JP2860223B2 - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JP2860223B2
JP2860223B2 JP5076097A JP7609793A JP2860223B2 JP 2860223 B2 JP2860223 B2 JP 2860223B2 JP 5076097 A JP5076097 A JP 5076097A JP 7609793 A JP7609793 A JP 7609793A JP 2860223 B2 JP2860223 B2 JP 2860223B2
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光巖 倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像信号に応じて光
ビームの発光を制御しつつ、当該光ビームを感光材上へ
走査して画像を記録する画像記録装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】網点発生器(ドットジェネレーター)が
発生する網点信号に基づいてを感光材(以後、フィルム
と称す)上に画像を形成させる方法としては、発光源を
有する結像光学系が用いられている。そのような結像光
学系を利用した画像記録装置の一例としては、ポリゴン
ミラー(回転多面鏡)とf・θレンズとレーザダイオー
ド(LDと称す)とを用いたものがある(後述する図1
参照)。この場合、上記フィルムとしては、例えば図1
3に示すような濃度−光量特性を有するリスフィルムが
広く用いられている。そのため、フィルムに照射する光
の光量を、当該フィルムが感光するのに必要な光量(図
13では光量PTH)以上の値に設定する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以下に述べる
理由により、フィルム上の単位面積当たりの露光量がフ
ィルムの臨界露光量に達し得ず、フィルムが十分に黒化
しないケースが発生していた。かかる事由としては、主
として結像光学系の解像力の低下を挙げることができ
る。具体的には、次の通りである。
【0004】 結像光学系(f・θレンズ等)の焦点
深度を深くすると、光束を十分に絞りきれない結果、光
束が太くなり解像力が低下する。逆に、光束を十分に絞
ると、焦点深度は浅くなり、次のの事由と背反するこ
ととなる。
【0005】 上記結像光学系の焦点面の機械的精度
が上記で述べた焦点深度による影響を十分に吸収する
程に高くないため、集光されない光束が焦点面上に照射
され、いわゆるピンボケ状態となる結果、更に解像力が
低下していた。
【0006】 フィルム上を走査する平面走査では、
光学的な焦点面に湾曲が生じているため同じくピンボケ
状態となり、更に解像力が低下していた。
【0007】上記〜の理由により十分に絞りきれて
いない光束をフィルム上に照射した場合には、図14
(b)に示すように、露光量13がフィルムの臨界露光
量12に達し得ず、黒化されないこととなる。このた
め、正確な網点面積を確保できず、濃淡ムラが発生す
る。一方、図14(a)は、十分に絞りきった光束を照
射した場合であり、図中、斜線部分が黒化部分となる。
【0008】ここで、上記事由により十分に絞りきれて
いない光束を照射した場合に、所望の網点形状が得られ
なくなる点を明示する。図15は、主走査方向Xへ光ビ
ームを走査した場合における単位面積当たりの露光量を
示した図である。同図中、13は臨界露光量12に達し
得ない光ビームを照射した場合の露光量であり、破線1
5は、理想的な状態での光ビーム(十分に絞られている
状態)を照射した場合の露光量である。破線15で表さ
れる理想的な光ビームを照射した場合には、露光領域
(ON範囲)は範囲X0 となる。しかし、光ビームの光
量が露光量13となる場合には、全体として見た場合に
は、露光量は一点鎖線14で表わされることとなるが、
この場合には実質的な露光領域が範囲X1 (X1
0 ) となってしまい、本来得られるべき網点形状の両
端付近に相当する部分が露光されなくなる。この状態を
模式的に示したのが、図16である。本図に示すよう
に、所望の網点形状(50%網点)に対して未露光部分
10が生じ、黒化部分11は小さくなる。
【0009】又、上記の通り露光の重複部分が少ない場
