JP2859517B2 - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

希土類磁石の製造方法

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JP2859517B2 JP5200543A JP20054393A JP2859517B2 JP 2859517 B2 JP2859517 B2 JP 2859517B2 JP 5200543 A JP5200543 A JP 5200543A JP 20054393 A JP20054393 A JP 20054393A JP 2859517 B2 JP2859517 B2 JP 2859517B2
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    • H01F1/0577Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together sintered

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RCo5系、R2Co17
系、RーFe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの
一種または二種以上)希土類焼結磁石の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】希土類焼結磁石は、原料金属を溶製して
得られたインゴットを粉砕、成形、焼結、熱処理、加工
して製造される。あるいは希土類酸化物を還元剤で還元
するいわゆる還元拡散法によって原料粉を作製し、これ
を粉砕以下は上記と同一工程で処理して製造される。粉
砕は、不活性高圧ガス雰囲気中で粒子同士を衝突させ乾
粉を得るジェトミル粉砕法、ボールミル、振動ミル等を
用い、有機溶媒中で原料粉を粉砕しその後有機溶媒を乾
燥させて乾粉を得る湿式粉砕法で行われるのが一般的で
ある。乾粉を用いて成形する場合は、所定量の乾粉を秤
量し金型キャビティ内に投入するか、あるいはフィード
ボックス等を用いてすり切り法にて金型キャビティ内に
投入する方法が採られ、給粉後配向磁界を印加して成形
を行う。またあらかじめ磁界を印加したキャビティ内に
上記方法で乾粉を給粉し、成形する方法が採られる場合
もある。一方、粉砕後の希土類焼結磁石用粉末は化学的
に非常に活性なため、大気中で急激に酸化し磁気特性の
劣化を招く。これを防止する方法としては、例えば特開
昭61ー114505号に開示されるように原料粉末と
有機溶媒との混合物を作製し、これを上記の乾粉と同様
の方法で金型キャビティ内に給粉し、磁界中成形し、得
られた成形体を乾燥、焼結および熱処理する製造方法が
ある。この製法によれば、湿式で成形するため乾粉で問
題となる酸化による磁気特性の劣化が軽減できる。しか
し、乾粉を用いるにしろ有機溶媒と混合した湿式粉を用
いるにしろ、上記の給粉、成形方法では希土類焼結磁石
用原料粉が有する磁気特性的なポテンシャルを充分に引
き出せず、得られる永久磁石の磁気特性の水準は満足す
べきものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来の希土類焼結磁石用原料粉末の給粉、成形方法で満足
すべき磁気特性が得られない理由を解析した結果、以下
の2つの事実を見出した。その1つは、粉砕後の希土類
焼結磁石用微粉末は、その固有保磁力の値が例えばフェ
ライト磁石の数倍大きいため微粉末間に強い相互作用が
生じ、微粉がブリッジを組みやすい。このため配向印加
磁界下においてもキャビティ内の希土類焼結磁石用原料
粉は局所的に配向の不ぞろいを有しているという点であ
る。他の1つは、印加磁界によってある一定の水準に配
向された状態にあるキャビティ内の希土類焼結磁石用微
粉末の配向が成形の加圧力によって乱されるという点で
ある。その程度は、配向印加磁界と成形の加圧方向が実
質的に平行の場合(以降縦磁場成形という)が顕著であ
るが、配向印加磁界と成形の加圧方向が実質的に垂直の
場合(以降横磁場成形という)にも存在する。以上の2
つの現象のために、先に述べたような希土類焼結磁石用
原料粉の給粉、成形方法では、磁気特性のうちで特に残
留磁束密度と最大エネルギー積の低下をもたらす。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の解析結果から、従
来に比べて希土類焼結磁石の残留磁束密度と最大エネル
ギー積とを高めるには、成形時の原料微粉間の相互作用
によるブリッジ生成の防止と加圧成形時の配向の乱れの
防止とを同時に実現する必要がある。本発明者らは、希
土類焼結磁石用原料と鉱物油あるいは合成油との混合物
を金型キャビティ内に一定の圧力以上で加圧注入し、加
圧充填し、これを湿式成形することによって上記課題が
同時に克服でき、希土類焼結磁石の残留磁束密度と最大
エネルギー積とが大幅に改善できることを見出し本発明
をなすに至った。
