JP2852893B2 - 凍結防止剤散布方法およびその散布車 - Google Patents

凍結防止剤散布方法およびその散布車

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JP2852893B2 JP8025993A JP2599396A JP2852893B2 JP 2852893 B2 JP2852893 B2 JP 2852893B2 JP 8025993 A JP8025993 A JP 8025993A JP 2599396 A JP2599396 A JP 2599396A JP 2852893 B2 JP2852893 B2 JP 2852893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿潤状態の凍結防止
剤を路面に散布する凍結防止剤の散布方法と、その湿式
散布車の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、冬季においては路面凍結防止
のために、氷雪路面上に凍結防止剤を散布することが行
われている。凍結防止剤の散布方式としては、乾燥塩を
そのまゝ散布する乾式散布と、塩水などの溶液を塩に添
加してなる湿潤凍結防止剤を散布する湿式散布との2方
式があっていずれも実用化されているが、これらの方式
のうち、湿式凍結防止剤を散布する散布車としては、図
6に示すように、乾燥した凍結防止剤を受け入れるホッ
パAの下方に凍結防止剤搬送コンベアBを配設してホッ
パAの開口下端から送出される凍結防止剤を該コンベア
B上に受止させ、散布車の後方にまで搬送して該コンベ
アBの搬送終端から投下される凍結防止剤をシュートC
を通じて回転散布円盤D上に落下させる一方、該散布円
盤Dの斜め上方に湿潤剤噴霧装置Eを配設して、シュー
トCから落下する凍結防止剤に向かって溶液を噴霧し、
凍結防止剤を加湿するように構成した手段を備えている
ものが広く知られている。
【0003】また、実公平7ー48743号公報に記載
しているように、凍結防止剤搬送コンベアとホッパとの
間に攪拌装置を内装したケーシングを配設し、該ケーシ
ング内で乾燥凍結防止剤に溶液を供給して混合、湿潤さ
せ、この湿潤凍結防止剤を散布円盤上に排出して散布す
るように構成した散布車も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの湿式凍結防止剤散布車においても、ホッパに投入
した乾燥凍結防止剤をホッパから搬送コンベアを介して
後方に搬送したのち、散布円盤側において溶液を供給し
て湿潤させるものであるから、散布車に溶液タンクを設
置しなければならないばかりでなく、その溶液供給ポン
プや散布円盤側への溶液供給配管を配設する必要があ
り、さらに、乾燥凍結防止剤に対する溶液の添加量制御
手段を必要として装置全体が複雑化すると共に高価につ
くという問題点があった。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、溶液供給ポンプや配管類、添加量制御手段な
どを必要とすることなく簡単且つ正確に湿潤凍結防止剤
を調製し得ると共に円滑な散布作業を可能にすることを
目的とした凍結防止剤散布方法およびその散布車を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の凍結防止剤散布方法は、散布車本体に設置
した凍結防止剤収容ホッパに乾燥した粉粒状凍結防止剤
と該凍結防止剤の湿潤用溶液とを投入してホッパ内で凍
結防止剤に溶液を浸透させることにより湿潤した凍結防
止剤を調製し、この湿潤凍結防止剤をホッパの内底部に
配設した搬送コンベアにより散布車本体の後端部に配設
した散布装置に送り出して散布することを特徴とするも
のである。
【0007】また、この方法を実施するための凍結防止
剤散布車は、散布車本体に凍結防止剤と溶液を受け入れ
る水密に形成された凍結防止剤収容ホッパを設置し、こ
凍結防止剤収容ホッパの底面の後半部を後方に向かっ
て斜め上方に傾斜した傾斜壁面に形成すると共に該傾斜
壁面に沿って円筒状ケーシング内に回転スクリュー羽根
を設けてなるスクリューコンベアを配設し、このスクリ
ューコンベアの円筒状ケーシングの下傾端部の上周部に
設けた取入口を凍結防止剤収容ホッパの底部の最深部に
連通させる一方、上記円筒状ケーシングの上傾端部の下
周部に設けた排出口を散布車本体の後端部に配設したシ
ュートの上端開口部に連結、連通させ、該シュートの開
口下端を散布車本体の後端下部に配設した散布装置上に
臨ませてなる構造を有しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】散布車本体に設置した凍結防止剤
収容ホッパは、その四方周壁部及び底壁部は水密に形成
されてあり、底壁部は四方周壁部の下端に向かって拡開
