JP2850613B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2850613B2
JP2850613B2 JP48592A JP48592A JP2850613B2 JP 2850613 B2 JP2850613 B2 JP 2850613B2 JP 48592 A JP48592 A JP 48592A JP 48592 A JP48592 A JP 48592A JP 2850613 B2 JP2850613 B2 JP 2850613B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット式記録装
置に関し、特にインク保持体に保持したインクを加熱す
ることによって記録用紙に対して噴射させて記録を行う
インクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ(パソコン)や
ワードプロセッサ(ワープロ)等の情報機器の出力装置
として使用するプリンタは、高速で動作し、しかも印字
品質が高いことが要求されており、この要求に応えるた
め、レーザープリンタが次第に普及してきている。しか
しながら、レーザープリンタは、光学部品を多く含み、
構成部品の数も多いために高額であり、従って一般家庭
において使用される迄には至っておらず、一般家庭にお
いては、おおむね熱転写プリンタが使用されている。熱
転写プリンタは、印字速度が遅く、またインクリボンの
消費量が多いため、ランニングコストが高くつくという
欠点を有している。このため、レーザープリンタと熱転
写プリンタとの中間に位置するものとして、インクジェ
ットプリンタが注目されてきており、そのうちの一つの
方式として、バブルジェット方式のインクジェットプリ
ンタが急速に市場に出できている。
【0003】インクジェットプリンタは、文字を構成す
るための縦方向のドット列に対応して配置した微細なノ
ズルにインクを供給し、ノズル内に保持したインクを加
圧してインク滴を記録用紙に対して噴射させて記録を行
うようにしたものである。
【0004】ノズル内のインクに対する加圧手段として
は、大別して圧電方式とバブル方式とがある。これらの
うち、前者の圧電方式のものは、インクに対する加圧手
段として、インク流路の一部に圧電材料を設け、圧電材
料に電圧を与えることによって変形させ、この圧電材料
の変形によってインク流路の容積を急激に変化させ、こ
のインク流路の容積の変化によってインクを噴射させる
ようにしたものが一般的である。後者のバブル方式のも
のは、インク流路の一部に加熱源を設け、この加熱源を
動作させることによってインクを加熱し、インクの中に
泡(バブル)を発生させてこのバブルの力によってイン
クを噴射させるようにしたものである。
【0005】これらのいずれの方式も、最終的にはイン
クを加圧して噴射させるものであるが、バブル方式の方
が構成が簡単であるため、最近では、バブル方式のイン
クジェットプリンタが主流となっており、ノート型パソ
コン等にも使用できる超小型のインクジェットプリンタ
として一般家庭でも購入できる価格帯で市販されるよょ
うになってきている。
【0006】ノンインパクト記録装置としてのインクジ
ェットプリンタ(インクジェット式記録装置)は、上述
のように、圧電方式またはバブル方式によってインク流
路内のインクを加圧してノズルからインクを噴射させ、
インク滴を記録用紙に付着させてドットを形成し、ドッ
トの集合体として文字を形成するものである。このよう
なノズルからインクを噴射させ方式のものは、ノズルが
乾燥して目詰りが発生し易く、記録装置としての安定性
に欠けている。この欠点を解消するための方式として、
有孔フィルムとサーマルヘッドとを組合わせたベーパー
・ジェット・プリンティング(VJT)方式のものが提
案されている(特公昭60−71260参照)。
【0007】VJT方式のインクジェット式記録装置の
基本的な構造は、多数の微細孔を設けた有孔フィルムに
インクを泌み込ませ、この有孔フィルムをサーマルヘッ
ドの上に移動し、サーマルヘッドを動作させることによ
ってその発熱素子上のインクを急速に加熱し、このとき
発生するバブルによって有孔フィルムの微細孔からイン
クを噴射させるようにしたものである。
【0008】図5は、上述のような従来のインクジェッ
ト式記録装置の一例を示す斜視図、図6は図5の例の有
孔フィルムの詳細を示す正面図、図7は図5の例におけ
る有孔フィルムからのインクの吐出状態を示す断面図、