【0005】微粉間の相互作用によるブリッジの生成の
防止には鉱物油または合成油による微粉表面の改質、特
に微粉相互間の摩擦力の低減が有効に作用しているもの
と考えられる。研究によれば、従来の代表的な溶媒であ
る親水性の有機溶媒、例えばアルコール、アセトン等は
ブリッジ生成の防止には大きな効果が見られず、また水
の使用は全く有効性が認められなかった。この事実か
ら、水分の存在が希土類焼結磁石用微粉の表面状態に悪
影響を及ぼし、微粉相互間の摩擦力の低減を妨げている
ものと推定される。鉱物油または合成油の潤滑性によっ
て前記微粉相互間の摩擦力は低減される。しかし、鉱物
油または合成油の常温での動粘度が10cStを越える
と、粘性の増大によって微粉相互が鉱物油または合成油
によって接着される状態となり微粉相互の結合力が強ま
って逆にブリッジ化が助長される。従って、鉱物油また
は合成油の常温での動粘度は10cSt以下が好まし
い。また鉱物油または合成油の分留点が400℃を越え
ると焼結時の脱油が困難となるばかりでなく、焼結体内
への残留C量が多くなり、磁気特性のうちで特に保磁力
の低下の原因となる。従って、鉱物油または合成油の分
留点は400℃以下が好ましい。また、前記従来の有機
溶媒を用いる場合には成形時に金型かじりが発生しやす
いが、この対策として鉱物油や合成油を用いることが好
ましい。また、希土類焼結磁石用微粉の経時変化も鉱物
油中や合成油中では少ない。
【0006】以上述べたように、希土類焼結磁石用微粉
相互の摩擦力低減によるブリッジ化の防止には、前記微
粉と鉱物油または合成油との混合が有効である。前記微
粉と鉱物油または合成油との混合率は特に限定されない
が、湿式成形によって得られる成形体の寸法、重量の変
動を小さくするために、混合物に占める前記微粉の重量
比率は50〜80%、好ましくは60〜70%とするの
がよい。なお、前記微粉と鉱物油または合成油との混合
物の製造方法は特に限定されるものではない。前記微粉
と鉱物油または合成油を別々に用意し、両者を所定量秤
量して混ぜ合わせことによって製造できる。あるいは希
土類焼結磁石用微粉をジェットミル等で乾式粉砕し、微
粉の排出口に鉱物油または合成油を用意して微粉をその
油中に直接回収し、混合物としてもよい。あるいは希土
類焼結磁石用粗粉を鉱物油または合成油中に保持した状
態で振動ミル、ボールミル、アトライター等を用いて湿
式粉砕し、混合物を製造することも可能である。
【0007】一方先に述べた理由から、前記原料微粉の
良好な配向性を得るためには前記ブリッジ化の防止のみ
では不充分である。即ち、特開昭61−114505号
に開示された希土類焼結磁石用原料粉と従来の有機溶媒
との混合物を用いて給粉、成形する方法では充分な配向
性が得られない。成形時の加圧力による微粉の配向の乱
れを防ぐ方法について本発明者らは鋭意検討を行い、成
形時のキャビティ内の原料微粉の充填密度を高くするこ
とによって解決し得ることを見出した。この理由とし
て、ある一定水準以上の配向性を有するキャビティ内の
原料微粉においては、単位容積あたりの微粉の量が多い
ほど即ち充填密度が高いほど微粉相互の補完効果によっ
て成形時の外圧による配向方向からの微粉の倒れが少な
くなることが考えられる。上記目的を達成するためのキ
ャビティ内の微粉の充填密度(充填された微粉の重量
(g)/キャビティの容積(cc))は1.8g/cc
以上、好ましくは2.0g/cc以上である。これは希
土類焼結磁石用原料微粉と鉱物油または合成油との混合
物を金型キャビティ内に加圧注入、加圧充填することに
よって実現される。図1に縦磁場成形の場合の混合物の
加圧注入、加圧充填する方法の一例を示す。加圧装置に
よって原料混合物が金型キャビティ内に加圧注入される
ことと、加圧注入、加圧充填された混合物のうち鉱物油
または合成油の大部分が成形加圧力によってフィルタを
介して、金型キャビティの外に排出されるために、成形
時点の金型キャビティ内の原料微粉の充填密度は前記の
高い値となる。
【0008】原料混合物を加圧する装置の駆動方法は油
圧駆動、ガス駆動などの種々の方法が可能であり限定さ
れるものではない。一方、比重が7g/cc以上の重い
希土類焼結磁石用原料微粉を含む原料混合物を金型キャ
ビティ内に注入するにはキャビティ加圧装置からキャビ
ティ注入口までの混合物に対する注入加圧力を1〜15
kgf/cm2とする必要がある。注入加圧力が1kg
f/cm2より小さい場合は、混合物が安定に金型キャ
ビティ内に注入されず、成形後の成形体寸法、重量の変
動を招く。また、注入加圧力は15kgf/cm2以下
が実用的である。異方性を付与するための配向磁界の印
加タイミングは、本発明においては種々変化することが
できる。即ち、原料混合物の加圧注入前に金型キャビテ
ィ空間に配向磁界を印加する、原料混合物の加圧注入途
中で金型キャビティ空間に配向磁界を印加するなどが好
適である。希土類焼結磁石用原料微粉の固有保磁力がフ
ェライト磁石微粉、アルニコ磁石微粉に比べて数倍もし
くは数十倍大きいため、上記いずれの配向磁界の印加タ
イミングをとるにしろ、金型キャビティ内の配向磁界強
