JP2854730B2 - 超音波可視化装置 - Google Patents

超音波可視化装置

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JP2854730B2
JP2854730B2 JP17409891A JP17409891A JP2854730B2 JP 2854730 B2 JP2854730 B2 JP 2854730B2 JP 17409891 A JP17409891 A JP 17409891A JP 17409891 A JP17409891 A JP 17409891A JP 2854730 B2 JP2854730 B2 JP 2854730B2
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ultrasonic
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健彦 鈴木
博一 唐沢
正治 倉林
道雄 佐藤
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体に超音波を当て物
体からの反射波を受信して物体を可視化する超音波可視
化装置に係り、特に非一様性(温度むら、密度むら等)
の媒質中にある物体を可視化するのに適した超音波可視
化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的手段によって物体を可視化できな
いような環境化では、例えば超音波を用いて物体を可視
化する方法が用いられる。
【0003】従来の超音波可視化装置は、一般に超音波
発信器から物体が位置する測定領域内に超音波を放射し
て、物体で反射した反射波を受信部で受信して物体を画
像化するエコー法によって行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、物体が液体
ナトリウム等の非一様性(温度むら、密度むら等)の媒
質中に位置する場合には、上記したエコー法による超音
波可視化装置では、物体からの反射波が撹乱されて反射
波が受信部に戻ってこない場合があるので、鮮明な画像
を得ることができなかった。
【0005】また、上記した従来の超音波可視化装置で
は、超音波の発信部と物体からの反射波を受信する受信
部はほぼ同一位置に配置されているので、コントラスト
のある画像を得ることができなかった。
【0006】本発明は上記した課題を解決する目的でな
され、超音波を利用してナトリウム等のような非一様性
(温度むら、密度むら等)の媒質中に位置する物体を観
察する場合でも、鮮明な画像で表示することができる超
音波可視化装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために本発明は、繰り返し信号を雑音信号で変調し変調
された繰り返し信号を発信する信号発生器と、可視化し
たい測定対象物体が位置する測定領域に対して任意方向
から前記信号発生器で発信される信号が印加された超音
波を放射する超音波発信器と、該超音波発信器から放射
された超音波の前記測定対象物体からの反射波を受信す
る超音波受信器と、前記信号発生器で発生される信号と
前記超音波受信器で受信される信号の相互相関をとって
時間的な統計処理を行い、さらに多数の測定点で得られ
る前記時間的な統計処理した信号を空間的に重ねて前記
測定領域を画像化する処理手段とを具備したことを特徴
としている。
【0008】
【作用】本発明によれば、液体ナトリウム等のような非
一様性(温度むら、密度むら)の媒質内に位置する測定
対象物体を可視化する場合でも、広い空間上での測定と
時間的な統計処理を行うことによって、伝播経路の変化
した信号も確実に捕まえて測定対象物体を鮮明に画像表
示することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示の一実施例に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る超音波可
視化装置を示す構成図である。
【0010】本実施例に係る超音波可視化装置は、超音
波発信器2、超音波受信器3、信号発生器4、積和演算
器5、空間統計処理装置6、画像表示装置7から構成さ
れている。
【0011】超音波発信器2は、可視化したい測定対象
物体1が位置する測定領域に対して任意の方向から後述
する信号発生器4で発信される信号が印加された超音波
を放射する。また、超音波発信器2は、測定対象物体1
に応じて1個あるいは複数個使用される。
【0012】超音波受信器3は、超音波発信器2から発
せられる超音波の測定対象物体1からの反射波および超
音波発信器2から発せられた超音波を受信する。また、
超音波受信器3は、超音波発信器2と所定の距離だけ離
