JP2852109B2 - ゴルフのパター練習機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴルフのパターを練習するための練習機に
係り、特に打球の強さが適正であったか否かを自動的に
判別し、練習者に音または（および）光により知らせる
ゴルフのパター練習機に関する。

〔従来の技術〕

従来のゴルフのパター練習機の一般的なものとして
は、細長いマットを有し、このマットの一端側に上り勾
配を設け、その高所側の端部にカップを設けたものがあ
った。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述のような従来のパター練習機は、 （イ）大型化し、不使用時に邪魔になる。

（ロ）ボールを打つ位置からカップまでの距離および勾
配が常に同じであるため、ボールを打つ強さの適正な大
きさも不変となり、実際的でない。

等の問題があった。

本発明は前記従来の問題を解決するためになされたも
ので、小型化が可能であって、かつボールを打つ位置か
らカップまでの距離および勾配を自由に選択でき、しか
もボールを打つ強さが適正であったか否かを音または
（および）光で知ることができてゲーム性もあり、興味
を持ってパター練習を行うことができるゴルフのパター
練習機を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によるゴルフのパター練習機は、パターで打た
れたゴルフボールが衝突されるように配置されたフィル
ム支持板と、このフィルム支持板に貼られた圧電性プラ
スチックフィルムと、この圧電性プラスチックフィルム
から出力される電圧の大きさを、適正電圧範囲と、この
適正電圧範囲より小さい電圧と、前記適正電圧範囲より
大きい電圧とに判別するコンパレータ手段と、このコン
パレータ手段による判別結果を音または（および）光に
変換する判別結果告知手段とを有してなるものである。

〔作用〕

本発明においては、パターで打たれたゴルフボールが
フィルム支持板にぶつかると、このフィルム支持板とと
もに圧電性プラスチックフィルムが変形するので、圧電
効果により圧電性プラスチックフィルムは電圧出力を発
生する。ここにおいて、圧電性プラスチックフィルムに
発生する前記電圧の大きさは、ボールがフィルム支持板
にぶつかる強さ、すなわち打球の強さの対応している。
したがって、圧電性プラスチックフィルムの出力電圧が
コンパレータ手段によって（ａ）適正電圧範囲、（ｂ）
適正電圧範囲より小さい電圧および（ｃ）適正電圧範囲
より大きい電圧の３種類の範囲に判別されることによっ
て、打球の強さが３種類に判別されることになる。この
ため、コンパレータの閾値を適当に定めることによりコ
ンパレータが判別する前記３種類の圧電性プラスチック
フィルムの出力電圧の大きさを「弱過ぎる打球」、「適
正な強さの打球」、「強過ぎる打球」に対応させること
ができる。

そして、コンパレータ手段による判別結果を判別結果
告知手段が音または光に変換することにより、練習者は
打つ強さが適正であったか、弱過ぎたか、強過ぎたか
を、音または（および）光によって知ることができる。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

第１〜６図は本発明の一実施例を示す。本実施例にお
いて、練習機本体１は、本体上側1aと本体下側1bとを組
み合わせてなり、全体として、大略平たい箱状をなして
いる。前記本体１の前端部の幅方向中央部には、カップ
の円周の一部に対応する円弧状の凹部２が設けられてい
る。前記本体上側1aの上面の前端部付近には、左右に、
それぞれ円柱状の板支持部3a,s3bが該本体上側1aに一体
的に立設されており、これらの板支持部3a,3bには互い
に対向する位置に切り込み４がそれぞれ設けられてい
る。同様にして前記本体下側1bの下面の前端部付近に
は、本体上側1aの板支持部3a,3bに対応する位置におい
て、それぞれ円柱状の板支持部3c,3dが該本体下側1bに
一体的に立設されており、これらの板支持部3c,3dには
互いに対向する位置に切り込み４がそれぞれ設けられて
いる。

前記板支持部3a,3cの切り込み４にはプラスチックか
らなる細長い矩形状のフィルム支持板５の一端板が、板
支持部3b,3dの切り込み４にはプラスチック板５の他端
部がそれぞれ嵌合されており、これによりフィルム支持
板５は本体の前端部と平行方向に凹部２を横断してい
る。前記フィルム支持板５の裏面（本体１内部側の面）
のうちの凹部２内の部分にはポリフッ化ビニリデン（PV
DF）からなる圧電性プラスチックフィルム（米国ペンウ
ォルト社製、商品名：カイナー圧電フィルム）６が接着
剤により貼られている。

前記本体上側1aの内部には、電極7,8が取り付けられ
ており、これらの電極7,8間には次に説明する電気回路1
2およびスピーカー11の電源となる電池９が着脱自在に
収容されるようになっている。前記本体下側1bの下面に
は電気回路基板10およびスピーカー11が取り付けられて
いる。前記電気回路基板10上には第６図に示されるよう
な回路12が構成されている。次に、この回路12について
説明する。