合(累積露光量<臨界露光量)には、隣接する網点間の
接点に未黒化部分が生じ、その様な未黒化の接点がマク
ロ的に連なる結果、規則的な濃淡ムラが発生することと
なる(図17参照)。
【0010】一方、図15において二点鎖線16で示す
ように、LDの出力変動等によって露光量16が必要以
上に多くなった場合には、逆に露光領域が範囲X3 (X
3 >X0 )となり、この場合にも所望の網点形状を実現
することができなくなる。つまり、この場合には、実質
的な露光量を軽減する必要が生じる。
【0011】そこで、このような問題点を是正すべく、
機械的にも光学的にも焦点面に湾曲を生じさせない結像
光学系を製作することが必要となる。しかし、その様な
製作は、技術的に見て極めて困難である。
【0012】加えて、外因的な要素によっても露光量に
影響が生じる。例えば、LDの光量が温度特性や経時特
性によって変化する場合もあり、又、フィルムの現像時
の条件によっても臨界露光量に変化が生ずる場合もあ
る。このような外因的要素をも考慮して、フィルム上に
発生する濃淡ムラを改善し得る画像記録装置が求められ
ている。
【0013】
【発明の目的】この発明は、以上のような問題点及び要
望に基づいてなされたものであり、規則的な濃淡ムラが
感光材上に発生するのを防止することを第1の目的とし
ている。
【0014】又、この発明は、かかる濃淡ムラの発生を
画像記録に必要な情報に応じて防止し得ることを第2の
目的としている。
【0015】更にこの発明は、網点面積率を様々に変化
させつつ上記濃淡ムラの発生防止を実現することを第3
の目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る発明
は、(a) 記録すべき画像を2値化した第1画像信号
を読込み、第1画像信号がONレベルを指示する第1時
間と、OFFレベルを指示する第2時間との比率を、入
力信号が指令する情報に応じて変更するように、第1画
像信号における第1時間または第2時間を変更して第2
画像信号として出力する第2画像信号生成手段と、
(b) 第2画像信号生成手段に接続され、第2画像信
号がONレベルにあるときに光ビームを発光する発光手
段と、(c)光ビームを感光材上へ走査して画像を当該
感光材上に記録する走査手段とを備えている。
【0017】
【0018】 請求項に係る発明は、請求項1記載
の発明に於いて、()第1画像信号の出力タイミング
を与えるクロック信号を記憶手段に出力するクロック信
号生成手段と、()クロック信号生成手段に接続さ
れ、乱数を指令する乱数信号をクロック信号に応じて第
2画像信号生成手段に出力する乱数生成手段とを更に備
えており、第2画像信号生成手段は乱数信号に応じて比
率をランダムに変更する手段としたものである。
【0019】 請求項に係る発明は、請求項記載
の発明に於いて、()画像記録に必要な情報を与える
入力信号を乱数生成手段に出力する入力信号生成手段を
更に備え、乱数生成手段は情報に応じた範囲内で乱数信
号を出力する手段としたものである。
【0020】
【作用】 請求項1に係る発明では、第2画像信号生
成手段は、第1画像信号がONレベルを指示する第1時
間とOFFレベルを指示する第2時間との比率を変更
し、第2画像信号として発光手段に出力する。発光手段
は、当該第2画像信号を受けて、第2画像信号がON
ベルにある時間内に光ビームを発光し、光ビームは当該
ONレベルにある時間内にのみ走査手段によって感光材
上を走査される。即ち、第2画像信号生成手段は、感光
材上への光ビームの照射時間を制御することとなる。
【0021】 また、第2画像信号生成手段は、入力
信号生成手段が指令する情報に応じて、感光材上への光
ビームの照射時間を制御する。
【0022】 請求項に係る発明では、クロック信
号に同期して第1画像信号が第2画像信号生成手段に与
えられる一方、乱数生成手段が同じく乱数信号を第2画
像信号生成手段へ出力する。第2画像信号生成手段は、
当該乱数信号に応じて第1画像信号の第1時間と第2時
間との比率をランダムに変更することとなる。即ち、第
2画像信号生成手段は、感光材上への光ビームの照射時
間をランダムに制御することとなる。
【0023】 請求項に係る発明では、第2画像信
号生成手段は、画像記録に必要な情報に応じて定められ
る範囲内で、上記第1画像信号の第1時間と第2時間と