れた位置に1個あるいはアレイ状に配置される。
【0013】信号発生器4は、図2に示すように繰り返
し信号発生器(パルスゼネレータ)8と、雑音発生器9
と、増幅器10から構成されている。そして繰り返し信
号発生器8で発信される任意の繰り返し周波数を含んだ
信号(図3参照)は、雑音発生器9で発生される例えば
M系列信号等の疑似雑音信号(図4参照)で振幅変調さ
れて、積和演算器5に印加されると共に増幅器10を通
して超音波発信器2に振幅変調された発信信号(図5参
照)が印加される。
【0014】積和演算器5は、超音波受信器3で受信し
た受信信号と信号発生器4から発信される信号を入力し
て相関処理を行い、空間的統計処理装置6で空間的統計
処理を実行して画像表示装置7に画像を表示する(詳細
は後述する)。
【0015】次に、上記した超音波可視化装置による測
定対象物体1の可視化手順について説明する。
【0016】先ず超音波発信器2から、信号発生器4で
発信された発信信号(図5参照)が印加された超音波
を、例えば液体ナトリウム等の媒質中の測定領域に位置
する測定対象物体1に放射する。超音波発信器2から放
射され超音波の測定対象物体1からの反射波および超音
波発信器2から放射された超音波は、超音波受信器3で
受信される。超音波受信器3は、測定対象物体1の多数
の位置からの反射波を同時に測定するためにアレイ状に
複数個配置されている。また、1個の超音波受信器3で
対象物体1の測定位置を一点一点測定することもでき
る。
【0017】超音波受信器3で受信した受信信号と信号
発生器4で発信される発信信号(図5参照)は積和演算
器5に入力され、積和演算器5は、前記受信信号と発信
信号の相互相関をとって時間的な統計処理を行う。この
処理は以下のように行われる。
【0018】超音波受信器3で受信される受信信号(図
6参照)は、超音波発信器2から発せられる信号(図5
参照)と比較して時間τだけ遅れている。これは、超音
波発信器2から発せられた信号が、液体ナトリウム中を
伝播して超音波受信器3に到達するまでの遅れ時間であ
る。
【0019】そして、超音波発信器2に信号発生器4か
ら印加される送信信号をx(t)とし、超音波受信器3
で受信した受信信号をy(t)とした時、受信信号y
(t)は、 y(t)=ax(t−τ) …(1) と表わされる。ここで、aは任意振幅倍率である。
【0020】(1) 式から明らかなように、受信信号y
(t)は送信信号x(t)からみてτだけ遅れて到達す
ることが予想される。
【0021】また、前記送信信号と受信信号との間の相
互相関関数I(t)は、次に示す(2) 式のように両者の
信号の時刻をずらした積和として定義される。
【0022】
【数1】
【0023】(2) 式より両者の信号の間のずらした時間
tと、両者の信号の到達遅れ時間τとが一致する積和の
値は、次の式に示す(3) 式によって表わされる。
【0024】
【数2】
【0025】(3) 式から明らかなように、積和の値は2
乗和となり非常に大きな正の値となる。それに対して両
者の間のずらした時間tと信号の到達遅れ時間τが一致
しない場合は、必ずしも前記送信信号x(t)と受信信
号y(t)は積分する各時刻で符号が一致しないので、
雑音の性質から相関値はほとんど零である。
【0026】即ち、(2) 式による相関処理によって図7
に示すような相関関数が得られ、その相関値のピークの
存在する時刻が、任意の時刻に超音波発信器2から発せ
られた信号の超音波受信器3への到達時間となる。
【0027】尚、図7において、τ1 は超音波発信器2
から測定対象物体1へ超音波が到達する時間、τ2 は測
定対象物体1から超音波受信器3へ反射波が到達する時
間である。
【0028】このように、積和演算器5によって、送信
信号と受信信号との間の時間的な統計処理を行うことに
より、超音波受信器3に到達する受信信号(測定対象物
体1からの反射波)が非常に微弱でも、測定時間(積分
時間)を十分長くとることによって、信号の信頼度と精
度を格段に向上させることができる。
【0029】そして、積和演算器5により、測定対象物
体1の一点一点の測定点には、受信信号の到達時刻の遅
れに対応した信号の時間系列が得られる。この信号は、
空間的統計処理装置6に入力され、積和演算器5で得ら
れた信号を空間的に統計処理して測定対象物体1を画像
化する。この処理は以下のように行われる。
【0030】上記したように、積和演算器5によって超
音波受信器3で受信される受信信号がどれだけ遅れて到
達したかを示す時間相関信号系列時間信号を知ることが
できる。そこで、図8に示すような信号送信位置(超音
波発信器2の発信位置)11と信号受信位置(超音波受
信器3の受信位置)12を焦点とする回転楕円体13を
考える。信号送信位置11と信号受信位置12の2点間
には、一定長さの紐14が張ってあるものと想定する。