度は2kOe以上が好ましい。2kOeより小さい場合
は充分な配向が実現されず、焼結磁石として満足すべき
残留磁束密度や最大エネルギー積が得られない。原料混
合物の金型キャビティへの加圧注入、加圧充填と湿式成
形においては、原料混合物中の鉱物油または合成油の除
去と微粉の流出防止のためにフィルタを使用することが
有効である。フィルタの材質は布、紙、金属等種々のも
のから選ぶことができ、特に限定されない。また、その
形態もシート状、ブロック状など金型キャビティを含む
成形金型の磁気回路によって任意に選択できる。また、
これらフィルタの金型への取付け方法も機械的固定、溶
接、焼きばめ、接着などフィルタの材質、形態と金型の
状況によって種々選択できる。
【0009】また、金型の一部に多孔質金属材料を用い
た場合には、フィルタの消耗が低減し、フィルタ交換の
手間が省けるなど量産上のメリットが大きくなる。図2
には、横磁場成形の磁気回路の上パンチの一部に多孔質
金属フィルタを溶接した場合の一例を示した。上パンチ
全体を多孔質金属材料で形成してもよい。あるいは上下
パンチとも多孔質金属材料で形成することもできる。多
孔質金属材料で形成された部分の孔径は希土類焼結磁石
用原料微粉の組成や粒度によって選ばれるために特に限
定されないが、脱油性を考慮してその平均孔径は20μ
以下、好ましくは10μ以下がよい。本発明は、図1の
縦磁場成形、図2の横磁場成形、図3の径方向異方性リ
ング磁石の成形、図4の極異方性リング磁石の成形等に
適用することができる。
【0010】本発明者らは希土類焼結磁石用微粉を鉱物
油あるいは合成油との混合物とせず、乾粉状態のままで
金型キャビティに加圧注入することを試みた。具体的に
は高圧N2ガス、高圧Arガスを用い、ガス圧での注入
性を評価したが、前記油が関与していないためか注入さ
れる毎の微粉量が大きく変化し、成形体の重量と寸法の
管理ができなかった。また、 N2ガス、Arガスに巻き
込まれて存在する微量酸素と、注入時の微粉相互あるい
は微粉と供給ホース等との摩擦の影響と考えられるが、
注入時に微粉の発熱や発火がたびたび生じ、安定な磁気
特性が得られなかった。
【0011】次に、本発明において、金型キャビティに
給粉され、配向磁界の印加によって配向された原料混合
物は、図1から図4に例示された成形装置を用いて湿式
成形された後、焼結に供されるが成形体には鉱物油、合
成油が残留している。この状態の成形体を常温から焼結
温度の950〜1150℃まで急激に昇温すると成形体
の内部温度が急激に上昇し、成形体内に残留した鉱物油
または合成油と成形体の希土類元素とが反応して希土類
炭化物を生成する。このため焼結に充分な量の液相の発
生が妨げられ、充分な密度の焼結体が得られず磁気特性
が劣化する。この対策として、50〜500℃、好まし
くは50〜250℃でかつ圧力10-1Torr以下の条
件で30分以上保持する脱油処理を施すことがよく、成
形体に残留する前記油分を充分に除去することができ
る。前記脱油の加熱保持は50〜500℃の温度範囲で
あれば一点である必要はなく、二点以上であってもよ
い。また、10-1Torr以下の圧力条件で室温から5
00℃までの昇温速度を10℃/分以下、好ましくは5
℃/分以下とする脱油処理を施すことによっても、前記
脱油処理と同様の効果を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1) 重量百分率で、Sm36.5%、Co63.5%の組成
のSmCO5系希土類原料粗粉をN2ガス雰囲気中でジェ
ットミル粉砕し、平均粒度が5.2μの微粉とした。こ
の微粉6kgに分留点が200〜300℃、常温での動
粘度が1.0cStの合成油(出光興産製、商品名D
N.ロールオイル、AL−35)4kgを混ぜ混合物と
した。この混合物を図1に示す成形装置にて成形した。
まず、金型キャビティに8kOeの配向磁界を印加し、
ここへ加圧供給装置に充填した原料混合物を3kgf/
cm2の注入圧力で注入、充填した。原料混合物を金型
キャビティ内へ充填した後、配向磁界を印加したまま、
成形圧力3ton/cm2で湿式成形し、成形体を得た。フ
ィルタは1mm厚さの布製のものを使用した。次に、成
形体に5×10-2Torrの圧力下で300℃×1時間
の脱合成油処理を施した後、Arガス雰囲気中で113
0℃×4時間の条件で焼結した。さらに焼結体にArガ
ス雰囲気中で800℃×2時間の熱処理を施した。得ら
れたものを機械加工後、磁気特性等を測定したところ、
表1に示す良好な値が得られた。
【0013】
【表1】
【0014】(比較例1) 実施例1でジェットミル粉砕して得た平均粒径が5.2
μの微粉を、乾粉のまま図1に示す成形装置にて成形し
た。まず、乾粉を金型キャビティ内に直接投入しすり切
った後、金型キャビティに8kOeの配向磁界を印加
し、配向磁界を印加したまま成形圧力3ton/cm2で成
形して成形体を得た。ダイは原料混合物の注入口なしで
かつ実施例1と同材質のものを、また上パンチは油排出
孔なしでかつ実施例1と同材質のものを使用した。フィ