の比率をランダムに変更することとなる。
【0024】
【実施例】 A. 第1実施例
【0025】(1) 画像記録装置の光学的・機械的構
【0026】図1は、画像記録装置の機械的、光学的構
成を模式的に示した斜視図である。本図に示された構成
は、以下に述べる第1実施例以外の各実施例についても
共通した構成部分である。
【0027】LD1は、画像信号より作成された駆動信
号VDRに応じて発振する。ポリゴンミラー2は、その軸
8の周りに回転しており、LD1より出た光ビームLB
をf・θレンズ3の方向へ反射する。その後、光ビーム
LBは、f・θレンズ3を介して、フィルム4(リスフ
ィルム)上を主走査方向Xへ走査される。この場合、既
知の通り、光ビームLBの主走査方向Xへの走査速度
は、ポリゴンミラー2の角速度に比例している。
【0028】一方、フィルム4は、中心軸9の周りに回
転するシリンダ5と押えローラ6、7とによって、副走
査方向Yへ移動する。
【0029】尚、光ビームLBのフィルム4上における
走査範囲は、光ビームLBの主走査方向Xへの走査範囲
よりも狭い(図7参照)。
【0030】(2) 画像記録装置の電気的構成
【0031】図2は、LD1の駆動部の電気的構成を示
したブロック図である。先ず、記録すべき画像信号VI
が予めドットジェネレータ18に格納されている。この
ドットジェネレータ18は、パラレルな画像信号VI
らシリアルな画像信号VIMG(1ビット信号)を生成
し、1走査ライン毎に当該画像信号VIMG をラッチ20
へ出力する。本画像信号VIMG は、LD1の発光(光ビ
ームLB)をON/OFFするビームON/OFF信号
である。即ち、この画像信号VIMG に応じて、所望の網
点が形成される。
【0032】上記ラッチ20には、クロック発生器19
が接続されており、当該クロック発生器19が出力する
クロック信号VCLに同期して、ラッチ20は画像信号V
0 を出力する。
【0033】ラッチ20の出力端には、(n−1)個の
遅延回路D1 〜Dn-1 とセレクタ22のIn 端子とOR
回路23の一方の入力端とが接続されている。しかも、
これらの遅延回路D1 〜Dn-1 の出力端は、それぞれセ
レクタ22のI1 〜In-1 端子に接続されており、本セ
レクタ22の出力端OはOR回路23の他方の入力端に
接続されている。
【0034】一方、数値発生器21は、入力部25(C
PUやキーボード等を備えた部分)から与えられる入力
信号VINが指令する一定の数値(mビットで表示され
る)を格納している。この数値は、セレクタ22のn個
の端子I1 〜In の中からいずれか一つの端子I
i (i:1〜n)を指示する値である。従って、n=2
m の関係が成立する。又、数値発生器21の制御端に
は、前述のクロック発生器19が接続されている。従っ
て、当該数値発生器21は、クロック信号VCLに同期し
て、当該数値を指令する信号VS をセレクタ22のS1
〜Sm 端子へ出力する。その結果、セレクタ22は、S
1 〜Sm 端子に与えられた信号VS に同期して、当該信
号VS が指示する数値に対応した端子をII 〜In-1
子又はIn 端子の中から選択する。この場合、各遅延回
路D1 〜Dn-1 には、それぞれ異なる遅延量が設定され
ている。
【0035】OR回路23の出力端は、LD駆動回路2
4に接続されており、更にLD駆動回路24の出力端は
LD1へ接続されている。
【0036】(3) LD駆動部の動作
【0037】今、入力信号VINがセレクタ22のi番目
のIi 端子を指示する信号であるものとする。この場
合、Ii 端子に相当した数値を、数値発生器21は信号
S として出力する。その結果、画像信号V0 の一部は
第i番目の遅延回路Di (遅延時間Δti に設定されて
いる)に入力する他、その一部は直接にOR回路23に
入力する。遅延回路Di に入力した画像信号V0 は、遅
延時間Δti だけ遅延された上、セレクタ22のO端子
から遅延された画像信号VDiとしてOR回路23へ出力
される。尚、i=nの時には、遅延時間Δtn は0であ
り、VDn=V0 という関係が成立する。上記遅延を示し
たのが、図3に示すタイミングチャートである。
【0038】図3(a)は画像信号V0 (第1画像信
号)を示しており、この例では、そのレベルは、時刻t
1 から時刻t2 までの間はHレベル(第1レベルに該