紐14の回転楕円体13の表面と接する位置は測定点1
5である。尚、点線で示した部分は測定範囲領域16で
あり、図ではこの中にある測定対象物体は省略されてい
る。
【0031】紐14の長さを上記した信号の遅れ到達時
間τだと考えると、紐14を張った状態で描かれる回転
楕円体13のどの位置からでも、観測された遅れ時間信
号が戻ってきた可能性がある。そこで、観測された信号
値系列のうち紐14の長さに対応する遅れ時間位置の信
号値を回転楕円体13の表面全てに与える。そして、こ
のような一定の値を持つ回転楕円体13を実測した信号
の時間系列分だけ作成する。
【0032】次に、上記同様にして別の測定位置で観測
された信号系列のうち紐14の長さに対応する遅れ時間
位置の信号値を、別の位置に配置した信号送信位置11
と信号受信位置12を焦点とする新たな回転楕円体13
の表面の全面に亘って重ねる。この新たな回転楕円体1
3はその前に得られた回転楕円体13と交差することに
なる。このようにして全ての観測点での観測値を重ねる
と、実際に測定対象物体1があってそこから反射してき
た信号を観測している時は、その位置での全ての観測値
からの画像再生値は、実際に測定対象物体1があってそ
こから反射してきた信号を観測していることになり、前
記画像再生値を重ねると全ての観測位置の値も重なりあ
って強め合うようになる。
【0033】それに対して、測定対象物体1がない位置
で信号を重ねると、観測位置毎で、その再生点での値が
変わり、重ね上げると符号が反転して信号が重なり合
い、打ち消し合って大きな値は出てこない。
【0034】このように、空間的統計処理装置6により
多数の測定点で得られた信号から作成される回転楕円体
13の表面上に信号の遅れ時間に対応した相互相関値を
与え空間的にお互いの測定位置から定まる信号を重ねる
ことで、測定対象物体1の再生像を得ることができる。
そして、このようにして得られた測定対象物体1の再生
像は表示装置7に画像表示される。
【0035】また、上記した測定対象物体1の可視化に
おいて、得られた測定対象物体1の画像が鮮明でない場
合には、送信点の位置(超音波発信器2の発信位置)を
変えることで最適な再生像を探すことができる。
【0036】また、測定対象物体1の再生像のコントラ
ストが小さくて見にくい場合には、多数の超音波発信器
2と超音波受信器3を適当に配置して、各超音波受信器
2に信号発生器4から別々の信号を与え、上記した測定
対象物体1の可視化手順によって、測定対象物体1の再
生像を再生し、全ての超音波受信器3から得られた再生
像を重ねることでコントラストを上げることができる。
【0037】このように、本実施例では液体ナトリウム
のような非一様性(温度むら、密度むら等)の媒質中に
位置する測定対象物体も鮮明に画像表示することができ
るので、測定対象物体1の観察を精度よく行うことがで
きる。
【0038】次に、上記した測定対象物体1の可視化に
おいて、測定対象物体1の再生像を高速化して画像化す
る場合について説明する。
【0039】超音波発信器2、信号発生器4の構成およ
び動作は前記同様であるが、受信信号を受信する超音波
受信器3を複数配置して多数の測定点からの受信信号を
同時に取り込むようにする。この受信信号の取り込み
は、サンプリングという時間信号を一定時間間隔毎にそ
の時の値を測定する手法で行われる。このサンプリング
の時間間隔は、画像化したい測定対象物体1をどれくら
い細かいところまで見るかで定まる。
【0040】そして、実処理で画像化を行う場合には、
各測定点で前記サンプリング時間間隔毎に取り込まれた
信号系列と、全く同時か又はそのサンプリング時間間隔
内で取り込まれたほとんど同時刻の同じサンプリング間
隔毎の信号との間での前記(2) 式で示した相互相関処理
の演算は、次に示す(4)式のような積和演算処理をサン
プリング時間間隔内で行う必要がある。
【0041】
【数3】
【0042】ここで、Imはm番目の相関値、Xnはn
番目のサンプリングで測定された送信信号で基準波形と
して用い、yn+m はn+m番目に受信した受信サンプリ
ング信号である。
【0043】(4) 式で示した演算処理はサンプリング時
間間隔が短いほど、また、相互相関をとる時間の長さが
長いほど高速演算処理が必要になる。このような高速演
算処理は通常の計算機による積和演算では実行できない
ので、D.S.P(DegitalSignal Prosessor) が用い
られるが、D.S.Pを用いてもより短いサンプリング
時間間隔、及びより長い相互相関処理時間には演算時間
が追い付かなくなる。
【0044】そこで、メモリーバッファーとパラレルに
駆動するD.S.Pを用いることで、人間の知覚の範囲
でほとんど実時間処理と見なせる速さで処理することが
できる。そして、画像を再生してみたい測定領域分だけ
