JP2859735B2 - 吸収性物品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収
性物品に関する。

〔従来の技術〕

従来の生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物
品は、一般に液透過性の表面シートと、液不透過性の裏
面シートと、これら両シート間に介在する吸収体とを備
え、上記裏面シートに設けられた粘着剤によってショー
ツ等の下着に固定することができるように構成されてい
るものが多い。また、最近では、吸収体によって一旦吸
収された経血、尿等が吸収体から漏れるのを防止するた
めに、吸収体を防水シートによって被覆したものも多
い。このような吸収性物品を上記裏面シートの粘着剤
は、この粘着剤を保護する剥離シートが必ず接着されて
いる。そのため、従来の吸収性物品を使用する場合に
は、剥離シートを粘着剤から剥がして下着に固定するよ
うにしていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、最近の吸収性物品、特に生理用ナプキ
ンは、粘着剤を設ける範囲が比較的広くなる傾向にな
り、これに伴って剥離シートも大きくなって、吸収性物
品の製造コストがそれだけ高くなるという課題があっ
た。

また、従来の吸収性物品を製造する場合には、剥離シ
ートを裏面シートの粘着剤に取り付けることが必要であ
り、斯る点も吸収性物品の製造コストを引き上げる要因
になっていた。

従って、本発明の目的は、剥離シートを省略すること
ができると共に、製造工程を簡素化することができ、も
って製造コストを低減することができる吸収性物品を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、吸収性物品、特に、吸収体防水シート
により被覆された吸収性物品の構造について種々検討し
た結果、裏面シートに特定の工夫を施すことにより、上
記目的を達成し得ることを知見した。

本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液透
過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これ
ら両シート間に介在する吸収体と、該吸収体の少なくと
も裏面側を被覆する防水シートとを備えた吸収性物品に
おいて、上記防水シートの上記裏面シートと接触する部
位に粘着剤を設けると共に、上記粘着剤と接触する上記
裏面シートの部位に剥離処理部を設け且つ上記裏面シー
トに該剥離処理部を上記粘着剤から剥離する剥離可能部
を設けたことを特徴とする吸収性物品を提供するもので
ある。

〔作用〕

本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品を使用する
際に、裏面シートの分離可能部で指でつまんで防水シー
トの粘着剤から剥離すると、防水シートに設けられた粘
着剤が露出し、この粘着剤が下着に接着するように吸収
性物品を下着に押し付けることによって吸収性物品を下
着に固定することができる。

〔実施例〕

以下、第１図〜第４図に示す実施例に基づいて本発明
を説明する。尚、各図中、第１図は本発明の吸収性物品
の一実施例である生理用ナプキンの腰部を示す横方向の
断面図、第２図は第１図に示す生理用ナプキンの裏面を
示す平面図、第３図は第１図に示す裏面シートの剥離可
能部を剥離除去した状態を示す平面図、第４図は本発明
の吸収性物品の他の実施例である生理用ナプキンを示す
第３図相当図である。

本実施例の生理用ナプキンは、第１図に示す如く、肌
に当接する側に設けられた液透過性の表面シート１と、
下着に当接する側に設けられた液不透過性の裏面シート
２と、これら両シート１、２間に介在し、上記表面シー
ト１を透過した経血を吸収保持する吸収体３とを備えて
いる。そして、上記表面シート１は、上記吸収体３の表
面のみを被う大きさに形成され、また、上記裏面シート
２は、上記吸収体３の裏面、周側面及び上記表面シート
１の側縁を被うように形成され、上記表面シート１の側
縁において上記裏面シート２がホットメルト型接着剤等
によってビード状に接着されて接着部４を形成してい
る。また、上記吸収体３は、裏面、周縁面及び表面の側
縁が防水シート５によって被覆されている。そして、上
記吸収体２の表面において、上記防水シート５の延出端
縁が上記接着剤によって上記表面シート１の裏面にビー
ド状に接着されて接着部６を形成している。

また、上記防水シート５の上記裏面シート２と接触す
る部位（裏面）に粘着剤７が設けられている。この粘着
剤７は、第１図乃至第３図に示す如く、長手方向に延
び、該長手方向と直角の方向（裏面シート２の幅方向）
において略等しい間隔を隔てて複数個（図面では３個）
設けられている。