図8は図5の例における印字ドッドの形成状態を示す正
面図である。
【0009】図5において、記録用紙59は、プラテン
58に装着されて上方に搬送される。この記録用紙59
の前方に近接して配置されている有孔フィルム51は、
ポリイミド樹脂によってエンドレステープ状に形成され
ており、左方(矢印FA方向)に走行する。有孔フィル
ム51には、印字文字を構成するドットの1個よりも小
さい微細な小孔が網目状に多数設けられている。
【0010】すなわち、図6に示すように、有孔フィル
ム51には、多数の小孔61が設けられており、各小孔
61の直径は数10μm、隣接する小孔61間の間隔
(ピッチ)も数10μmとなっている。
【0011】このように構成された有孔フィルム51
は、モータおよびギヤ(共に図示省略)によって駆動さ
れ、ガイドローラ53a〜53cに案内されて矢印FA
方向に走行する。この有孔フィルム51の走行経路の途
中にインクタンク56とインク供給ローラ52とが設け
られており、これらから、有孔フィルム51に設けた小
孔61にインクを供給して充填させる。また、有孔フィ
ルム51の走行経路の途中に、記録用紙59に対面した
位置に、サーマルヘッド55が設けてある。有孔フィル
ム51とその走行系およびインクタンク56とインク供
給ローラ52およびサーマルヘッド55は、キャリッジ
57上に載置されており、キャリッジ57は、有孔フィ
ルム51の走行方向FAと反対方向(矢印CA方向)に
移動する。
【0012】このように構成されたインクジェット式記
録装置は、インク供給ローラ52からインクを供給され
て走行している有孔フィルム51に対して、サーマルヘ
ッド55の指定された発熱素子を動作させることによっ
てその発熱素子に対応する小孔61を加熱すると、該当
する小孔61に充填されているインクが急速に加熱され
てバブルを発生し、このバブルによってその小孔61の
インクがインク滴として噴射される。
【0013】図7は図5の例における有孔フィルムから
のインクの吐出状態を示す断面図で、(a)〜(c)の
順序に動作する。
【0014】図7(a)に示すように、サーマルヘッド
55の発熱部63と接触している有孔フィルム51の小
孔61内に充填されているインク62は、発熱部63に
よって加熱されると、図7(b)に示すようにバブル6
4を発生する。このバブル64が更に発達すると、図7
(c)に示すようにインク滴65を吐出する。このイン
ク滴65は、記録用紙59(図5参照)に向って飛翔
し、記録用紙59に付着してドットを形成して記録を行
う。
【0015】記録用紙59上におけるドットを形成状態
は、図8に示すように、有孔フィルム51の小孔61と
サーマルヘッド55の発熱部63との相対的な位置によ
って変化し、図8(a−1)に示すような位置関係のと
きは、図8(a−2)に示すように、8個のインク滴6
5によって1個の印字ドット66aが形成され、図8
(b−1)に示すような位置関係のときは、図8(b−
2)に示すように、7個のインク滴65によって1個の
印字ドット66bが形成される。
【0016】このようなエンドレステープ状の有孔フィ
ルムを使用したVJT方式のインクジェット式記録装置
は、有孔フィルムを走行させ、更に有孔フィルムとサー
マルヘッドとインク供給機構とを移動させる必要があ
り、特に有孔フィルムを安定に走行させるために広いス
ペースを必要とするため、記録ヘッドが大型になり、し
かも有孔フィルムの走行系全体が複雑になるという問題
点を有している。
【0017】この問題を解消するため、円板状有孔フィ
ルム(ディスク)を用いるものもある(特公昭61−2
22754参照)。この方式のものは、円板状に形成し
たフィルムの外周部に、エンドレステープ状の有孔フィ
ルムと同様な網目状の微細な小孔を多数設けて記録用紙
とサーマルヘッドとの間に配設し、それをフィルムの中
心を回転中心として回転させるようにしたものである。
【0018】この場合の印字動作は、エンドレステープ
状の有孔フィルムと同様に、サーマルヘッドの発熱部と
接触しているディスクの小孔に充填されているインクが
加熱されてバブルを発生し、それによってインク滴が噴
射されて記録用紙に向って飛翔し、記録用紙の印紙面に
付着してドットを形成することによって記録を行う。従
って、小孔を有するディスクがエンドレステープ状の有
孔フィルムの役割を果し、フィルム系全体を小型にする
ことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