ルタは使用しなかった。得られた成形体をArガス雰囲
気中で1130℃×4時間の条件で焼結し、さらにAr
ガス雰囲気中で800℃×2時間熱処理を行った。得ら
れたものの磁気特性等を測定したところ、表1に示すよ
うに残留磁束密度と最大エネルギー積は実施例1のもの
より低かった。
【0015】(実施例2) 重量百分率でSm25.0%、Fe14.0%、Cu
4.5%、Zr2.5%Co54.0%の組成のSm2
Co17系希土類原料粗粉を合成油中でボールミル粉砕
し、原料微粉と合成油の混合物を回収した。この混合物
に占める原料微粉の重量比率は65%だった。また混合
物中の原料微粉の平均粒度は5.0μだった。この混合
物を図1に示す成形装置にて成形した。まず、金型キャ
ビティに加圧供給装置に充填した原料混合物を2kgf
/cm2の注入力で注入し、原料混合物の注入開始から
0.5秒後に金型キャビティに6kOeの配向磁界を印
加した。原料混合物の加圧充填終了後、配向磁界を印加
したまま成形圧力2ton/cm2で湿式成形し、成形体を
得た。フィルタは0.3mm厚さの金属製のものを使用
した。次に、成形体は、5×10-2Torr、100℃
×1時間の脱油処理を施した後、H2ガス雰囲気中で1
200℃×2時間の条件で焼結した。さらに焼結体にA
rガス雰囲気中で、1180℃×1時間の溶体化処理と
750℃×20時間の時効処理を施した。機械加工後磁
気特性等を測定したところ、表1に示すような良好な値
が得られた。
【0016】(比較例2) 実施例2でボールミル粉砕して得た原料微粉と合成油の
混合物を、N2ガス雰囲気中で乾燥し、乾粉の微粉とし
た。この乾粉を図1に示す成形装置にて成形した。ま
ず、乾粉を金型キャビティ内に直接投入し、すり切った
後、金型キャビティに6kOeの配向磁界を印加したま
ま成形圧力2ton/cm2で成形して成形体を得た。ダイ
は原料混合物の注入口なしでかつ実施例2と同材質のも
のを、また上パンチは油排出孔なしでかつ実施例1と同
材質のものを使用した。フィルタは使用しなかった。得
られた成形体を、以後は実施例2と同一の条件で焼結、
溶体化、時効処理を施した。得られたものの磁気特性等
を測定したところ、表1に示すように残留磁束密度と最
大エネルギー積は実施例1のものより低かった。
【0017】(実施例3) 重量百分率でNd27.5%、Pr2.5%、Dy1.
0%、B1.0%、Nb0.2%、Al0.2%、Ga
0.1%、残部Feの組成のR−Fe−B系希土類焼結
磁石用原料粗粉をN2ガス雰囲気中でジェットミル粉砕
し、粉砕機の微粉排出口に分留点が200〜300℃、
常温での動粘度が2.0cStの鉱物油(出光興産製、
商品名MC、OIL、P−02)を満たした容器を設置
し、 N2ガス雰囲気中で排出微粉を直接鉱物油の中に回
収し、原料混合物とした。この原料混合物中の原料微粉
の重量比率は70%だった。また、この原料微粉の平均
粒度は4.0μだった。この混合物を図1に示す成形装
置にて成形した。まず、金型キャビティに8kOeの配
向磁界を印加し、ここへ加圧供給装置に充填した原料混
合物を10kgf/cm2の注入圧力で注入、充填し
た。原料混合物を金型キャビティ内へ充填した後、配向
磁界を印加したまま、成形圧力1.0ton/cm2で湿式
成形し、成形体を得た。フィルタは1mm厚さの布製の
ものを使用した。次に、成形体に5×10-2Torrの
圧力下で、室温から500℃までの昇温速度が5℃/分
の脱鉱物油処理を施し、その後同じ圧力で1100℃ま
でを30℃/分の昇温速度で昇温し、その温度で4時間
保持して焼結した。焼結体はArガス雰囲気中で、90
0℃×1時間と600℃×1時間の熱処理を各1回施し
た。得られたものを機械加工後、酸素量、炭素量、焼結
体密度および磁気特性を測定したところ、表1に示す良
好な値が得られた。
【0018】
【0019】(比較例3) 実施例3で作製した原料混合物を同じく図1の成形装置
にて成形した。まず、原料混合粉を金型キャビティ内に
直接投入してすり切った後、金型キャビティに8kOe
の配向磁界を印加したまま成形圧力1.0ton/cm2
湿式成形し、成形体を得た。ダイは原料混合物の注入口
なしでかつ実施例3と同材質のものを使用した。上パン
チおよびフィルタは実施例3と同じものを使用した。成
形体には実施例3と同一条件の脱鉱物油処理、焼結、熱
処理を施した。得られたものを機械加工後磁気特性等を
測定したところ、表1に示すように残留磁束密度と最大
エネルギー積は実施例3のものより低かった。
【0020】(比較例4) 実施例3で作製した原料混合物を、実施例3と同一条件
で成形し、成形体を得た。この成形体を5×10-2To
rrの圧力下で室温から1100℃まで20℃/分の昇
温速度で昇温し、その温度で4時間保持して焼結した。
焼結体はArガス雰囲気中で、900℃×1時間と60
0℃×1時間の熱処理を各1回施した。得られたものを
機械加工後、酸素量、炭素量、焼結体密度および磁気特
性を測定したところ、表1に示すように、実施例3の場
合に比べて、炭素量が高く、焼結体密度は低く、また残
