JP2852841B2 - シームレスクラッドパイプの製造方法 - Google Patents

シームレスクラッドパイプの製造方法

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JP2852841B2
JP2852841B2 JP5079047A JP7904793A JP2852841B2 JP 2852841 B2 JP2852841 B2 JP 2852841B2 JP 5079047 A JP5079047 A JP 5079047A JP 7904793 A JP7904793 A JP 7904793A JP 2852841 B2 JP2852841 B2 JP 2852841B2
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斌 篠崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水淡水化装置や発電
用給水配管等に使用されるシームレスクラッド管体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海水淡水化装置や、発電用給水配管に
は、管径約400mmないしそれを越える大口径の管体
が使用される。その配管の耐食性を確保するために、管
体を外層と内層の2層積層構造とし、内層に耐食合金
(Ni−Cu合金等)を適用したクラッドパイプの実用
化も試みられている。クラッドパイプの製造方法として
は、溶接製管法や、シームレス製管法が工業的に実施さ
れている。溶接製管法によるクラッドパイプは、クラッ
ドパイプの外層となるプレートと、その内層となるプレ
ートとを、プレート・ミルで圧接して積層板とし、これ
をプレス・ベンド・ミル、またはUOEパイプ・ミルに
付して円筒形状に成形した後、その継目を溶接すること
により製造される。シームレス製管法では、鋳造または
穿孔圧延等により用意した管径の大小異なる2つのシー
ムレス管体を素管とし、両者を嵌め合せたうえ、プラグ
・ミル、マンドレル・ミル、あるいは押し抜きプレス等
に付して嵌合界面を接合する工程を経て目的とするクラ
ッドパイプが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶接製管法によれば、
管径約400mmを越える大口径のクラッドパイプの製
造も可能であるが、得られる管体は溶接による継目部分
(溶接熱影響部等)の耐食性低下等の問題が付随する。
また溶接接合部の調質にための後熱処理を必要とし、大
口径であるほど、その処理操作の困難と工程の煩瑣化を
免れない。シームレス製管法は、上記溶接製管法におけ
るような不利を有しない反面、その加工工程上、製造可
能な管径は約400mm程度が限度であり、それ以上の
大口径を有するクラッドパイプの製造は無理である。そ
こで、本発明は、溶接の継目がなく、しかも従来のシー
ムレス製管法では困難ないし不可能な大口径を有するシ
ームレスクラッドパイプを、特殊な装置を必要とせずに
工業的に製造する方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、外層と内層の
同心円状2層積層構造を有するクラッドパイプの製造方
法において、外層となる金属円筒体と、それより管径の
小さいカプセル円筒体とを同心円状に直立配置し、外層
金属円筒体とカプセル円筒体とで画成された空間内に、
内層形成材料を装填して脱気密封したうえ、内層形成材
料を、その融点より高く、外層金属円筒体の融点より低
い温度に加熱して溶融し、その溶融物と外層金属円筒体
との界面に固相−液相間の拡散接合を生じさせ、冷却凝
固した後、カプセル円筒体を除去することを特徴として
いる。
【0005】
【作用】本発明方法においては、外層となる金属円筒体
の内側面にカプセル円筒体を介して装填した内層形成材
料を加熱溶融することにより、外層と内層の2層積層構
造が形成されるので、外層円筒体とカプセル円筒体のサ
イズにより、任意の管径・肉厚、および管長を有するシ
ームレスクラッドパイプが製造され、その管サイズの設
計に本質的な制限はなく、管径400mmを越える大口
径管の製造も容易である。また、内層形成材料の加熱溶
融過程で、その加熱溶融物と外層金属円筒体との界面
に、固相−液相間の拡散反応による冶金的接合を生じる
ことにより、得られるクラッドパイプの積層界面の結合
強度が確保される。
【0006】以下、本発明について、図面を参照して詳
しく説明する。図1において、10はクラッドパイプの
外層となる円筒体(外層円筒体)、30は、外層円筒体
10の中空孔に装入されたカプセル円筒体であり、両者
は、ドーナツ形状の基盤A1上に同心円状に直立設置さ
れ、それぞれ溶接W1,W2により基盤Aに気密に接合
されている。20は内層形成材料であり、外層円筒体1
0とカプセル円筒体30とで画成されたリング状の隙間
空間内に装填されている。内層形成材料20は、粉末ま
たは円筒形状に成形されたプレート等を任意に使用する
ことができるが、装填しようとする空間の隙間幅が小さ
い場合や、その隙間幅に比べて、円筒体の高さが大きい
場合は、装填操作上、プレートの使用が有利である。外
層金属円筒体10とカプセル円筒体30との隙間に内層
形成材料20を装填した後、天面にドーナツ形状の蓋板
Bを被せ、その外側と内側の円周を溶接W3、W4によ
り気密に接合する。更に蓋Bに設けた脱気管Dを介し
て、内層形成材料20を装填した内部空間を真空脱気し
たうえ、脱気管Dを圧着封止し、ついでそのカプゼル体
40を加熱溶融処理に付す。内部空間を真空密封するの
は、内層形成材料の加熱溶融過程における外層円筒体1
0の内周面や内層形成材料20の酸化(外層円筒体の表
面酸化は内層との界面の冶金的接合を阻害し、内層形成
材料の酸化は内層材質を害する原因となる)や、内層溶