VJT方式のインクジェット式記録装置は、エンドレス
テープ状の有孔フィルムを用いる場合も、円板状有孔フ
ィルム(ディスク)を用いる場合も、いずれの場合も有
孔フィルムの小孔とサーマルヘッドの発熱部との位置に
無関係に発熱部を付勢している。従って常に確実にイン
クを噴射させて記録し、その結果が印字濃度のばらつき
のないものとするためには、有孔フィルムに設ける小孔
の大きさを、記録用紙上の1ドットの大きさよりも相当
に小さなものとし、更に小孔の設置密度を高くして1ド
ットが複数の小孔に対応するように構成する必要があ
る。
【0020】このためには、有孔フィルムに設ける小孔
の大きさを相当小さなものとし、また隣接する小孔間の
間隔(ピッチ)も狭くしなければならないが、一方有孔
フィルムは、必要な量のインクを保持している必要があ
るため、適当な厚さが必要である。小孔の直径を有孔フ
ィルムの厚さに比して小さくすることは加工上限界があ
り、またピッチを狭くすると有孔フィルムの強度上の問
題を発生する。従って、例えば、50μmの厚さのフィ
ルムを使用した場合、小孔の直径は25μm、ピッチは
45μm程度が限界である。
【0021】従って、300DPI(1インチに300
ドット)の印字品質を達成するためには、1個のドット
の大きさは、その一辺が80μm程度でなければなら
ず、このため、現状の有孔フィルムでは、1個のドット
に対して4〜7個の小孔を対応させるのが限度であり、
サーマルヘッドの発熱部を付勢するたタイミングによっ
て印字濃度が大幅にばらつくという欠点を有している。
【0022】また、記録ヘッドの大きさも大型となり、
円板状有孔フィルム(ディスク)の場合も、円板の直径
を大きくしなければないため、記録ヘッドの大きさをそ
れほど小さくすることができず、また、ディスクを回転
させるモータをディスクの中心に配置しなければならな
いため、高さが高い記録ヘッドとなって小型化に限界が
あるという問題点も有している。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
式記録装置は、印字文字を形成するドットの1個の大き
さとほぼ同じ大きさの複数の小孔を縦方向に一列に並べ
列の小孔列を有し記録用紙に近接して平行に設けた
薄いプレート状のインク保持体と、前記インク保持体の
左右の両端をそれぞれ保持する2個のインク保持体支持
部と、前記2個のインク保持体支持部の間に設けられて
前記インク保持体と接触して前記小孔列の指定された小
孔を加熱する発熱部を有するサーマルヘッドと、前記イ
ンク保持体と前記サーマルヘッドとの間に設けられ前記
インク保持体の前記小孔に対してインクを供給する薄板
状のインク供給部と、前記インク保持体を横方向に往復
運動させる往復機構部と、前記記録用紙に対向して配設
され前記インク保持体および前記インク供給部および前
記サーマルヘッドを搭載してプラテンと平行に運動する
キャリッジとを備え、前記サーマルヘッドの前記発熱部
を前記インク保持体の運動に同期して付勢し、前記キャ
リッジを前記インク保持体の往復運動に同期させて印字
文字の1ドット分ずつ移動させるようにしたものであ
る。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】図1は本発明の第一の実施例を示す分解斜
視図、図2は図1の実施例のインク保持体とインク供給
部とサーマルヘッドとの詳細を示す断面図、図3は図1
の実施例におけるインク保持体の動作を示す断面図であ
る。
【0026】図1において、薄いフィルム状のインク保
持体1は、多数の小孔を有しており、その両端を2個の
インク保持体支持部2によって保持され、プラテン(図
示省略)に装着されている記録用紙に近接して平行に配
設されており、モータ等のアクチュエータによって駆動
される往復機構部(図示省略)によって左右方向(矢印
F方向)に往復運動を行う。インク保持体1の背後に、
2個のインク保持体支持部2の中央の位置においてイン
ク保持体1の方に突出した発熱部13を有するサーマル
ヘッド5が設けられており、サーマルヘッド5とインク
保持体1との間には、インク供給部6が設けてある。イ
ンク供給部6は、インク保持体1に近接して設けられて
いて左右に分離して1対となっている流体路カバー7a
および7bと、流体路カバー7aおよび7bとサーマル
ヘッド5と間に設けられていてこれも左右に分離して1
対となっている流体路形成板9aおよび9bとを有して
いる。インク保持体1の記録用紙と対応する側(サーマ