した逆角錐形状に形成されている。この底壁部の後側内
底面に沿って円筒状ケーシング内に回転スクリュー羽根
を設けてなるスクリューコンベアをその搬送終端側を上
向きにして傾斜状態に配設、固定し、搬送始端部である
円筒状ケーシングの傾斜下端部の上周部に開口した取入
口をホッパの底部に連通させる一方、搬送終端部である
傾斜上端部をホッパから後方に突出させてその円筒状ケ
ーシングの下周部に開口した排出口を散布車本体の後端
側に配設している筒状シュートの上端開口部に連結、連
通させ、さらに、筒状シュートの開口下端を散布車本体
の後端部にその垂直軸を回転自在に軸支された回転散布
円盤からなる散布装置の上方に臨ませている。
【0009】乾燥状態の凍結防止剤と該凍結防止剤に添
加する水又は塩水よりなる溶液とは収容ホッパ内に投入
する前に予め、所定の混合割合となるように重量を設定
しておく。この凍結防止剤と溶液との混合割合は、重量
比で溶液が30%以下の適宜な量に設定すると所望の湿潤
凍結防止剤を得ることができる。この重量割合に設定し
た凍結防止剤と溶液とを順次収容ホッパ内に投入する
と、凍結防止剤に溶液が浸透、拡散して収容ホッパ内で
凍結防止剤全体が均一な湿潤状態となる。
【0010】この状態でスクリューコンベアのスクリュ
ー羽根を回転駆動すると、湿潤凍結防止剤がホッパの底
部に臨んでいるスクリューコンベアの取入口内に入り、
スクリュー羽根によって収容ホッパの傾斜壁面に沿って
上方に搬送され、収容ホッパから外部に突出した該スク
リューコンベアの排出口を通じて筒状シュートに落下
し、散布装置上に供給されて該散布装置によって路面に
散布される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を図面につい
て説明する。図1において、1は散布車本体で、その車
台上に凍結防止剤収容ホッパー2を搭載、設置してあ
る。このホッパー2の周壁上端部は平面矩形状の周壁部
2aに形成され、該四方周壁部2aの下端に連なる底壁部2b
は下端から上端に向かって拡開した逆角錐形状に形成さ
れてあり、これらの周壁部2a及び底壁部2bは全面的に水
密に形成されている。また、この底壁部2bにおいて、底
壁後部が底壁前部よりも水平面に対する傾斜角度が緩や
かな傾斜内底面2cに形成している。
【0012】3はホッパ2の底壁部2bの後側傾斜内底面
2c上に配設、固定したスクリューコンベアで、図2に示
すように円筒状ケーシング3a内に回転スクリュー羽根3b
を設けてなり、その円筒状ケーシング3aをホッパ2の底
壁部2bの最も深い部分から傾斜内底面2cに沿って上方に
傾斜状態で設けられてあり、該円筒状ケーシング3aの傾
斜上端部は傾斜内底面2cの上端部におけるホッパ2の後
側壁部を水密に貫通して後方に突出している。スクリュ
ーコンベア3のスクリュー羽根3bは中心軸3cに螺旋状に
取付けられてあり、この中心軸3cは円筒状ケーシング3a
の両端開口部を閉止している蓋板に装着した軸受3d、3e
に回転自在に支持されていると共に円筒状ケーシング3a
の傾斜上端側に配設した回転駆動モータ4によって回転
させられる。
【0013】さらに、ホッパ2の底壁部2bの最も深い部
分に位置するスクリューコンベア3の円筒状ケーシング
3aの傾斜下端部の上周部には湿潤凍結防止剤5の取入口
6が開設されている一方、円筒状ケーシングの傾斜上端
部の下周部には排出口7が開設されてあり、この排出口
7に筒状シュート8の上端開口部を連結、連通させてい
ると共に、該筒状シュートの開口下端を散布車本体1の
後端部に配設した散布装置9の上方に近接させて臨ませ
ている。散布装置9は、散布車本体1の後端部に回転自
在に軸支された垂直回転軸9aの下端に散布円盤9bの中心
を一体固着してなるものであり、複数枚の散布羽根9cを
放射状に突設している該散布円盤9bの上面に上記シュー
ト8の排出下端を臨ませているものである。
【0014】また、筒状シュート8の開口下端と散布装
置9との間に、散布車本体1の後端部に固定された誘導
シュート10を介在させてあり、この誘導シュート10によ
って湿潤凍結防止剤5を散布装置9の散布円盤9b上の所
定部位に正確に排出させるように構成している。なお、
スクリューコンベア3は図3、図4に示すように、2
基、並列状態にして配設しているが単一のスクリューコ
ンベアであってもよい。
【0015】このように構成した湿式凍結防止剤散布車
を使用して路面に湿潤凍結防止剤5を散布するには、ま
ず、凍結防止剤収容ホッパ2に粉末状の乾燥した塩剤か
らなる凍結防止剤と、該凍結防止剤に対して一定の重量
割合で混合させる溶液とを投入する。この投入順序は、
溶液をホッパ2内に投入したのち、凍結防止剤を投入し
てもよいが、凍結防止剤を投入したのち、該凍結防止剤
の上面に溶液を万遍なく注入するように供給する方が望
ましい。溶液としては塩水を用いてもよいが、水で充分