当)にあり、時刻t2 から時刻t4 までの間はLレベル
(第2レベルに該当)にあるものとしている。即ち、H
レベルにある時間とLレベルにある時間とは互いに等し
く、共に時間T0 である。それに対して、遅延された画
像信号VDiは、同図(b)に示すように、画像信号V0
に対して遅延時間Δti だけ遅延した信号となる。その
結果、OR回路23の出力信号である画像信号VB (第
2画像信号に該当)は、同図(c)に示すように、時刻
1 から時刻t3 までの間はHレベルにあり、時刻t3
から時刻t4 までの間はLレベルにある信号となる。こ
のように、画像信号VB は、Lレベルにある時間に較べ
てHレベルにある時間の方が長いという信号になる。こ
の場合の画像信号VB がHレベルにある時間T1 とLレ
ベルにある時間T2 との比率γは、γ=T1 /T2
(T0 +Δti )/(T0 −Δti )>1となる。この
画像信号VB がLB駆動回路24を介して駆動信号VDR
としてLD1に印加されることとなるので、本実施例で
は、画像信号V0 を直接LD1に印加した場合に比べ
て、遅延時間Δti だけLD1の点灯時間が長くなる。
なお、図3(d) は、時間軸を示している。
【0039】このようにLD1の点灯時間を遅延時間Δ
i だけ延長することとしたので、その単位面積当りの
露光量が臨界露光量に達しない光束をフィルム4に照射
する場合であっても、重複露光部分が多くなる結果、単
位面積当たりの累積光量を臨界露光量以上に確保するこ
とが可能となる。この点を模式的に示したのが、図4で
ある。同図に示すように、斜線を施した部分が重複露光
となるので、全体として露光量を増加させることがで
き、臨界露光量以上の部分が黒化されることとなる。こ
の場合、光ビームLBは主走査方向Xへ連続的に走査さ
れているので、上記重複露光部分が連なって発生するこ
ととなり、マクロ的に見える濃淡ムラの発生を防止する
ことができる。
【0040】ここで図5((d) :時間軸)に示すタイミ
ングチャートの内、(a)はクロック信号VCLを示して
おり、(b)は画像信号V0 を示している。但し、図5
においては、黒(露光)と白(露光せず)とが交互に繰
り返される場合を示している。従って、画像信号V0
しては、HレベルとLレベルとが交互に繰り返される1
ビット信号となる。本実施例によって得られる画像信号
B は、丁度、図5の(c)に示した信号に相当してい
る。即ち、Hレベルにある時間が遅延時間Δt(尚、こ
こでは遅延時間をΔtと記す)だけ一律に延長された信
号となる。
【0041】一方、図6は、図5のように黒と白とを交
互に繰り返して露光するようなケースではなく、黒、
黒、黒、黒、白、白、黒、黒というように露光するケー
スを示している((a) :クロック信号VCL,(b) :画像
信号V0 )。この場合にも、画像信号VB は、同図
(c)に示すように、Hレベルにある時間が遅延時間Δ
tだけ延長された信号となる。
【0042】入力部25から与える入力信号VINとして
は、画像記録の際に必要な情報に従って様々にその値を
変えることができる。即ち、そのような情報に応じて、
遅延回路を選択し、LD1の点灯時間の延長時間を制御
することができる。そのような情報としては、次のよう
なものがある。
【0043】 先ず、スクリーン線数に応じて、数値
発生器21が出力する数値の値を変えることができる。
この場合、スクリーン線数を大きくするときには、画像
信号VB がHレベル時間にある時間を短くすればよいの
で(前述の比率γを小さくすればよい)、より遅延時間
Δti が短い遅延回路を選択するように、数値発生器2
1に格納する数値を定めればよいこととなる。
【0044】逆にスクリーン線数を更に小さくしたいと
きには、より遅延時間Δti が長い遅延回路を選択する
様に、数値を定めることとなる。
【0045】 又、記録線密度の値に応じて、LD1
の点灯時間の延長時間を制御することもできる。ここで
記録線密度とは、隣り合う露光ピクセルの中心間距離に
相当している。この場合、記録線密度を大きく設定した
い時には、同じく画像信号VB がHレベルにある時間を
短くすればよいので、遅延時間Δti の短い遅延回路を
選択するように、数値発生器21に格納する数値を定め
ればよいこととなる。逆に記録線密度の値を小さく設定
するときには、より遅延時間Δti の長い遅延回路を選