また、上記裏面シート２の上記各粘着剤７と接触する
部位には剥離処理部（第１図に太い線で示す部位）2Aが
設けられている。更に、上記裏面シート２には、上記剥
離処理部2Aを上記裏面シート２から剥離除去することが
できる剥離可能部2Bが設けられている。この剥離可能部
2Bは、上記剥離処理部2Aを囲むように上記裏面シート２
に形成された長円形のミシン目2C（第２図に破線で示す
長円）によって上記裏面シート２から剥離し得るように
構成されている。尚、第１図中、８は上記裏面シート２
と上記防水シート５とを上記接着剤によってビード状に
接着されて形成された接着部である。

而して、上記実施例の生理用ナプキンを使用する場合
には、裏面シート２の中央を指で掴んで剥離可能部2Bを
引っ張ると、裏面シート２がミシン目2Cで破れて剥離可
能部2Bが生理用ナプキンから除去されて、第３図に示す
如く防水シート５の粘着剤７が露出する。然る後、この
生理用ナプキンを、その粘着部７が下着に接触するよう
に下着に当接させてこの生理用ナプキンを下着に押し付
けると、この生理用ナプキンは下着に粘着して固定され
る。

以上説明した如く、本実施例の生理用ナプキンは、裏
面シート２が剥離シートを兼ねたものになっているた
め、剥離シートを独自に準備する必要がなく、それだけ
製造コストを下げることができる。従って、最近の粘着
剤の塗布範囲の拡大及びこれに伴う剥離シートの大型化
に関係なく、経済的な生理用ナプキンを製造することが
できる。勿論、剥離シートを設ける工程を省略すること
ができるため、かかる点においても、製造コストを下げ
ることができる。

また、第４図は本発明の吸収性物品の他の実施例であ
生理用ナプキンを示す図である。

本実施例の生理用ナプキンは、同図に示す如く、第２
図に示す生理用ナプキンにおける剥離可能部2Bの幅方向
中央且つ長手方向に長軸状のミシン目2Dが設けられてい
る以外は、第２図に示す生理用ナプキンと略同様に構成
されている。

本実施例によれば、剥離可能部2Bを掴んで円弧状のミ
シン目2C₁,2C₁、及び長軸状のミシン目2Dにおいて、裏
面シート２を破ることによって、剥離可能部2Bをその両
側の折線部2C₂、2C₂において両開きにすることができ
る。このように剥離可能部2Bを開いた状態にして、粘着
剤７を下着に接触させて生理用ナプキンを下着に押し付
けると生理用ナプキンが下着に粘着固定する。そして、
生理用ナプキンの左右両側に開いた剥離可能部2B、2Bを
下着のクロッチ部を囲むように折り曲げることによっ
て、生理用ナプキンを下着へより確実に固定すると共
に、生理用ナプキンの位置ずれを確実に防止することが
できる。即ち、本実施例の生理用ナプキンでは、剥離可
能部2B、2Bをフラップ部として利用することができる。

尚、上記実施例では、生理用ナプキンについてのみ説
明したが、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの
他、使い捨ておむつ、おりもの用の吸収性物品等に適宜
応用することができる。

〔発明の効果〕

本発明の吸収性物品は、剥離シートを省略することが
できると共に、製造工程を簡素化することができ、もっ
て製造コストを低減することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の吸収性物品の一実施例である生理用ナ
プキンの要部を示す横方向の断面図、第２図は第１図に
示す生理用ナプキンの裏面を示す正面図、第３図は第１
図に示す裏面シートの剥離可能部を剥離除去した状態を
示す正面図、第４図は本発明の吸収性物品の他の実施例
である生理用ナプキンを示す第３図相当図である。 1;表面シート、2;裏面シート、 2A;剥離処理部、2B;剥離可能部 2C、2C₁、2D;ミシン目 3;吸収体 5;防水シート

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液透過性の表面シートと、液不透過性の裏
   面シートと、これら両シート間に介在する吸収体と、該
   吸収体の少なくとも裏面側を被覆する防水シートとを備
   えた吸収性物品において、上記防水シートの上記裏面シ
   ートと接触する部位に粘着剤を設けると共に、上記粘着
   剤と接触する上記裏面シートの部位に剥離処理部を設け
   且つ上記裏面シートに該剥離処理部を上記粘着剤から剥
   離する剥離可能部を設けたことを特徴とする吸収性物
   品。
2. 【請求項２】上記剥離可能部は、上記剥離処理部を囲む
   ミシン目を、上記裏面シートに設けて形成されており、
   該ミシン目を介して取り外し可能になされている、請求
   項（１）記載の吸収性物品。
3. 【請求項３】上記剥離可能部は、幅方向中央且つ長手方
   向にミシン目が設けられてなり、該ミシン目を介して両
   開き可能になされている請求項（２）記載の吸収性物
   品。