であり、この実施例においても水を使用している。
【0016】乾燥した粉末状の凍結防止剤と溶液との混
合割合は、溶液が凍結防止剤に対して重量比で8〜30%
位に混合させれば、凍結防止剤を充分に湿潤させること
ができる。ホッパ2内に凍結防止剤を投入したのち、こ
の凍結防止剤の重量に対して上記割合の調製された溶液
を投入すると、溶液が凍結防止剤に浸透、拡散して凍結
防止剤が短時間で均一に湿潤する。
【0017】こうしてホッパ2内で湿潤凍結防止剤5を
調製し、ホッパ2内に収容した状態でモータ4を駆動す
ると、スクリューコンベア3のスクリュー羽根3bが回転
して取入口6内に重量により沈降する湿潤凍結防止剤5
を筒状ケーシング3a内を通じて排出口7に搬送し、該排
出口7からシュート8に投下してこのシュート8の開口
下端から散布装置9の散布円盤9b上に落下させ、散布円
盤9bの回転によって湿潤凍結防止剤5を路面に散布する
ものである。なお、上記スクリューコンベア3による湿
式凍結防止剤5の搬送量は、路面に対する散布量、路面
の散布幅、および散布車本体1の速度によって調整され
る。
【0018】以上の実施例においては、スクリューコン
ベア3をホッパ2の内底部に配設しているが、図5に示
すように、外底部に配設してもよい。即ち、ホッパ2の
底壁部2bの最も深い部分に開口部2dを設け、この開口部
2dにスクリューコンベア3の傾斜下端部の上周部に開口
している取入口6を連結、連通させ、スクリューコンベ
ア3を傾斜内底面2cの外面に沿わせて前端から後端に向
かって斜め上方に傾斜させた状態で連結金具11によりホ
ッパ2に固定し、円筒状ケーシング3aの傾斜上端部の下
向き排出口7にシュート8を連結、連通した構造として
いる。その他の構成は上記実施例と同様である。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水密に形
成した収容ホッパ内に乾燥状態の凍結防止剤と溶液とを
投入するので、投入前に凍結防止剤と溶液との重量比を
設定しておくことによって収容ホッパ内で所望の湿潤凍
結防止剤を簡単に調製することができ、従って、従来の
凍結防止剤散布車に設けられていた溶液タンクや溶液供
給パイプ、配管などを設備を不必要とすることができ、
装置全体が簡略化されて経済的な凍結防止剤散布車を提
供し得るものである。
【0020】さらに、収容ホッパの底面の後半部を後方
に向かって斜め上方に傾斜した傾斜壁面に形成すると共
に該傾斜壁面に沿ってスクリューコンベアを配設したこ
とによって、該スクリューコンベアの回転速度を調整す
ることによって車速や路面に対する散布量、路面幅に応
じた量の湿潤凍結防止剤を散布装置側に送り出すことが
でき、その調整も容易で能率的な散布が可能となるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】凍結防止剤散布車の一部を断面した簡略側面
図、
【図2】その要部の拡大縦断側面図、
【図3】凍結防止剤散布車の簡略平面図、
【図4】その背面図、
【図5】スクリューコンベアをホッパの外底面側に配設
した状態の簡略縦断側面図、
【図6】従来例を示す簡略側面図。
【符号の説明】
1 散布車本体 2 収容ホッパー 2c 傾斜内底面 3 スクリューコンベア 8 シュート 9 散布装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 散布車本体に設置した凍結防止剤収容ホ
    ッパに凍結防止剤と溶液とを投入してホッパ内で凍結防
    止剤に溶液を浸透させることにより湿潤した凍結防止剤
    を調製し、この湿潤凍結防止剤をホッパの底部に配設し
    た搬送コンベアにより散布車本体の後端部に配設した散
    布装置に送り出して散布することを特徴とする湿式凍結
    防止剤散布方法。
  2. 【請求項2】 散布車本体に凍結防止剤と溶液を受け入
    れる水密に形成された凍結防止剤収容ホッパを設置し、
    この凍結防止剤収容ホッパの底面の後半部を後方に向か
    って斜め上方に傾斜した傾斜壁面に形成すると共に該傾
    斜壁面に沿って円筒状ケーシング内に回転スクリュー羽
    根を設けてなるスクリューコンベアを配設し、このスク
    リューコンベアの円筒状ケーシングの下傾端部の上周部
    に設けた取入口を凍結防止剤収容ホッパの底部の最深部
    に連通させる一方、上記円筒状ケーシングの上傾端部の
    下周部に設けた排出口を散布車本体の後端部に配設した
    シュートの上端開口部に連結、連通させ、該シュートの
    開口下端を散布車本体の後端下部に配設した散布装置上
    に臨ませていることを特徴とする凍結防止剤散布車。
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