留磁束密度、保磁力、最大エネルギー積のいずれも低か
った。
【0021】(比較例5) 実施例3と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、粉砕機の微粉排出
口にアセトンを満たした容器を設置し、N2ガス雰囲気
中で排出微粉を直接アセトン中に回収し原料混合物とし
た。この原料混合物中の原料微粉の重量比率は70%だ
った。またこの微粉の平均粒度は4.1μだった。この
混合物を実施例3と同一の条件で成形し、成形体を得
た。この成形体に実施例3と同一条件の脱アセトン処
理、焼結、熱処理を施した。得られたものを機械加工後
磁気特性等を測定したところ、表1に示すように、残留
磁束密度と最大エネルギー積が実施例3のものより低か
った。
【0022】(比較例6) 実施例3と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、粉砕機の微粉排出
口に水を満たした容器を設置し、N2ガス雰囲気中で排
出微粉を直接水中に回収し原料混合物とした。この原料
混合物中の原料微粉の重量比率は70%だった。またこ
の微粉の平均粒度は3.9μだった。この混合物を実施
例3と同一の条件で成形し、成形体を得た。この成形体
に実施例3と同一条件の脱水処理、焼結、熱処理を施し
た。得られたものを機械加工後磁気特性等を測定したと
ころ、表1に示すように、残留磁束密度、保磁力、最大
エネルギー積は実施例3のものより大幅に低かった。ま
た、焼結体の酸素量も大きな値を示した。
【0023】(比較例7) 実施例3と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、平均粒径が4.0
μの微粉を得た。この微粉を乾粉のまま図1に示す成形
装置にて成形した。まず、乾粉を金型キャビティ内に直
接投入し、すり切った後金型キャビティに8kOeの配
向磁界を印加したまま成形圧力1.0ton/cm2で成形
して成形体を得た。ダイは原料混合物の注入口なしでか
つ実施例3と同材質のものを、また上パンチは油排出口
なしでかつ実施例3と同材質のものを使用した。フィル
タは使用しなかった。得られた成形体は、5×10-2
orrの圧力下で、室温から1100℃まで20℃/分
の昇温速度で昇温し、その温度で4時間保持して焼結し
た。焼結体はArガス雰囲気中で、900℃×1時間と
600℃×1時間の熱処理を各1回施した。得られたも
のを機械加工後磁気特性等を測定したところ、残留磁束
密度と最大エネルギー積は実施例3のものより低かっ
た。
【0024】(比較例8) 比較例7で作製した平均粒径が4.0μの微粉を乾粉の
まま、図1に示す成形装置にて成形することを試みた。
具体的には、図1に示す成形装置のうち、加圧供給装置
を改造し、乾粉をArガスで加圧供給できるようにし
た。金型キャビティに8kOeの磁界を印加し、ここへ
加圧供給装置に充填した乾粉を10kgf/cm2のA
rガスによる加圧力で注入しようとしたところ、瞬時に
発火燃焼してしまい、成形体を得ることができなかっ
た。
【0025】(実施例5) 重量百分率で、Sm36.5%、Co63.5%の組成
のSmCO5系希土類原料粗粉をN2ガス雰囲気中でジェ
ットミル粉砕し、平均粒度が5.0μの微粉とした。こ
の微粉6kgに分留点が200〜300℃、常温での動
粘度が2.5cStの合成油(出光興産製、商品名D
N、クリーナH)4kgを混ぜ混合物とした。この混合
物を図2に示す成形装置にて成形した。まず、金型キャ
ビティに10kOeの配向磁界を印加し、ここへ加圧供
給装置に充填した原料混合物を10kgf/cm2の注
入圧力で注入した。原料混合物を金型キャビティ内へ充
填した後、配向磁界を印加したまま、成形圧力3ton/
cm2で湿式成形し成形体を得た。フィルタは上パンチ
に溶接した多孔質金属材料からなるものを使用した。次
に、成形体に5×10-2Torr、300℃×1時間の
脱合成油処理を施した後、Arガス雰囲気中で1130
℃×4時間の条件で焼結した。さらに焼結体にArガス
雰囲気中で800℃×2時間の熱処理を施した。得られ
たものを機械加工後磁気特性等を測定したところ、表1
に示す良好な値が得られた。
【0026】(比較例9) 実施例5でジェットミル粉砕して得た平均粒径が5.0
μの微粉を、乾粉のまま図2に示す成形装置にて成形し
た。まず、乾粉を金型キャビティ内に直接投入しすり切
った後、金型キャビティに10kOeの配向磁界を印加
したまま成形圧力3ton/cm2で成形した。ダイは原料
混合物の注入口なしでかつ実施例5と同材質のものを、
また上パンチは油排出孔と多孔質金属フィルタなしでか
つ実施例5と同材質のものを使用した。得られた成形体
をArガス雰囲気中で1130℃×4時間の条件で焼結
し、さらにArガス雰囲気中で800℃×2時間熱処理
した。その後得られたものの磁気特性等を測定したとこ
ろ、表1に示すように残留磁束密度と最大エネルギー積
は実施例5のものより低かった。
【0027】(実施例6) 重量百分率でNd27.5%、Pr2.5%、Dy1.