択するように数値を定める必要がある。
【0046】 又、フィルム4の自現特性に応じて、
数値発生器21に格納する数値を決定することもでき
る。即ち、フィルム4を露光した後の現像条件によって
は臨界露光量を変更させなければならない場合もあるの
で、この自現特性を考慮した上で露光量を定める必要が
ある。そのため、LD1の点灯時間をも制御する必要が
ある。この点を考慮して、入力部25から適切な数値、
即ち、適切な遅延回路を指示する入力信号VINを数値発
生器21へ与えることとなる。
【0047】 更に、LD1の光量変化をも考慮して
LD1の点灯時間を制御する必要があるので、当該LD
1の光量の観測結果に応じて、遅延回路の選択を行うこ
ともできる。この場合、LD1の光量は、温度特性や経
時特性等によって変動するため、光量が多くなった場合
には、露光量を減少させる必要があるため、この場合に
もより遅延時間Δti の短い遅延回路を選択するような
数値を数値発生器21に格納することとなる。逆にLD
1の光量が減少する時には、露光量をより多くする必要
があるので、前述の比率γを大きくすべく、より遅延時
間Δti の長い遅延回路を選択するような数値を定める
こととなる。
【0048】LD1の光量測定の方法としては、例えば
図7に示すような方法がある。即ち、シリンダ5の中心
軸9の延長上には光センサ32が設けられており、当該
光センサ32は光ビームLBを検出して、その光量信号
を電流/電圧変換器33へ出力する。電流/電圧変換器
33により変換された信号は、A/D変換器34を介し
てCPU35へ送られ、当該CPU35は検出した光量
信号の結果に応じて適切な遅延回路を指示する数値を決
定し、当該結果を入力信号VIN2 として前述の数値発生
器21へ出力し格納する。
【0049】上記のようにスクリーン線数等の値に応じ
て数値発生器21に格納する数値を変更すると、その変
更に応じてLD1の点灯時間の延長時間を変えることが
できる。前述の図5(c)の場合には、上記数値の変更
に伴い、遅延時間Δtが変わることとなる。
【0050】本第1実施例では、クロック信号VCLに同
期して数値発生器21から信号VSを出力させていた
が、これに限定されるものではない。例えば、クロック
信号VCLとは別のクロック信号によって数値を与える信
号VS を常に出力するようにすることもできる。この場
合には、当該クロック信号は、信号VS を出力する為の
スタート信号の役割をなすこととなる。
【0051】又、本第1実施例ではHレベルを第1レベ
ルに、Lレベルを第2レベルに対応させていたが、その
逆の形態(第1レベルをLレベルに、第2レベルをHレ
ベルに)で構成することもできる。更に、LD1の他
に、発光ダイオード等を発光素子として用いることもで
きる。これらの点については、後述する各実施例におい
ても同様のことが成り立つ。
【0052】B. 第2実施例
【0053】図8は、第2実施例におけるLD駆動部の
電気的構成を示したものであり、他の構成については第
1実施例と同様である。本第2実施例が前述の第1実施
例と異なるところは、OR回路23に替えてAND回路
26を設けた点にある。それ以外については、第1実施
例と同一である。このAND回路26を用いて画像信号
B1を形成することにより、第1実施例の場合とは逆
に、LD1の点灯時間を短く制御することが可能とな
る。即ち、本第2実施例は、フィルム4上に照射された
光ビームの露光量が図15における露光量16となるよ
うな場合に対処するためのものである。
【0054】ここで図9(a)〜(c)は、それぞれ画
像信号V0 、VDi、VB1のタイミングチャートを示して
いる。但し、同図(d)は時間軸である。本図において
も図3と同様に、画像信号V0 は、時刻t11から時刻t
13までの間はHレベルにあり、時刻t13から時刻t14
での間はLレベルにある。従って、画像信号V0 の比率
γは1となる。この場合、AND回路26の出力信号で
ある画像信号VB1は、図9(c)に示すように、時刻t
11から遅延時間Δti だけ遅延した時刻t12においてL
レベルからHレベルへ立ち上がり、時刻t13においてL
レベルへ立ち下がる信号となる。従って、画像信号VB1
がHレベルにある時間T1 は、画像信号VB1がLレベル
にある時間T2 に比べて短くなり、その比率γは、γ=