融物中の気泡の生成を防止するためであり、その真空脱
気は、約1×10-4Torr以下とすればよい。
【0007】上記カプセル体40の内層形成材料20の
加熱溶融は、例えば図2に示すように、ベル型加熱炉F
内において、炉内雰囲気を所定温度に設定し、外層円筒
体10の外側表面およびカプセル円筒体30の内側表面
から加熱(伝導伝熱)することにより行うことができ
る。加熱温度は、内層形成材料20の融点より高く(好
ましくは、その融点+30〜50℃)、かつ外層円筒体
の融点より低い温度範囲に調節される。その温度域に適
当時間(例えば2〜5Hr)保持することにより、内層
形成材料20を溶融させると共に、その溶融物と外層金
属円筒体10の内周面のと界面の固相−液相間の拡散接
合を生じさせ、ついでその溶融物を冷却凝固させる。内
層形成材料20の溶融物を冷却凝固させた後、炉外に取
り出し、基盤A,蓋板Bおよびカプセル円筒体30を除
去することにより、図3に示すように外層(外層円筒
体)1と内層(内層形成材料20の溶融物の冷却凝固
層)2とからなる2層積層クラッドパイプを得る。
【0008】クラッドパイプの外層1となる外層円筒体
10、およびおよび内層2となる内層形成材料20の材
種は、目的とするクラッドパイプの用途や要求される材
料特性に応じて適宜選択される。例えば、海水淡水化装
置、発電用給水配管の用途では、耐食性を必要とする内
層の形成材料20として、Ni−Cu合金(Cu:8
5.5〜90%,Ni:9〜11%,Fe:1〜3.5
%)が挙げられ、その内層を包囲する外層円筒体10と
して、その内層材料より高融点を有する炭素鋼等が挙げ
られる。外層円筒体10は遠心力鋳造管等であつてよ
い。外層円筒体10の内周面に内層形成材料20を装填
するためのカプセル円筒体30は、外層円筒体10と同
様に、内層形成材料の加熱溶融処理過程で溶融を生じな
い材種が選ばれる。その材種は、外層円筒体10と同様
の炭素鋼等からなる管材(遠心力鋳造管等)を使用して
よい。また、カプセル円筒体30は、内層と接する側の
表面に剥離層として、セラミツクス(例えばジルコニ
ア)等からなる適当な膜厚(例えば、30〜100μ
m)のコーテイング層を、溶射法等により形成しておけ
ば、内層形成材料の加熱溶融過程における内層との融着
が防止され、内層形成後のカプセル円筒体30の抜取り
が容易になると共に、カプセル円筒体30を治具として
反復使用することも可能となる。
【0009】
【実施例】外層円筒体10 材種:炭素鋼SC46(JIS G 5101 ) 融点 約1500℃ 管サイズ:外径800mm、肉厚20mm、長さ300
0mm、内層形成材料20 材種:Cu−Ni合金板(89%Cu−10%Ni−1
%Fe)、板厚5mm 融点 約1160℃カプセル円筒体30 材種:外層円筒体と同じ 管サイズ:外径740mm、肉厚20mm、長さ300
0mm、 剥離層:内層と接する側の表面にジルコニア溶射皮膜
(膜厚 約50μm)を形成。
【0010】上記外層円筒体10とカプセル円筒体30
(いずれも遠心力鋳造管)を、図1のように基盤A上に
同心円状に直立設置し、内層形成材料20を装填したう
え、蓋板Bを取りつけ、脱気密封(1×10-4Tor
r)する。これをベル型加熱炉F内に装入し(図2)、
炉内雰囲気を温度1190〜1210℃(内層形成材料
に融点+30〜50℃)に調節し、4時間を要して、内
層形成材料を加熱溶融し、ついで凝固させる。凝固完了
後、基盤、蓋板を除去し、カプセル円筒体を抜取り、機
械加工を加えて図3に示すクラッドパイプを得た。管サ
イズ(mm) 外径:800、外層肉厚:20、内層肉
厚:5、長さ:2800。得られたクラッドパイプは、
層界面の全体にわたり冶金的に接合されており、かつ内
層は気泡等のない緻密均質な組織を有している(超音波
探傷検査および断面のマクロエッチング検査による)。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、従来のシームレス製管
法と異なつて、製造可能な管サイズに本質的な制限はな
く、例えば海水淡水化装置、発電用給水配管等の配管構
築に必要な400mmを越える大口径のクラッドパイプ
を容易に製造することができる。しかも、従来のシーム
レス製管法(プラグミル、マンドレルミル、押し抜きプ
レス)におけるような大掛かりな機器・装置や、複雑な
操作をを必要とせず、加熱炉で行う加熱溶融処理の簡単
な工程により、健全なクラッドパイプを得ることができ
る。本発明方法は、大口径管だけでなく、配管構成に必
要な各種サイズのシームレスクラッドパイプの製造にも
適用され得ることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の断面説明図である。
【図2】本発明方法の断面説明図である。
【図3】クラッドパイプの断面説明図である。
【符号の説明】
1:外層、2:内層、10:外層金属円筒体、20:内
層形成材料、30:カプセル円筒体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層と内層の2層積層構造を有するシー
    ムレスクラッドパイプの製造方法において、 外層となる金属円筒体と、それより管径の小さいカプセ
    ル円筒体とを同心円状に直立配置し、外層金属円筒体と
    カプセル円筒体とで画成された空間内に、内層形成材料
    を装填して脱気密封したうえ、内層形成材料を、その融
    点より高く、外層金属円筒体の融点より低い温度に加熱
    して溶融し、その溶融物と外層金属円筒体との界面に固
    相−液相間の拡散接合を生じさせ、冷却凝固した後、カ
    プセル円筒体を除去することを特徴とするクラッドパイ
    プの製造方法
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