0%、B1.0%、Nb0.2%、Al0.2%、Ga
0.1%、残部Feの組成のR−Fe−B系希土類焼結
磁石用原料粗粉をN2ガス雰囲気中でジェットミル粉砕
し、粉砕機の微粉排出口に分留点が200〜300℃、
常温での動粘度が2.0cStの鉱物油(出光興産製、
商品名MC、OIL、P−02)を満たした容器を設置
し、N2ガス雰囲気中で排出微粉を直接鉱物油の中に回
収し、原料混合物とした。この原料混合物中の原料微粉
の重量比率は70%だった。また、この原料微粉の平均
粒度は4.2μだった。この混合物を図2に示す成形装
置にて成形した。まず、金型キャビティに10kOeの
配向磁界を印加し、ここへ加圧供給装置に充填した原料
混合物を10kgf/cm2の注入圧力で注入した。原
料混合物を金型キャビティ内に充填した後、配向磁界を
印加したまま、成形圧力1.0ton/cm2で湿式成形
し、成形体を得た。フィルタは上パンチに溶接した多孔
質金属材料からなるものを使用した。次に、成形体に5
×10-2Torrの圧力下で、室温から500℃までの
昇温速度が5℃/分の脱鉱物油処理を施し、その後同じ
圧力で1100℃までを30℃/分の昇温速度で昇温
し、その温度で4時間保持して焼結した。焼結体はAr
ガス雰囲気中で、900℃×1時間と600℃×1時間
の熱処理を各1回施した。得られたものを機械加工後、
酸素量、炭素量、焼結体密度および磁気特性を測定した
ところ、表1に示す良好な値が得られた。
【0028】(比較例10) 実施例6で作製した原料混合物を同じく図2の成形装置
にて成形した。まず、原料混合粉を金型キャビティ内に
直接投入してすり切った後、金型キャビティに10kO
eの配向磁界を印加したまま成形圧力1.0ton/cm2
で湿式成形して成形体を得た。ダイは原料混合物の注入
口なしでかつ実施例6と同材質のものを使用した。上パ
ンチは実施例6と同じものを使用した。成形体には実施
例6と同一条件の脱鉱物油処理、焼結、熱処理を施し
た。得られたものを機械加工後磁気特性等を測定したと
ころ、残留磁束密度と最大エネルギー積は実施例6のも
のより低かった。
【0029】(比較例11) 実施例6と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、平均粒径が3.8
μの微粉を作製した。この微粉を乾粉のまま図2に示す
成形装置にて成形した。まず、乾粉を金型キャビティ内
に直接投入しすり切った後、金型キャビティに10kO
eの配向磁界を印加したまま成形圧力1.0ton/cm2
で成形して成形体を得た。ダイは原料混合物の注入口な
しでかつ実施例6と同材質のものを、また上パンチは油
排出口と多孔質金属フィルタなしでかつ実施例6と同材
質のものを使用した。得られた成形体は、5×10-2
orrの圧力下で室温から1100℃まで20℃/分の
昇温速度で昇温し、その温度で4時間保持して焼結し
た。焼結体はArガス雰囲気中で、900℃×1時間と
600℃×1時間の熱処理を各1回施した。得られたも
のを機械加工後磁気特性等を測定したところ、残留磁束
密度と最大エネルギー積は実施例6のものより低かっ
た。
【0030】(実施例7) 重量百分率でNd29.0%、Pr0.5%、Dy2.
0%、B1.0%、Nb0,3%、Al0.2%残部F
eの組成のR−Fe−B系希土類焼結磁石用原料粗粉を
2ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、粉砕機の微粉
排出口に分留点が200〜300℃、常温での動粘度が
1.0cStの合成油(出光興産製、商品名DN.ロー
ルオイル、AL−35)を満たした容器を設置し、N2
ガス雰囲気中で排出微粉を直接鉱物油の中に回収し原料
混合物とした。この原料混合物中の原料微粉の重量比率
は65%だった。また、この原料微粉の平均粒度は4.