1 /T2 =(T0 −Δti )/(T0 +Δti )<1
となる。その結果、LD1の点灯時間は画像信号V0
印加される場合に比べて短くなり、重複露光部分が減少
するので、全体として露光量が減少し、露光範囲を適切
な範囲X0 へ調整することができる。
【0055】同じく、図5(d)及び図6(d)に、本
第2実施例における画像信号VB1の波形を示す。
【0056】本第2実施例においても、上記画像記録に
必要な情報(スクリーン線数等)の変更に応じて数値発
生器21に格納する数値を変更し、これにより適切な遅
延時間Δti を有する遅延回路を選択することができ
る。従って、数値発生器21に与える入力信号VINの値
を変更する毎に、画像信号VB1の比率γの値が変化する
こととなる。
【0057】C. 第3実施例
【0058】図10は、この発明の第3実施例としての
画像記録装置のLD駆動部を示したブロック図である。
本実施例は、mビットの乱数発生器を用いてLDの点灯
時間をランダムに変化させようとするものである。
【0059】mビットの乱数発生器27は、クロック発
生器19が出力するクロック信号VCLに同期して、mビ
ットの乱数を発生する。乱数は、一旦ラッチ28に格納
された上で、同じくクロック信号VCLに同期して当該ラ
ッチ28から出力され、セレクタ29の端子S1 〜Sm
に入力され、その乱数値がセレクタ29により検出され
る。この検出値に従って、セレクタ29は対応する端子
をn個の端子I1 〜In の中から抽出する。その結果、
n個の遅延回路D1 〜Dn-1 とIn 端子とが乱数値に応
じてランダムに選択され、遅延された信号VDiは、その
遅延時間Δtiが乱数値に応じて様々に変化する信号と
なる。その結果、OR回路23の出力信号である画像信
号VB2は、例えば図5(c)に示すような信号となる。
このような画像信号VB2によってLD1は駆動されるこ
ととなるので、LD1の点灯時間の延長時間はランダム
に変化することとなる。尚、本実施例では、n=2m
関係となっている。
【0060】図10ではOR回路23を用いてランダム
に遅延させることとしたが、OR回路23に替えてAN
D回路を用いることもできる。この場合には、例えば図
5(d)や図6(d)に示すような信号の遅延時間Δt
が乱数値に応じて様々に変化することとなる。つまり、
前述した比率γがγ<1の関係を常に満たしながら様々
に変化することとなる。これにより、LD1の点灯時間
を画像信号V0 で駆動する場合に比較して様々な時間で
短縮することが可能となる。
【0061】D. 第4実施例
【0062】図11は、この発明の第4実施例としての
画像記録装置のLD駆動部を示すブロック図である。本
第4実施例は、mビットの乱数発生器27が発生する乱
数値に応じてLDの点灯時間の延長時間をランダムに変
化させると共に、LDの点灯時間をランダムに短縮する
ことをも可能とするものである。更に本第4実施例で
は、前述した画像記録に必要な情報に応じて、LDの点
灯時間をランダムに変化させる範囲をもコントロールし
ようとするものである。
【0063】乱数発生器27と乱数変換器30及びラッ
チ28が、クロック発生器20に接続されている。又、
乱数変換器30には入力部25が接続されると共に、ラ
ッチ28の出力端は乱数判定部31に接続されている。
この乱数判定部31は、その判定結果をセレクタ32に
出力すると共に、同じくAND/OR回路33へも出力
する。
【0064】先ず、乱数発生器27がクロック信号VCL
に同期してmビットの乱数信号VRを乱数変換器30に
出力すると、当該乱数変換器30は、入力した乱数信号
R(その値をxと記載する)を異なる値の乱数信号V
1 (その値をyと記載する)に変換する。この変換とし
ては様々なものを適用することができるが、ここでは一
例として、線形変換する場合を説明する(尚、非線形変
換することも可能)。即ち、乱数変換器30は乱数値x
を、y=ax+bの式に従って乱数値yに変換する。こ
こで、係数aと切片bとは、共に入力部25によって与
えられる(入力信号VIN1 )。変換後の乱数信号V
1 (mビットの信号)は、ラッチ28を介して、乱数判
定部31へ送られる。
【0065】乱数判定部31は、送られてきた乱数信号
1 が示す乱数値yの符号を判定して、その符号を示す
信号V3 (+/−信号)をAND/OR回路33へ出力
する。又、乱数判定部31は、乱数値yの絶対値|y|