ルヘッド5と対応する側と反対の側)には、左右に分離
して1対となっているカバープレート11aおよび11
bが設けてある。
【0027】インク保持体1は、複数の小孔を縦方向に
一列に並べ、適当な間隔で平行に配置した2列の小孔列
12aおよび12bを有しており、小孔列12aおよび
12bの各小孔の大きさは、印字文字を形成する1個の
ドットと同じ大きさとなっている。流体路カバー7aお
よび7bには、それぞれ小孔列12aおよび12bに対
応する位置に、縦方向に細長く形成したスリット状の開
口部8aおよび8bを形成している。一方、流体路形成
板9aおよび9bには、それぞれ開口部8aおよび8b
に対応する位置に、流体路10aおよび10bが設けら
れており、流体路10aおよび10bから、それぞれ開
口部8aおよび8bに対してインクを導入する。流体路
形成板9aおよび9bの外側部の上部には、それぞれイ
ンク導入口14aおよび14bが設けられており、イン
ク導入口14aおよび14bから対応する流体路10a
および10bに対してインクを供給している。インク保
持体1およびインク保持体支持部2およびサーマルヘッ
ド5およびインク供給部6およびカバープレート11a
および11bは、記録ヘッドを構成している。
【0028】インク保持体1およびインク保持体支持部
2およびサーマルヘッド5およびインク供給部6は、ア
クチュエータおよび往復機構部と共にキャリッジ(図示
省略)に搭載され、キャリッジはプラテンと平行にに運
動する。
【0029】図2は図1の実施例のインク保持体とイン
ク供給部とサーマルヘッドとの詳細を示す断面図であ
る。
【0030】図2に示すように、インク供給部6は、厚
さ200μmの金属板に深さ150μmのエッチング加
工を施すことによって形成した流体路形成板9aおよび
9bと、厚さ50μmの金属板にエッチング加工を行っ
てそれぞれ開口部8aおよび8bを形成した流体路カバ
ー7aおよび7bとの対応する部分を一体となるように
結合して流体路10aおよび10bを形成したものであ
る。インク供給部6の開口部8aおよび8bは、インク
保持体1が静止しているとき、その対応する小孔列12
aおよび12bの位置にあるように設けられている。こ
のとき、カバープレート11aおよび11bは、それぞ
れ対応する小孔列12aおよび12bを封止している。
【0031】インク供給部6をこのように構成すること
により、インク供給部6の厚さを薄くすることが可能と
なるため、インク保持体1とサーマルヘッド5との間隔
を、0.5mm以内とすることが可能となり、サーマル
ヘッド5として、平面状のものを用いることが可能とな
る。このときサーマルヘッド5の発熱部13を凸状に形
成してインク供給部6の流体路形成板9aおよび9bと
流体路カバー7aおよび7bとの間から突出させること
により、インク保持体1と接触させることができる。ま
た、発熱部13と開口部8aまたは8b(小孔列12ま
たは12b)との距離を、3mm以下にすることができ
るため、インク保持体1の往復運動の振幅が小さくな
り、それを駆動するアクチュエータとして、モータの他
に、圧電素子や、ボイスコイルモータ等を利用でき、ア
クチュエータの選択の幅が広くなる。
【0032】このように構成したインク保持体1を2個
のインク保持体支持部2によって保持し、小孔列12a
および12bが交互にサーマルヘッド5の発熱部13の
位置にくるように左右に往復運動を行わせ、インク保持
体1の小孔列12aおよび12bがインク供給部6の開
口部8aおよび8bの位置にあるとき、インク導入口1
4aおよび14bから供給されるインクを流体路10a
および10bを介してインク保持体1の小孔列12aお
よび12bに送って各小孔に充填し、小孔列12aまた
は12bがサーマルヘッド5の発熱部13の位置にきた
とき、指定された小孔に対応する発熱部13を付勢して
該当する小孔を加熱し、記録用紙に向けてインク滴を噴
射させて記録を行う。インクジェット式記録装置が記録
動作を行っていないときは、インク保持体1は、小孔列
12aおよび12bがインク供給部6の開口部8aおよ
び8bの位置に停止する。従って各小孔の乾燥が防止さ
れるため、目詰りが発生しない。
【0033】インク保持体1の動作は、図3(a)〜
(f)に示す順序に動作する。
【0034】すなわち、インク保持体1が静止すると、
小孔列12aおよび12bは、(a)に示すように、サ
ーマルヘッド5の中心に対して左右対称の位置にあり、
その位置で各小孔に対してインク供給部6からインクが