5μだった。この混合物を図3に示す成形装置にて成形
した。まず、金型キャビティに4kOeの配向磁界を印
加し、ここへ加圧供給装置に充填した原料混合物を3k
g/cm2の注入圧力で注入、充填した。原料混合物を
金型キャビティ内に充填した後、配向磁界を印加したま
ま、成形圧力0.8ton/cm2で湿式成形し、成形体を
得た。フィルタは上パンチに多孔質金属材料製部材を溶
接し使用した。次に、成形体に3×10-2Torrの圧
力下で、室温から500℃までの昇温速度が7℃/分の
脱鉱物油処理を施し、その後同じ圧力で1080℃まで
を30℃/分の昇温速度で昇温し、その温度で4時間保
持して焼結した。焼結体はArガス雰囲気中で、900
℃×1時間と600℃×1時間の熱処理を各1回施し
た。得られたものを機械加工後、酸素量、炭素量、焼結
体密度および表面磁束密度を測定したところ、表2に示
す良好な値が得られた。
【0031】(比較例12) 実施例7で作製した原料混合物を、同じく図3に示す成
形装置にて成形した。まず、金型キャビティに1kOe
の配向磁界を印加し、ここへ加圧供給装置に充填した原
料混合物を3kgf/cm2の注入圧力で注入した。原
料混合物を金型キャビティ内に充填した後、配向磁界を
印加したまま、成形圧力0.8ton/cm2で湿式成形し
た。フィルタは上パンチに多孔質金属材料製部材を溶接
したものを使用した。成形体は以後は実施例7と同一の
条件で脱合成油処理、焼結、熱処理した。得られたもの
を実施例7のものと同一の寸法に機械加工し、表面磁束
密度等を測定したところ、表2に示すように実施例7の
ものより低かった。
【0032】
【表2】
【0033】(比較例13) 実施例7で作製した原料混合物を、同じく図3に示す成
形装置にて成形した。まず、原料混合物を金型キャビテ
ィ内に直接投入してすり切った後、金型キャビティに4
kOeの配向磁界を印加したまま成形圧力0.8ton/
cm2で湿式成形し成形体を得た。ダイは原料混合物の
注入口なしでかつ実施例7と同材質のものを使用した。
上パンチは実施例7と同材質のものを使用した。成形体
には実施例7と同一条件の脱合成油処理、焼結、熱処理
を施した。得られたものを実施例7の場合と同一寸法に
機械加工後、表面磁束密度等を測定したところ、表2に
示すように実施例7のものより低かった。
【0034】(比較例14) 実施例7と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、平均粒径4.3μ
の微粉を作製した。この微粉を乾粉のまま図3に示す成
形装置にて成形した。まず、乾粉を金型キャビティ内に
直接投入してすり切った後、金型キャビティに4kOe
の配向磁界を印加したまま、成形圧力0.8ton/cm2
で湿式成形し、成形体を得た。ダイは原料混合物の注入
口なしでかつ実施例7と同材質のものを、また上パンチ
は多孔質金属フィルタなしでかつ実施例7と同材質のも
のを使用した。得られた成形体は、3×10-2Torr
の圧力下で室温から1080℃まで20℃/分の昇温速
度で昇温し、その温度で4時間保持して焼結した。焼結
体はArガス雰囲気中で、900℃×1時間と600℃
×1時間の熱処理を各1回施した。得られたものを実施
例7の場合と同一寸法に機械加工後表面磁束密度等を測
定したところ、表2に示すように実施例7のものより低
かった。
【0035】(実施例8) 重量百分率でNd28.0%、Pr2.5%、Dy1.
0%、B1.0%、Co4.0%、Nb0.2%、Al
0.2%、残部Feの組成のR−Fe−B系希土類焼結
磁石用原料粗粉をN2ガス雰囲気中でジェットミル粉砕
し、粉砕機の微粉排出口に分留点が250〜350℃、
常温での動粘度が5.0cStの鉱物油(出光興産製、
商品名MC、OIL、P−05)を満たした容器を設置
し、N2ガス雰囲気中で排出微粉を直接鉱物油の中に回
収し、原料混合物とした。この原料混合物中の原料微粉
の重量比率は70%だった。また、この原料微粉の平均
粒度は3.9μだった。この混合物を図4に示す成形装
置にて成形した。まず、金型キャビティに7kOeの配
向磁界を印加し、ここへ加圧供給装置に充填した原料混
合物を15kgf/cm2の注入圧力で注入、充填し
た。原料混合物を金型キャビティ内に充填した後、配向
磁界を印加したまま、成形圧力1.0ton/cm2で湿式
成形し、成形体を得た。フィルタは上パンチに多孔質金
属材料製部材を溶接したものを使用した。次に、成形体
に5×10-2Torrの圧力下で、室温から500℃ま
での昇温速度が5℃/分の脱鉱物油処理を施し、その後
同じ圧力で1070℃までを30℃/分の昇温速度で昇
温し、その温度で4時間保持して焼結した。焼結体はA
rガス雰囲気中で、900℃×1時間と600℃×1時
間の熱処理を各1回施した。得られたものを機械加工
後、酸素量、炭素量、焼結体密度および表面磁束密度の
ピークを測定したところ、表3に示す良好な値が得られ
た。
【0036】
【表3】
【0037】(比較例15) 実施例8で作製した原料混合物を同じく図4に示す成形
装置にて成形した。まず、原料混合物を金型キャビティ
内に直接投入してすり切った後、金型キャビティに7k
Oeの配向磁界を印加したまま成形圧力1.0ton/c
2で湿式成形し成形体を得た。ダイは原料混合物の注
入口なしでかつ実施例8と同材質のものを使用した。上
パンチは実施例8と同じものを使用した。成形体には実
施例8と同一条件の脱鉱物油処理、焼結、熱処理を施し
た。得られたものを実施例8のものと同一寸法に機械加
工後、表面磁束密度のピーク等を測定したところ、表3
