーを組合わせることも好
ましい。例えば、1〜3個の高剪断型の撹拌装置と1〜
3個のスタティックミキサーの組合わせが挙げられる。
スタティックミキサーはエマルションを均一に混合する
ことを目的とし、プラペラ型の攪拌機など一般の攪拌機
で十分であり、特に高剪断速度は必要としない。これを
高剪断型の撹拌装置と組み合わせることにより、高剪断
の効率を高めることができる。組み合わせは一般の撹拌
機、例えばスタティックミキサーと高剪断型の撹拌装
置、例えばラインミキサーを直列的に組み合わせる。こ
れはスタティックミキサーで増粘剤とエマルションをよ
く混合し、ついで高剪断型の撹拌機で粗大粒子を低減さ
せるためである。
【0032】本発明における実施の態様の代表的なもの
を図1に例示した。ただし他の態様を除外するものでは
ない。
【0033】このようにして本発明の再生方法により再
生された超重質油エマルション燃料は、最終的には約3
00〜500cp(50℃)程度の粘度に調整され、ま
た粒径150μm以上の粗粒子の含量は3%未満、好ま
しくは1%以下にまで低下され、粗粒子含量が2〜0.
1%程度、好ましくは0.5〜0.1%程度の製品とし
て使用される。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0035】実施例1 150μm以上の粗粒子量が21%、粘度203cp
(50℃)の劣化超重質油エマルション燃料(アスファ
ルト濃度74%)を図1に示す再生装置を用いてパイロ
ット規模で再生した。即ち、貯蔵タンク2中で50℃に
加温された上記の劣化エマルション1を循環ポンプ5に
より定量供給し、増粘剤6を加え、ヒーター4で加温
し、スタティックミキサー7で混合した後、高剪断型の
撹拌装置8で6000s-1の剪断速度で攪拌した。得ら
れた結果を表1に示す。なお、粘度の測定は、ハーケ製
二重円筒型回転粘度計RV−2型(センサーMV−1)
を用い、25℃において100/秒で測定した。また、
粗粒子量は、湿式篩(φ75)を用いて150μmの成
分を測定した。すなわち、エマルションを20g秤量
し、篩上に注ぎ込み、水をかけて洗浄した後、真空乾燥
機で乾燥し、乾燥後の篩に残った量を測定し、粗粒子量
を算出した。
【0036】表1から明らかなように、増粘剤としてカ
ルボキシメチルセルローズ、キサンタンガム、ポリビニ
ルアルコール、又はスメクタイトのいずれを用いた場合
も、また高速剪断をかける前のエマルション粘度を59
0〜800cpの範囲に調整した場合にも、得られたエ
マルション中の粒径150μm以上の粗粒子の量は21
%から2%以下に減少し、超重質油エマルション燃料の
再生が達成された。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 実施例1と同じ方法で、高剪断速度のみが異なる条件を
用いて、劣化したエマルション燃料を再生した。増粘剤
としてはCMCを用い、増粘剤を加えた後の再生前のエ
マルション粘度は728cp(50℃)である。このエ
マルションを用い、剪断速度を変えてエマルションを再
生したときの結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明により、超重質油エマルション燃
料を取り扱うプラントでは、再生設備を設置することで
入手した燃料すべてを製品として提供、または消費が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用される再生装置の1例を
示す。
【符号の説明】 1 劣化エマルション 2 貯蔵タンク 3 攪拌機 4 ヒーター 5 ポンプ 6 増粘剤 7 スタティックミキサー 8 高剪断型攪拌装置 9 ボイラー
フロントページの続き (72)発明者 一ノ瀬 利光 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 坂本 康一 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−108072(JP,A) 特開 平6−145678(JP,A) 特開 平6−100873(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10L 1/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径150μm以上の粗粒子を3%以上
    含む、エマルション調製時よりも粘度の低下した初期
    化した超重質油エマルション燃料に対し、増粘剤として
    分子量30000〜5000000の水溶性天然高分子
    及び分子量30000〜5000000の水溶性合成高
    分子からなる群より選ばれる水溶性高分子を劣化した超
    重質油エマルション燃料100重量部に対して0.00
    1〜1重量部、又は増粘剤として高膨潤性粘土鉱物を劣
    化した超重質油エマルション燃料100重量部に対して
    0.005〜2.5重量部添加してエマルション粘度が
    400cp〜3000cp(50℃)となるように調整
    し、ついで高剪断型の撹拌装置を用いて剪断速度100
    0s−1〜60000s−1で撹拌して、粒径150μ
    m以上の粗粒子の含量を3%未満にすることを特徴とす
    る劣化した超重質油エマルション燃料の再生方法。
  2. 【請求項2】 分子量30000〜5000000の水
    溶性天然高分子が、微生物由来の多糖類、植物由来の多
    糖類、及び動物由来の蛋白質からなる群より選択される
    1種以上である請求項1記載の再生方法。
  3. 【請求項3】 分子量30000〜5000000の水
    溶性合成高分子が、アクリル酸又はその誘導体のホモポ
    リマーもしくは共重合可能なモノマーとのコポリマー、
    アクリルアミド又はその誘導体のホモポリマーもしくは
    共重合可能なモノマーとのコポリマー、無水マレイン酸
    又は無水イタコン酸のホモポリマーもしくはこれらと共
    重合可能なモノマーとのコポリマー、ビニルアルコール
    のホモポリマーもしくは共重合可能なモノマーとのコポ
    リマー、ビニルピロリドンのホモポリマーもしくは共重
    合可能なモノマーとのコポリマー、及びポリアルキレン
    オキシドからなる群より選択される1種以上である請求
    項1記載の再生方法。
  4. 【請求項4】 高膨潤性粘土鉱物が、スメクタイト、バ
    ーミキュライト及び緑泥石からなる群より選択される1
    種以上である請求項1記載の再生方法。
  5. 【請求項5】 増粘剤にさらに非イオン界面活性剤を加
    えることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか1項
    に記載の再生方法。
  6. 【請求項6】 剪断速度が4000s-1〜20000s
    -1である請求項1〜請求項5いずれか1項に記載の再生
    方法。
  7. 【請求項7】 超重質油エマルション燃料中の油の濃度
    が70重量%〜80重量%である請求項1〜請求項6い
    ずれか1項に記載の再生方法。
  8. 【請求項8】 1〜3個の高剪断型の撹拌装置と1〜3
    個のスタティックミキサーを組み合わせることを特徴と
    する請求項1〜請求項7いずれか1項に記載の再生方
    法。
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