充填される。次に(b)に示す状態となり、インクを充
填された左側の小孔列12aがサーマルヘッド5の中心
の発熱部13の位置にくる。この状態で発熱部13を付
勢すると、(c)に示すように、小孔列12aの加熱さ
れた小孔からインク滴14aが噴射される。次に、イン
ク保持体1を左方に移動させて小孔列12aおよび12
bをサーマルヘッド5の中心に対して左右対称の位置
((a)に示す状態と同じ状態)にすると、(d)に示
すように、小孔列12aが左側のインク供給部6の位置
にくるので、その状態で小孔列12aのインク滴14a
を吐出して空となった小孔に対して再びインクを充填す
る。次に、更にインク保持体1を左方に移動させて、
(e)に示すように、小孔列12bをサーマルヘッド5
の中心の発熱部の位置に持ってくる。この状態で再びサ
ーマルヘッド5の発熱部13を付勢すると、(f)に示
すように、小孔列12bの加熱された小孔からインク滴
14bが噴射される。この後、インク保持体1を右方に
移動させて(a)に示した状態とし、右側のインク供給
部6によってインク滴14bを吐出して空となった小孔
に対して再びインクを充填する。この動作を反復し、イ
ンク保持体1の動作の半サイクルに対してキャリッジを
印字文字の1ドット分だけ右に移動させことにより、所
望の文字を記録することができる。
【0035】このように、インク保持体1の往復運動と
サーマルヘッド5に対する付勢とを同期させ、印字文字
の1ドットの大きさと同じ大きさの小孔から印字文字の
1ドット分のインク滴を吐出させることによって文字を
記録することができるため、従来のように、小孔を微細
にかつ高密度に加工する必要がなくなり、しかも充分な
印字濃度を確保することができる。
【0036】インク保持体1の往復運動とサーマルヘッ
ド5に対する付勢とを同期させる手段としては、例え
ば、磁気マーカ等の検出媒体をインク保持体1に設け、
これを磁気マークセンサ等を用いて検出してインク保持
体1の小孔列12aまたは12bがサーマルヘッド5の
発熱部13に位置に来たとき、発熱部13を付勢するよ
うにすることによって、完全に同期させることができ
る。
【0037】図4は本発明の第二の実施例の記録ヘッド
を示す正面図である。
【0038】本実施例の記録ヘッドは、インク保持体2
1およびインク保持体支持部およびサーマルヘッド25
の構成は図2の記録ヘッドと同じであるが、インク供給
部26とカバープレート31の構成を変えたものであ
る。すなわち、流体路カバー27と流体路形成板29と
を、共に左右の板を上下で連結して1個の部品とし、そ
れらの中央の空間部分からサーマルヘッド25の発熱部
23を突出させてインク保持体21と接触させるように
したものである。このとき、インク供給部26は、全体
が一つ部分となっていてもよい。カバープレート31も
同様に、上下で連結して1個の部品としている。このよ
うに構成することにより、構成部品の点数を削減するこ
とができる。
【0039】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではない。すなわち、上述した実施例においては、イ
ンク供給部の開口部ををインク保持体の左右の小孔列の
静止点に配置しているが、必ずしもこのようにする必要
はなく、インク保持体の往復運動の途中において、小孔
列が通過する任意の地点に設けておくことができる。ま
た、サーマルヘッドに対する電流供給用の回路を、スル
ーホール等の手段を利用して、インク供給部に面する側
でない面に形成することにより、サーマルヘッドのイン
ク供給部に面する側を、発熱部のみとすることができる
ため、この面を利用してサーマルヘッドとインク保持体
とを一体とすることができ、組立て作業のときの位置合
わせを不要にすることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット式記録装置は、薄いフィルム状のインク保持体上
に、印字文字を形成する1個のドットとほぼ同じ大きさ
の複数の小孔を縦方向に一列に並べた小孔列を複数列設
け、この小孔列をサーマルヘッドの発熱部の前で往復運
動させ、サーマルヘッドとインク保持体との間に薄板状
のインク供給部を設け、サーマルヘッドの発熱部をイン
ク保持体の運動に同期して付勢し、インク保持体を搭載
したキャリッジをインク保持体の往復運動に同期させて
印字文字の1ドット分ずつ移動させるようにすることに
より、従来のように、インク保持体に微細な孔を密接し
て加工する必要がなくなるため製造が容易となり、しか