を求めた上、当該絶対値|y|を信号V2 としてセレク
タ32へ出力する。
【0066】セレクタ32は、信号V2 に応じて、絶対
値|y|に対応した端子をn個の端子I1 〜In から抽
出すると共に(対応関係は予め設定されている)、選択
された遅延回路Di (i;1〜n−1)によって遅延さ
れた信号乃至は端子In が選択された時には画像信号V
0 そのものを、画像信号VdiとしてAND/OR回路3
3へ出力する。
【0067】一方、AND/OR回路33は、信号V3
に同期して、それ自身が内部に有するAND回路とOR
回路とを切り分ける。即ち、信号V3 が+を指示する場
合には、AND/OR回路33はOR回路を選択し、両
画像信号V0 、VDiの論理和を求めた上、その論理和信
号を画像信号VB3として出力する。逆に、信号V3 が−
を指示する場合には、AND/OR回路33はAND回
路を選択し、両画像信号V0 、VDiの論理積を求めた
上、当該論理積信号を画像信号VB3として出力する。従
って、乱数値yが+の値の時にはLD1の点灯時間がラ
ンダムに延長される一方、乱数値yが−の値の時にはL
D1の点灯時間がランダムに短縮されることとなる。こ
れにより、乱数値yの値によっては、LD1の点灯時間
を常にランダムに延長させることができたり、逆に常に
LD1の点灯時間をランダムに短縮させることができる
一方、LD1の点灯時間の延長と短縮とをランダムに混
在させて変化させることも可能となる。具体的には、次
の通りである。
【0068】例えば、図12の(a)〜(d)に示すよ
うな場合である。この場合には、説明の簡単化のため、
係数値aは全て一定値a1 (a1 >0)に設定されてい
る。
【0069】先ず、同図(a)の場合には、入力部25
から係数値a1 と切片b1 とが乱数変換器30へ与えら
れている。ここで切片b1 は、b1 >0である。その結
果、変換後の乱数値yは、b1 ≦y≦y1 となり、常に
正の値となる。ここで記号y1 とは、a1 ・2m +b1
で与えられる値を示している。その結果、LD1の点灯
時間は、常に延長される方向へランダムに変化すること
となり、ピンボケ状態で露光する場合であっても各網点
面積率を増加させる形態で様々に変化させることがで
き、濃淡ムラを緩和することができる。
【0070】図12(b)の場合も又、同図(a)と同
様となる。但し、この場合には、切片bの値は、入力部
25の指示によって0値に変更されている。
【0071】同図(c)の場合には、切片bとしては負
の値、即ち−b2 (b2 >0)に設定されている。しか
も、この場合には、乱数値yが正と負との値を取り得る
ケースである。この結果、本ケースでは、画像信号VB3
は、例えば図5(f)に示すような信号となり、LD1
の点灯時間がランダムに延長される場合とランダムに短
縮される場合とが、ランダムに混在することとなる。こ
れにより、露光中に光ビームの光量が変動する場合であ
っても、ピンボケ状態の影響を克服して濃淡ムラの発生
を防止することができる。
【0072】逆に図12(d)の場合は、乱数値yの値
が常に負の値となるケースである(b3 >0)。従っ
て、LD1の点灯時間は常にランダムに短縮されること
となる。本ケースは、LD1の光量が常に大きくなり過
ぎる場合に適したケースである。
【0073】このように本実施例では、上述した画像記
録に必要な情報(スクリーン線数等)に応じて切片bや
傾きaの値を変更することにより、上記比率γを様々な
範囲内で且つその範囲内でランダムに変化させることが
可能となる。
【0074】尚、本第4実施例において、傾きaの値を
0値に設定しておけば、前述の第1実施例や第2実施例
を実現することができる。この場合、切片bの値を画像
記録に必要な情報に応じて変化させれば良い。
【0075】又、図12の(a)と(b)とは共に前述
の第3実施例に該当しており、同じく(d)も第3実施
例で述べたAND回路を用いる場合に該当している。
【0076】
【発明の効果】請求項1〜請求項の発明は、比率を変
更することにより発光手段の発光時間を制御することが
でき、正確な網点面積を確保することができる結果、濃
淡ムラの発生を防止することができる。
【0077】加えて請求項及び請求項の発明は、ス
クリーン線数や記録線密度や自現特性や発光手段の特性