に示すように実施例8のものより低かった。
【0038】(比較例16) 実施例8と同一組成の希土類焼結磁石用原料粗粉をN2
ガス雰囲気中でジェットミル粉砕し、平均粒径が4.0
μの微粉を作製した。この微粉を乾粉のまま図4に示す
成形装置にて成形した。まず、乾粉を金型キャビティ内
に直接投入してすり切った後、金型キャビティに7kO
eの配向磁界を印加したまま、成形圧力1.0ton/c
2で成形して成形体を得た。ダイは原料混合物の注入
口なしでかつ実施例8と同材質のものを、また上パンチ
は多孔質金属フィルタを備えた同じく実施例8と同材質
のものを使用した。得られた成形体は、5×10-2To
rrの圧力下で室温から1070℃まで20℃/分の昇
温速度で昇温し、その温度で4時間保持して焼結した。
焼結体はArガス雰囲気中で、900℃×1時間と60
0℃×1時間の熱処理を各1回施した。得られたものを
実施例8の場合と同一寸法に機械加工後表面磁束密度の
ピーク等を測定したところ、表3に示すように実施例8
のものより低かった。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来に比べて高い残留磁束密度、高い最大エネルギー
積、高い表面磁束密度の希土類焼結磁石を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成形装置の一例を示す部分縦断
面図である。
【図2】本発明に用いる成形装置の他の例を示す部分縦
断面図である。
【図3】本発明において径方向異方性リング磁石を成形
する装置の一例を示す部分縦断面図である。
【図4】本発明において極異方性リング磁石を成形する
装置の一例を示す図である。
【符合の説明】
1 上パンチ、2 下パンチ、3 フィルタ、4 ダ
イ、5 配向磁界コイル、7 加圧供給装置、8 原料
混合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/08 B22F 3/04 C22C 1/04 C22C 33/02 H01F 41/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RCo5系、R2Co17系、RーFe−B
    系(RはYを含む希土類元素のうちの一種または二種以
    上)のいずれかの希土類焼結磁石用原料粉末と鉱物油あ
    るいは合成油とを混合し、これらの混合物を配向磁界を
    印加した金型キャビティ内に加圧注入し、加圧充填した
    後、湿式成形し、得られた成形体を脱油処理、焼結、熱
    処理することを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合物の注入加圧力が1〜15kg/c
    2である請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 RCo5系、R2Co17系、RーFe−B
    系(RはYを含む希土類元素のうちの一種または二種以
    上)のいずれかの希土類焼結磁石用原料粉末と鉱物油あ
    るいは合成油とを混合し、これらの混合物を金型キャビ
    ティ内に加圧注入する途中で前記金型キャビティ内に配
    向磁界を印加した状態として加圧注入、加圧充填、湿式
    成形までを行いその後得られた成形体を脱油処理、
    、熱処理することを特徴とする希土類磁石の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 混合物の注入加圧力が1〜15kg/c
    2である請求項3に記載の希土類磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 RCo 5 系、R 2 Co 17 系、RーFe−B
    系(RはYを含む希土類元素のうちの一種または二種以
    上)のいずれかの希土類焼結磁石用原料粉末と鉱物油あ
    るいは合成油とを混合し、これらの混合物をリング磁石
    成形用の金型キャビティ内に加圧注入し、加圧充填した
    後、湿式成形し、得られた成形体を脱油処理、焼結、熱
    処理することを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金型キャビティに径方向異方性の配
    向磁界を印加する請求項5に記載の希土類磁石の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記金型キャビティに極異方性の配向磁
    界を印加する請求項5に記載の希土類磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 RCo 5 系、R 2 Co 17 系、RーFe−B
    系(RはYを含む希土類元素のうちの一種または二種以
    上)のいずれかの希土類焼結磁石用原料粉末 と鉱物油あ
    るいは合成油とを混合し、これらの混合物を金型キャビ
    ティ内に加圧注入し、加圧充填した後、湿式成形し、得
    られた成形体を脱油処理、焼結、熱処理する希土類磁石
    の製造方法であって、前記金型の一部に多孔質金属材料
    を用いることを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金型の上パンチおよび/または下パ
    ンチに多孔質金属材料製のフィルタを備えた請求項8に
    記載の希土類磁石の製造方法。
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