も充分な印字濃度を確保しかつ印字濃度のばらつきを小
さくすることができるという効果がある。また、記録ヘ
ッドを薄型にすることができるため、サーマルヘッドを
製造が容易な平面型とすることができ、かつインク保持
体の小孔列の前にカバープレートを設けることにより、
小孔列の各小孔の乾燥を防止して、目詰りの発生がなく
信頼性の高いインクジェット式記録装置が得られるとい
う効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例のインク保持体とインク供給部と
サーマルヘッドとの関係を示す断面図である。
【図3】図1の実施例におけるインク保持体の動作を示
す断面図である。
【図4】本発明の第二の実施例の記録ヘッドを示す正面
図である。
【図5】従来のインクジェット式記録装置の一例を示す
斜視図である。
【図6】図5の例の有孔フィルムの詳細を示す正面図で
ある。
【図7】図5の例における有孔フィルムからのインクの
吐出状態を示す断面図である。
【図8】図5の例における印字ドッドの形成状態を示す
正面図である。
【符号の説明】
1 インク保持体 2 インク保持体支持部 5 サーマルヘッド 6 インク供給部 7a・7b 流体路カバー 8a・8b 開口部 9a・9b 流体路形成板 10a・10b 流体路 11a・11b カバープレート 12a・12b 小孔列 13 発熱部 14a・14b インク滴 21 インク保持体 22 インク保持体支持部 23 発熱部 25 サーマルヘッド 26 インク供給部 27 流体路カバー 29 流体路形成板 31 カバープレート 51 有孔フィルム 52 インク供給ローラ 53a〜53c ガイドローラ 55 サーマルヘッド 56 インクタンク 57 キャリッジ 58 プラテン 59 記録用紙 61 小孔 62 インク 63・63a・63b 発熱部 64 バブル 65 インク滴 66a・66b 印字ドット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字文字を形成するドットの1個の大き
    さとほぼ同じ大きさの複数の小孔を縦方向に一列に並べ
    列の小孔列を有し記録用紙に近接して平行に設けた
    薄いプレート状のインク保持体と、前記インク保持体の
    左右の両端をそれぞれ保持する2個のインク保持体支持
    部と、前記2個のインク保持体支持部の間に設けられて
    前記インク保持体と接触して前記小孔列の指定された小
    孔を加熱する発熱部を有するサーマルヘッドと、前記イ
    ンク保持体と前記サーマルヘッドとの間に設けられ前記
    インク保持体の前記小孔に対してインクを供給する薄板
    状のインク供給部と、前記インク保持体を横方向に往復
    運動させる往復機構部と、前記記録用紙に対向して配設
    され前記インク保持体および前記インク供給部および前
    記サーマルヘッドを搭載してプラテンと平行に運動する
    キャリッジとを備えることを特徴とするインクジェット
    式記録装置。
  2. 【請求項2】 印字文字を形成するドットの1個の大き
    さとほぼ同じ大きさの複数の小孔を縦方向に一列に並べ
    列の小孔列を有し記録用紙に近接して平行に設けた
    薄いプレート状のインク保持体と、前記インク保持体の
    左右の両端をそれぞれ保持する2個のインク保持体支持
    部と、前記2個のインク保持体支持部の間に設けられて
    前記インク保持体と接触して前記小孔列の指定された小
    孔を加熱する発熱部を有するサーマルヘッドと、前記イ
    ンク保持体と前記サーマルヘッドとの間に設けられ前記
    インク保持体の前記小孔に対してインクを供給する薄板
    状のインク供給部と、前記インク保持体を横方向に往復
    運動させる往復機構部と、前記記録用紙に対向して配設
    され前記インク保持体および前記インク供給部および前
    記サーマルヘッドを搭載してプラテンと平行に運動する
    キャリッジとを備え、前記サーマルヘッドの前記発熱部
    を前記インク保持体の運動に同期して付勢し、前記キャ
    リッジを前記インク保持体の往復運動に同期させて印字
    文字の1ドット分ずつ移動させるようにしたことを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
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