等の入力信号が指令する情報に応じて網点面積を制御す
ることができ、それぞれの情報に応じて正確に濃淡ムラ
の発生を防止することができる。
【0078】又、請求項及び請求項の発明では、比
率をランダムに変更することにより発光手段の発光時間
をランダムに制御することが可能となり、網点面積をラ
ンダムに変化させることが可能となる。従って、隣接す
る網点間の接点が黒化する部分と黒化しない部分とをラ
ンダムに形成することができ、マクロ的に見た場合には
濃淡ムラがないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像記録装置の光学的及び機械的構成を示す斜
視図である。
【図2】第1実施例のLD駆動部の構成を示したブロッ
ク図である。
【図3】各画像信号の関係を示すタイミングチャートで
ある。
【図4】この発明の原理を示した説明図である。
【図5】クロック信号と各画像信号との関係を示したタ
イミングチャートである。
【図6】クロック信号と各画像信号との関係を示したタ
イミングチャートである。
【図7】光ビームの光量検出の構成を示した斜視図であ
る。
【図8】第2実施例のLD駆動部の構成を示したブロッ
ク図である。
【図9】各画像信号の関係を示したタイミングチャート
である。
【図10】第3実施例のLD駆動部の構成を示したブロ
ック図である。
【図11】第4実施例のLD駆動部の構成を示したブロ
ック図である。
【図12】乱数値の変換の各種ケースを示した説明図で
ある。
【図13】リスフィルムの光量と濃度との関係を示した
説明図である。
【図14】従来技術の問題点を指摘した説明図である。
【図15】フィルム上の単位面積当たりの露光量を示し
た説明図である。
【図16】従来技術の問題点を指摘した説明図である。
【図17】従来技術の問題点を指摘した説明図である。
【符号の説明】
1 LD 2 ポリゴンミラー 3 f・θレンズ 4 フィルム 18 ドットジェネレーター 19 クロック発生器 21 数値発生器 22、29、32 セレクタ 23 OR回路 25 入力部 26 AND回路 27 乱数発生器 30 乱数変換器 31 乱数判定部 33 AND/OR回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−30314(JP,A) 特開 平4−86683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/44 H01S 3/103 H04N 1/405

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 記録すべき画像を2値化した第
    1画像信号を読込み、前記第1画像信号がONレベルを
    指示する第1時間と、OFFレベルを指示する第2時間
    との比率を、入力信号が指令する情報に応じて変更する
    ように、前記第1画像信号における前記第1時間または
    前記第2時間を変更して第2画像信号として出力する第
    2画像信号生成手段と、(b) 前記第2画像信号生成手段に接続され、前記第
    2画像信号が前記ONレベルにあるときに光ビームを発
    光する発光手段と、(c) 前記光ビームを感光材上へ走査して前記画像を
    当該感光材上に記録する走査手段とを、 備えた画像記録装置。
  2. 【請求項2】 () 前記第1画像信号の出力タイミ
    ングを与えるクロック信号を前記記憶手段に出力するク
    ロック信号生成手段と、 () 前記クロック信号生成手段に接続され、乱数を
    指令する乱数信号を前記クロック信号に応じて前記第2
    画像信号生成手段に出力する乱数生成手段とを更に備え
    ており、 前記第2画像信号生成手段は前記乱数信号に応じて前記
    比率をランダムに変更する手段である、 請求項1記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 () 前記画像記録に必要な情報を与
    える入力信号を前記乱数生成手段に出力する入力信号生
    成手段を更に備え、 前記乱数生成手段は前記情報に応じた範囲内で前記乱数
    信号を出力する手段である、 請求項記載の画像記録装置。
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