格子状の3次元メモリーを用意する。この3次元メモリ
ーは、実際の3次元位置情報と一対一に対応させる。
【0045】次に、図8に示すように、信号送信位置
(超音波発信器2の発信位置)11と信号受信位置(超
音波信号受信器3の受信位置)12との間に設けた紐1
4を弛ませて結んだ(図ではほとんど弛んでいない状態
を示している)長さで構成される回転楕円体13を作成
することを想定する。そして、この回転楕円体13と再
生像を作る領域とが交わる回転楕円体13の表面上の全
ての点に相関値関数を与える。上記した操作を紐14の
弛ませた長さを変更して違う大きさの回転楕円体13を
作成し、画像再生領域との交接面全てに紐14の弛ませ
た長さに対応した相関値を与える。
【0046】次に、別の位置に配置した信号送信位置1
1と信号受信位置12を焦点として、その間に設けた紐
14を弛ませて結んだ長さで構成される新たな回転楕円
体13を作成し、上記同様にして相関値を与える。以
下、同様の操作を行う。そして、このような操作によっ
て得られた相関値を前記3次元メモリーに順次記憶す
る。この結果、実際に測定対象物体1が存在する位置で
は相関値は強めあい、測定対象物体1が無い位置では信
号が打ち消し合うように働くため、測定対象物体1の鮮
明な3次元画像を再生することができる。
【0047】尚、本発明は、原子炉の炉心内部に充填さ
れたナトリウムの中に納められた構造物や燃料棒を炉内
で観察して、炉の安全を確保するためのシステム等に適
用できる。
【0048】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように本発明によれば、液体ナトリウム等のように非
一様性の媒質中にある測定対象物体を可視化する場合で
も、信号発生器で発信される信号と超音波受信器で受信
される信号を取り込み相互相関をとって時間的に統計処
理を行い、更に空間的にも統計処理することによって、
鮮明な測定対象物体の再生像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る超音波可視化装置を示
す構成図である。
【図2】信号発信器を示す構成図である。
【図3】信号発生器で発信される繰り返し周波数を示す
波形図である。
【図4】雑音発生器で発生される疑似雑音信号を示す波
形図である。
【図5】図4で示した疑似雑音信号で図3で示した繰り
返し周波数を変調した時の波形を示す波形図である。
【図6】超音波受信器で受信される信号を示す波形図で
ある。
【図7】信号発生器で発信される信号と超音波受信器で
受信される信号の相互相関信号を示す波形図である。
【図8】信号の送信点と受信点を焦点として信号の遅時
間に対応した回転楕円体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 測定対象物体 2 超音波発信器 3 超音波受信器 4 信号発生器 5 積和演算器(処理手段) 6 空間的統計処理装置(処理手段) 7 画像表示装置 8 繰り返し信号発生器 9 雑音発生器 10 増幅器 11 信号送信位置 12 信号受信位置 13 回転楕円体 14 紐
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 道雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−245685(JP,A) 特開 昭59−7217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 17/00 - 17/04 G01S 15/00 - 15/96

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し信号を雑音信号で変調し変調さ
    れた繰り返し信号を発信する信号発生器と、可視化した
    い測定対象物体が位置する測定領域に対して任意方向か
    ら前記信号発生器で発生される信号が印加された超音波
    を放射する超音波発信器と、該超音波発信器から放射さ
    れた超音波の前記測定対象物体からの反射波を受信する
    超音波受信器と、前記信号発生器で発信される信号と前
    記超音波受信器で受信される信号の相互相関をとって時
    間的な統計処理を行い、さらに多数の測定点で得られる
    前記時間的な統計処理した信号を空間的に重ねて前記測
    定領域を画像化する処理手段とを具備したことを特徴と
    する超音波可視化装置。
JP17409891A 1991-07-15 1991-07-15 超音波可視化装置 Expired - Lifetime JP2854730B2 (ja)

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