増幅器13の入力は圧電請プラスチックフィルム６に接
続された１対の電極（図示せず）に接続されていて、圧
電性プラスチックフィルム６の出力を増幅するようにな
っている。コンパレータ14は増幅器13により増幅された
圧電性プラスチックフィルム６の出力電圧を（ａ）適正
電圧範囲、（ｂ）適正電圧範囲より小さい電圧および
（ｃ）適正電圧範囲より大きい電圧の３種類に判別し、
それぞれの範囲に対応するディジタル値を出力する。タ
イマー15はコンパレータ14が前記判別出力を出すと計時
を開始する。ホールド回路16はタイマー15が計時を開始
してから所定時間の計時を終了するまでの間、コンパレ
ータ14の出力のピーク値をホールドする。デコーダ17は
ホールド回路16の出力をデコードし、サウンドジェネレ
ータ18はデコーダ17の出力に応じて３種類の異なった音
をスピーカー11に発生させる。

次に、本実施例の作動を説明する。

このパター練習機を使用するときは、本体１を床面ま
たは地面の適当な場所に置き、使用者は適当な位置から
パターで凹部２に向けてゴルフボール20を打つ。

ボール20が凹部２においてフィルム支持板５にぶつか
ると、フィルム支持板５とともに圧電フィルム６が変形
するので、圧電効果により圧電性プラスチックフィルム
６は電圧を発生させる。ここにおいて、圧電性プラスチ
ックフィルム６に発生する前記電圧の大きさは、ボール
20がフィルム支持板５にぶつかる強さ、すなわち打球の
強さに対応している。したがって、増幅器13によって増
幅された圧電性プラスチックフィルム６の出力電圧がコ
ンパレータ14によって前記３種類の範囲に判別されるこ
とによって、打球の強さが３種類に判別されることにな
る。このため、コンパレータ14の閾値を適当に定めるこ
とによりコンパレータ14が判別する前記３種類の圧電性
プラスチックフィルム６の出力電圧範囲を「弱過ぎる打
球」、「適正な強さの打球」、「強過ぎる打球」に対応
させることができる。

そして、前記のようにタイマー15がコンパレータ14の
判別出力の発生とともに計時を開始してから所定時間の
計時を終了するまでの間、ホールド回路16がコンパレー
タ14の出力のピーク値をホールドし、デコーダ17がホー
ルド回路16の出力をデコードすることにより、サウンド
ジェネレータ18はコンパレータ14の出力、すなわち「弱
過ぎる打球」、「適正な強さの打球」、「強過ぎる打
球」に応じてスピーカー11に３種類の異なった音を所定
時間発生させる。

このため、練習者は、スピーカー11から発せられる音
によって、ボール20を打つ強さが適正であったか、弱過
ぎたか、強過ぎたかを知ることができる。なお、打球の
方向が悪く、ボール20がフィルム支持板５にぶつからな
かった場合は、勿論、音は発生されない。

このパターン練習機は、前述のような構成であるた
め、小型化することができ、不使用時に邪魔にならな
い。また、本練習機を置く場所およびボールを打つ位置
を適宜選択することにより、ボールを打つ位置からカッ
プ（フィルム支持板５ないしは凹部２）までの距離およ
び勾配を自由に選択できる。

なお、本発明においては、LCDやLED等を用いて、前記
実施例のような音に代えて光により、または音および光
の両方により、打球の強さ適正であるか否かを練習者に
知らせるようにしてもよい。このように本パター練習機
は音または（および）光により打球の強さが適正である
か否かを知ることができるためゲーム性もあり、興味を
持ってパター練習を行うことができる。

第７図は本発明の他の実施例を示す。

本実施例においては、練習機本体１の形状が前記実施
例と異なっており、本体１の上面が傾斜面をなしてお
り、この上面の前端部は下面の前端部と交わっている。
他の構成は前記実施例と同様である。

〔発明の効果〕

以上のような本発明によるゴルフのパター練習機は、 （Ａ）小型化が可能である。

（Ｂ）ボールを打つ位置からカップまでの距離および勾
配を自由に選択できる。

（Ｃ）ボールを打つ強さが適正であったか否かを音また
は（および）光で知ることができてゲーム性もあり、興
味を持ってパター練習を行うことができる。

という優れた効果を得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるゴルフのパター練習機の一実施例
を示す平面図、第２図は前記実施例を示す正面図、第３
図は第１図のIII−III線における断面図、第４図は前記
実施例の本体下側部分を示す平面図、第５図は前記実施
例の本体上側部分を示す平面図、第６図は前記実施例に
おける電気系統を示すブロック図、第７図は本発明の他
の実施例を示す斜視図である。 １……練習機本体、５……フィルム支持板、６……圧電
性プラスチックフィルム、11……スペーカ、14……コン
パレータ、15……タイマー、16……ホールド回路、17…
…デコーダ、18……サウンドジエネレータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パターで打たれたゴルフボールが衝突され
   るように配置されたフィルム支持板と、このフィルム支
   持板に貼られた圧電性プラスチックフィルムと、この圧
   電性プラスチックフィルムから出力される電圧の大きさ
   を、適正電圧範囲と、この適正電圧範囲より小さい電圧
   と、前記適正電圧範囲より大きい電圧とに判別するコン
   パレータ手段と、このコンパレータ手段による判別結果
   を音または（および）光に変換する判別結果告知手段と
   を有してなるゴルフのパター練習機。